JP2008298873A - 反射プリズム、光ピックアップ及び反射プリズムの製造方法 - Google Patents

反射プリズム、光ピックアップ及び反射プリズムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反射プリズムの各面の形状を理想平面に近い光学的平面にしつつ、収差の改善を図ることを目的とする。
【解決手段】入射面2と反射面3と出射面4とを有する反射プリズム1において、各面を全て凹の傾向を持つ光学的平面又は凸の傾向を持つ光学的平面となす。このとき、反射面3が凸の傾向の光学的平面のときには、入射面2と出射面4とを凹の傾向を持つ光学的平面とし、反射面3が凹の傾向の光学的平面のときには、入射面2と出射面4とを凸の傾向を持つ光学的平面とする。入射面2と出射面4とは同じ凹又は凸の傾向を持つ光学的平面であり、反射面3は反対の凹又は凸の傾向を持つ光学的平面であるため、反射プリズム1全体で収差の抑制を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光路を変えるための反射プリズム、この反射プリズムを適用した光ピックアップ及び前記の反射プリズムを製造する反射プリズムの製造方法に関するものである。
光ピックアップや液晶プロジェクタ等の光学システムは種々の光学部品から構成され、その構成部品の1つとして、光路を変えるための反射プリズムがある。反射プリズムとしては、主にプリズムの一面に反射膜が形成されたものが用いられているが、反射膜に使用される銀やアルミ等の金属反射膜は光吸収を起こすこと等により反射率が低下する問題、酸化や硫化等による耐候性の低下といった問題がある。そこで、反射膜を用いずに、空気とプリズムとの屈折率差を利用してプリズムの内面で反射させるプリズム(以下、内面反射プリズムとする)が用いられるようになってきている。
近年では、光学システムのコンパクト化が必須の命題になってきているため、内面反射プリズムを用いることで、コンパクト化の要請を充足することができる。また、内面反射プリズムは屈折率差を利用しているため、屈折率の高い材料を使用することが好ましい。そうすると、外乱光の除去という点でも有利な効果を奏する点で、内面反射プリズムが用いられるようになってきている。
前記の内面反射プリズムは、光が入射する入射面と、入射面から入射した光が反射する反射面と、反射面で反射した光が出射する出射面と、を有する三角柱状のプリズムとなる。このとき、入射面と反射面と出射面とを、光が透過ないしは反射する間に非点収差やパワー(焦点がずれて、スポット像が劣化するような収差)が生じる。非点収差やパワー(これらの収差を、以下、単に収差とする)は、前記の3つの面の面精度によって発生するものである。プリズムの面精度は平面研磨によって出されるものであり、ある程度は面を平面に近づけることができても、理想的な平面状態(平面度が0の理想平面)とすることはできない。このため、不可避的に収差は発生し、スポット像の劣化といった問題を招来する。特に、反射プリズムの場合、屈折率差を利用して光を反射させるため、プリズムには屈折率が高い材料を用いることが好ましく、そうすると、各面で発生する収差が増幅してしまう。
そこで、非点収差の改善を図っているものが特許文献1に開示されている。特許文献1は、高速で回転駆動されるスピナーミラーに備えられる偏向部材の反射面に、遠心力や加工製造時に生じたひずみを原因とする非点収差を、偏向部材の形状を加熱ないしは冷却して入射面及び出射面を凹面又は凸面に変形させることにより、補正している。このために、偏向部材を取り付ける締結部材の温度を制御している。
特開2006−267716号公報
近年の光学システムは高機能化及び大容量化の傾向にあり、システム全体に要求される精度は極めて高くなってきている。例えば、光ピックアップにおいては、非常に短い波長の光を使って、大容量の情報を記録ないしは再生しているため、各光学部品にも極めて高い精度が要求される。特許文献1では、入射面及び出射面の形状を反射面のひずみの量に応じて最適な曲率を持つ凹面又は凸面に変形させて非点収差を補正しているが、締結部材の温度コントロールにより面を変形させて、高精度にコントロールされた曲面を得ることは極めて困難である。
また、特許文献1では、入射面及び出射面の形状を変形させるための締結部材が必要となり、機構の複雑化といった問題を招来する。近年の光学システムはコンパクト化の傾向にあるため、各光学部品の形状の小型化及び部品点数の削減は必須の命題となっている。従って、収差を補正するための部品(特許文献1では締結部材)を使用すると、コンパクト化の要請を満たすことができなくなる。
そこで、本発明は、各面の形状を理想平面に近い光学的平面にしつつ、収差の改善を図ることを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1の反射プリズムは、透明部材に形成された入射面と反射面と出射面との3つの面を全て光学的平面となし、前記3つの面のうち1つの面が凹の傾向を持つ光学的平面のときには、残り2つの面は凸の傾向を持つ光学的平面であり、前記3つの面のうち1つの面が凸の傾向を持つ光学的平面のときには、残り2つの面は凹の傾向を持つ光学的平面である、ことを特徴とする。
請求項1の反射プリズム(プリズムの内面で反射させる内面反射プリズム)では、3つの面のうち1つの面の光学的平面の凹凸の傾向と、残り2つの面の光学的平面の凹凸の傾向とを反対にしていることにより、収差の改善を図ることができる。ここで、光学的平面とは、微小に凹又は凸の傾向を持つ平面である。光学的平面を形成するときには、一般に平面研磨をして平面仕上げをすることになるが、理想平面を得ることはできず、凹又は凸の何れかの傾向を持つ光学的平面が不可避的に生じる。請求項1では、この凹又は凸を前記1つの面と前記残りの2つの面とで積極的に反対方向にすることにより収差の改善を図っている。なお、ここでいう収差とは、非点収差やパワー(焦点がずれて、スポット像が劣化するような収差)等をいうが、球面収差は含まないものとする。
従って、各面は光学的平面としており、あくまでも平面に形成している。曲面の曲率によって収差の改善を図る場合、曲率を極めて高精度にコントロールしなければならないが、各面はあくまでも光学的平面であるため、収差のコントロールが容易になる。また、補正を行うための専用の部品を用いるのではなく、光学的平面の凹凸の傾向のコントロールで収差の改善を図っている。従って、部品点数が増加することなく、光学システム全体のコンパクト化を達成することができる。
光学的平面を形成するためには、ポリッシュ研磨やラッピング研磨等の平面研磨を適用することができる。例えば、ラップを用いて透明部材の面を研磨することにより、光学的平面を形成することができる。そして、光学的平面の凹凸の傾向を積極的にコントロールするために、ラップにも凹凸を持たせる。光学的平面が凹の傾向を持つ場合には、ラップには凸のものを用い、光学的平面が凸の傾向を持つ場合には、ラップには凹のものを用いる。これにより、光学的平面の凹又は凸の傾向を積極的にコントロールすることができる。
本発明の請求項2の反射プリズムは、請求項1記載の反射プリズムにおいて、前記反射面が凸の傾向の光学的平面のときには、前記入射面と前記出射面とを凹の傾向を持つ光学的平面とし、前記反射面が凹の傾向の光学的平面のときには、前記入射面と前記出射面とを凸の傾向を持つ光学的平面とした、ことを特徴とする。
内面反射プリズムの場合、入射面から入射した光はプリズム内部を進行し、反射面で内面反射をして、出射面から出射する。このとき、プリズムの内面で光が反射するため、収差に与える影響が最も大きくなるのは反射面となる。そこで、反射面が凸の傾向の光学的平面のときには、入射面と出射面とを凹の傾向を持つ光学的平面とし、反射面が凹の傾向を持つ光学的平面のときには、入射面と出射面とを凸の傾向を持つ光学的平面とすることで、最も影響の大きい反射面で生じる収差を効率的に抑制することができる。このとき、反射面が収差に与える影響は非常に大きいため、反射面の平面度はできる限り0に近づけることが好ましい。
本発明の請求項3の反射プリズムは、請求項1又は2記載の反射プリズムにおいて、 前記反射面のニュートン本数をN1、前記入射面のニュートン本数をN2、前記出射面のニュートン本数をN3、前記透明部材の屈折率をn、前記反射プリズムに入射する光の波長をλ、前記反射プリズムに入射する光の光路断面の直径をφ、面が凸の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3を正の値、面が凹の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3を負の値としたときに、|(n−1)×(N2+N3)+2.12×n×N1|≦(3×λ)/φを満たす、ことを特徴とする。
入射面と反射面と出射面とは、微小に凹又は凸の傾向を持つ光学的平面であるため、各面のニュートン本数は0本ではない。しかし、各面のニュートン本数が多すぎると、収差が許容範囲を超えてしまう。そこで、前記の式を満たすように、N1、N2、N3を選択すれば、収差の許容範囲を満たすことができる。
本発明の請求項4の光ピックアップは、請求項1乃至3何れか1項記載の反射プリズムを有している。光ピックアップの他にも、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置やデジタルカメラ等の撮像装置等にも前述した反射プリズムを適用することができる。
本発明の請求項5の反射プリズムの製造方法は、入射面と反射面と出射面とを有する反射プリズムを製造する反射プリズムの製造方法であって、透明部材を研磨して、凹又は凸の傾向を持つ光学的平面となる前記反射面を形成した後に、前記反射面が凹の傾向を持つ光学的平面のときには、凸の傾向を持つ光学的平面となるような入射面と出射面とを形成し、前記反射面が凸の傾向を持つ光学的平面のときには、凹の傾向を持つ光学的平面となるような入射面と出射面とを形成する、ことを特徴とする。
前述したように入射面と反射面と出射面とのうち最も収差の影響が大きくなるのが反射面である。そこで、まず凹又は凸の傾向を持つ光学的平面の反射面を形成して、その後、反射面の研磨に対応して、凸又は凹の傾向を持つ光学的平面の入射面及び出射面を形成することにより、収差の抑制を効率的に行うことができる。そして、入射面と出射面とでは凹又は凸の傾向は同じであるが、反射面の凹又は凸の傾向は反対である。
本発明の請求項6の反射プリズムの製造方法は、請求項5記載の反射プリズムの製造方法において、前記反射面のニュートン本数をN1、前記入射面のニュートン本数をN2、前記出射面のニュートン本数をN3、前記透明部材の屈折率をn、前記反射プリズムに入射する光の波長をλ、前記反射プリズムに入射する光の光路断面の直径をφ、面が凸の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3は正の値、面が凹の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3は負の値としたときに、|(n−1)×(N2+N3)+2.12×n×N1|≦(3×λ)/φを満たすように、前記入射面と前記出射面との研磨を行う、ことを特徴とする。
反射面の研磨を行ったときに反射面のニュートン本数N1が得られるが、このときのN1に応じて、前記の式を満たすようなN2とN3とが得られるように、入射面と出射面との研磨を行う。これにより、収差の許容範囲を満たす反射プリズムを製造することができる。このとき、収差に最も影響与える面は反射面であるため、N1の値をできる限り0に近づけるように反射面の研磨を行うことが好ましい。
本発明の請求項7の反射プリズムの製造方法は、入射面と反射面と出射面とを有する三角柱状の反射プリズムを製造する反射プリズムの製造方法であって、平板状の透明部材の一面を凹又は凸の傾向を持つ光学的平面となるように平面研磨する第1の研磨工程と、前記第1の研磨工程を経た透明部材を短冊状に切断して短冊部材を生成する切断工程と、前記切断工程で切断された短冊部材の研磨を行うときに、この研磨を行った後の面と前記第1の研磨工程で研磨された面とのなす角度が45度となるように平面研磨する第2の研磨工程と、前記第2の研磨工程で研磨された短冊部材の研磨を行うときに、この研磨を行った後の面と前記第1の研磨工程で研磨された面とのなす角度が45度となるように平面研磨する第3の研磨工程と、を有し、前記第2の研磨工程と前記第3の研磨工程との凹凸の傾向を同じにし、前記第1の研磨工程の凹凸の傾向と前記第2及び第3の研磨工程の凹凸の傾向とを反対にした、ことを特徴とする。
より具体的な反射プリズムの製造方法としては、例えば請求項7のような製造方法を適用することができる。
入射面と反射面と出射面とが持つ光学的平面の凹凸の傾向は、請求項2のように、入射面と出射面とを同じにし、反射面と入射面及び出射面とで反対になるようにすることが好ましいが、入射面と反射面とを同じにして出射面を反対になるようにしてもよいし、反射面と出射面とを同じにして入射面を反対になるようにしてもよい。
反射プリズムの素材としては、主にガラス素材を適用することができるが、プラスチック素材を適用することもできる。また、反射プリズムの形状は、主に断面が直角二等辺三角形の三角柱状のプリズムを想定しているが、入射面と反射面と出射面とが前述した条件を満たしていれば、他の形状の三角形でもよいし、断面が四角形や多角形等の多面体であってもよい。
本発明は、入射面と反射面と出射面とを、微小に凹又は凸の傾向を持つ光学的平面とし、反射面の凹凸の傾向と入射面及び出射面の凹凸の傾向とを異ならせることにより、収差の改善を図ることができる。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、反射プリズム1を示している。図示はしていないが、例えば光ピックアップの場合には、反射プリズム1の後段(反射プリズム1から出射した光の光路上)に対物レンズが配置されている。反射プリズム1で収差が発生すると、対物レンズのピントがずれたり、ぼけが生じたりする。以下、反射プリズム1で発生した収差の抑制について説明していく。
図1の反射プリズム1は、断面が直角二等辺三角形の三角柱状のプリズムであり、入射面2と反射面3と出射面4とを有している。反射面3では、この面に入射するときの光の入射角と屈折率差(反射プリズム1の屈折率と空気の屈折率との屈折率差)とにより光を反射させている。図1において、反射面3は凹の傾向を持つ光学的平面(図中では−としている)、入射面2及び出射面4は凸の傾向を持つ光学的平面(図中では+としている)としている。
入射面2から入射した光は反射面3で反射して、出射面4から出射していく。このとき、入射面2と出射面4とは凸の傾向を持つ光学的平面となっており、反射面3は凹の傾向を持つ光学的平面となっているため、入射面2及び出射面4と反射面3とは傾向が反対になっている。このため、反射面3で生じた収差が入射面2と出射面4とにより抑制されることになる。
そして、反射面3、入射面2、出射面4のニュートン本数を夫々、N1(本)、N2(本)、N3(本)とし、反射プリズム1の屈折率をn、光の波長をλ(nm)、光の光路断面の直径をφ(mm)としたときに、「|(n−1)×(N2+N3)+2.12×n×N1|≦(3×λ)/φ」の条件式を満たすようにする。なお、ニュートン本数N1、N2、N3については、面の1辺を70mmとし、この70mmの間に633nmの高低差があるときに、ニュートン本数を2本とする。また、N1、N2、N3は、面が凸の傾向を持つときに正の値とし、面が凹の傾向を持つときに負の値とする。
前記式の不等号を挟んだ左辺は各面の面精度により発生するパワーの値、右辺はパワーの許容値を示している。従って、左辺の値を0に近づけるようN1、N2、N3であれば、収差の値を最大限抑制することができる。例えば、N1=−10のときには、N2+N3=46程度とすることにより、左辺の値をほぼ0に近づけることができる。ただし、左辺の値が0にならなくても、右辺の許容値の範囲内となるようなN1、N2、N3であればよい。
前述したように、反射面3が最も収差に影響を与える。よって、最初に反射面3を形成して、それに合わせて入射面2と出射面4とを形成する。従って、反射面3を形成することにより、最初にN1が得られ、このN1の値に合わせて、N2及びN3が前記の式を満たすように入射面2と出射面4とを形成する。例えば、前述したように、平面研磨後の反射面3のニュートン本数N1がN1=−10のときには、N2=23となるように入射面2を平面研磨し、且つN3=23となるように出射面4を平面研磨することにより、収差の抑制を最大限図ることができる。
本発明では、N1、N2、N3のうち1つと残り2つとを、夫々正負を逆にし、特に、正負を、N2とN3とを同じにして、N1を逆にしている。これにより、左辺の値は小さくなり、収差の改善を図ることができる。
図2には、各面が全て凸の傾向を持つ光学的平面の場合と、反射面が凸の傾向を持つ光学的平面であり、入射面及び出射面が凹の傾向を持つ光学的平面の場合の各値について示している。図中Aの段及びCの段は、各面が全て凸の傾向を持つ光学的平面の場合であり、図中Bの段及びDの段は、反射面が凸の傾向を持つ光学的平面であり、入射面及び出射面が凹の傾向を持つ光学的平面の場合について示している。各段において、波長λが405nm、光の光路断面の直径φが5mmのときには、前記式の右辺の値は48.6となる。図中Aの段は、N1、N2、N3が全て10であり、反射プリズム1の屈折率nを1.846とすると、左辺の値は56.1となり、許容範囲を超えている。一方、図中Bの段は、N1=10、N2=−10、N3=−10であり、反射プリズム1の屈折率nを同じく1.846とすると、左辺の値は22.2となる。よって、収差の値は許容範囲以下となっている。
そして、図中Cの段は、N1、N2、N3が全て8であり、反射プリズム1の屈折率nを同じく1.846とすると、左辺の値は44.8となっている。一方、図中Dの段は、N1=8、N2=−8、N3=−8であり、反射プリズム1の屈折率nを同じく1.846とすると、左辺の値は17.8となっている。従って、N1、N2、N3が全て正の値であっても、理想平面に近づけることができれば許容範囲以下とすることはできるが、図中Dの段に示すように、N1とN2及びN3とを正負逆にすることにより、収差の値を容易に抑制することができる。
次に、反射プリズム1の具体的な製造方法について、図3のフローチャートに基づいて説明する。最初に、図4(a)に示すように、平板状の透明部材10の一面10Sに対して表面研磨を施す(ステップS1:第1の研磨工程)。表面研磨は、ラップ等の治具を用いて行われるが、この治具は研磨を施す面が凹面又は凸面になっており、面10Sを平面研磨したとしても、理想平面を得ることができず、面10Sは凹又は凸の何れかの傾向を持つ平面となる。図4(a)では、凹研磨治具21を用いて研磨を行っている場合について示している。このため、この凹研磨治具21で表面研磨した後の透明部材10の研磨面10Sは、微小に凸の傾向を持つ光学的平面となる。そして、同図(a)の破線で示す切断面に沿って、研磨後の透明部材10を短冊状に切断して、図4(b)のような短冊状の短冊部材11を複数個得る(ステップS2:切断工程)。図4では、短冊部材11の断面が長方形となるように、切断が行われる。このとき、切断後の短冊部材11のうち、第1の研磨工程で研磨された面を構成する面(第1の研磨面11Sとする)も、微小に凸の傾向を持つ光学的平面となる。
次に、図5(a)に示すように、固定平面22に固定された複数の固定治具23に各短冊部材11を接着剤等で貼り付けて固定する。固定治具23は、固定平面22の反対側に傾斜面23Sを有しており、傾斜面23Sの傾斜角は45度となっている。同図(a)の状態で、凸研磨治具24(微小に凹の傾向を持つ光学的平面を得るために凸面を有するラップ等の研磨治具)を用いて短冊部材11の平面研磨を行う(ステップS3:第2の研磨工程)。第2の研磨工程における研磨では、図中の一点鎖線の位置まで研磨を行う(この研磨を行った第2の研磨面11Aと前記の第1の研磨面11Sとが45度の角度を形成するように研磨を行う)。具体的には、傾斜面23Sに短冊部材11の第1の研磨面11Sを貼り付けて、上部から凸研磨治具24で研磨を行っていき、第2の研磨面11Aと第1の研磨面11Sとが45度の角度を形成するように研磨を行っていく。このとき、第2の研磨工程で研磨した第2の研磨面11Aは、光学的平面となっているが、凸研磨治具24を用いているため、微小に凹の傾向を持つ。
次に、固定平面22に固定されていた固定治具23を、図5(b)に示すように、90度転がした状態で、同じく凸研磨治具24を用いて、透明部材10の平面研磨を行っていく(ステップS4:第3の研磨工程)。このときの研磨は、図中の一点鎖線の位置まで研磨を行う(この研磨を行った第3の研磨面11Bと前記の第2の研磨面11Aとのなす角度が90度、第1の研磨面11Sと第3の研磨面11Bとのなす角度が45度となるように研磨を行う)。この研磨により、短冊部材11は断面が直角二等辺三角形の三角柱の部材となる。第3の研磨工程で研磨した第3の研磨面11Bは、光学的平面となっているが、凸研磨治具24を用いているため、微小に凹の傾向を持つ。
そして、最終的に、固定治具23から各透明部材10を取り外す。そうすると、図6に示すような、凸の傾向を持つ光学的平面(第1の研磨面11S)と凹の傾向を持つ光学的平面(第2の研磨面11A及び第3の研磨面11B)を得ることができる。よって、第1の研磨面11Sを反射面3、第2の研磨面11A及び第3の研磨面11Bを入射面2又は出射面4とすることにより、前述した反射プリズム1を得ることができる。また、図6の研磨後の短冊部材11は細長の形状をしているため、必要に応じて、第3の研磨工程後の短冊部材11を切断して、複数のコンパクトな反射プリズムを得てもよい。
なお、前述してきた製造方法は、断面が直角二等辺三角形の反射プリズムを説明してきたが、角度や形状が異なる場合には、それに合わせた製造方法を採用することができる。
反射プリズムを説明する図である。 ニュートン本数と収差と許容値との関係を説明する表である。 反射プリズムの製造方法の流れを説明するフローチャートである。 反射プリズムの製造方法の処理の前段を説明する図である。 反射プリズムの製造方法の処理の後段を説明する図である。 研磨後の反射プリズムを説明する図である。
符号の説明
1 反射プリズム 2 入射面
3 反射面 4 出射面
10 透明部材 21 凹研磨治具
24 凸研磨治具

Claims (7)

  1. 透明部材に形成された入射面と反射面と出射面との3つの面を全て光学的平面となし、
    前記3つの面のうち1つの面が凹の傾向を持つ光学的平面のときには、残り2つの面は凸の傾向を持つ光学的平面であり、前記3つの面のうち1つの面が凸の傾向を持つ光学的平面のときには、残り2つの面は凹の傾向を持つ光学的平面である、ことを特徴とする反射プリズム。
  2. 前記反射面が凸の傾向の光学的平面のときには、前記入射面と前記出射面とを凹の傾向を持つ光学的平面とし、前記反射面が凹の傾向の光学的平面のときには、前記入射面と前記出射面とを凸の傾向を持つ光学的平面とした、ことを特徴とする請求項1記載の反射プリズム。
  3. 前記反射面のニュートン本数をN1、前記入射面のニュートン本数をN2、前記出射面のニュートン本数をN3、前記透明部材の屈折率をn、前記反射プリズムに入射する光の波長をλ、前記反射プリズムに入射する光の光路断面の直径をφ、面が凸の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3を正の値、面が凹の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3を負の値としたときに、
    |(n−1)×(N2+N3)+2.12×n×N1|≦(3×λ)/φ
    を満たす、ことを特徴とする請求項1又は2記載の反射プリズム。
  4. 請求項1乃至3何れか1項記載の反射プリズムを有する光ピックアップ。
  5. 入射面と反射面と出射面とを有する反射プリズムを製造する反射プリズムの製造方法であって、
    透明部材を研磨して、凹又は凸の傾向を持つ光学的平面となる前記反射面を形成した後に、
    前記反射面が凹の傾向を持つ光学的平面のときには、凸の傾向を持つ光学的平面となるような入射面と出射面とを形成し、前記反射面が凸の傾向を持つ光学的平面のときには、凹の傾向を持つ光学的平面となるような入射面と出射面とを形成する、ことを特徴とする反射プリズムの製造方法。
  6. 前記反射面のニュートン本数をN1、前記入射面のニュートン本数をN2、前記出射面のニュートン本数をN3、前記透明部材の屈折率をn、前記反射プリズムに入射する光の波長をλ、前記反射プリズムに入射する光の光路断面の直径をφ、面が凸の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3は正の値、面が凹の傾向を持つときに前記N1、N2及びN3は負の値としたときに、
    |(n−1)×(N2+N3)+2.12×n×N1|≦(3×λ)/φ
    を満たすように、前記入射面と前記出射面との研磨を行う、ことを特徴とする請求項5記載の反射プリズムの製造方法。
  7. 入射面と反射面と出射面とを有する三角柱状の反射プリズムを製造する反射プリズムの製造方法であって、
    平板状の透明部材の一面を凹又は凸の傾向を持つ光学的平面となるように平面研磨する第1の研磨工程と、
    前記第1の研磨工程を経た透明部材を短冊状に切断して短冊部材を生成する切断工程と、
    前記切断工程で切断された短冊部材の研磨を行うときに、この研磨を行った後の面と前記第1の研磨工程で研磨された面とのなす角度が45度となるように平面研磨する第2の研磨工程と、
    前記第2の研磨工程で研磨された短冊部材の研磨を行うときに、この研磨を行った後の面と前記第1の研磨工程で研磨された面とのなす角度が45度となるように平面研磨する第3の研磨工程と、を有し、
    前記第2の研磨工程と前記第3の研磨工程との凹凸の傾向を同じにし、前記第1の研磨工程の凹凸の傾向と前記第2及び第3の研磨工程の凹凸の傾向とを反対にした、ことを特徴とする反射プリズムの製造方法。
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