JP2008303451A - 電気めっき治具 - Google Patents

電気めっき治具 Download PDF

Info

Publication number
JP2008303451A
JP2008303451A JP2007154022A JP2007154022A JP2008303451A JP 2008303451 A JP2008303451 A JP 2008303451A JP 2007154022 A JP2007154022 A JP 2007154022A JP 2007154022 A JP2007154022 A JP 2007154022A JP 2008303451 A JP2008303451 A JP 2008303451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plated
electroplating
electroplating jig
jig
attached
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007154022A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sakai
比呂志 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
UMG ABS Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UMG ABS Ltd filed Critical UMG ABS Ltd
Priority to JP2007154022A priority Critical patent/JP2008303451A/ja
Priority to CN2008100997560A priority patent/CN101323967B/zh
Publication of JP2008303451A publication Critical patent/JP2008303451A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

【課題】被めっき材の落下、反り、接点焼けの恐れが少なく、めっき膜厚を充分に制御でき、大きさや形状の異なる各種被めっき材に対応して電気めっきが行える電気めっき治具を提供する。
【解決手段】ボス部61を有する被めっき材60に金属めっきを行うめっき治具であって、それぞれが同一方向に沿って移動可能な複数の可動式固定用部材40が備えられ、前記可動式固定用部材40は、前記被めっき材のボス部61に取り付ける固定支柱51が取り付けられ、電気接点34cが、前記被めっき材60のボス部61の外側面、または前記被めっき材60のボス部61が形成されている面62に設けられることを特徴とする電気めっき治具1。
【選択図】図8

Description

本発明は、電気めっき治具に関する。
被めっき材の表面にめっきを行う手法としては、大きく分けて電気めっきと無電解めっきとがある。電気めっきは、金属塩を溶解させた水溶液又は非水溶液をめっき液とし、該めっき液中にカソードの一部として被めっき材を浸漬し、電極により通電することにより行う。この電気分解により、めっき液からカソードの被めっき材上に金属が析出され、被めっき材に電気めっきが行われる。電気めっきに用いられる金属としては、例えば、ニッケル、クロム、銅が挙げられる。
電気めっきは、被めっき材を電気めっき治具に固定して行う。そのため、被めっき材がめっき液中に落下しないように、被めっき材をしっかりと電気めっき治具に固定する必要がある。被めっき材の固定方法としては、「はじく」、「はさむ」、「のせる」、「つるす」、「つける」、「いれる」、「締め付ける」、「からむ」等が一般的である。しかし、例えば、熱可塑性樹脂からなる機器ハウジング等を被めっき材とする場合、該被めっき材は軽量化のために薄肉化されており、前記方法により電気めっき治具に固定すると大きな外部応力によって被めっき材に「反り」等の変形が生じてしまう。得られためっき製品に生じた「反り」は他の部材との密着性を損ねるため、電気めっきを行った後の組み立て作業や品質の点で問題となる。
図10は、従来の「はじく」方式で被めっき材を固定する電気めっき治具2の一実施形態例を示した図である。電気めっき治具2は、主骨111と、主骨111に設けられた支骨112と、支骨112に設けられた支骨接点113からなる。支骨接点113は、支骨112から外側に開くように設けられており、被めっき材160のボス部161を支骨接点113で外側にはじく様にして被めっき材160を固定する。
このような「はじく」方式による固定では、被めっき材160に大きな外部応力が加わってしまうため、被めっき材160に「反り」や「ねじれ」等の変形が生じる恐れが大きい。また、被めっき材160の固定も不充分であるため、被めっき材160がめっき液中に落下してしまう恐れもある。
また、被めっき材の電気めっきでは、めっき膜厚を制御することも重要である。特に、被めっき材の他の部材と接触する領域(例えば、図10の面163の領域。以下、接触領域という。)のめっき膜厚が厚くなってしまうと、めっき製品を組み立てる際に製品同士の密着性が低下し、組み立てに支障がある。また、製品外観も悪化する。
そこで、被めっき材である機器ハウジングのボス部にビットインサートを挿入し、該ビットインサートを利用して被めっき材を固定する電気めっき治具が示されている(特許文献1)。該電気めっき治具は、「反り」を生じさせることなく被めっき材を固定できる。しかし、ボス部に挿入したビットインサートの部分を電気接点としているために、接点焼けが起きることがあった。
また、機器ハウジングのボス部を利用して遮蔽板を設置することにより、めっき膜厚を制御する技術が示されている(特許文献2)。しかし、特許文献1と同様に、電気接点をボス部のビットインサート部分とするため、ボス部に接点焼けが起きることがあった。また、機器ハウジングのボス部は製品の接触領域の近傍に設置されており、電気接点が接触領域に近いため、遮蔽板を用いても接触領域のめっき膜厚を充分に制御しきれないことがあった。
さらに、従来の電気めっき治具は、固定できる被めっき材の大きさが限定されており、1つの電気めっき治具で様々な大きさの被めっき材に電気めっきを行うことはできない。
以上のことから、機器ハウジング等の被めっき材に電気めっきを行う際に、前記不具合が生じる恐れが少なく、さらに、1つの電気めっき治具で大きさや形状の異なる各種被めっき材に対応できるような対策が望まれている。
特開2005−163125号公報 中国特許出願公開第1548588号明細書
本発明では、ボス部を有する被めっき材に対し、被めっき材の落下、反り、接点焼けの恐れが少なく、めっき膜厚を充分に制御でき、大きさや形状の異なる各種被めっき材に対応して電気めっきを行うことができる電気めっき治具を提供する。
本発明の電気めっき治具は、ボス部を有する被めっき材に金属めっきを行うめっき治具であり、同一方向にそれぞれが移動可能な複数の可動式固定用部材が設けられ、前記可動式固定用部材は、前記被めっき材のボス部に取り付ける固定支柱が取り付けられ、電気接点が、前記被めっき材のボス部の外側面、または前記被めっき材のボス部が形成されている面に設けられる。
本発明の電気めっき治具は、前記固定支柱が、前記被めっき材のボス部に挿入されたビットインサートに取り付けられるのが好ましい。また、前記被めっき材よりも大きな遮蔽板が、被めっき材と対向するように設置され、かつ該遮蔽板には、前記被めっき材の一部分に対応する部分に開口部が設けられているのが好ましい。
また、本発明の電気めっき治具は、熱可塑性樹脂からなる機器ハウジングに電気めっきを行うものであるのが好ましい。
本発明の電気めっき治具は、ボス部を有する被めっき材に電気めっきを行う際に、被めっき材の落下、反り、接点焼けの恐れが少なく、めっき膜厚を充分に制御して電気めっきを行うことができる。また、1つの電気めっき治具で大きさや形状の異なる各種被めっき材に対応できる。
以下、本発明の電気めっき治具の一実施形態例を示して詳細に説明する。
本発明の電気めっき治具は、ボス部を有する被めっき材に電気めっきを行うことができる。ボス部を有する被めっき材としては、熱可塑性樹脂からなる機器ハウジングが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、機器ハウジングに用いることができるものであれば制限はなく、ハイインパクトポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)系樹脂、ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)系樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン)系樹脂等のゴム変性スチレン系樹脂、および、複数のゴム成分が複合されたゴム変性スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせたポリマーアロイ樹脂であってもよい。さらに、これらの熱可塑性樹脂には、難燃剤、ガラス繊維や炭素繊維、無機充填剤等が配合されていてもよい。
前記機器ハウジングとは、パソコン、ノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)等の携帯端末機、テレビ、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、デジタルカメラ、携帯電話、オーディオ製品等の電気製品に利用される製品であり、勘合することにより製品が形成される商品を意味する。
本発明の電気めっき治具1は、図8に示すように、基材10に可動式固定用部材40が設けられている。
基材10は、本体フレーム30と、該本体フレーム30から取り外すことのできる被めっき材固定用フレーム20(以下、固定用フレーム20とする。)とからなる。
本体フレーム30は、固定用フレーム20を取り付け、被めっき材をめっき液中に浸漬して電気めっきを行うことができるものであればよく、従来公知の形状のものが使用できる。
本体フレーム30は、図8および図9に示すように、上部フレーム31と、下部フレーム32と、それらのフレームの両側に形成されている側部フレーム33とを有している。
本体フレーム30の素材は、従来公知のものを用いることができ、例えば、ステンレス、銅等が挙げられる。
固定用フレーム20は、可動式固定用部材40を設けることのできる形状であればよく、図1に示すような、枠状のものが挙げられる。固定用フレーム20には、固定用フック21と、固定用ネジ部22と、互いに平行に設置された3つのレール部材23とが設けられている。レール部材23には、可動式固定用部材40が設けられる。
固定用フック21を上部フレーム31に引っ掛け、固定用ネジ部22を固定ネジ22aで下部フレーム32に固定することにより、固定用フレーム20を本体フレーム30に固定できるようになっている(図7〜9)。このように、被めっき材の電気めっき治具1への取り付けが容易で作業性が大幅に改善できる点から、基材10は、固定用フレーム20が本体フレーム30から取り外せるようになっているのが好ましい。
レール部材23は、同一方向にそれぞれ移動できるような2つ以上の可動式固定用部材40が取り付けられるものであれば、数や形状は限定されない。
固定用フレーム20は、金属を塩ビゾル等で被覆したもの、もしくは樹脂からなるものであるのが好ましい。固定用フレーム20が樹脂製の部材であれば、レール部材23が金属の部材であっても、レール部材23に流れる電気量が少なくなる。そのため、レール部材23上にめっき膜が析出することがほとんどなくなり、可動式固定用部材40の移動が妨げられる恐れが少なくなる。更に、樹脂製の部材とすれば、軽量化の点でも優れ、また加工性も向上する点から電気めっき治具の作成コストも大幅に削減できる。
レール部材23には、図1に示すように、レール部材23に対して垂直な向きに2つの可動式固定用部材40が設けられる。可動式固定用部材40は、それぞれがレール部材23に沿って移動できるようになっているため、同一方向(上下)に移動できるようになっている。また、可動式固定用部材40は、被めっき材を固定するための固定支柱51が取り付けられる形状であればよく、本実施形態例では、棒状の形状をしており、中央に長手方向に沿ってスリット部41が設けられている。
可動式固定用部材40の素材としては、金属を塩ビゾル等で被覆したものが好ましく、金属としては、腐食に強いステンレス鋼が挙げられ、また、樹脂からなる場合は、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂のものが挙げられる。
基材10に設ける可動式固定用部材40の数はいくつであってもよく、被めっき材を安定に固定できる点から2つ以上であるのが好ましい。可動式固定用部材40を2つ以上設ける場合には、別々のレール部材23に沿って独立に移動できるようにするのが好ましい(例えば、図6の40a、40b)。
可動式固定用部材40には、図2に示すような被めっき材60のボス部61にねじ込み等の方法で取り付けられた固定支柱51がスリット部41に取り付けられる。可動式固定用部材40のスリット部41に嵌め込まれた固定支柱51は、固定キャップ52が被せられることにより固定される。このようにして、被めっき材60が可動式固定用部材40に固定される(図3および図4)。
それぞれの可動式固定用部材40は、レール部材23に沿って上下に移動することができ、また左右に長い形状であるため、図4および図5に示すように、様々な大きさ(携帯部品やB4サイズのノートパソコン等)の被めっき材60を固定することができる。
また、図6に示すように、可動式固定用部材40を、別々のレール部材23に沿って独立に移動できる可動式固定用部材40a、40bのようにしておけば、ボス部61がどの位置にあっても対応することができ、大きさや形状が異なる各種被めっき材60を固定できる。
また、可動式固定用部材40には、該可動式固定用部材40に沿って移動することのできる、2つの小型の可動式固定用部材42(以下、小型可動式部材42とする。)が設けられているのが好ましい。被めっき材60を固定する際、図4〜6に示すように、2つの小型可動式部材42をボス部61の内側に固定することにより、被めっき材60をさらに安定に固定できる。小型可動式部材42の数や形状は限定されない。
小型可動式部材42は、金属を塩ビゾル等で被覆したものが好ましく、金属としては、腐食に強いステンレス鋼が挙げられ、また、樹脂からなる場合は、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂であるのが好ましい。
固定支柱51、固定キャップ52は、従来公知のものが使用でき、ステンレス、銅等の金属とテフロン(登録商標)樹脂、塩化ビニル樹脂等からなり、必要な形状に加工されたものであるのが好ましい。また、前記金属とテフロン(登録商標)樹脂とからなり、必要な形状に加工されたものであってもよい。
また、前記固定支柱51は、被めっき材60のボス部61に挿入されたビットインサートに取り付けられるのが、被めっき材60の固定の安定性および電気めっきを行った後の製品組み立ての作業性が優れる点から好ましい。
前記ビットインサートは公知のものが使用でき、例えば、ステンレスダッチビットインサート、黄銅ダッチビットインサート等が挙げられる。
また、本体フレーム30の側部フレーム33には、図8に示すように、本体フレーム用電気接点34a(以下、電気接点34aとする。)が設置されている。電気接点34aには接点ケーブル34bが設けられており、該接点ケーブル34bの電気接点34aの反対側には被めっき材用電気接点34c(以下、電気接点34cとする。)が設けられている。電気接点34aは、上部フレーム31や下部フレーム32に設置されていてもよい。
電気接点34a、34cには、接点端子を用いることができる。接点端子は、通電時に接点端子先端部にめっきが析出するが、取り外しが可能であるため、析出しためっき膜の剥離が容易に行える等の利点があり、また交換作業の簡便化が図れる点でも好ましい。
接点端子は、公知のものを用いることができ、ステンレス、銅等の接点をテフロン(登録商標)樹脂、塩化ビニル樹脂等で必要な形状に加工したものが挙げられる。接点方式としては、のせる、つるす、はじく、はさむ、いれる、締め付ける、つける、からむ等の公知の方式が使用できる。
電気接点34cは、被めっき材60の面62にクリップ式電気接点として接触させるのが好ましい。また、電気接点34cを接触させる場所は、面62の他にボス部61の外側面であってもよく、めっき膜厚の制御が良好である点から面62に接触させるのがより好ましい。
また、本発明の電気めっき治具1は、図8および図9に示すような、開口部71を有する遮蔽板70が設けられるのが好ましい。遮蔽板70は、被めっき材60よりも大きく、遮蔽板70と被めっき材60とが対向するように設けられる。また、遮蔽板70には、被めっき材60の充分に電気めっきを行いたい部分(本実施形態例では中央部分)に対応する部分に開口部71が設けられる。これにより、被めっき材60の中央部分を充分に電気めっきした上で、接触領域63周辺のめっき膜厚を中央部分のめっき膜厚よりも薄く制御するのが容易になる。
電気めっき治具1は、図8に示すように、本体フレーム30の固定用フレーム20が設置される側に遮蔽板支柱72が設けられ、遮蔽板留めボルト73により遮蔽板70aが固定される。また、本体フレーム30の遮蔽板70aを設置した反対側には遮蔽板支柱74が設けられ、遮蔽板支柱ボルト75により遮蔽板70bが固定される。
遮蔽板は通常このように被めっき材の表と裏を挟むような形で設置され、めっき膜厚をより薄く制御する目的で同じ側に複数設置することも可能である。
遮蔽板70は、従来公知のものを使用でき、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂の遮蔽板等が挙げられる。また、遮蔽板70の設置方法も、従来公知の方法が使用できる。
また、遮蔽板支柱72、74、遮蔽板留めボルト73、遮蔽板支柱ボルト75は、従来公知のものを用いることができ、例えば、テフロン(登録商標)樹脂、塩化ビニル樹脂等からなるものが挙げられる。
以上説明した本発明の電気めっき治具1は、前記のようにボス部61に取り付けた固定支柱51を可動式固定用部材40に固定するため、被めっき材60に大きな外部応力が加わることを防ぐことができ、電気めっきを行う際に被めっき材60に「反り」等の変形が起きる恐れが少ない。また、被めっき材60が安定に固定できるため、電気めっきを行っている際に被めっき材60がめっき液中に落下するのを防止できる。そのため、不良発生率を大きく低減させることができ、生産性が向上する。
また、ボス部61に取り付けた固定支柱51の部分を電気接点としないため、従来の電気めっき治具のような接点焼けの恐れが非常に少ない。また、被めっき材60上に設ける電気接点の位置が自由に設定できるため、被めっき材60の接触領域63から電気接点34c離すことができ、接触領域63周辺のめっき膜厚が厚くなりすぎることがほとんどない。さらに、めっき膜厚が厚くなりすぎないように制御したい場所がどこであっても対応できる。そのため、めっき製品の組み立ての際に不具合を生じることがほとんどない。
電気めっき治具1によれば、被めっき材60の中央部分の電気めっきの膜厚を10〜35μmの範囲で高精度に制御できる。また、被めっき材60の接触領域63周辺部分の電気めっきの膜厚を3〜20μmの範囲で制御し、剛性を保持したまま得られるめっき製品が軽量化できる。また、「かぶり」等の不良の少ないめっき製品が得られる。
前記特性は、接触領域63周辺のめっき膜厚を、被めっき材60の中央部分のめっき膜厚の60%以下とすることによりさらに良好になる。
本発明の電気めっき治具1は、同一方向にそれぞれ移動できる複数の可動式固定用部材を有していることを特徴とする。そのため、それぞれの可動式固定用部材40を上下に動かすことにより、図4および図5に示すように、様々な大きさ(携帯部品やB4サイズのノートパソコン等)の被めっき材60に対応して、電気めっきを行うことができる。また、図6に示すように様々な位置にあるボス部61に対応して、電気めっきを行うことができる。したがって、大きさや形状の異なる各種被めっき材に電気めっきを行う場合でも、1つの電気めっき治具で対応できるため、電気めっき治具の作成コストが大幅に削減できる。
なお、本発明の電気めっき治具1の可動式固定用部材40は、上下に移動できるようにしても、左右に移動できるようにしてもよい。また、小型の可動式固定用部材42のみを可動式固定用部材としてもよい。例えば、可動式固定用部材40(図1)を移動できないように1つだけ設け、該可動式固定用部材40に2つの小型の可動式固定用部材42を設けて電気めっき治具としてもよい。
また、可動式固定用部材40にスリット部41を設けず、可動式固定用部材40に設けた小型可動式部材42に固定支柱51が取り付けられるようになっていてもよい。
また、本発明の電気めっき治具1は、基材10の固定用フレーム20が、必ずしも本体フレーム30から取り外せなくてもよく、固定用フレーム20と本体フレーム30とが一体になった基材10であってもよい。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。また、実施例および比較例における「1ラック」とは、電気めっき治具に被めっき材を1枚取り付けた状態を意味する。
[実施例1]
UMG ABS株式会社製の難燃PC(ポリカーボネート)/ASA系樹脂のカーボン繊維強化樹脂(UMGアロイ FA−820CA)を用いて、縦260mm×横180mm×1.5mmのノートパソコン(A4サイズ)のトップカバ−(上部ハウジング)を射出成形にて作成し、これに公知のPC/ABS樹脂無電解めっき工程で無電解ニッケルめっきを1.0μm析出させて被めっき材とした。その後、該被めっき材を図8に示す電気めっき治具1に取り付けた。電気接点は被めっき材の内壁(面62に相当)に設置した。遮蔽板70は、厚さ3mm、開口面積200cmのアクリル板を用いた。被めっき材の中央部分の目標めっき膜厚を15μmに設定し、遮蔽板70と被めっき材との距離を50mmとし、電気めっき時間を20分として電気ニッケルめっきを行った。
使用した電気ニッケルめっき液の組成は以下の通りである。
硫酸ニッケルが280g/L
塩化ニッケル 60g/L
ホウ酸 40g/L
光沢剤(荏原ユ−ジライト(株)製)
(1) #810 5ml/L
(2) #81−HS 0.5ml/L
(3) #83 10ml/L
(4) #82 2ml/L
[実施例2]
目標めっき膜厚を20μmに設定し、電気めっき時間を26分とした以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
目標めっき膜厚を25μmに設定し、電気めっき時間を32分とした以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例4]
目標めっき膜厚を30μmに設定し、電気めっき時間を39分と設定した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例5]
UMG ABS株式会社製ABS樹脂(3001M)を用いて、80mm×125mm×1.5mmのPDAのトップカバー(上部ハウジング)を射出成形にて作成し、これに公知のABS樹脂無電解めっき工程で無電解ニッケルめっきを1.0μm析出させて被めっき材とした。その後、該被めっき材を図8に示す電気めっき治具1に取り付けた。電気接点は被めっき材の内壁(面62に相当)に設置した。遮蔽板70は、厚さ3mm、開口面積32cmのアクリル板を用いた。被めっき材の中央部分の目標めっき膜厚を15μmに設定し、遮蔽板70と被めっき材との距離を40mmとし、電気めっき時間を20分として電気ニッケルめっきを行った。
使用した電気ニッケルめっき液の組成は以下の通りである。
硫酸ニッケル 280g/L
塩化ニッケル 60g/L
ホウ酸 40g/L
光沢剤(荏原ユ−ジライト(株)製)
(1) #810 5ml/L
(2) #81−HS 0.5ml/L
(3) #83 10ml/L
(4) #82 2ml/L
[実施例6]
目標めっき膜厚を20μmに設定し、電気めっき時間を26分とした以外は実施例5と同様に実施した。
[実施例7]
目標めっき膜厚を25μmに設定し、電気めっき時間を32分とした以外は実施例5と同様に実施した。
[実施例8]
目標めっき膜厚を30μmに設定し、電気めっき時間を39分とした以外は実施例5と同様に実施した。
[比較例1]
被めっき材を図10に示す電気めっき治具2に取り付けた以外は実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
被めっき材を図10に示す電気めっき治具2に取り付けた以外は実施例2と同様に実施した。
[比較例3]
被めっき材を図10に示す電気めっき治具2に取り付けた以外は実施例3と同様に実施した。
[比較例4]
被めっき材を図10に示す電気めっき治具2に取り付けた以外は実施例4と同様に実施した。
[比較例5]
電気めっき治具として図11に示す電気めっき治具3を用いた以外は実施例2と同様に実施した。以下、電気めっき治具3について説明する。
被めっき材260のボス部261に挿入したビットインサート部分に通電支柱251をねじ込み、ついで、通電支柱251を、開口部271aを有する遮蔽板270bの開口孔271bに嵌め込み(図12)、通電キャップ252を被せて被めっき材260と遮蔽板270bとを固定した。被めっき材260を固定した遮蔽板270bは、遮蔽板支柱274と遮蔽板支柱ボルト275とにより本体フレーム230に固定した。本体フレーム230にさらに遮蔽板支柱272を設置し、遮蔽板留めボルト273を用いて遮蔽板270aを固定した。ついで、本体フレーム230に本体フレーム接点281を嵌め込み、通電キャップ282で固定した。さらに、本体フレーム230の通電キャップ282と、遮蔽板270bに固定された通電キャップ252とを接点ケーブル283にて接続した。
[比較例6]
図10に示す電気めっき治具2を用い、実施例5と同じ被めっき材の電気めっきを試みた。しかし、被めっき材を電気めっき治具に取り付けることができなかった。
被めっき材を電気めっきして得られためっき製品の評価は以下のようにして行った。
電気ニッケルめっき膜厚はめっき時間で調整し、試験片表面積は約12dm/表裏(実施例1〜4および比較例1〜5)、約3dm/表裏(実施例5〜8)とした。ただし、「表」とは被めっき材のボス部を有していない面、「裏」とはボス部を有する面(面62に相当)である。
[治具特性]
治具特性を示す指標として、電気めっき工程中の被めっき材の落下数、得られためっき製品の「反り」、めっき膜厚分布、めっき製品の重量、「かぶり」を判定した。
また、電気めっきを行った後にめっき製品が他の部材と勘合が容易にできるかを確認した。
(被めっき材の落下数)
被めっき材の落下については、1ラックで10枚の被めっき材の電気めっきを行い、めっき液中に落下した被めっき材の数で評価した。
(反り)
めっき製品の「反り」については、平滑な標準台にめっき製品を放置し、目視観察によってめっき製品の「反り」の有無を判定した。
(めっき膜厚分布)
めっき膜厚分布は図13、14に示した部位を電解式膜厚測定器CT−1(電測工業(株)製)を使用して測定した。
(かぶり)
めっき製品の「かぶり」の判定は、電気めっき後のめっき製品に光沢のない部分が発生しているかどうかを目視判定により評価した。
(めっき製品の勘合性能)
めっき製品の勘合については、ノ−トパソコンの他の部材と勘合する際に、問題がないかを確認した。
得られためっき製品の評価を表1および表2に示す。
Figure 2008303451
Figure 2008303451
本発明の電気めっき治具を用いた場合(実施例1〜8)、被めっき材の大小に関係なく、全ての被めっき材に電気めっきを行うことができ、めっき液中への被めっき材の落下や得られためっき製品の変形等が見られず、剛性を保持したまま製品重量の軽量化が実現できた。また、得られためっき製品の他の部材との勘合も問題がなかった。
一方、従来の電気めっき治具では、大きさの異なる被めっき材に対応して電気めっきを行うことができなかった(比較例6)。
また、比較例1〜4の電気めっき治具では、被めっき材の取り付けや落下等による変形や、「かぶり」が見られ、良好なめっき製品が得られなかった。また、めっき膜厚を充分に制御することができず、他の部材と勘合し難いものや、製品重量が重いものが得られた。また、比較例5の電気めっき治具では、接点焼けにより部品の取り付けができないめっき製品が得られた。
このように比較例1〜6の電気めっき治具では優れた電気めっきが行えず、めっきの無駄が多くなり、エネルギーの浪費に繋がった。
本発明の電気めっき治具は、熱可塑性樹脂からなる機器ハウジング製品等の被めっき材に用いることができ、また、小さな被めっき材から大きな被めっき材まで1つの電気めっき治具で電気めっきを行うことができる。また、得られるめっき製品のめっき膜厚の高精度な制御、製品重量の軽量化、製品落下及び製品の「反り」の防止、接点焼けの防止、「かぶり」の防止が可能であり、良質なめっき製品が製造できる。
以上のように、生産工程での不良品の発生や勘合の不具合等のほとんどない品質の高いめっき製品が得られ、各種被めっき材専用の電気めっき治具も必要としないため、エネルギーの無駄がない。
本発明の電気めっき治具は、電気・電子関連の部材の電気めっきで好適に用いることができる。具体的には、ノートパソコン、携帯電話、プリンター、テレビ、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、オーディオなどのOA機器や家電製品の外装材など、必要に応じて多彩な用途に使用できるため、工業的有用性が非常に高い。
本発明の電気めっき治具の固定用フレームを示した正面図である。 被めっき材に固定支柱を取り付けた様子を示す側面図である。 図2の被めっき材を固定用フレームに取り付けた様子を示す側面図である。 本発明の電気めっき治具の固定用フレームに大物製品を固定した様子を示す正面図である。 本発明の電気めっき治具の固定用フレームに小物製品を固定した様子を示す正面図である。 本発明の電気めっき治具の固定用フレームに図5とボス部の位置が異なる小物製品を固定した様子を示す正面図である。 図3の固定用フレームを本体フレームに固定した様子を示す側面図である。 図7の本体フレームに遮蔽板および電気接点を配置した側面図である。 図8の電気めっき治具を遮蔽板70a側から見た正面図である。 従来の電気めっき治具で被めっき材をはじく方式で固定した様子を示す側面図である。 ビットインサート部分を電気接点とする従来の電気めっき治具を示した側面図である。 図11の電気めっき治具の遮蔽板270bの正面図である。 被めっき材の表面のめっき膜厚の測定部位を示した図である。 被めっき材の裏面のめっき膜厚の測定部位を示した図である。
符号の説明
1 電気めっき治具
10 基材
34c 電気接点
40 可動式固定用部材
51 固定支柱
60 被めっき材
61 ボス部
70 遮蔽板
71 開口部

Claims (4)

  1. ボス部を有する被めっき材に金属めっきを行うめっき治具であって、
    同一方向にそれぞれが移動可能な複数の可動式固定用部材が設けられ、前記可動式固定用部材は、前記被めっき材のボス部に取り付ける固定支柱が取り付けられ、
    電気接点が、前記被めっき材のボス部の外側面、または前記被めっき材のボス部が形成されている面に設けられることを特徴とする電気めっき治具。
  2. 前記固定支柱が、前記被めっき材のボス部に挿入されたビットインサートに取り付けられる、請求項1に記載の電気めっき治具。
  3. 前記被めっき材よりも大きな遮蔽板が、前記被めっき材と対向するように設置され、かつ該遮蔽板の、前記被めっき材の一部分に対応する部分に開口部が設けられている、請求項1または2に記載の電気めっき治具。
  4. 前記被めっき材として熱可塑性樹脂からなる機器ハウジング用である、請求項1〜3のいずれかに記載の電気めっき治具。
JP2007154022A 2007-06-11 2007-06-11 電気めっき治具 Withdrawn JP2008303451A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007154022A JP2008303451A (ja) 2007-06-11 2007-06-11 電気めっき治具
CN2008100997560A CN101323967B (zh) 2007-06-11 2008-06-04 电镀挂具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007154022A JP2008303451A (ja) 2007-06-11 2007-06-11 電気めっき治具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008303451A true JP2008303451A (ja) 2008-12-18

Family

ID=40187664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007154022A Withdrawn JP2008303451A (ja) 2007-06-11 2007-06-11 電気めっき治具

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2008303451A (ja)
CN (1) CN101323967B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI457470B (zh) * 2010-12-31 2014-10-21 Hon Hai Prec Ind Co Ltd 掛具
JP2016533920A (ja) * 2013-10-11 2016-11-04 マグナ インターナショナル インコーポレイテッド 選択的クロムめっき方法
KR101675689B1 (ko) * 2015-06-19 2016-11-11 현대제철 주식회사 도금장치

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102041546B (zh) * 2011-01-27 2012-02-08 南通富士通微电子股份有限公司 一种半导体封装产品电镀挂架系统
CN102383171B (zh) * 2011-10-31 2013-11-13 四维尔丸井(广州)汽车零部件有限公司 一种电镀挂具接点
CN103614764B (zh) * 2013-10-18 2016-03-09 中国电子科技集团公司第十研究所 电镀厚度高一致性陶瓷薄膜导体镀金挂具
CN104651914B (zh) * 2014-12-19 2017-03-01 通富微电子股份有限公司 引线框架电镀挂具
US11330718B2 (en) 2017-07-26 2022-05-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Printed wiring board production method and printed wiring board production apparatus
CN109518260A (zh) * 2017-09-18 2019-03-26 先丰通讯股份有限公司 电镀辅助板及应用其的电镀系统
CN108149289B (zh) * 2018-03-16 2024-05-07 湖南文理学院 一种电镀遮蔽治具
CN110952128A (zh) * 2019-11-01 2020-04-03 江苏中科瑞尔汽车科技有限公司 一种遮蔽电镀方法及挂具结构

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1273647C (zh) * 2003-05-20 2006-09-06 金艺企业股份有限公司 一种阴极遮蔽的强化电镀工艺
JP2006117979A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Marunaka Kogyo Kk 電気メッキ装置におけるワークハンガー

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI457470B (zh) * 2010-12-31 2014-10-21 Hon Hai Prec Ind Co Ltd 掛具
JP2016533920A (ja) * 2013-10-11 2016-11-04 マグナ インターナショナル インコーポレイテッド 選択的クロムめっき方法
KR101675689B1 (ko) * 2015-06-19 2016-11-11 현대제철 주식회사 도금장치

Also Published As

Publication number Publication date
CN101323967A (zh) 2008-12-17
CN101323967B (zh) 2011-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008303451A (ja) 電気めっき治具
JP4020957B2 (ja) 異種材料との接合部を有する金属材料及びレーザーを用いてのその加工方法
WO2014076781A1 (ja) 基板めっき治具
CN107079599B (zh) 经氧化且涂覆的物品及其制备方法
JP4820736B2 (ja) 電解めっき装置及び電解めっき方法並びにめっき治具
JP3379755B2 (ja) 金属めっき装置
CN107075709B (zh) 避免挂架金属化的电镀挂架处理
Cho et al. Selective electrodeposition of copper on stainless steel using laser irradiation
JP2006249450A (ja) メッキ方法およびメッキ装置
TW200813262A (en) Plating fixture for printed circuit board
KR20160090818A (ko) 캐리어박이 부착된 구리박 및 동장 적층판
JP5649591B2 (ja) 電気めっき用保持具およびこの保持具を用いた電気めっき装置
JP2006237269A (ja) プリント配線板とこれを保持するプリント配線板保持用治具
JP4408688B2 (ja) 機器ハウジング用電気めっき治具
CN205774797U (zh) 一种用于不同pcb板沉铜的宽度可调的悬挂工具
Goosey Implementation of the RoHS directive and compliance implications for the PCB sector
JP2009113651A (ja) 車両用ホイールの電気めっき装置
US8282808B2 (en) Use of phosphinic acids and/or phosphonic acids in redox processes
JP2006348315A (ja) ダイレクトプレーティング用治具
JP2022536258A (ja) 電気化学的プロセス用の電極アセンブリ
KR20070095856A (ko) 전기 도금시 도금체 고정구의 전류분산방법
JP5342062B2 (ja) フリーアクセスフロア構成部材の製造方法およびフリーアクセスフロア構成部材
JP5714320B2 (ja) 複層部材の製造方法および表面処理装置
JP2017052844A (ja) めっき用治具の皮膜形成用組成物、めっき用治具及びめっき処理方法
CN217271302U (zh) 一种便于机械手臂可进行快速准确紧固的紧固件

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100907