JP2008303171A - 炎症性疾患の予防または治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、炎症状態または炎症性疾患の治療または予防のための優れた医薬を提供すること。
【解決手段】 4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、「化合物A」という)またはその生理学的に許容される塩を有効成分とする、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、全身性炎症反応症候群、胃若しくは腸の潰瘍、感染性胃腸炎、炎症性腸疾患、重症感染症などの炎症状態または炎症性疾患の予防または治療剤。
【選択図】 図5

Description

本発明は炎症状態または炎症性疾患の予防または治療剤に関するものである。具体的には、4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミドまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とする医薬に関する。
炎症は生体がウイルスや細菌に感染したときに、その病原体から生体を防御するために起こる一連の免疫反応であり、侵入した病原体を最初に認識するのは、外来異物の貪食作用をもつ単球やマクロファージ、B細胞などをはじめとする樹状細胞などである。これらの単球やマクロファージ、樹状細胞が病原体を認識すると、炎症性サイトカインなどの炎症反応に必要な種々のたんぱく質を産生することにより、炎症反応が惹起される。炎症性サイトカインにはIL−1β、IL−6、TNFα、IFNγ、IL−8などがあり、一方、炎症症状を抑制する機能を持つとされる抗炎症性サイトカインには、IL−4、IL−10、IL−13、TGFβなどがある。この炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインとのバランスが崩れるとアレルギー疾患や自己免疫疾患が起こると考えられている。
IL−6は1986年にヒト遺伝子がクローニングされ(非特許文献1)、活性化B細胞を抗体産生細胞に分化させる因子として同定された。IL−6は212個のアミノ酸からなる分泌型糖タンパク質であり、T細胞、B細胞、単球などの血球系細胞のみならず、線維芽細胞、血管内皮細胞などさまざまな細胞から産生される。IL−6は免疫反応において、B細胞から抗体産生細胞への分化を誘導し、T細胞のIL−2レセプターの発現誘導と活性化T細胞からのIL−2産生を促進してT細胞の増殖と細胞障害性T細胞への分化誘導を誘導する。さらに、IL−6は、IL−3との協調作用により造血幹細胞を分化誘導するほか、巨核球の分化誘導による血小板増加作用、肝細胞からのC−reactive protein(CRP)、フィブリノーゲンをはじめとする急性期タンパク質の産生誘導作用をもつ。このように、IL−6は免疫系だけでなく、造血系、炎症、急性期応答などのさまざまな生体反応に関わる多機能サイトカインであることが明らかになっている(非特許文献2)。
外科手術においては、手術自体が強いストレスとなって生体に過剰な炎症反応を引き起こし、重篤な転帰をたどる危険性がある。過度の侵襲は、上記IL−6などの炎症性サイトカイン産生を増強させ、全身性炎症反応症候群(Sytemic Inflammatory Response Syndrome、SIRS)を引き起こす。炎症反応を抑制する薬剤としては、ステロイドなどが挙げられるが、副作用が強くまた免疫抑制状態を惹起するなどの側面が問題となる。また、感染により全身性に強い炎症反応が惹起されて重症化する敗血症に対しては未だに十分な治療法が確立されていない。敗血症の状態になると、細菌の菌体成分であるリポポリサッカライド(LPS)が生体に作用し、強烈な炎症反応が引き起こされ、臓器障害に発展し致命傷となる。
また、開腹手術後は腸管の徒手操作(manipulation)によるダメージなどによって炎症反応が惹起され、イレウスの原因となる。さらに、閉塞により腸内容の停滞が細菌の繁殖および全身への転移(translocation)を引き起こし、炎症を助長する。
消化管潰瘍は腸粘膜の損傷であり、炎症を伴う。また、腸管防御の破綻となって、全身性の炎症への波及するおそれがある。
一方、キャッスルマン(Catsleman)病(非特許文献3)、慢性関節リウマチ(非特許文献4)、全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus(SLE))、炎症性腸疾患、特にクローン病(非特許文献5−7)などの自己免疫疾患においても、IL−6の関与が多数報告されている。
クローン病においては、何らかの外来抗原に対して、単球、マクロファージが活性化され局所免疫反応が生じ、IL−6、IL−1β、TNFαなどの炎症性サイトカインが産生されると考えられている。粘膜組織におけるIL−6発現量と内視的な病変のグレードや組織学的な炎症所見が一致することが報告されており、クローン病の活動指標であるCrohn‘s disease activity index(CDAI)が血清IL−6とよく相関することも示されている。
キャッスルマン病は、良性のリンパ増殖性疾患でリンパ濾胞の過形成を伴うリンパ節腫大を特徴とするが、形質細胞の浸潤が多数認められる。この疾患患者ではIL−6の過剰産生により説明できる多彩な全身症状や検査異常がしばしば認められる。例えば、IL−6により高γグロブリン血症や自己抗体の出現、CRPの亢進、血清アルブミンの低下などがみられる。限局型のCatsleman病患者では、腫大リンパ節の切除により術前高値であった血中IL−6が低下し、それに伴い倦怠感や食欲低下、体重減少などの全身症状や検査値異常が改善されたという報告がある。
慢性関節リウマチでは、キャッスルマン病と同様に、IL−6により高γグロブリン血症や自己抗体であるリウマトイド因子の出現、CRPの亢進、血清アルブミンの低下がみられる。さらにIL−6により破骨細胞が活性化されることがわかっており、破骨細胞活性化により骨吸収が生じ、関節破壊が引き起こされると考えられている。実際、患者の関節液中のIL−6濃度は高値を示し、滑膜組織からのIL−6産生も亢進している。
一方、(±)−4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、「モサプリド」ということがある。)は、選択的セロトニン4受容体アゴニストであり、消化管運動促進作用を示す(特許文献1参照)。そして、そのクエン酸塩・2水和物は、慢性胃炎に伴う消化器症状の改善を目的として既に実用化され、日本では「ガスモチン」なる商標名のもとに市販されている。
また、特許文献2においては、モサプリドがインスリン抵抗性改善剤として、有用であることが開示されており、更に、特許文献3では、モサプリドが歯ぎしりの予防剤または治療剤として有用であることが開示されている。
しかしながら、モサプリドにサイトカインの産生を抑制するまたは炎症抑制作用があるとの報告はなされていない。
Hirano T. et al:Complementary DNA for novel human interkeukin(BSF-2) that induses B lymphcytes to produce immunoglobulin. Nature 1986年 324 p73-76 Hirano T.:Interkeukin 6 and its receptor:ten years later.Int.Rev.Immunol. 1998年 16(3-4) p249-284 Yoshizaki K. et al:Pathogenic significance of interkeukin 6 in Castleman’s disease. Blood 1989年 74 p1360-1367 Madhok R. et al:Serum interkeukin 6 levels in rheumatoid arthritis:correlations with clinical and laboratory indices of disease activity. Ann Rheum.Dis. 1993年 52:p232-234 Reimond JM. et al:Increased production of tumor necrosis factor-α,interkeukin-1β,and interkeukin 6 by morphologically normal intestinal biopsies from patients with Crohn’s disease. Gut 1996年 39:p684-689 Kosugammi K、et al:Elevation of interkeukin 6 in inflammatory bowel disdease is macrophage- and epithelial cell-dependent. Dig.Dis.Sci. 1995年 40:p949-959、. Reinisch W.et al:Clinical relevance of serum interkeukin 6 in Crohn‘s disease:single point measurements、therapy monitoring、and prediction of clinical relapse. Am.J.Gastroenterol. 1999年 94(8):2156-2164 米国特許第4,870,074号公報 国際公開第02/76462号パンフレット 特開2005−97277公報
本発明は、炎症状態または炎症性疾患の治療または予防のための優れた医薬を提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、全く意外にもクエン酸モサプリドが炎症性サイトカイン、具体的には、インターロイキン1β(IL-1β)やインローロイキン6(IL-6)等の炎症性サイトカイン、特にIL−6の産生を抑制することを見いだした。即ち、クエン酸モサプリドを有効成分とする医薬を投与することにより、炎症性サイトカインの産生を抑制することができ、炎症状態または炎症性疾患の予防または治療に優れた作用を示すことが判明した。更に、この作用は、セロトニン4受容体を介していないものであることが判明し、クエン酸モサプリドの新規な作用であることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、モサプリドまたはその塩を有効成分とする炎症状態または炎症性疾患の予防または治療剤、または、モサプリドまたはその塩を有効成分とするIL−6産生抑制薬を提供するものである。本発明においてはこれらを総称して「本発明の医薬」ということがある。
具体的には、
項1: 4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、「化合物A」という)またはその生理学的に許容される塩を有効成分とする炎症状態または炎症性疾患の予防または治療剤。
項2: 炎症状態または炎症性疾患が、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、全身性炎症反応症候群(敗血症を含む)、胃若しくは腸の潰瘍、感染性胃腸炎、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、重症感染症または深在性真菌症である項1記載の予防または治療剤。
項3: 炎症状態または炎症性疾患が、炎症性サイトカインに起因するものである項1または2記載の予防または治療剤。
項4: 炎症性サイトカインがIL−1またはIL−6である項3記載の予防または治療剤。
項5: 炎症性サイトカインがIL−6である項4記載の予防または治療剤。
項6: 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とする術後イレウスの予防または治療剤。
項7: 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とする胃若しくは腸の潰瘍の予防または治療剤。
項8: 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とするIL−6産生抑制薬。
本発明の医薬は、炎症性サイトカイン、特にIL−6の産生を抑制する作用を有することから、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、全身性炎症反応症候群(敗血症を含む)、胃若しくは腸の潰瘍、感染性胃腸炎、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、重症感染症、深在性真菌症等の広範囲の炎症に対して優れた効果を有することが期待できる。
更に、化合物Aは、消化管運動促進作用を有することから、本発明の抗炎症作用とあいまって、特に、術後イレウスや胃もしくは腸の潰瘍の予防ないし治療に有効であると考えられる。
化合物Aまたはその生理学的に許容される塩
本発明にかかわる化合物A、即ち、4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミドは、下記式:
Figure 2008303171
で表される化合物である。本発明にかかわる化合物Aはラセミ体であっても、又は一方の光学活性体であってもよいが、ラセミ体が好適である。
また、化合物Aはフリー体であってもよいし、その生理学的に許容される塩であってもよい。塩としては好ましくは酸付加塩がよい。たとえば有機酸の付加塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩等が挙げられ、無機酸の付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が例示できる。この中でも特にクエン酸塩が好ましい。さらに、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩は、溶媒和物であってもよく、水和物および非水和物であってもよい。好ましくはクエン酸塩の水和物がよく、とりわけクエン酸塩・2水和物が好ましい。
上記化合物Aまたはその生理学的に許容される塩は、例えば、特許文献1に記載の方法またはこれに準じる方法によって製造することができる。
炎症性サイトカインとは、生体内における様々な炎症症状を引き起こす原因因子として関与するサイトカインであり、IL−1β、IL−6、TNFα、IFNγ、IL−8などが挙げられる。化合物Aは、以下の試験例に示すように、IL−6、IL−1β、特にIL−6の産生を抑制する。従って、以下に示すように炎症状態または炎症性疾患の予防または治療に有用である。
また、本発明に関わる炎症状態または炎症性疾患とは、炎症を伴う状態または疾患であり、特に上記サイトカインの濃度が血中で高くなる状態または疾患である。例えば、炎症状態の例示としては、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、敗血症を含む全身性炎症反応症候群、胃若しくは腸の潰瘍が挙げられ、炎症性疾患としては、感染性胃腸炎、クローン病,潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、重症感染症、深在性真菌症等が挙げられるが、上記サイトカインが関与している疾患であれば、これらに限定されず、広範囲の炎症状態または疾患を意味する。また、炎症状態と炎症性疾患とは明確に区別されるものではない。本発明においては、治療には改善も含まれる。
本発明の医薬は、特に、炎症状態の予防または治療に有用である。
本発明の医薬を投与する対象物は、ヒトまたは動物である。本発明の医薬は特にヒトにおける予防又は治療に有用である。
化合物Aまたはその生理学的に許容される塩は、通常、医薬用担体と混合して調製した医薬組成物の形で医薬として適用される。本発明の医薬の投与経路は、経口投与または非経口投与のいずれであってもよい。その剤形は、投与経路に応じて適宜選択される。投与量(有効成分量)は、特に限定されず病態やその進行状況、その他の条件(投与する対象の種類、症状、年齢、体重、性別、合併症、投与時間、投与方法、剤型、感受性差等)によって異なるが、例えば、注射液、輸液、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、外用液剤、湿布剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤、軟膏剤、ローション剤、坐剤、経腸栄養剤などが挙げられる。
注射剤の形で投与する場合には、静脈内(点滴を含む)、腹腔内、筋肉内、皮下、皮内、関節内、滑液嚢内、胞膜内、骨膜内等に投与することができる。
本発明においては、特に経口投与又は静脈内投与が好ましい。
本発明の医薬の投与量は、投与の目的や投与対象者の状況(性別、年齢、体重など)に応じて異なる。通常、成人に対して、化合物A(フリー体)換算で、経口投与の場合、1日あたり5mg〜500mg、好ましくは10mg〜100mg、一方、非経口投与の場合、1日あたり0.1mg〜100mg、好ましくは0.5mg〜30mgで投与され得る。
医薬用担体としては、医薬分野において常用され、かつ化合物Aと反応しない物質が用いられ、例えば、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤が用いられる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤の製造に用いられる医薬用担体の具体例としては、乳糖、トウモロコシデンプン、白糖、マンニトール、硫酸カルシウム、結晶セルロースのような賦形剤、カルメロースナトリウム、変性デンプン、カルメロースカルシウムのような崩壊剤、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンのような結合剤、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油のような滑沢剤が挙げられる。錠剤は、カルナウバロウ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、ヒドロキシプロピルメチルフタレート、セルロースアセテートフタレート、白糖、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、リン酸カルシウムのようなコーティング剤を用い、周知の方法でコーティングしてもよい。消化管運動促進薬として販売されている錠剤、散剤等を本発明の医薬として適用することもできる。
坐剤の基剤の具体例としては、カカオ脂、飽和脂肪酸グリセリンエステル、グリセロゼラチン、マクロゴールが挙げられる。坐剤製造にあたっては、必要に応じて界面活性剤、保存剤等を添加することができる。
注射剤は、通常、化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を注射用蒸留水に溶解して調製してもよいが、必要に応じて溶解補助剤、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、無痛化剤、保存剤等を添加することができる。または、WO2004/096229に記載の方法に従って調製することも可能である。
これらの医薬組成物は、通常、活性成分として化合物Aを0.01%以上、例えば0.5〜70%の割合で含有することができる。これらの医薬組成物はまた、以下に述べる治療上有効な他の物質を含有していてもよい。
以下に、試験例を挙げて本発明の医薬が炎症状態または炎症性疾患に有用であることについて説明する。なお、試験中使用した化合物A’は化合物Aのクエン酸二水和物であって、大日本住友製薬株式会社製のものを使用した。
試験例1 マウス マクロファージ系細胞株におけるサイトカイン産生抑制作用
被験物質として、化合物A’5.1mgをジメチルスルホキシド(DMSO)0.102mlに溶解させ、10%FBSを含むDulbecco’s Modified Eagle‘s Medium(SIGMA社、DMEM)を使用して、所望の濃度に希釈した。ただし、化合物A’を溶解しているDMSOの最終濃度が0.1%以下になるように希釈した。コントロールとしてDMSOを用いた(10%FBSを含むDMEMで希釈して最終濃度が0.1%となるように調製)。
プラスティック製96ウエルプレート(IWAKI社)に、マウス マクロファージ系細胞株RAW264.7細胞(大日本住友製薬株式会社ラボラトリープロダクツ部)を2×10個/100μl(10%FBSを含むDMEM培地)(SIGMA社))/ウエルになるように播種し、一晩培養した(37℃および5%CO/95%空気下)。
一晩培養後、細胞が付着した状態で培養上清を除き、各ウエルに化合物A’をその最終濃度が0.03μg/ml〜30μg/mlになるように添加し(100μl)、約15分後に最終濃度が3μg/mlになるようにLPS(E.Coli O55:B5 、SIGMA社、10%FBSを含むDMEMで希釈)を添加した(100μl)。その後、約24時間上記と同条件で培養後、各ウエルから培養上清100μlを採取し、上清中のIL−6およびIL−1βの産生量をELISA kit(各々、e−Bioscience社およびR&D社)により定量した。
結果を図1及び図2に示す。LPSを添加したウエル(LPS)のサイトカイン産生量を100%、LPSを添加しなかったウエル(コントロール)のサイトカイン産生量を0%として化合物Aの阻害活性を評価した。化合物添加群については、各濃度2ウエルの平均値を示した。
図1(IL−6)及び図2(IL−1β)に示す結果より、化合物Aは、IL−6およびIL−1βの産生を濃度依存的に抑制した。
試験例2 化合物AのIL−6産生抑制効果に対する5−HT4アンタゴニストの影響
試験例1と同様にして、プラスティック製96ウエルプレート(IWAKI社)に、細胞株RAW264.7細胞を2×10個/100μl/ウエルになるように播種し、一晩培養後(37℃および5%CO/95%空気下)、培養上清を除き、各ウエルに化合物A’を最終濃度が10μg/mlになるように(50μl)、及び、5−HT4アンタゴニストとして知られている(WO93/18036)N−[(1−ブチルー4−ピペリジニル)メチル]−3,4−ジヒドロー2H-[1,3]オキサジノ[3,2−a]インドール−10−カルボキサイミドの塩酸塩(N- [(1- butyl- 4- piperidinyl)methyl]- 3,4- dihydro- 2H- [1,3]oxazino[3,2- a]indole- 10- carboxamide hydrochloride)をその最終濃度が0.01ng/ml〜100ng/mlになるように添加し(50μl)、30分後に最終濃度3μg/mlになるようにLPS(E.Coli O55:B5 、SIGMA社)を添加した(100μl)。なお、化合物A’および5−HT4アンタゴニストはDMSOで溶解された後、10%FBSを含むDMEM培地にて希釈し、化合物A’および5−HT4アンタゴニストを溶解しているDMSOの最終濃度が0.1%以下になるように調製した。コントロールとしてDMSOを添加した(10%FBSを含むDMEMで希釈して最終濃度が0.1%となるように調製)。
その後、約24時間後、上記と同条件で培養後、各ウエルから培養上清を採取し(100μl)、上清中のIL−6の産生量をELISA kit(e−Bioscience社)により定量した。
結果を図3に示す。LPSを添加したウエル(LPS)のサイトカイン産生量を100%、LPSを添加しなかったウエル(コントロール)のサイトカイン産生量を0%として化合物A’の阻害活性に対する5−HT4アンタゴニストの作用を評価した。
図3の結果が示すように、5−HT4アンタゴニストは化合物A’のIL−6産生抑制効果に対して影響を及ぼさなかった。このことから、化合物AのIL−6産生抑制効果は5−HT4を介した作用ではないことが示唆された。
試験例3 in vivo LPS投与モデルにおける化合物AのIL−6産生に対する抑制効果
In vivo におけるIL−6産生に対する化合物A’の作用を調べるため、マウスにLPSを投与し、血中に炎症性サイトカインが産生させ、化合物A’の作用を評価した。
被験物質である化合物A’は、0.5重量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)水溶液に懸濁させて0.4mg/mlの濃度の懸濁液を調製した。また、LPS(E.Coli O55:B5 、SIGMA社)は滅菌蒸留水に溶解させて2mg/mlの濃度の溶液を調製した。使用するマウスは、4〜8週齢の雄性のC57BL/6マウスのものを日本チャールス・リバー株式会社から購入し、これらを個別で飼育した。食餌と水は自由に与え、実験に供した。なお、マウスは各実験で1回だけ用いた。
まず、一群各8例の上記マウス(20g〜25g)に、一匹あたり化合物A’を0.08mg(0.2ml/匹)またはコントロールとして0.5重量%CMC-Na水溶液0.2mlを、LPS投与の48時間前、24時間前に経口投与し、LPSを一匹あたり0.2ml腹腔投与した(約100μg)。その直後、再度、一匹あたり化合物A’を0.08mgまたはコントロールとしての0.5重量%CMC水溶液0.2mlを経口投与し、LPS投与の6時間後に開腹して下大静脈から採血し、得られた血清中のIL−6量をELISA(R&D Systems社)にて定量した。
結果を図4に示す。図4に示すように、化合物Aは血清中のIL−6を有意に抑制することが判明した。
試験例4 術前投与の手術侵襲後のIL−6産生に対する抑制効果
手術侵襲後の炎症反応に対する化合物Aの作用を調べるため、マウスにおける胃切開縫合による侵襲モデルを用いた。
被験物質である化合物A’は、0.5重量%CMC-Na水溶液に懸濁させて0.4mg/mlの濃度の懸濁液を調製した。使用するマウスは、4〜8週齢の雄性のC57BL/6マウスのものを日本チャールス・リバー株式会社から購入し、これらを個別で飼育した。食餌と水は自由に与え、実験に供した。なお、マウスは各実験で1回だけ用いた。
まず、一群各6例の上記マウス(20g〜25g)に、一匹あたり化合物A’を0.08mg(0.2ml/匹)またはコントロールとして0.5重量%CMC-Na水溶液0.2mlを手術の48時間前、24時間前に経口投与し、開腹手術を行った。具体的には、各マウスをネンブタール1mg/匹を腹腔内投与することによって麻酔し、開腹し、胃を切開した。切開された胃に、再度、一匹あたり化合物A’を0.08mgまたはコントロールとしての0.5重量%CMC-Na水溶液を0.2mlを胃内に投与し、胃を縫合した後、閉腹した。
上記手術の6時間後に開腹して下大静脈から採血し、得られた血清中のIL−6量をELISA(R&D Systems社)にて定量した。
結果を図5に示す。図5に示すように、化合物Aは侵襲後の血清中のIL−6を有意に抑制し、炎症反応を軽減することが示唆された。
錠剤の調製:
化合物A’ 10g
乳糖 32g
トウモロコシデンプン 71g
結晶セルロース 30g
ヒドロキシプロピルセルロース 5g
軽質無水ケイ酸 1g
ステアリン酸マグネシウム 1g
合計 150g
常法に従って、上記各成分を混和し、顆粒状とし、圧縮成型して、1錠150mgの錠芯を調製する。次いで、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、酸化チタン、タルク及び軽質無水ケイ酸を用い、常法に従って剤皮を施しフィルムコーティング錠とする。
2%散剤の調製:
化合物A’ 20g
D−マンニトール 935g
ヒドロキシプロピルセルロース 30g
ステアリン酸マグネシウム 10g
軽質無水ケイ酸 5g
合計 1000g
常法に従って、上記各成分を混和し、造粒して2%散剤を調製する。
注射剤の調製:
ステンレス製容器に注射用水2リットルを入れ、プロピレングリコール2.5kgを加え攪拌機で攪拌し、均一に混合した後、化合物A’ 26.45gを加え攪拌する。この白濁液に塩酸を徐々に加えて溶解し、最終的にpHを3.0に調節し、適量の注射用水を加え全量を5リットルとする。この液をろ過後、このろ液をアンプル充填熔閉機で2ml無色アンプルに2mlずつ充填、熔閉後、高圧蒸気滅菌機で滅菌(121℃、20分間)し、注射剤とする。
本発明の医薬は、種々の炎症状態や炎症性疾患、例えば、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、全身性炎症反応症候群(敗血症を含む)、胃若しくは腸の潰瘍、感染性胃腸炎、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、重症感染症または深在性真菌症等の広範囲の炎症に対して優れた効果を有することが期待できる。
更に、化合物Aは、消化管運動促進作用を有することから、本発明の抗炎症作用とあいまって、特に、術後イレウスや胃もしくは腸の潰瘍の予防ないし治療に有効であると考えられる。
図1は、LPS刺激によるマウス マクロファージ系細胞株におけるIL−6産生の化合物A’の抑制作用を示す結果である。 図2は、LPS刺激によるマウス マクロファージ系細胞株におけるIL−1β産生の化合物A’の抑制作用を示す結果である。 図3は、化合物A’のIL−6産生抑制効果に対する5−HT4アンタゴニストの影響を示す結果である。 図4は、in vivoにおけるLPS刺激によるマウスのIL−6産生の化合物A’の抑制作用を示す結果である。 図5は、マウスの胃開腹手術後の炎症反応に対する化合物A’の抑制作用を示す結果である。

Claims (8)

  1. 4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−[[4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル]メチル]ベンズアミド(以下、「化合物A」という)またはその生理学的に許容される塩を有効成分とする炎症状態または炎症性疾患の予防または治療剤。
  2. 炎症状態または炎症性疾患が、炎症を伴う術後イレウス、汎発性腹膜炎、高度侵襲手術後の炎症、全身性炎症反応症候群、胃若しくは腸の潰瘍、感染性胃腸炎、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、重症感染症または深在性真菌症である請求項1記載の予防または治療剤。
  3. 炎症状態または炎症性疾患が、炎症性サイトカインに起因するものである請求項1または2記載の予防または治療剤。
  4. 炎症性サイトカインがインターロイキン1(IL−1)またはインターロイキン6(IL−6)である請求項3記載の予防または治療剤。
  5. 炎症性サイトカインがIL−6である請求項4記載の予防または治療剤。
  6. 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とする術後イレウスの予防または治療剤。
  7. 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とする胃若しくは腸の潰瘍の予防または治療剤。
  8. 化合物Aまたはその生理学的に許容される塩を有効成分とするIL−6産生抑制薬。
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