JP2008301872A - 高所作業用安全器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】高所作業用の既設の梯子を利用し、作業者の着用する安全ベルトに連結し、梯子に沿って昇降自在で、かつ作業者が万一墜落した場合でも必ず落下を防止でき、コンパクトでかつ経済的なコストの高所作業用安全器具を提供する。
【解決手段】梯子1の各ステップ3を挟む一対の外、内フレーム10a、10bを所定の隙間を置いて対向して設け、各フレームに設けた中心軸から半径方向に延びる複数のアームを有する回転自在な案内車11と、この案内車11の回転を阻止する安全装置を設けている。そして、上記案内車11が取り付けられているフレームと対向する側のフレーム間に回転自在に嵌入させ、この案内車の回転により一対の外、内フレーム10a、10b間を各ステップ3が通過可能とし、作業者の万一の墜落時には案内車11の回転を阻止し、安全装置がステップ3と噛み合うことにより梯子1のステップ3に安全器を係止して作業者の墜落を阻止する。
【選択図】図1
【解決手段】梯子1の各ステップ3を挟む一対の外、内フレーム10a、10bを所定の隙間を置いて対向して設け、各フレームに設けた中心軸から半径方向に延びる複数のアームを有する回転自在な案内車11と、この案内車11の回転を阻止する安全装置を設けている。そして、上記案内車11が取り付けられているフレームと対向する側のフレーム間に回転自在に嵌入させ、この案内車の回転により一対の外、内フレーム10a、10b間を各ステップ3が通過可能とし、作業者の万一の墜落時には案内車11の回転を阻止し、安全装置がステップ3と噛み合うことにより梯子1のステップ3に安全器を係止して作業者の墜落を阻止する。
【選択図】図1
Description
この発明は、送電鉄塔、建物、煙突等の側面に取り付けられた梯子に装着し、作業員が昇降して保守・点検作業をする際に、作業員が落下するのを防止する高所作業用安全器具に関する。
送電鉄塔、高層建物、煙突等の保守・点検の作業時には一般にその側面に設置された梯子が利用されるが、作業員が梯子を昇降する際に、墜落するのを防止する特別の設備は設けられていない。作業員が墜落するのを防止する設備として、その側面に取り付けられたコ字状のガイドレールのフレーム内に昇降自在に挿通されたローラを有する昇降安全器を用いて作業員が昇降する際に、作業員の墜落を防止する設備が利用されている。その一例として、特許文献1に記載の「高所作業用安全ロープ」が公知である。この「高所作業用安全ロープ」は、高所作業時の落下阻止時に作業者に付与される大きな衝撃による怪我を防止することにある。
上記「高所作業用安全ロープ」は、図11に示すように、U字吊り用のロープWと、そのロープの一端部に固定された図示しないフック、ロープWの他端部にスライド自在に装着されたフック付き伸縮調節器等を有し、この調節器におけるフックの高所作業用安全帯に対する係合によってロープWのU字形反転部に、昇降路に沿って設けられたガイドレール31に案内され、ガイドレール31を挟持するガイドローラ34を有する昇降用安全器30を連結した高所作業用安全ロープであり、ロープWと昇降用安全器30との間に、複数の屈曲部を有し、その屈曲部の伸張によって衝撃力を緩衝する緩衝環を取り付けたというものである。
特開2002−315842号公報
ところで、一般に送電鉄塔、建物、煙突等の側面に取り付けられた梯子は、保守・点検のために取り付けられているが、この梯子を昇降する際、墜落防止の安全対策としては、仮設の“安全器”(安全ブロック・垂直親綱等)を設ける、あるいは梯子とは別に垂直レールシステム(ガイドレール)を予め設置しておく必要があり、その一例として上記特許文献1の「高所作業用安全ロープ」が用いられることがあるが、この安全ロープは、上記特定の形式の垂直レールシステム(ガイドレール)を使用することを前提としている。
しかし、上記垂直レールシステム(ガイドレール)は、一般に送電鉄塔、建物、煙突等の頂部まで登って高所作業する梯子とは別に設置することを前提として設置される。従って、保守点検作業をした場合、一度作業を実施した後は一定期間使用しないことが多く、このような状況では、数度の昇降のために上記のフックやロープを用いた仮設の安全器具を設置する作業は煩雑であり、またこの特定の垂直レールシステム(ガイドレール)を常設した場合、使用頻度が少ないにも拘らず、放置時間が長くなりがちになるため、設備の老朽化が進み、設備設置の対費用効果が小さい。
そこで、このような特定の垂直レールシステム(ガイドレール)を利用するのではなく、上記従来の送電鉄塔、建物、煙突等に設置されている梯子を利用することが考えられる。即ち、この梯子に対してコンパクトな高所作業用安全器具を装着、設置して、この安全器具と共に作業者が昇降し、万一のときはこの安全器具で作業者の墜落を防止することができるようにすれば、垂直レールシステム(ガイドレール)を特別に設置する必要が無くなり、従って高所作業用安全器具の老朽化の防止を図る範囲が限定され、安全器具設備の設置費用、保守点検にかかる費用を経済的な範囲内とすることができるという観点からも望ましい。
この発明は、上記の問題に留意して、送電鉄塔、建物、煙突等の高所作業をするために設けられた既設の梯子を利用し、作業者の着用する安全ベルトに連結し、梯子に沿って昇降自在で、かつ作業者が万一墜落した場合でも必ず落下を防止でき、安全器具の機構をコンパクトでかつ経済的なコストで製作できる高所作業用安全器具を提供することを課題とする。
また、上記高所作業用安全器具において、さらに梯子に対して着脱が容易であり、使用後は取り外し作業が簡単に実施できる高所作業用安全器具を提供することをもう一つの課題とする。
また、上記高所作業用安全器具において、さらに梯子に対して着脱が容易であり、使用後は取り外し作業が簡単に実施できる高所作業用安全器具を提供することをもう一つの課題とする。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、梯子の各ステップを挟む一対の外内フレームを所定の隙間を置いて対向して設け、各フレームに設けた中心軸から半径方向に延びる複数のアームを有する回転自在な案内車と、この案内車の回転を阻止する安全装置を設け、案内車が取り付けられているフレームと対向する側のフレーム間に回転自在に嵌入させ、この案内車の回転により一対の外内フレーム間を各ステップが通過可能とし、作業者の万一の墜落時には案内車の回転を阻止し、安全装置がステップと噛み合うことにより梯子のステップに安全器を係止して作業者の墜落を阻止するようにした高所作業用安全器具の構成としたのである。
上記の構成としたこの発明の高所作業用安全器具は、送電鉄塔、建物、煙突等に既設(新設の場合を含む)の梯子に設置して、特定の垂直レールシステム(ガイドレール)を設けることなく、小型でかつコンパクトな安全器具を梯子に装着するだけで、作業者が高所作業をする際の墜落を防止するのに使用される。この高所作業用安全器具は、梯子に対して装着され、外内フレームで梯子のステップを挟んで作業者が昇降するのに伴って移動する。作業者は安全ベルトを装着しているため、この安全ベルトに連結金具又は安全ロープを介して高所作業用安全器具に連結する。作業者が昇降すると、その動きと共に高所作業用安全器具は、その案内車が回転して外内フレーム間を各ステップが通過することにより昇降する。
上記の高所作業用安全器具では、上記案内車を一対の案内車とし、その一対の案内車の中心軸のそれぞれを、対向する外内フレームに互いに対角状に設け、一対の案内車の外周に設けた小ローラを、それぞれが取り付けられているフレームに対向するフレームに設けた案内板に回転自在、かつ転動自在に係合させて、外内フレーム同士の離脱を防止するように構成する。このような構成とすることにより、一対の案内車の一方の小ローラが他方のフレームの案内板に係合し、他方の小ローラが一方のフレームの案内板に係合し、このため両フレームを連結する部材を有することなく、両フレーム間の連結が保持され、かつ両フレーム間を梯子のステップが通過できる。
また、上記の高所作業用安全器具では、外フレームの上、下端寄り位置に高所作業用安全器具全体を昇降時に梯子の垂直なフレームに沿って案内する案内ローラを設け、上端寄り位置に設けた案内ローラを外フレームに対して弾性部材による係止手段を介して着脱自在、かつ梯子にその途中から高所作業用安全器具を挿入する際には係止手段により案内ローラを外フレームの上端から一旦引き離して外すことができるように可倒式に形成する。このような構成とすることにより、梯子に対してその長さの途中から挿入することができる。
この場合、案内ローラを係止手段の弾性力に逆らって引き上げて外フレームの上端から引き外すことにより、外フレームを傾斜状にした状態で内フレームを梯子内に挿入し、全体が装着されると案内ローラを外フレームの上端に戻して挿入が完了する。作業者は、この状態の高所作業用安全器具に対して自身の身体に装着した安全ベルトにロープを介して連結し、作業者が昇降する動きに対応して高所作業用安全器具も移動する。なお、高所作業用安全器具を梯子から取り外す時には、上記挿入時と同様な取り外し動作により梯子から取り外す。
上記高所作業用安全器具では、外フレームに上記安全装置としてロックレバーを取り付け、このロックレバーを内フレームに取り付けた案内車に係合自在とし、作業者の墜落時の重量でロックレバーに下向きの力が作用すると、ロックレバーが案内車に係合して案内車の回転を阻止することにより作業者の墜落を防止するように構成する。このような構成とすることにより、案内車は一方向に回転でき、逆方向には回転が阻止される。このため、万一作業者が墜落した場合、ロックレバーにより安全器具が梯子のステップに係合して、墜落が防止される。なお、安全装置として上記ロックレバー形式以外にラチェット機構を採用することもできる。
この発明の高所作業用安全器具は、複数のアームを有する回転自在な案内車と、この案内車の回転を阻止する安全装置を設け、案内車が取り付けられているフレームと対向する側のフレーム間にステップを回転自在に嵌入させ、この案内車の回転により一対の内、外フレーム間を各ステップが通過可能とし、作業者の万一の墜落時には案内車の回転を阻止するようにしたから、安全装置がステップと噛み合うことにより梯子のステップに安全器を係止して作業者の墜落を阻止することができ、既設の梯子を利用して高所作業用安全器具を取り付けることができるという利点が得られる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の高所作業用安全器具を梯子1に取り付けた状態の概略斜視図、図2は高所作業用安全器具の外観斜視図を示す。図示のように、この高所作業用安全器具Aは、常設されている梯子1の垂直フレーム2間に所定のピッチで設けられているステップ3を挟んで昇降自在、かつ垂直フレーム2から着脱自在に取り付けることができ、送電鉄塔、建物、煙突等の保守・点検や修理のための作業時に使用され、作業終了後は梯子1から取り外しが可能に形成されている。4は、梯子を設置対象物に取り付けるための取り付け脚である。
上記高所作業用安全器具A(以下では安全器具Aと略称する)は、梯子1の各ステップ3を挟む一対の外内フレーム10(外フレーム10a、内フレーム10b)を所定の隙間D(図4を参照)を以って対向して設け、中心軸から半径方向(放射状)に延びる複数のアームを有する回転自在な案内車11(11a、11b)を、案内車11が取り付けられている外内フレーム10と対向する側の外内フレーム10間に回転自在に嵌入させ、この案内車11の回転により外内フレーム10間を各ステップ3が通過可能とし、作業者の墜落阻止時には後述する安全装置と噛み合うことにより梯子ステップ3に安全器具Aを係止するように構成している。
上記外内フレーム10の長さは、一般的な梯子1のステップ3の間隔(約30〜40cm)に大略対応する長さとし、幅は図示のように垂直フレーム2、2間の幅の数分の1程度である。さらに、後述する安全装置であるロックレバー16の長さ、幅は、それぞれ外内フレーム10の半分程度の幅である。従って、図示の形状は一例であり、他の形状のものが多数有り得るが、以下では図示の例の形状を中心に説明する。
外フレーム10aと内フレーム10bには、図5に示すように、それぞれ上下、かつ対角方向に位置する大小一対の案内車11(主案内車11b、補助案内車11a)が取り付けられている。一方の外フレーム10aは、図6に示すように、昇降方向に延びる左右一対の帯フレーム10al、10arを、その上部寄り位置で連結板12afを介して相互に連結し、その長手方向の下端寄り位置は連結軸12axにより連結され、かつこの連結軸12axを中心として略2/3円弧状の保持部(側板)13a、13aが形成されている。保持部13a、13a間には、下記の補助案内車11aが連結軸12axを中心として回転自在に取り付けられている。
帯フレーム10al、10arの長手方向の中央位置には、両フレームの対向する内側面に後述する主案内車11bの案内板14が設けられ、この案内板14から少し上の位置まで帯フレーム10al、10arは延びて終わり、その上端位置には梯子1に沿って高所作業用安全器具Aが昇降する際に、安全器具A全体を安定して昇降、案内するための案内ローラ17の連結軸18を支持するための支持溝19が設けられている(図6参照)。この支持溝19は半円弧状で、後述するように、梯子1への挿入時に挿入が容易となるように、案内ローラ17、連結軸18を着脱自在に設けられている。
上記案内ローラ17、連結軸18は、常時は帯フレーム10al、10arの上端の支持溝19に嵌合、支持されているが、梯子1への挿入時には案内ローラ17を梯子1のフレーム2の表面から離して高所作業用安全器具Aを挿入容易とするため、引き離すことができるように、係止手段15により係止されている。この係止手段15は、略H字型の枠部材15aからなり、支持軸16aと連結軸18の間に張設された弾性部材である一対のコイルばね15b、15bで常時連結軸18を支持軸16a側に引き付けている。
連結軸18を引き離すべき時には、連結軸18と一体の枠部材15aの下部の長孔15c内で枠部材15aを引き上げることができるように、枠部材15aの長孔15cは支持軸16aに対して長孔15cの長さの範囲内で移動可能、かつ所定角度の範囲で外側に回転可能な可倒式に係止手段15は支持軸16aに係合して設けられている。このため、係止手段15は、コイルばね15b、15bの弾性に逆らって連結軸18を人手で上方に引き上げて外側へ所定角度ほど引き倒し、支持溝19から外すことができる。
さらに、帯フレーム10al、10arの案内板14の直ぐ上の位置には、略L字形のロックレバー16が支持軸16aを中心に回転自在に設けられ、この支持軸16aの周りに取り付けた2つ折のばね16bで常にロックレバー16を下向きに付勢している。なお、下部の案内ローラ17、連結軸18は、帯フレーム10al、10arに対して固定して設けられている。連結軸16cは、ばね16bの係止用の軸である。
上記ロックレバー16の内側面には切欠部16kが形成され、これによりラチェット方式と同様に、一方向にのみ回転可能、反対方向には回転を阻止する安全装置として設けられている。そして、この安全装置は、主案内車11bの2列で複数対の回転アーム11bm、11bmの先端の小ローラ11br、11br間を連結する連結軸11bsにロックレバー16の切欠部16kが嵌合することにより、主案内車11bの回転を阻止するように構成されている。
上記保持部13a、13aは、その互いに対向する内面にその面から軸方向に突出する略2/3円弧状の二重の案内板13at、13apが設けられている。この二重の案内板13at、13apの板面間に補助案内車11aの小ローラ11arが転動自在、かつ回転自在に接しながら嵌合、案内される。また、後述する内フレーム10bの、上記二重の案内板13at、13apに対向する位置に、略1/3円弧状の二重の案内板13bt、13bpが所定の隙間Dを以って上記二重の案内板13at、13apと同一半径状に形成されている。
補助案内車11aは、保持部13a、13a間に設けられている中心軸12axを中心として回転自在なボス部11Bsから半径方向(放射状)に、かつ互いに平行に一対のアーム群として延びる2列で複数対(図示の例では5対)の回転アーム11am、11amからなり、回転アーム11am、11amの先端には上記小ローラ11arが複数個それぞれ取り付けられている。この補助案内車11aの小ローラ11arは、上記二重の案内板13at、13ap間に嵌合すると共に、対向する二重の案内板13bt、13bpにもその小ローラ11arが少なくとも1つ必ず嵌合するように配置されている。
なお、上記小ローラ11arが、対向するフレームの二重の案内板13bt、13bpに少なくとも1つ必ず嵌合するように配置されている点は、後述する主案内車11bの場合も、嵌合する関係が逆となるが、互いに対向するフレームに嵌合する点では同じである。ただし、主案内車11bの場合は、主案内車11bが取り付けられている内フレーム10bと対向する外フレーム10aの二重の案内板14at、14apに対して少なくとも2つ以上の小ローラ11brが嵌合することが必要である。これは、外フレーム10aと、内フレーム10bとの間に連結装置がなくても、互いのフレーム間が分離されないように連結状態を保持する必要があるからである。
他方、内フレーム10bも、昇降方向に延びる左右一対の帯フレーム10bl、10brを、その上部寄り、下部寄り位置で連結板12bf、12bfを介して相互に連結している点では外フレーム10aと同様に形成されているが、その長手方向の中間に支持される支持軸12bxを中心として略2/3円弧状の保持部(側板)13b、13bが形成され、かつ補助案内車11aより半径が少し大きい主案内車11bが設けられている点で外フレーム10aの場合と少しその形状が異なる。
保持部13b、13b間には、下記の主案内車11bが支持軸12bxを中心として回転自在に取り付けられ、この保持部13b、13bの互いに対向する内面には、その面から突出する案内板14、14(この案内板は1枚のみであり、2重ではない)が設けられている。この案内板14、14の外周に主案内車11bの小ローラ11brが転動自在、かつ回転自在に接しながら案内される。なお、外フレーム10aには、上記保持部13b、13bに対向して略1/3円弧状の保持部13b’、13b’が互いに対向して設けられ、その対向する内面に、上記案内板14に対応して略1/3円弧状の二重の案内板14at、14apが同一半径状に形成されている。
主案内車11bは、保持部13b、13b間に設けられている中心軸である支持軸12bxを中心として回転自在なボス部11Bsから半径方向(放射状)に、かつ互いに平行にアーム群として延びる2列で複数対(図示の例では9対)の回転アーム11bm、11bmからなり、この回転アーム11bm、11bmの先端には上記小ローラ11brがそれぞれ取り付けられている。この主案内車11bの小ローラ11brは、上記案内板14に係合すると共に、対向する二重の案内板14at、14apにもその小ローラ11brが少なくとも2つ必ず嵌合する関係となるように(回転アーム11bm、11bmと同数)配置されている。
上記の構成としたこの実施形態の高所作業用安全器具A(以下では安全器具Aと略称する)は、送電鉄塔、建物、煙突等の保守・点検や修理のための作業時に、作業者の万一の場合の墜落を防止するために次のように使用される。まず、安全器具Aを梯子1に対して、図1に示すような使用状態に設定するために、図7に示すように、梯子1の下部から挿入する。この時、図中の梯子1の右側が送電鉄塔、建物、煙突等の建物の壁であり、この壁に向かって安全器具Aの先端を梯子1に対して挿入する。
状態(イ)では、予め係止手段15の枠部材15aを人手で外フレーム10aの上端の支持溝19から引き上げて外側へ倒した状態で安全器具Aの先端を梯子1内に挿入する。そして、状態(ロ)の位置まで挿入した後、安全器具Aの全体を少しずつ持ち上げて直立状に起こし、所定高さの位置(ハ)まで引き上げる。(ハ)の高さ位置に来ると、係止手段15の枠部材15aを再度引き上げながら回転させて、外フレーム10aの上端の支持溝19に戻して係合させる。この作業が終わると、図1に示す状態となり、梯子1への装着が完了し、作業準備が終わる。
この状態から作業者が梯子1を上る時、図8の(a)図に示すように、作業者は安全ベルトとの間を連結金具で連結し安全器具Aとの間を連結し、作業者が墜落するのを防止する。図9の(a)図に梯子1に沿って作業者が上る時にロックレバー16が外れた状態を示す。図9の(b)図はロックレバー16が係合した状態を示す。図8の(a)図、(b)図、図9の(a)図に示すように、作業者は梯子を上る時は、安全ベルトBを安全器具Aに連結した状態で梯子1を登るが、作業者が登る際には安全ベルトBにより安全器具Aを引き上げながら上昇する。
従って、この状態では安全ベルトBがロックレバー16を引き上げるため、ロックレバー16による主案内車11bの回転の係止は解除されており、作業員が上昇する作業に伴って安全器具Aの全体が引き上げられる。なお、安全装置としての上記ロックレバー16は一方向への回転に対してのみ係合して主案内車11bの回転を阻止し、逆方向への回転は自由である。ロックレバー16による主案内車11bの回転の係止が解除されると、主案内車11bは自由に回転ができるため、安全器具Aの上昇時に主案内車11b内を相対的に梯子1のステップ3が下方に移動することを可能とし、このため常時回転可能な補助案内車11aをもステップ3が通過して安全器具Aを引き上げることができる。
しかし、万一作業者が何らかの理由でステップ3を踏み外して作業者が墜落することとなった場合、落下した作業者の体重でロックレバー16が引き下げられる。このため、図9の(b)図に示すように、主案内車11bに対してロックレバー16が係止されて主案内車11bの回転がロックされ、その位置で安全器具Aが梯子1に対して下方への移動ができなくなるため、作業者、安全器具Aの墜落が阻止される。従って、作業者の万一の墜落事故の発生時にも作業者の安全を守ることができることとなる。なお、図8の(b)図に示すように、安全ベルトに連結金具と連結ロープWを介して安全器具Aに連結しても良い。この場合は、特許文献1のように、作業者の万一の墜落時の衝撃を緩和することができる方式のショックアブソーバを備えたランヤードを使用する必要がある。
上記作業者が梯子1に沿って登る際に、安全器具Aの補助案内車11aと主案内車11bを梯子1のステップ3が通過する状態を図10に示す。安全器具Aが上昇するにつれて、ステップ3が主案内車11bの複数の回転アーム11bm、11bmの間に嵌まり込み、主案内車11bをステップ3が回転アーム11bm、11bmを押し下げることにより主案内車11bが回転して、ステップ3は安全器具Aに対して相対的に下方に下がり、さらに同様に補助案内車11aの複数の回転アーム11am、11amの間に嵌まり込み補助案内車11aをステップ3が回転アーム11am、11amを押し下げることにより補助案内車11aが回転して相対的に下方に下がり、ステップ3を通過することとなる。
上記のステップ3が主案内車11bと補助案内車11aの間を通過する際に、図10の(b)図では主案内車11bが反時計方向に回転するのに対して、(d)図に示すように、補助案内車11aは時計方向に回転、つまり互いに逆回転方向に回転する。これは、主案内車11bと補助案内車11aの中心軸が内フレーム10bと外フレーム10aに対して互いに対角上の位置に取り付けられているため、両フレーム間の所定の隙間D間を通過する際に、回転アーム11bm、11bmと回転アーム11am、11amを互いに逆方向に回転させるからである。
なお、上記実施形態では主案内車11bが補助案内車11aより大径のものとしたが、これは作業者の万一の墜落時にその体重による墜落時の衝撃力を主案内車11bで受けるに必要な強度を有する形状とするためであり、主案内車11bと補助案内車11aを同形状としても良いし、また強度的に許容される得る限り左右2列の案内車部材による形状ではなく、1列或いは2列以上の複数列の案内車の形状としても良い。
また、主案内車11bの回転を阻止する安全装置として、2列で複数対の回転アーム11bm、11bmの先端の小ローラ11br、11br間を連結する連結軸11bsにロックレバー16の切欠部16kが嵌合するように形成されているが、この関係を逆にすることもできる。即ち、複数対の回転アーム11bmを1列とし、その両側にロッドを突出させてこのロッドに2列のロックレバー16を嵌合させるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では高所作業用安全器具Aを梯子1に対して挿入、取り外し可能としたが、梯子に固定設置する形式とし、梯子1に対して装着したままとすることもできる。この場合は、係止手段15を省略し、外フレーム10aの上方の案内ローラ17、連結軸18を上端位置に固定して設ける。そして、外フレーム10aと内フレーム10bを梯子のステップ3を挟んで組み付けて常設する。この場合は、高所作業用安全器具Aの防錆対策を施しておくと良い。
以上、各部材の変形例を含む各種の形状を例示したが、これらの変形例を含めて種々の改変が可能であり、この発明の趣旨に含まれる範囲内で種々採用でき、発明の範囲内に含まれる。
本発明の高所作業用安全器具Aは、梯子の各ステップを挟む案内車の回転により一対の外内フレーム間を各ステップが通過可能とし、作業者の万一の墜落時には案内車の回転を阻止し、安全装置がステップと噛み合うことにより梯子のステップに安全器を係止して作業者の墜落を阻止するようにしたものであり、既設の梯子に対して装着でき、小型、軽量で経済的な安全装置を梯子に装着するだけでよく、送電鉄塔、建物、煙突等の保守・点検や修理等の作業に広く利用できる。
1 梯子
2 フレーム
3 ステップ
4 取り付け脚
10 外内フレーム
10a 外フレーム
10b 内フレーム
10al、10ar 帯フレーム
11 案内車
11a 補助案内車
11b 主案内車
12a 連結軸
12af、12bf 連結板
13a、13b 保持部
13at、13ap 二重の案内板
14 案内板
15 係止手段
15a 枠部材
15b コイルばね
16 ロックレバー
16a 支持軸
16b 2つ折のばね
16k 切欠部
17 案内ローラ
18 連結軸
19 支持溝
A 高所作業用安全器具
B 安全ベルト
D 隙間
2 フレーム
3 ステップ
4 取り付け脚
10 外内フレーム
10a 外フレーム
10b 内フレーム
10al、10ar 帯フレーム
11 案内車
11a 補助案内車
11b 主案内車
12a 連結軸
12af、12bf 連結板
13a、13b 保持部
13at、13ap 二重の案内板
14 案内板
15 係止手段
15a 枠部材
15b コイルばね
16 ロックレバー
16a 支持軸
16b 2つ折のばね
16k 切欠部
17 案内ローラ
18 連結軸
19 支持溝
A 高所作業用安全器具
B 安全ベルト
D 隙間
Claims (4)
- 梯子1の各ステップ3を挟む一対の内、外フレーム10b、10aを所定の隙間を置いて対向して設け、各フレームに設けた中心軸から半径方向に延びる複数のアームを有する回転自在な案内車11と、この案内車11の回転を阻止する安全装置を設け、案内車11が取り付けられているフレームと対向する側のフレーム間に回転自在に嵌入させ、この案内車の回転により一対の内、外フレーム10b、10a間を各ステップ3が通過可能とし、作業者の万一の墜落時には案内車11の回転を阻止し、安全装置がステップ3と噛み合うことにより梯子1のステップ3に安全器を係止して作業者の墜落を阻止するように構成した高所作業用安全器具。
- 前記案内車11を一対の案内車11a、11bとし、その一対の案内車11a、11bの中心軸のそれぞれを対向する外、内フレーム10a、10bに互いに対角状に設け、一対の案内車11a、11bの外周に設けた小ローラ11ar、小ローラ11brを、それぞれが取り付けられているフレームに対向するフレームに設けた案内板に回転自在、かつ転動自在に係合させて、外、内フレーム10a、10b同士の離脱を防止したことを特徴とする請求項1に記載の高所作業用安全器具。
- 前記外フレーム10aの上、下端寄り位置に高所作業用安全器具全体を昇降時に梯子の垂直なフレームに沿って案内する案内ローラ17、17を設け、上端寄り位置に設けた案内ローラ17を外フレーム10aに対して弾性部材による係止手段15を介して着脱自在とし、梯子1にその途中から高所作業用安全器具を挿入する際には係止手段15により案内ローラ17を外フレーム10aの上端から一旦引き離して外すことができるように可倒式に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の高所作業用安全器具。
- 前記外フレーム10aにロックレバー16を取り付け、このロックレバー16を内フレーム10bに取り付けた案内車11bに係合自在とし、作業者の墜落時の重量でロックレバー16に下向きの力が作用すると、ロックレバー16が案内車11bに係合して案内車11bの回転を阻止することにより作業者の墜落を防止するように構成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の高所作業用安全器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007149103A JP2008301872A (ja) | 2007-06-05 | 2007-06-05 | 高所作業用安全器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007149103A JP2008301872A (ja) | 2007-06-05 | 2007-06-05 | 高所作業用安全器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008301872A true JP2008301872A (ja) | 2008-12-18 |
Family
ID=40231120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007149103A Pending JP2008301872A (ja) | 2007-06-05 | 2007-06-05 | 高所作業用安全器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008301872A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102657920A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-09-12 | 安徽省电力公司合肥供电公司 | 可移动防高坠保护装置 |
CN110820589A (zh) * | 2019-11-30 | 2020-02-21 | 武汉瑞锦丰路桥设备股份有限公司 | 桥梁施工安全防落装置 |
CN111946075A (zh) * | 2020-08-26 | 2020-11-17 | 林东东 | 一种水利施工用埋管放线装置 |
-
2007
- 2007-06-05 JP JP2007149103A patent/JP2008301872A/ja active Pending
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