JP2008298855A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造において研磨工程を必要とせず、材料のロス削減やリサイクル性に優れ、また安定した紙搬送性を有し、且つ感光ドラムに対しても均一な接触を確保して良好な転写性を得る転写ローラおよびその転写ローラを用いた画像形成装置を提供する事。
【解決手段】 熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムが動的架橋されて分散され、且つイオン導電性導電材を含んだ材料を用いて押出し成型により形成された転写ローラにおいて、芯金の長手方向に平行で且つ芯金の周方向に複数の貫通孔を設けたことを特徴とする。あるいは貫通孔の代わりに、弾性層表面に切れ込みを入れることを特徴とする。これらの転写ローラを用いる事で、感光ドラムとの接触幅を稼ぐとともに、良好な紙搬送性を達成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムが動的架橋されて分散され、且つイオン導電性導電材を含んだ材料を用いて押出し成型により形成された転写ローラにおいて、芯金の長手方向に平行で且つ芯金の周方向に複数の貫通孔を設けたことを特徴とする。あるいは貫通孔の代わりに、弾性層表面に切れ込みを入れることを特徴とする。これらの転写ローラを用いる事で、感光ドラムとの接触幅を稼ぐとともに、良好な紙搬送性を達成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、レーザプリンタ、LEDプリンタ等のプリンタ、デジタル複写機等の電子写真方式、静電記録方式を用いた画像形成装置に関し、特に像担持体上のトナー像を記録材上に静電的に転写する手段に転写ローラを用いる画像形成装置に関するものである。
複写機やレーザプリンタなど、電子写真方式の画像形成装置において、像担持体である感光ドラムに形成されたトナー画像を紙などの記録材に静電的に転写する手段として、転写ローラを利用したローラ転写方式が広く実用されている。図5にローラ転写方式を利用した、レーザプリンタの一例を示す。図示するように、感光ドラム51の表面は帯電ローラ52によって一様に帯電される。次にレーザスキャナ53により制御されたレーザビームLによる走査露光が施され、感光ドラム上に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置54で現像、可視化される。可視化されたトナー画像は、転写ローラ55と感光ドラム51の間に形成された転写ニップNに所定のタイミングで搬送された記録材P上に転写される。このとき転写ローラ55には、トナーと逆極性のバイアスが印加され、転写ニップN内に電界を形成する事により、トナー画像を記録材上に吸着させる。トナー像が転写された記録材は定着装置56へと搬送され、永久画像として定着され装置外へ排出される。
このようなローラ転写方式は、それ以前に広く実用化されていたコロナ放電式の転写方法に比べて、転写ローラ自身が紙搬送の機能も持ち合わせる為、転写部においてのズレやブレを生じさせる事が少なく、紙搬送路の短縮化や紙搬送構成の簡略化等で利点を有している。
ローラ転写方式において、良好な転写画像を得る為には、転写ローラを介して記録材に適度な転写電流を流す必要がある。そのため転写ローラは所定の電気抵抗値を有する必要がある。また、感光ドラム表面に対して転写ローラを所定の押圧力で当接させ、長手に渡り均一な密着性を確保する為に、適度な弾性を有し、圧縮永久歪みが小さく、更には感光ドラムを汚染しない事が要求される。このような特性を満たす為に、一般的には芯金の外側に導電性の発泡性ゴム層を有するゴムローラが広く用いられている。ゴム層を発泡させないソリッドタイプのゴムローラが使用される例もあるが、ゴム硬度が硬く、感光ドラムとの間に形成する転写ニップ幅が安定しないので、発泡性ゴムローラが用いられる事が多い。発泡性ゴムローラに導電性を付与する方法として、金属酸化物の粉末やカーボンブラック等、電子導電性の導電性充填剤をゴム組成物に配合する方法と、ウレタンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリン系ゴム等のイオン導電性ゴムを用いる方法がある。
しかしながら、電子導電性の場合、導電性充填材の配合量のわずかな変化やゴムの分散状態によって電気抵抗が大きくばらつき、安定した電気抵抗の制御が非常に困難である等の理由から、近年のプリンタ・複写機では、イオン導電性ゴムの方が好んで用いられる傾向にあり、特開2004-12530号公報等に提案され実用化されている。
上記発泡性ゴムにより形成される転写ローラは加硫工程にて架橋・発泡を行うので発泡後のゴムチューブは外径安定性が無い。したがって発泡後に研磨工程を必要とする。研磨により発生した材料廃棄物はリサイクルできない。そこで加工成型性の向上やリサイクル性を重視した例として、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムを動的架橋により分散させ、さらにイオン導電性の帯電防止剤等を分散することで得られる導電性ポリマーを用い、単軸押出機等により押出し成型したチューブに芯金を挿入することで得た導電性ローラを転写ローラとして用いる例が、特開2004-51829号公報に記載されている。
特開2004−12530号公報
特開2004−51829号公報
しかしながら、上述したような各種転写ローラには次のような問題点がある。
例えば、前述したイオン導電性、あるいは電子導電性の発泡性ゴムを使用した転写ローラは、発泡剤を含んだ未加硫のゴム組成物をチューブ状に押出した後、高圧蒸気による加硫缶加硫等で加硫・発泡させ、ゴムチューブを作成した後に芯金を挿入し、表面を研磨する事により所望の外径に成型する方法が一般的である。しかしながら、加硫缶加硫では発泡体のセルが不均一で、所望のセル径を表面に出す為には多量の研磨を行わなくてはならず、材料のロスが多い。また研磨によって発生した廃棄物は加硫ゴム組成物であるため、リサイクルが出来ない。
また一方で、発泡ゴムチューブを研磨により成型した場合、紙搬送性能において次のような問題がある。一つはローラ表面に研磨目が出るため、紙を搬送する際の搬送力にばらつきが生じやすい。すなわち、材料の配合のばらつきや、加硫時の温度や加圧条件のばらつき、製造装置の機械差によって、加硫後の発泡径や硬度が異なる。そして、研磨を行った際の研磨目がばらつくことにより、表面の摩擦力が変化する。表面の摩擦力が変われば転写ローラの紙の送り量が異なるので、感光ドラムとの分離角が変化して画像不良が生じたり、ドラム上の画像が伸びたり縮んだりする不具合が生じる。
また、近年においてはプリンタ等画像形成装置の製造にかかるコストを積極的に削減し、市場からのニーズにより装置を従来よりもコンパクトに設計する傾向が強い。その手段として、記録材の搬送に係る各ローラの外径を小さくしたり、給紙から転写に至る搬送路や転写〜定着に至る搬送路を短縮したりすることがある。また、搬送路の短縮によって、従来からある搬送系のコロやレジローラが省略されるような例も少なくない。しかしながら、ローラ外径の小径化や省略、搬送路の短縮によって、記録材の搬送状態が不安定になり、紙が斜行しやすくなったり、各ローラ間で紙の進行方向に形成される紙のループが長手方向で不均一になり、ドラム上のトナー画像が平行性を保って転写されなくなったりする。特に上述した発泡ゴムローラの場合、発泡のセル径が大きいと、記録材と転写ローラの接触は、セルの壁部分のみで行われているので、実際の接触面積はソリッドゴムの場合と比べて小さくなる。搬送中の記録材が左右にずれるような力を受けた時にそれを抑制する規制力はソリッドゴムより小さくなるので、斜行等の紙搬送性はソリッドローラに比べて悪化傾向にある。
一方で、前述した、熱可塑性エラストマーとゴムの分散により、押出し成型で得られる転写ローラは、成型に際して研磨を行わないので材料のロスが発生せず、またロスが発生したとしてもリサイクル性があるので、ゴム組成物を利用した転写ローラよりも環境に優しい。また、研磨を行わないので、表面がソリッドタイプのゴムローラのように均一であるので、紙搬送性には優れた性能を期待できるが、現状の材料配合で得られるものは、製品硬度が硬く、転写ローラとして用いても、感光ドラムに対する接触が不安定であり、画像面では発泡性ゴムローラには及ばない。
以上を鑑み、本発明に係る目的は、製造において研磨工程を必要とせず、材料のロス削減やリサイクル性に優れ、また安定した紙搬送性を有し、且つ感光ドラムに対しても均一な接触を確保して良好な転写性を得る転写ローラおよびその転写ローラを用いた画像形成装置を提供する事である。
上記目的を達成する為に、本発明による画像形成装置は、
像担持体(感光ドラム)と転写ローラとの間に圧接して成る転写ニップに記録材を挟持搬送し、その像担持体上に形成されたトナー像を、記録材表面に転写して画像を形成する画像形成装置において、上記転写ローラは、芯金の外側に弾性層を有し、その弾性層は、熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムが動的架橋されて分散され、且つイオン導電性導電材を含んだ材料により、押出し成型により形成され、さらに芯金の長手方向に平行で且つ芯金の周方向に複数の貫通孔を設けたことを特徴とする。
像担持体(感光ドラム)と転写ローラとの間に圧接して成る転写ニップに記録材を挟持搬送し、その像担持体上に形成されたトナー像を、記録材表面に転写して画像を形成する画像形成装置において、上記転写ローラは、芯金の外側に弾性層を有し、その弾性層は、熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムが動的架橋されて分散され、且つイオン導電性導電材を含んだ材料により、押出し成型により形成され、さらに芯金の長手方向に平行で且つ芯金の周方向に複数の貫通孔を設けたことを特徴とする。
あるいは、貫通孔の代わりに、弾性層表面には、芯金と平行な方向と、周方向に平行な方向との両方向あるいはどちらか一方向に、切れ込みが設けられている事を特徴とする。
上記に説明した構成により、加工性やリサイクル性に優れた、熱可塑性エラストマーにゴムを分散させた材料をベースに成型した転写ローラにおいても、弾性層に貫通孔を設けたり、あるいは表面に切り込みを入れたりすることにより、感光ドラムとの密着性を向上させることができ、従来の架橋発泡ゴム製の転写ローラと同等の転写性を得る事ができる。また、押出し成型により研磨を行わないので、ソリッドゴムに近い表面性を得る事ができることから、記録材とのグリップ力を向上させることができ、従来の加硫発泡ゴム製の転写ローラと比較して、高い紙搬送性能を得る事が可能となる。
(実施例1)
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。次に、レーザースキャナ3より、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。転写ローラに関する詳細は後述する。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するように8のセンサにて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は加熱定着装置6内に設けられた排紙センサであり、紙がトップセンサ8と排紙センサの間で紙詰まりなどを起こした際に、それを検知する為のセンサである。
(2)転写ローラ5
本実施例の画像形成装置に具備される転写ローラ5についての詳細を以下に説明する。
本実施例の画像形成装置に具備される転写ローラ5についての詳細を以下に説明する。
弾性層として使われる材料は、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーなどの成分(A)中に、架橋可能なゴム等の成分(B)を動的架橋により分散させ、ここにイオン導電性導電剤(C)を混入したものである。
より詳しくは成分(A)として、耐候性に優れた水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが好適であり、その中でも成型時の破断強度が強く、適度な伸縮特性を持つスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)などが良い。その他にも、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)などを用いても良い。あるいは、スチレン系以外でも、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等、種々の熱可塑性エラストマーを用いる事ができる。
また、成分(B)としてはEPDMを主成分とするゴム成分等が好適であり、EPDM以外のゴム成分とをブレンドしてもよい。EPDM以外のゴム成分としては、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)等のジエン系ゴム等が用いられ、1種または2種以上をブレンドしてもよい。
成分(C)のイオン導電性導電剤は、金属塩を含むイオン導電性の帯電防止剤を使用するのが好適である。環境特性や通電特性など、要求される転写ローラ抵抗値の特性に応じて材料や配合量の調整、また配合に関連する添加剤の調整や配合処理を適宜行った後に混練される。また、各種の熱可塑性エラストマーに動的架橋可能なゴム成分を予め分散させたような市販のコンパウンドに対して、イオン導電剤を混練する方法や、また導電性を有するエラストマーコンパウンドに、各種導電剤をカスタムして混練しても良い。
上記に説明した材料は次に述べるような手順によって、転写ローラとして成型される。
2軸押出機に、上記成分(A)の熱可塑性エラストマーと成分(B)の動的架橋の可能なゴムを混練する。また、オイルや可塑剤等の軟化剤、および混練時の加熱によりゴムの架橋を促進させる為に、フェノール樹脂等の樹脂架橋剤を添加し、所定の時間混練し動的架橋を行ったのち冷却してペレットとして取り出す。次いでこれらのペレットを単軸押出成型機に各種のイオン導電剤とともに投入し、十分にイオン導電剤を分散させ、ダイ(口金)を通して押出す。ここでは、単軸押出成型時に導電剤を混入したが、事前に別工程で混練してあってもよい。本実施例では、円筒形チューブを押出すダイにおいて芯部から離間させた位置に、複数のピンを均等な間隔で配設することにより、押出し方向に貫通孔を有するチューブが形成できる。チューブを所定の長さにカットし、芯金を挿入する事で、図2(a)、(b)に示す弾性ローラが得られる。本実施例ではこのようにして形成された弾性ローラを転写ローラとして用いる。弾性層に形成する貫通孔は、(b)以外にも、(c)のように成型可能な範囲で貫通孔の大きさを小さくしたり、(d)に示すように大きさの違う貫通孔を複数設けたり、(e)や(f)のように円筒形以外の孔であってもよく、ダイの形状を変えることで様々な断面に対応する事が可能である。
(3)従来例との比較
1)転写性能の比較
以下に、本実施例の転写ローラを用いた効果について、従来例との比較を説明する。本実施例の転写ローラの作成に用いた材料は、熱可塑性エラストマーとして、スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)を、架橋可能なゴムとしてEPDMを、イオン導電性導電剤として、市販のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製のIRGASTAT(登録商標)-P22とその他の添加剤を用いた。使用する材料はこれらに限定されるものではない。従来例として、実施例と同じ材料の熱可塑性エラストマーを用い、長手方向に貫通孔を有さない転写ローラを用いた。これらの転写ローラについて、ローラ硬度、感光ドラムとの接触ニップ幅、およびハーフトーン画像の転写性を比較した。具体的には硬度に関して、アスカーC硬度計を用いて、1.0kgfの荷重をかけたときの硬度を比較。また、感光ドラムとの接触ニップ幅は、φ20の感光ドラムに対して、片側500gfの荷重を(総圧1.0kgf)を加圧した時に、転写ローラと接触している幅を測定した。また、ハーフトーン画像の転写性は、紙とトナーおよびドラム間の放電による異常画像が検出しやすい低温低湿環境において、各転写ローラを用いてプリントを行った際の画像ムラや放電によるスジなどについて比較した。結果を以下の表1に示す。
1)転写性能の比較
以下に、本実施例の転写ローラを用いた効果について、従来例との比較を説明する。本実施例の転写ローラの作成に用いた材料は、熱可塑性エラストマーとして、スチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)を、架橋可能なゴムとしてEPDMを、イオン導電性導電剤として、市販のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製のIRGASTAT(登録商標)-P22とその他の添加剤を用いた。使用する材料はこれらに限定されるものではない。従来例として、実施例と同じ材料の熱可塑性エラストマーを用い、長手方向に貫通孔を有さない転写ローラを用いた。これらの転写ローラについて、ローラ硬度、感光ドラムとの接触ニップ幅、およびハーフトーン画像の転写性を比較した。具体的には硬度に関して、アスカーC硬度計を用いて、1.0kgfの荷重をかけたときの硬度を比較。また、感光ドラムとの接触ニップ幅は、φ20の感光ドラムに対して、片側500gfの荷重を(総圧1.0kgf)を加圧した時に、転写ローラと接触している幅を測定した。また、ハーフトーン画像の転写性は、紙とトナーおよびドラム間の放電による異常画像が検出しやすい低温低湿環境において、各転写ローラを用いてプリントを行った際の画像ムラや放電によるスジなどについて比較した。結果を以下の表1に示す。
2)紙搬送性能の比較
次に、本実施例の転写ローラと同等の転写性能を示す、従来の転写ローラの一例として、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とエピクロルヒドリンゴムの2元系混合ゴムを加硫により発泡させ、得られた発泡ゴムチューブを研磨する事により、本実施例と同じ外径に揃えた転写ローラを比較対象にして、紙搬送性能について比較を行った。紙搬送性能は、図3に示すように、1cm×1cmの正方形が連続した格子パターンをLTRサイズの紙にプリントアウトし、(1)紙の斜行量の比較として、紙左端からの余白部の距離を、紙先端位置Aと後端位置Bにおいて測定し、それぞれの距離をa、bとした時の差(a-b)を求めて比較した。また、(2)転写位置における紙送り量の長手左右差(以下、平行性と呼ぶ)について、図3に示す長さL1とL2を測定し、その差(L1-L2)を比較した。斜行量、平行性ともに差の絶対値が大きいほど紙搬送性が悪いことを示す。なお、プリント枚数はそれぞれのローラについて連続100枚のプリントを行い、得られた100枚のサンプルの(1)斜光量と(2)平行性を測定し、100枚中の最大値として以下の表2に示した。
次に、本実施例の転写ローラと同等の転写性能を示す、従来の転写ローラの一例として、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とエピクロルヒドリンゴムの2元系混合ゴムを加硫により発泡させ、得られた発泡ゴムチューブを研磨する事により、本実施例と同じ外径に揃えた転写ローラを比較対象にして、紙搬送性能について比較を行った。紙搬送性能は、図3に示すように、1cm×1cmの正方形が連続した格子パターンをLTRサイズの紙にプリントアウトし、(1)紙の斜行量の比較として、紙左端からの余白部の距離を、紙先端位置Aと後端位置Bにおいて測定し、それぞれの距離をa、bとした時の差(a-b)を求めて比較した。また、(2)転写位置における紙送り量の長手左右差(以下、平行性と呼ぶ)について、図3に示す長さL1とL2を測定し、その差(L1-L2)を比較した。斜行量、平行性ともに差の絶対値が大きいほど紙搬送性が悪いことを示す。なお、プリント枚数はそれぞれのローラについて連続100枚のプリントを行い、得られた100枚のサンプルの(1)斜光量と(2)平行性を測定し、100枚中の最大値として以下の表2に示した。
以上に説明したように、本実施例に説明する転写ローラは、転写性、紙搬送性について両立して高い性能を示し、また、押出し成型による加工性の良さから研磨工程を必要とせず、材料のロスを最小限に抑制し、またロスが発生したとしても、熱可塑性エラストマーの特性を利用し、リサイクルすることが出来るので、環境性にも大変優れていると言える。
(実施例2)
図4(a)、(b)に実施例2を代表する転写ローラの構成を示す。本実施例の転写ローラに用いる材料は実施例1と同様であるため説明を省略する。実施例1では、転写ローラの弾性層部分に長手に渡って複数の貫通孔を有する構成により、感光ドラムとの接触性を高めたが、本実施例の特徴は、図4(a)に示すように弾性層の表面に、切れ込みが入っている事を特徴としている。目的としては、実施例1と同様に感光ドラムとの接触性を高める事である。実施例1のように、長手方向に貫通孔を有する転写ローラの場合、押出成型機のダイの形状が複雑になる為、目詰まりを起こしたり、材料の流れが悪くなったりして、均一に独立した貫通孔を安定して得るには、ダイの清掃やメンテナンスを頻繁に行うなどの手間が必要である。一方で、本発明において使用する転写ローラの材料は、熱可塑性エラストマー自身の材料の強度により、硬度が硬くなる反面、磨耗や変形に対しては強度が強い。この利点を利用して、転写ローラ表面に、切れ込み(スリット)を設けることにより、感光ドラムに対して加圧した時に、加圧によって弾性変形する部分の力を逃がす事によって、全体の接触幅を広げる事を可能とした。切れ込み部分が変形を受ける事により、微小なギャップが生じるが、この程度のギャップであれば、転写性を乱すことなく、良好な画像を得る事が出来る。
図4(a)、(b)に実施例2を代表する転写ローラの構成を示す。本実施例の転写ローラに用いる材料は実施例1と同様であるため説明を省略する。実施例1では、転写ローラの弾性層部分に長手に渡って複数の貫通孔を有する構成により、感光ドラムとの接触性を高めたが、本実施例の特徴は、図4(a)に示すように弾性層の表面に、切れ込みが入っている事を特徴としている。目的としては、実施例1と同様に感光ドラムとの接触性を高める事である。実施例1のように、長手方向に貫通孔を有する転写ローラの場合、押出成型機のダイの形状が複雑になる為、目詰まりを起こしたり、材料の流れが悪くなったりして、均一に独立した貫通孔を安定して得るには、ダイの清掃やメンテナンスを頻繁に行うなどの手間が必要である。一方で、本発明において使用する転写ローラの材料は、熱可塑性エラストマー自身の材料の強度により、硬度が硬くなる反面、磨耗や変形に対しては強度が強い。この利点を利用して、転写ローラ表面に、切れ込み(スリット)を設けることにより、感光ドラムに対して加圧した時に、加圧によって弾性変形する部分の力を逃がす事によって、全体の接触幅を広げる事を可能とした。切れ込み部分が変形を受ける事により、微小なギャップが生じるが、この程度のギャップであれば、転写性を乱すことなく、良好な画像を得る事が出来る。
実際の製造方法としては、実施例1と同様の単軸押出成型機を用いて、通常の円筒状チューブを押出す際に用いるようなダイを用い、押出し成型後に材料が冷却固化した状態で、チューブ外表面をカッター等で切れ込むようにして加工する。チューブを連続的に引き込み、円周方向に対して一度に切れ込みが入るようにする事も可能である。また、切れ込みは、連続的に長手方向に繋がる必要もなく、不連続に繋がっていても良い。さらに、長手方向だけではなく、図4(c)(d)にあるように円周方向への切れ込みを追加するか、円周方向のみの切れ込みを設ける事も可能である。また、切れ込みの深さに関しては、弾性層の厚みに対して、深く切れ込みすぎると強度が落ちて耐久性を満足できないので、厚みに対して1/4〜1/3程度の深さが望ましい。切れ込みの間隔については、広すぎると感光ドラムとの良好な密着性を期待できず、また細かすぎると強度面において不足する事から、1.0mm以上3.0mm以下が適当である。これらの切れ込みの深さや間隔は、使用する材料の強度や製品硬度、製品外径等にも因るので上記範囲に限定されるものではない。
本実施例においては、外径がφ13、肉厚が4.0mmの転写ローラに対して、間隔が1.5mm、深さが1.0mmの切れ込みを長手方向に設けた所、実施例1とほぼ同等の転写性および紙搬送性を達成する事が出来た。
以上に説明したように、熱可塑性エラストマーとゴムをブレンドした転写ローラにおいて、表面に切れ込みを入れることでも、感光ドラムとの密着性を良好にし、紙搬送性能を維持したまま、転写性を良好にすることが可能となる。
(本発明の他の発展形態)
本発明で用いる熱可塑性エラストマー中に、例えば、熱可塑性樹脂等の共重合物を殻壁に用いた熱膨張性のマイクロバルーンやマイクロカプセルを混錬し、押出し加工中の熱を利用して微細発泡させても良い。発泡ゴム性の転写ローラのようにセル径が100μm以上に大きくなると、外径形状が不安定になるので、外径の研磨が必要になったり、それによる紙搬送性が悪化したりするが、微発泡性のマイクロバルーン等を用いて、50μm以下の微小なセル径を設ける場合においては、このような問題は少ない。また、微発泡させる事により、さらに製品硬度を下げる効果も働き、感光ドラムとの密着性を向上させることができる。
本発明で用いる熱可塑性エラストマー中に、例えば、熱可塑性樹脂等の共重合物を殻壁に用いた熱膨張性のマイクロバルーンやマイクロカプセルを混錬し、押出し加工中の熱を利用して微細発泡させても良い。発泡ゴム性の転写ローラのようにセル径が100μm以上に大きくなると、外径形状が不安定になるので、外径の研磨が必要になったり、それによる紙搬送性が悪化したりするが、微発泡性のマイクロバルーン等を用いて、50μm以下の微小なセル径を設ける場合においては、このような問題は少ない。また、微発泡させる事により、さらに製品硬度を下げる効果も働き、感光ドラムとの密着性を向上させることができる。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 スキャナー
4 現像装置
5 転写ローラ
6 加熱定着装置
7 クリーニング装置
8 トップセンサ
9 排紙センサ
P 記録材
L レーザー光
2 帯電ローラ
3 スキャナー
4 現像装置
5 転写ローラ
6 加熱定着装置
7 クリーニング装置
8 トップセンサ
9 排紙センサ
P 記録材
L レーザー光
Claims (4)
- 像担持体と転写ローラとの間に圧接して成る転写ニップに記録材を挟持搬送し、前記像担持体上に形成されたトナー像を、前記記録材表面に転写して画像を形成する画像形成装置において、
前記転写ローラは、芯金の外側に弾性層を有し、
前記弾性層は、熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムが動的架橋されて分散され、且つイオン導電性導電材を含んだ材料より形成され、前記芯金の長手方向に平行で且つ芯金の周方向に複数の貫通孔を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記転写ローラは、押出し成型により押出されたチューブに芯金を挿入する事で形成した事を特徴とする、前記請求項1に記載の画像形成装置。
- 像担持体と転写ローラとの間に圧接して成る転写ニップに記録材を挟持搬送し、前記像担持体上に形成されたトナー像を、前記記録材表面に転写して画像を形成する画像形成装置において、
前記転写ローラは、芯金の外側に弾性層を有し、
前記弾性層は、熱可塑性エラストマー中に架橋可能なゴムが動的架橋されて分散され、且つイオン導電性導電材を含んだ材料より形成され、表面には複数の切れ込みが設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記弾性層表面の切れ込みは、前記芯金の長手方向に平行な切れ込みと、周方向に平行な切れ込みの両方向、或いはいずれか一方向の切れ込みであることを特徴とする前記請求項3に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2007142040A JP2008298855A (ja) | 2007-05-29 | 2007-05-29 | 画像形成装置 |
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2007
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