JP2008299058A - 定着装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像品質の低下を防ぐことが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】この定着装置20は、用紙Pに転写されたトナー像を当該用紙Pに定着させるとともに、用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する定着ローラ41と、この定着ローラ41から用紙Pを分離する分離爪ユニット60とを備えている。分離爪ユニット60は、定着ローラ41の周面に接触して定着ローラ41から用紙Pを分離する先端爪部62bを有する爪部材62と、この爪部材62を保持するホルダ部材61と、先端爪部62bよりも搬送経路下流側の位置で当該搬送経路に突出するようにホルダ部材61に設けられ、定着ローラ41から分離した用紙Pに接触して回転しながらその用紙Pを搬送経路下流側へと案内するコロ部材63とを含んでいる。そして、コロ部材63の周面に位置する用紙接触部63bは、用紙Pに面接触するようにコロ部材63の軸心Aに対して所定の傾斜角度θで傾斜している。
【選択図】図8
【解決手段】この定着装置20は、用紙Pに転写されたトナー像を当該用紙Pに定着させるとともに、用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する定着ローラ41と、この定着ローラ41から用紙Pを分離する分離爪ユニット60とを備えている。分離爪ユニット60は、定着ローラ41の周面に接触して定着ローラ41から用紙Pを分離する先端爪部62bを有する爪部材62と、この爪部材62を保持するホルダ部材61と、先端爪部62bよりも搬送経路下流側の位置で当該搬送経路に突出するようにホルダ部材61に設けられ、定着ローラ41から分離した用紙Pに接触して回転しながらその用紙Pを搬送経路下流側へと案内するコロ部材63とを含んでいる。そして、コロ部材63の周面に位置する用紙接触部63bは、用紙Pに面接触するようにコロ部材63の軸心Aに対して所定の傾斜角度θで傾斜している。
【選択図】図8
Description
本発明は、用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させるための定着装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
従来、プリンタや複写機等の画像形成装置に具備され、用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させる定着装置が知られている。
この従来の定着装置は、用紙を加熱する定着(ヒート)ローラと、この定着ローラとともにニップ領域を形成し、用紙を定着ローラに押し付ける加圧(プレス)ローラとを備えており、定着ローラに押し付けられて加熱された用紙は、定着ローラに付着した状態で両ローラ間のニップ領域から送り出されることにより、定着ローラに巻き付く場合がある。この用紙の巻き付きを防止するために、一般的に、定着装置には、定着ローラから用紙を分離するための分離爪が設けられている。この分離爪は、ニップ領域の出口近傍に配設されており、定着ローラから分離した用紙を搬送経路の下流側へと案内する機能も有している。
ところが、上記のように、分離爪により用紙を分離しながら案内するように構成することによって、用紙に形成された画像に、分離爪による引っ掻き傷が発生する場合がある。これは、定着ローラに常時接触する分離爪が高温になり、その高温の分離爪に用紙が所定時間接触することにより用紙上のトナーが融ける(再融解する)からである。
この不都合の解消手段として、たとえば、分離爪により定着ローラから分離された用紙を、その分離位置(分離爪の先端)から比較的近い位置に配置されたガイド部材上に当該分離爪からスイッチするとともに、上記ガイド部材により搬送経路下流側へと案内する技術が知られている。このガイド部材は、分離爪とは別体で設けられており、分離爪よりも低温に保持されるので、用紙が当該ガイド部材に所定時間接触した場合に、用紙上のトナーの融解が抑制される。
ところが、上記構成では、ガイド部材を両ローラ間のニップ領域の出口付近に配置させる必要があるため、ニップ領域から送り出された用紙がそのコシ(弾性)によりガイド部材に強く押し付けられた状態で搬送される場合がある。これにより、用紙の画像表面に画像擦れ(ガイド跡)が発生するという不都合がある。
そこで、このような画像擦れの対策として、従来、定着ローラから分離した用紙を回転可能なコロ等により搬送経路下流側に案内する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、分離爪を両側方から挟み込むように配設され分離爪とともに揺動する分離爪保護部材の外側方にコロ部材を固定的に取り付けた定着装置が開示されている。この分離爪保護部材は、用紙のジャム時に、分離爪とともに定着ローラから離れる方向に回動することによって、分離爪が定着ローラに過剰に押し付けられて分離爪や定着ローラが破損するのを防止している。また、分離爪により定着ローラから分離された用紙が、分離爪保護部材に接触することなくコロ部材に導かれるように構成されており、これによって、定着後の用紙に画像擦れが発生するのを防止している。
特開2004−61854号公報
ところで、上記特許文献1に開示されたような従来の定着装置では、定着ローラの周面に付着した用紙は、分離爪に対応する部分から分離される。これにより、用紙の幅方向で、分離爪により定着ローラから分離された部分と、定着ローラに付着したままの部分とが交互に存在し、用紙が、分離爪に対応する部分を頂点として当該用紙の幅方向に波打つことになる。この場合、図10に示すように、コロ部材163が用紙Pを案内する際に、用紙Pとコロ部材163とが点接触しやすくなるので、両者間の単位面積当たりの接触圧が大きくなり、用紙にコロ部材の案内痕が残ることがある。その結果、画像品質が低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、画像品質の低下を防ぐことが可能な定着装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に記載の定着装置は、用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させるとともに、前記用紙を所定の搬送経路に沿って搬送する定着部材と、この定着部材の搬送経路下流側に設けられ、前記定着部材から用紙を分離する分離爪ユニットとを備えた定着装置において、前記分離爪ユニットは、前記定着部材の周面に接触して定着部材から用紙を分離する先端部を有する爪部材と、この爪部材を保持するホルダ部材と、前記先端部よりも搬送経路下流側の位置で当該搬送経路に突出するように前記ホルダ部材に設けられ、前記定着部材から分離した用紙に接触して回転しながらその用紙を搬送経路下流側へと案内する回転部材とを含み、前記回転部材は、その周面に用紙に接触する用紙接触部を有し、前記用紙接触部は、用紙に面接触するように、前記回転部材の軸心に対して所定の傾斜角度で傾斜している。
この請求項1に記載の定着装置では、上記のように、回転部材の用紙接触部と用紙とが面接触するので、回転部材と用紙との接触面積を大きくすることができる。これにより、回転部材と用紙とが点接触する場合と異なり、回転部材と用紙との間の単位面積当たりの接触圧が大きくなり過ぎるのを抑えることができるので、用紙に回転部材による案内痕が付きにくくなる。この結果、画像品質の低下を防ぐことができる。
上記請求項1に記載の定着装置において、好ましくは、前記回転部材は、前記爪部材から遠ざかるにつれて径寸法が次第に小さくなる円錐台形状を有している(請求項2)。このように構成すれば、定着部材から分離した用紙の波打ち形状に沿うように回転部材の用紙接触部を配することができるので、容易に、用紙接触部と用紙とを面接触させることができる。
上記請求項1または2に記載の定着装置において、好ましくは、前記用紙接触部は、フッ素樹脂で構成されている(請求項3)。このように、用紙接触部をフッ素樹脂で構成すれば、容易に、耐熱性および離型性を向上させることができる。
上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置において、好ましくは、前記回転部材が、前記爪部材の両側に各々配設されている(請求項4)。このように構成すれば、定着部材から分離した用紙を搬送方向下流側により円滑に案内することができるので、用紙に画像擦れが発生するのを十分に抑えることができる。
この発明の請求項5に記載の画像形成装置は、用紙にトナー像を転写する画像形成部と、前記画像形成部で転写されたトナー像を加熱により前記用紙に定着させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置とを備えている。
この請求項5に記載の画像形成装置では、上記のように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置を備えているので、用紙の種類にかかわらず、画像品質の低下を防ぐことができる。
この発明の定着装置および画像形成装置によれば、回転部材の用紙接触部と用紙とが面接触するので、回転部材と用紙との接触面積を大きくすることができる。これにより、回転部材と用紙とが点接触する場合と異なり、回転部材と用紙との間の単位面積当たりの接触圧が大きくなり過ぎるのを抑えることができるので、用紙に回転部材による案内痕が付きにくくなる。この結果、画像品質の低下を防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による定着装置を備えたプリンタの全体構成を示した断面正面図であり、図2は、図1に示した定着装置の構成を説明するための正面図である。また、図3〜図7は、図2に示した定着装置の分離機構の構成を説明するための図であり、図8は、分離機構のコロ部材を示した断面図である。また、図9は、用紙案内時のコロ部材を概略的に示した側面図である。まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による定着装置20を備えたプリンタ1の全体構成について説明する。
このプリンタ1では、図1に示すように、プリンタ本体2内にシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各色用にそれぞれ現像装置3が備えられている。それぞれの現像装置3においては、a−Si(アモルファスシリコン)等からなる感光体ドラム4が備えられ、図中の矢印方向に回転するようになっている。この感光体ドラム4が帯電器5によって一様に帯電され、外部PC(パーソナルコンピュータ)等から入力された原稿画像データに基づくLED光が露光装置(LEDプリントヘッドユニット等)6から感光体ドラム4の表面上に照射されて静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーが付着してトナー像が形成される。このトナーの供給は、トナー供給容器7C,7M,7Y,7Bからそれぞれ行われる。これら各色用に感光体ドラム4が並設されている下方には搬送ベルト8が配設されている。搬送ベルト8は、転写ローラ9によって各感光体ドラム4に押し付けられた状態とされ、不図示のモータ等によって回転駆動される駆動ローラ10と、この駆動ローラ10によって無端回転される搬送ベルト8に従って回転する従動ローラ11とによって感光体ドラム4の回転方向の順方向に回転されるようになっている。
そして、給紙部12から用紙搬送路13を経由して搬送ベルト8側に用紙Pが搬送されて、レジストローラ対14によって各感光体ドラム4および転写ローラ9等による画像転写動作と給紙動作とのタイミングが調整される。当該タイミングの調整後、レジストローラ対14が回転駆動されて用紙Pが感光体ドラム4と搬送ベルト8との間に搬送される。用紙Pが各感光体ドラム4と搬送ベルト8との間を搬送される間に各感光体ドラム4表面の各色のトナー像が次々に用紙Pに転写される。全ての感光体ドラム4によってトナー像が転写された用紙Pは、定着装置20に搬送されてトナー像が定着され、カラー画像が形成される。定着装置20を通過した用紙Pは、用紙搬送路15に送られて排紙部16に排出される。なお、上記の各感光体ドラム4には、感光体ドラム4上の残留トナー等を除去するクリーニング装置17が備えられている。
次に、図2〜図9を参照して、上記定着装置20の構成について詳細に説明する。
定着装置20は、図2に示すように、装置本体としてのハウジング30内に、発熱可能な定着(ヒート)ローラ41と、この定着ローラ41と周面同士が対向するように定着ローラ41の下方に配設された加圧(プレス)ローラ42とを備えている。なお、定着ローラ41は、本発明の「定着部材」の一例である。そして、転写処理後の用紙Pは、時計回りに駆動回転する定着ローラ41と、反時計回りに従動回転する加圧ローラ42との間のニップ領域を通過することによって、定着ローラ41から熱を付与されて定着処理が施されるようになっている。
この定着ローラ41は、金属製の筒体の周面に所定の材料をコーティングして形成された外筒体41aと、外筒体41aに内装された、たとえばハロゲンランプ等からなる熱源(図示せず)とを備えている。この外筒体41aは、その一方端に図略の環状ギヤが固定されており、ハウジング30の外部の適所に設置されたモータ(図示せず)の駆動回転がギヤ機構などを介して上記環状ギヤに伝達されることにより、外筒体41aが軸心回りに駆動回転されるように構成されている。
また、加圧ローラ42は、筒状の加圧ローラ本体42aと、この加圧ローラ本体42aと同心に配設され、当該加圧ローラ本体42aの端壁を貫通した加圧ローラ軸42bとを備えている。この加圧ローラ42は、ニップ領域において定着ローラ41の外筒体41aの周面へ押圧されることにより定着ローラ41の駆動回転に従動して回転するように構成されている。
また、定着装置20は、ハウジング30の適所に定着ローラ41の軸心方向に所定間隔を隔てて取り付けられた複数(本実施形態では4つ)の分離機構50を備えており、これらの分離機構50の下流側(図2では左側)には、定着処理後の用紙Pを用紙搬送路15(図1参照)へ向かわせるための排出ローラ対43が設けられている。
そして、この定着装置20では、用紙Pの前端が定着ローラ41および加圧ローラ42の間のニップ領域を通過して排出ローラ対43に到達するまでの間は、定着ローラ41および加圧ローラ42により用紙Pの搬送が行われ、用紙Pの前端が排出ローラ対43に到達してから用紙Pの後端がニップ領域を通過するまでの間は、定着ローラ41および加圧ローラ42と排出ローラ対43とが互いに同期しながら用紙Pの搬送を行うように構成されている。また、用紙Pの後端がニップ領域を通過した後は、排出ローラ対43のみにより用紙Pの搬送が行われるようになっている。
分離機構50は、定着ローラ41の周面に巻き付こうとする用紙Pを定着ローラ41の周面から分離する機能を有しており、分離爪ユニット60と、支持部材70と、一対の圧縮コイルバネ80(図3参照)とを備えている。
分離爪ユニット60は、ホルダ部材61と、正面視略L字状の爪部材62と、一対のコロ部材63(図4参照)とを含んでいる。なお、コロ部材63は、本発明の「回転部材」の一例である。
ホルダ部材61は、爪部材62を固定的に保持するとともに、図2に示すように定着ローラ41に対して非接触状態となるように配設されており、爪部材62とコロ部材63とを包含可能な形状に構成されている。このホルダ部材61は、雄型構造の雄ホルダ64と、雌型構造の雌ホルダ65とにより構成されている。
雄ホルダ64は、図5〜図7に示すように、正面視横長形状の側板64aと、側板64aの上部に形成されたバネ用座部64bと、側板64aの雌ホルダ65との対向面に形成されたホルダ幅規制部64cと、側板64aの後述する爪部材62の移動規制部62cに対応する位置に形成された圧入孔64dと、側板64aの雌ホルダ65との対向面に形成された支軸部64eと、側板64aの搬送経路上流側の下部に設けられたガイド部64f(図6の(b)参照)とを有している。
また、雌ホルダ65は、正面視横長形状の側板65aと、側板65aの上部に形成されたバネ用座部65bと、側板65aの上記雄ホルダ64のホルダ幅規制部64cに対応する位置に形成された挿入孔65cと、側板65aの爪部材62の移動規制部62cに対応する位置に形成された圧入孔65dと、側板65aの雄ホルダ64との対向面に形成された支軸部65eと、側板65aの搬送経路上流側の下部に設けられたガイド部65f(図6の(b)参照)とを有している。
バネ用座部64b,65bは、圧縮コイルバネ80の上側端部を当接させるためのものであり、このバネ用座部64b,65bの下面には、それぞれ、圧縮コイルバネ80の上側端部を係止するためのボス64g,65gが形成されている。このバネ用座部64b,65bは、当該分離爪ユニット60を組み上げた際に、後述の爪部材62の揺動支点部62aおよび先端爪部62bのほぼ中間に位置するようになっている。
ホルダ幅規制部64cは、各ホルダ64,65の間隔を規制してホルダ部材61の幅を規制するために設けられている。すなわち、このホルダ幅規制部64cは、円柱形状の基部64hと、雌ホルダ65の挿入孔65cに挿入されて基部64hよりも小径の挿入部64iとにより構成されており、ホルダ幅規制部64cの基部64hが雌ホルダ65の側板65aに当接することにより、側板64a,65a同士が基部64hの軸方向長さと一致する間隔を隔てた状態で保持されるようになっている。
支軸部64e,65eは、互いに対向するように配置されており、それぞれ、コロ部材63を回転可能に保持するように構成されている。これらの支軸部64e,65eは、爪部材62に対して非接触状態となるような突出量で各側板64a,65aから突出している。
ガイド部64f,65fは、爪部材62とコロ部材63との間の用紙Pの搬送経路において、用紙Pの前端をコロ部材63へと滑らかに案内するために設けられている。
爪部材62は、定着ローラ41の周面に接触するようになっており、揺動支点部62aと、先端爪部62bと、一対の移動規制部62cとを有している。なお、先端爪部62bは、本発明の「先端部」の一例である。
揺動支点部62aは、略球形状に形成されており、当該分離機構50をハウジング30に取り付けた際には、ハウジング30に形成された凹状の支点受け部31(図5〜図7参照)にピボット運動可能なように保持されるようになっている。この支点受け部31は、略正方形の水平断面を有するとともに、その底部から開口部に向けて徐々に広幅となるように形成されている。揺動支点部62aは、次述の分離爪ユニット60の先端爪部62bが多方向に自由に移動(多軸方向の回りに揺動:図5〜図7の矢印α,β,γ参照)する際の支点として機能する。なお、揺動支点部62aは、上記略球形状以外の、例えば円錐形状等に形成されていてもよい。
先端爪部62bは、揺動支点部62aから所定間隔を隔てて設けられており、平板状で、その先端が縦断面で鋭角となるように形成されている。この先端爪部62bは、上述のように、分離機構50をハウジング30に取り付けることにより揺動支点部62aを支点として多軸方向の回りに揺動可能な状態で定着ローラ41の周面に接触するようになっている。
移動規制部62cは、当該爪部材62をホルダ部材61に固定するためのものであり、断面長方形状の基部62dと、基部62dよりも一回り小さい断面形状の圧入部62eとにより構成されており、基部62dが各ホルダ64,65の側板64a,65aに当接することにより爪部材62が各ホルダ64,65間で移動するのが規制されるようになっている。このように移動規制部62cの基部62dにより位置規制された爪部材62は、側板64a,65aのほぼ中間に位置している。
この爪部材62は、上述のように、各ホルダ64,65の側板64a,65aのほぼ中間に位置するように位置決めされて配設されており、さらに、先端爪部62bがホルダ部材61の搬送経路上流側の端部から外部に向かって突出するように配置されている。また、先端爪部62bは、ニップ領域の搬送方向下流側の端部(ニップ領域出口)と所定間隔を隔てた位置で、一対の圧縮コイルバネ80の付勢力により定着ローラ41の周面に当接している。
一対のコロ部材63は、ホルダ部材61に回転可能に保持されており、側板64a,65aの間で爪部材62を挟むように配設されている。これらのコロ部材63は、図4に示すように、爪部材62に対して離間可能に、支軸部64e,65eの突出方向に所定の遊びを有した状態で当該支軸部64e,65eに各々保持されている。また、コロ部材63は、ホルダ部材61に保持された状態では、その周面の一部がホルダ部材61の下部から外部に向かって露出するように構成されている。
ここで、本実施形態では、一対のコロ部材63は、爪部材62から遠ざかるにつれて径寸法が次第に小さくなる断面視で円錐台形状を有しており、用紙案内時にその外周面が用紙Pに面接触するように構成されている。各コロ部材63は、図8に示すように、軸受部63aと、用紙接触部63bと、面取り部63cとを有している。
軸受部63aは、ホルダ64(65)の支軸部64e(65e)を受けるためのものである。そして、支軸部64e(65e)が軸受部63aの内側に挿入されることによって、コロ部材63がホルダ部材61に回転可能に保持されるように構成されている。
用紙接触部63bは、図9に示すように、当該円錐台形状のコロ部材63の外周面部位であり、当該用紙接触部63bのうち爪部材62から遠い箇所ほどコロ部材63の軸心A(図8参照)に近い位置に配される態様となっている。そして、用紙接触部63bは、用紙Pに面接触するように、コロ部材63の軸心Aに対して所定の傾斜角度θで傾斜している。なお、傾斜角度θは、用紙の種類等によって異なる用紙Pの波打ち具合に合わせて、約3°〜約25°の範囲で適宜設定されるのが好ましい。この用紙接触部63bは、フッ素樹脂で構成されている。なお、用紙接触部63bをコロ部材63の径外方向に僅かに湾曲する形状に形成してもよい。このように構成すれば、波打ち状態の用紙Pに用紙接触部63bをより広く面接触させることができる。
面取り部63cは、コロ部材63の軸方向の両端面と外周面である用紙接触部63bとの間に設けられている。この面取り部63cを設けることによって、コロ部材63と用紙Pとが不意に点接触するといった不都合の発生を防いでいる。なお、図9では上記面取り部63cを図示していない。
支持部材70は、分離爪ユニット60の爪部材62を定着ローラ41の周面に常時密接させるべく分離爪ユニット60を多軸方向の回りに揺動可能に支持するための機能を有しており、切欠き部71と、一対のフック部72と、一対の位置決め突起部73と、一対のバネ用座部74とを含んでいる。
切欠き部71は、当該支持部材70が分離爪ユニット60の爪部材62に干渉することのないように、前記支持部材70の適所を平面視矩形状に切り欠くことにより形成されている。
フック部72は、ハウジング30に形成されたフック係合孔32に挿入されて係合することにより、当該支持部材70をハウジング30に固定するために設けられている。
位置決め突起部73は、ハウジング30に形成された位置決め凹部33に各々挿入されることにより、当該支持部材70をハウジング30に取り付ける際の位置決めとして機能するようになっている。
バネ用座部74は、圧縮コイルバネ80の下側端部を当接させるためのものであり、このバネ用座部74の上面には、圧縮コイルバネ80の下側端部を係止するためのボス75が形成されている。
一対の圧縮コイルバネ80は、揺動支点部62aを基準とする対称位置(図5および図7参照)で、かつ、定着ローラ41の軸心方向に沿って配される(図3参照)とともに、上述のように、支持部材70のバネ用座部74と分離爪ユニット60のバネ用座部64b(65b)との間に架設されており、爪部材62が定着ローラ41を押圧するように分離爪ユニット60を定着ローラ41の周面に向けて付勢しつつ支持するように構成されている。この一対の圧縮コイルバネ80は、支持部材70をハウジング30に取り付けた際に、当該圧縮コイルバネ80の付勢力によって分離爪ユニット60をハウジング30と定着ローラ41の周面との両方に当接させるように圧縮される。
このように構成された定着装置20では、定着ローラ41に押し付けられて加熱された用紙Pは、定着ローラ41に付着した状態で両ローラ41,42間のニップ領域から送り出される。そして、定着ローラ41に付着した用紙Pは、分離爪ユニット60の爪部材62に対応する部分から分離される。これにより、用紙Pの幅方向では、爪部材62により定着ローラ41から分離された部分と、定着ローラ41に付着したままの部分とが交互に存在し、用紙Pが、爪部材62に対応する部分を頂点として当該用紙Pの幅方向に波打つことになる。ここで、本実施形態では、各コロ部材63の用紙接触部63bは、用紙案内時に用紙Pに面接触するように構成されている。すなわち、当該用紙接触部63bのうち爪部材62から遠い箇所ほどコロ部材63の軸心Aに近い位置に配され、さらに、用紙Pに面接触可能なようにコロ部材63の軸心Aに対して所定の傾斜角度θで傾斜している。従って、用紙案内時にコロ部材63の外周面63eと用紙Pとが面接触するので、コロ部材63と用紙Pとの接触面積が大きくなり、両者間の単位面積当たりの接触圧が十分小さくなる。
本実施形態では、上記のように、コロ部材63の用紙接触部63bと用紙Pとが面接触するので、コロ部材63と用紙Pとの接触面積を大きくすることができる。これにより、コロ部材63と用紙Pとが点接触する場合と異なり、コロ部材63と用紙Pとの間の単位面積当たりの接触圧が大きくなり過ぎるのを抑えることができるので、用紙Pにコロ部材63による案内痕が付きにくくなる。この結果、画像品質の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態では、上記のように、コロ部材63を、爪部材62から遠ざかるにつれて径寸法が次第に小さくなる円錐台形状に形成したので、定着ローラ41から分離した用紙Pの波打ち形状に沿うようにコロ部材63の用紙接触部63bを配することができる。これにより、容易に、用紙接触部63bと用紙Pとを面接触させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、コロ部材63の外周面63eをフッ素樹脂で構成したので、容易に、耐熱性および離型性を向上させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明を、プリンタ1に具備される定着装置20に適用する例について示したが、本発明はこれに限らず、プリンタ以外の複写機やファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置に具備される定着装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、定着ローラ41を用いて用紙Pにトナー像を定着させる例について示したが、定着ローラ41以外の例えば定着ベルトを用いて用紙Pにトナー像を定着させる構成であってもよい。
1 プリンタ(画像形成装置)
20 定着装置
41 定着ローラ(定着部材)
60 分離爪ユニット
61 ホルダ部材
62 爪部材
62b 先端爪部(先端部)
63 コロ部材(回転部材)
63b 用紙接触部
P 用紙
20 定着装置
41 定着ローラ(定着部材)
60 分離爪ユニット
61 ホルダ部材
62 爪部材
62b 先端爪部(先端部)
63 コロ部材(回転部材)
63b 用紙接触部
P 用紙
Claims (5)
- 用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させるとともに、前記用紙を所定の搬送経路に沿って搬送する定着部材と、この定着部材の搬送経路下流側に設けられ、前記定着部材から用紙を分離する分離爪ユニットとを備えた定着装置において、
前記分離爪ユニットは、
前記定着部材の周面に接触して定着部材から用紙を分離する先端部を有する爪部材と、
この爪部材を保持するホルダ部材と、
前記先端部よりも搬送経路下流側の位置で当該搬送経路に突出するように前記ホルダ部材に設けられ、前記定着部材から分離した用紙に接触して回転しながらその用紙を搬送経路下流側へと案内する回転部材とを含み、
前記回転部材は、その周面に用紙に接触する用紙接触部を有し、
前記用紙接触部は、用紙に面接触するように、前記回転部材の軸心に対して所定の傾斜角度で傾斜していることを特徴とする定着装置。 - 前記回転部材は、前記爪部材から遠ざかるにつれて径寸法が次第に小さくなる円錐台形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記用紙接触部は、フッ素樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記回転部材が、前記爪部材の両側に各々配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 用紙にトナー像を転写する画像形成部と、
前記画像形成部で転写されたトナー像を加熱により前記用紙に定着させる請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007144857A JP2008299058A (ja) | 2007-05-31 | 2007-05-31 | 定着装置およびそれを備えた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007144857A JP2008299058A (ja) | 2007-05-31 | 2007-05-31 | 定着装置およびそれを備えた画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008299058A true JP2008299058A (ja) | 2008-12-11 |
Family
ID=40172638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007144857A Pending JP2008299058A (ja) | 2007-05-31 | 2007-05-31 | 定着装置およびそれを備えた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008299058A (ja) |
-
2007
- 2007-05-31 JP JP2007144857A patent/JP2008299058A/ja active Pending
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