実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された画像表示装置9が設けられている。画像表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、画像表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。画像表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
なお、画像表示装置9とは別に、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1特別図柄に対応した第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aと、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2特別図柄に対応した第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bとを備えるようにしてもよい。この場合、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御され、例えば、2つのLEDや7セグメントのLEDによって構成される。
遊技盤6における画像表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における画像表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうち第2始動入賞口14への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させる。すなわち、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の可変表示を続けて実行する。なお、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
画像表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、画像表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、画像表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
画像表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は画像表示装置9の直下に設けられているが、画像表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、画像表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合計保留記憶数)を表示する領域(以下、合計保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合計保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合計保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、または、開放回数が増加される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、画像表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、画像表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合計保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する画像表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して、操作ボタン120からの検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、描画プロセッサ(VDP:ビデオディスプレイプロセッサ)109に画像表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して画像表示装置9の表示制御を行う描画プロセッサ109が演出制御基板80に搭載されている。描画プロセッサ109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、描画プロセッサによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、描画プロセッサ109は、VRAM内の画像データを画像表示装置9に出力する。
描画プロセッサ109は、演出制御用CPU101の指示に従って、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、画像表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。描画プロセッサ109は、演出制御用CPU101の指示に従って、キャラクタROMから読み出したデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図4は、描画プロセッサ109の回路構成を示すブロック図である。図4には、CPU(演出制御用CPU)101、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM112、およびワークメモリとして使用されるRAM113も示されている。
画像表示装置6の表示制御を実行する際に、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに応じた指令を描画プロセッサ109に与える。描画プロセッサ109は、指令に応じてCGROM83等から必要なデータを読み出す。CGROM83は、例えば、画像表示装置6に表示される飾り図柄や、キャラクタ(人物、動物)、文字、図形もしくは記号等からなる画像データ(動画像データや静止画像データ)を格納している。なお、CGROM83は、実写による動画像データや静止画像データを格納していてもよい。描画プロセッサ109は、入力したデータに従って画像表示装置9に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号を画像表示装置9に出力する。画像表示装置9は、例えば、多数の画素(ピクセル)を駆動するドットマトリクス方式による画面表示を行う。
VRAM84とフレームバッファ85とは、具体的には、SDRAMを用いて実現される。なお、この実施の形態では、VRAM84とフレームバッファ85とを別々に構成する場合を示しているが、VRAM84とフレームバッファ85とを共通のSDRAMを用いて実現してもよい。この場合、SDRAMには、フレームバッファの領域と、VRAMの領域とが設けられる。
描画プロセッサ109は、描画制御部91(描画回路)と、画像表示装置9に信号を出力するための表示信号制御部87(表示回路)と、動画復号処理を行う動画伸張部89と、画像データの転送を行うデータ転送回路94とを含む。描画制御部91は、VRAMアドレス生成部等を含む。
また、描画プロセッサ109の内部には、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93が設けられており、データ転送回路94および動画伸張部89は、CGバスI/F98を介してCGROM83から画像データを読み出す。また、描画プロセッサ109の内部には、CPUI/F92も設けられており、演出制御用CPU101は、CPUI/F92を介して、CGバスに接続されている部分をアクセスすることができる。具体的には、演出制御用CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。描画制御レジスタ95には、描画制御部91に対する演出制御用CPU101からの指令等が格納される。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示は、第1始動入賞口13に進入した遊技球が第1始動口スイッチ13aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態、小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことにもとづいて、開始される。第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示は、第2始動入賞口14に進入した遊技球が第2始動口スイッチ14aによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特別図柄の可変表示や大当り遊技状態、小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことにもとづいて、開始される。
第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示では、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特別図柄の可変表示での可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特別図柄の可変表示での可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特別図柄の可変表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特別図柄の可変表示における確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
また、15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態および小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことにもとづく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、通常大当り図柄(「非確変大当り図柄」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率遊技状態)に制御される。この確変状態では、各特別図柄の可変表示や飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特別図柄の可変表示の実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特別図柄の可変表示が実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特別図柄の可変表示が開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として停止表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示における普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普通図柄の可変表示で普通図柄の可変表示結果が「普通図柄当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普通図柄当り」となったことにもとづく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。従って、この実施の形態では、確変状態および時短状態以外の通常状態においては、第2始動入賞口14と比較して第1始動入賞口13の方が始動入賞しやすいのであるが、確変状態または時短状態においては、第1始動入賞口13と比較して第2始動入賞口14の方が始動入賞しやすい。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」、「イントロ」、「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」といった特定演出が実行可能に設定されている。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリアなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリアと「右」の飾り図柄表示エリアのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の特定演出では、特別図柄の可変表示の第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことにもとづき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、図5(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリアに表示(停止表示または仮停止表示)される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリアに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリアに表示される飾り図柄である。なお、擬似連チャンス目GC1〜GC8は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
「イントロ」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に、例えばリーチ演出にて行われる演出表示の導入部分といった、所定の演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一例として、「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、図5(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。そのため、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかが仮停止表示されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する、遊技者の期待感が高められる。
「発展チャンス目終了」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリアにて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる演出表示が行われる。一例として、「発展チャンス目終了」の特定演出では、「発展チャンス目」の特定演出で仮停止表示される発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかが、確定飾り図柄として停止表示される。
さらに、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や特定演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像を表示することなどといった、飾り図柄の可変表示態様以外の表示態様により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。この実施の形態では、「キャラクタ表示」、「ステップアップ画像」、「メール表示」といった予告演出が実行可能に設定されている。
「キャラクタ表示」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリアなど)にて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、画像表示装置9の表示領域における所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ画像」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、画像表示装置9の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示が行われることがある。なお、「ステップアップ画像」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。
「メール表示」の予告演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、遊技者により操作ボタン120が操作されたことに応じて、例えば画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示を変更させるといった、演出動作が変化する演出表示が行われる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄、あるいは、特殊組合せのうち発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定飾り図柄が、停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特別図柄の可変表示における確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様と称される。こうして「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態または通常状態に制御されることになる。
なお、この実施の形態では、所定の有効ラインとして、画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて1つのライン上に飾り図柄が表示される場合を示しているが、画像表示装置9上に1ラインの有効ラインが表示される場合に限らず、複数ライン(例えば5ライン)の有効ラインが表示されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、第1確変、第2確変および第3確変の3つの表示態様のうちのいずれかの表示態様で、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われる。なお、第1確変の表示態様とは、飾り図柄の可変表示中に「通常」である場合と同様のリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ)を実行し、又はリーチ演出を実行せずに、飾り図柄の停止図柄として確変図柄を停止表示する表示態様である。また、第2確変の表示態様とは、飾り図柄の可変表示中に「通常」である場合とは異なるリーチ演出(例えば、スーパーリーチ)を実行し、飾り図柄の停止図柄として確変図柄を停止表示する表示態様である。また、第3確変の表示態様とは、飾り図柄の可変表示中に「通常」である場合と同様のリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ)を実行し、又はリーチ演出を実行せずに、確変大当りであるにもかかわらず、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を停止表示する表示態様である。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特別図柄の可変表示における確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第1確変大当り(以下、単に第1確変ともいう)」の可変表示態様と称される。こうして「第1確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特別図柄の可変表示における確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第2確変大当り(以下、単に第2確変ともいう)」の可変表示態様と称される。こうして「第2確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特別図柄の可変表示における確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第3確変大当り(以下、単に第3確変ともいう)」の可変表示態様と称される。こうして「第3確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
このように、飾り図柄の可変表示態様が「第1確変」や「第2確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示にて確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることで、15ラウンド大当り状態に制御された後に確変状態となることが確定する。その一方で、飾り図柄の可変表示態様が「第3確変」となる場合には、可変表示態様が「通常」となる場合と同様に、飾り図柄の可変表示にて通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。そのため、可変表示態様が「第3確変」となる場合には、確変状態となるか否かを、飾り図柄の可変表示結果からは遊技者が認識することはできない。すなわち、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることが確定する特定表示結果に含まれるとともに、確変状態に制御されることが確定する特別表示結果に含まれる。その一方で、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、確変状態に制御されることが確定しない特別表示結果以外の特定表示結果に含まれる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、図5(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、図5(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。なお、突確チャンス目TC1〜TC4は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。また、特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特別図柄の可変表示における確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
特別図柄の可変表示における確定特別図柄として、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示態様が「突確」である場合と同様にして飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、図5(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示されること、あるいは、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このように特別図柄の可変表示における確定特別図柄が小当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「小当り」の可変表示態様と称される。ここで、図5(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄は、飾り図柄の可変表示態様が「突確」となる場合に限り停止表示され、可変表示態様が「小当り」となる場合などには確定飾り図柄として停止表示されない。すなわち、飾り図柄の可変表示にて突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示された場合には、「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となることが確定する。なお、図5(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4を、突然確変大当りの場合と小当りの場合とで共通に用いるようにしてもよい。そのようにすれば、突然確変大当りであるか小当りであるか(すなわち、遊技状態が確変状態に移行されるか否か)を分かりにくくすることによって、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、可変表示結果が「小当り」となった後には、2ラウンド大当り状態と同様の可変入賞動作が行われる小当り遊技状態に制御され、その小当り遊技状態が終了すると、遊技状態が変更されないことから、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。なお、可変表示結果が「小当り」となる可変表示ゲームに対応して、確変状態や時短状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に、通常状態へと制御されることになる。
可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「通常」、「第1確変」、「第3確変」のいずれかである場合には、飾り図柄の可変表示中に、特定変動表示としての変動中昇格演出が実行されることがある。変動中昇格演出では、画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアの有効ライン上に通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄と、通常大当り組合せとなる飾り図柄のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、飾り図柄の可変表示態様が「通常」や「第3確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、可変表示態様が「第1確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われる。
可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「通常」と「第3確変」のいずれかである場合には、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態に制御された後、その15ラウンド大当り状態が終了するまでの期間にて、確変状態に制御するか否かの報知演出としての大当り中昇格演出が実行される。ここで、大当り中昇格演出が実行されるタイミングは、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態における最初のラウンドが開始される以前の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが実行中の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから、次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間であってもよい。あるいは、15ラウンド大当り状態の終了後における最初の特別図柄や飾り図柄の変動中に、大当り中昇格演出に相当する演出動作が行われるようにしてもよい。15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置9の表示領域にて飾り図柄を可変表示させ、通常図柄と、確変図柄のうちいずれかを、演出表示結果として停止表示させる。このとき、大当り中昇格失敗演出では通常図柄を演出表示結果として停止表示させる一方、大当り中昇格成功演出では確変図柄を演出表示結果として停止表示させればよい。他の一例として、大当り中昇格演出では、画像表示装置9の表示領域にてルーレットゲームを示す演出画像の表示を行う。このとき、大当り中昇格失敗演出では回転するルーレットに投入されたボールが「偶数」に入って「残念!」という演出画像の表示を行う一方、大当り中昇格成功演出では回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入って「確変!」という演出画像の表示を行う。特別図柄の可変表示における確定特別図柄として「7」の数字を示す特別図柄が停止表示されることに対応して、「第3確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行することにより、確変状態となる昇格がある旨を報知する。特別図柄の可変表示における確定特別図柄として「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されることに対応して、「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行せず、確変状態となる昇格がある旨の報知は行われない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される制御コマンドについて説明する。中継基板15を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27L,27Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図6(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図6(A)に示す例において、コマンド8001(H)は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示における変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002(H)は、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示における変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。 コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XX(H)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXX(H)は、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する表示結果コマンドである。表示結果コマンドでは、例えば図6(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前判定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれとなるかの大当り種別判定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。
具体的には、コマンド8C00(H),8C01(H)は、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の判定結果を示す表示結果コマンドである。このうち、コマンド8C00(H)は、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の判定結果を示すとともに、遊技状態が時短状態であることを示す第1表示結果コマンドである。また、コマンド8C01(H)は、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の判定結果を示すとともに、遊技状態が時短状態でないことを示す第2表示結果コマンドである。なお、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、遊技状態が時短状態であるか否かを区別することなく、共通の表示結果コマンドを送信するようにしてもよい。コマンド8C02(H)は、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「通常」となる旨の判定結果を示す、すなわち通常大当りであることを指定する第3表示結果コマンドである。コマンド8C03(H)は、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第1確変」となる旨の判定結果を示す、すなわち第1確変大当りであることを指定する第4表示結果コマンドである。コマンド8C04(H)は、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第2確変」となる旨の判定結果を示す、すなわち第2確変大当りであることを指定する第5表示結果コマンドである。コマンド8C05(H)は、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「第3確変」となる旨の判定結果を示す、すなわち第3確変大当りであることを指定する第6表示結果コマンドである。コマンド8C06(H)は、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「突確」となる旨の判定結果を示す、すなわち突然確変大当りであることを指定する第7表示結果コマンドである。コマンド8C07(H)は、可変表示結果が「小当り」となる旨の判定結果を示す第8表示結果コマンドである。
コマンド8F00(H)は、画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンドである。
A0XX(H)は、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば表示結果コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前判定結果および大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する15ラウンド大当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。15ラウンド大当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA3XX(H)は、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば表示結果コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前判定結果および大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA4XX(H)は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」であることにもとづく2ラウンド大当り状態や、可変表示結果が「小当り」であることにもとづく小当り遊技状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作で大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する突確・小当り用の大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態に対応して、各ラウンドや可変入賞動作の終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間における演出画像の表示を指定する突確・小当り用の大入賞口開放後指定コマンドである。突確・小当り用の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば2ラウンド大当り状態におけるラウンドや小当り遊技状態における可変入賞動作の実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB001(H)は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことにもとづき、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002(H)は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにもとづき、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、画像表示装置9の表示領域に設けられた合計保留記憶表示部18cなどにて合計保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば、後述する合計保留記憶数カウンタの値(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板80の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板31から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、合計保留記憶数を特定することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560における遊技制御処理において用いられる各乱数について説明する。主基板31では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路503などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図7は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路503は、これらの乱数値MR1、MR2−1、MR2−2、MR3、MR4の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。
なお、CPU56は、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1、MR2−1、MR2−2、MR3、MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2−1、MR2−2、MR3、MR4を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特別図柄の可変表示における特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。
大当り種別判定用の乱数値MR2−1は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、飾り図柄の可変表示態様を「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」といった複数種類の特定可変表示種別としての大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ判定用の乱数値MR2−2は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「241」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、リーチ状態とする場合にどの種類のリーチの変動パターン種別とするか(例えば、スーパーリーチAとするかスーパーリーチBとするか)に分類したり、リーチ状態としない場合に特定の演出(例えば「滑り」演出)のある変動パターン種別とするか否かに分類するための乱数値である。そして、分類したあとに、乱数値MR4を用いて、分類した変動パターン種別中のどの変動パターンとするか(例えば、分類したスーパーリーチAの変動パターン種別のうちのどのスーパーリーチAを含む変動パターンとするか)が決定される。
図8は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1および非リーチPB1−2、非リーチPC1−1および非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。
図9は、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応して予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−8、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−4、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−4、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−4、スーパーPC4−1およびスーパーPC4−2、スーパーPD1−1およびスーパーPD1−2、スーパーPE1−1およびスーパーPE1−2、スーパーPF1−1〜スーパーPF1−3、特殊PG1−1〜特殊PG1−4、特殊PG2−1〜特殊PG2−3、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンが用意されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、例えば図10(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図10(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが含まれている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。第1特図表示結果判定テーブル130は、後述する確変フラグがオフであるかオンであるか(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データや小当り判定値データ、ハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1を、大当り判定値データやハズレ判定値データに割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図11に示す大当り種別判定テーブル131が含まれている。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2−1にもとづき、飾り図柄の可変表示態様を「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131は、後述する特別図柄ポインタの値(特別図柄ポインタ値)が1であるか2であるか(第1特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか、第2特別図柄の可変表示に対応した大当りであるか)に応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2−1を、「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」の大当り種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、大当り種別判定テーブル131は、後述する大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別判定用の乱数値MR2−1にもとづいて決定された大当り種別に対応した「00」〜「04」のいずれかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
この実施の形態では、図11に示す大当り種別判定テーブル131の設定では、特別図柄ポインタ値が1であるか2であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する大当り種別判定用の乱数値MR2−1の割当てが異なっている。すなわち、特別図柄ポインタ値が1である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2−1のうち「83」〜「100」の範囲の値が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、特別図柄ポインタ値が2である場合には、「突確」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2−1が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を開始するための第1開始条件が成立したことにもとづいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を開始するための第2開始条件が成立したことにもとづいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図12(A)〜(F)および図13(A)〜(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iが含まれている。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iは、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iは、例えば図13(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかや、大当り種別の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iは、大当り種別の判定結果が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8、スーパーCB3−1〜スーパーCB3−5、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合に着目すれば、大当り種別が「通常」または「第3確変」である場合に用いられる図12(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「第1確変」である場合に用いられる図12(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別判定テーブル132BではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない。他方、大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない一方で、大当り用変動パターン種別判定テーブル132BではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれかである場合に着目して、その遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Dや(通常状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132E〜132H(確変状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C、132I(時短状態のときに選択)を互いに比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
特に、大当り種別が「突確」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132D、132H、132Iでは、例えば特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった、大当り種別が「突確」以外である場合には変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられない変動パターン種別に対して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突確」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、他の一例として、大当り種別が「通常」に決定された場合に着目すれば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図12(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図12(E)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Eとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別判定テーブル132EではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられていない。このように、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に着目して、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A、132E(「通常」または「第3確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132B、132F(「第1確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132C、132G(「第2確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別判定テーブル132D、132H、132I(「突確」のときに選択)を互いに比較すると、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別判定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられることがある。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図14(A)〜(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cが含まれている。小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cは、可変表示結果を「小当り」とする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cは、例えば図14(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。各小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図14(A)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133Aにて変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられた特殊CA4−1の変動パターン種別には、図12(D)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dにおいても変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。図14(B)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133Bにて変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられた特殊CB4−1の変動パターン種別には、図13(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Hにおいても変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。図14(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133Cにて変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられた特殊CC4−1の変動パターン種別には、図13(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Iにおいても変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別は、大当り種別が「突確」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合で共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り種別が「突確」である場合に用いられる図12(D)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dや、図13(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132H、図13(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Iは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定される変動パターン種別と共通の変動パターン種別を含むように設定されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図15(A)〜(C)に示すリーチ判定テーブル134A〜134Cが含まれている。リーチ判定テーブル134A〜134Cは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを、リーチ判定用の乱数値MR2−2にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、例えば図15(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態および時短状態のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。各リーチ判定テーブル134A〜134Cは、リーチ判定用の乱数値MR2−2を、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態としない旨の判定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態とする旨の判定結果のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、例えば図15(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定では、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「204」の範囲の値を非リーチHA1−1の判定結果に割り当てる一方で「205」〜「239」の範囲の値をリーチHA2−1の判定結果に割り当てる。また、合計保留記憶数が「1」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち非リーチHA1−1に割り当てる乱数値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値を、非リーチHA1−2の判定結果に割り当てる。さらに、合計保留記憶数が「2」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てる乱数値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値を、非リーチHA1−3の判定結果に割り当てる。合計保留記憶数が「3」または「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合のそれぞれに対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3の判定結果のそれぞれに割り当てる乱数値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の値を、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5の判定結果に割り当てる。このような設定により、合計保留記憶数が所定数(例えば「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の判定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図16は、大当りおよび小当りとしないことに決定した場合のリーチ発生確率を示す説明図である。この実施の形態では、図15に示すリーチ判定テーブル134A,134B,134Cを用いて、図16に示す確率でリーチ演出を実行するか否かが決定される。図16に示すように、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合計保留記憶数が3個以上であれば3.8パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、合計保留記憶数が2個であれば7.9パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、合計保留記憶数が1個であれば9.2パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、合計保留記憶数が0個であれば14.6パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。なお、合計保留記憶数にかかわらず、遊技状態が確変状態である場合には、1.7パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、遊技状態が時短状態であれば3.3パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。
この実施の形態では、図16に示すように、遊技状態が通常状態である場合に、合計保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減している。そのため、変動表示の稼働率を向上させることができるとともに、遊技制御手段(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)の処理負担を軽減している。なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、合計保留記憶数が多いときにリーチ演出を実行する頻度を低減するようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、合計保留記憶数が多いときにリーチ演出を実行する頻度を増加させるようにしてもよい。そのようにすれば、変動表示による演出を長引かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図17(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cが含まれている。リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態とする旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1の判定結果に応じてリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態とする旨の判定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、例えば図17(A)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Aの設定では、リーチHA2−1の判定結果に対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「128」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる一方で、それ以外の乱数値をスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り当てる。また、リーチHA2−2の判定結果に対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「170」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる。さらに、リーチHA2−3の判定結果に対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち「1」〜「182」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる。リーチHA2−1の判定結果は、図15(A)に示すリーチ判定テーブル134Aの設定により、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2が割り当てられている。リーチHA2−2の判定結果は、合計保留記憶数が「1」である場合や「2」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2が割り当てられている。リーチHA2−3の判定結果は、合計保留記憶数が「3」、「4」のいずれかである場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2が割り当てられている。これらの設定により、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図18(A)〜(C)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cが含まれている。非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態としない旨の判定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の判定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態としない旨の判定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図19、図20(A)および(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cが含まれている。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−5のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM54が記憶する判定テーブルには、図21および図22に示すハズレ変動パターン138A、138Bが含まれている。ハズレ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定がなされたときに、リーチ状態とするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各ハズレ変動パターン判定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン判定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。ハズレ変動パターン判定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数値MR4を、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図21に示すハズレ変動パターン判定テーブル138Aの設定では、非リーチCA1−4や非リーチCC1−3といった非リーチの変動パターン種別となる場合に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7といった特定演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。また、非リーチCB1−3の変動パターン種別に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4のうち、「1」〜「100」の範囲の値が「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する非リーチPA1−7の変動パターンに割り当てられている。このような設定により、飾り図柄の可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定、および、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の判定に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7の変動パターンのいずれかとする決定を行い、特定演出となる演出動作を実行することができる。
そして、非リーチCA1−4の変動パターン種別に対しては、図18(A)に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136Aにおいて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3のうち、非リーチHA1−1に対応して「217」〜「241」の範囲の値が割り当てられており、非リーチHA1−2に対応して「230」〜「241」の範囲の値が割り当てられており、非リーチHA1−3に対応して「231」〜「241」の範囲の値が割り当てられており、非リーチHA1−4と非リーチHA1−5のそれぞれに対応して「237」〜「241」の範囲の値が割り当てられている。ここで、非リーチHA1−1の判定結果に対しては、図15(A)に示すリーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「204」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−2の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「1」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「217」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−3の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「2」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「220」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−4の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「3」、「4」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「230」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−5の判定結果に対しては、リーチ判定テーブル134Aにおいて、合計保留記憶数が「5」〜「8」に対応して、リーチ判定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「230」の範囲の値が割り当てられている。従って、合計保留記憶数が「1」や「2」である場合には、合計保留記憶数が「0」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、合計保留記憶数が「3」、「4」あるいは「5」〜「8」のいずれかである場合には、合計保留記憶数が「0」である場合や、「1」または「2」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
図8に示す変動パターンの一例では、特定演出が実行されない非リーチPA1−1の変動パターンにおける特図変動時間が5.75秒であり、非リーチPA1−2の変動パターンにおける特図変動時間が3.75秒であり、非リーチPA1−3の変動パターンにおける特図変動時間が1.50秒である。これに対して、「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンにおける特図変動時間は8.25秒であり、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチPA1−5の変動パターンにおける特図変動時間は16.70秒であり、「イントロ」の特定演出が実行される非リーチPA1−6の変動パターンにおける特図変動時間は10.20秒であり、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される非リーチPA1−7の変動パターンにおける特図変動時間は9.25秒である。すなわち、「非リーチ」に対応して特定演出が実行される変動パターンにおける特図変動時間はいずれも、特定演出が実行されない変動パターンにおける特図変動時間に比べて長くなっている。そして、合計保留記憶数が「1」以上である場合には、「0」である場合に比べて特定演出を実行する非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっており、また、合計保留記憶数が「3」以上である場合には、「3」未満である場合に比べて非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。こうして、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図22に示すハズレ変動パターン判定テーブル138Bの設定では、ノーマルCA2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4といった「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。また、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4といったリーチ演出α1を実行する変動パターンや、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8といったリーチ演出α2を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5といったリーチ演出β1を実行する変動パターンに、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。
加えて、例えばスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPB3−4の変動パターンのように、「擬似連」の特定演出を実行する変動パターンについては、擬似連変動が行われた後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により変動パターン種別が分類されている。すなわち、スーパーPA3−4の変動パターンは、リーチ演出α1を実行する変動パターンであることから、図22に示すハズレ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーPA3−8の変動パターンは、リーチ演出α2を実行する変動パターンであることから、ハズレ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーPB3−4の変動パターンは、リーチ演出β1を実行する変動パターンであることから、ハズレ変動パターン判定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン判定用の乱数値MR4が割り当てられている。
そして、ノーマルCA2−1やスーパーCA2−2の変動パターン種別に対しては、図17(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれにおいても、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。また、スーパーCA2−3の変動パターン種別に対しては、図17(A)および(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A、135Cにおいて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。スーパーCB2−1の変動パターン種別に対しては、図17(B)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135Bにおいて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、図17(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cでは、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により分類された変動パターン種別のいずれかに決定できるように、テーブルデータ(決定用データ)が構成されている。また、リーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cでは、「擬似連」の特定演出を実行した後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により分類された変動パターン種別のいずれかに決定できるように、テーブルデータが構成されている。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御処理において用いられる各乱数について説明する。演出制御基板80では、例えば乱数回路(図示せず)などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図23は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図23に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3、第1〜第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1〜SR4−3、昇格演出実行判定用の乱数値SR5、第1〜第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−1〜SR6−3、予告パターン種別判定用の乱数値SR7、第1〜第3予告パターン判定用の乱数値SR8−1〜SR8−3のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。演出制御基板80が搭載する乱数回路は、これらの乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2、SR3、SR4−1〜SR4−3、SR5、SR6−1〜SR6−3、SR7、SR8−1〜SR8−3の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。演出制御用CPU101は、例えば図40に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2、SR3、SR4−1〜SR4−3、SR5、SR6−1〜SR6−3、SR7、SR8−1〜SR8−3の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。また、演出制御基板80に乱数回路が搭載されていない場合には、演出制御用CPU101がランダムカウンタを用いて、乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2、SR3、SR4−1〜SR4−3、SR5、SR6−1〜SR6−3、SR7、SR8−1〜SR8−3の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄として、画像表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。なお、ここでの最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアそれぞれにて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。一例として、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「80」の範囲の値をとり、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「70」の範囲の値をとり、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3は「1」〜「96」の範囲の値をとる。
昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2は、変動中昇格演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる通常大当り組合せの飾り図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「80」の範囲の値をとる。滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3は、「滑り」の特定演出を実行する場合や「発展チャンス目」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部にて仮停止表示させる飾り図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「101」の範囲の値をとる。
第1〜第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1〜SR4−3は、「擬似連」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる仮停止図柄の組合せを、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1は「1」〜「211」の範囲の値をとり、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−2は「1」〜「229」の範囲の値をとり、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−3は「1」〜「311」の範囲の値をとる。
昇格演出実行判定用の乱数値SR5は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれかである場合に、変動中昇格演出や大当り中昇格演出を実行するか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
第1〜第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−1〜SR6−3は、「滑り」、「擬似連」、「イントロ」といった特定演出を実行する場合における演出動作の内容に対応した特定演出パターンを、複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1特定演出パターン判定用の乱数値SR6−1は、「滑り」の特定演出を実行する場合における特定演出パターンを決定するために用いられ、「1」〜「71」の範囲の値をとる。第2特定演出パターン判定用の乱数値SR6−2は、「擬似連」の特定演出を実行する場合における特定演出パターンを決定するために用いられ、「1」〜「150」の範囲の値をとる。第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3は、「イントロ」の特定演出を実行する場合における特定演出パターンを決定するために用いられ、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
予告パターン種別判定用の乱数値SR7は、予告演出を実行するか否かを決定し、予告演出を実行する場合における予告パターン種別を予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「191」の範囲の値をとる。第1〜第3予告パターン判定用の乱数値SR8−1〜SR8−3は、予告パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1予告パターン判定用の乱数値SR8−1は、「キャラクタ表示」の予告演出における予告パターンを決定するために用いられ、「1」〜「499」の範囲の値をとる。第2予告パターン判定用の乱数値SR8−2は、「ステップアップ画像」の予告演出における予告パターンを決定するために用いられ、「1」〜「1009」の範囲の値をとる。第3予告パターン判定用の乱数値SR8−3は、「メール表示」の予告演出における予告パターンを決定するために用いられ、「1」〜「200」の範囲の値をとる。
演出制御基板80に搭載されたROM112には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM112には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
また、ROM112が記憶する決定テーブルには、所定の非リーチ組合せや発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図24(A)〜(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Dが含まれている。図24(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「左」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図24(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「右」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図24(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「中」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3などにもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
ここで、ROM112が記憶する判定テーブルには、図25に示すような左右出目判定テーブル161が含まれており、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行われる。最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
図24(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号とが同一となる部分には、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2が割り当てられていない。このような割当てにより、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄を決定する場合に、その確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せ(突確チャンス目TC1〜TC4を除く)とはならないようにすることができる。また、図24(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左最終停止図柄FZ1−1、右最終停止図柄FZ1−2、中最終停止図柄FZ1−3の組合せが、予め定められた飾り図柄の組合せとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3が割り当てられていない。例えば、リーチ組合せや大当り組合せ以外であっても、図5(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8となる部分や、図5(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8となる部分、図5(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4となる部分、さらには、図26に示すような一定の非リーチ組合せとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3が割り当てられていない。このような割当てにより、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄を決定する場合に、その確定飾り図柄が擬似連チャンス目GC1〜GC8や発展チャンス目HC1〜HC8、突確チャンス目TC1〜TC4、さらには、これらのチャンス目と類似する一定の非リーチ組合せとはならないようにすることができる。
図24(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160Dは、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合に「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアでの最終停止図柄FZ1−4、FZ1−5、FZ1−6となる確定飾り図柄の組合せを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1にもとづいて発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Dは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、発展チャンス目HC1〜HC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM112が記憶する決定テーブルには、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図27(A)および(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A、162Bが含まれている。図27(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「左」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる飾り図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図27(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「中」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
ここで、リーチハズレ組合せを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる飾り図柄の図柄番号との差分値である図柄差により特定される。すなわち、飾り図柄の可変表示において、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示する場合に、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア以外の「左」および「右」の飾り図柄表示エリアに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の飾り図柄表示エリアに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。このとき決定された図柄差に応じて、「中」の飾り図柄表示エリアに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定飾り図柄が決定される。最終停止図柄決定テーブル162Bは、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、特殊PG2−1、特殊PG2−2の変動パターンのいずれかである場合や、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかである場合、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−1〜PB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4、特殊PG2−3の変動パターンのいずれかである場合、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8の変動パターンのいずれかである場合に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM112が記憶する判定テーブルには、大当り組合せや突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図28(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163A〜163Cが含まれている。図28(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aは、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図28(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bは、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Bは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる確変図柄の図柄番号「1」、「3」、「5」、「7」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図28(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163Cは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアでの左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3となる確定飾り図柄の組合せを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1にもとづいて突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Cは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、突確チャンス目TC1〜TC4に割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM112が記憶する判定テーブルには、特定演出パターンを複数種類のいずれかに決定するためのテーブルとして、例えば図29(A)〜(C)に示す特定演出パターン判定テーブル164A〜164Cが含まれている。図29(A)に示す特定演出パターン判定テーブル164Aは、「滑り」の特定演出が実行される場合に、第1特定演出パターン判定用の乱数値SR6−1にもとづき、特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン判定テーブル164Aは、非リーチPA1−4、ノーマルPA2−2、ノーマルPA2−4、ノーマルPA2−6、ノーマルPA2−8、スーパーPA3−2、スーパーPA3−6、スーパーPA4−2、スーパーPA5−2、スーパーPB3−2、スーパーPB4−2、スーパーPB5−2、スーパーPC3−2、スーパーPC3−4、スーパーPD1−2、スーパーPE1−2、スーパーPF1−3、特殊PG1−2、特殊PG2−2、特殊PG3−3の変動パターンといった、「滑り」の特定演出が実行される変動パターン(図8および図9を参照)に応じて、第1特定演出パターン判定用の乱数値SR6−1を、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、滑りTP1−1の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることで、「右」の飾り図柄表示エリアにて停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−2の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、「左」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることで、「左」の飾り図柄表示エリアにて停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−3の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることで、「右」の飾り図柄表示エリアにて停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−4の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、「左」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることで、「左」の飾り図柄表示エリアにて停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
図29(B)に示す特定演出パターン判定テーブル164Bは、「擬似連」の特定演出が実行される場合に、第2特定演出パターン判定用の乱数値SR6−2にもとづき、特定演出パターンを擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン判定テーブル164Bは、非リーチPA1−5、スーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPB3−4、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3の変動パターンといった、「擬似連」の特定演出が実行される変動パターン(図8および図9を参照)に応じて、第2特定演出パターン判定用の乱数値SR6−2を、擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3の特定演出パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、擬似連TP2−1の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を仮停止表示させてから再変動(擬似連変動)させる全再変動表示動作が、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに1回行われる。擬似連TP2−2の特定演出パターンでは、確定飾り図柄が停止表示されるまでに全再変動表示動作が2回行われる。擬似連TP2−3の特定演出パターンでは、確定飾り図柄が停止表示されるまでに全再変動表示動作が3回行われる。従って、この実施の形態では、特定演出パターン判定テーブル164Bを用いて特定演出パターンを擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3のいずれかに決定することにより、擬似連変動の実行回数を決定することができる。
図29(C)に示す特定演出パターン判定テーブル164Cは、「イントロ」の特定演出が実行される場合に、第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3にもとづき、特定演出パターンをイントロTP3−1〜イントロTP3−3のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン判定テーブル164Cは、非リーチPA1−6、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンといった、「イントロ」の特定演出が実行される変動パターン(図8および図9を参照)に応じて、第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3を、イントロTP3−1〜イントロTP3−3の特定演出パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、例えば図42に示す演出制御バッファ設定部164に設けられた前回演出バッファ値が1〜3のいずれであるかに応じて、複数種類の演出動作に対応したイントロTP3−1〜イントロTP3−3の各特定演出パターンに対する第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3の割当てが異なっている。前回演出バッファ値は、「イントロ」の特定演出における特定演出パターンがイントロTP3−1に決定された場合に1に設定され、イントロTP3−2に決定された場合に2に設定され、イントロTP3−3に決定された場合に3に設定される。そして、前回演出バッファ値が1であるときには、イントロTP3−1に対して第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3が割り当てられておらず、前回演出バッファ値が2であるときには、イントロTP3−2に対して第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3が割り当てられておらず、前回演出バッファ値が3であるときには、イントロTP3−3に対して第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3が割り当てられていない。このような割当てにより、非リーチPA1−6の変動パターンに応じて「イントロ」の特定演出が実行される場合には、前回実行された「イントロ」の特定演出における特定演出パターンと同一の特定演出パターンにはならないようにすることができる。
また、ROM112が記憶する判定テーブルには、図30(A)に示す変動中昇格演出実行判定テーブル165Aや、図30(B)に示す大当り中昇格演出実行判定テーブル165Bが含まれている。図30(A)に示す変動中昇格演出実行判定テーブル165Aは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」(「突確」以外)である場合に、変動中昇格演出を実行するか否かを、昇格演出実行判定用の乱数値SR5にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。変動中昇格演出実行判定テーブル165Aは、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、昇格演出実行判定用の乱数値SR5を、変動中昇格演出の有無を示す判定結果に割り当てる決定用データなどから構成されている。ここで、大当り種別が「通常」または「第3確変」である場合には、昇格演出実行判定用の乱数値SR5が全て変動中昇格演出ありの判定結果に割り当てられており、変動中昇格失敗演出が実行されることになる。また、大当り種別が「第1確変」である場合には、昇格演出実行判定用の乱数値SR5の一部が変動中昇格演出ありの判定結果に割り当てられ、残りが変動中昇格演出なしの判定結果に割り当てられている。この場合、変動中昇格演出ありの判定結果となれば、変動中昇格成功演出が実行されることになる。さらに、大当り種別が「第2確変」である場合には、昇格演出実行判定用の乱数値SR5が全て変動中昇格演出なしの判定結果に割り当てられており、変動中昇格成功演出と変動中昇格失敗演出がいずれも実行されないことになる。
図30(B)に示す大当り中昇格演出実行判定テーブル165Bは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」(「突確」以外)である場合に、大当り中昇格演出を実行するか否かを、昇格演出実行判定用の乱数値SR5にもとづいて判定するために参照されるテーブルである。大当り中昇格演出実行判定テーブル165Bは、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、昇格演出実行判定用の乱数値SR5を、大当り中昇格成功演出や大当り中昇格失敗演出の有無を示す判定結果に割り当てる決定用データなどから構成されている。ここで、大当り種別が「通常」である場合には、昇格演出実行判定用の乱数値SR5が全て大当り中昇格失敗演出ありの判定結果に割り当てられており、大当り中昇格失敗演出が実行されることになる。また、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」である場合には、昇格演出実行判定用の乱数値SR5が全て大当り中昇格演出なしの判定結果に割り当てられており、大当り中昇格成功演出と大当り中昇格失敗演出がいずれも実行されないことになる。さらに、大当り種別が「第3確変」である場合には、昇格演出実行判定用の乱数値SR5の一部が大当り中昇格成功演出ありの判定結果に割り当てられ、残りが大当り中昇格失敗演出ありの判定結果に割り当てられている。この場合には、判定結果に応じて、大当り中昇格成功演出と大当り中昇格失敗演出のいずれかが実行されることになる。なお、大当り種別が「第3確変」である場合に大当り中昇格失敗演出が行われる場合には、大当り遊技後に遊技状態が時短状態である場合と共通の演出が実行される。
また、ROM112が記憶する決定テーブルには、「滑り」の特定演出が実行される場合に仮停止表示させる飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図31(A)〜(D)に示す仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、例えば図31(E)に示すようなテーブル選択設定に従い、特定演出パターンが滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、特定演出パターンが滑りTP1−1である場合には仮停止図柄決定テーブル166Aが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−2である場合には仮停止図柄決定テーブル166Bが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−3である場合には仮停止図柄決定テーブル166Cが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−4である場合には仮停止図柄決定テーブル166Dが使用テーブルとして選択される。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、飾り図柄を再変動させる飾り図柄表示エリアにおいて最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、仮停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。すなわち、仮停止図柄決定テーブル166Aは、滑りTP1−1の特定演出パターンに従い飾り図柄が仮停止表示される「右」の飾り図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、右仮停止図柄KZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。仮停止図柄決定テーブル166Bは、滑りTP1−2の特定演出パターンに従い飾り図柄が仮停止表示される「左」の飾り図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、左仮停止図柄KZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。仮停止図柄決定テーブル166Cは、滑りTP1−3の特定演出パターンに従い飾り図柄が仮停止表示される「右」の飾り図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、右仮停止図柄KZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。仮停止図柄決定テーブル166Dは、滑りTP1−4の特定演出パターンに従い飾り図柄が仮停止表示される「左」の飾り図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、左仮停止図柄KZ1−4となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。
また、ROM112が記憶する決定テーブルには、「擬似連」の特定演出が実行される場合に仮停止表示される飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図32(A)〜(D)に示す仮停止図柄決定テーブル167A〜167Dが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル167A〜167Dは、「擬似連」の特定演出が実行される場合に、変動パターンが非リーチPA1−5であるか、スーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかであるかや、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数などに応じて、使用テーブルとして選択される。ここで、全再変動表示動作の残り回数は、例えば最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「0」となり、その1回前に仮停止図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「1」となり、2回前に仮停止図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「2」となり、3回前に仮停止図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「3」となるように、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される擬似連変動が実行されるまでに、あと何回の擬似連変動(仮停止図柄が停止表示される変動)が実行されるかに対応している。
一例として、仮停止図柄決定テーブル167Aは、変動パターンが非リーチPA1−5であることに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。仮停止図柄決定テーブル167Bは、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
また、仮停止図柄決定テーブル167Cは、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「2」である場合に、「左」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ3−1、「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ3−2、「中」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ3−3を決定するための使用テーブルとして選択される。仮停止図柄決定テーブル167Dは、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「3」である場合に、「左」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ4−1、「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ4−2、「中」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ4−3を決定するための使用テーブルとして選択される。なお、変動パターンが非リーチPA1−5である場合には、図29(B)に示す特定演出パターン判定テーブル164Bの設定にもとづき特定演出パターンが擬似連TP2−1に決定され、飾り図柄を仮停止表示させてから再変動させる全再変動表示動作の実行回数が1回だけであることから、仮停止図柄決定テーブル167Cや仮停止図柄決定テーブル167Dを使用テーブルとして選択する必要はない。変動パターンが特殊PG1−3である場合には、図29(B)に示す特定演出パターン判定テーブル164Bの設定にもとづき特定演出パターンが擬似連TP2−1または擬似連TP2−2に決定され、飾り図柄を仮停止表示させてから再変動させる全再変動表示動作の実行回数が多くとも2回であることから、仮停止図柄決定テーブル167Dを使用テーブルとして選択する必要はない。
図32(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aと図32(B)に示す仮停止図柄決定テーブル167Bはそれぞれ、「左」の飾り図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1を、左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。図32(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167Cは、仮停止図柄決定テーブル167Bを用いて決定された左仮停止図柄KZ2−1、右仮停止図柄KZ2−2、中仮停止図柄2−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−2を、左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。図32(D)に示す仮停止図柄決定テーブル167Dは、仮停止図柄決定テーブル167Cを用いて決定された左仮停止図柄KZ3−1、右仮停止図柄3−2、中仮停止図柄KZ3−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−3を、左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。
このような仮停止図柄決定テーブル167A〜167Dを用いて仮停止図柄を決定することにより、例えば図33に示すように、擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3の各特定演出パターンによる擬似連変動の実行回数に応じて、各回の変動で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて仮停止表示させる飾り図柄を、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定することができる。
また、ROM112が記憶する決定テーブルには、「発展チャンス目」の特定演出が実行される場合に仮停止表示される飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図34に示す仮停止図柄決定テーブル168が含まれている。仮停止図柄決定テーブル168は、「左」の飾り図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、左中右仮停止図柄KZ6−1、KZ6−2、KZ6−3の組合せによって構成される発展チャンス目HC1〜HC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM112が記憶する決定テーブルには、変動中昇格演出が実行される場合に仮停止表示される飾り図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図35に示す仮停止図柄決定テーブル169が含まれている。仮停止図柄決定テーブル169は、大当り組合せとなる確定飾り図柄として「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアに揃って停止表示される同一の左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2を、左中右仮停止図柄KZ7−1、KZ7−2、KZ7−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
また、ROM112が記憶する判定テーブルには、図36に示す予告パターン種別判定テーブル170が含まれている。予告パターン種別判定テーブル170は、予告パターン種別判定用の乱数値SR7にもとづき、予告パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。予告パターン種別判定テーブル170は、変動パターンが非リーチPA1−1、非リーチPA1−2、非リーチPB1−1、非リーチPC1−1のいずれかである場合や、非リーチPA1−3である場合、非リーチPA1−4である場合、非リーチPA1−6、非リーチPB1−2、非リーチPC1−2、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3のいずれかである場合、これらの変動パターン以外の変動パターンである場合に応じて、予告パターン種別判定用の乱数値SR7を、予告なし、あるいは、予告CY1〜予告CY3の予告パターン種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、予告パターン種別判定テーブル170では、変動パターンが非リーチPA1−6、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3といった、「イントロ」の特定演出が実行される変動パターン(図8および図9を参照)である場合に対応して、予告パターン種別判定用の乱数値SR7が全て予告なしに割り当てられている。そのため、「イントロ」の特定演出が実行される場合には、予告演出となる演出動作の実行が制限される。ここで、「イントロ」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させた後、短時間のうちに特定演出における演出表示が開始され、予告演出が行われる場合には、実行期間に重複が生じる。そこで、予告パターン種別判定テーブル170では、「イントロ」の特定演出が実行される変動パターンである場合には常に予告なしとなるように予告パターン種別判定用の乱数値SR7を割り当てることで、「イントロ」の特定演出と実行期間が重複する予告演出は実行しないようにすることができる。
また、ROM112が記憶する判定テーブルには、予告パターンを複数種類のいずれに決定するためのテーブルとして、例えば図37〜図39に示す予告パターン判定テーブル171A〜171Cが含まれている。予告パターン判定テーブル171Aは、予告パターン種別が予告CY1に決定されたときに、第1予告パターン判定用の乱数値SR8−1にもとづき、予告なし、あるいは、予告パターンを予告YP1−1〜予告YP1−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。予告パターン判定テーブル171Aは、変動パターンに応じて、第1予告パターン判定用の乱数値SR8−1を、予告なし、あるいは、予告YP1−1〜予告YP1−4の予告パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、予告YP1−1〜予告YP1−4の予告パターンでは、互いに異なる演出表示態様で、「キャラクタ表示」の予告演出における演出表示が行われる。「キャラクタ表示」の予告演出では、予告YP1−1〜予告YP1−4の各予告パターンに対応するキャラクタ画像を、画像表示装置9の表示領域に表示させる。
予告パターン判定テーブル171Bは、予告パターン種別が予告CY2に決定されたときに、第2予告パターン判定用の乱数値SR8−2にもとづき、予告なし、あるいは、予告パターンを予告YP2−1〜予告YP2−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。予告パターン判定テーブル171Bは、変動パターンに応じて、第2予告パターン判定用の乱数値SR8−2を、予告なし、あるいは、予告YP2−1〜予告YP2の予告パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、予告YP2−1〜予告YP2−4の予告パターンでは、互いに異なる演出表示態様で、「ステップアップ画像」の予告演出における演出表示が行われる。「ステップアップ画像」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のいずれかを画像表示装置9の表示領域に表示させた後、予告YP2−1〜予告YP2−4の各予告パターンに対応して、所定の順番に従い複数種類の演出画像を切り替えて表示すること、あるいは、演出画像の切り替えが行われないことがある。
予告パターン判定テーブル171Cは、予告パターン種別が予告CY3に決定されたときに、第3予告パターン判定用の乱数値SR8−3にもとづき、予告なし、あるいは、予告パターンを予告YP3−1〜予告YP3−3のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。予告パターン判定テーブル171Cは、変動パターンに応じて、第3予告パターン判定用の乱数値SR8−3を、予告なし、あるいは、予告YP3−1〜予告YP3−3の予告パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、予告YP3−1〜予告YP3−3の予告パターンでは、互いに異なる演出表示態様で、「メール表示」の予告演出における演出表示が行われる。「メール表示」の予告演出では、操作ボタン120の操作を促す演出画像を画像表示装置9の表示領域に表示させた後、操作ボタン120が操作されたことに応じて、予告YP3−1〜予告YP3−3の各予告パターンに対応した演出画像を表示させる一方で、操作ボタン120が操作されなければ、各予告パターンに対応した演出画像の表示が行われない。このように、「メール表示」の予告演出では、操作ボタン120が操作されたことに応じて演出動作が変化する。
図39に示す予告パターン判定テーブル171Cでは、特定演出が実行される非リーチPA1−4、PA1−5、PA1−7の変動パターンに対応して、第3予告パターン判定用の乱数値SR8−3のうち「1」〜「170」の範囲の値が予告なしに割り当てられている。他方、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンに対応して、非リーチPA1−4、PA1−5、PA1−7の変動パターンよりも少ない個数の乱数値SR8−3が、予告なしに割り当てられている。例えば、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4の変動パターンに対応して、「1」〜「160」の範囲の値が予告なしに割り当てられている。その他のリーチ状態となる変動パターンでは、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となるか否かや、リーチの種類(ノーマルまたはスーパー)により、第3予告パターン判定用の乱数値SR8−3の割当てが異なっている。これに対して、特定演出が実行されない非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3、非リーチPB1−1、非リーチPC1−1の変動パターンに対応して、非リーチPA1−4、PA1−5、PA1−7の変動パターンよりも多い個数の乱数値SR8−3が、予告なしに割り当てられている。すなわち、「1」〜「190」の範囲の値が予告なしに割り当てられている。このような設定により、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行される変動パターンであるときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンであるときに比べて予告演出を実行する割合が低くなるとともに、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行されない変動パターンであるときに比べて予告演出を実行する割合が高くなる。また、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行される変動パターンであるときには、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行されない変動パターンであるときに比べて信頼度(可変表示結果が「大当り」となる可能性)の高い予告演出を実行する割合が高くなる一方で、飾り図柄の可変表示態様がリーチ状態となる変動パターンであるときに比べて信頼度の高い予告演出を実行する割合が低くなる。
また、ROM112が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図40(A)に示す図柄変動制御パターンテーブル180、図40(B)に示す予告演出制御パターンテーブル181、図41に示す各種演出制御パターンテーブル182などが含まれている。図40(A)に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、画像表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作、特定演出における演出表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各図柄変動制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、飾り図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されていればよい。
図40(B)に示す予告演出制御パターンテーブル181には、複数種類の予告パターンのそれぞれに対応して、例えば予告演出における演出表示動作といった、予告演出に対応した演出動作の制御内容を示すデータが、予告演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各予告演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、飾り図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されていればよい。
一例として、予告演出制御パターンテーブル181には、予告YP1−1〜予告YP1−4の予告パターンのそれぞれに対応して、予告CYP1−1〜予告CYP1−4の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、予告CYP1−1の予告演出制御パターンは、予告YP1−1の予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101を表示させる。予告CYP1−2の予告演出制御パターンは、予告YP1−2の予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101とキャラクタ画像MC102を表示させる。予告CYP1−3の予告演出制御パターンは、予告YP1−3の予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101とキャラクタ画像MC103を表示させる。予告CYP1−4の予告演出制御パターンは、予告YP1−4の予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101〜MC103を表示させる。
また、予告演出制御パターンテーブル181には、予告YP2−1〜予告YP2−4の予告パターンのそれぞれに対応して、予告CYP2−1〜予告CYP2−4の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、予告CYP2−1の予告演出制御パターンは、予告YP2−1の予告パターンに対応して、第1ステップの演出画像を表示させ、演出画像の切り替えを行わずに、予告演出を終了する。予告CYP2−2の予告演出制御パターンは、予告YP2−2の予告パターンに対応して、第2ステップの演出画像を表示させ、演出画像の切り替えを行わずに、予告演出を終了する。予告CYP2−3の予告演出制御パターンは、予告YP2−3の予告パターンに対応して、第1ステップの演出画像を表示させ、その演出画像を第2ステップの演出画像に切り替えた後に、予告演出を終了する。予告CYP2−4の予告演出制御パターンは、予告YP2−4の予告パターンに対応して、第1ステップの演出画像を表示させ、その演出画像を第2ステップの演出画像に切り替え、さらに第3ステップの演出画像に切り替えた後に、予告演出を終了する。
加えて、予告演出制御パターンテーブル181には、予告YP3−1の予告パターンに対応して予告CYP3−1−1および予告CYP3−1−2の予告演出制御パターンが格納され、予告YP3−2の予告パターンに対応して予告CYP3−2−1および予告CYP3−2−2の予告演出制御パターンが格納され、予告YP3−3の予告パターンに対応して予告CYP3−3−1および予告CYP3−3−2の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、予告CYP3−1−1の予告演出制御パターンは、予告YP3−1の予告パターンに対応して、操作ボタン120の操作が検出される以前における演出画像を表示させる。予告CYP3−1−2の予告演出制御パターンは、予告YP3−1の予告パターンに対応して、操作ボタン120の操作が検出された後における演出画像を表示させる。予告CYP3−2−1の予告演出制御パターンは、予告YP3−2の予告パターンに対応して、操作ボタン120の操作が検出される以前における演出画像を表示させる。予告CYP3−2−2の予告演出制御パターンは、予告YP3−2の予告パターンに対応して、操作ボタン120の操作が検出された後における演出画像を表示させる。予告CYP3−3−1の予告演出制御パターンは、予告YP3−3の予告パターンに対応して、操作ボタン120の操作が検出される以前における演出画像を表示させる。予告CYP3−3−2の予告演出制御パターンは、予告YP3−3の予告パターンに対応して、操作ボタン120の操作が検出された後における演出画像を表示させる。
図41に示す各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、大当り遊技状態や小当り遊技状態における演出動作の進行に応じた各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が、時系列的に設定されていればよい。
演出制御基板80に搭載されたRAM113には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図42に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図42に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
次に遊技機の動作について説明する。図43および図44は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、電源断信号がオフ状態である場合に、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って停電復旧中であることを報知することを指定する停電復旧指定コマンドをサブ基板(演出制御基板)に送信する処理を実行する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
次いで、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理を実行する(ステップS95)。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路が遊技機1に内蔵されている場合には、乱数回路の設定(例えば、乱数回路の動作を開始させる)を行う。また、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する主基板エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
なお、ハードウェア乱数を生成する乱数回路503は、遊技機1に内蔵してもよいし、遊技機1に外付けで備えてもよい。この実施の形態では、図2に示したように、乱数回路503は、ROM54およびRAM55とともに1チップ内(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)に内蔵されている。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、表示図柄乱数更新処理(ステップS17)および初期値決定用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。
なお、表示図柄乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示図柄乱数として、普通図柄の停止図柄を決定するための普通図柄決定用乱数などが用いられる。また、例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、および変動パターン判定用の乱数値MR4のうちソフトウェアによって更新する乱数がある場合には、その乱数も表示図柄乱数である。また、表示図柄乱数更新処理とは、表示図柄乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、初期値決定用乱数更新処理とは、初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値決定用乱数とは、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当り判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。また、例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、および変動パターン判定用の乱数値MR4のうちソフトウェアによって更新する乱数がある場合には、その乱数を発生するためのカウンタのカウント値の初期値を決定するための乱数も初期値決定用乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS25,S26でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示図柄乱数や初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、遊技制御処理について説明する。図45は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次いで、CPU56は、特別図柄表示器8や、普通図柄表示器10、状態表示灯などの各種表示器へのDG信号の出力やクリアを行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞を検出したことを報知する異常入賞報知処理を実行する(ステップS23)。具体的には、後述する特別図柄プロセス処理において大入賞口を開放する前である(具体的には、後述するステップS300〜S303の処理の段階である)にもかかわらず、カウントスイッチ23のオンを検出した場合に、大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(乱数更新処理:ステップS24)。また、CPU56は、初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値決定用乱数更新処理:ステップS25)。さらに、CPU56は、表示図柄乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示図柄乱数更新処理:ステップS26)。
乱数更新処理、初期値決定用乱数更新処理および表示図柄乱数更新処理を行うと、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS29)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数コマンド等の払出指令コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS34)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。なお、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。
さらに、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS37)。この場合、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)である場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯1の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。また、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯2の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。
この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことにもとづいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。なお、この実施の形態において、ステップS21〜S37の処理(ステップS30およびS32を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
その後、CPU56は、割込許可状態に設定し(ステップS38)、処理を終了する。
図46は、画像表示装置9の表示画面における「左」、「中」、「右」の各可変表示部において可変表示される複数種類の飾り図柄の一例を示す説明図である。この実施の形態では、画像表示装置9の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部において、「1」〜「9」の数字を示す図柄が、例えば四角形や円形、略菱形、星型六角形などといった所定の図形と組み合わされて可変表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。各可変表示部において表示される飾り図柄の配列には、演出状態(演出モード)が演出モード#1〜#3のいずれであるかにかかわらず同一の表示態様で表示される共通図柄と、演出モード#1〜#3に応じて異なる表示態様で表示される選択図柄が含まれている。
例えば、「1」〜「6」、「8」および「9」の数字を示す図柄は、演出モード#1〜#3のいずれであるかに関わらず、四角形の図形と組み合わせられる。「7」の数字を示す図柄は、演出モード#1であるときには円形の図形と組み合わせられ、演出モード#2であるときには略菱形の図形と組み合わせられ、演出モード#3であるときには星型六角形の図形と組み合わせられる。図柄番号が「1」〜「6」、「8」および「9」に対応した飾り図柄は共通図柄であり、図柄番号が「7」に対応した飾り図柄は選択図柄である。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であるときに演出モードは演出モード#1に制御され、遊技状態が時短状態であるときに演出モードは演出モード#2に制御され、遊技状態が確変状態であるときに演出モードは演出モード#3に制御される。しかし、そのような演出モードの分け方は一例であって、例えば、遊技者が遊技機に設けられている押下ボタン等の操作手段によって演出モードを選択可能であるようにしたり、時刻に応じて演出モードを切り替えるように構成したりしてもよい。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図47は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理において、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
なお、ステップS311では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、入力ポートから入力した入力データのうち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aに対応するビットがオン状態であるか否かを確認してもよい。また、例えば、スイッチ処理(ステップS21参照)において、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14aが2回連続してオン状態となったことにもとづいてフラグをセットするようにし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS311において、そのフラグがセットされているか否かを確認するようにしてもよい。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン種別判定用の乱数MR3および変動パターン判定用の乱数値MR4の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
なお、この実施の形態では、各乱数値を始動入賞発生時に抽出する場合を示すが、変動パターン種別判定用の乱数MR3や変動パターン判定用の乱数値MR4など変動パターンを決定するための乱数値については、特別図柄の変動開始時に(すなわち、変動パターン決定のタイミングで(ステップS331,S333参照))抽出するようにしてもよい。
特別図柄変動処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に移行するように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を閉状態にして大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308:特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に応じた値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態を終了するための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図48は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図49(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図49(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図49(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図49(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否かに応じて第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれか一方を優先して実行するので、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。すなわち、この実施の形態では、遊技状態が時短状態であれば第2保留記憶数が0でないことを条件として常に第2特別図柄の変動表示を実行し、遊技状態が時短状態でなければ第1保留記憶数が0でないことを条件として常に第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。
なお、始動入賞口13,14への入賞順に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、特別図柄の変動を開始するときに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の最初の領域にセットされているデータが「第1」であるか「第2」であるかを特定し、「第1」であることを示すデータがセットされている場合には、第1特別図柄の変動表示を実行する。また、「第2」であることを示すデータがセットされている場合には、第2特別図柄の変動表示を実行する。
また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否かに応じて第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示のいずれか一方を優先して実行する場合を示したが、確変状態または時短状態であるか否かにかかわらず、第2保留記憶数が0でないことを条件に、常に第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。また、逆に、確変状態または時短状態であるか否かにかかわらず、第1保留記憶数が0でないことを条件に、常に第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
図49(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図49(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。
次いで、CPU56は、第1始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合計保留記憶数を示す保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS218)。なお、保留記憶数通知コマンドを、第1始動口入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。
次いで、CPU56は、第2始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS228)。なお、保留記憶数通知コマンドを、第2始動口入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図50は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図50に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS213で第1保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS214の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、「第1」を示すデータをセットする処理を実行する。また、CPU56は、ステップS223で第2保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS224の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、「第2」を示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合計保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合計保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図50に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合計保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合計保留記憶数が3である場合には、図50に示すように、オフセット値+7(合計保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、ステップS214の処理を行う場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、ステップS224の処理を行う場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1用と、大当り種別判定用の乱数値MR2−1用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合計保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図50に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合計保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図50に示す例では、合計保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1用と、大当り種別判定用の乱数値MR2−1用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合計保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS215,S225の処理に代えて、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図51は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、合計保留記憶数の値を確認する(ステップS1501)。具体的には、合計保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。特別図柄通常処理では、CPU56は、まず、合計保留記憶数カウント値などにもとづき、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS1501)。
合計保留記憶数が「0」であれば、CPU56は、客待ちデモンストレーションの演出を行うためのデモ表示設定処理を実行する(ステップS1502)。具体的には、CPU56は、客待ちデモンストレーションの演出が実行されていることを示すデモ表示フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、そのまま特別図柄通常処理を終了する。セットされていなければ、CPU56は、デモ表示フラグをセットし、客待ちデモンストレーションの表示を指定するデモ表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
合計保留記憶数が「0」でなければ、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグ、または遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1503)。確変フラグおよび時短フラグのいずれもセットされていなければ、CPU56は、第1保留記憶数が「0」であるか否かを確認する(ステップS1504)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が「0」でなければ、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS1506)。第1保留記憶数が「0」であれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS1507)。すなわち、遊技状態が通常状態であり、第2始動入賞口14と比較して第1始動入賞口13の方が始動入賞しやすく第1保留記憶数の方が溜まりやすい状態であるから、第1保留記憶数が「0」でないことを条件に、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するように制御する。
確変フラグまたは時短フラグがセットされていれば、CPU56は、第2保留記憶数が「0」であるか否かを確認する(ステップS1505)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が「0」でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS1507)。第2保留記憶数が「0」であれば、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS1506)。すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であり、第1始動入賞口13と比較して第2始動入賞口14の方が始動入賞しやすく第2保留記憶数の方が溜まりやすい状態であるから、第2保留記憶数が「0」でないことを条件に、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように制御する。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS1508)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(具体的には、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2−1を示す数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(具体的には、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別判定用の乱数値MR2−1を示す数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1509)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。
次いで、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値を1減算し(ステップS1510)、減算後の合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS1511)。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特図表示結果判定テーブルをセットする(ステップS1512)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、図10(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aを選択してセットする。この場合、例えば、ステップS1512の処理では、RAM55の所定領域に設けられた判定テーブルポインタなどに、ROM54における第1特図表示結果判定テーブル130Aの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、図10(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bを選択してセットする。この場合、例えば、ステップS1512の処理では、RAM55の所定領域に設けられた判定テーブルポインタなどに、ROM54における第2特図表示結果判定テーブル130Bの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。
次いで、CPU56は、ステップS1512でセットした第1特図表示結果判定テーブル130Aまたは第2特図表示結果判定テーブル130Bを参照することにより、ステップS1508にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS1513)。なお、この場合、CPU56は、確変フラグがオン状態であるか否かを確認し、確変フラグがオン状態であれば、図10に示す確変フラグオンに対応する大当り判定値データと合致するか否かを判定する。また、確変フラグがオフ状態であれば、図10に示す確変フラグオフに対応する大当り判定値データと合致するか否かを判定する。そのようにすることによって、遊技状態が確変状態である場合には、通常状態や時短状態である場合と比較して高い割合で大当りとすることに決定する。
乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には(ステップS1513のY)、CPU56は、大当りと決定したことを示す大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS1514)。次いで、CPU56は、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図11に示す大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS1515)。そして、CPU56は、ステップS1508で読み出した大当り種別判定用の乱数値MR2−1を示す数値データにもとづき、ステップS1515にてセットした大当り種別判定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「第1確変」、「第2確変」、「第3確変」、「突確」という複数種類のいずれかに決定する(ステップS1516)。なお、この場合、CPU56は、特別図柄ポインタの値が「1」である場合には、図11に示す特別図柄ポインタ「1」に対応する大当り種別バッファ値にもとづいて、大当りの種別を決定する。また、特別図柄ポインタの値が「2」である場合には、図11に示す特別図柄ポインタ「2」に対応する大当り種別バッファ値にもとづいて、大当りの種別を決定する。
なお、ステップS1507の処理を実行し特別図柄ポインタ値を「2」に設定した場合には、図11に示すように、大当り種別判定テーブル131にて「突確」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2−1が割り当てられていないことから、大当り種別が「突確」に決定されることはない。
そして、CPU56は、ステップS1517にて決定した大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値を、「00」〜「04」のいずれかに設定する(ステップS1517)。
乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致しない場合には(ステップS1513のN)、ステップS1508にて読み出した特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが、小当り判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS1518)。なお、この場合、CPU56は、確変フラグがオン状態であるか否かを確認し、確変フラグがオン状態であれば、図10に示す確変フラグオンに対応する小当り判定値データと合致するか否かを判定する。また、確変フラグがオフ状態であれば、図10に示す確変フラグオフに対応する小当り判定値データと合致するか否かを判定する。
なお、ステップS1507の処理を実行し特別図柄ポインタ値を「2」に設定した場合には、図10に示すように、第2特図表示結果判定テーブル130Bにて小当り判定値データが割り当てられてないことから、小当りと決定されることはない。従って、この実施の形態では、ステップS1507の処理を実行し特別図柄ポインタ値を「2」に設定した場合のみ(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ)、小当りと決定される場合がある。
特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致すれば(ステップS1518のY)、CPU56は、小当りと決定したことを示す小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS1519)。そして、ステップS1520に移行する。特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データとも合致しなければ(ステップS1518のN)、ステップS1521に移行する。
次いで、CPU56は、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS1520)。この場合、CPU56は、例えば、図52に示すように、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。また、CPU56は、大当り種別が「突確」である場合や、小当り種別が「小当り」である場合には、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。なお、CPU56は、大入賞口開放回数最大値の設定を、大当り遊技の開始前(例えば、特別図柄停止処理や大入賞口開放前処理)に行うようにしてもよい。
次いで、CPU56は、可変表示結果の判定や大当り種別の決定を行った結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS1521)。一例として、ステップS1518で乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データとも合致しなかった場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS1518で乱数値MR1を示す数値データが小当り判定値データと合致した場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の判定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、ステップS1513で乱数値MR1を示す数値データが大当り判定値データと合致した場合には、ステップS1516における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」〜「第3確変」のいずれかとする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS1522)。
図53は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS321)。大当りフラグがオンであれば(ステップS321のY)、CPU56は、遊技状態が通常状態、確変状態または時短状態のいずれであるかにもとづき(具体的には、確変フラグがセットされているか、時短フラグがセットされているかにもとづき)、図13(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12および図13に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Iのいずれかを選択してセットする(ステップS322)。そして、ステップS331に移行する。
大当りフラグがオフである場合には(ステップS321のN)、CPU56は、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS323)。小当りフラグがオンであれば(ステップS323のY)、CPU56は、遊技状態が通常状態、確変状態または時短状態のいずれであるかにもとづき(具体的には、確変フラグがセットされているか、時短フラグがセットされているかにもとづき)、図14(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図14に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択してセットする(ステップS324)。そして、ステップS331に移行する。
小当りフラグがオフである場合には(ステップS323のN)、すなわち、はずれである場合には、遊技状態が通常状態、確変状態または時短状態のいずれであるかにもとづき(具体的には、確変フラグがセットされているか、時短フラグがセットされているかにもとづき)、図15(D)に示すテーブル選択設定に従い、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するための使用テーブルとして、図15に示すリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択してセットする(ステップS325)。
次いで、CPU56は、例えば、合計保留記憶数カウンタのカウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS326)。次いで、CPU56は、特定した合計保留記憶数およびリーチ判定用の乱数値MR2−2にもとづき、ステップS325でセットしたリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を判定する(ステップS327)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されているリーチ判定用の乱数値MR2−2を読み出して、読み出したリーチ判定用の乱数値MR2−2にもとづいてリーチ状態の有無を判定する。
リーチ状態ありとする旨の判定結果が得られた場合には(ステップS328のY)、CPU56は、ステップS328でリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1またはリーチHC2−1のいずれのリーチ状態ありの判定結果(図15参照)としたかに応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図17に示すリーチ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択してセットする(ステップS329)。リーチ状態なしとする旨の判定結果が得られた場合には(ステップS328のN)、CPU56は、ステップS328で非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1または非リーチHC1−2のいずれのリーチ状態なしの判定結果(図15参照)としたかに応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図18に示す非リーチ用変動パターン種別判定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択してセットする(ステップS330)。そして、ステップS331に移行する。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづき、ステップS322,S324,S329,S330のいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS331)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている変動パターン種別判定用の乱数値MR3を読み出して、読み出した変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて変動パターン種別を決定する。
ステップS331の処理では、第1始動条件が成立したことにもとづき第1特別図柄表示器8aにより第1特別図柄の可変表示に対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことにもとづき第2特別図柄表示器8bにより第2特別図柄の可変表示に対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別判定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS331の処理では、ステップS327におけるリーチ状態の有無の判定結果に関わりなく、変動パターン種別判定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS331の処理では、判定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された判定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
次いで、CPU56は、変動パターン種別の決定結果にもとづき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A〜137C(図19,図20参照)やハズレ変動パターン判定テーブル138A、138B(図21,図22)といった複数種類の変動パターン判定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS332)。次いで、CPU56は、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづき、ステップS332でセットした変動パターン判定テーブルを参照することにより、ステップS331で決定した変動パターン種別に含まれる複数種類の変動パターンのうちのいずれかを決定する(ステップS333)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている変動パターン判定用の乱数値MR4を読み出して、読み出した変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて変動パターンを決定する。
ステップS333の処理では、第1始動条件が成立したことにもとづき第1特別図柄表示器8aにより第1特別図柄の可変表示に対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことにもとづき第2特別図柄表示器8bにより第2特別図柄の可変表示に対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、ステップS331で決定した変動パターン種別に含まれる複数種類の変動パターンのうちのいずれかを決定する。また、ステップS333の処理では、ステップS327におけるリーチ状態の有無の判定結果に関わりなく、変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS333の処理では、判定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された判定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始する(ステップS334)。また、CPU56は、ステップS333の変動パターンの判定結果に応じて、特図変動時間を変動時間タイマに設定する(ステップS335)。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS336)。例えば、特別図柄ポインタ値が1である場合、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果コマンドを順次に送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタ値が2である場合、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果コマンドを順次に送信する制御を行なう。なお、ステップS336において、CPU56は、はずれである場合には、時短フラグがセットされているか否かを確認する。時短フラグがセットされていれば、図6(B)に示す表示結果コマンドのうち、第1表示結果コマンドを送信するように制御する。また、時短フラグがセットされていなければ、図6(B)に示す表示結果コマンドのうち、第2表示結果コマンドを送信するように制御する。なお、コマンドの送信は、具体的には、ステップS336における設定に従って、CPU56によって演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)が実行されることによってなされる。
また、この実施の形態では、CPU56がステップS336の処理を行い、ステップS336の設定に従って演出図柄コマンド制御処理(ステップS29参照)を実行することによって、少なくとも特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行させるか否かと可変表示パターン(変動パターン)とを特定可能なコマンドを送信するコマンド送信手段が実現される。なお、コマンド送信手段は、この実施の形態に示すように、変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドと表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを別々のコマンドとして送信するようにしてもよいし、1つのコマンド(例えば、変動パターンと表示結果との両方を特定可能な変動パターンコマンド)のみを送信するようにしてもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS337)。
なお、この実施の形態では、ステップS327において、合計保留記憶数にもとづいて、図15に示すリーチ判定テーブル134A〜134Cのいずれかを用いて判定処理を行うことによって、図16に示すように、遊技状態が通常状態である場合には、合計保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減するように、リーチ状態の有無が決定される。
また、この実施の形態では、ステップS327で合計保留記憶数にもとづいてリーチ状態の有無が判定された判定結果に従ってステップS330でセットされた非リーチ用変動パターン種別判定テーブルを用いて、ステップS331で変動パターン種別が決定され、さらにステップS333で最終的に変動パターンが決定されることによって、はずれであってリーチ演出を実行しない場合に、合計保留記憶数が多いときには短縮変動用の変動パターンが決定される。具体的には、遊技状態が通常状態であって合計保留記憶数が3個または4個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPA1−2に決定され、合計保留記憶数が5〜8個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPA1−3に決定される。また、遊技状態が確変状態であって合計保留記憶数が2〜8個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPB1−2に決定される。また、遊技状態が時短状態であって合計保留記憶数が2〜8個である場合には、短縮用の変動パターンである非リーチPC1−2に決定される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への遊技球の入賞時に、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、および変動パターン判定用の乱数値MR4の全てを抽出して第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納するようにする場合を示したが、変動パターン種別判定用の乱数値MR3および変動パターン判定用の乱数値MR4を、始動入賞時ではなく第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
例えば、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時に乱数値MR3,MR4を抽出するようにする場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理において、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのオンを検出したときに(ステップS211,S221参照)、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、およびリーチ判定用の乱数値MR2−2のみを抽出して第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する(ステップS215,S225参照)。また、CPU56は、変動パターン設定処理のステップS331において、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、変動パターン設定処理のステップS333において、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動パターン判定用の乱数値MR4を抽出し、抽出した変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて変動パターンを決定する。
例えば、変動パターン種別判定用の乱数値MR3および変動パターン判定用の乱数値MR4を含む全ての乱数値を、始動入賞時に抽出して第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納するようにすると、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに偶然同時に遊技球が入賞したような場合には、第1保留記憶バッファの保存領域と第2保留記憶バッファの保存領域とに同じ乱数値が格納されてしまう可能性がある。そうすると、その後に実行される第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで、ともに同じ変動パターンに従って変動表示が実行される事態が生じてしまう。これに対して、上記に示したように、変動パターン種別判定用の乱数値MR3および変動パターン判定用の乱数値MR4を変動開始時に抽出するようにすれば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに偶然同時に遊技球が入賞したような場合であっても、その後に実行される第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで変動パターンを異ならせることができる。
また、この実施の形態では、特図表示結果判定用の乱数値MR1や、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を、乱数回路503やランダムカウンタを用いて随時更新するように構成する場合を示したが、例えば、リフレッシュレジスタを用いて乱数値がランダムに更新されるようにしてもよい。そのようにすれば、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に用いる変動パターンをよりランダムに決定するようにすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図54は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、まず、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、そのまま特別図柄変動処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS353)。
図55は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS1301)。また、CPU56は、可変表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンド(8F00(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1302)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1303)。
大当りフラグがセットされていれば(ステップS1303のY)、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1304)。そして、CPU56は、当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1305)。
次いで、CPU56は、大当りフラグをリセットする(ステップS1306)とともに、セットされていれば、確変フラグや時短フラグ、時短回数カウンタをリセットする(ステップS1307)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS1308)。
ステップS1303で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1309)。セットされていなければ、そのままステップS1313に移行する。セットされていれば、CPU56は、時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS1310)とともに、時短回数カウンタの減算後の値が0であるか否かを確認する(ステップS1311)。なお、時短回数カウンタとは、時短状態に移行してからの特別図柄および飾り図柄の変動表示の実行回数をカウントするためのカウンタである。
時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、そのままステップS1313に移行する。時短回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS1312)。すなわち、大当り終了後に時短状態に移行した後に、特別図柄および飾り図柄の変動表示を所定回数(例えば100回)終了した場合であるので、時短フラグをリセットし、通常状態に移行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1313)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS1313のY)、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、小当り図柄を停止表示した後に小当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(小当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1314)。そして、CPU56は、当り開始指定コマンド(ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1315)。
次いで、CPU56は、小当りフラグをリセットする(ステップS1316)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する(ステップS1317)。
ステップS1313で小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS1318)。
図56は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS461)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS462)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS462のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0であれば(ステップS462のY)、CPU56は、ステップS1516で決定した大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS463)。次いで、CPU56は、読み出した大当り種別バッファ値が「通常」の大当り種別に対応した「00」であるか否かを判定する(ステップS464)。この場合、CPU56は、大当り種別バッファ値が「00」であれば(ステップS464のY)、時短状態への制御を開始するために、時短フラグをセットする(ステップS465)とともに、時短回数カウンタに所定値(例えば「100」)をセットする(ステップS466)。そして、ステップS470に移行する。
ステップS464で大当り種別バッファ値が「00」以外である場合には(ステップS313のN)、確変状態への制御を開始するために、確変フラグをセットする(ステップS467)とともに、時短フラグをセットする(ステップS468)。また、時短回数カウンタに所定値(例えば「100」)をセットする(ステップS469)。そして、ステップS470に移行する。なお、ステップS469で時短回数カウンタに所定値をセットせずに、次の大当りが発生するまで時短状態を継続するようにしてもよい。
そして、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS470)。
図57は、客待ちデモンストレーション演出の一例を示す説明図である。図57において、(1)〜(n)は、それぞれ、動画像演出を構成する各コマの画像を示す。また、図57(1)〜図57(n)における矩形は、画像表示装置9の表示画面を示す。図57に示す例では、最後に停止表示された飾り図柄がそのまま可変表示部において静止表示されているが、表示画面における可変表示部以外の領域において動画表示がなされている。
図58は、フレームバッファ85の使用方法の一例を示す説明図である。図58に示すように、フレームバッファ85には、画像表示装置9の画面に相当する2つの領域(領域0,1)が確保されている。領域0,1を仮想領域またはフレームメモリと呼ぶ。フレームメモリにおける領域0,1には、適宜(例えば、画像データが必要になったとき。)、キャラクタ画像などの部品画像が、CGROM83から、VRAM84を介して画像データが展開される。また、VRAM84の領域に画像データが存在する場合には、その領域から領域0,1に画像データが展開される。そして、領域0に部品画像が展開されているときには領域1の画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力され、領域1に部品画像が展開されているときには領域0の画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力される。領域0に部品画像が展開されているときには領域0が描画領域であり、領域1に部品画像が展開されているときには領域1が描画領域である。また、領域0から画像データが読み出され、その画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力されているときには領域0が表示領域であり、領域1から画像データが読み出され、その画像データにもとづく画像信号が画像表示装置9に出力されているときには領域1が表示領域である。このように、領域0,1は、ダブルバッファとして用いられる。
図59は、VRAM84の使用方法の一例を示す説明図である。VRAM84には、部品画像のバッファ領域(CGROMからの転送先領域)が確保されている。CGROMからの転送先領域には、その時点で使用される可能性が高い、すなわちフレームメモリの描画領域に描画される可能性が高い部品画像(具体的には部品画像のソースデータ)が格納される。また、CGROMからフレームメモリに展開される画像データの一時記憶領域としても使用される。
なお、この実施の形態では、フレームバッファ85およびVRAM84が描画プロセッサ109の外部に設けられているが、フレームバッファ85およびVRAM84を内蔵する描画プロセッサ109を用いてもよい。
図60は、フレームメモリのアドレスマップの一例を示す説明図である。なお、図60には、領域0が例示されている。フレームメモリにおいて、画像表示装置9の表示画面の左上に対応する部分が最も小さいアドレスに割り当てられ、表示画面においてその右に対応する部分に次のアドレスが割り当てられ、表示画面においてその行の最右に対応する部分のアドレスの次のアドレスは、次の行の最左に対応する部分に割り当てられている。以下、同様に、ある行の最右に対応する部分のアドレスの次のアドレスは、次の行の最左に対応する部分に割り当てられている。なお、図60に示されているアドレスの値は、一例である。
図61は、CGROM83からフレームメモリへの画像データの展開の仕方を説明するための説明図である。図61(A)に示すように、画像データは、VRAM84の固定領域からフレームメモリに転送されることがある。固定領域とは、定常的に部品画像の画像データが記憶される領域である。例えば、固定領域には、飾り図柄の画像データが記憶される。固定領域からフレームメモリへの画像データの転送は、描画プロセッサ109によって実行されるのであるが、描画プロセッサ109は、固定領域から1ワードずつ画像データを読み出して読み出した画像データをフレームメモリに書き込むのではなく、DMA(Direct Memory Access)転送によって画像データを転送する。すなわち、描画プロセッサ109は、DMA転送機能を有する内蔵DMA回路(データ転送回路94)を備えている。DMA転送は、読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行うような転送方式である。
なお、この実施の形態では、DMA転送を用いる場合を例にするが、描画プロセッサ109は、固定領域から1ワードずつ画像データを読み出して読み出した画像データをフレームメモリに書き込むようにしてもよい。その場合、読み出した画像データは、例えば描画プロセッサ109のレジスタに一旦ストアされ、レジスタからフレームメモリに書き込まれる。
また、図61(B)に示すように、CGROM83から画像データが読み出され、読み出された画像データがVRAM84における一時記憶領域に記憶され、一時記憶領域からフレームメモリに転送されることがある。そのような画像データの転送も描画プロセッサ109によって実行されるのであるが、描画プロセッサ109は、CGROM83から読み出して一時記憶領域に記憶した画像データを、DMA転送によってフレームメモリに書き込む。
上記のように、固定領域には、定常的に部品画像の画像データが記憶されるのであるが、図61(C)に示すように、固定領域に記憶される画像データを事前転送データという。よって、一時記憶領域には、事前転送データ以外の部品画像の画像データが一時的に記憶される。
図62は、描画プロセッサ109における描画制御部91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスを示す説明図である。なお、図62では、CGバスI/F93(図4参照)は記載省略されている。図62に示すように、データバスは、物理的には64ビット存在するが、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。
この実施の形態では、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定され、静止画像(スプライト画像)データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定される。よって、スプライト画像の画像データは、64ビット単位でCGROM83から読み出され、動画像データは、32ビット単位でCGROM83から読み出される。なお、図62では作図の都合上ROM83CにがROM83Aからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83Aとの間のデータバスが分岐してROM83Cに配線されている。
図63は、描画制御レジスタ95における各レジスタの一例を説明するための説明図である。図63に示す例では、画像データを読み出す際のCGROM83の先頭アドレスを指定するためのCGROM先頭アドレスレジスタ、VRAM84の一時記憶領域に画像データを記憶する際の、またはVRAM84の一時記憶領域から画像データを読み出す際の先頭アドレスを指定するためのVRAM先頭アドレスレジスタ、VRAM84に画像データを転送する際の転送データのサイズを指定するためのVRAM転送データサイズレジスタ、CGROM83からVRAM84の固定領域へのデータ転送を指令するVRAM固定領域転送実行指示レジスタ、CGROM83からVRAM84の一時記憶領域を経由してVRAM84の固定領域へのデータ転送を指令するVRAM自動転送実行指示レジスタがある。
さらに、フレームメモリに画像データを展開する際の先頭アドレスを指定するためのフレームメモリ先頭アドレスレジスタ、転送データのサイズを指定するためのフレームメモリ転送データサイズレジスタ、CGROM83からVRAM84の一時記憶領域を経由してフレームメモリへのデータ転送を指令するフレームメモリ転送実行指示レジスタがある。
さらに、VRAM84の固定領域の先頭アドレスを指定する固定領域先頭アドレスレジスタ、VRAM84の固定領域の最終アドレスを指定する固定領域最終アドレスレジスタ、VRAM84の固定領域の任意のアドレスを指定するための固定領域内任意先頭アドレスレジスタ、VRAM84の固定領域からフレームメモリへのデータ転送を指令する固定領域データ転送実行指示レジスタがある。
また、データバスのモードを32ビットモードにするのか64ビットモードにするのかを指令するデータバスモードレジスタ、CGROM83内の動画像データを読み出して一時記憶領域に一時記憶し、それらの動画像データを復号してフレームメモリへのデータ転送を指令する復号実行指示レジスタ、現在の表示領域を示す表示領域レジスタがある。
なお、VRAM固定領域転送実行指示レジスタ、VRAM自動転送実行指示レジスタ、フレームメモリ転送実行指示レジスタ、固定領域データ転送実行指示レジスタ、復号実行指示レジスタに設定される値は、それぞれ1ビットでよいので、それらのレジスタに設定される値は、例えば、各々のレジスタにおける所定のビットに設定される。
また、図63に示すような描画制御レジスタ95の構成は一例であって、描画制御レジスタ95を構成するレジスタは、図63に示す構成とは異なるように構成されていてもよい。例えば、先頭アドレスを指定するためのレジスタの分類の仕方を、図63に示す例とは異なるようにしてもよい。
図64は、描画プロセッサ109における描画制御部91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスの実際の配線図を示すブロック図である。図64に示すように、実際には、描画制御部91からの64ビットのデータバスのうち、下位32ビットが分岐して、それぞれROM83AとROM83Cとに配線されている。
図65は、CGROM83に記憶されている飾り図柄の画像データを説明するための説明図である。図65(A)に示すように、「7」の飾り図柄および図形の画像データは、CGROM83における選択画像データ領域に記憶されている。円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#1で使用される。また、略菱形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#2で使用される。そして、星型六角形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#3で使用される。なお、選択画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄が選択識別情報である。
また、それ以外の飾り図柄の画像データは、図65(B)に示すように、CGROM83における共通画像データ領域に記憶されている。共通画像データ領域に記憶されている各画像データは、所定の時期に、CGROM83からVRAM84の固定領域に転送される。選択画像データ領域に記憶されている各画像データは、演出モードの切替が行われるときに、CGROM83からVRAM84の固定領域に転送される。なお、共通画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄が共通識別情報である。また、各画像データは、CGROM83からVRAM84の固定領域に直接転送されるのではなく、一時記憶領域を介してVRAM84の固定領域に転送されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、共通画像データ領域に記憶されている飾り図柄の画像データを、事前転送データとしてVRAM84の固定領域に事前転送する場合を例示するが、VRAM84の固定領域に事前転送される画像データは、飾り図柄の画像データに限定されない。例えば、背景図柄を構成する動画像の画像データ(動画像データ)であってもよい。なお、この場合、描画プロセッサ109は、CGバスにおけるデータバスのバス幅を64ビットから下位32ビットのバス幅に切り替えて、動画像データをVRAM84の固定領域に転送する。
図66は、CGROM83に記憶される部品画像の画像データのうち動画像データのデータ構成を示す説明図である。動画像データは、最初のアドレスにファイルヘッダが設定され、続いて、各フレームのフレームヘッダと圧縮データとが順次設定された構成である。ストリームには、フレーム1〜N(フレーム画像1〜n)のフレームヘッダと圧縮データとが画像1から順に設定される。なお、動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)符号化方式によって符号化されている。符号化によって、符号化前の画像データのデータ量は減少しているので、符号化されている画像データを圧縮データという。
なお、図66には、2つの動画像データ(スーパーリーチの動画像データと客待ちデモンストレーションの動画像データ)が例示されているが、CGROM83に、さらに多くの動画像データを記憶してもよい。
また、圧縮データは、CGROM83において、32ビットを1ワードとするROMに格納される。そして、描画プロセッサ109がCGROM83から圧縮データを読み出すときに、CGバスのバス幅が32ビットに設定される。従って、描画プロセッサ109は、CGROM83から32ビット単位で圧縮データを読み出す。
次に、図67の説明図を参照して動画伸張部89によるデータ圧縮された動画像データ(圧縮データ)の復号の仕方について説明する。図67(A)に示すフレーム番号は、図66に示す動画像データにおけるフレームの通し番号である(フレーム1〜N)。そして、動画像データにおいてフレーム1〜Nの圧縮データは、図67(B)に示すような順で、MPEG2符号化方式で規定されているIピクチャ、BピクチャまたはPピクチャで構成されている。例えば、フレーム1はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6はBピクチャであり、フレーム4,7はPピクチャである。I,B,Pに付されている添え字は、それぞれのピクチャタイプでの通し番号である。
上述したように、動画像データとしてフレーム1〜N(フレーム画像1〜n)がフレーム1(画像1)から順に格納されている(図66参照)。例えば、ストリームにおけるフレーム1(画像1)はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6(画像2,3,5,6)はBピクチャであり、フレーム4,7(画像4,7)はPピクチャである。
なお、Iピクチャ(画像1)を復号する場合、動画伸張部89は、そのIピクチャのみを用いて復号処理を行う。また、Bピクチャを復号する場合、動画伸張部89は、そのBピクチャとともに、1枚または複数枚前のIピクチャまたはPピクチャと、1枚または複数枚後のIピクチャまたはPピクチャとを参照して、復号処理を行う。図67に示す例では、例えば、画像2を復号する場合、1つ前のIピクチャである画像1と、2つ後のPピクチャである画像4とを参照して、復号処理を行う。また、Pピクチャを復号する場合、動画伸張部89は、そのPピクチャとともに、1つまたは複数枚前のIピクチャまたはPピクチャを参照して、復号処理を行う。図67に示す例では、例えば、画像4を復号する場合、23つ前のIピクチャである画像1を参照して、復号処理を行う。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図68は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、33ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。次に、初期データ転送処理を行う(ステップS702)。初期データ転送処理は、VRAM84に固定領域を設定するとともに、VRAM84の固定領域に、CGROM83の共通画像データ領域に記憶されている画像データ(図65(B)参照)を転送するための処理である。なお、この場合、描画プロセッサ109は、CGバスにおけるデータバスのバス幅を64ビットに設定して、共同動画像データをVRAM84の固定領域に転送する。
次いで、演出モード#1データ転送制御処理を行う(ステップS703)。演出モード#1データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図65(A)の上段参照)をVRAM84に転送するための処理である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技状態復旧処理を実行する場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS702,S703の処理を実行するので、円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データがVRAM84に転送されるのであるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技状態復旧処理を実行したときに停電復旧指定コマンドと復旧した遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、表示結果特定コマンド)とを送信するように構成されている場合には、復旧した遊技状態を示す演出制御コマンドを受信したときに、ステップS702の処理を実行するとともに、受信した表示結果特定コマンドに応じて、演出モード#1データ転送制御処理、演出モード#3データ転送制御処理または演出モード#3データ転送制御処理を実行して、遊技状態に合った図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データがVRAM84に転送されるように制御することが好ましい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始され、演出制御用マイクロコンピュータ100が立ち上がったとき(動作可能状態になったとき)に、使用頻度が高い背景図柄を構成する動画像(例えば、動画像による客待ちデモンストレーション画面)の画像データを、CGROM83からVRAM84の固定領域に事前転送するように描画プロセッサ109に指令を与えるようにしてもよい。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数(図23参照)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行し(ステップS704)、タイマ割込フラグの監視(ステップS705)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS706)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS707)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS708)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置9の表示制御を実行する。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から客待ちデモ指定コマンドを受信したら画像表示装置9およびランプやスピーカ27などの演出用部品(演出装置)での客待ちデモンストレーション演出を開始する客待ちデモ制御処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS704に移行する。
図69は、図68に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS708)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれを受信したかを確認する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる第1変動開始コマンド受信フラグや、第2変動開始コマンド受信フラグ、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかと変動パターンコマンドとを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動開始コマンド受信S待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、画像表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、画像表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):画像表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図70は、図69に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域から表示結果コマンド、または表示結果コマンドを示すデータを読み出す(ステップS820)。そして、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS821)。可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS821のY)、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンド、または変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS822)。そして、演出制御用CPU101は、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS823)。
非リーチ変動パターンであると判定した場合には(ステップS502;Yes)、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであるか否かを判定する(ステップS824)。一例として、ステップS823で非リーチ変動パターンであると判定された場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが非リーチPA1−7の変動パターンであれば(図8を参照)、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定する。
「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定した場合には(ステップS824のY)、演出制御用CPU101は、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS825)。一例として、ステップS825の処理では、演出制御用CPU101は、図24(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160Dを、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル160Dを参照することにより、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ1−4、FZ1−5、FZ1−6の組合せを、確定飾り図柄として決定する。
「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンではないと判定した場合には(ステップS824のN)、演出制御用CPU101は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する非リーチ図柄決定処理を実行する(ステップS826)。
図71は、非リーチ図柄決定処理の例を示すフローチャートである。非リーチ図柄決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、図24(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS2601)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する(ステップS2602)。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄を決定する(ステップS2603)。次に、演出制御用CPU101は、図24(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS2604)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を示す数値データを抽出する(ステップS2605)。そして、抽出した乱数値SR1−2を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することにより、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄を決定する(ステップS2606)。
次いで、演出制御用CPU101は、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せにもとづき、図25に示すような左右出目判定テーブル161を参照することにより、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれとなるかを判定する。そして、演出制御用CPU101は、判定した左右出目タイプに従って、図24(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS2607)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を抽出する(ステップS2608)。そして、抽出した乱数値SR1−3と、左右出目タイプDC1−1とにもとづき、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することにより、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄を決定する(ステップS2609)。
以上のように、ステップS826の非リーチ図柄決定処理では、最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cや、左右出目判定テーブル161を参照して、左中右最終停止図柄FZ1−1〜FZ1−3となる飾り図柄を決定することで、確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せとなることがなく、また、リーチ組合せや大当り組合せ以外であっても、図5(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8や、図5(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8、図5(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4、さらには、図26に示すような一定の非リーチ組合せとなることもない。
非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS823のN)、演出制御用CPU101は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定するリーチ図柄決定処理を実行する(ステップS827)。
図72は、リーチ図柄決定処理の例を示すフローチャートである。リーチ図柄決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、図27(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS2701)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する(ステップS2702)。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の飾り図柄を決定する(ステップS2703)。次に、演出制御用CPU101は、図27(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS2704)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を示す数値データを抽出する(ステップS2705)。そして、抽出した乱数値SR1−3を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することにより、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄との図柄差を決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄を決定する(ステップS2706)。
以上のように、ステップS827のリーチ図柄決定処理では、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア以外の「左」および「右」の飾り図柄表示エリアに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄が決定される。その後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の飾り図柄表示エリアにおける中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄が決定される。
可変表示結果が「ハズレ」以外である場合には(ステップS821のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「小当り」であること、もしくは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」であることのうち、いずれか一方であるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS828)。可変表示結果が「小当り」である場合、もしくは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」である場合には(ステップS828のY)、演出制御用CPU101は、ステップS822で読み出した変動パターンが特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS829)。
図9に示すように、特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンはいずれも、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とすることを指定している。そのため、演出制御用CPU101は、特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであると判定した場合には(ステップS829のY)、ステップS824の処理に進み、ステップS825、S826の処理のいずれかにより、最終停止図柄となる確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS829で特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであると判定した場合には、ステップS824の処理にて、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが特殊PG1−4の変動パターンであれば(図9を参照)、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定することになる。
特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターン以外であると判定した場合には(ステップS829のN)、演出制御用CPU101は、指定された変動パターンが特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンのいずれかであるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS830)。
図9に示すように、特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンはいずれも、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に「ノーマル」のリーチ演出を行うことを指定している。そのため、演出制御用CPU101は、特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンのいずれかであると判定した場合には(ステップS830のY)、ステップS827の処理に進み、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄を決定する。
特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターン以外であると判定した場合には(ステップS830のN)、演出制御用CPU101は、指定された変動パターンが特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンのいずれかとなる。
図9に示すように、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンはいずれも、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとすることを指定している。演出制御用CPU101は、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンのいずれかが指定されたことに対応して、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS831)。一例として、ステップS831の処理では、図28(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163Cを、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル163Cを参照することにより、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3の組合せを、確定飾り図柄として決定する。そして、ステップS835に移行する。
可変表示結果が「小当り」ではなく、大当り種別が「突確」でもない場合には(ステップS828のN)、演出制御用CPU101は、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「通常大当り」と「第3確変」のうち、いずれか一方であるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS832)。大当り種別が「通常大当り」である場合、もしくは、大当り種別が「第3確変」である場合には(ステップS832のY)、演出制御用CPU101は、通常大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS833)。一例として、ステップS833の処理では、演出制御用CPU101は、図28(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aを、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル163Aを参照することにより、通常大当り組合せのいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを、確定飾り図柄として決定する。そして、ステップS835に移行する。
大当り種別が「通常」でも「第3確変」でもない場合には(ステップS832のN)、演出制御用CPU101は、大当り種別が「第1確変」と「第2確変」のいずれかであることに対応して、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS834)。一例として、ステップS834の処理では、演出制御用CPU101は、図28(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bを、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データにもとづき、最終停止図柄決定テーブル163Bを参照することにより、確変大当り組合せのいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを、確定飾り図柄として決定する。そして、ステップS835に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出設定処理を実行する(ステップS835)。図73は、ステップS835で実行される特定演出設定処理の一例を示すフローチャートである。特定演出設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが特定演出を含む変動パターンであるか否かを判定する(ステップS3501)。特定演出を含まない変動パターンであれば(ステップS3501のN)、そのまま特定演出設定処理を終了する。
特定演出を含む変動パターンと判定した場合には(ステップS3501のY)、その特定演出が「滑り」、「擬似連」、「イントロ」のいずれかであるか、または、それら以外の特定演出であるかを判定する(ステップS3502)。「滑り」、「擬似連」、「イントロ」の特定演出のいずれかであれば、演出制御用CPU101は、その特定演出に応じた特定演出パターン判定テーブルを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS3503)。一例として、「滑り」の特定演出である場合には図29(A)に示す特定演出パターン判定テーブル164Aをセットし、「擬似連」の特定演出である場合には図29(B)に示す特定演出パターン判定テーブル164Bをセットし、「イントロ」の特定演出である場合には図29(C)に示す特定演出パターン判定テーブル164Cをセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS3504)。一例として、「滑り」の特定演出である場合には、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1特定演出パターン判定用の乱数値SR6−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR6−1を示す数値データにもとづき、ステップS3503でセットした特定演出パターン判定テーブル164Aを参照することにより、特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定する。「擬似連」の特定演出である場合には、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2特定演出パターン判定用の乱数値SR6−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR6−2を示す数値データにもとづき、ステップS3503でセットした特定演出パターン判定テーブル164Bを参照することにより、特定演出パターンを擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3のいずれかに決定する。「イントロ」の特定演出である場合には、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3特定演出パターン判定用の乱数値SR6−3を示す数値データを抽出する。この場合、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、演出制御バッファ設定部194に記憶されている前回演出バッファ値を読み出す。そして、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、抽出した乱数値SR6−3を示す数値データと前回演出バッファ値にもとづき、変動パターンが非リーチPA1−6以外である場合には、抽出した乱数値SR6−3を示す数値データにもとづき、特定演出パターン判定テーブル164Cを参照することにより、特定演出パターンをイントロTP3−1〜イントロTP3−3のいずれかに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、特定演出が「イントロ」であるか否かを判定し(ステップS3505)、「イントロ」の特定演出である場合には(ステップS3505のY)、ステップS3504で決定したイントロTP3−1〜イントロTP3−3の特定演出パターンに応じて、特定演出パターン判定テーブル164Cにおける前回演出バッファ更新設定値によって、前回演出バッファ値を更新する(ステップS3506)。例えば、ステップS3504でイントロTP3−1の特定演出パターンに決定した場合には、前回演出バッファ値を1に更新する。また、ステップS3504でイントロTP3−2の特定演出パターンに決定した場合には、前回演出バッファ値を2に更新する。また、ステップS3504でイントロTP3−3の特定演出パターンに決定した場合には、前回演出バッファ値を3に更新する。
以上のように、ステップS3506の処理を実行することにより、「イントロ」の特定演出を実行する変動パターンに対応して、演出動作の種類ごとに用意されたイントロTP3−1〜イントロTP3−3の特定演出パターンのいずれかに決定するごとに、その決定されたイントロTP3−1〜イントロTP3−3の特定演出パターンに対応する前回演出バッファ値が設定されるように更新することができる。すなわち、「イントロ」の特定演出における演出動作を複数種類のいずれかに決定するごとに、その決定された演出動作の種類を、前回演出バッファ値として更新可能に記憶することができる。そして、ステップS3504の処理では、非リーチPA1−6の変動パターンである場合に、前回演出バッファ値を読み出して図29(C)に示すような特定演出パターン判定テーブル164Cを用いた判定を行うことで、前回演出バッファ値として記憶されている演出動作の種類と同一種類の演出動作は実行しないように、特定演出パターンの決定を行うことができる。
ステップS3502で特定演出が「滑り」、「擬似連」、「イントロ」以外であると判定した場合や、ステップS3505で特定演出が「イントロ」以外であると判定した場合、ステップS3506の処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、特定演出が「滑り」、「擬似連」、「発展チャンス目」のいずれかであるか、または、それら以外の特定演出であるかを判定する(ステップS3507)。「滑り」、「擬似連」、「発展チャンス目」以外の特定演出であれば(ステップS3507のN)、特定演出設定処理を終了する。「滑り」、「擬似連」、「発展チャンス目」の特定演出のいずれかであれば(ステップS3507のY)、特定演出にて仮停止表示させる仮停止図柄を決定してから(ステップS3508)、特定演出設定処理を終了する。
ステップS3508の処理では、一例として、「滑り」の特定演出である場合に、演出制御用CPU101は、ステップS3504で決定した特定演出パターンにもとづき、図31(E)に示すテーブル選択設定に従い、仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3にもとづき、セットした仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを参照することにより、右仮停止図柄KZ1−1、左仮停止図柄KZ1−2、右仮停止図柄1−3、左仮停止図柄KZ1−4のいずれかとなる飾り図柄を決定する。
また、他の例として、「擬似連」の特定演出である場合には、演出制御用CPU101は、まず、ステップS3504で決定した特定演出パターンにもとづき、擬似連変動の実行回数を定数Mにセットする。例えば、擬似連TP2−1の特定演出パターンである場合には、定数Mを「1」に設定し、擬似連TP2−2の特定演出パターンである場合には、定数Mを「2」に設定し、擬似連TP2−3の特定演出パターンである場合には定数Mを「3」に設定する。この場合、演出制御用CPU101は、決定した仮停止図柄の組合せ数を示す変数Nを「0」に設定しておく。また、変動パターンが非リーチPA1−5である場合には、図32(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aを使用テーブルとして選択してセットする一方で、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかである場合には、図32(B)に示す仮停止図柄決定テーブル167Bを使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR4−1を示す数値データにもとづき、セットした仮停止図柄決定テーブル167Aと仮停止図柄決定テーブル167Bのいずれかを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せを決定する。この場合、演出制御用CPU101は、変数Nを1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否かを判定する。
以上のように、更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、演出制御用CPU101は、ステップS3508の処理を終了する。また、更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、演出制御用CPU101は、図32(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167Cを使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR4−2を示す数値データにもとづき、仮停止図柄決定テーブル167Cを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せを決定する。この場合、演出制御用CPU101は、変数Nを1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否かを判定する。
また、以上のように、更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、演出制御用CPU101は、ステップS3508の処理を終了する。また、更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、演出制御用CPU101は、図32(D)に示す仮停止図柄決定テーブル167Dを使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR4−3を示す数値データにもとづき、仮停止図柄決定テーブル167Dを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せを決定する。そのような処理により、左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せを決定した後には、ステップS3508の処理を終了する。
さらに他の例として、「発展チャンス目」の特定演出である場合には、演出制御用CPU101は、図34に示す仮停止図柄決定テーブル168を、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3にもとづき、仮停止図柄決定テーブル168を参照することにより、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ6−1、KZ6−2、KZ6−3の組合せを決定する。
特定演出設定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、変動中昇格演出設定処理を実行する(ステップS836)。図74は、ステップS836で実行される変動中昇格演出設定処理の一例を示すフローチャートである。変動中昇格演出設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、可変表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「突確」以外である場合に該当するか否かを判定する(ステップS3601)。可変表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「突確」以外である場合に該当しなければ(ステップS3601のN)、そのまま変動中昇格演出設定処理を終了する。
可変表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「突確」以外である場合に該当すると判定したときには(ステップS3601のY)、演出制御用CPU101は、図30(A)に示す変動中昇格演出実行判定テーブル165Aを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS3602)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、昇格演出実行判定用の乱数値SR5を示す数値データを抽出する(ステップS3603)。そして、ステップS3603で抽出した乱数値SR5を示す数値データにもとづき、ステップS3602でセットした変動中昇格演出実行判定テーブル165Aを参照することにより、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、変動中昇格演出の有無を判定する(ステップS3604)。この場合、演出制御用CPU101は、変動中昇格演出なしと判定した場合には(ステップS3605のN)、変動中昇格演出設定処理を終了する。
変動中昇格演出ありと判定した場合には(ステップS3605のY)、演出制御用CPU101は、変動中昇格演出にて仮停止表示させる仮停止図柄を決定してから(ステップS3606)、変動中昇格演出設定処理を終了する。ステップS3606の処理では、一例として、演出制御用CPU101は、図35に示す仮停止図柄決定テーブル169を、使用テーブルとして選択してセットする。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR2を示す数値データにもとづき、仮停止図柄決定テーブル169を参照することにより、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として決定された飾り図柄の図柄番号に応じて、左中右仮停止図柄KZ7−1、KZ7−2、KZ7−3の組合せを決定する。
変動中昇格演出設定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、予告演出設定処理を実行する(ステップS837)。図75は、ステップS837で実行される予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。予告演出設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、図36に示す予告パターン種別判定テーブル170を、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS3701)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、予告パターン種別判定用の乱数値SR7を示す数値データを抽出する(ステップS3702)。そして、ステップS3702で抽出した乱数値SR7を示す数値データにもとづき、予告パターン種別判定テーブル170を参照することにより、変動パターンに応じて、予告なし、あるいは、予告CY1〜予告CY3の予告パターン種別のいずれかに決定する(ステップS3703)。この場合、演出制御用CPU101は、予告なしと決定した場合には(ステップS3704のN)、予告演出設定処理を終了する。
予告CY1〜予告CY3の予告パターン種別のいずれかに決定した場合には(ステップS3704のY)、演出制御用CPU101は、決定した予告パターン種別に応じて、図37に示す予告パターン判定テーブル171Aと、図38に示す予告パターン判定テーブル171Bと、図39に示す予告パターン判定テーブル171Cとのうち、いずれかを使用テーブルとして選択してセットする(ステップS3705)。すなわち、ステップS3703で予告CY1の予告パターン種別に決定された場合には予告パターン判定テーブル171Aをセットし、予告CY2の予告パターン種別に決定された場合には予告パターン判定テーブル171Bをセットし、予告CY3の予告パターン種別に決定された場合には予告パターン判定テーブル171Cをセットする。その後、演出制御用CPU101は、予告パターンを複数種類のいずれかに決定してから(ステップS3706)、予告演出設定処理を終了する。
ステップS3706の処理では、一例として、演出制御用CPU101は、予告パターン種別を予告CY1に決定した場合に、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1予告パターン判定用の乱数値SR8−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR8−1を示す数値データにもとづき、ステップS3705でセットした予告パターン判定テーブル171Aを参照することにより、予告なし、あるいは、予告YP1−1〜予告YP1−4の予告パターンのいずれかに決定する。
また、他の例として、演出制御用CPU101は、予告パターン種別を予告CY2に決定した場合には、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2予告パターン判定用の乱数値SR8−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR8−2を示す数値データにもとづき、ステップS3705でセットした予告パターン判定テーブル171Bを参照することにより、予告なし、あるいは、予告YP2−1〜予告YP2−4の予告パターンのいずれかに決定する。
さらに他の例として、演出制御用CPU101は、予告パターン種別を予告CY3に決定した場合には、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3予告パターン判定用の乱数値SR8−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR8−3を示す数値データにもとづき、ステップS3705でセットした予告パターン判定テーブル171Cを参照することにより、予告なし、あるいは、予告YP3−1〜予告YP3−3の予告パターンのいずれかに決定する。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS838)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS839)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS840)。例えば、画像表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、描画プロセッサ109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、変動パターンがスーパーリーチ演出を伴うものである場合、変動パターンに応じたプロセステーブルには、動画像データの転送を示すプロセスデータが含まれる。具体的には、「動画像演出」の開始時期以降に対応するプロセスデータ表示制御実行データには、図76(C)に例示されたようなデータが含まれる。また、この実施の形態では、変動パターンコマンドは変動パターンや、大当りまたは小当りの正否、リーチ演出、特定演出のみを指定する演出制御コマンドであるが、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドと、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果としないことを指定する変動パターンコマンドとを別にしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS841)、プロセスデータ有効フラグをセットし(ステップS842)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS843)。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、後述するVブランク割込処理において、プロセスデータ有効フラグがセットされていることを条件として、適宜、描画プロセッサ109に指令を出力する。ただし、ステップS840において、描画プロセッサ109に指令を出力することが必要なデータが設定されていた場合には、そのデータに応じて描画プロセッサ109に指令を出力する。
図76(A)は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って画像表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理において、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図76(A)に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。
図76(B),(C)は、表示制御実行データの一例を示す説明図である。図76(B)には、静止画像に関する表示制御実行データが例示され、静止画像に関する表示制御実行データには、フレームメモリにおける部品画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスを示すフレームメモリ先頭アドレス、フレームメモリにおける部品画像の画像データを展開する領域の最終アドレスを示すフレームメモリ最終アドレス、静止画であることを示すフラグ、部品画像を指定する部品画像指定データ(CGROM83における先頭アドレスやデータ長など)が設定されている。図76(B)には、動画像に関する表示制御実行データが例示され、動画像に関する表示制御実行データには、例えば、フレームメモリにおける動画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスを示すフレームメモリ先頭アドレス、フレームメモリにおける動画像の画像データを展開する領域の最終アドレスを示すフレームメモリ最終アドレス、動画であることを示すフラグ、復号処理が必要であることを示すフラグ、ムービーデータ指定データ(CGROM83における先頭アドレスやデータ長など)が設定されている。さらに、複数の画像の合成を行わせる場合には、表示制御実行データに、合成の対象になる複数の画像を特定するデータも設定される。
なお、この実施の形態では、CPU56がステップS825,S826,S827,S831,S833,S834の処理を実行することによって、画像表示装置9における複数の可変表示部に表示結果として導出表示する識別情報を複数種類の中から決定する識別情報決定手段が実現されている。なお、CPU56がステップS3508などの仮停止図柄を決定する部分についても、識別情報決定手段を構成するとしてもよい。
図77は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(左中右の停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS861)。具体的には、VRAM84の固定領域における停止図柄の画像データが格納されているアドレス等を指定するとともに、停止図柄の画像データをフレームメモリに転送する指令を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて停止図柄の画像データをフレームメモリに転送する。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS862)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。
大当りとすることに決定されている場合には、アドレスポインタに0をセットして(ステップS863)、固定領域データ転送制御処理を実行する(ステップS864)。なお、固定領域データ転送制御処理は、VRAM84の固定領域にCGROM83の共通画像データ領域に記憶されている画像データ(図65(B)参照)を転送するための処理であり、ステップS702の初期データ転送処理において実行される処理と同様の処理である。この段階で固定領域データ転送制御処理を実行することは必須のことではないが、例えば大当りとすることに決定されている場合に固定領域データ転送制御処理を実行することによって、何らかの理由(例えば、ノイズなど)に起因してVRAM84の固定領域においてデータ化けしてしまったような場合に、VRAM84の固定領域内の画像データを正しいデータに戻すことができる。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS865)。
大当りとしないことに決定されている場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定・時短指定)を受信していたときには、確変状態フラグをリセットし、時短状態フラグをセットする(ステップS871,S872,S873)。そして、演出モード#2データ転送制御処理(図96に示す処理に相当する演出モード#2についての処理))を行う(ステップS874)。すなわち、遊技モードが時短状態に確定したので、演出モード#2データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、時短状態では、「7」の飾り図柄として、図65(A)の中段に示された図柄が用いられる。演出モード#2データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている略菱形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図65(A)の中段参照)をVRAM84に転送するための処理である。
また、表示結果2指定コマンド(はずれ指定・低確率指定)を受信していたときには、時短状態フラグをリセットする(ステップS875,S876)。そして、演出モード#1データ転送制御処理(図96に示す処理)を行う(ステップS877)。すなわち、遊技モードが低確率状態(通常状態)に確定したので、演出モード#1データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、通常状態では、「7」の飾り図柄として、図65(A)の上段に示された図柄が用いられる。演出モード#1データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図65(A)の上段参照)をVRAM84に転送するための処理である。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS878)。
図78は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグ(コマンド解析処理において、大当り開始指定コマンドを受信したときにセットされる。)がセットされているか否か確認する(ステップS891)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(ステップS892)、大当り中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS893)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS894)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS895)。そして、プロセスデータ有効フラグをセットする(ステップS896)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS897)。
図79は、演出制御プロセス処理における大当り遊技中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り制御中演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1970)。なお、エンディングフラグは、コマンド解析処理(ステップS707)において、エンディングコマンドを受信したことにもとづいてセットされる。エンディングフラグがセットされていれば(ステップS1970のY)、演出制御用CPU101は、エンディングフラグをリセットし(ステップS1971)、演出期間計測タイマをスタートさせる(ステップS1972)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS1973)。
エンディングフラグがセットされていなければ(ステップS1970のN)、演出制御用CPU101は、演出制御フラグ設定部191に設けられた昇格演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1974)。なお、昇格演出中フラグは、後述するステップS1986の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップS1978の処理が実行されることによりクリアされてオフ状態となる。なお、ステップS1971の処理が実行されるときにも、昇格演出中フラグがクリアされてオフ状態となるようにしてもよい。
昇格演出中フラグがオフである場合には(ステップS1974のN)、演出制御用CPU101は、例えば演出制御プロセスタイマ値が所定の演出開始判定値に合致したか否かなどに応じて、大当り中昇格演出の実行タイミングとなったか否かを判定する(ステップS1979)。この場合、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドの実行期間が短いことなどから、演出制御プロセスタイマ値が演出開始判定値には達しないように設定されていればよい。
大当り中昇格演出の実行タイミングであると判定した場合には(ステップS1979のY)、演出制御用CPU101は、図30(B)に示す大当り中昇格演出実行判定テーブル165Bを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS1980)。次いで、演出制御用CPU101は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、昇格演出実行判定用の乱数値SR5を示す数値データを抽出する(ステップS1981)。そして、ステップS1981で抽出した乱数値SR5を示す数値データにもとづき、大当り中昇格演出実行判定テーブル165Bを参照することにより、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、大当り中昇格演出の有無の判定や、大当り中昇格演出ありの場合に大当り中昇格成功演出とするか大当り中昇格失敗演出とするかの判定といった、大当り中昇格演出の実行に関する判定を行う(ステップS1982)。
大当り中昇格演出の実行タイミングではないと判定した場合や(ステップS1979のN)、大当り中昇格演出を実行しないと決定した場合には(ステップS1983のN)、ステップS1987に移行する。すなわち、この場合、ステップS1987〜S1991の処理を実行することによって、大当り中昇格演出を含まない通常の大当り遊技中の演出を実行することになる。
大当り中昇格演出を実行すると決定した場合には(ステップS1983のY)、演出制御用CPU101は、大当り中昇格演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1984)。次いで、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1985)。そして、大当り中昇格演出を実行中であることを示す昇格演出中フラグをセットする(ステップS1986)。
昇格演出中フラグがオンであると判定した場合には(ステップS1974のY)、演出制御用CPU101は、例えば演出制御プロセスタイマ値と演出制御パターンに示される演出終了判定値とが合致するか否かなどに応じて、大当り中昇格演出の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップSS1975)。大当り中昇格演出の終了タイミングでなければ(ステップS1975のN)、ステップS1978に移行する。すなわち、この場合、ステップS1987〜S1991の処理を実行することによって、大当り中昇格演出を継続して実行することになる。
大当り中昇格演出の終了タイミングであると判定した場合には(ステップS1975のY)、演出制御用CPU101は、大当り中昇格演出を含まない通常の大当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1976)。次いで、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1977)。そして、昇格演出中フラグをリセットする(ステップS1978)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(画像表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1987)。例えば、画像表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出(大当り中演出)が実行される。また、大当り昇格演出に応じたプロセスデータを選択している場合には、例えば、「確変に昇格!!」などの文字列を表示させて、確変に昇格したような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS1988)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1989)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1990)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1991)。
図80は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。エンディング演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御フラグ設定部191に設けられたエンディング演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS971)。なお、エンディング演出中フラグは、後述するステップS981の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップS991の処理が実行されることによりクリアされてオフ状態となる。
エンディング演出中フラグがオフである場合には(ステップS971のN)、演出制御用CPU101は、例えば表示結果コマンド格納領域から表示結果コマンド、または表示結果コマンドを示すデータを読み取ることなどにより、大当り種別が「通常」である通常大当りであったか否かを判定する(ステップS972)。通常大当りではなければ(ステップS972のN)、演出制御用CPU101は、大当り種別が「第3確変」であったか否かを判定する(ステップS973)。大当り種別が「第3確変」であった場合には(ステップS973のY)、演出制御用CPU101は、例えば演出制御バッファ設定部194に記憶されている報知内容バッファ値などから、昇格成功演出を実行済みであるか否かを判定する(ステップS974)。一例として、報知内容バッファ値が「1」である場合には大当り中昇格成功演出が実行されたと判定し、報知内容バッファ値が「0」である場合には大当り中昇格成功演出が実行されていないと判定すればよい。
大当り種別が「第3確変」以外であると判定した場合や(ステップS973のN)、昇格成功演出が実行済みであると判定した場合には(ステップS974のY)、演出制御用CPU101は、所定の無昇格エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS977)。一例として、ステップS977の処理では、演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域から表示結果コマンド、または表示結果コマンドを示すデータを読み取ることなどにより、15ラウンド大当り状態と2ラウンド大当り状態のいずれが終了するかを判定する。そして、終了する大当り遊技状態の判定結果に応じて、昇格演出を実行しない演出制御パターンを図41に示す各種演出制御パターンテーブル182から読み出し、演出制御プロセスタイマの設定などを行う。次いで、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS978)。
昇格成功演出が実行済みではないと判定した場合には(ステップS974のN)、演出制御用CPU101は、エンディング昇格成功演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS975)。一例として、ステップS975の処理では、演出制御用CPU101は、15ラウンド大当り状態の終了に対応して、昇格成功演出を実行するための演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブル182から読み出し、演出制御プロセスタイマの設定などを行う。次いで、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS976)。
通常大当りであったと判定した場合には(ステップS972のY)、演出制御用CPU101は、エンディング昇格失敗演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS979)。一例として、ステップS979の処理では、演出制御用CPU101は、15ラウンド大当り状態の終了に対応して、昇格失敗演出を実行するための演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブル182から読み出し、演出制御プロセスタイマの設定などを行う。次いで、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS980)。
そして、演出制御用CPU101は、エンディング演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS981)、エンディング演出処理を終了する。
エンディング演出中フラグがオンであると判定した場合には(ステップS971のY)、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマを1減算する(ステップS982)とともに、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS983)。すなわち、演出制御用CPU101は、エンディング演出の終了タイミングとなったか否かを判定する。なお、ここでのエンディング演出は、無昇格エンディング演出、エンディング昇格成功演出、エンディング昇格失敗演出を含めた、大当り遊技状態の終了に対応して実行される演出動作のことである。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS983のN)、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(画像表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS984)。例えば、画像表示装置9に、大当り終了画面を表示する制御を行う。具体的には、CGROM83における大当り終了画面の画像データが格納されているアドレス等を指定するとともに、大当り終了画面の画像データをフレームメモリに転送する指令を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて大当り終了画面の画像データをCGROM83から読み出し、読み出した画像データをVRAM84の一時記憶領域を介してフレームメモリに転送する。また、大当り昇格演出に応じたプロセスデータを選択している場合には、例えば、「確変に昇格!!」などの文字列を表示させて、確変に昇格したような演出を行う。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS985)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS986)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS987)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS988)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、表示結果4指定コマンド(第1確変大当り指定)または表示結果5指定コマンド(第2確変大当り指定)を受信しているか否かを確認する(ステップS989)。受信していれば、確変状態フラグをセットする(ステップS990)とともに、所定のフラグをリセットする(ステップS991)。なお、ステップS991では、例えば、エンディング演出中フラグや、セットされていれば、時短状態フラグをリセットする。そして、演出モード#3データ転送制御処理(図96に示す処理に相当する演出モード#3についての処理)を行う(ステップS992)。すなわち、遊技モードが確変状態に確定したので、演出モード#3データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、確変状態では、「7」の飾り図柄として、図65(A)の下段に示された図柄が用いられる。演出モード#3データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている星型六角形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図65(A)の下段参照)をVRAM84に転送するための処理である。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動開始コマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS993)。
次に、画像表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示を中心とした、各種の演出画像を表示することによる演出動作の具体例について説明する。演出制御基板80では、主基板31から伝送された第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したことに対応して、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンなどにもとづき、例えば演出制御用CPU101が所定の表示制御指令を描画プロセッサ109に供給することなどにより、画像表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の変動を開始させる。
まず、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合における具体例について、図81〜図88を用いて説明する。なお、図81〜図88に示す表示例では、いずれの演出モードであるかを区別することなく、画像表示装置9において飾り図柄が表示されている場合を示しているが、具体的には、演出モード#1〜#3のいずれであるかに応じて、図46に示すいずれかの種類の飾り図柄が表示される。
図81は、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合のうち、特定演出が実行されない場合や、「擬似連」の特定演出が実行される場合、「滑り」の特定演出が実行される場合、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドにより非リーチPA1−1の変動パターンが指定されたときには、図81(C1)および(C2)に示すような特定演出が実行されない場合となり、非リーチPA1−4の変動パターンが指定されたときには図81(E1)〜(E4)に示すような「滑り」の特定演出が実行される場合となり、非リーチPA1−5の変動パターンが指定されたときには図81(D1)〜(D6)に示すような「擬似連」の特定演出が実行される場合となり、非リーチPA1−7の変動パターンが指定されたときには図81(F1)〜(F6)に示すような「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合となる。図81(A)では、例えば特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図81(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリアにて「6」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)される。
特定演出が実行されない場合や「滑り」の特定演出が実行される場合には、図24(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の数字を示す飾り図柄が決定されたことに対応して、図81(B)に示すような飾り図柄の停止表示が行われることになる。なお、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンであれば、図29(A)に示すように、特定演出パターンが常に滑りTP1−1のみに決定され、「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を高速に再変動させる「滑り」の特定演出が実行されることから、「左」の飾り図柄表示エリアに停止表示する飾り図柄は、「滑り」の特定演出によっては変更されない。また、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合には、図24(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160Dを参照することにより、発展チャンス目HC6を構成する飾り図柄の組合せが左中右最終停止図柄FZ1−4、FZ1−5、FZ1−6として決定されたことに対応して、図81(B)に示すような飾り図柄の停止表示が行われることになる。「擬似連」の特定演出が実行される場合には、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の数字を示す飾り図柄が決定され、その左最終停止図柄FZ1−1にもとづき図32(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aを参照することにより、擬似連チャンス目GC6を構成する飾り図柄の組合せが左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3として決定されたことに対応して、図81(B)に示すような飾り図柄の停止表示が行われることになる。
その後、特定演出が実行されない場合には、一例として、図81(C1)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図81(C2)に示すように「中」の飾り図柄表示エリアにて「4」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。このとき「右」の飾り図柄表示エリアや「中」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される確定飾り図柄は、図24(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することや、図25に示す左右出目判定テーブル161とともに図24(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することにより、右最終停止図柄FZ1−2や中最終停止図柄FZ1−3として決定される。
これに対して、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、一例として、図81(D1)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図81(D2)に示すように「中」の飾り図柄表示エリアにて「6」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)することにより、擬似連チャンス目GC6となる飾り図柄が停止表示される。このときには、例えば飾り図柄の揺れ変動表示といった仮停止表示を行ってから、図81(D3)に示すように全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させればよい。その後、例えば図61(D4)〜(D6)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「6」、「7」、「4」の数字を示す飾り図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「滑り」の特定演出が実行される場合には、一例として、図81(E1)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて「5」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図81(E2)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を高速に再変動させる。その後、図81(E3)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて「7」の数字を示す飾り図柄となるように、停止表示させる飾り図柄を変更させる。ここで、図81(E1)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示される飾り図柄は、例えば、決定された右最終停止図柄FZ1−2にもとづき、図31(A)に示す仮停止図柄決定テーブル166Aを参照することにより、決定される。その後、例えば図81(E4)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリアにて「4」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合には、一例として、図81(F1)に示すように「右」の飾り図柄表示エリアにて「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図81(F2)に示すように「中」の飾り図柄表示エリアにも「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示(仮停止表示)する。これにより、発展チャンス目HC6を構成する飾り図柄が仮停止表示される。このときには、例えば図81(F3)に示すように、仮停止表示された飾り図柄が一定方向に回転するような演出表示が行われ、続いて図81(F4)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる発展が生じることを遊技者に期待させるような演出表示が行われる。ここで、図81(F4)に示すような演出表示から仮停止表示されている飾り図柄が反転する方向に回転すれば、リーチ状態となる発展が生じることになる。この例では、リーチ状態となる発展が生じることなく、例えば図81(F5)にしめすように、回転状態にあった仮停止表示された飾り図柄が元に戻るような演出表示が行われてから、発展チャンス目HC6を構成する確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図82は、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合のうち、「イントロ」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドにより非リーチPA1−6の変動パターンが指定されたときには図82に示すような「イントロ」の特定演出が実行される場合となる。図82(A)では、例えば特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図82(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリアにて「3」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)され、「右」の飾り図柄表示エリアにて「2」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)されるとともに、「中」の飾り図柄表示エリアに相当する表示位置に、キャラクタ画像CH1が表示される。なお、キャラクタ画像CH1は、後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった場合に実行されるリーチ演出にて、演出画像として出現するものであればよい。
続いて、例えば図82(C)に示すように、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示された飾り図柄を更新させるような演出表示が行われてから、例えば図82(D)に示すように、キャラクタ画像CH1の変化に伴って、「左」の飾り図柄表示エリアでは「4」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、「右」の飾り図柄表示エリアでは「3」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、それぞれ行われる。また、例えば図82(E)に示すように、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて更新表示された飾り図柄をさらに更新させるような演出表示が行われてから、例えば図82(F)に示すように、キャラクタ画像CH1の変化に伴って、「左」の飾り図柄表示エリアでは「2」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、「右」の飾り図柄表示エリアでは「1」の数字を示す飾り図柄への更新表示が、それぞれ行われる。そして、例えば図82(G)に示すように、キャラクタ画像CH1の変化に伴って、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示された飾り図柄を更新させるような演出表示が行われてから、例えば図82(H)〜(K)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリアでは「2」の数字を示す飾り図柄が仮停止表示される一方で、「右」の飾り図柄表示エリアでは「1」〜「3」の数字を示す飾り図柄が所定順序で更新表示される。その後、「右」の飾り図柄表示エリアでは、例えば図82(L)に示すように飾り図柄を更新させるような演出表示が行われてから、図82(M)に示すように「3」の数字を示す飾り図柄が仮停止表示される。こうして「イントロ」の特定演出が終了すると、例えば図82(N)に示すように、キャラクタ画像CH1が消去されてから、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図83は、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合のうち、「イントロ」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドによりスーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンのいずれかが指定されたときなどには図83に示すような「イントロ」の特定演出が実行される場合となる。図83に示す表示動作例では、図83(A)〜(L)の部分において、図82(A)〜(L)と同様の演出表示が行われる。その後、「右」の飾り図柄表示エリアでは、例えば図83(M)に示すように「2」の数字を示す飾り図柄が仮停止表示されることにより、「左」の飾り図柄表示エリアにて仮停止表示されている飾り図柄と揃って、可変表示状態がリーチ状態となる。こうして「イントロ」の特定演出が終了すると、例えば図83(N)に示すように、キャラクタ画像CH1が消去されてから、可変表示状態がリーチ状態となったことに対応したリーチ演出などが開始され、その後にリーチ組合せとなる確定飾り図柄や、大当り組合せとなる確定飾り図柄などが、停止表示(最終停止表示)される。
図84〜図86は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」以外である場合の表示動作例を示している。図84(A)では、例えば特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図84(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリアにて「6」の数字を示す飾り図柄が停止表示(仮停止表示)される。
そして、例えば変動パターンがスーパーPA4−2であるときなどのように、「滑り」の特定演出が実行される場合には、一例として、図84(C1)〜(C3)に示すように、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、「右」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるように、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。また、例えば変動パターンがスーパーPA4−4であるときなどのように、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、一例として、図84(D1)〜(D5)に示すように、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示が行われる。その後、「左」および「右」の飾り図柄表示エリアにて「6」の数字を示す飾り図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。さらに、例えば変動パターンがスーパーPC4−1であるときなどのように、「発展チャンス目」の特定演出が実行される場合には、一例として、図84(E1)〜(E6)に示すように、全部の飾り図柄表示エリアにて、発展チャンス目HC6となる飾り図柄の組合せを停止表示(仮停止表示)した後、仮停止表示されている飾り図柄が反転する方向に回転するような演出表示が行われた後に、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
図84(C3)や図84(D5)に示すようにしてリーチ状態となった後には、例えば図85(A)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリアにおける飾り図柄の変動速度が低下する。そして、例えば変動パターンがノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8のいずれかであるときなどには、図85(B)に示すように「中」の飾り図柄表示エリアにて「6」を示す数字が「左」および「右」の飾り図柄表示エリアと揃って停止表示(仮停止表示)される「ノーマル」のリーチ演出が行われる。なお、図85(B)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、例えば図85(H)に示すように「5」を示す数字が「中」の飾り図柄表示エリアにて停止表示されることを示す演出画像を表示させてから「中」の飾り図柄表示エリアにて「5」を示す数字の飾り図柄を停止表示させるといった、「中」の飾り図柄表示エリアにて「6」を示す数字以外の飾り図柄を停止表示させることなどにより、リーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示させ、飾り図柄の可変表示を終了すればよい。リーチ演出α1〜リーチ演出α3やリーチ演出β1〜リーチ演出β3のいずれかが実行される場合には、例えば図85(C)に示すように、低下していた「中」の飾り図柄表示エリアにおける飾り図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。例えば、リーチ演出β1では、図85(D)に示すようなキャラクタ画像CH2が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。また、リーチ演出α1〜リーチ演出α3のいずれかである場合には、図85(E)に示すようなキャラクタ画像CH1が表示された後、図85(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、リーチ演出α1では、例えば図85(G)に示すように、1段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される飾り図柄が出現する。図85(G)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り組合せを構成する飾り図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、リーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示させ、飾り図柄の可変表示を終了すればよい。これに対して、リーチ演出α2やリーチ演出α3では、例えば図85(H)および(I)に示すように、2段階目の演出表示に進むことになる。他方、リーチ演出β2やリーチ演出β3では、図85(J)に示すようなキャラクタ画像CH3が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
図85(I)に示すようにして2段階目の演出表示が進行すると、リーチ演出α2であれば、例えば図86(A)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される飾り図柄が出現する。なお、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、例えば図86(B)に示すように、表示されている飾り図柄が変更されず、リーチハズレ組合せを構成する確定飾り図柄を停止表示させ、飾り図柄の可変表示を終了させればよい。これに対して、リーチ演出α3では、例えば図86(B)〜(D)に示すように、3段階目の演出表示(「救済演出」ともいう)に進むことになる。そして、3段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される飾り図柄が出現する。ここで、例えば変動中昇格演出を実行しないことに決定された場合には、図86(E)に示すように、仮停止表示された飾り図柄がそのまま最終停止図柄となる確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)される。これに対して、変動中昇格演出を実行することに決定された場合には、図86(F)に示すようにして通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示した後に、図86(G)に示すように「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させる。そして、大当り種別が「第1確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、例えば図86(H)に示すように、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われる。なお、変動中昇格失敗演出が実行される場合には、図86(G)に示すような飾り図柄の再変動を行った後、例えば図86(F)と同様に、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示させればよい。
図87は、「メール表示」の予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、まず、例えば特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、図87(A)に示すように「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて停止表示されていた飾り図柄が、図87(B)に示すように「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアの全部にて変動を開始する。その後、例えば、決定された予告YP3−2の予告パターンに対応して決定された予告CYP3−2−1の予告演出制御パターンから読み出した演出表示制御データなどに従い、例えば図87(C)に示すように、遊技者に操作ボタン120の操作を促す演出画像YH1を表示させる。そして、遊技者が所定期間内に操作ボタン120を操作し、それに応じて操作ボタン120から演出制御基板80へと伝送される操作検出信号がオン状態となった場合には、例えば演出制御用CPU101が予告CYP3−2−1の予告演出制御パターンを予告CYP3−2−2に切り替えることなどにより、図87(D)に示すようなメールメッセージを示す演出画像YH2を表示させることで、予告演出における演出動作を変化させる。これに対して、所定期間内に操作ボタン120の操作がなされなかった場合には、予告演出制御パターンが切り替えられずに、例えば図87(E)に示すように演出画像YH1が消去されて、予告演出が終了する。その後、例えば図87(F)に示すように「左」の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示するなど、飾り図柄の可変表示が進行していく。
図88は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」である場合の表示動作例を示している。図88(A)では、例えば特別図柄の可変表示における特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアの全部にて飾り図柄の変動が開始される。その後、例えば図88(B)〜(D)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「1」、「5」、「3」の数字を示す飾り図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、突確チャンス目TC1となる確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される。このときには、2ラウンド大当り状態における大当り中演出として、例えば図88(E)に示すようにLIVEモードといった特別な演出モードに移行することを報知する演出画像を表示させる。そして、2ラウンド大当り状態が終了することに応じたエンディング演出として、例えば図88(F)に示すような演出画像を表示させ、LIVEモードであることを認識可能とする表示については、例えば図88(G)に示すように、次の飾り図柄の変動が開始された後にも、表示させたままにしておく。なお、可変表示結果が「小当り」である場合にも、図88に示す「突確」時の演出と同様の表示態様に従って演出が実行される。
図89は、演出制御用CPU101が、描画プロセッサ109からのVブランク割込に応じて実行するVブランク割込処理を示すフローチャートである。Vブランク割込は、画像表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期で描画プロセッサ109が発生する割込である。例えば、画像表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理で描画プロセッサ109に対する指令を出力するが、他の処理において、図89に示す処理を実行するようにしてもよい。
Vブランク割込処理において、演出制御用CPU101は、表示領域レジスタ(図63参照)のデータを参照して現在の表示領域が領域0であるのか領域1であるのかを確認する(ステップS901)。現在の表示領域が領域0であれば、表示領域レジスタに領域1を示すデータを設定して表示領域を領域1にする(ステップS902)。現在の表示領域が領域1であれば、表示領域レジスタに領域0を示すデータを設定して表示領域を領域0にする(ステップS903)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ有効フラグ(プロセスデータにもとづく演出制御を行っていることを示すフラグ)がセットされている場合には(ステップS904)、プロセスタイマの値を−1する(ステップS905)。プロセスタイマの値が0になったら(ステップS906)、プロセスデータポインタの値を+4する(ステップS907)。従って、プロセスデータポインタは、次のプロセスタイマ設定値を指し示す(図76(A)参照)。演出制御用CPU101は、プロセスデータポインタが指す領域(プロセスタイマ設定値が設定されている領域)の次に領域に設定されている表示制御実行データの内容をロードする(ステップS908)。なお、表示制御実行データの領域には、具体的な表示制御内容を示すデータが設定されていてもよいが、具体的な表示制御内容を示すデータが設定されているROM領域のアドレスが設定されていてもよい。
表示制御実行データとして、部品画像の描画すなわちフレームメモリへの展開を示すデータが設定されていた場合には(ステップS909)、描画制御処理を実行する(ステップS910)。例えば、0.1秒(100ms)毎に1つの飾り図柄が画面内で1コマずつ上下に移動するような飾り図柄の可変表示が実行されているときには、プロセスタイマは100msで対応アウトするように設定されている。そして、プロセスタイマがタイムアウトする前では「5」の飾り図柄が表示されていたとすると、タイムアウトしたときに使用される表示制御実行データには、「6」の飾り図柄をフレームメモリに展開することを示すデータが設定されている。その場合、演出制御用CPU101は、部品画像の描画が必要であると判定する。
そして、プロセスデータポインタが指しているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS911)。すなわち、プロセスタイマをスタートさせる。
なお、この実施の形態では、フレームメモリは領域0,1のダブルバッファ構成であるが、フレームメモリが単一の領域で構成されていてもよい。その場合には、描画プロセッサ109は、単一の領域に画像データを書き込む。表示信号制御部87は、フレームメモリに展開されている画像データにもとづいて画像信号を作成し、画像信号を画像表示装置9に出力するのであるが、フレームメモリが単一の領域で構成されている場合に、フレームメモリへの画像データの書き込みと読み出しとが競合しないように、描画プロセッサ109において、表示信号制御部87は、フレームメモリへの画像データの書込処理が終了してから、読出処理を実行する。
次に、演出制御用CPU101が指令を出力するときの動作、および指令に応じた描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)の動作を説明する。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が描画プロセッサ109に対して出力する指令は、描画プロセッサ109の描画制御レジスタ95における所定のレジスタに所定のデータが設定されることによって行われる。
図90は、ROM112に格納されているデータテーブルの例を示す説明図である。図90には、図65に示すCGROM83の選択画像データ領域および共通画像データ領域に格納されている画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルが例示されている。
固定領域データテーブルは、図65(B)に示す共通画像データ領域に格納されている画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルである。演出モード#1データテーブルは、図65(A)の上段に示す画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルである。演出モード#2データテーブルは、図65(A)の中段に示す画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルである。演出モード#3データテーブルは、図65(A)の下段に示す画像データをVRAM84に転送するときに使用されるデータテーブルである。
図91は、図68に示す初期データ転送処理を示すフローチャートである。初期データ転送処理において、演出制御用CPU101は、VRAM84において固定領域を確保するために、固定領域として使用する領域の先頭アドレスを、固定領域先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS921)。また、固定領域として使用する領域の最終アドレスを、固定領域最終アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS922)。
次いで、固定領域データテーブルを参照して、CGROM83の選択画像データ領域および共通画像データ領域に格納されている画像データをVRAM84に転送するための指令を描画プロセッサ109に与える。すなわち、演出制御用CPU101は、ROM112における固定領域データテーブルの先頭アドレスを、例えば内部レジスタに設定し(ステップS923)、アドレスポインタに0をセットする(ステップS924)。そして、固定領域データ転送制御処理を実行する(ステップS925)。
図92は、固定領域データ転送制御処理を示すフローチャートである。固定領域データ転送制御処理において、演出制御用CPU101は、固定領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(CGROM83におけるデータ格納先頭アドレス(転送元先頭アドレス))を読み出す(ステップS931)。なお、ROM112における固定領域データテーブルの先頭アドレスは0000番地ではないので、固定領域データテーブルからデータを読み出すときには、アドレスポインタの値に、固定領域データテーブルの先頭アドレスをオフセット値として加算する。演出制御用CPU101は、固定領域データテーブルから読み出したデータを、CGROM先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS932)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS933)。
次いで、固定領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(VRAM84の格納格納先頭アドレス(転送先先頭アドレス))を読み出し(ステップS934)、読み出したデータを、VRAM先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS935)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS936)。
次に、固定領域データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(データ長)を読み出し(ステップS937)、読み出したデータを、VRAM転送データサイズレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS938)。そして、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをセットする(ステップS939)。
以上のようにして、演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に対して、CGROM83の共通画像データ領域に格納されている画像データをVRAM84に転送するための指令が描画プロセッサ109に与えられたことになる。
図93は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からVRAM84の固定領域に画像データを転送する処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1001)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタ(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1002)。また、VRAM先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを、書込アドレスカウンタ(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1003)。さらに、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1004)。
そして、データ転送処理を実行し(ステップS1005)、データ転送処理が終了したら、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1006)。演出制御用CPU101は、必要ならば、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からVRAM84の固定領域への画像データの転送が完了したことを認識できる。
図94は、ステップS1005のデータ転送処理を示すフローチャートである。なお、図94に示すサブルーチンとしてのデータ転送処理は、後述する他の処理でも実行される。
データ転送処理において、描画プロセッサ109は、処理カウンタ(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に0を設定する(ステップS1100)。すなわち、処理カウンタを初期化する。
次に、読出アドレスカウンタが示すアドレスからデータを読み出す(ステップS1101)。この場合には、CGROM83から画像データが読み出される。そして、読み出したデータを、書込アドレスカウンタが示すアドレスに書き込む(ステップS1102)。次いで、読出アドレスカウンタ、書込アドレスカウンタおよび処理カウンタの値を、それぞれ+1する(ステップS1105)。処理カウンタの値が転送データ量保存領域に設定されている値(転送データ量)に一致したら、全ての画像データが転送先の領域に書き込まれたことになるので、処理を終了する(ステップS1106)。一致していない場合には、ステップS1101に戻る。
この実施の形態では、使用頻度が高い飾り図柄の画像データがCGROM83からVRAM84の固定領域に事前転送される。遊技機に対する電力供給が開始され描画プロセッサ109が動作可能状態になったときに、描画制御レジスタ95の内容は初期化されるが、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)の初期値は「0」である。よって、飾り図柄の画像データがVRAM84の固定領域に事前転送されるときには、データバスモードレジスタには「0」がセットされた状態であって、CGバスのデータ幅は64ビットになっている。使用頻度が高い背景図柄を構成する動画像の画像データを、CGROM83からVRAM84の固定領域に事前転送する場合には、演出制御用CPU101は、CGバスのデータ幅を32ビットにするために描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「1」をセットする。そして、例えば、CGROM先頭アドレスレジスタに動画像の画像データが記憶されている領域の先頭アドレスを設定する。また、VRAM先頭アドレスレジスタに、VRAM84の固定領域の先頭アドレスを設定する。そして、復号実行指示レジスタの該当ビットをセットする。すると、描画プロセッサ109は、後述する動画像復号処理と同様に動作して、復号された動画像の画像データをVRAM84の固定領域に事前転送する。その後、演出制御用CPU101は、CGバスのデータ幅を64ビットに戻すために描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「0」をセットする。
なお、描画プロセッサ109は、動画像の画像データについては、VRAM84の固定領域に事前転送しないようにしてもよい。そのようにすれば、データ容量の大きい動画像の画像データを事前転送することによって、VRAM84の領域を大量に占有してしまう事態を防止することができる。
図95は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からVRAM84の固定領域に画像データを転送する処理の変形例を示すフローチャートである。ここでは、描画プロセッサ109は、CGROM83からVRAM84の一時記憶領域を介して固定領域に画像データを転送する。
演出制御用CPU101は、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1001)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタ(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1002)。また、VRAM84の一時記憶領域の先頭アドレスを書込アドレスカウンタ(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1003A)。さらに、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域(例えば、描画プロセッサ109内の汎用レジスタや内蔵RAMが使用される。)に設定する(ステップS1004)。
そして、データ転送処理を実行し(ステップS1005)、データ転送処理が終了したら、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、転送済みのデータの先頭アドレス、すなわち一時記憶領域の先頭アドレスを設定し(ステップS1007)、転送先先頭アドレスとして、VRAM先頭アドレスレジスタの内容を設定する(ステップS1008)。また、内蔵DMA回路に、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1009A)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1009B)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。描画プロセッサ109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがVRAM84における選択画像データ設定領域に転送されたことを認識し(ステップS10009C)、VRAM固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1006)。
図96は、演出制御用CPU101が実行する演出モード#1データ転送制御処理を示すフローチャートである。演出モード#1データ転送制御処理は、遊技機に対する電力供給が開始され、演出制御用マイクロコンピュータ100が動作可能な状態になったときに実行される(図68参照)。また、演出モードを演出モード#1にすることが確定したときに実行される(図68参照)。なお、演出モード#1データ転送制御処理の実行時期は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに限られず、最初に演出モード#1の選択画像データ(図65(A)の上段)を使用するときまでに実行されればよい。いわゆる初期出目として「7」の飾り図柄を使用しない場合には、最初に飾り図柄の可変表示が実行されるときまでに、演出モード#1データ転送制御処理を実行すればよい。
演出モード#1データ転送制御処理において、演出制御用CPU101は、ROM112における演出モード#1データテーブル(図90参照)の先頭アドレスを、例えば内部レジスタに設定し(ステップS941)、アドレスポインタに0をセットする(ステップS942)。そして、演出モード#1データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(CGROM83におけるデータ格納先頭アドレス(転送元先頭アドレス))を読み出す(ステップS943)。なお、ROM112における演出モード#1データテーブルの先頭アドレスは0000番地ではないので、演出モード#1データテーブルからデータを読み出すときには、アドレスポインタの値に、演出モード#1データテーブルの先頭アドレスをオフセット値として加算する。演出制御用CPU101は、演出モード#1データテーブルから読み出したデータを、CGROM先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS944)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS945)。
次いで、演出モード#1データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(VRAM84の格納格納先頭アドレス(転送先先頭アドレス))を読み出し(ステップS946)、読み出したデータを、VRAM先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS947)。そして、アドレスポインタの値を+1する(ステップS948)。
次に、演出モード#1データテーブルにおけるアドレスポインタが指すアドレスのデータ(データ長)を読み出し(ステップS949)、読み出したデータを、VRAM転送データサイズレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS950)。そして、VRAM自動転送実行指示レジスタの該当ビットをセットする(ステップS951)。
以上のようにして、演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に対して、CGROM83の選択画像データ領域に格納されている画像データをVRAM84に転送するための指令が描画プロセッサ109に与えられたことになる。なお、ここでは、演出モード#1データ転送制御処理について説明したが、演出モード#2データ転送制御処理および演出モード#3データ転送制御処理も同様に構成される。ただし、演出モード#2データ転送制御処理では、データの読み出し対象が演出モード#2データテーブルであり、演出モード#3データ転送制御処理では、データの読み出し対象が演出モード#3データテーブルである。
図97は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83の選択画像データ領域からVRAM84に画像データを転送する処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、VRAM自動転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1011)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1012)。また、転送先先頭アドレスとして、VRAM84の一時記憶領域の先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1013)。さらに、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1014)。
そして、データ転送処理(図94参照)を実行し(ステップS1015)、データ転送処理が終了したら、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、転送済みのデータの先頭アドレス、すなわち一時記憶領域の先頭アドレスを設定し(ステップS1016)、転送先先頭アドレスとして、VRAM84における選択画像データ設定領域(図65(B)に示す例では0000(H)〜6FFF(H)の領域)の先頭アドレスを設定する(ステップS1017)。なお、VRAM84における選択画像データ設定領域の先頭アドレスは、ステップS947の処理によってVRAM先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスである。また、内蔵DMA回路に、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1018)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1019)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。描画プロセッサ109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがVRAM84における選択画像データ設定領域に転送されたことを認識し(ステップS1020)、VRAM自動転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1021)。演出制御用CPU101は、必要ならば、VRAM自動転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からVRAM84への画像データの転送が完了したことを認識できる。
なお、この実施の形態では、選択画像データは、VRAM84における固定領域に転送されることになるが、VRAM84における固定領域以外の領域に転送され、その領域に記憶されるようにしてもよい。
図98は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83の選択画像データ領域からVRAM84に画像データを転送する処理の変形例を示すフローチャートである。この場合、描画プロセッサ109は、画像データをCGROM83からVRAM84の固定領域に直接転送する。
描画プロセッサ109は、VRAM自動転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1011)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1012)。また、VRAM先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレス(VRAM84における選択画像データ設定領域の先頭アドレス)を、書込アドレスカウンタに設定する(ステップS1013A)。さらに、VRAM転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1004)。そして、データ転送処理(図94参照)を実行する(ステップS1015)。
図99は、Vブランク割込処理(図89参照)における描画制御処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、まず、更新対象の部品画像を特定する(ステップS961)。例えば、0.1秒(100ms)毎に1つの飾り図柄が画面内で1コマずつ上下に移動するような飾り図柄の可変表示が実行されているときには、プロセスタイマは100msで対応アウトするように設定されている。そして、プロセスタイマがタイムアウトする前では「5」の飾り図柄が表示されていたとすると、タイムアウトしたときに使用される表示制御実行データには、「6」の飾り図柄をフレームメモリに展開することを示すデータが設定されている。その場合、演出制御用CPU101は、Vブランク割込処理におけるステップS909の処理で、部品画像の描画が必要であると判定する。そして、ステップS961では、更新対象の部品画像を、「6」の飾り図柄であると特定する。
次いで、演出制御用CPU101は、動画モードフラグがセットされていないことを条件として、動画への切替を行うべきか否か判定する(ステップS962)。動画への切替を行うべきか否かは、プロセステーブルに設定されたプロセスデータの内容にもとづいて判定される。すなわち、表示制御実行データに、動画であることを示すフラグが設定されているか否かによって判定される(図76(C)参照)。動画への切替を行うべきと判定したときには、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「1」をセットする(ステップS963)。そして、動画モードフラグをセットする(ステップS964)。
また、演出制御用CPU101は、動画モードフラグがセットされていることを条件として、静止画への切替を行うべきか否か判定する(ステップS965)。静止画への切替を行うべきか否かは、プロセステーブルに設定されたプロセスデータの内容にもとづいて判定される。すなわち、表示制御実行データに、静止画であることを示すフラグが設定されているか否かによって判定される(図76(B)参照)。静止画への切替を行うべきと判定したときには、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「0」をセットする(ステップS966)。そして、動画モードフラグをリセットする(ステップS967)。
ステップS963の処理によって、演出制御用CPU101は、画像表示装置9において動画像表示が行われるときにCGROM83と描画プロセッサ109との間のCGバスのバス幅を32ビットにするように指令することになる。また、画像表示装置9において動画像表示が行われなくなるときにCGROM83と描画プロセッサ109との間のCGバスのバス幅を64ビットにするように指令することになる。
上述したように、動画像データ(圧縮データ)は、CGROM83において、32ビットのデータ入出力可能なROMに格納されている。従って、CGバスのバス幅を32ビットにしても、描画プロセッサ109は、CGROM83から誤りなく画像データを読み出すことができる。
また、この実施の形態では、データバスモードレジスタに「1」がセットされると自動的にCGバスのバス幅を32ビットに設定し、データバスモードレジスタに「0」がセットされると自動的にCGバスのバス幅を64ビットに設定するような描画プロセッサ109を使用する。しかし、描画プロセッサ109(具体的には、描画制御部91)が、データバスモードレジスタに設定された値に応じて64ビットデータバスのうちの上位32ビットを有効にする(バス幅を64ビットにする)制御を行ったり、無効にする(バス幅を32ビットにする)制御を行うように構成された描画プロセッサ109を用いてもよい。そのような描画プロセッサ109を用いた場合には、描画制御部91は、データバスモードレジスタに設定された値が変化すると、変化後の値に応じて、CGバスのバス幅を設定する処理を行う。
また、この実施の形態では、描画プロセッサ109は、バス幅を32ビットにした後、次に静止画データがCGROM83から読み出されるときにバス幅を64ビットに戻すが、動画像データをCGROM83から読み出す処理が終了したときに、バス幅を64ビットに戻すようにしてもよい。
次に、演出制御用CPU101は、更新対象の部品画像があるか否か判定する(ステップS971)。ステップS971の処理は、更新対象の部品画像が複数ある場合があることを考慮した処理である。更新対象の部品画像がある場合には、その部品画像がVRAM84の固定領域に存在するか否か判定する(ステップS972)。この実施の形態では、各々の飾り図柄は、VRAM84の固定領域に存在する部品画像である。
部品画像が固定領域に存在する場合には、固定領域における部品画像の画像データが存在する領域の先頭アドレスを、固定領域内任意アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS973)。また、フレームメモリにおける部品画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスをフレームメモリ先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS974)。さらに、転送される画像データの転送データ量(データ長)をフレームメモリ転送データサイズレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS975)。そして、固定領域データ転送実行指示レジスタ(図63参照)の該当ビットをセットする(ステップS976)。
例えば、予告演出用の画像や飾り図柄用の画像を合成する場合には、あらかじめ複数の部品画像をVRAM84の固定領域に転送しておく。そして、ステップS973〜S976の処理を実行し、各部品画像をフレームバッファに転送して、フレームバッファに各部品画像を重ね合わせていくことによって、予告演出や飾り図柄用の画像を合成する。
部品画像が固定領域に存在しない場合には、演出制御用CPU101は、部品画像が動画像であるか否か判定する(ステップS980)。動画像でない場合には、CGROM83における部品画像(静止画)の画像データの先頭アドレスをCGROM先頭アドレスレジスタ(図63参照)に設定する(ステップS981)。また、フレームメモリにおける部品画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスをフレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定する(ステップS982)。さらに、転送される画像データの転送データ量(データ長)をフレームメモリ転送データサイズレジスタに設定する(ステップS983)。そして、フレームメモリデータ転送実行指示レジスタ(図63参照)の該当ビットをセットする(ステップS984)。
部品画像が動画像である場合には、CGROM83における部品画像(動画像)の画像データ(ムービーデータ)の先頭アドレスをCGROM先頭アドレスレジスタに設定する(ステップS985)。また、フレームメモリにおける動画像の画像データを展開する領域の先頭アドレスをフレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定する(ステップS986)。さらに、ムービーデータの転送データ量(データ長)をフレームメモリ転送データサイズレジスタに設定する(ステップS987)。そして、復号実行指示レジスタ(図63参照)の該当ビットをセットする(ステップS988)。
図100は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、VRAM84の固定領域からフレームメモリに画像データを転送する処理を示すフローチャートである。なお、描画プロセッサ109は、フレームメモリにおける領域0が表示領域に設定されているときには、領域1を描画領域として画像データを転送し、領域1が表示領域に設定されているときには、領域0を描画領域として画像データを転送する。そのような制御を可能にするために、例えば、演出制御用CPU101は、フレームメモリのアドレスを指令するときには、常に領域0のアドレスを指令する。そして、描画プロセッサ109は、領域1を描画領域として画像データを転送するときには、指令されたアドレスに対して、領域1のアドレスと領域0のアドレスとの差分を加算して、転送先のアドレスにする。
演出制御用CPU101は、固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1025)、ステップS973の処理で固定領域内任意先頭アドレスレジスタに設定された転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1026)。また、転送先先頭アドレスとして、フレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1027)。さらに、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1028)。
そして、データ転送処理(図94参照)を実行し(ステップS1029)、データ転送処理が終了したら、固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1030)。演出制御用CPU101は、必要ならば、固定領域転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、VRAM84の固定領域からフレームメモリへの画像データの転送が完了したことを認識できる。
図101は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からフレームメモリに画像データを転送する処理を示すフローチャートである。
描画プロセッサ109は、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1031)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1032)。また、転送先先頭アドレスとして、VRAM84の一時記憶領域の先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1033)。さらに、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1034)。
そして、データ転送処理(図94参照)を実行し(ステップS1035)、データ転送処理が終了したら、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、転送済みのデータの先頭アドレス、すなわち一時記憶領域の先頭アドレスを設定し(ステップS1036)、転送先先頭アドレスとして、フレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを設定し、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1037)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1038)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。描画プロセッサ109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがフレームメモリに転送されたことを認識し(ステップS1039)、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1040)。演出制御用CPU101は、必要ならば、フレームメモリ転送実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からフレームメモリへの画像データの転送が完了したことを認識できる。
CGROM83からフレームメモリに画像データを転送する必要がある場合、演出制御用CPU101は、アドレスに関して、CGROM83における先頭アドレスとフレームメモリにおける先頭アドレスとを指定するだけで(ステップS981,S982参照)、描画プロセッサ109は、フレームメモリから画像データを読み出し、VRAM84の一時記憶領域を介してフレームメモリに画像データを展開する(ステップS1032〜S1039参照)。よって、フレームメモリから一時記憶領域を介してフレームメモリに画像データを転送する描画プロセッサ109を用いても、演出制御用CPU101は、一時記憶領域におけるアドレスを指定する必要はなく、CGROM83からフレームメモリへの画像データの転送に関する制御負担は増大しない。
図102および図103は、描画プロセッサ109(具体的には、描画プロセッサ109における描画制御部91)が、演出制御用CPU101からの指令に応じて、CGROM83からフレームメモリに動画像の画像データを転送する動画像復号処理を示すフローチャートである。動画像復号処理において、演出制御用CPU101は、復号実行指示レジスタの該当ビットがセットされると(ステップS1041)、CGROM先頭アドレスレジスタに設定されている転送元先頭アドレスを、読出アドレスカウンタに設定する(ステップS1042)。また、転送先先頭アドレスとして、VRAM84の一時記憶領域の先頭アドレスを書込カウンタに設定する(ステップS1043)。さらに、フレームメモリ転送データサイズレジスタに設定されているデータ長(転送データ量)を、転送データ量保存領域に設定する(ステップS1044)。
そして、データ転送処理(図94参照)を実行し(ステップS1045)、データ転送処理が終了したら、描画プロセッサ109における動画伸張部89が、VRAM84の一時記憶領域に転送された動画像データ(圧縮データ)を例えば32ビット単位で復号する(ステップS1047)。
なお、この場合には、データ転送処理において、CGROM83から32ビット単位で画像データが読み出され、32ビット単位で画像データが一時記憶領域に書き込まれる。VRAM84が64ビットを1ワードとするように構成されている場合には、CGROM83から32ビット単位で2回画像データが読み出されたときに、2つの画像データが一時記憶領域に書き込まれる。
次いで、復号後の画像データをVRAM85の一時記憶領域における他の領域に保存する。動画像データがIピクチャである場合には、ステップS1045の処理で一時記憶領域に転送された動画像データのみを用いて復号することができる。しかし、動画像データがBピクチャまたはPピクチャである場合には、ステップS1045の処理で一時記憶領域に転送された動画像データのみを用いて復号することはできず、以前に復号されたフレームや以降に復号されるフレームの画像データも使用する必要がある。そこで、描画プロセッサ109は、VRAM84の一時記憶領域に、Pピクチャの復号のために必要な過去に復号されたフレームの画像データを保存しておく。また、Bピクチャを復号するときには、Bピクチャの復号のために必要なフレームの画像データが復号されるまで、Bピクチャの圧縮データを一時記憶領域に保存し、Bピクチャの復号のために必要なフレームの画像データが復号されると、Bピクチャの画像データを復号する。
以上のように、ステップS1047において、CGROM83からVRAM85に圧縮された動画像データを展開する際に、動画伸張部89(デコーダ)が復号した1フレームに対応する画像データがVRAM85に展開される。そして、VRAM85に展開された画像データにもとづいて画像表示装置9に動画像が表示される。なお、動画像の表示を開始する際には、少なくとも動画表示開始の1割り込み前の動画像復号処理において、最初に画像表示装置9に表示される画像データが復号が演出制御用CPU101によって指示され、動画伸張部89によって復号される。
なお、この実施の形態では、フレームメモリおよびVRAM84は、描画プロセッサ109の外部に設けられているが、フレームメモリおよびVRAM84が描画プロセッサ109に内蔵されている場合には、動画像データ(圧縮データ)は、CGROM83から描画プロセッサ109の内蔵RAMにおける一時記憶領域に転送され、内蔵RAMに転送された圧縮データについて復号がなされることになる。
次いで、描画プロセッサ109は、内蔵DMA回路に、転送元先頭アドレスとして、復号後の画像データが保存されている一時記憶領域の先頭アドレスを設定し(ステップS1048)、転送先先頭アドレスとして、フレームメモリ先頭アドレスレジスタに設定されている転送先先頭アドレスを設定し、復号後の画像データのデータ長(転送データ量)を設定し(ステップS1049)、内蔵DMA回路を起動する(ステップS1050)。
内蔵DMA回路は、転送元先頭アドレスから始まる読出アドレスのVRAMバスへの出力、読出信号出力、転送先先頭アドレスから始まる書込アドレスのVRAMバスへの出力、書込信号出力を、読出アドレスおよび書込アドレスを+1しながら連続的にデータ転送を行う。そして、設定されたデータ長分のデータ転送が完了すると、例えば、内部割込を発生する。描画プロセッサ109は、内部割込が発生したことによって、全てのデータがフレームメモリに転送されたことを認識し(ステップS1051)、復号実行指示レジスタの該当ビットをリセットする(ステップS1052)。演出制御用CPU101は、必要ならば、復号実行指示レジスタの該当ビットがリセットされたことを確認することによって、CGROM83からフレームメモリへの画像データの転送が完了したことを認識できる。
なお、この実施の形態では、描画プロセッサ109は、CGROM83の動画像データ(圧縮データ)をVRAM84の一時記憶領域に保存し、一時記憶領域に保存されている圧縮データを対象として動画伸張部89が復号処理を行っている。しかし、描画プロセッサ109が、CGROM83から32ビット単位で圧縮データを読み出しながら、読み出した圧縮データについて動画伸張部89が復号処理を行うようにしてもよい。そして、復号できた画像データを順次一時記憶領域に保存する。この場合、描画プロセッサ109は、復号前の圧縮データについてはVRAM84に展開しないようにし、描画プロセッサ109の動画伸張部89(デコーダ)は、CGROM83から動画像データのピクチャを読み出し、例えば、読み出したピクチャが前後のピクチャを参照して復号するピクチャ(Bピクチャ)であれば、前後のピクチャを参照して復号を行い、ピクチャを1枚ずつVRAM84に展開していく。そして、描画プロセッサ109は、VRAM84に展開したピクチャを順次画像表示装置9に表示させる。そのような処理を繰り返し実行することによって、動画像データ全てを一度にVRAM84に展開する必要をなくすことができる。例えば、動画像データ全てを一度にVRAM84に展開しようとすると、VRAM84の容量が足りず、動画像の表示に支障が生じてしまう可能性があるが、動画像データ全てを一度にVRAM84に展開する必要をなくすことによって、そのような不都合を防止することができる。
以上のようにして、プロセスデータに設定されている表示制御実行データにもとづくフレームメモリへの描画制御が実行される。表示信号制御部87は、フレームメモリに展開されている画像データにもとづいて画像信号を作成し、画像信号を画像表示装置9に出力して、画像表示装置9における画像表示を実現する。なお、表示信号制御部87は、Vブランク割込の発生間隔(例えば、33.3ms)の期間において、フレームメモリの領域0または領域1に展開されている画像データにもとづく画像信号を所定のクロック信号に同期して画像表示装置9に出力する。表示信号制御部87は、描画制御部91が描画領域としての領域0に対して画像データを展開しているときには表示領域としての領域1に展開されている画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力し、描画制御部91が描画領域としての領域1に対して画像データを展開しているときには表示領域としての領域0に展開されている画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、CGROM83に格納されている動画像データは、復号されたらフレームメモリに転送される。しかし、実際に動画像データにもとづく表示が行われる前に、事前にCGROM83に格納されている動画像データを復号して、例えばVRAM84の一時記憶領域に記憶するようにしてもよい。その場合には、例えば、プロセステーブルにおける最初の表示制御実行データに、動画像データを復号して一時記憶領域に展開するような指令(描画プロセッサ109に対する)を格納し、以降の表示制御実行データにおいて、VRAM84の一時記憶領域からフレームメモリに画像データを転送させるための指令を設定すればよい。
図104は、演出制御メイン処理(図68参照)における客待ちデモ制御処理を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、特別図柄の可変表示または大当り遊技が終了し、保留記憶数が0である場合に、客待ちデモ指定コマンドを送信する。演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、客待ちデモ指定コマンドを受信すると、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットする。
客待ちデモ制御処理において、演出制御用CPU101は、客待ちデモンストレーション演出を実行しているか否か確認し(ステップS601)、実行中でなければ、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS602)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS603)。そして、アドレスポインタに0をセットして(ステップS604)、固定領域データ転送制御処理を実行する(ステップS605)。なお、固定領域データ転送制御処理は、VRAM84の固定領域にCGROM83の共通画像データ領域に記憶されている画像データ(図65(B)参照)を転送するための処理であり、ステップS702の初期データ転送処理において実行される処理と同様の処理である、この段階で固定領域データ転送制御処理を実行することは必須のことではないが、例えば客待ちデモンストレーション演出を開始するときに固定領域データ転送制御処理を実行することによって、何らかの理由(例えば、ノイズなど)に起因してVRAM84の固定領域においてデータ化けしてしまったような場合に、VRAM84の固定領域内の画像データを正しいデータに戻すことができる。
次に、演出制御用CPU101は、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「1」をセットする(ステップS606)。そして、動画モードフラグをセットする(ステップS607)。次いで、客待ちデモンストレーション演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS608)。次いで、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS609)。また、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS610)。そして、プロセスデータ有効フラグをセットする(ステップS611)。なお、表示制御実行データ1に動画像データに関するデータが設定されている場合には、演出制御用CPU101は、図99に示されたステップS985〜S988と同様の制御を実行して、描画プロセッサ109に、動画像データをフレームメモリに展開させる。描画プロセッサ109は、復号実行指示レジスタの該当ビットがセットされたことに応じて、後述する動画復号処理を実行し(図102、図103参照)、動画像データを復号してフレームメモリに展開する。
なお、VRAM84の固定領域に事前転送される画像データが動画像の客待ちデモンストレーション画面の画像データである場合には、ステップS605の処理においても、演出制御用CPU101は、CGバスのデータ幅を32ビットにするために描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「1」をセットする。また、VRAM84の固定領域に事前転送される画像データが静止画像である飾り図柄の画像データである場合には、データバスモードレジスタには「0」がセットされ、CGバスのデータ幅は64ビットである。
客待ちデモンストレーション演出の実行中であれば(ステップS601のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(画像表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS612)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS613)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS614)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS615)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。この場合、演出制御用CPU101は、プロセスデータの切替を行うごとに、客待ちデモンストレーション演出に対応した画像の表示制御を描画プロセッサ109に指示する。そして、描画プロセッサ109は、演出制御用CPU101の指示に従って、客待ちデモンストレーション演出に対応した画像を画像表示装置9に表示する制御を行う。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS616)。
図105は、大当り遊技中に画像表示装置9において、動画像表示を行う場合の大当り表示処理を示すフローチャートである。この場合には、演出制御用CPU101は、ステップS893の処理を実行する前に、描画制御レジスタ95におけるデータバスモードレジスタ(図63参照)に「1」をセットする(ステップS892A)。そして、動画モードフラグをセットする(ステップS892B)。その他の処理は、図78に示された処理と同じである。ただし、この場合には、大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルにおける表示制御実行データには、動画像に関するデータが設定される。
図106は、描画プロセッサ109における描画制御部91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスを示す説明図である。なお、図106では、CGバスI/F93(図4参照)は記載省略されている。図106(A)に示すように、データバスは、物理的には64ビット存在する。
図106(A)には、2つのROM83A,83Bが設けられている場合が示されているが、ROMを増設する場合、図106(B)示すように32ビットのデータ入出力可能な2つのROM83C,83Dを設けたり、64ビットのデータ入出力可能なROMを設ける必要がある。なお、図106(B)では作図の都合上ROM83C,83DにROM83A,83Bからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83A,83Bとの間のデータバスが分岐してROM83C,83Dに配線されている。図106(B)に示すようにバス幅が64ビットである場合に、描画制御部91は、64ビットずつデータを入力する。その場合、ROMを増設するときに1つのROM83Cを設けると、描画制御部91は、入力した64ビットのデータのうち上位32ビットをマスク(強制的に0に設定)したり、2つの64ビットデータのそれぞれの下位32ビットのデータから64ビットデータを作成するといった処理を行う必要がある。
この実施の形態では、CGバスのモードを、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。よって、図106(C)に示すように、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定し、静止画像データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定すれば、増設するROM83Cを1つにすることができる。なお、図106(C)では作図の都合上ROM83CにROM83Aからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83Aとの間のデータバスが分岐してROM83Cに配線されている。図106(C)に示すように構成された場合に、バス幅が32ビットであるときに、すなわち、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードに設定されているときに、描画制御部91は、32ビットずつデータを入力することができる。よって、1つのROM83Cを設けるだけで、描画制御部91は、そのまま32ビットのデータを扱うことができる。
また、ROM増設を行わない場合であって、図106(C)に示すように、3つのROM83A,83B,83CでCGROM83を形成できる場合に、本発明を適用しないときには、図106(B)に示すように、4つのROM83A,83B,83C,83DでCGROM83を形成する必要がある。すなわち、使用するROMの個数が増えてしまう。
動画像データは圧縮された状態でROM83Cに格納されている。従って、ROM83A,83Bに格納されているスプライト画像に比べてデータ量が圧縮されている。よって、動画像データの復号処理にある程度の処理がかかるのであるから、CGROM83から動画像データ(圧縮データ)を読み出すときのバス幅を狭くしてデータ転送速度を低下させても、描画プロセッサ109の全体としての処理性能はさほど低下しないといえる。
また、描画プロセッサ109が圧縮データの復号処理とCGROM83からのデータ読み出し処理とを同時に実行可能である場合には、復号処理を行っている最中にCGROM83から動画像データ(圧縮データ)を読み出すことができる。その場合にも、一度に32ビット分の復号しかできないので復号処理には時間がかかることから、CGROM83から動画像データ(圧縮データ)を読み出すときのバス幅を狭くしてデータ転送速度を低下させても問題はないといえる。同様に、圧縮データの復号処理とデータ読み出し処理とを同時に実行可能であるとともに、フレームバッファへの書き込み処理も同時に実行可能である場合にも、CGROM83から動画像データ(圧縮データ)を読み出すときのバス幅を狭くしてデータ転送速度を低下させても問題はないといえる。
なお、ROM83Cに格納されている画像データは動画像データに限定されない。バス幅が32ビットに設定されたときに使用されるROM83Cに静止画像データも記憶されていてもよい。逆に、バス幅が64ビットに設定されたときに使用されるROM83A,84Bに動画像データも記憶されていてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、リーチ判定用の乱数値MR2−2を用いたリーチ状態とするか否かの決定結果にもとづいて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を用いて識別情報の変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、決定した変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から、変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて特別図柄(第1特別図柄、第2の特別図柄)の変動パターンを決定する。そのため、リーチ状態とする旨の決定がなされたか否かにかかわらず、共通の変動パターン種別判定用の乱数値MR3を用いて変動パターンの種別を決定することができ、変動パターンを決定するためのプログラムの容量(変動パターンを決定するための作業領域のデータ容量)を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、描画プロセッサ109(VDP)が、データバスのバス幅を所定のバス幅(例えば、64ビットのバス幅)に設定した状態でCGROM83から画像データを読み出すとともに、所定の条件が成立したときに(例えば、動画像データを読み出すときに)データバスのバス幅を所定のバス幅とは異なる特定のバス幅(例えば、32ビットのバス幅)に変更してCGROM83から画像データを読み出す。そのため、バス幅を切り替えてCGROM83から画像データを読み出すことができ、CGROM83にかかるコストを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、リーチ判定用の乱数値MR2−2を用いた判定処理によってリーチ状態とする旨の決定がなされたことに対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を用いてリーチ状態に応じた複数種類の変動パターン種別のいずれかに決定する。また、リーチ判定用の乱数値MR2−2を用いた判定処理によってリーチ状態としない旨の決定がなされたことに対応して、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を用いて特別図柄の可変表示中に画像表示装置9において特定の演出(「滑り」、「擬似連」、「イントロ」、「発展チャンス目」などの演出)を実行する変動パターン種別を含む複数種類の変動パターン種別のいずれかに決定する。そのため、はずれと決定されたときであってリーチ状態としない旨の決定がなされたときであっても、変動表示中に特定の演出を実行することができる。従って、大当りとならないとともにリーチ態様とならないときであっても、変動表示中に多様な演出を実行することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
例えば、従来の遊技機として、特開2005−160763号公報には、変動種別カウンタCS1,CS2などの2つの変動種別カウンタの値を用いることで、第1変動種別カウンタCS1の値にもとづいてリーチ種別などを決定するとともに、第2変動種別カウンタCS2の値にもとづいてより細かな図柄変動態様を決定するように構成された遊技機が記載されている。しかし、特開2005−160763号公報に記載された遊技機では、大当り時やリーチ発生時における変動パターンを決定するために、2つの変動種別カウンタの値が用いられているものの、大当りでもリーチでもない場合には、第2変動種別カウンタCS2を使わずに、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて図柄変動種別を決定している。そのため、大当りでもリーチでもない場合に決定される図柄変動種別が少なくなり、大当りでもリーチでもない場合における遊技興趣を向上させることができない。
また、大当りでもリーチでもない場合には1つの乱数のみを用いて変動パターンを決定しているので、各変動パターンが選択される確率が同じになりやすく、各変動パターンの選択割合にランダム性がなく偏りが生じやすい。また、あえて各変動パターンの選択割合をランダムにしようとすれば、乱数値に対する判定値の割り当て方法が複雑となり、各変動パターンの出現頻度を設計する際の煩雑さが増加する。
この実施の形態では、大当りでもリーチでもない場合であっても2つの乱数を用いて特定の演出を含む変動パターンに決定される場合があるので、大当りでもリーチでもない場合における図柄変動種別を増加させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、変動パターン種別判定用の乱数値MR3を用いて変動パターンの種別の振り分けを行った上で、さらに変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて最終的に変動パターンを決定するように構成されているので(すなわち、2段階の抽選処理で変動パターンを決定するので)、各変動パターンの選択割合を容易にランダムにすることができ、各変動パターンの選択割合に偏りが生じないようにすることができる。
また、例えば、1つの乱数のみを用いて変動パターンを決定する場合には、各変動パターンの振り分けを変更しようとするときに、全ての変動パターンに対する乱数値の振り分けを変更しなければならない。これに対し、この実施の形態では、振り分けられた変動パターン種別内の各変動パターンに対する乱数値の振り分けのみを変更すればよいので、各変動パターンの出現頻度を容易に設計変更することができる。
また、この実施の形態によれば、描画プロセッサ109が、CGROM83から動画像データを読み出すときに所定の条件が成立したと判断し、データバスのバス幅を所定のバス幅(例えば、64ビットのバス幅)から特定のバス幅(例えば、32ビットのバス幅)に変更して動画像データをCGROM83から読み出す。そのため、CGROM83から動画像データを読み出すときに最適なバス幅に切り替えることができ、動画像データなどの画像処理の処理効率を向上させることができる。
例えば、CGROM83から読み出すデータがスプライト画像などの静止画像データである場合には、データバスのバス幅が広い方が高速にCGROM83から読み出せるのであるから、広い所定のバス幅(例えば、64ビットのバス幅)でデータを読み出した方が高速に処理を行うことができる。一方、CGROM83から読み出すデータが動画像データである場合には、動画像データを読み出した後に実行する復号処理に時間がかかるため、ある特定のバス幅で動画像データを読み出しても、それより広いバス幅で動画像データを読み出しても、全体の処理時間はそれほど変わらない。むしろ、同じ処理速度で復号処理できないにもかかわらず、CGROM83からの読み出し処理を高速に行っているため、全体の処理効率が低下してしまう。そこで、この実施の形態では、CGROM83から動画像データを読み出すときには、狭い特定のバス幅(例えば、32ビットのバス幅)に切り替えてCGROM83から動画像データを読み出すようにすることによって、動画像データなどの画像処理の処理効率を向上させている。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出や客待ちデモンストレーション演出を行う場合に、図66に示すスーパーリーチ動画像データや客待ちデモンストレーション動画像データをCGROM83から読み出して、復号処理を施した後に画像表示装置9に表示する場合を示したが、動画像データを用いた演出は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、描画プロセッサ109は、大当りの発生時に、大当り表示用の動画像データをCGROM83から読み出して、復号処理を施した後に画像表示装置9に表示することによって、大当り表示演出(ファンファーレ演出)を行うようにしてもよい。
また、広い所定のバス幅(例えば、64ビットのバス幅)のみでCGROM83からデータを読み出すように構成している場合には、小容量のデータを記憶するROMを増設したい場合であっても、32ビットのデータ入出力可能な2つのROMを設けたり、64ビットのデータ入出力可能なROMを設けなければならず、コストがかかってしまう。この実施の形態では、狭い特定のバス幅(例えば、64ビットのバス幅)に切り替えてCGROM83からデータを読み出すことができるので、小容量のデータを記憶するROMを増設したい場合などに、32ビットのデータ入出力可能なROMを1つ増設することが可能であり、CGROM83にかかるコストを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、第1特別図柄表示器8aと、第2特別図柄表示器8bとを備える。そして、第1特別図柄の変動パターン種別を決定するときと第2特別図柄の変動パターン種別を決定するときとで、変動パターン種別判定用の乱数値MR3として共通の乱数を用いて変動パターン種別を決定する。そのため、第1特別図柄の変動パターン種別を決定するための乱数用の乱数カウンタと、と第2特別図柄の変動パターン種別を決定するための乱数用の乱数カウンタとを共通化することができ、乱数カウンタを確保するためのRAM容量を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって送信されたコマンドにもとづいて、画像表示装置9における複数の飾り図柄表示エリアに表示結果として導出表示する飾り図柄を複数種類の中から決定する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100側で画像表示装置9に導出表示する表示結果を決定するようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって送信されたコマンドにもとづいて、特殊表示結果(擬似連チャンス目や、発展チャンス目、突確チャンス目、図26に示す一定の非リーチ組み合わせ)とするか否かを判定する。また、特殊表示結果とすると判定したときに、所定の有効ライン上に導出表示される飾り図柄の変動表示の表示結果として特殊表示結果となる飾り図柄の停止図柄を決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって送信されたコマンドにもとづいて、リーチとなりかつ大当り遊技状態に移行されないことを特定したときは、所定の有効ライン上における最後に導出表示される中最終停止図柄と左右最終停止図柄との差分を最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて決定し、決定した左右最終停止図柄との差分によって中最終停止図柄を決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって送信されたコマンドにもとづいて、リーチとならずかつ大当り遊技状態に移行されないことを特定したときは、所定の有効ラインにおける飾り図柄の組み合わせが特殊表示結果とならないように設定された左右出目判定テーブル161を用いて中最終停止図柄を決定する。従って、可変表示の表示結果として飾り図柄の組み合わせが特殊表示結果(チャンス目)にならないと判定されたときに、特殊表示結果が導出表示されるのを確実に防止することができる。また、内部的に非特定表示結果(ドハズレ図柄)と判定されているにもかかわらず、特殊表示結果を導出表示してしまって遊技者を混乱させてしまう事態を防止することができる。さらに、リーチとならずかつ特定遊技状態に移行されないことを特定したときには、差分を用いずに中最終停止図柄を決定するので、リーチとならない非特定表示結果における識別情報の組み合わせが多彩となる。
また、この実施の形態によれば、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立したことにもとづいて特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを有する。そのため、複数の識別情報の可変表示を行えるようにすることによって、より遊技性に幅をもたせるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、第1特別図柄表示器8aに表示結果を導出表示したときまたは第2特別図柄表示器8bに表示結果を導出表示したときに、第1保留記憶数が1以上であるとともに第2保留記憶数が1以上である場合に、第1特別図柄の可変表示または第2特別図柄の可変表示のうち、いずれか一方の特別図柄の可変表示を優先して実行する。そのため、第1特別図柄の可変表示の実行条件が成立しやすいときには第1特別図柄の可変表示を優先して実行することができるとともに、第2特別図柄の可変表示の実行条件が成立しやすいときには第2特別図柄の可変表示を優先して実行することができ、保留記憶数を効率的に消化することができる。そのため、可変表示の実行条件の成立が無効に生じてしまう事態を低減できるとともに、可変表示の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計に対応する合計保留記憶数が所定数以上のときには、合計保留記憶数が所定数未満であるときに比べて可変表示時間を短縮する。そのため、合計保留記憶数が所定値以上であるときに、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちのいずれか一方の特別図柄表示器で短縮変動が行われ、他方の特別図柄表示器では短縮変動が行われない事態が発生することを防止できる。そのため、遊技者に違和感を与える事態を防止することが出来るとともに、可変表示の実行条件の成立が無効に生じてしまう事態を低減することができる。従って、可変表示の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、はずれと決定した場合に、画像表示装置9における飾り図柄の可変表示においてリーチ演出を実行するか否かを決定する。この場合、合計保留記憶数が多いときには、合計保留記憶数が少ないときと比較して、少ない割合でリーチ演出を実行すると決定する。そのため、合計保留記憶数が多いときには、飾り図柄の変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減することができる。したがって、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを備えた遊技機において、可変表示の稼働率を向上させることができるとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を行うときと、第2特別図柄の変動表示を行なうときとで、大当り判定の処理(ステップS1508〜S1517参照)などを共通ルーチンの処理として実行する場合を示したが、始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)において、第1始動入賞口13への始動入賞の確認処理と、第2始動入賞口14への始動入賞の確認処理とについても、共通ルーチン化してもよい。図107は、共通ルーチン化した場合の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図107に示す例では、CPU56は、まず、第2始動入賞口スイッチ14aがオンであるか否かを確認する(ステップS211A)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ(すなわち、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば)、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS211B)。
始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4でるか否かを確認する(ステップS212A)。始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS214A)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動口入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216A)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合計保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合計保留記憶数を示す保留記憶数通知コマンドを送信する(ステップS218)。
なお、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aが両方とも同じタイミングでオン状態となることもありうる。そのため、ステップS211Aで第2始動口スイッチ14aがオン状態であったことにもとづいてステップS211Bで始動口ポインタに「第2」を示すデータをセットした場合に、ステップS212A〜S218の処理を実行した後に、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、ステップS211Cを実行して始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし、ステップS212A以降の処理を実行するようにしてもよい。
また、始動口スイッチ通過処理を共通ルーチン化する場合に、図50と同様の共通保留記憶数バッファを用いるようにしてもよい。この場合、CPU56は、ステップS213Aで第1保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS214Aの処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。また、CPU56は、ステップS215Aの処理に代えて、各乱数値(特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4)を抽出し、それらを、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。
また、始動口スイッチ通過処理を共通ルーチン化する場合も、CPU56は、図53に示した変動パターン設定処理と同様の処理に従って、変動パターン種別判定用の乱数値MR3にもとづいて変動パターン種別を決定した後に(ステップS331参照)、変動パターン判定用の乱数値MR4にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS333参照)。
また、始動口スイッチ通過処理を共通ルーチン化する場合においても、全ての乱数値を始動入賞発生時に抽出するのではなく、変動パターン種別判定用の乱数MR3や変動パターン判定用の乱数値MR4など変動パターンを決定するための乱数値については、特別図柄の変動開始時に(すなわち、変動パターン決定のタイミングで(ステップS331,S333参照))抽出するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、以下の(1)〜(6)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示を画像表示装置(例えば、画像表示装置9)にて行い、識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、画像表示装置の表示状態を制御するための指令を行う演出制御用マイクロコンピュータ(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、各々の識別情報の画像データを含む複数の画像データを記憶する画像データ記憶手段(例えば、CGROM83)と、データバス(例えば、CGバス)を介して画像データ記憶手段に記憶されている画像データを読み出し可能に画像データ記憶手段に接続され、演出制御用マイクロコンピュータの指令に応じて、画像データ記憶手段に記憶されている画像データにもとづいて画像表示装置に画像を表示させる処理を行う画像処理手段(例えば、描画プロセッサ109)とを備え、画像データ記憶手段は、データバスのバス幅が第1のバス幅(例えば、64ビット)に設定されているときに画像データが読み出される第1のROM(例えば、ROM83A,83B)と、データバスのバス幅が第1のバス幅よりも狭い第2のバス幅(例えば、32ビット)に設定されているときに画像データが読み出される第2のROM(例えば、ROM83C)とを含み、第2のROMには、動画像データ(例えば、圧縮データ)が記憶され、画像処理手段は、第2のROMから画像データを読み出すときに、データバスのバス幅の設定を、第1のバス幅から第2のバス幅に変更する(例えば、ステップS963の処理でデータバスモードレジスタに「1」が設定されたことに応じてCGバスの上位32ビットを無効にする)ことを特徴とする。そのような構成によれば、データバスのバス幅が第2のバス幅に変更されたときに画像データが読み出される画像データ記憶手段のROMとして、データバスのバス幅が第1のバス幅に設定されているときに画像データが読み出されるROMよりも、少ないビットのデータ入出力可能なROMを使用することができ、その結果、画像データ記憶手段を構成するメモリの使用個数を少なくできる効果がある。また、動画像データを読み出すときにデータバスのバス幅が狭くなるが、画像処理手段における動画像の制御は静止画像の制御に比べて時間がかかることから、バス幅を狭くしても画像処理性能が低下することを防止できる。
(2)第2のROMには、動画像データが圧縮された状態で記憶され、画像処理手段は、圧縮されたデータを復号する復号手段(例えば、動画伸張部89)を含む。そのような構成によれば、復号手段の処理は静止画像の制御に比べて時間がかかることから、バス幅を狭くして画像データの読出速度を低下させても、画像処理性能が低下することはない。
(3)演出制御用マイクロコンピュータは、識別情報の可変表示が行われるときに画像表示装置において実行される表示演出を、複数種類の表示演出から選択する表示演出選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS840,S842の処理を実行する部分。受信した変動パターンコマンドに応じて複数種類の変動パターンから使用する変動パターンを選択してもよい)を含み、複数種類の表示演出は、画像表示装置における識別情報の表示結果を特定表示結果とするときに、特定表示結果としないときに比べて選択されやすい所定表示演出(例えば、スーパーリーチ演出)を含み、画像処理手段は、表示演出選択手段が表示演出として所定表示演出を選択したときに、データバスのバス幅の設定を第2のバス幅に変更して、該第2のROMから画像データを読み出す(例えば、動画像データの転送を示すプロセスデータが含まれるプロセステーブルが選択されたことに応じて、ステップS966でデータバスモードレジスタに「1」が設定され、ステップS981〜S985の処理が実行された後、ステップS1041〜ステップS1052の処理を実行)。そのような構成によれば、所定表示演出が選択されたときには第2のROMに記憶されている動画像データが使用されることになり、画像処理性能が低下させることなく、遊技の興趣を向上させた遊技演出を実行することができる。
(4)第1のROM(例えば、ROM83A,83B)には、画像データとして識別情報を表示するために用いられるスプライト画像(例えば、静止画データ)が記憶されている。そのような構成によれば、識別情報を迅速に処理することができる。
(5)画像処理手段は、画像データ記憶手段から読み出された画像データを保存する保存手段(例えば、VRAM84)と、画像データが設定されるフレーム記憶手段(例えば、フレームバッファ85)と、フレーム記憶手段に設定された画像データにもとづいて画像表示装置に画像を表示させる画像表示手段(例えば、表示信号制御部87)と、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、使用頻度が所定の画像データより高い画像データを画像データ記憶手段から読み出し、保存手段における固定保存領域(例えば、VRAM84における固定領域)に転送する転送手段(例えば、描画プロセッサ109(具体的には、データ転送回路94)において、ステップS924,S925の処理が実行されたことにもとづいて、ステップS1001〜S1006の処理を実行する部分)とを含むとともに、フレーム記憶手段に画像データを設定するときに、フレーム記憶手段に設定する対象の画像データが固定保存領域に転送されているときには、固定保存領域から画像データを読み出してフレーム記憶手段に設定し(例えば、ステップS972〜S976の処理が実行されたことにもとづいて、ステップS1025〜S1030の処理を実行)、フレーム記憶手段に画像データを設定するときに、フレーム記憶手段に設定する対象の画像データが固定保存領域に転送されていないときには、画像データ記憶手段から画像データを読み出し、読み出した画像データを保存手段における一時保存領域を介してフレーム記憶手段に設定する(例えば、ステップS981〜S984の処理が実行されたことにもとづいて、ステップS1031〜S1040の処理を実行する)。そのような構成によれば、識別情報の可変表示が行われているときに、迅速にフレーム記憶手段に画像データを設定することができ、確実に画像表示装置に切替後の画像(可変表示された画像)を表示させることができる。また、遊技機に対する電力供給が開始された後、使用頻度が高い画像データを画像データ記憶手段から読み出す必要はなく、画像処理手段の処理負担を軽減できる。
(6)複数種類の識別情報は、複数の遊技モード(例えば、演出モード#1〜#3)のいずれにおいても使用される共通識別情報(例えば、共通画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄)と、複数の遊技モードのそれぞれにおいて使用される各々の選択識別情報(例えば、選択画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄)とを含み、転送手段は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、共通識別情報の画像データを画像データ記憶手段から読み出し、保存手段における固定保存領域に転送し(例えば、ステップS924,S925の処理が実行されたことにもとづいてステップS1001〜S1006の処理を実行)、遊技モードが確定したときに、該遊技モードで使用される選択識別情報の画像データを画像データ記憶手段から読み出し、保存手段に転送する(例えば、ステップS877,S941〜951の処理が実行されたことにもとづいてステップS1011〜S1021の処理を実行)。そのような構成によれば、遊技モード毎に複数の識別情報の画像データを画像データ記憶手段に記憶する場合に比べて、画像データ記憶手段の記憶容量を節減できる。また、最初に識別情報の可変表示が開始された後、共通識別情報の画像データを画像データ記憶手段から読み出す必要はなく、画像処理手段の処理負担を軽減できる。
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した遊技機を、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉鎖状態のいずれかの状態に制御可能な可変入賞球装置(役物)を備え、可変入賞球装置内に設けられた入賞領域のうち特別領域(V入賞ゾーン)に遊技球が入賞したときに、可変入賞球装置を所定回開放状態に制御する大当り遊技状態に移行させる遊技機に適用してもよい。以下、可変入賞球装置内に設けられた特別領域に遊技球が入賞したときに、可変入賞球装置を所定回開放状態に制御する大当り遊技状態に移行させる遊技機に適用した場合の第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。例えば、この実施の形態において、CPU56は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄の変動表示用の変動パターンを決定する。また、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、描画プロセッサ109に指示して、画像表示装置9に静止画像を表示させたり動画像を表示させる。
図108は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図108に示すように、遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口13と、第2始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口13に入った入賞球は第1始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第2始動入賞口14に入った入賞球は第2始動口スイッチ14aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口13と、第2始動入賞口14とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口13,14と表すことがある。また、第1始動口スイッチ13aと、第2始動口スイッチ14aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ13a,14aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、大入賞口または役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
また、可変入賞球装置20は、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特定領域に入賞したこと。)が成立すると、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。なお、始動動作状態を除き、可変入賞球装置20が開閉制御される状態(大当り遊技状態)を第1大当り遊技状態ということがある。また、第1大当り遊技状態における複数のラウンドのうちに、開閉板16が開状態にされることによって開放状態になる大入賞口が開閉制御されるラウンドが含まれる場合がある。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる画像表示装置9が設けられている。画像表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、画像表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、例えば、7セグメント表示器によって構成される。また、可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に遊技球が入った有効入賞球数すなわち第1始動記憶数を表示する4つのLEDから成る第1特別図柄始動記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄始動記憶表示器18aは、第1始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。第1特別図柄始動記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aで可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、第1特別図柄始動記憶表示器18aは、第1特別図柄表示器8aで可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に遊技球が入った有効入賞球数すなわち第2始動記憶数を表示する4つのLEDから成る第2特別図柄始動記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄始動記憶表示器18bは、第2始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。第2特別図柄始動記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bで可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、第2特別図柄始動記憶表示器18bは、第2特別図柄表示器8bで可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄(「0」〜「9」)または第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄(「0」〜「9」の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄または第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、それ以外の図柄(小当り図柄)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図109〜図117を参照して説明する。図109および図110は、遊技盤6に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図111は、図109および図110に示されている開放扉76A,76Bの裏面側に設けられている遊技球の通過口71,72,73を有する構造物を示す斜視図である。図112は、通過口71から特定領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図113は、通過口73から特定領域を形成する特定入賞口に至る経路を示す斜視図である。図114(A)、図115(A)および図116は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図114(B)および図115(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図116には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。図117は、回転体86を上側から見た上面図である。なお、図110、図112〜図116において、矢印は遊技球の進路を示す。
可変入賞装置(役物)20は、開閉モータ75の駆動によって開放扉76A,76Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物20に進入した遊技球は、通過口71,72,73のいずれかを通過して、役物20における下部側に流下する。通過口71を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ71aで検出され、通過口72を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ72aで検出され、通過口73を通過した遊技球は、第3役物入賞スイッチ73aで検出される。また、通過口71を通過した遊技球は、誘導樋71Aを通過して役物20内の左方に導かれる。通過口72,73を通過した遊技球は、誘導樋73Aを通過して役物20内の右方に導かれる。なお、図109には、開放扉76A,76Bが閉鎖して遊技球が役物20に進入不能である状態が示され、図110には、開放扉76A,76Bが開放した状態が示されている。また、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aと、第3役物入賞スイッチ73aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
開放扉76A,76B(図111において図示せず)は、図111に示す構造物の手前側に設けられている。遊技球は、図111に示す構造物における3つの通路(手前側から奥側に向かう経路)のいずれかを通って通過口71,72,73のいずれかに至る。開放扉76A,76Bが閉鎖している状態(完全閉鎖状態)では、遊技球は、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入不能である。開放扉76A,76Bが開放状態になると、3つの通過口71,72,73のいずれかに進入できる状態になるが、開放扉76A,76Bが最も開いている状態(完全開放状態)では3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能であるが、開放扉76A,76Bが完全開放状態から完全閉鎖状態に移行する期間では、開放面積が狭くなるにつれて、左右の通過口71,73に比べて、中央の通過口72を通過しやすくなる。また、完全閉鎖状態から完全開放状態に移行する期間では、中央の通過口72に遊技球が進入しやすい状態から、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能な状態に徐々に移行する。
つまり、開放扉76A,76Bが完全閉鎖状態から開放状態への移行を開始した直後、および完全閉鎖状態に戻る直前では、相対的に、遊技球が中央の通過口72を通過する割合が高くなる。なお、開放扉76A,76Bが開放するということは役物20が開放状態になるということであり、開放扉76A,76Bが閉鎖するということは役物20が閉鎖状態になるということである。また、開放扉76Aと開放扉76Bとは、対象状態で移動する。対象状態で移動するとは、中心(中央の通過口72の中心軸)から開放扉76Aの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離と、中心から開放扉76Bの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離とが常に同じであることを意味する。
役物20の左右両側には、可動部材77,78が設けられている。可動部材77において動く部分は可動部77Aであり、可動部材78において動く部分は可動部78Aである。可動部77Aは可動部駆動ソレノイド77Bによって動かされ、可動部78Aは可動部駆動ソレノイド78Bによって動かされる。可動部77Aおよび可動部78Aは、それぞれ、上下方向に動く。役物20における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出されたことをV入賞ともいう。
通過口71を通過し誘導樋71A(図112において図示せず)によって導かれた遊技球は、図112(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図112(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図112(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
通過口72,73を通過し誘導樋73A(図113において図示せず)によって導かれた遊技球は、図113(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路73Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路73Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になっている。通路73Bの開放部は湾曲し、開放部の始まり部分における湾曲の内側には壁が存在しない。図113(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路73Bの開放部の始まり部分において通路73Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球を、内壁が存在しない部分から、特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路73Cに導く。図113(A)に示すように、可動部78Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部78Aに阻止されず、遠心力によって湾曲の外側の壁に沿うように通路73Bを流れるので、可動部78Aが設けられている位置から通路73Bの下流側に流下する。
通路73Bは、途中穴74に至る。回転体86は、途中穴74の下部に設けられている。途中穴74を通過した遊技球は、回転体86の側に流下する。
図114(A)に示すように、途中穴74を通過した遊技球は、通路74Bを通って特定領域の側に流下する。通路74Bは、回転体86の上部において、凹部86Cと凹部86Cとの間(切り欠き部86Aの部分を除く)を通って、通過口71からの経路である通路71Bと合流する。
なお、この実施の形態では、通過口72を通った遊技球と通過口73を通った遊技球とは誘導樋73Aで合流するが、通過口72を通った遊技球と、通過口73を通った遊技球とを合流させず、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けてもよい。
図114(B)に示すように、特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図115(A)に示すように、はずれ通路71C,73Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67,68から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
また、図117に示すように、回転体86の表面には複数の凹部86Cが形成され、回転体86の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。図117に示す例では、7個の凹部86Cが設けられている。途中穴74から通路74Bに入った遊技球および通路71Bを通過した遊技球は回転体86に至るが、回転体86の切り欠き部86Aのみから、特定入賞口66に入賞可能である。回転体86における枠領域(ドーナツ部)の表面に形成されている凹部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、凹部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、凹部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った凹部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、凹部86Cの外縁部の壁部によって、凹部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの凹部86Cとそれに隣接する凹部86Cとの間(以下、「接続部」ともいう。)は連通穴ではないので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
図116に破線矢印で示すように、回転体86は、回転体駆動モータ87(図117参照)の駆動によって回転(この例では、反時計回りに回転)する。回転体86の回転中に、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置したときに回転体86に到達した遊技球は、直ちに特定入賞口66に入賞可能である。また、回転体86におけるドーナツ部の内側の領域(内部領域)は、平面状に形成された領域である。よって、回転体86に到達した遊技球は、内部領域で転動した後に、切り欠き部86Aまたは凹部86Cに入ることもある。
また、図117に示すように、回転体86の近傍には、位置検出のためのセンサが設けられている。センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86には穴部87cが設けられている。穴部87cは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、回転体86が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、受光素子を、以下、位置センサ87aという。
途中穴74を通過し通路74Bを通って回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときには、ほぼ必ず切り欠き部86Aから落下して特定入賞口66に入賞する。しかし、通路71Bから遊技球が回転体86に到達した場合には、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときでも、切り欠き部86Aから落下せず、切り欠き部86Aから外れて凹部86Cに渡ってしまうことがある。途中穴74から回転体86へのルートである通路74Bは回転体86の表面に対して急傾斜し、かつ、回転体86に対して上部から流下するように形成されているのに対して、通路71Bは、回転体86に流入する直前において、回転体86の表面に対して横方向から流入するように形成されているため、遊技球が流入する勢いによっては、うまく切り欠き部86Aに入るとは限らないからである。
よって、この実施の形態では、遊技球が中央の通過口72または右の通過口73を通過した場合には、遊技球が左の通過口71を通過した場合に比べて、高い確率でV入賞が生ずる。つまり、通過口72および通過口73からの右ルートは、通過口71からの左ルートに対して、遊技球を特定入賞口66に誘導しやすくなっている。また、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けた場合には、遊技球が中央の通過口72を通過したときには、可動部77A,78Aによって阻止されることがないので、左右の通過口71,73を通過した場合に比べて、特定入賞口66に到達しやすい。
なお、この実施の形態では、始動動作状態時または第2大当り遊技状態において、遊技球が役物入賞スイッチで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、3つの役物入賞スイッチ71a,72a,73aが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
図118は、第2の実施の形態における遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図118に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ13a,14aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、大当りまたは小当りであって、はずれはない。そして、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。なお、大当りおよび小当りに加えてはずれにも決定するようにしてもよい。この場合、例えば、はずれと決定した場合には、第1の実施の形態と同様の処理に従って、リーチ判定用の乱数値MR2−2を用いてリーチとするか否かを決定し、変動パターン種別判定用の乱数値MR3および変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて変動パターンを決定する。そして、表示結果が小当り図柄となったときに、小当り遊技状態に移行して、以下に説明する役物20開放の処理を行うようにしてもよい。
特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口(第1大入賞口)が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。このように、なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回または2回である。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態では、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開閉制御される状態と、第1大入賞口が開閉制御されるラウンドと第2大入賞口が開閉制御されるラウンドとが混在する状態とがある。このように、次ラウンドの継続権が発生しやすい第1大入賞口によるラウンドと、次ラウンドの継続権が発生しにくい第2大入賞口によるラウンドとがあるので、遊技のバリエーションが増やされている。ただし、開閉板16による第1大入賞口と可変入賞球装置20による第2大入賞口との双方を備えることなく第2大入賞口のみを備えた遊技機でも、特別図柄の表示結果に応じて大当り遊技状態における大入賞口の開放回数を異ならせる本発明を適用することができる。また、役物20を第2大入賞口として用いることなく、第2大当り遊技状態において開閉版16による第1大入賞口のみを開閉制御するようにしてもよい。
図119は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図119に示すように、「始動入賞」が生ずると、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて第1特別図柄または第2特別図柄の変動が行われ、それに同期して画像表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。なお、以下に説明するように、第1特別図柄または第2特別図柄の変動に同期して画像表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図119では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図120は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始および大当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図120に示すように、「始動入賞」が生ずると、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて第1特別図柄または第2特別図柄の変動が行われ、それに同期して画像表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。停止図柄が大当り図柄(「3」または「7」)である場合には、大当り表示(「大当り」または「確変大当たり」)が行われ、大当たり遊技が開始される。その場合、小当り遊技8始動動作状態の遊技)は、実行されない。このように、この実施の形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が特定の図柄になったときに発生する大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態)と、小当り遊技においてV入賞が生ずると発生する大当たり遊技状態(第2大当たり遊技状態)とがあるので、遊技者は、複数種類の大当たり遊技を享受することができる。なお、以下に説明するように、第1特別図柄または第2特別図柄の変動に同期して画像表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図120では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図121は、画像表示装置9における変動後演出(特別図柄の変動終了と小当り遊技の開始までに実行される演出)等の画像表示例を示す説明図である。図121(A)は、小当り(役物1回開放)の表示演出の一例を示す説明図であり、図121(B)は、小当り(役物2回開放)の表示演出の一例を示す説明図である。図121(C)には、小当り遊技においてV入賞が発生した場合の表示演出の一例を示す説明図である。図121(C)に例示する表示演出は、例えば小当り遊技中に実行される。なお、図121(A),(B)に例示する表示演出も、小当り遊技中に実行されるようにしてもよい。
なお、図121(A),(B)には静止画像が例示されているが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、画像表示装置9に、変動後演出期間において、図121(A),(B)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、花びらが徐々に落下したり移動したりするような画像)を順次表示させるように制御する。また、画像表示装置9に変動後演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも変動後演出を行わせる。
図122は、特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係を示す説明図である。図122に示すように、特別図柄の停止図柄には大当り図柄(この例では、「3」または「7」)と小当り図柄(この例では、「3」および「7」以外)とがあるが、小当り図柄と第2大当り遊技状態におけるラウンド数とは対応している。また、小当り図柄と始動動作状態における役物20の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。なお、この実施の形態では、ラウンド数は小当り図柄の種類で決まるが、小当り図柄の種類の種類に加えて、通過口71,72,73のいずれを遊技球が通過したかによって、決定されるラウンド数の範囲や種類、ラウンドの振り分け割合を異ならせるようにしてもよい。
次に、遊技機における制御手段等の構成および動作を説明する。
図123は、第2の実施の形態における主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図123には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、および位置センサ87aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開閉モータ75、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B、可動部78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド78Bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
図124は、第2の実施の形態における特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの例を示すフローチャートである。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
役物開放前処理(ステップS303A):特別図柄プロセスフラグの値に従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS303B)に応じた値に更新する。
役物開放中処理(ステップS303B):特別図柄プロセスフラグの値に従って、特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS303C)に対応した値に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS303C):特別図柄プロセスフラグの値に従って、V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値に従って、第2大入賞口(すなわち役物20)または第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値に従って、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値に従って、大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
なお、特別図柄通常処理(ステップS300)、変動パターン設定処理(ステップS301)、特別図柄変動処理(ステップS302)、特別図柄停止処理(ステップS303)および大当り終了処理(ステップS307)の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図125は、役物開放前処理(ステップS303A)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1または2を設定し(ステップS411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開閉扉76A,76Bを駆動する開閉モータ75の駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS303B)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図126は、役物開放中処理(ステップS303B)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS420E)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS434A)。
なお、回転体86の初期位置は、位置センサ87aが検出信号を出力したときの回転体86の位置である。つまり、回転体86に設けられている穴部87cがセンサ設置位置に対応する位置にきたときの回転体86の位置である。従って、CPU56は、実際には、ステップS434Aにおいて、位置センサ87aが検出信号を出力したときに、回転体駆動モータ87の駆動を停止する。また、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を停止することによって、可動部77A,78Aを初期位置に戻す。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS303C)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物20から排出されたときに、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップSS420,S420A,S420C,S434,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物20から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(図129におけるステップS454,S469参照)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図127は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPUは、回転体86および可動部77A,78Aが動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か確認する(ステップS435)。動作中でなければ、役物20が開放したか否か確認する(ステップS436)。オンしたら、回転体86の駆動を開始する(ステップS437)。すなわち、回転体駆動モータ87を回転させる。また、可動部77A,78Aの駆動を開始する(ステップS438)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を開始する。なお、ステップS437,S438の処理を実行すると、CPU56は、回転体・可動部動作中であることを示す内部フラグをセットする。また、役物20が開放したか否かは、例えば、ステップS413の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS436の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
図128は、役物20の1回の開放における回転体86および可動部77A,78Aの動作例を示すタイミング図である。図128に示すように、回転体86は、0.9秒+αの時間だけ定速回転する。αは、役物20の開放開始時点より0.9秒が経過したときから、役物20に進入した全ての遊技球が排出されるときまでの期間である。
また、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS439)。なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
図129は、役物閉鎖後処理(ステップS303C)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS455)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS456)。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば画像表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS457)。また、大当りフラグをセットする(ステップS458)。
そして、CPU56は、当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS459)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS460)。
ステップS454の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図130は、第2の実施の形態における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS476,S477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS478)。また、第2大入賞口(役物20)を開放するラウンドでは、開閉モータ75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態にする(ステップS476,S479)。また、役物20に入賞した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS480)、ステップS478に移行する。
図131は、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを示す説明図である。CPU56は、図131に示すように、既に決定されている特別図柄の停止図柄の対応して、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを決定する。なお、第1大当りにすることに決定されている場合(この例では、特別図柄の停止図柄が「3」または「7」に決定されている場合)には、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。また、特別図柄の停止図柄が「8」または「9」である場合には、図131に示すように、小当り遊技が終了した後に実行される第2大当り遊技において、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。
図132および図133は、第2の実施の形態における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、第1大入賞口の開放中であるか否か確認する(ステップS480)。第1大入賞口を開放していたときには、ステップS481Bに移行する。
第1大入賞口を開放していないとき(第2大入賞口を開放していたとき)には、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481A)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS497に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482A)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、開放時間タイマをクリアする(ステップS482B)とともに、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS482C)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。そして、ステップS497に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483A)。開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS484)、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS495)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。
開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、回転体・可動部制御を実行する(ステップS485)。回転体・可動部制御は、図35に示された処理と同様である。ただし、ここでは、第2大入賞口を閉鎖して役物20から遊技球が排出されるまで、回転体86の定速回転を継続させる。また、可動部77A,78Aについては、第2大入賞口を閉鎖するまで、0.9秒ごとに、ステップS439の処理(図127参照)を繰り返す。
また、役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち大入賞口(役物20)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS486)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(ステップS487)、入賞個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS488)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS489)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS490)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS491)。また、遊技球が特定入賞口66に入賞したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS492A)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS493A)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS494)。
ステップS497では、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS486に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS497A)。そして、ステップS499に移行する。
ステップS481Bでは、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS498に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482B)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS498に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483B)。また、V入賞スイッチ22がオンしたらV入賞フラグをセットする(ステップS492B,S493B)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486B,S488B)。
ステップS498では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS499)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS500)。
図134は、第2の実施の形態における大入賞口閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS515に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに所定値(この例では20)をセットする(ステップS519,S520)。また、大当りフラグをリセットし(ステップS521)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS522)。
この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(普通図柄の変動時間が短縮される状態)になるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると常に時短状態に移行されるが、例えば、第1大当り遊技が終了したときにのみ、時短状態に移行するようにしてもよい。
ステップS515では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにステップS519に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS516)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば画像表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS304)に応じた値に更新する(ステップS518)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口66(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)こと、および第1大入賞口内の特別領域(V入賞スイッチ22によって遊技球が検出される領域)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンドまで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンドまではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
この実施の形態では、役物開放中処理や大入賞口開放中処理において、役物20を閉鎖状態に制御すると、回転体86を初期位置まで駆動してから停止させるように制御する(ステップS434A,S497A参照)。図135は、役物20の開放および閉鎖タイミングと、役物20閉鎖後の回転体86の停止タイミングとの例を示す説明図である。図135に示すように、役物20を閉鎖し役物20内の遊技球の排出を完了すると、具体的には、役物内遊技球個数カウンタの値が0となると(ステップS434,S497参照)、CPU56は、回転体駆動モータ87の駆動を開始して回転体86を初期位置に復帰させる。そして、回転体が初期位置に到達すると、具体的には、位置センサ87aが検出信号を出力すると、回転体駆動モータ87の駆動を停止する。なお、図135に示すように、この実施の形態では、始動入賞口13,14に始動入賞してから役物20の開放を開始するまでの大入賞口開放前時間が、回転体86の初期位置復帰動作を開始してから初期位置に復帰するまでの回転体原点復帰時間よりも大きくなるようにしている。例えば、この実施の形態では、大入賞口開放前時間が少なくとも回転体駆動モータ87が1周期分駆動する時間よりも大きい時間となるようにしている。そのようにすることによって、この実施の形態では、役物20を閉鎖し役物20内の遊技球の排出を完了した後に、回転体86の初期位置復帰動作中であるにもかかわらず、次の始動入賞にもとづく役物20の開放制御が開始されてしまう事態が発生することを防止している。
なお、この実施の形態では、役物20閉鎖後に役物内遊技球個数カウンタの値が0となったときに回転体86を初期位置に復帰する場合を示したが、役物20を開放する直前に回転体86を初期位置に復帰する処理を実行してから役物20を開放するように制御してもよい。また、この実施の形態では、役物開放中処理や大入賞口開放中処理において役物20閉鎖後に回転体86を初期位置に復帰する場合を示したが、役物20閉鎖後の役物開放後処理や大入賞口閉鎖後処理において回転体86を初期位置に復帰する制御を行い、回転体86が初期位置に復帰するまでの時間分待機するようにしてもよい。また、この実施の形態では、大入賞口開放前時間が回転体原点復帰時間よりも大きくなるようにすることによって、回転体86の初期位置復帰動作中であるにもかかわらず、次の始動入賞にもとづく役物20の開放制御が開始されてしまう事態が発生することを防止する場合を示したが、例えば、特別図柄の変動時間を十分長く(具体的には、回転体原点復帰時間よりも長く)とるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、以下の(1),(2)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口13,14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件の成立(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていないこと)にもとづいて識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8b)と、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉鎖状態のいずれかの状態に制御可能な可変入賞球装置(例えば、可変入賞球装置(役物)20)とを備え、可変入賞球装置内に設けられた入賞領域のうち特別領域(例えば、特定入賞口66)に遊技球が入賞したときに、可変入賞球装置を所定回開放状態に制御する特定遊技状態(例えば、第2大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560)を備え、遊技制御手段は、可変表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において第1の実施の形態におけるステップS1513,S1518と同様の処理を実行する部分)と、可変表示装置に開放表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたときに、可変入賞球装置が1回または複数回(例えば、2回)開放状態となる始動動作状態に制御する始動動作制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において第2の実施の形態におけるステップS411,S413の処理を実行する部分)とを備え、表示結果決定手段により決定される開放表示結果は複数種類(例えば、0〜2,4〜6,8,9。図122参照)あり、開放表示結果に応じて特定遊技状態における可変入賞球装置の開放回数を異ならせる(図122参照)ことを特徴とする。そのような構成によれば、特別領域に遊技球が入賞する前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特別領域に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。すなわち、特別領域が形成されている可変入賞球装置(役物)における遊技媒体の動き等による遊技の興趣を向上させることができる。
(2)遊技機は、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉鎖状態のいずれかの状態に変化可能な特定可変入賞装置(例えば、開閉板16による第1大入賞口)を備え、遊技制御手段は、可変表示装置に特定表示結果(例えば、3または7。図122参照)が導出表示されたときに、特定遊技状態のうち、特定可変入賞装置を所定回(例えば、16回)開放状態に制御する状態に移行させる(ステップS477の処理を実行する)ことを特徴とする。そのような構成によれば、遊技のバリエーションを増やして、遊技の興趣をより向上させることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態で示した遊技機において、特別図柄(第1特別図柄もしくは第2特別図柄)または普通図柄の可変表示の表示結果が100パーセントの確率で当りとなるように構成してもよい。以下、可変表示の表示結果が100パーセントの確率で当りとなるように構成した場合の第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。例えば、この実施の形態において、CPU56は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2−1、リーチ判定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄の変動表示用の変動パターンを決定する。
また、この実施の形態において、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、飾り図柄の停止図柄を決定し(例えば、図71、図72、図73参照)、決定した飾り図柄の停止図柄を画像表示装置9に表示させる。また、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、描画プロセッサ109に指示して、画像表示装置9に静止画像を表示させたり動画像を表示させる。この場合、描画プロセッサ109は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、演出制御用CPU101の指示に従い、CGROM83から画像データを抽出してVRAM84に転送し、さらにフレームバッファに転送して、画像表示装置9に画像を表示させる。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、通常の遊技においては第1始動入賞口13に遊技球が入賞しにくくするとともに、第2始動入賞口14には可変入賞球装置15が開放状態のときにしか遊技球が入賞しないように遊技機を構成するものとする。そして、普通図柄の変動に合わせて飾り図柄の変動を行い、普通図柄および飾り図柄が当りになると、可変入賞球装置15によって構成される第2始動入賞口14を開放して第2始動入賞口14に入賞したときに特別図柄を大当りにして特別可変入賞装置20を開放するように遊技機を構成するものとする。なお、この場合、特別可変入賞球装置20を少ない回数(例えば2ラウンド)のみ開放するように制御してもよい。また、この実施の形態では、始動入賞しにくいものも、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動を行い。特別図柄が大当りとなった場合にも、それに連動させて特別可変入賞装置20を開放するように制御する。
また、この実施の形態では、特別図柄の大当りの種類として、確変大当りと通常大当りとがある。この実施の形態では、100パーセントの確率でまたは極めて高い確率で大当りと決定するのであるが、例えば、大当りと決定する場合に、95パーセントの確率で確変大当りとすることに決定し、大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に制御する。また、5パーセントの確率で通常大当りとすることに決定し、大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態に制御する。
また、例えば、大当りと決定した場合には、常に大当り遊技終了後に確変状態に移行するようにしてもよい。そして、例えば、特別図柄の変動や、普通図柄、飾り図柄の変動を開始するときに、確変状態を終了させるか否かの抽選処理を行うようにし、確変状態を終了させると判定すると、遊技状態を通常状態に移行するように制御してもよい。
図136は、第3の実施の形態における特図表示結果判定テーブルの例を示す説明図である。なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との両方において、図136に示す特図表示結果判定テーブルを用いて、可変表示結果を大当りとするか否かを決定するものとする。図136に示すように、特図表示結果判定用の乱数値MR1は0〜65535の範囲で更新される。そして、遊技状態が通常遊技状態の場合、図136(A)に示すように、読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1が0〜62257の値のときは「大当り」と決定され、読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1が62258〜65535の値のときは「はずれ」と決定される。すなわち、通常時大当り判定テーブルでは、特図表示結果判定用の乱数値MR1の更新範囲0〜65535のうち0〜62257の値が大当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、通常遊技状態のときに大当り判定で大当りと決定される確率(特別図柄の当選確率)は約95%となっている。一方、遊技状態が確変状態の場合、図136(B)に示すように、読み出された特図表示結果判定用の乱数値MR1が0〜65535の値のときに「大当り」と決定される。すなわち、確変時大当り判定テーブルでは、特図表示結果判定用の乱数値MR1の更新範囲0〜65535と同じ0〜65535の値が大当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、確変状態のときに大当り判定で大当りと決定される確率(特別図柄の当選確率)は100%となっている。
以上のように、遊技状態が通常遊技状態のときは高い確率で大当りとなり、遊技状態が確変状態のときは常に(100%の確率で)大当りとなる。従って、特別図柄通常処理において、遊技状態が通常遊技状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、第1の実施の形態におけるステップS1513にて乱数値MR1が大当り判定値と合致するか否かを確認し、乱数値MR1が大当り判定値と合致したときは(第1の実施の形態におけるステップS1513のY)、大当りフラグをセットする(第1の実施の形態におけるステップS1514)。一方、遊技状態が確変状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の実施の形態におけるステップS1513にて常に乱数値MR1が大当り判定値と合致すると判定され、大当りフラグがセットされる(第1の実施の形態におけるステップS1514)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であるときには、乱数値MR1が大当り判定値と合致するか否かを確認せずに、そのまま、第1の実施の形態におけるステップS1514に移行して、大当りフラグをセットするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図136に示すように、特図表示結果判定テーブルは大当り判定値のみを含み小当り判定値を含まないので、乱数値MR1が大当り判定値と合致するか否かのみを判定するようにし、小当り判定値と合致するかの処理(第1の実施の形態におけるステップS1518,S1519参照)は行わないように制御する。従って、この実施の形態では、小当り遊技状態には移行しないように制御する。なお、例えば、図136(A)に示す通常時の特図表示結果判定テーブルが大当り判定値に加えて小当り判定値も含むようにし、大当り遊技状態に加えて小当り遊技状態に移行するように制御してもよい。また、例えば、第1特別図柄用の特図表示結果判定テーブルと第2特別図柄用の特図表示結果判定テーブルとを異ならせ、第1の実施の形態と同様に、第1特別図柄の可変表示を行う場合にのみ大当りに加えて小当りとするようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図137は、第3の実施の形態における普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112〜S114)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS112)。最大値に達していなければ(ステップS112のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数である変動パターン決定用乱数(普通図柄変動用)および普通図柄当り判定用乱数の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う(ステップS113)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する(ステップS114)。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S104に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS301):普通図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、ゲート32への入賞の発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(普通図柄変動用。表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)を普通図柄プロセスタイマにセットした後、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド:図柄確定指定コマンドともいう)を演出制御基板80に送信する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であるか否かを確認し、高確率状態であれば、高確率状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低確率状態(通常遊技状態)であれば、低確率状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS104):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図138は、第3の実施の形態における普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する普図当り判定処理を実行する(ステップS125)。
図139は、第3の実施の形態における普図当り判定処理を示すフローチャートである。図139に示すように、普図当り判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを確認する(ステップS91)。なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認することにより行われる。なお、ステップS91において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、時短状態でなければ(すなわち、通常遊技状態であるときには)、ステップS92に移行するようにし、時短状態であれば、ステップS95に移行するようにしてもよい。
遊技状態が通常遊技状態であるときは(ステップS91のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常遊技状態のときの当り判定で使用する通常時普図当り判定テーブルを選択し(ステップS92)、ステップS124で読み出した普通図柄当り判定用乱数値と通常時普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値とを比較し、それらが一致したら当りとすることに決定する(ステップS93)。一方、遊技状態が確変状態であるときは(ステップS91のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態のときの当り判定で使用する確変時普図当り判定テーブルを選択し(ステップS95)、ステップS124で読み出した普通図柄当り判定用乱数値と確変時普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値とを比較し、それらが一致したら当りとすることに決定する(ステップS96)。
ここで、図140に示すように、普通図柄当り判定用乱数値は0〜149の範囲で更新される。そして、遊技状態が通常遊技状態の場合、図140(A)に示すように、読み出された普通図柄当り判定用乱数値が7の値のときは「当り」と決定され、読み出された普通図柄当り判定用乱数値が0〜6,8〜149の値のときは「はずれ」と決定される。すなわち、通常時普図当り判定テーブルでは、普通図柄当り判定用乱数値の更新範囲0〜149のうち7の値だけが当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、通常遊技状態のときに普図当り判定で当りと決定される確率(普通図柄の当選確率)は1/150となっている。一方、遊技状態が確変状態の場合、図140(B)に示すように、読み出された普通図柄当り判定用乱数値が0〜149の値のときに「当り」と決定される。すなわち、確変時普図当り判定テーブルでは、普通図柄当り判定用乱数値の更新範囲0〜149と同じ0〜149の値が当り判定値として設定されている。従って、この実施の形態では、確変状態のときに普図当り判定で当りと決定される確率(普通図柄の当選確率)は100%(1/1)となっている。
以上のように、遊技状態が通常遊技状態のときは低い確率で大当りとなり、遊技状態が確変状態のときは常に(100%の確率で)大当りとなる。従って、図139に示す普図当り判定処理において、遊技状態が通常遊技状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS93にて「当り」と決定されたかどうかを確認し(ステップS94)、「当り」と決定されたときは(ステップS94のY)、普図当りフラグをセットする(ステップS97)。一方、遊技状態が確変状態であるときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS96にて常に「当り」と決定されるので、「当り」と決定されたかどうかを確認せずに、普図当りフラグをセットする(ステップS97)。
図138の説明に戻ると、その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS126)。
図141は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、普図当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。普図当りフラグがセットされているときは(ステップS131のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態が確変状態であるかどうかを確認する(ステップS132)。なお、遊技状態が確変状態であるかどうかは、確変フラグがセットされているかどうかによって確認される。遊技状態が確変状態でなく通常遊技状態であるときは(ステップS132のN)、通常遊技状態において当りとなるときに使用する通常時当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS133)。
通常時当り用変動パターン決定テーブルには、予め通常遊技状態において当りのときに選択される変動パターンが設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、遊技状態が確変状態であるときは(ステップS132のY)、確変状態において当りとなるときに使用する確変時当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS134)。
確変時当り用変動パターン決定テーブルには、予め確変状態において当りのときに選択される変動パターンのみ設定され、この変動パターンに判定値が割り当てられている。
普図当りフラグがセットされていないときは(ステップS131のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常遊技状態においてはずれとなるときに使用するはずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS135)。
はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターンが設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS133,S134,S135にて決定した変動パターン決定テーブルを用いて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS136)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに変動パターンで特定される普通図柄の変動時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる(ステップS137)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS136において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを送信するための変動コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS138)、コマンドセット処理を実行する(ステップS139)。これにより、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御が実行される。
その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS140)。
なお、上記の図141では、ステップS138,S139の処理で変動パターンコマンドを送信するように構成していたが、演出図柄コマンド制御処理(ステップS29)で変動パターンコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、ステップS136で決定した変動パターンに応じた変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする。そして、演出図柄コマンド制御処理において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされたことにもとづいて、決定された変動パターンの内容を示す変動パターンコマンドを送信する制御を実行する。なお、この実施の形態では、飾り図柄コマンド制御処理において、変動パターンコマンドを送信した後に続けて(2ms後に)表示結果コマンドを送信するように構成されている。
また、この実施の形態では、演出図柄コマンド制御処理において、普通図柄の変動開始時(普通図柄のゲート通過記憶数が−1となったとき)および遊技球のゲート32通過時(普通図柄のゲート通過記憶数が+1となったとき)に普通図柄のゲート通過記憶数を指定するゲート通過記憶数指定コマンドも送信する。普通図柄の変動開始時のゲート通過記憶数指定コマンドは、表示結果コマンドが送信された後に続けて(2ms後に)送信される。
図142は、普通図柄変動処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS141のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS143)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS144)、コマンドセット処理を実行する(ステップS145)。これによって、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS146)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS137)。
図143は、普通図柄停止処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS151)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS151のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS152)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS151のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS153)。
普図当りフラグがセットされているときは(ステップS153のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS154)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。なお、普通電動役物作動時間は遊技状態が通常遊技状態のときと確変状態のときとで異なる時間としてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグがセットされているかどうかを確認することによって、遊技状態が高確率状態(確変状態)であるか低確率状態(通常遊技状態)であるかを確認する(ステップS155)。なお、ステップS155において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、時短状態であれば、ステップS156に移行するようにし、時短状態でなければ(すなわち、通常遊技状態であるときには)、ステップS157に移行するようにしてもよい。
高確率状態であるときは(ステップS155のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図144に示す高確率時テーブル(確変状態の場合のテーブル)に設定されている開放パターンを選択する(ステップS156)。一方、低確率状態であるときは(ステップS155のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図144に示す低確率時テーブル(通常遊技状態の場合のテーブル)に設定されている開放パターンを選択する(ステップS157)。図144に示す例では、低確率時テーブルには、開放時間が2.0秒で、開放回数が3回の開放パターンのデータが設定されている。また、高確率時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。なお、図144に示す開放パターンでは、開放回数が3回や2回とされているが、開放回数を1回として合計の開放時間が経過するまで開放を続けるようにしてもよい。また、図144に示す例では、通常遊技状態の方が確変状態よりも開放回数が多くなるようにする場合を示しているが、例えば、確変状態(時短状態でもよい)の方が通常遊技状態よりも開放回数を多くしてより有利になるようにしてもよい。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS156またはS157で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS158)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS159)。
ステップS153において、普図当りフラグがセットされていないと判断したときは(ステップS153のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS160)。
図145は、普通電動役物作動処理(ステップS104)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS170の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満である場合は(ステップS166のY)、ステップS170の処理に移行する。
普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、その後に普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたと判定されることになる(ステップS161のY参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、可変入賞球装置15の開放制御(ステップS170〜S174)を実行しないようにしている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放しているときは、ソレノイド16を駆動して普通電動役物を閉鎖する(ステップS168)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常処理移行時間タイマをスタートさせる(ステップS169)。通常処理移行時間タイマは、普通図柄プロセスタイマがタイムアウト(ステップS161のY)してから普通図柄通常処理に移行(ステップS178)されるまでの時間差(タイムラグ)を計測するためのタイマである。そして、処理を終了する。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたと判定すると(ステップS161のY)、通常処理移行時間タイマを−1し(ステップS176)、通常処理移行時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS177)。通常処理移行時間タイマがタイムアウトすれば(ステップS177のY)、普図当りフラグをリセットし(ステップS178)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS179)。上記のステップS169,S176,S177の処理によって、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしてから所定時間経過後に普通図柄通常処理に移行されることになる。「所定時間」は例えば3秒程度の時間とする。そのような処理を実行することによって、プロセスが開放中以外のタイミングで入賞したときにエラーと判断する構成の場合に、適切なインターバル時間が経過してから普通図柄通常処理に移行するようにすることができる。そのため、可変入賞球装置15によって形成される第2始動入賞口14に正常に始動入賞したにもかかわらず、第2始動入賞口14への異常入賞と判断してしまう事態を防止することができる。
ステップS170では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS170)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS171)。タイムアウトしていなければ(ステップS171のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS171のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放パターンが終了したかどうかを判定する(ステップS172)。開放パターンが終了していなければ(ステップS172のN)、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS173)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS174)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS170〜S174の処理によって、低確率状態(通常遊技状態)のときの開放パターンと高確率状態(確変状態)のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低確率状態のときは、開放時間が2.0秒であり開放回数が3回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.0秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.0秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、さらに1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.0秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高確率状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
上記のような開放パターンが終了したときは(ステップS172のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常処理移行時間タイマをスタートさせ(ステップS175)、処理を終了する。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたと判定すると(ステップS161のY)、通常処理移行時間タイマを−1し(ステップS176)、通常処理移行時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS177)。通常処理移行時間タイマがタイムアウトすれば(ステップS177のY)、普図当りフラグをリセットし(ステップS178)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS179)。上記のステップS175,S176,S177の処理によって、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしてから所定時間経過後に普通図柄通常処理に移行されることになる。
なお、この実施の形態では、通常の遊技においては第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞しにくくするとともに、普通図柄の変動に合わせて飾り図柄の変動を行い、普通図柄および飾り図柄が当りになると、それに連動させて特別図柄を大当りにして特別可変入賞装置20を開放するように構成された特殊な遊技機について説明した。これに対し、通常の遊技において第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、普通図柄が当りになると第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなり、特別図柄の変動に合わせて飾り図柄の変動を行い、特別図柄および飾り図柄が大当りになると特別可変入賞装置20を開放するように構成された一般の遊技機において、可変表示の表示結果が100パーセントの確率で当りとなるように構成するようにしてもよい。以下、一般の遊技機において可変表示の表示結果が100パーセントの確率で当りとなるように構成する場合の変形例を、図146〜図148を用いて説明する。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13には極めて入賞しにくく、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することは稀である場合を示したが、図146〜図148に示す変形例では、第1始動入賞口13に多少入賞しやすいようにしてもよい。
図146は、第3の実施の形態における普通図柄プロセス処理の変形例を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、普通図柄の変動パターンを複数種類設け、普通図柄変動パターン設定処理で普通図柄の変動パターンを選択するように構成されていたが、図146〜図148に示す変形例では、普通図柄の変動パターンは遊技状態ごとに1種類(通常遊技状態のときの変動パターン(変動時間)と確変状態のときの変動パターン(変動時間))しか設けていない。従って、普通図柄の変動パターンを選択する必要がないので、図146では普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を省略している。また、ステップS113では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいてソフトウェア乱数値として普通図柄当り判定用乱数値と変動パターン決定用乱数値とを抽出するようにしていたが、変動パターン決定用乱数値は特別図柄の変動パターンを選択するために使用するので、この変形例では、始動入賞の発生にもとづいて変動パターン決定用乱数値を抽出し(ステップS313,S317)、ステップS113では普通図柄当り判定用乱数値のみ抽出するようにしている。それ以外の構成については、図137と同様であるため、説明を省略する。
図147は、第3の実施の形態における普図当り判定処理の変形例を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、遊技状態が通常遊技状態のときは普通図柄の当選確率を1/150とし、遊技状態が確変状態のときは普通図柄の当選確率を1/1(100%)としていたが、図146〜図148に示す変形例では、遊技状態が通常遊技状態であるか確変状態であるかを問わずに普通図柄の当選確率を常に1/1(100%)としている。具体的には、この変形例における普図当り判定テーブルでは、図148に示すように、普通図柄当り判定用乱数値の更新範囲0〜149と同じ0〜149の値が当り判定値として設定されている。従って、この変形例では、普図当り判定で当りと決定される確率は常に100%(1/1)となっている。従って、図147に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数値と普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値とを比較し、それらが一致したら当りとすることに決定するが(ステップS98A)、100%当りとしているので、当りとなったかどうかの判定を行わずに普図当りフラグをセットする(ステップS98B)。なお、当りとなったかどうかの判定を行った上で普図当りフラグをセットするようにしてもよい。また、普通図柄当り判定用乱数値と普図当り判定テーブルに設定されている当り判定値との比較処理自体を行わずに、そのまま普図当りフラグをセットするようにしてもよい。
以上のように、図146〜図148に示す変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過が発生したときに抽出した乱数値(普通図柄当り判定用乱数値)と予め設定された判定値とを比較し、それらが合致したことにもとづいて当り(普通図柄の当り)にすると判定し(ステップS113,S124,S125)、可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するが(ステップS104)、乱数値がどのような値であるかにかかわらず、乱数値が判定値と合致するものとして(すなわち100%の確率で当りと判定して)可変入賞装置を開放する制御を実行するように構成されているので、抽出した乱数値が予め設定された判定値と合致していないとき(はずれのとき)に対応した処理自体が不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。例えば、普通図柄が100%当りであるので自動的に普図当りフラグをセットすればよく、当りと決定されたかどうかを確認して普図当りフラグをセットする必要がなくなる。その結果、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
なお、図146〜図148と同様の処理に従って、特別図柄の大当り判定を行うようにしてもよい。すなわち、大当り判定用の乱数値(例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1)がどのような値であるかにかかわらず、乱数値が判定値と合致するものとして(すなわち100%の確率で大当りと判定して)、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。そのようにすれば、特別図柄の大当り判定用のプログラム容量についても同様に削減することができ、処理負担を軽減することができる。
図146〜図148に示す変形例では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて普通図柄当り判定用乱数値を抽出し(ステップS113)、抽出した乱数値と当り判定値とを比較して当りとするか否かを決定していたが、普通図柄の当選確率は100%としていたので、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行う必要がない。そこで、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットするようにし、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行わないようにしてもよい。以下、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットするようにし、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行わないように構成する場合の変形例を、図149,図150を用いて説明する。
図149は、第3の実施の形態における普通図柄プロセス処理の他の変形例を示すフローチャートである。図146〜図148に示す変形例では、遊技球のゲート通過にもとづいてソフトウェア乱数値として普通図柄当り判定用乱数値を抽出するようにしていたが(ステップS113)、図149,図150に示す変形例では、普通図柄当り判定用乱数自体を設けていないので、ソフトウェア乱数値を抽出する処理を設けていない。一方、遊技球のゲート通過にもとづいてゲート通過記憶数の値に対応した保存領域に(普通図柄判定用バッファ)に普図当り指定値を格納する(ステップS113A)。ここで、普図当り指定値は、遊技球のゲート通過にもとづいて自動的に普通図柄が当りとなることを示すデータである。普図当り指定値が格納されたことにもとづいて、後述するように、普通図柄通常処理で普図当りフラグがセットされる(ステップS124A参照)。それ以外の構成については、図146と同様であるため、説明を省略する。
図150は、第3の実施の形態における普通図柄通常処理の他の変形例を示すフローチャートである。この変形例における普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数が0でない場合には(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り指定値を読み出し(ステップS122A)、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123A)。なお、ステップS122Aの処理を行わずに、そのままステップS123Aに移行するようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、読み出した普図当り指定値にもとづいて普図当りフラグをセットする(ステップS124A)。上述したように、この実施の形態3では普通図柄の当り判定を行わないので、図150では、図138に示したステップS122〜S125の処理に代えてステップS122A〜S124Aの処理を実行している。なお、この変形例では、図146〜図148に示す変形例と同様に普通図柄変動パターン設定処理を省略しているので、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS127)、普通図柄の変動を開始させる処理を行う(ステップS128)。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)を示す値に更新して、普通図柄変動処理に移行させている(ステップS126A)。
以上のように、図149,図150に示す変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過が発生したときに乱数値(普通図柄当り判定用乱数値)を抽出せずに普図当り指定値をゲート通過記憶数に応じた保存領域に格納し、普図当り指定値が格納されたことにもとづいて普図当りフラグをセットするようにして、普図当りフラグのセットにもとづいて可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するように構成されているので、乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、普図当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。なお、図149,図150に示す変形例では、ゲート通過が発生したときに普図当り指定値をゲート通過記憶数に応じた保存領域に格納し、普図当り指定値が格納されたことにもとづいて普図当りフラグをセットするようにしていたが、ゲート通過が発生したときに普図当り指定値をゲート通過記憶数に応じた保存領域に格納し、保存領域に普図当り指定値が格納されていることにもとづいて可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するようにしてもよい。この場合は、普図当りフラグをセットする必要はない。ただし、ステップS123Aで保存領域の内容をシフトするのではなく、普通電動役物作動処理に移行するときに保存領域の内容をシフトする。又は、保存領域とは別に今回の変動のための変動用領域を設け、変動開始時に保存領域の先頭のデータを変動用領域に移し、他の保存領域のデータはそれぞれ1つずつシフトさせるようにする。
なお、図149,図150に示す変形例では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットするようにし、普通図柄当り判定用乱数値を用いて当り判定を行わないようにしていたが、始動入賞口13,14への遊技球の入賞にもとづいて自動的に大当りフラグをセットするようにし、特図表示結果判定用の乱数値MR1を用いて大当り判定を行わないようにしてもよい。具体的には、特別図柄プロセス処理において、第1始動口スイッチ13aがオンし(第1の実施の形態におけるステップS211のY)、保留記憶数が4でないと判定された場合(第1の実施の形態におけるステップS212のN)、第1の実施の形態におけるステップS215で特図表示結果判定用の乱数値MR1を抽出せず、保留記憶数に応じた保存領域に大当り指定値を格納する。また、第2始動口スイッチ14aがオンし(第1の実施の形態におけるステップS221のY)、保留記憶数が4でないと判定された場合も(第1の実施の形態におけるステップS222のN)、第1の実施の形態におけるステップS225で特図表示結果判定用の乱数値MR1を抽出せず、保留記憶数に応じた保存領域に大当り指定値を格納する。そして、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理において、合計保留記憶数が0でない場合には(第1の実施の形態におけるステップS1501のN)、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている大当り指定値を読み出し、保留記憶カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする。そして、読み出した大当り指定値にもとづいて大当りフラグをセットする。さらに、特別図柄通常処理において、大当り判定に関わる処理(第1の実施の形態におけるステップS1512,S1513の処理)を省略する。このような構成によれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、大当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば特図表示結果判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
また、遊技状態が確変状態のときにのみ、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に普図当りフラグをセットする処理を実行するようにしてもよい。すなわち、ゲート通過にもとづいて普通図柄当り判定用乱数を抽出して保存領域に保存し(ステップS113)、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数が0でないときに(ステップS121のN)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにだけ、当り判定を行わずに普図当りフラグをセットして普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行し(ステップS153のYで、ステップS159の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、普通図柄当り判定用乱数にもとづいて当り判定を行い(ステップS122〜S125)、当り判定で当りと判定されたときに普図当りフラグをセットし(ステップS97参照)、普図当りフラグがセットされたことにもとづいて普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行する(ステップS153のYで、ステップS159の処理を実行する)ようにしてもよい。さらに、遊技状態が確変状態のときのみ、始動入賞口13,14への遊技球の入賞にもとづいて自動的に大当りフラグをセットする処理を実行するようにしてもよい。すなわち、始動入賞にもとづいて特図表示結果判定用の乱数値MR1を抽出して保存領域に保存し(第1の実施の形態におけるステップS215,S225)、特別図柄通常処理において、合計保留記憶数が0でないときに(第1の実施の形態におけるステップS1501のN)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにだけ、大当り判定を行わずに大当りフラグをセットして大当り遊技に移行させる処理を実行し、通常遊技状態のときは、特図表示結果判定用の乱数値MR1にもとづいて大当り判定を行い(第1の実施の形態におけるステップS1512,S1513)、大当り判定で大当りと判定されたときに大当りフラグをセットし、大当りフラグがセットされたことにもとづいて大当り遊技(大入賞口開放前処理)に移行させる処理を実行する(第1の実施の形態におけるステップS1513のYで、ステップS1514の処理を実行する)ようにしてもよい。
図149,図150に示す変形例では、ゲート通過記憶数に応じた保存領域に普図当り指定値が格納されたことにもとづいて普図当りフラグをセットするようにしていたが(ステップS124A)、ゲート通過記憶数に応じた保存領域に普図当り指定値を格納せずに(ステップS113A,S122Aを実行せずに)、ゲート通過記憶数の値が0でないことにもとづいて(ステップS121のN)、自動的に普図当りフラグをセットするようにしてもよい。
図149,図150に示す変形例では、ゲート通過が発生したときにゲート通過記憶数に応じた保存領域に普図当り指定値を格納し、格納された普図当り指定値にもとづいて普図当りフラグをセットするようにして、普図当りフラグのセットにもとづいて可変入賞球装置15を開放する制御を実行するようにしていたが、普図当りフラグをセットせずに、普通図柄の変動が終了して普通図柄が停止したら自動的に可変入賞球装置15を開放する制御を実行するようにしてもよい。以下、普通図柄の変動が終了して普通図柄が停止したら自動的に可変入賞球装置15を開放する制御を実行するように構成する場合の変形例を図151を用いて説明する。
図151に示す変形例では、普図当りフラグをセットしないので、普通図柄プロセス処理において、ゲート通過記憶数に対応する保存領域に普図当り指定値を格納する処理を行わない。すなわち、図149のステップS113Aの処理を省略する。また、普通図柄通常処理において、保存領域に格納されている普図当り指定値を読み出す処理、および普図当りフラグをセットする処理を行わない。すなわち、図150のステップS122A,S124Aの処理を省略する。
図151は、第3の実施の形態における普通図柄停止処理のさらに他の変形例を示すフローチャートである。図151に示すように、この変形例では、普通図柄の変動時間が経過したとき、つまり、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときに(ステップS151のY)、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認せずに、普通電動役物作動時間を普通図柄プロセスタイマにセットする処理(ステップS154)や、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを設定する処理(ステップS155〜S158)を実行し、普通電動役物作動処理に移行させる(ステップS159)ようにしている。すなわち、図143におけるステップS153,S160を省略している。
図152は、図149,図150に示す変形例と図151に示す変形例との処理の相違を示す説明図である。図152に示すように、図149,図150に示す変形例では、ゲート32に遊技球が通過したことにもとづいて(ステップS111のY)、ゲート通過記憶数が4でない場合には(ステップS112のN)、ゲート通過記憶数に対応する保存領域に普図当り指定値を格納し(ステップS113A)、ゲート通過記憶数カウンタの値を+1する(ステップS114)。そして、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数が0でない場合に、保存領域に格納されている普図当り指定値にもとづいて普図当りフラグをセットする(ステップS124A)。そして、普通図柄停止処理(図143)において、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS152)、セットされていれば、普通電動役物作動処理に移行させて(ステップS159)、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放制御を実行する。これに対し、図151に示す変形例では、ゲート32に遊技球が通過したことにもとづいて(ステップS111のY)、ゲート通過記憶数が4でない場合には(ステップS112のN)、ゲート通過記憶数カウンタの値を+1する処理(ステップS114)のみ実行する。そして、普通図柄停止処理(図151)において、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認せずに、普通電動役物作動処理に移行させて(ステップS159)、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放制御を実行する。
以上のように、図151に示す変形例では、普通図柄の停止図柄が導出表示されたことにもとづいて可変入賞装置(可変入賞球装置15)を開放する制御を実行するように構成されているので、図149,図150に示す変形例の場合と同様に、乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、普図当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。さらに、普図当りフラグもセットされないので、普図当りフラグがセットされたかどうかを確認する処理も不要となり、より一層、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
なお、図151に示す変形例では、ゲート32への遊技球の入賞にもとづいて自動的に可変入賞球装置15の開閉動作(普通電動役物作動処理)を実行するようにしていたが、始動入賞口13,14への遊技球の入賞にもとづいて自動的に大当り遊技に移行させて特別可変入賞装置20の開閉動作を行わせるようにしてもよい。具体的には、特別図柄プロセス処理において、保留記憶数に対応する保存領域に大当り指定値を格納する処理を行わない。また、特別図柄通常処理において、保存領域に格納されている大当り指定値を読み出す処理、および大当りフラグをセットする処理を行わない。また、大当りフラグを確認する処理(第1の実施の形態におけるステップS1508,S1514,S321,S1303)を行わず、常に大入賞口開放前処理に移行させるようにする。このような構成によれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、大当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば特図表示結果判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。さらに、大当りフラグもセットされないので、大当りフラグがセットされたかどうかを確認する処理も不要となり、より一層、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
また、遊技状態が確変状態のときにのみ、ゲート32への遊技球の通過にもとづいて自動的に可変入賞球装置15の開閉動作(普通電動役物作動処理)を実行するようにしてもよい。すなわち、確変状態のときにだけ、当り判定や普図当りフラグのチェックを行わずに普通図柄の変動停止にもとづいて普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行し(普通図柄の変動が停止したときに(ステップS151のY)、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときにステップS159の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、普図当りフラグがセットされていることを確認したことを条件に普通電動役物作動処理に移行させる処理を実行する(例えば、ゲート通過にもとづいて普通図柄当り判定用乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて普図当り判定を行い、当りと判定したときに普図当りフラグをセットし、普通図柄の変動が停止したときに(ステップS151のY)、確変状態かどうかを判定し、通常遊技状態のときに普図当りフラグがセットされているかどうかを確認し、普図当りフラグがセットされていればステップS159の処理を実行する)ようにしてもよい。さらに、遊技状態が確変状態のときのみ、始動入賞口13,14への遊技球の通過にもとづいて自動的に大当り遊技に移行させて特別可変入賞装置20の開閉動作を行わせるようにしてもよい。すなわち、確変状態のときにだけ、大当り判定や大当りフラグのチェックを行わずに特別図柄の変動停止にもとづいて大当り遊技に移行させる処理を実行し(特別図柄の変動が停止したときに、確変状態かどうかを判定し、確変状態のときに第1の実施の形態におけるステップS1304以降の処理を実行し)、通常遊技状態のときは、大当りフラグがセットされていることを確認したことを条件に大当り遊技(大入賞口開放前処理)に移行させる処理を実行する(例えば、始動入賞の発生にもとづいて特図表示結果判定用の乱数値MR1を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて大当り判定を行い、大当りと判定したときに大当りフラグをセットし、特別図柄の変動が停止したときに、確変状態かどうかを判定し、通常遊技状態のときに大当りフラグがセットされているかどうかを確認し、大当りフラグがセットされていれば第1の実施の形態におけるステップS1304以降の処理を実行する)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、以下の(1)〜(3)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、またはゲート32)において遊技球が検出されたことにもとづく所定の条件が成立(例えば、特別図柄が変動中でなく大当り中でもないこと、または普通図柄が変動中でなく可変入賞球装置15の開閉動作中でもないこと)したときに遊技者にとって有利な状態(例えば、特別図柄の大当りにもとづく大当り遊技状態、または普通図柄の当りにもとづく可変入賞球装置15の作動状態)に制御する遊技機であって、遊技球が入賞しない閉鎖状態と遊技球が入賞しやすい開放状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20、または可変入賞球装置15)と、乱数(例えば、特図表示結果判定用の乱数値MR1、または普通図柄当り判定用乱数)の数値を更新する数値更新手段(例えば、乱数回路503による乱数更新処理、または遊技制御用マイクロコンピュータ560において第1の実施の形態におけるステップS24と同様の処理を実行する部分)と、始動領域において遊技球が検出されたときに乱数の数値を抽出する数値抽出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において第1の実施の形態におけるステップS215,S225と同様の処理を実行する部分。第3の実施の形態におけるステップS113を実行する部分)と、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄、または普通図柄)の可変表示を実行可能な可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8b、または普通図柄表示器10)と、始動領域において遊技球が検出されたことにもとづいて、可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1の実施の形態におけるステップS27,S35と同様の処理を実行する部分、またはステップS28,S36と同様の処理を実行する部分)と、数値抽出手段により抽出された乱数の数値が予め定められた値(例えば、特図表示結果判定テーブルに設定された大当り判定値、または普図当り判定テーブルに設定された当り判定値)を示すものであるとされたことにもとづいて(例えば、第1の実施の形態におけるステップS1513と同様の処理で特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定値と一致したと判定されたこと、または第3の実施の形態におけるステップS93,S96で普通図柄当り判定用乱数値が当り判定値と一致したと判定されたことにもとづいて)、可変表示装置に表示結果が導出表示された後に遊技者にとって有利な状態として可変入賞装置を開放状態(例えば、特別可変入賞装置20が開放・閉鎖を繰り返す大当り遊技状態、または可変入賞球装置15が開閉動作を行う可変入賞球装置15の作動状態)に制御可能な開閉制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1の実施の形態におけるステップS1514と同様の処理を実行し、ステップS1303と同様の処理でYと判定したことにもとづいてステップS304〜S307と同様の処理を実行する部分、または第3の実施の形態におけるステップS97の処理を実行し、ステップS153のYにもとづいてステップS104を実行する部分)とを備え、開閉制御手段は、数値抽出手段により抽出された乱数の数値にかかわらず、乱数の数値が予め定められた値を示すものとして必ず可変入賞装置を開放状態に制御する特別開放制御を実行する特別開放制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、大当り判定テーブルに設定された大当り判定値が大当り判定用乱数の更新範囲のすべての値に設定され、特別図柄の当選確率を100%として、抽出された大当り判定用乱数値がどのような値であっても大当りとする部分、または普図当り判定テーブルに設定された当り判定値が普通図柄当り判定用乱数の更新範囲のすべての値に設定され、普通図柄の当選確率を100%として、抽出された普通図柄当り判定用乱数値がどのような値であっても当りとする部分)を含むことを特徴とする。そのような構成によれば、抽出された乱数の数値が予め定められた値を示すものでないとき(はずれのとき)に対応した処理自体が不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
(2)遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、またはゲート32)において遊技球が検出されたことにもとづく所定の条件が成立(例えば、特別図柄が変動中でなく大当り中でもないこと、または普通図柄が変動中でなく可変入賞球装置15の開閉動作中でもないこと)したときに遊技者にとって有利な状態(例えば、特別図柄の大当りにもとづく大当り遊技状態、または普通図柄の当りにもとづく可変入賞球装置15の作動状態)に制御する遊技機であって、遊技球が入賞しない閉鎖状態と遊技球が入賞しやすい開放状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20、または可変入賞球装置15)と、始動領域において遊技球が検出されたことにもとづいて可変入賞装置を開放させるための特定データ(例えば、大当りフラグ、または普図当りフラグ)を設定する特定データ設定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、始動入賞の発生に応じて大当りフラグをセットする処理(第1の実施の形態におけるステップS1514に相当する特別図柄に関する処理)を実行する部分、またはゲート通過に応じて普図当りフラグをセットする処理(第3の実施の形態におけるステップS124A)を実行する部分)と、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄、または普通図柄)の可変表示を実行可能な可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8b、または普通図柄表示器10)と、始動領域において遊技球が検出されたことにもとづいて、可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1の実施の形態におけるステップS27,S35と同様の処理を実行する部分、またはステップS28,S36と同様の処理を実行する部分)と、特定データが設定されていることにもとづいて、可変表示装置に表示結果が導出表示された後に遊技者にとって有利な状態として可変入賞装置を開放状態(例えば、特別可変入賞装置20が開放・閉鎖を繰り返す大当り遊技状態、または可変入賞球装置15が開閉動作を行う可変入賞球装置15の作動状態)に制御可能な開閉制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、第1の実施の形態におけるステップS1303と同様の処理でYと判定したことにもとづいてステップS304〜S307と同様の処理を実行する部分、または第3の実施の形態におけるステップS153のYにもとづいてステップS104を実行する部分)とを備え、開閉制御手段は、特定データ設定手段に必ず特定データを設定させることにより必ず可変入賞装置を開放状態に制御する特別開放制御を実行する特別開放制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、始動入賞の発生にもとづいて保留記憶数に対応する保存領域に大当りフラグのセットの根拠となる大当り指定値を格納する処理(ステップS113Aに相当する特別図柄に関する処理)を実行する部分、またはゲート通過にもとづいてゲート通過記憶数に対応する保存領域に普図当りフラグのセットの根拠となる普図当り指定値を格納する処理(ステップS113A)を実行する部分)を含むことを特徴とする。そのような構成によれば、乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、大当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。
(3)遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、またはゲート32)において遊技球が検出されたことにもとづく所定の条件が成立(例えば、特別図柄が変動中でなく大当り中でもないこと、または普通図柄が変動中でなく可変入賞球装置15の開閉動作中でもないこと)したときに遊技者にとって有利な状態(例えば、特別図柄の大当りにもとづく大当り遊技状態、または普通図柄の当りにもとづく可変入賞球装置15の開放状態)に制御する遊技機であって、遊技球が入賞しない閉鎖状態と遊技球が入賞しやすい開放状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、特別可変入賞装置20、または可変入賞球装置15)と、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄、または普通図柄)の可変表示を実行可能な可変表示装置(例えば、特別図柄表示器8a,8b、または普通図柄表示器10)と、始動領域において遊技球が検出されたことにもとづいて、可変表示装置において識別情報の可変表示を開始し表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1の実施の形態におけるステップS27,S35と同様の処理を実行する部分、またはステップS28,S36と同様の処理を実行する部分)と、可変表示装置に表示結果が導出表示された後に遊技者にとって有利な状態として可変入賞装置を開放状態(例えば、特別可変入賞装置20が開放・閉鎖を繰り返す大当り遊技状態、または可変入賞球装置15が開閉動作を行う可変入賞球装置15の作動処理)に制御可能な開閉制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄の停止図柄を導出表示した後に第1の実施の形態におけるステップS304〜S307と同様の処理を実行する部分、または普通図柄の停止図柄を導出表示した後にステップS104の処理を実行する部分)とを備え、開閉制御手段は、識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されたことにもとづいて必ず可変入賞装置を開放状態に制御する特別開放制御を実行する特別開放制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、始動入賞にもとづく大当り判定(第1の実施の形態におけるステップS1513と同様の処理)や大当りフラグのチェック(第1の実施の形態におけるステップS1303と同様の処理)の処理を行わずに常にステップS304〜S307の処理を実行する部分、またはゲート通過にもとづく当り判定(第3の実施の形態におけるステップS125)や普図当りフラグのチェック(第3の実施の形態におけるステップS153)の処理を行わずに(図151参照)常にステップS104を実行する部分)を含むことを特徴とする。そのような構成によれば、乱数自体が不要となる結果、乱数を用いて大当り判定を行う場合に必要な処理(例えば、乱数の更新処理、大当り判定処理など)やそれらの処理を実行するためのデータ(例えば判定テーブル、カウンタなど)も不要となり、プログラム容量の削減および処理負担の軽減を図ることができる。