JP2008300189A - 電極用構成材、それを用いた電極、およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極形成時に活物質を圧縮形成しても、導電性、イオン輸送性に及ぼす影響を抑制する電極構成を提案する。
【解決手段】電極の形成に際して、集電体1上に活物質2を圧縮形成する際の活物質2の潰れを抑制する材料を、活物質2と共に混入した。かかる材料としては、例えばカーボンナノチューブ4a等が挙げられる。例えば、カーボンナノチューブ4aの柔軟構造性のために活物質2が圧縮力を受けた場合でも、活物質2の潰れを抑制して、活物質2間への電解液3の浸透が行われ導電性等の確保が行われる。
【選択図】図2
【解決手段】電極の形成に際して、集電体1上に活物質2を圧縮形成する際の活物質2の潰れを抑制する材料を、活物質2と共に混入した。かかる材料としては、例えばカーボンナノチューブ4a等が挙げられる。例えば、カーボンナノチューブ4aの柔軟構造性のために活物質2が圧縮力を受けた場合でも、活物質2の潰れを抑制して、活物質2間への電解液3の浸透が行われ導電性等の確保が行われる。
【選択図】図2
Description
本発明はリチウムイオン二次電池の技術に関し、特にバナジウム系等の層状結晶性物質を活物質として電極用材料に使用した場合に適用して有効な技術である。
以下に説明する技術は、本発明を完成するに際し、本発明者によって検討されたものであり、その概要は次のとおりである。
電気自動車(EV)の本格的な普及のためには航続距離の伸長が不可欠である。リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery,LIB)は高いエネルギー密度を有するため、電気自動車用の蓄電源の最有力候補の一つとして取り上げられている。かかるリチウムイオン電池では、現在よりも更なるエネルギー密度の向上が求められている。また、電気自動車への搭載に際しては、リチウムイオン電池は安全性にも優れたものでなければない。
従って、リチウムイオン電池では、高いエネルギー密度と安全性という電気自動車用蓄電源として求められる高いエネルギー密度を有する電池性能を維持しつつ安全性能を向上させるという課題を解決できるような構成が求められている。
一方、リチウムイオン電池では、酸化バナジウム系化合物を電極の活物質に用いた開発が行われている。酸化バナジウム系化合物では、その層状結晶の層間にリチウムイオンを取り込む特性が高いことから、高エネルギーを取り出すことが出来るとして注目されているのである。
さらに、酸化バナジウム系化合物の中でも、五酸化バナジウム(V2O5)は充電末状態がV2O5と熱的に安定なために、例えば、過充電時の電解液との反応性が抑制されて安全となることが期待されている。LiCoO2などの市販材料の場合、過充電すると活物質から酸素が放出して、それが電解液と反応して熱暴走に至るが、本材料の場合、V2O5から酸素は放出されないので熱暴走には至らないのである。
従って、電極の活物質にV2O5を用いることで、リチウムイオン電池の大型化、大容量化が可能となり、高いエネルギー密度を持つ安全な電池として電気自動車用の蓄電源として有望視されている。
一方、LiV2O5等のリチウム含有バナジウム酸化物を正極の活物質に用いて非水電解質二次電池を構成した場合には、十分な電池容量が得られず、サイクル特性が悪くなるとの指摘がされていた。かかる原因として、正極活物質の表面に電子伝導性の低い非晶質のバナジウム酸化物の層が形成されやすく、これにより正極における導電性が悪くなり、電池電圧が急激に低下するためであると考えられる旨が、特許文献1には記載されている。
かかる特許文献1では、上記原因に対する解決策として、正極活物質としてリチウム含有バナジウム酸化物を用いると共に、併せて気相成長炭素繊維を導電材として正極に含有させることで、5サイクル目までの放電容量の低下もなくサイクル特性が大きく向上させることができる旨が、実施例には開示されている。
特開2007−87841号公報
ところが酸化バナジウム系化合物をリチウムイオン電池の電極活物質として用いるに際しては、以下の課題があることを本発明者は見出した。
すなわち、例えば、五酸化バナジウム(V2O5)は電気的に絶縁性の材料であるため、かかる絶縁性材料を活物質として用いる場合には、従来技術で行われているように、導電性炭素材料等の導電性物質を活物質と混合して、バインダーとともに集電体上に塗布させることで電極が作製されている。
かかるV2O5は材料比重が3.5以下と低いために、単位体積当たりのエネルギーを増やすためには、電極密度を上げる必要がある。そこで、電極形成時には、集電体上に塗布したV2O5等の電極用構成材にプレスする等して圧縮形成を施していた。
しかし、このように電極密度を上げるためにV2O5等の電極用構成材を圧縮形成すると、圧縮形成する前に比べて、V2O5及び導電性炭素粒子間に電解液が浸透しにくくなるのである。その結果、固体−液体間でのイオンのやり取りの円滑性が制限され、その結果、電気化学的性能が低下するといった問題が本発明者の研究で確認された。
V2O5を電極の活物質として用いた場合、その層状結晶の層間にリチウムイオンを取り込む特性を最大限に発揮させるためには、電極形成時の圧縮形成でも、導電性が確保されて、イオン輸送が円滑に維持できるような電極構造が構築されている必要がある。
すなわち、V2O5の層間に出入りするリチウムイオンを、その層間の出入り口まで円滑に持って行く必要があるのである。かかる前提があってこそ、層状結晶の層間にリチウムイオンを取り込む特性を最大限に発揮させることができる筈と、本発明者は考えた。少なくとも、出入り口までリチウムイオンを円滑に輸送できなくては、V2O5の層間へのリチウムイオンの出入りを円滑にすることはできない筈である。
前記特許文献1に開示の発明は、確かに優れた発明ではある。しかし、電極形成に際して活物質を圧縮形成することによる上記電解液の浸透性の阻害の問題点にはついては、その示唆をも含めて一切考慮されてはいない。残念ながら、かかる課題の解決策の糸口は、特許文献1からでは得られなかった。
すなわち、特許文献1に開示の発明では、正極活物質の表面に非晶質のバナジウム酸化物の層が形成されることでサイクル特性等が悪くなるとの考えに基づき、正極活物質と導電材としての繊維状炭素との良好な分散性に発明の主眼が払われている。そこで、正極活物質及び繊維状炭素のBET表面積、繊維状炭素における繊維長、繊維径に対する繊維長等を規定することで、分散性を良好に維持することで導電性を向上させようとしているのである。
本発明の目的は、電極形成時に集電体上の活物質を圧縮等しても、導電性、イオン輸送性に及ぼす影響を抑制できる電極構成を提案することにある。
また、本発明の他の目的は、電極形成に際して活物質を圧縮形成しても、導電性、イオン輸送性に及ぼす影響を抑制できる電極構成を採用することにより、かかる電極を用いた電池の放電性能、サイクル特性の向上等を図ることにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。すなわち、電極の形成に際して、集電体上に活物質を圧縮形成する際の活物質の潰れを抑制する材料を、活物質に混入した。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明では、活物質と共に電極の集電体に設ける電極用構成材として、例えば、カーボンナノチューブ等を用いることで、集電体上に塗布した活物質を圧縮形成しても潰れにくくして、リチウムイオン二次電池等のサイクル時の放電容量等の電気化学的特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、活物質の潰れを抑制する機能を有する材料を電極用構成材として含まない場合の外部圧縮に対しての活物質の潰れ状況を、分かりやすく模式的に示した説明図である。図2は、例えばカーボンナノチューブを電極用構成材として加えることで、外部圧縮に対して活物質の潰れが抑制されている状況を、分かりやすく模式的に示した説明図である。
本願発明は、電池等の蓄電装置の形成には欠かすことができない電極形成の技術に関するものである。電極は、一般には、導電性基体等からなる集電体上に、活物質の層を設けることで形成される。かかる活物質の密度が低い等の場合には、かかる活物質の層形成にあたり、活物質をプレスする等して圧縮形成してその密度を上げることが行われる。
例えば、五酸化バナジウム(V2O5)等の酸化バナジウム系活物質を用いた場合には、密度(比重)が比較的に低いために、かかる圧縮形成作業が行われる。圧縮形成により密度を高くするのである。かかる圧縮形成では、比較的に柔らかな酸化バナジウム等の活物質は、個々の活物質の粒子が潰されることとなる。その結果、個々の活物質間の空間が狭められ、活物質の間に電解液が浸透しにくくなり、圧縮前に比べて圧宿後の電気化学的特性が悪くなることが分かった。
かかる圧縮前、圧縮後の状況を、図1(a)、(b)に模式的に説明した。図1(a)は、圧縮前の状況を示す説明図であり、集電体1上に、活物質2が設けられている状況を示している。圧縮前のため、活物質の粒子は潰されておらず、例えば球形で模式的に示されている。球形の個々の活物質2間に、電解液(例えば、小さな球形で模式的に示した)3が入り込んでいる状況が読み取れる。
一方、圧縮後の状況を示す図1(b)では、活物質2の粒子間は、活物質2が潰れているためにその粒子間間隙が狭くなっている。すなわち、活物質2間の空間を、電解液3が通り難くなっている様子を模式的に示した。
しかし、本発明では、活物質2に電極用構成材4の一つとして、例えばカーボンナノチューブ4aを混入するので、図2(a)の圧縮前の状態が、圧縮後の図2(b)の状態となり、活物質2の潰れが図1(b)の場合に比べて抑制されるのである。図中の潰れの様子は、分かりやすいようにあくまで模式的に誇張して示したものである。
図2(a)に示すように、集電体1上の活物質2の潰れが、活物質2にカーボンナノチューブ4aを混入することで、図2(b)に示すように活物質2の潰れが抑制されるのである。例えば、図2(b)に示す如く、潰された活物質2の間にカーボンナノチューブ4aを切断されずに存在させることができるのである。すなわち、活物質2の間に挟まれたカーボンナノチューブ4aは、破断しにくく、柔軟性に富んでいることで、圧縮された活物質の間に破断することなく介在しているのである。さらには、活物質2への圧縮に対しては、図2(b)に示すように、カーボンナノチューブが変形等することでその圧縮力をかわすことができるのである。
このように、活物質にかかる圧縮力をかわすとともに、且つカーボンナノチューブ自体も破断しにくく、柔軟性に富んでいることで、活物質2そのものの圧縮も抑制されるものと思われる。このようにカーボンナノチューブの柔軟性構造に基づき、潰されても比較的に破断されずに活物質間の空隙を確保し、且つ活物質の潰れを抑制しているのである。
そのため、活物質間における電解液の浸透性が確保されることで、V2O5等の層状結晶状態のリチウムイオンの層間出入り口への輸送等が円滑に行われ、元々有するV2O5等の層間へのリチウムイオンの挿入・脱離による電気化学的特性がより向上させられるものと思われる。
尚、上記構成ではカーボンナノチューブについて述べたが、本発明者の実験では、繊維状炭素についてもその効果は確認されている。図3(a)、(b)に模式的に示すように、繊維状炭素4bが存在することにより活物質の潰れが抑制されているのである。因に、図3(a)は圧縮前の状態を、図3(b)は圧縮後の状態を示している。
以上、本発明のポイントとなる概略構成について述べたが、さらに本発明については以下に詳細に説明する。以下の説明では、例えば、リチウムイオン二次電池の正極の活物質として、五酸化バナジウム等の酸化バナジウム系の活物質を使用した場合を例に挙げる。
かかるリチウムイオン二次電池の正極活物質に用いる酸化バナジウムとしては、先に、本出願人は、五酸化バナジウムの層状結晶構造を少なくとも層長を30nm以下に規制することで、その層状結晶を不規則に配列した粒子とすることで層間へのイオンの出入りを改善する提案を行った。
かかる層状結晶性物質の状態は、nm以下のオーダの観察が行えるミクロ的な視点では、層長が30nm以下の結晶構造のみ、もしくはかかる結晶構造とアモルファス構造とが共存している状態が確認されるものである。しかし、かかる状態は、nmより大きいμmオーダの観察しか行えないマクロ的な視点から見た場合には、結晶構造がランダムに配列したアモルファス構造が観察されるものである。
かかる結晶構造を形成することで、活物質に用いられる層状結晶の少なくとも層長が所定長さ以下に設定されるので、層間へのイオンの出入りが円滑に行われるというものであった。すなわち、正極活物質として使用するバナジウム酸化物の層状結晶もその層長を所定長さ以下に設定することで、例えばリチウムイオンの層間への出入りを円滑に行わせ、電池容量の向上、サイクル特性の向上等が図れるものである。
しかし、本発明者は、かかる新規な層状結晶構造を有するバナジウム酸化物を正極の活物質に用いたリチウムイオン二次電池で、さらなる電気的特性の向上を図る研究を行っていた。かかる研究の中で、かかる層長が規定された酸化バナジウムを活物質として用いた電極では、電極形成に際して活物質の比重を高めるために、圧縮形成することが行われている。
確かに、層状結晶状態の層長を0を含まない30nm以下に規定することで、かかる規定を行わない層状結晶状態の酸化バナジウムを正極の活物質に使用する場合よりも、電池の電気化学的特性を向上させることができた。
その後、さらなる電気化学的特性の向上を図る研究をする中、上記の如く、電極形成時の圧縮過程がかかる特性向上に重要な意味を有することを見出した。層長を上記の如く所定範囲に規定することで、かかる規定が無い長い層長の層状結晶状態に比して、リチウムイオンの出入りは確かに円滑に行われ、かかる改善された特性に見合った電気的特性も得られることは、先の出願でも示した通り事実である。
しかし、かかる層長の規定を行った活物質では、活物質間に電解液が浸透してリチウムイオンの出入りをサポートするのであるが、かかる電解液の活物質間への出入りのし易さについては、これまで一切考慮を払ったことがなかった。いくら活物質に優れたものを使用しても、活物質間への電解液の出入りが円滑に行われない状態では、基本的には活物質の電気化学的特性を有効に利用することはできない筈であると考えた。
すなわち、電解液の活物質間への出入りを確保するという点では、前記の如く電極形成時の活物質を圧縮形成することが大きな意味を有することを見出したのである。
五酸化バナジウム等の密度(比重)の比較的軽い材料は、どうしても電極形成にあたっては圧縮形成せざるを得ないのである。かかる圧縮形成では、活物質が潰れ、活物質間の空隙が潰されて、電解液が入り込めなくなるものと思われる。特に、五酸化バナジウム等のように比較的に柔らかい物質では、その潰れ方が大きく、電解液等の通り道となる活物質間の空間が狭くなり易いものと思われる。
そこで、活物質を圧縮形成しても、電解液の通り道が確保できるような活物質間の空間を構成する方法はないかと、本発明者は考えた。かかる中、カーボンナノチューブを活物質に混合することを見出した。かかるカーボンナノチューブは、先に述べたように、チューブ状に形成されている等のために潰れにくく、また潰しに対しても破断しにくいものと考えた。
さらには、カーボンナノチューブに特有の優れた導電性も付加することができる筈であると考えた。カーボンナノチューブを活物質と混ぜることで、活物質間の電解液の通り道の確保等が行えるものと発想したのである。
先ず、本実施の形態で使用するバナジウム酸化物について説明する。例えば、五酸化バナジウムを例に挙げると、VO5を一単位とする5面体ユニットが2次元方向に共有結合で広がることで一つの層が形成されている。かかる層と層とが積層することで全体として層状構造となっている。
かかる層状結晶性の五酸化バナジウムは、層状結晶構造を保ったままマクロ的にアモルファス化することで、層状結晶性物質の層長が短く(微細化)されている。例えば、層長が長い層状結晶状態が、分断されて層長の短い層状結晶状態が出現させられているのである。
かかる状態は、すべてがアモルファス状態になっていては実現できない構造である。アモルファス化の進行状態を、途中で止めることにより、層長の短い層状結晶状態が存在できるようにするのである。つまり、部分的にアモルファス化することで実現できるのである。
図4には、本実施の形態で用いる酸化バナジウムの層長L1の短い層状結晶状態を、模式的に示した。図4の説明図では、層長L1の短い、すなわち層長L1が平均的に短い周期で繰り返す所謂短周期構造が、層状結晶構造を構成していることが示されている。一方、図5では、層長L2が長い状態の長周期構造の層状結晶状態を模式的に示した。本実施の形態で使用する層状結晶状態では、図4に示したように、短周期構造の層状結晶が複数集合した状態となっており、明らかに図5に模式的に示した場合とは異なる状態であることがイメージされる。
このように層長が短い層状結晶状態を、例えば、電池の電極活物質に使用すると、電池反応等に関与するイオン等の化学種が、層状結晶状態の層間に出入りし易くなるのである。例えば、層間にドープされたイオンは、層長が短いため、その拡散パスが短くなり、拡散し易くなるのである。イオンの出入りが円滑に行われないこれ迄の長周期構造の層状結晶状態の場合に比べて、充放電特性あるいはサイクル耐性等の改善向上が図れるのである。
かかる層長は、イオンの出入りに際して、直接的にイオンが通過する経路(パス)の長さに影響を与えるものである。勿論、層長以外の部分も、例えば、層状結晶構造の層の厚さ方向の長さも、平均結晶粒が小さくなるに従って小さくなっても構わない。要は、層状結晶構造の平均結晶粒が小さくなり、全体的にはイオンの出入りがし易い状態となればよいのである。
さらに、本発明ではかかる活物質の層状結晶状態が圧縮形成されても、圧縮により活物質を潰れにくくして、活物質間の電解液の通り道を確保して活物質へのリチウムイオンの供給が円滑に行えるようにしたのである。かかる電解液の通り道の確保には、前述の通り層状結晶状態の活物質にカーボンナノチューブを混入することを発想したのである。
尚、非水系リチウムイオン二次電池の正極材料等の電極用構成材料として使用可能な層状結晶構造を有する活物質には、五酸化バナジウムの他にも、例えばLiV3O8等のリチウムバナジウム酸化物も使用できることは勿論である。
かかる金属酸化物は、上記の如く、マクロ的にアモルファス化されている。マクロ的にアモルファス化された金属酸化物には、例えば、リチウムイオンがドープされている。リチウムイオンは、金属酸化物に対し、モル比で0.1〜10の割合でドープされることが好ましく、より好ましくは0.1〜6である。リチウムイオンのドープ量がモル比で0.1未満であると、ドープ効果が充分に発揮されず、他方リチウムイオンのドープ量が10を超えると、金属酸化物が金属にまで還元されてしまうおそれがあるため好ましくない。
尚、ドープとは、吸蔵、担持、吸着または挿入を意味し、正極等の電極活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。
また、上記五酸化バナジウム等のバナジウム酸化物を合成する際に、硫黄含有有機導電性ポリマーを、製造時に活物質に含有させる場合がある。詳細は不明であるが、硫黄含有導電性ポリマーに対応するモノマーが存在している場合、このモノマーが酸素阻害材として反応系の酸素濃度を一定にし、生成するリチウムイオンドープアモルファス金属酸化物の構造を制御すると考えられる。
しかし、反応終了時の硫黄含有導電性ポリマーは活物質としての性能を低くするため、最終生成物においては、それを減圧濃縮等で取り除くことによって活物質の性能が向上すると考えられる。かかる硫黄含有有機導電性ポリマーを含ませる場合には、製造時に金属酸化物の重量の1〜30%の割合で含まれるようにすればよい。
かかる上記活物質は、層状結晶性物質である五酸化バナジウム等の金属酸化物を、硫黄含有有機導電性ポリマーに対応するモノマーとともに、水中、水溶性リチウム源の存在下で加熱すれば合成することができる。例えば、加熱還流する等して、容易に合成することができる。さらに、還流した懸濁液を、減圧濃縮等することにより、容易に硫黄成分を取り除くことができる。
このように層長等を短くしてイオンの層間への出入りを容易にした活物質には、リチウムイオンがドープされている。リチウムイオン源としては、例えば、水溶性の硫化リチウム、水酸化リチウム、セレン化リチウム、あるいはテルル化リチウム等が使用できる。かかるリチウム化合物の群から選ばれた少なくとも1種のリチウム化合物を、水溶性リチウム源として用いればよい。特に、毒性、価格等の点からは、硫化リチウム、水酸化リチウムが好ましい。
水溶性リチウム源は水に溶けてアルカリ性を呈し、このアルカリ性水溶液に、通常結晶性(層状)化合物として入手される五酸化バナジウム等の金属酸化物が溶けて、アモルファス化する。併せて、このアモルファス化された金属酸化物にリチウムイオンが取り込まれるのである。
また、五酸化バナジウム等の酸化バナジウムは、過酸化水素により溶融される。そこで、かかる過酸化水素を用いても、マクロ的にはアモルファス状態だが、ミクロ的にはアモルファス状態と層長が短い層状結晶状態とが存在する共存状態をつくり出しても構わない。水溶液は酸性を呈するが、かかる酸性水溶液に、通常結晶性(層状)化合物として入手される酸化バナジウム等の金属酸化物が溶けてアモルファス化が進行し、所定の層長を持つ層状構造が形成されるのである。
このようにして得られる活物質を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のバインダーと、好ましくは導電性粒子と共に混合して正極用の電極用構成材とし、これを導電性基体上に塗布すれば正極を作製することができる。非水系リチウムイオン二次電池用正極材料の層は、例えば10〜100μmの厚さに形成しておけばよい。
かかる導電性粒子としては、導電性カーボン(ケッチェンブラック等の導電性カーボン等)、銅、鉄、銀、ニッケル、パラジウム、金、白金、インジウム、タングステン等の金属、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属酸化物等を挙げることができる。かかる導電性粒子は、前記五酸化バナジウム等の金属酸化物の重量の1〜30%の割合で含まれていればよい。
さらに、本発明における特徴点であるカーボンナノチューブも混入するのである。カーボンナノチューブには種々の形態があるが、例えば単層構造のカーボンナノチューブ、二層構造のカーボンナノチューブ、あるいは多層構造のカーボンナノチューブ等、いずれの形態のカーボンナノチューブでも使用できる。また、カーボンナノチューブを構成するグラフェンシート、またカップ積層型カーボンナノチューブでもよい。
図6(a)、(b)、(c)には、カーボンナノチューブの単層、二層、多層(図に示す場合には3層)の構成の模式的なイメージ図を示した。尚、図中二層、多層の場合において、外側のカーボンナノチューブから内側のカーボンナノチューブが透けて見える様子は図が見易いように省略した。また、内側のカーボンナノチューブを外側のよりも分かりやすいように伸ばして示している。さらには、カーボンナノチューブは、図6(a)、(b)、(c)に示した構成は一例で、その他に渦巻き状等の構成でもあっても勿論構わない。また、管端が閉じていても構わない。
かかるカーボンナノチューブは、上記の如く層長が0を含まない30nm以下の五酸化バナジウム等の酸化バナジウムを活物質に用いる場合には、好ましくは径が0.8nm以上、100nm以下であればよい。径が0.8nm未満であると、チューブ状に形成されにくい等の不都合が考えられ、100nmより大きい場合にはチューブの柔軟性が損なわれる等の不都合が考えられる。そのため、現状では0.8nm以上、100nm以下が好ましいと判断した。二層構造も含めた層構造の場合には、入れ子状に形成されている内の最も外側のチューブ径が上記範囲に入っていればよいと判断した。
また、カーボンナノチューブの長さとしては、0.1μm以上、10μm以下が好ましい。0.1μm未満の場合には導電性を発揮出来ない等の不都合が考えられ、10μmより大きい場合にはチューブ径を細く維持出来ない等の不都合が考えられるためである。
かかるカーボンナノチューブは、集電体上に塗布する活物質、導電性粒子、バインダー等の電極用構成材の全重量に対して、0.1重量%以上、5重量%以下であればよい。0.1重量%未満の場合には活物質粒子に対して少量過ぎるために効果が発揮されないと考えられ、5重量%より大きい場合には電池のエネルギー密度が低下すると考えられるためである。
さらに、正極材料層を支持する基体(集電体)には、少なくとも正極材料と接する表面において導電性を示す導電性基体が使用される。かかる基体は、金属、導電性金属酸化物、導電性カーボン等の導電性材料で形成することができる。特に、銅、金、アルミニウム、あるいはそれらの合金または導電性カーボンで形成すればよい。また、基体を非導電性材料で形成した場合には、その基体を導電性材料で被覆すれば使用することができる。
また、本実施の形態で使用する短い層長を有する層状結晶性物質は、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、層状結晶性物質としては例えば五酸化バナジウムを、水溶性のリチウムイオン源としては例えば硫化リチウム、水酸化リチウムを、硫黄含有有機導電性モノマーとしては例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンをそれぞれ準備する。
準備した五酸化バナジウム、水溶性リチウムイオン源、硫黄含有有機導電性ポリマーを、水に懸濁して、アモルファス化を開始させる。かかる懸濁液は、所定時間加熱還流させ、加熱還流後はろ過して加熱還流した懸濁液から固形分を除去する。固形分を除去したろ液を濃縮する。ろ液の濃縮後、真空乾燥等により乾燥させる。その後、ボールミル等により所定粒径に粉砕し、篩い分けを行って分級する。このようにして、五酸化バナジウムの層長の短い層状結晶構造粉末を得ることができる。かかる層状結晶構造粉末を、正極材料の活物質として使用すればよい。
また、加熱還流時、あるいは乾燥時に加熱するに際しては、加熱温度を250℃未満で行う必要がある。250℃を超えると、層長の短い本発明の層状結晶が変化するので好ましくない。さらに、濃縮時に、活物質中の硫黄成分を取り除くため、21.00kPa未満の圧力で濃縮させることが好ましい。濃縮圧力を21.00kPa未満とすることで、活物質中の余分な硫黄成分を取り除くことができる。
あるいは、五酸化バナジウムを過酸化水素水で溶融し、得られた溶液を濃縮固化する。濃縮により得られた濃縮物を真空乾燥し、ボールミル等により所定粒径に粉砕し、篩い分けを行って分級する方法でも製造できる。この場合の濃縮温度は100℃未満とすることが好ましい。真空乾燥温度に関しても、前述した同様の理由から、250℃未満とすることが好ましい。
本実施の形態の活物質で使用する五酸化バナジウムの層状結晶性物質は、上記の方法で製造できるが、結晶粒における層長が30nm以下の層状結晶状態が、少なくとも透過電子顕微鏡写真で観察した層状結晶性物質の断面内に、30nm以下の層状結晶構造が面積%で、30%以上含まれているものである。層長が30nmを超える層状結晶構造や、30nm以下のミクロ領域において層状結晶構造を示さないアモルファス構造では、例えば50サイクル時の容量維持率等が低くなるのである。
すなわち、透過型電子顕微鏡写真で観察した断面で、30nm以下の層状結晶構造が面積%で30%以上、100%未満含まれていればよく、上限は限りなく100%に近い値まで有効である。尚、100%の場合には、ミクロ的にはアモルファス状態は存在せず、層状結晶状態のみとなる。30nm以下の層状結晶は、100%であっても十分に有効である。
また、層状結晶構造の最小の層長は、1nm以上であればよい。かかる層状結晶状態は、層間へのリチウムイオンの出入りという観点から、層状結晶の層長が1nm未満であるとリチウムイオンの挿入、脱離ができず、高容量を取り出すことができなくなるためである。逆に層長が30nmを超えると充放電に伴う結晶構造の崩壊が起こり、サイクル特性が悪くなるのである。そこで、層長は、1nm以上30nm以下であることが望ましい。より好ましくは、層長が5nm以上25nm以下であればよい。
かかる五酸化バナジウムからなる活物質に前記の如く、カーボンナノチューブを活物質の潰れ抑制部材として混入して正極を形成することで、例えば非水系リチウムイオン二次電池等のリチウムイオン二次電池を構成すればよい。非水系リチウムイオン二次電池は、上記正極と、負極と、上記正極と負極の間に配置された電解質層を備えた構成である。
かかる構成の非水系リチウムイオン二次電池において、負極は、通常使用されているリチウム系材料で形成することができる。リチウム系材料としては、金属リチウムやリチウム合金(例えばLi-Al合金)のようなリチウム系金属材料、スズやケイ素のような金属とリチウム金属との金属間化合物材料、窒化リチウムのようなリチウム化合物、またはリチウムインターカレーション炭素材料を挙げることができる。
また、電解質としては、CF3SO3Li、C4F9SO8Li、(CF3SO2)2NLi、(CF3SO2)3CLi、LiBF4、LiPF6t、LiClO4等のリチウム塩を使用することができる。かかる電解質を溶解する溶媒は非水系溶媒である。
非水系溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート、環状エステル、ニトリル化合物、酸無水物、アミド化合物、ホスフェート化合物、アミン化合物等が挙げられる。さらに、非水系溶媒の具体例を挙げると、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、n−メチルピロリジノン、N,N’−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、あるいはプロピレンカーボネートとジメトキシエタンとの混合物、スルホランとテトラヒドロフランとの混合物等である。
正極と負極との問に介挿される電解質層としては、上記電解質の非水系溶媒に溶解させた電解液であればよい。あるいは、かかる電解液を含有させたポリマーゲル(ポリマーゲル電解質)であってもよい。
かかる非水系リチウムイオン二次電池としては、例えば、図7に示すような構成を挙げることができる。すなわち、非水系リチウムイオン二次電池10a等のリチウムイオン二次電池10では、正極11と、負極12とが電解質層13を介して対峙させられている。正極11は、所定量の層長の短い層状結晶構造を有した正極活物質11aと、集電体として機能する基体11bとから構成されている。基体11b面には、図7に示すように、正極活物質11aの層が設けられている。
同様に、負極12は、負極活物質12aと、集電体としての基体12bから構成され、基体12b面には、負極活物質12aの層が設けられている。かかる正極11と負極12とは、互いに電解質層13を間に挟んで対向させられている。
本発明は、以上の如く、電極の活物質に潰れを抑制する活物質潰れ抑制材を電極用構成材として混ぜることで、電極形成時の活物質のプレス等の圧縮形成に際して活物質が必要以上に潰れないようにし、活物質間の空間に電解液の通り道を確保するというものである。かかる活物質潰れ抑制材として、カーボンナノチューブの使用を着想したものである。
また、本発明者は、カーボンナノチューブ以外のものでも使用可能か、その後に確認実験を行った。その結果、気相成長炭素繊維でも、層長の短い層状結晶状態の五酸化バナジウムでは少なくとも効果があることが判明した。すなわち、層長の0を含まない30nm以下の層状結晶状態の五酸化バナジウムでは、比較的に効果が発揮される事実が得られたのである。
気相成長炭素繊維のような繊維状炭素でも、その効果はカーボンナノチューブ程ではないが、確かに効果はあるものと確認できたのである。少なくとも、層長が0を含まない30nm以下の場合には、比較的にその効果が現れることが分かったのである。
かかる気相成長炭素繊維のような繊維状炭素でも、上記の如くカーボンナノチューブの説明で述べたように、繊維径は100nm以上、300nm以下で、繊維長は0.1μm以上、100μm以下が好ましい。また、電極用構成材料としての混入割合は、集電体上に塗布する活物質、導電性粒子、バインダー等の電極用構成材の全重量に対して、0.1重量%以上、5重量%以下であればよい。
繊維径が100nm未満であると、繊維状炭素の形状が維持できないといった不都合が考えられ、300nmより大きい場合には繊維状炭素の形状が維持できないといった不都合が考えられる。繊維長が0.1μm未満の場合には導電性を発揮しないといった不都合が考えられ、100μmより大きい場合には結晶成長しないといった不都合が考えられる。
以上の説明では、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素を、導電性粒子と共に活物質に混入する場合について説明したが、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素自体が導電性を有することから、導電性粒子に代えてカーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素を混入しても構わない。
かかるケッチェンブラック等の導電性粒子に代えて、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素を混入する場合には、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素は、例えば集電体に設ける電極用構成材料の重量の0.1重量%以上、5重量%以下の範囲で混入しても構わない。すなわち、この場合には、活物質潰れ抑制材が、活物質に対して導電性を付与する助材としての役割も担うのである。
さらには、繊維状炭素とカーボンナノチューブの双方を、活物質に混合させても構わない。かかる場合にも、その混合量は、例えば0.1重量%以上、5重量%以下が好ましい。
以下、実施例に基づき、上記説明のカーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素を電極用構成材として、電極形成に使用する活物質に混入した場合について、その効果を検証した。
(実施例1)
本実施例では、正極活物質を次のようにして製造した。先ず、層状結晶性物質として五酸化バナジウム(V2O5)2.0gと、水溶性リチウム源として半モル量の硫化リチウム(Li2S)0.3gと、硫黄含有有機導電性ポリマー用のモノマーとして五酸化バナジウムに対して0.6モル量の3,4-エチレンジオキシチオフェン1.0gを、水50ml中に懸濁した。
本実施例では、正極活物質を次のようにして製造した。先ず、層状結晶性物質として五酸化バナジウム(V2O5)2.0gと、水溶性リチウム源として半モル量の硫化リチウム(Li2S)0.3gと、硫黄含有有機導電性ポリマー用のモノマーとして五酸化バナジウムに対して0.6モル量の3,4-エチレンジオキシチオフェン1.0gを、水50ml中に懸濁した。
かかる懸濁液を、24時間加熱攪拌還流した。攪拌終了後、吸引ろ過を行い固形分の除去を行った。かかる固形分は、硫黄と3,4-エチレンジオキシチオフェンの重合物であった。固形分を除いたろ液は、75℃、10.66576kPa(80Torr)の圧力で減圧濃縮し、水と有機物を除去することで黒色の固体を得た。かかる生成物を100℃で真空乾燥を行った。
このようにして得られた正極活物質を用いて、正極を形成した。すなわち、上記正極活物質と、導電助材として導電性粒子であるケッチェンブラック(ECP−600JD)と、繊維径が30nm、繊維長さが1μm、アスペクト比が333となる単層構造の三井物産製カーボンナノチューブ(SWCNT)と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、それぞれの重量比90:4.9:0.1:5で混合し、n−メチルピロリドン(NMP)で希釈しながら遊星運動混練器を使用してスラリーペーストとした。
尚、電極用構成材には、上記スラリーペーストを形成するためのn−メチルピロリドン(NMP)は含まれないものとしている。
かかるスラリーを、貫通孔を有するアルミニウム製集電体両面に均一に塗布した。150℃で減圧乾燥した後、プレスして圧縮形成し、両面当たりの塗布量が10mg/cm2、正極活物質と導電助剤とバインダーの質量の和を構成部材の体積で除することで求めた合材密度が2.1mg/cm3となるように加圧成型した。これを20mm×20mmに裁断し、未塗工部にアルミニウム端子を溶接し、各正極とした。
電極断面をSEMで見ると、正極粒子の形状が維持され、かつ粒子近傍に炭素材料が分散していることが認められた。
電極断面をSEMで見ると、正極粒子の形状が維持され、かつ粒子近傍に炭素材料が分散していることが認められた。
一方、30mm×30mmに裁断した金属リチウムにNi端子を圧着し、先の正極とポリオレフィン系微多孔膜よりなるセパレータを介して対向させ、対向させたものをアルミラミネートの外装体に挿入した。ラミネート一端より電解液(1M LiBF4/EC:DEC=1:3混合溶媒)を注入することで単積層セルを構成とした。かかる単積層セルを複数製造し、充放電試験に供した。
得られた単積層セルを用いて、充放電サイクル試験を行った。充電は0.1Cで4.2Vの定電流−定電圧(CC−CV)充電方式で15時間カットとし、放電は0.1Cで1.5Vカットの定電流(CC)放電方式とした。かかる条件で充放電を3回繰り返した後の放電容量を、図8に示した。
また、上記充電条件のまま、放電を0.5Cとさせて、50回目に得られる放電容量と、先の3回目放電容量との比率を「放電率(%)」として、併せて図8に示した。
(実施例2)
本実施例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(90重量%)、導電性炭素材(4重量%)、そしてバインダ(5重量%)に対して1重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本実施例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(90重量%)、導電性炭素材(4重量%)、そしてバインダ(5重量%)に対して1重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(実施例3)
本実施例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(90重量%)、そしてバインダ(5重量%)に対して5重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本実施例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(90重量%)、そしてバインダ(5重量%)に対して5重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(実施例4)
本実施例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの代わりに、繊維状炭素を加えた。すなわち、前記実施例1とは異なり、活物質潰れ抑制材としてカーボンナノチューブではなく、繊維径150nm、繊維長20μmで、アスペクト比133.3の昭和電工製の気相成長炭素を用いた。この気相成長炭素繊維を、正極活物質(90.0重量%)、導電性炭素材(4.9重量%)、そしてバインダ(5重量%)の全重量対して0.1重量%(あるいは重量比)加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製し、放電容量を測定して放電率を求めた。その結果を、図8に示した。
本実施例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの代わりに、繊維状炭素を加えた。すなわち、前記実施例1とは異なり、活物質潰れ抑制材としてカーボンナノチューブではなく、繊維径150nm、繊維長20μmで、アスペクト比133.3の昭和電工製の気相成長炭素を用いた。この気相成長炭素繊維を、正極活物質(90.0重量%)、導電性炭素材(4.9重量%)、そしてバインダ(5重量%)の全重量対して0.1重量%(あるいは重量比)加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製し、放電容量を測定して放電率を求めた。その結果を、図8に示した。
(実施例5)
本実施例では、前記実施例4の気相成長炭素の量を、正極活物質(90重量%)、導電性材料(4重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対して1.0重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本実施例では、前記実施例4の気相成長炭素の量を、正極活物質(90重量%)、導電性材料(4重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対して1.0重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(実施例6)
本実施例では、前記実施例4の気相成長炭素の量を、正極活物質(90重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対して5.0重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本実施例では、前記実施例4の気相成長炭素の量を、正極活物質(90重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対して5.0重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(比較例1)
本比較例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(90重量%)、導電性炭素材(4.92重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対し0.08重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本比較例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(90重量%)、導電性炭素材(4.92重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対し0.08重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(比較例2)
本比較例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(89.9重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対して5.1重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本比較例では、前記実施例1に記載のカーボンナノチューブの量を正極活物質(89.9重量%)、そしてバインダー(5重量%)に対して5.1重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(比較例3)
本実施例では、前記実施例4に記載の気相成長炭素繊維の量を正極活物質(90重量%)、そしてバインダ(4.92重量%)に対して0.08重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本実施例では、前記実施例4に記載の気相成長炭素繊維の量を正極活物質(90重量%)、そしてバインダ(4.92重量%)に対して0.08重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(比較例4)
本比較例では、前記実施例4に記載の気相成長炭素繊維の量を正極活物質(89.9重量%)、バインダー(5重量%)に対して5.1重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
本比較例では、前記実施例4に記載の気相成長炭素繊維の量を正極活物質(89.9重量%)、バインダー(5重量%)に対して5.1重量%加えた以外は、前記実施例1と同様にして試験用のセルを作製した。かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて、図8に示した。
(比較例5)
本比較例では、活物質の潰れを抑制するカーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素を一切入れずに、その他は前記実施例1と同様にして、試験用のセルを作製した。この際、得られた正極の電極断面をSEMで見ると、正極粒子の形状が外圧によって変形していることが認められた。
かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて
その結果を図8に示した。
本比較例では、活物質の潰れを抑制するカーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素を一切入れずに、その他は前記実施例1と同様にして、試験用のセルを作製した。この際、得られた正極の電極断面をSEMで見ると、正極粒子の形状が外圧によって変形していることが認められた。
かかるセルで、前記実施例1の如く放電容量を測定し、放電率を求めて
その結果を図8に示した。
図8から明確に分かるように、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素材料を混入しない比較例5の場合は、50回目の放電容量が実施例の略300台の値に比して224mAh/gと著しく低いことが分かる。電極プレス時に活物質が変形して過度に充填されるため、活物質粒子の間隙が失われるのに加え、導電性炭素材の導電パスが損なわれる。その結果、電解液の入り込む空隙と導電パスの両者が損なわれ、電気化学特性が大きく低下するものと思われる。
しかし、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素である気相成長炭素を活物質に対して混合させた実施例の場合には、カーボンナノチューブが圧縮形成に際して活物質が潰れるのを抑制するため、電解液の入り込む空隙が確保される。併せて、カーボンナノチューブによる導電パスが維持されるので、電流密度に対する特性低下が起きにくいものと想定される。
一方、繊維状炭素を用いた実施例4〜6と、カーボンナノチューブを用いた実施例1〜3を比較すると、3回目の放電容量、50回目の放電容量ともに、カーボンナノチューブの場合よりも低下していることが確認される。しかし、放電率については、約95%のカーボンナノチューブよりも劣るものの、略90%を示すことが確認された。
その結果、確かに効果はあるものの、繊維状炭素を用いた場合には、カーボンナノチューブより効果が劣るものと判断した。すなわち、カーボンナノチューブのように結晶化度が高くないために、カーボンナノチューブに比して柔軟性に欠けるため、一部には圧縮による破断が発生しているものと思われる。しかし、かかる繊維状炭素があることで活物質の潰れもある程度は抑制されているのではないかと考えられる。その結果が、実施例1〜3と、実施例4〜6との比較で示されているものと考えられる。
また、カーボンナノチューブ、あるいは繊維状炭素の気相成長炭素では、比較例1〜4に示す如く、0.5重量部未満、5.0重量部を超えると、容量、放電率の低下が現れることも確認された。
また、カーボンナノチューブの場合には、グラフェンシートが筒状に形成されることで、電子の移動がチューブ内を跳ねるように極めて素早く移動する等の電子移動性が特異な形で行われるので、繊維状炭素に比べて電気化学的特性が良好なものと思われる。
さらには、カーボンナノチューブを使用した場合には、例えば、電解液の浸透性の向上により、活物質と電解液の接触が良好になり、プレドープ速度が向上したり、充放電容量が増加したり、レート性能が向上したりする等の効果が確認される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、特にリチウムイオン二次電池の正極材料の分野で有効に利用することができる。
1 集電体
2 活物質
3 電解液
4 電極用構成材
4a カーボンナノチューブ
4b 繊維状炭素
10 リチウムイオン二次電池
10a 非水系リチウムイオン二次電池
11 正極
11a 正極活物質
11b 基体
12 負極
12a 負極活物質
12b 基体
13 電解質層
L1 層長
L2 層長
2 活物質
3 電解液
4 電極用構成材
4a カーボンナノチューブ
4b 繊維状炭素
10 リチウムイオン二次電池
10a 非水系リチウムイオン二次電池
11 正極
11a 正極活物質
11b 基体
12 負極
12a 負極活物質
12b 基体
13 電解質層
L1 層長
L2 層長
Claims (13)
- 電極の集電体に設ける電極用構成材であって、
前記電極用構成材は、前記集電体上に活物質を圧縮形成する際に前記活物質の潰れを抑制する活物質潰れ抑制材を有することを特徴とする電極用構成材。 - 請求項1記載の電極用構成材において、
前記活物質潰れ抑制材は、気相成長繊維炭素等の繊維状炭素であることを特徴とする電極用構成材。 - 請求項1記載の電極用構成材において、
前記活物質潰れ抑制材は、カーボンナノチューブであることを特徴とする電極用構成材。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極用構成材において、
前記活物質は、層長が0を含まない30nm以下の層状の微細結晶状態を有する五酸化バナジウム(V2O5)であることを特徴とする電極用構成材。 - 電極の集電体に設ける電極用構成材であって、
前記電極用構成材は、カーボンナノチューブを有することを特徴とする電極用構成材。 - 請求項5記載の電極用構成材において、
前記カーボンナノチューブは、前記電極用構成材の全重量に対して、0.5重量%以上、5重量%以下であることを特徴とする電極用構成材。 - 請求項5または6記載の電極用構成材において、
前記カーボンナノチューブは、径が0.8nm以上、100nm以下であることを特徴とする電極用構成材。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載の電極用構成材において、
前記カーボンナノチューブは、長さが0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とする電極用構成材。 - 請求項5〜8のいずれか1項に記載の電極用構成材において、
前記活物質は、層長が0を含まない30nm以下の層状の微細結晶状態を有することを特徴とする電極用構成材。 - バナジウム酸化物を活物質として使用した電極であって、
前記電極を形成するに際しての集電体に設ける電極用構成材には、請求項1〜3、請求項5〜8のいずれか1項に記載の電極用構成材が用いられていることを特徴とする電極。 - 請求項10に記載の電極において、
前記バナジウム酸化物は、0を含まない30nm以下の層長の微細結晶状態を含む層状結晶性物質を有していることを特徴とする電極。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを隔てるようにして設けられた電解質とを備え、前記正極は集電体の表面に電極用構成材の層を有するリチウムイオン二次電池であって、
前記電極用構成材は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電極用構成材であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 正極と、負極と、前記正極と前記負極とを隔てるようにして設けられた電解質とを備え、前記正極は集電体の表面に電極用構成材の層を有するリチウム二次電池であって、
前記正極には、請求項10または11記載の電極が使用されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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JP2009016265A (ja) * | 2007-07-06 | 2009-01-22 | Showa Denko Kk | リチウム系電池用電極、リチウム系電池用電極の製造方法、リチウム系電池、及びリチウム系電池の製造方法 |
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