JP2008300043A - 放電管用電極およびこれを用いた冷陰極蛍光管 - Google Patents
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Abstract
【課題】陰極降下電圧が低く発光効率に優れた放電管用電極、およびこれを用いた冷陰極蛍光管を簡易に提供する。
【解決手段】放電管用電極1は、ガラス管2と電極部3とを備える。電極部3の放電管用電極4は、二次電子放出係数が1.5以上の金属又は該金属を含む合金から成る。二次電子放出係数が1.5以上の金属としては、例えば、イリジウム(Ir)が用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】放電管用電極1は、ガラス管2と電極部3とを備える。電極部3の放電管用電極4は、二次電子放出係数が1.5以上の金属又は該金属を含む合金から成る。二次電子放出係数が1.5以上の金属としては、例えば、イリジウム(Ir)が用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、放電管用電極およびこれを用いた冷陰極蛍光管に関する。
テレビ受像機やパソコンなどの表示装置に用いられている液晶表示装置(LCD)には、冷陰極蛍光管を光源とするバックライトが組み込まれている。
かかる冷陰極蛍光管は、ガラス管部と、該ガラス管部の両端部に設けられた電極部とを備えてなる(例えば、特許文献1参照)。ガラス管部は、内面に蛍光塗料が塗布され、内部に放電ガスであるアルゴン(Ar)、ネオン(Ne)および蛍光体励起用の水銀(Hg)が導入された状態で封止されている。電極部は、カップ電極、封着棒及びリード線から構成される。カップ電極の材質としては、従来はニッケル(Ni)が用いられ、近年はニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等が一般的に使用されている。
冷陰極蛍光管はグロー放電によって発光するが、グロー放電は、陰極・陽極間を移動する電子による気体分子の電離(α作用)と、Ar,Ne,Hgの正イオンの負極への衝突の際に起こる二次電子放出(γ作用)とによって生じるものである。
このグロー放電では、陰極側の放電部位である陰極降下部で、Ar,Ne,Hgの正イオン密度が高くなり、陰極降下部で電圧が降下する現象(陰極降下電圧)が生ずる。かかる陰極降下電圧は発光に寄与しないため、結果として作動電圧の高電圧化および輝度効率の低下につながる。ここで、陰極降下電圧は、上記二次電子放出に関係するものであり、選択する冷陰極材料の二次電子放出係数に依存する。
特開2005−285587号公報
近年の冷陰極蛍光管の長尺化および大電流駆動による高輝度化に対する市場の要望に対して、陰極降下電圧が低く簡易に組成することができる冷陰極用電極が望まれている。
本発明は、陰極降下電圧が低く発光効率に優れた放電管用電極と、これを用いた冷陰極蛍光管を提供することを目的とする。
本発明の放電管用電極は、二次電子放出係数が1.5以上の金属又は該金属を含む合金から成ることを特徴とする。
本発明者らは、二次電子放出係数が1.5以上の金属又はその合金を放電管用電極として用いることで、電極の電子放出性を向上させると共に、陰極降下電圧が低く発光効率を高めることが簡易に実現できることを知見した。
また、二次電子放出係数が1.5以上の金属としては、例えば、二次電子放出係数が1.5のイリジウム(Ir)がある。これにより、陰極降下電圧が低く発光効率を高めることを簡易に実現することができる。また、イリジウム(Ir)又はその合金は、比較的容易に組成することができ、電極の加工も容易にできる。
また、本発明は、上記構成の放電管用電極を冷陰極として用いることで、陰極降下電圧が低く発光効率に優れた冷陰極蛍光管を提供することができる。
図1に示すように、本実施形態の冷陰極蛍光管1は、ガラス管2と電極部3とを備える。冷陰極蛍光管1は、例えば直径が約4.0mmで、長さが約300mmの直管形となっている。
ガラス管2の内面には、蛍光体2aが塗布され、ガラス管2の両端に電極部3が取り付けられている。また、ガラス管2の内部は、放電ガスであるアルゴン(Ar)、ネオン(Ne)および蛍光体励起用の水銀(Hg)が導入された状態で封止されている。
ガラス管2の両端に設けられた電極部3は、カップ型の放電管用電極4と封入棒5とリード線6とを備え、封入棒5がガラス被覆層7により封止されている。
本発明では、二次電子放出係数が1.5以上の金属又はその合金を放電管用電極4として用いることで、電極の電子放出性を向上させることができ、陰極降下電圧が低く発光効率を高めることができるが、そのために、カップ型の放電管用電極4として、イリジウム(Ir)または、イリジウム(Ir)とロジウム(Rh)又は白金(Pt)との合金を用いることが有効であることを知見した。
これらの金属と、従来の電極材料として用いられている物質の二次電子放出係数を表1に示す。ここで、イリジウム(Ir)の二次電子放出係数は1.5、ロジウム(Rh)の二次電子放出係数は1.15、白金(Pt)の二次電子放出係数は1.44である。また、ロジウム(Rh)の重量比を10パーセントとするイリジウム(Ir)とロジウム(Rh)との合金(IrRh)の二次電子放出係数は約1.5であり、白金(Pt)の重量比を5パーセントとするイリジウム(Ir)と白金(Pt)との合金(IrPt)の二次電子放出係数も約1.5である。いずれの合金もロジウム(Rh)又は白金(Pt)の組成が小さいため、母体であるイリジウム(Ir)の二次電子放出係数とほぼ等しく、約1.5となっている。
尚、カップ型の放電管用電極4は、直径が1.5mmで、長さが約15mmとなっている。
モリブデン(Mo)からなる封入棒5は、コバールガラスからなるガラス被覆層7によって封着され、外部接続するリード線6としては、ジメット線が用いられている。また、放電管用電極4とモリブデン(Mo)の封入棒5は、レーザ溶接により接合されている。このモリブデン(Mo)の封入棒5とリード線6であるジメット線は、抵抗溶接により接合されている。
次に、上記冷陰極蛍光管1の電気的特性について図2および図3を参照して説明する。
図2は、イリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)の管電流―管電圧の関係を示すグラフである。尚、比較のため、従来から放電管用電極として用いられているニッケル(Ni)およびモリブデン(Mo)の管電流‐管電圧の関係も併せて示す。
図2に示すように、これらの物質を用いた放電管用電極4を冷陰極蛍光管1に用いた場合に、管電流の値を4.0mAから8.0mAの範囲で変化させると、管電圧は電流値の上昇に伴って一様に下降する。このとき、二次電子放出係数の大きなイリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)放電管用電極4に用いることで、ニッケル(Ni)およびモリブデン(Mo)に対して管電圧を抑えることができる。
このように、二次電子放出係数の大きなイリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)を放電管用電極4として採用することで、発光に寄与しない陰極降下電圧を抑制することができる。具体的には、表2にこれらの物質の陰極降下電圧の値を示すように、従来から放電管用電極として用いられているニッケル(Ni)およびモリブデン(Mo)に対して、10V〜20V程度、陰極降下電圧を低減させることができる。
図3は、イリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)の管電流―発光効率の関係を示すグラフである。尚、ここでも比較のため、ニッケル(Ni)およびモリブデン(Mo)の管電流‐発光効率との関係も併せて示す。
図3に示すように、これらの物質を用いた放電管用電極4を冷陰極蛍光管1に用いた場合に、管電流の値を4.0mAから8.0mAの範囲で変化させると、発光効率は電流値の上昇に伴っていずれも緩やかに下降する。このとき、二次電子放出係数の大きなイリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)を放電管用電極4に用いることで、ニッケル(Ni)およびモリブデン(Mo)に対して高い発光効率を得ることができる。
このように、二次電子放出係数の大きなイリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)を放電管用電極4として採用することで、通常バックライト等の駆動状態で流れる6.0mAでも、輝度効率を高めることができると共に、電流値を大きくした場合(陰極電流密度が高い場合)でも、高い発光効率を得ることができる。
以上のように、イリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)を冷陰極蛍光管1の放電管用電極4として用いることで、陰極降下電圧が低く発光効率に優れた冷陰極蛍光管を簡易に提供することができる。
尚、本実施形態では、特に、放電管用電極4として、イリジウム(Ir)とロジウム(Rh)の合金(IrRh)、およびイリジウム(Ir)と白金(Pt)の合金(IrPt)を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、イリジウム(Ir)単体を放電管用電極4として用いるようにしてもよい。
Claims (3)
- 二次電子放出係数が1.5以上の金属又は該金属を含む合金から成ることを特徴とする放電管用電極。
- 請求項1記載の放電管用電極において、
前記金属がイリジウム(Ir)であることを特徴とする放電管用電極。 - 請求項1又は2記載の放電管用電極を冷陰極として用いたことを特徴とする冷陰極蛍光管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007141412A JP2008300043A (ja) | 2007-05-29 | 2007-05-29 | 放電管用電極およびこれを用いた冷陰極蛍光管 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2008300043A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010123267A (ja) * | 2008-11-17 | 2010-06-03 | Toshiba Shomei Precision Kk | 冷陰極放電ランプ及び発光装置 |
WO2011024824A1 (ja) | 2009-08-25 | 2011-03-03 | 旭硝子株式会社 | 放電ランプ用電極、放電ランプ用電極の製造方法、及び放電ランプ |
WO2011024924A1 (ja) | 2009-08-26 | 2011-03-03 | 旭硝子株式会社 | 放電ランプ用電極、放電ランプ用電極の製造方法、及び放電ランプ |
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2007
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