JP2008299146A - 共焦点顕微分光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料に入射させる励起レーザ光の偏光方向を所定の方向に維持することによって、試料からのラマン散乱光や蛍光などを、偏光特性を制御して検出することができる共焦点顕微分光装置を提供する。
【解決手段】連続発振またはパルス発振する励起用レーザ光源2a,2bと、この励起用レーザ光源2a,2bからの励起レーザ光の試料Sに対する照射を行う照射手段及びこの試料Sからの反射光または散乱光の集光手段となる共焦点光学顕微鏡と、共焦点光学顕微鏡から試料Sに照射される励起レーザ光の偏光方向を調整する偏光子33と、試料Sから発生した散乱光を分光して試料Sの被測定個所の分光スペクトルを測定する分光手段4とを備え、偏光子33は、この偏光子33から試料Sに至る光路上に励起レーザ光の光路を偏向させるミラーが存在しないこととなる位置に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、共焦点光学顕微鏡により試料に励起レーザ光を照射したときに生ずる反射光及び散乱光を測定する共焦点顕微分光装置に関する。
従来、試料に励起レーザ光を照射したときに生ずるラマン散乱光や蛍光などを共焦点光学顕微鏡を介して検出する共焦点顕微分光装置が提案されている。特許文献1及び特許文献2に記載されているこの共焦点顕微分光装置の共焦点光学顕微鏡においては、図11に示すように、レーザ光源101より発せられコリメータレンズ102により平行光束となされた励起レーザ光は、ビームスプリッタ103を介して集光レンズ104に入射される。この集光レンズ104は、励起レーザ光を集光させる。励起レーザ光は、集光レンズ104により、試料S上に集光される。
この共焦点光学顕微鏡においては、試料S上に集光された励起レーザ光が照射されることにより、この試料Sより励起レーザ光の反射光及び散乱光が生じる。この反射光及び散乱光は、集光レンズ104を経て、ビームスプリッタ103に戻る。ビームスプリッタ103に戻った反射光及び散乱光は、このビームスプリッタ103において、レーザ光源101側に戻る光路より分岐される。この反射光及び散乱光は、集光レンズ105及びピンホール106を経て、検出手段である光電子増倍管(PMT:photomultiplier tube)107に導かれる。この光電子増倍管107においては、試料Sから反射または散乱された光束のうち、試料Sにおいて生じたラマン散乱光や蛍光など、レーザ光源101より発せられた励起レーザ光とは異なる波長の光が検出される。
特開2000−321200公報 特開2005−121479公報
ところで、試料に入射される励起レーザ光は、偏光子を経ることによって直線偏光となっている。この励起レーザ光は、直線偏光を保持したままで、かつ、任意の偏光方向で試料に入射されることが好ましい。
ところが、励起レーザ光の偏光方向を任意に変更し、試料に入射されるまでの間にビームスプリッタおよびミラーなどの光学素子を経由すると、直線偏光が崩れてしまうことがある。励起レーザ光の直線偏光が試料に入射されるまでの間に崩れてしまうと、偏光特性を制御したラマン散乱光や蛍光などの測定を正確にできなくなる。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、試料に入射される励起レーザ光の直線偏光が所定の方向に維持されることによって、試料からのラマン散乱光や蛍光などを、偏光特性を制御して検出することができるようになされた共焦点顕微分光装置を提供しようとするものである。
上述の課題を解決するため、本発明に係る共焦点顕微分光装置は、以下の構成を有するものである。
〔構成1〕
連続発振またはパルス発振する励起用レーザ光源と、この励起用レーザ光源からの励起レーザ光の試料に対する照射を行う照射手段及びこの試料からの反射光または散乱光の集光手段となる共焦点光学顕微鏡と、共焦点光学顕微鏡から試料に照射される励起レーザ光の偏光方向を調整する偏光子(例えば、二分の一波長板など)と、試料から発生した散乱光を分光して試料の被測定個所の分光スペクトルを測定する分光手段とを備え、偏光子は、この偏光子から試料に至る光路上に励起レーザ光の光路を偏向させるミラーが存在しないこととなる位置に配置されていることを特徴とするものである。
〔構成2〕
構成1を有する共焦点顕微分光装置において、試料から分光手段に入射する散乱光の光路を励起レーザ光源に戻る光路から分岐させるビームスプリッタと、励起レーザ光源とビームスプリッタとの間の光路上に配置され励起レーザ光の偏光方向を旋光させずに透過させる第1の状態と励起レーザ光の偏光方向を90°旋光させて透過させる第2の状態との切換えが可能となされた旋光手段とを備え、旋光手段が第1の状態であるときと旋光手段が第2の状態であるときとでは、試料上に照射される励起レーザ光の偏光方向は、偏光子の光学軸方向を回転させることによって互いに同一方向となされ、試料から偏光子を透過し旋光手段を経ずに分光手段に入射する散乱光の偏光方向は、互いに90°異なることを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成1、または、構成2を有する共焦点顕微分光装置において、試料に入射する励起用レーザ光の光路上の第1の位置においてこの励起用レーザ光の通過位置を検出する第1のポジションセンサと、試料に入射する励起用レーザ光の光路上の第2の位置においてこの励起用レーザ光の通過位置を検出する第2のポジションセンサと、第1及び第2のポジションセンサによる検出結果に基づいて、第1の位置における励起用レーザ光の通過位置と第2の位置における励起用レーザ光の通過位置とのそれぞれを所定の通過位置とする光束偏向手段とを備えたことを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成1、または、構成2を有する共焦点顕微分光装置において、試料に入射する励起用レーザ光の光路中に設置された遮蔽体を備え、励起用レーザ光を断面がリング状の光束として試料に入射させることを特徴とするものである。
構成1を有する本発明に係る共焦点顕微分光装置においては、共焦点光学顕微鏡から試料に照射される励起レーザ光の偏光方向を調整する偏光子は、この偏光子から試料に至る光路上に励起レーザ光の光路を偏向させるミラーが存在しないこととなる位置に配置されているので、試料に入射される励起レーザ光の偏光方向を所定の方向に調整し、直線偏光を維持することができる。
また、構成2を有する本発明に係る共焦点顕微分光装置においては、試料から分光手段に入射する散乱光の光路を励起レーザ光源に戻る光路から分岐させるビームスプリッタと、励起レーザ光源とビームスプリッタとの間の光路上に配置され励起レーザ光の偏光方向を旋光させずに透過させる第1の状態と励起レーザ光の偏光方向を90°旋光させて透過させる第2の状態との切換えが可能となされた旋光手段とを備えているので、構成1を有する共焦点顕微分光装置により得られる効果に加えて、試料上に照射される励起レーザ光の偏光方向を変えることなく、試料から分光手段に入射する散乱光の偏光方向を2つの方向に切替えることができる。
すなわち、旋光手段が励起レーザ光の偏光方向を旋光させずに透過させる第1の状態であるときと、旋光手段が励起レーザ光の偏光方向を90°旋光させて透過させる第2の状態であるときとでは、試料上に照射される励起レーザ光の偏光方向は、偏光子を調整することによって互いに同一の所望の方向とすることができ、このとき、試料から偏光子を透過し旋光手段を経ずに分光手段に入射する散乱光の偏光方向は、第1の状態と第2の状態とでは、互いに90°異なる方向となされる。
構成3を有する本発明に係る共焦点顕微分光装置においては、試料に入射する励起用レーザ光の光路上の第1の位置においてこの励起用レーザ光の通過位置を検出する第1のポジションセンサ及び試料に入射する励起用レーザ光の光路上の第2の位置においてこの励起用レーザ光の通過位置を検出する第2のポジションセンサによる検出結果に基づいて、光束偏向手段により、第1の位置における励起用レーザ光の通過位置と第2の位置における励起用レーザ光の通過位置とのそれぞれを所定の通過位置とするので、構成1、または、構成2を有する共焦点顕微分光装置の効果に加えて、試料に入射する励起レーザ光の光路を所定の位置に維持することができる。
構成4を有する本発明に係る共焦点顕微分光装置においては、試料に入射する励起用レーザ光の光路中に設置された遮蔽体により、励起用レーザ光を断面がリング状の光束として試料に入射させるので、 構成1、または、構成2を有する共焦点顕微分光装置の効果に加えて、試料上における励起レーザ光の焦点のスポット径を遮蔽体がない場合よりも小さくすることができ、解像力を向上させることができる。
すなわち、本発明は、試料に入射させる励起レーザ光の偏光方向を所定の方向に維持することによって、試料からのラマン散乱光や蛍光などを、偏光特性を制御して検出することができる共焦点顕微分光装置を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔共焦点顕微分光装置の全体構成〕
本発明に係る共焦点顕微分光装置は、図1に示すように、対物レンズブロック部1内に設置される試料Sに対し、励起用レーザ光源2a,2bのいずれかより発せられた励起用レーザ光を照射し、この照射により試料Sから生ずるラマン散乱や蛍光などの成分を共焦点光学顕微鏡及び分光装置4を介して撮像素子(CCD)5により検出する装置である。
共焦点光学顕微鏡は、励起用レーザ光源2a,2bからの励起用レーザ光の試料Sに対する照射を行う照射手段となり、また、試料Sからの反射光または散乱光の集光手段となる。また、分光装置4は、試料Sから発生した散乱光を分光して試料Sの被測定個所の分光スペクトルを測定する分光手段となる。
なお、対物レンズブロック部1内において、試料Sは、図示しない3次元ステージ(X−Y−Zステージ)、あるいは、2次元ステージ(X−Yステージ)により支持されており、任意の3次元、あるいは、2次元方向に移動操作可能となされている。
励起用レーザ光源2a,2bは、連続発振またはパルス発振するレーザ光源であって、これら各励起用レーザ光源2a,2bから発せられた各励起用レーザ光は、励起用レーザ光選択手段によって一の励起用レーザ光のみが選択されて、励起用レーザ光として試料Sに導かれることとなる。励起用レーザ光選択手段は、各励起用レーザ光源2a,2bに対応して設置され光路を開閉する複数のシャッタと、第1の励起用レーザ光源2aからの励起用レーザ光を偏向させるミラー11と、各励起用レーザ光の光路を合成するビームコンバイナ(合成器)15を有して構成されている。この励起用レーザ光選択手段において、各シャッタは、選択される励起用レーザ光源2a,2bに対応したいずれか一方のみが開放され、他方は閉塞されるようになされている。
すなわち、この励起用レーザ光選択手段においては、第1の励起用レーザ光源2aから発せられた励起用レーザ光は、開放された第1のシャッタを介して、ミラー11及びビームコンバイナ15を経て、光束偏向手段となる第1のアクチュエータ16に入射される。
第1のアクチュエータ16は、ミラーと、このミラーを移動操作するピエゾ駆動素子とによって構成されている。
また、第2の励起用レーザ光源2bから発せられた励起用レーザ光は、開放された第2のシャッタを介して、ビームコンバイナ15を経て、第1のアクチュエータ16に入射される。
第1のアクチュエータ16に入射された励起用レーザ光は、この第1のアクチュエータ16のミラーにより反射されて偏向され、第1のアクチュエータ16とともに光束偏向手段を構成する第2のアクチュエータ17に入射される。第2のアクチュエータ17も、第1のアクチュエータ16と同様に、ミラーと、このミラーを移動操作するピエゾ駆動素子とによって構成されている。第2のアクチュエータ17に入射された励起用レーザ光は、この第2のアクチュエータ17のミラーにより反射されて偏向され、平面板22に入射する。平面板22に入射した励起用レーザ光は、一部がこの平面板22によって反射されて、第1のポジションセンサ24に入射する。この第1のポジションセンサ24は、放射状に配列された4つの受光素子からなり、平面板22(第1の位置)における励起用レーザ光の通過位置を検出することができる。
平面板22を透過した励起用レーザ光は、偏光ビームスプリッタ19を経て、ビームエキスパンダ20に入射される。このビームエキスパンダ20は、モータによるズーミング(変倍)操作が可能となっている。
ビームエキスパンダ20を経た励起用レーザ光は、遮蔽体となるリング状マスク21に入射する。このリング状マスク21は、リング状の透光部を有するマスクであり、このリング状マスク21を経た励起用レーザ光は、光束断面がリング状となる。
リング状マスク21を経た励起用レーザ光は、半透過鏡26に入射する。この半透過鏡26は、入射光の一部、例えば、1%を透過させ、残部を反射する。半透過鏡26を透過した励起用レーザ光は、第2のポジションセンサ28に入射する。この第2のポジションセンサ28は、第1のポジションセンサ24と同様に、放射状に配列された4つの受光素子からなり、半透過鏡26(第2の位置)における励起用レーザ光の通過位置を検出することができる。
半透過鏡26により反射された励起用レーザ光は、旋光手段となるローテイタ35及びビームスプリッタ25を経て、対物レンズブロック部1内に導入され、共焦点光学顕微鏡を構成する対物レンズユニット3に入射する。
ローテイタ35は、旋光現象を利用した偏光回転素子であり、特定波長の直線偏光が入射されると、この入射光の偏光方向を90°回転させる。このローテイタ35は、光学軸と入射光の偏光方向との角度に応じて入射光の偏光方向を回転させる二分の一波長板と異なり、入射光の偏光方向がどのような方向であっても、この偏光方向を90°回転させる。このローテイタ35には、二分の一波長板に比較して、偏光方向の回転角度が温度による影響を受けず、また、偏光方向の回転角度の再現性が高い(常に90°)という利点がある。
このローテイタ35は、励起レーザ光の光路に対する進退操作が可能となされており、光路から退出し励起レーザ光の偏光方向を旋光させずに透過させる第1の状態と、光路上に進入され励起レーザ光の偏光方向を90°旋光させて透過させる第2の状態との切換えが可能となされている。
対物レンズユニット3において、励起用レーザ光は、ミラー32に反射されて光路を変えられ、偏光子となる二分の一波長板33を透過して、対物レンズ34により、試料S上の被測定箇所に集光して照射される。この対物レンズユニット3において、二分の一波長板33は、試料Sに照射される励起レーザ光の偏光方向を調整するものである。この二分の一波長板33は、この二分の一波長板33から試料Sに至る光路上に励起レーザ光の光路を偏向させるミラーが存在しないこととなる位置に配置されている。
試料S上に集光された励起レーザ光は、この試料Sにより散乱光などを含んで反射され、ミラー32を経て、ビームスプリッタ25に戻る。ビームスプリッタ25に戻った反射光及び散乱光の一部は、このビームスプリッタ25を透過し、励起用レーザ光源2a,2bに戻る光路から分岐される。この反射光及び散乱光は、エッジフィルタ39を透過して、偏光ビームスプリッタ36に入射される。エッジフィルタ39は、励起レーザ光の波長を反射し、それよりも長い波長域を透過する特性を持ったフィルタである。すなわち、エッジフィルタ39は、励起レーザ光を反射させ、他の波長光を透過させることにより、波長弁別を行う。
偏光ビームスプリッタ36を経た散乱光は、ミラー37を経て、散乱光を分光して試料の被測定個所の分光スペクトルを測定する分光装置4に入射される。
分光装置4に入射された試料Sからの散乱光は、ミラー42に反射され、分光装置となる反射型回折格子43を経て、さらに、ミラー44に反射されて、撮像素子(CCD:charge coupled device:電荷結合素子)5により検出される。
〔光束偏向手段の構成〕
この共焦点顕微分光装置において、光束偏向手段は、図2に示すように、試料Sに入射する励起用レーザ光の光路上の第1の位置である平面板22において、この励起用レーザ光の通過位置を検出する第1のポジションセンサ24と、試料Sに入射する励起用レーザ光の光路上の第2の位置である半透過鏡26において、この励起用レーザ光の通過位置を検出する第2のポジションセンサ28と、第1及び第2のアクチュエータ16,17とにより構成されている。
第1及び第2のアクチュエータ16,17は、上述したように、ミラーと、このミラーを移動操作するピエゾ駆動素子とによって構成されており、ピエゾ駆動素子によって、ミラーの傾きを2軸方向に調整することができる。そして、第1及び第2のアクチュエータ16,17は、第1及び第2のポジションセンサ24,28による検出結果に基づいて、第1の位置における励起用レーザ光の通過位置と、第2の位置における励起用レーザ光の通過位置とのそれぞれを、所定の通過位置とすることができる。
このように、第1の位置及び第2の位置における励起用レーザ光の通過位置が所定の通過位置となされることにより、励起用レーザ光の光路は、所定の位置に維持されることとなる。なお、第1及び第2のアクチュエータ16,17による光路の調整が完了したときには、これらアクチュエータ16,17は、固定される。
このような励起用レーザ光の光路の調整は、第1及び第2のポジションセンサ24,28による検出結果に基づき、フィードバック回路によって第1及び第2のアクチュエータ16,17の駆動を制御することにより、自動調整とすることができる。
〔対物レンズユニットの構成〕
この共焦点顕微分光装置において、対物レンズユニット3は、図3に示すように、励起用レーザ光は、ミラー32に反射されて光路を変えられ、二分の一波長板33を透過して、対物レンズ34に入射する。対物レンズ34に入射した励起用レーザ光は、この対物レンズ34により、試料S上の被測定箇所に集光して照射される。
すなわち、この対物レンズユニット3においては、二分の一波長板33から試料Sに至る光路上には、励起レーザ光の光路を偏向させるミラーが存在していない。したがって、二分の一波長板33により偏光方向を調整された励起レーザ光は、直線偏光が維持されたままで、試料Sに照射される。
この対物レンズユニット3において、図4に示すように、二分の一波長板33を経た励起用レーザ光が、ビームスプリッタ25及びミラー32を経た後に対物レンズ34に入射されるようにすると、二分の一波長板33により励起レーザ光の偏光方向を調整した場合、ビームスプリッタ25及びミラー32において直線偏光が崩されてしまう虞があるため、試料Sに照射される励起用レーザ光の直線偏光が維持されない虞がある。
なお、二分の一波長板33の作用は、この二分の一波長板33が有する光学軸(結晶軸)を、偏光方向図5中の(a)に示すように、Y軸上に置いた場合、入射光の偏光方向をEとすると、この偏光方向Eの光学軸に直交する方向の成分(Ex)を180°回転させる(反転させる)作用である。
二分の一波長板33を透過した光は、図5中の(b)に示すように、偏光方向Eの光学軸に平行な成分(Ey)が維持されたままで、光学軸に直交する方向の成分(Ex)の符号が逆転した状態となり、すなわち、入射光に対して光学軸を挟んで反転した方向(光学軸について線対象な方向)となる。
図6中の(a)に示すように、入射光の偏光方向EがY軸上にあり、図6中の(b)に示すように、二分の一波長板33が、光学軸を偏光方向Eに対してθの角度として設置された場合には、二分の一波長板33を透過した光は、図6中の(c)に示すように、偏光方向Eの光学軸に平行な成分(Ey)が維持されたままで、光学軸に直交する方向の成分(Ex)が光学軸に対して逆転した状態となる。したがって、二分の一波長板33を透過した光は、入射光に対して光学軸を挟んで反転した方向となり、つまり、2θ回転された方向となる。
また、図7中の(a)に示すように、資料Sからのラマン散乱光ERPar,ERPerpが二分の一波長板33に入射された場合には、図7中の(b)に示すように、ラマン散乱光ERPar,ERPerpの偏光方向の光学軸に平行な成分(Ey)が維持されたままで、光学軸に直交する方向の成分(Ex)が光学軸に対して逆転した状態となる。
この共焦点顕微分光装置においては、図8に示すように、励起レーザ光がビームスプリッタ25で反射される前の光路上にローテイタ35が設置されており、このローテイタ35によって、励起レーザ光の偏光方向を旋光させずに透過させる第1の状態と、励起レーザ光の偏光方向を90°旋光させて透過させる第2の状態との切換えが可能となっている。
そして、ローテイタ35が第1の状態であるときと、ローテイタ35が第2の状態であるときとでは、試料S上に照射される励起レーザ光の偏光方向は、二分の一波長板33の光学軸方向を回転させることによって互いに同一方向となされる。また、ローテイタ35が第1の状態であるときと、ローテイタ35が第2の状態であるときとでは、試料Sから二分の一波長板33を透過しローテイタ35を経ずに分光装置4に入射する散乱光の偏光方向は、互いに90°異なる方向となされる。
すなわち、この共焦点顕微分光装置においては、試料Sからビームスプリッタ25を透過して偏光ビームスプリッタ36を透過する反射光及び散乱光の偏光方向を2つの方向に切替えることができ、特定の偏光方向のラマン散乱光のみを検出することができる。
なお、この共焦点顕微分光装置においては、旋光手段となるローテイタ35は、励起レーザ光源2a,2bとビームスプリッタ25との間の光路上に設置されていることにより、例えば、645nm乃至860nmにおける特性変動が1%以内であるような特殊な二分の一波長板である必要はなく、励起レーザ光の波長のみに対応した入手しやすい安価な素子であっても、4000cm−1程度の帯域内のラマン散乱光の検出を可能とすることができる。ただし、この共焦点顕微分光装置において、旋光手段は、このようなローテイタ35に限定されるものではなく、この旋光手段として、二分の一波長板を用いることとしてもよい。
〔遮蔽体の構成〕
この共焦点顕微分光装置においては、図9に示すように、励起用レーザ光は、遮蔽体となるリング状マスク21に入射し、このリング状マスク21により、光束断面をリング状となされて、試料Sに入射される。励起用レーザ光の光束断面がリング状となされることにより、試料S上における励起レーザ光の焦点のスポット径を遮蔽体がない場合よりも小さくすることができ、解像力を向上させることができる。
しかしながら、リング状マスク21においては、リング状の透光部の縁において励起用レーザ光の回折が生じ、この対物レンズ入射時にリング形状がにじんでしまうため、解像力低下の原因となることがある。そこで、図10に示すように、励起用レーザ光の光路上に設置された一対の凸レンズL1,L2間の集光点付近に円形の遮光体21aを設置する手法を考案した。この場合、遮光体21aから凸レンズL2までの距離をa、凸レンズL2から対物レンズ34の入射瞳までの距離をb、凸レンズL2の焦点距離をf2とすると、〔1/a+1/b=1/f2〕という関係が成立しており、対物レンズ34の入射瞳上に、倍率〔M=b/a〕の遮光体21aの実像が形成される状態となり、回折光によるにじみがないリング状の光束で対物レンズにレーザ光を入射することができるため、より高解像度な測定ができる。
本発明に係る共焦点顕微分光装置の構成を示す側面図である。 上記共焦点顕微分光装置における光束偏向手段の構成を示す側面図である。 上記共焦点顕微分光装置における対物レンズユニットの構成を示す側面図である。 対物レンズユニットの構成の他の例を示す側面図である。 上記共焦点顕微分光装置における二分の一波長板の作用を説明する正面図である。 上記共焦点顕微分光装置における二分の一波長板の入射光に対する作用を説明する正面図である。 上記共焦点顕微分光装置における二分の一波長板のラマン散乱光に対する作用を説明する正面図である。 上記共焦点顕微分光装置における対物レンズユニット及び試料からの光の光路を示す側面図である。 上記共焦点顕微分光装置における遮蔽体の構成を示す側面図である。 上記共焦点顕微分光装置における遮蔽体の構成の他の例を示す側面図である。 共焦点光学顕微鏡の構成を示す側面図である。
符号の説明
2a,2b,2c,2d 励起用レーザ光源
3 対物レンズユニット
4 分光手段
5 撮像素子(CCD)
16 第1のアクチュエータ
17 第2のアクチュエータ
21 リング状マスク
21a 遮蔽体
24 第1のポジションセンサ
28 第2のポジションセンサ
33 偏光子
S 試料

Claims (4)

  1. 連続発振またはパルス発振する励起用レーザ光源と、
    上記励起用レーザ光源からの励起レーザ光の試料に対する照射を行う照射手段及びこの試料からの反射光または散乱光の集光手段となる共焦点光学顕微鏡と、
    上記共焦点光学顕微鏡から上記試料に照射される励起レーザ光の偏光方向を調整する偏光子と、
    上記試料から発生した散乱光を分光して試料の被測定個所の分光スペクトルを測定する分光手段と
    を備え、
    上記偏光子は、この偏光子から上記試料に至る光路上に励起レーザ光の光路を偏向させるミラーが存在しないこととなる位置に配置されている
    ことを特徴とする共焦点顕微分光装置。
  2. 上記試料から上記分光手段に入射する散乱光の光路を上記励起レーザ光源に戻る光路から分岐させるビームスプリッタと、
    上記励起レーザ光源と上記ビームスプリッタとの間の光路上に配置され、励起レーザ光の偏光方向を旋光させずに透過させる第1の状態と、励起レーザ光の偏光方向を90°旋光させて透過させる第2の状態との切換えが可能となされた旋光手段と
    を備え、
    上記旋光手段が第1の状態であるときと、上記旋光手段が第2の状態であるときとでは、上記試料上に照射される励起レーザ光の偏光方向は、上記偏光子の光学軸方向を回転させることによって互いに同一方向となされ、上記試料から上記偏光子を透過し上記旋光手段を経ずに上記分光手段に入射する散乱光の偏光方向は、互いに90°異なる
    ことを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微分光装置。
  3. 上記試料に入射する励起用レーザ光の光路上の第1の位置において、この励起用レーザ光の通過位置を検出する第1のポジションセンサと、
    上記試料に入射する励起用レーザ光の光路上の第2の位置において、この励起用レーザ光の通過位置を検出する第2のポジションセンサと、
    上記第1及び第2のポジションセンサによる検出結果に基づいて、上記第1の位置における励起用レーザ光の通過位置と上記第2の位置における励起用レーザ光の通過位置とのそれぞれを所定の通過位置とする光束偏向手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の共焦点顕微分光装置。
  4. 上記試料に入射する励起用レーザ光の光路中に設置された遮蔽体を備え、
    上記励起用レーザ光を断面がリング状の光束として上記試料に入射させる
    ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の共焦点顕微分光装置。
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