JP2008298005A - タービンの可変容量機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易な構造で排気ガスの流速および流れの方向を変えることができるタービンの可変容量機構を提供することである。
【解決手段】スライドバルブ100においては、可変容量タービンの仮想回転軸Cを中心とした円筒形状からなる第1環状部材210、第2環状部材220、第3環状部材230からなる。第1環状部材210、第2環状部材220および第3環状部材230に形成された多数の孔210a,220a,230aに対して、流入した気体の流れの方向および流速を調整することができる。
【選択図】図4
【解決手段】スライドバルブ100においては、可変容量タービンの仮想回転軸Cを中心とした円筒形状からなる第1環状部材210、第2環状部材220、第3環状部材230からなる。第1環状部材210、第2環状部材220および第3環状部材230に形成された多数の孔210a,220a,230aに対して、流入した気体の流れの方向および流速を調整することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、タービンの高効率化を図ることができるタービンの可変容量機構に関する。
近年、排ガス流量を内燃機関の運転状態に応じて調整する可変容量タービンについて種々の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、可変容量タービンの可変ノズル機構について開示されている。特許文献1記載の可変ノズル機構においては、アクチュエータ側のノズル駆動部材と複数のノズルベーンとを夫々連結する複数の連結部材を備え、該連結部材に形成された穴側係止面を有する結合穴に、ノズルベーンの回転軸に形成され軸側係止面を有する結合軸部を、該結合穴及び結合軸部に塑性変形を伴うことなくかつ穴側係止面と軸側係止面とを当接させることにより、前記連結部材と前記ノズルベーンとを相対回転不能に嵌合せしめ、先端部に抜け止め処理を施したことを特徴としている。
また特許文献1記載の可変ノズル機構においては、エンジンの低回転時には、ノズルベーン2を閉じ方向に動かし、スクロール11からタービンロータ12へと通じる通路の断面積を絞ることで、タービンロータ12に流れ込む排気ガスの流速を上げるとともに、タービンロータ12の外周の沿う方向に排気ガスが流れるようにし、エンジンの低回転時の少ない排気ガスでも効率よくタービンロータ12を回転させることができ、また、エンジンの高回転時には、ノズルベーン2を開くことで排気ガスに対する抵抗を少なくすることができる。
また、特許文献2には、内燃機関における排気ターボ過給機の圧縮機の吸気口から流入するガス流の方向変換装置について開示されている。
特許文献2記載のガス流の方向変換装置においては、ガス流が仕切り弁によって吸気管を通るかまたはこれに並列する、リング状空間を持ったガイド装置に繋がるバイパス管を通って圧縮機に導かれ、この圧縮機の吸気側の吸気管は、吸気領域でリング状空間で囲まれ、吸気管とこのリング状空間の共通の側面には、ノズル状の排出口が設定され、この排出口の下流領域は、流入方向に沿って圧縮機回転翼の回転方向に傾斜している、内燃機関における排気ターボ過給機の圧縮機の吸気口を通って流入するガス流の方向変換装置であって、リング状空間内に段差がなく、回転可能に設置されたノズル状の裂け目をもつスリーブによって、排気口の流通可能な断面積が変えられることを特徴とするものである。
また、特許文献3には、ターボチャージャのタービンスクロールのノズル部の出口部をスライドバルブにより絞って排ガスの膨張仕事を効率よく実施させるタービンのノズル開閉装置について開示されている。
特許文献3記載のタービンのノズル部開閉装置においては、タービンスクロールのノズル部とタービンとの間に開口部を有し、タービンの外周と狭いクリアランスを備えたスライドバルブを挿入して、エンジンからの排気流量に応じアクチュエータの操作によって摺動させ、ノズル部からの流路をスライドバルブの開口部によって開閉させるものである。
特開2001−329851号公報
特開昭62−85124号公報
特開平4−362223号公報
しかしながら、特許文献1記載の可変ベーンにおいては、部品点数が多く、製造上のコストが多く費やされるという問題がある。
また、特許文献2記載のガス流の方向変換装置においては、圧縮機の吸気側の吸気管に設けられた装置であるので、タービンロータに流入する排気ガスの流速や流れる方向を変更できるものではない。
また、特許文献3記載のタービンのノズル部開閉装置においては、膨張効果を高めるためスライドバルブに開口部を設けたものであり、排気ガスの流速および流れの方向を変えることができるものではない。
本発明の目的は、容易な構造で排気ガスの流速および流れの方向を変えることができるタービンの可変容量機構を提供することである。
(1)
本発明に係るタービンの可変容量機構は、気体が流れる気体通路が形成されたタービンハウジングと、気体通路内に回転可能に配置され、径方向外側から流れ込む気体により回転駆動されるタービンロータと、外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、タービンロータの外周を外包するように配置された円筒形状からなる第1環状部材と、第1環状部材に形成された孔に対応する位置に外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、第1環状部材の外円周を外包するように配置された円筒形状からなる第2環状部材と、第2環状部材に形成された孔に対応する位置に外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、第2環状部材の外円周を外包するように配置される円筒形状からなる第3環状部材と、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転するように、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のうちの少なくとも2つを回転駆動させる駆動部とを含み、タービンハウジングの気体通路に流入した気体は、第3環状部材の孔、第2環状部材の孔、第1環状部材の孔を順に流れてタービンロータに供給されるとともに、駆動部により第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転させることで、タービンロータに供給される気体の流れの方向および流速を調整するものである。
本発明に係るタービンの可変容量機構は、気体が流れる気体通路が形成されたタービンハウジングと、気体通路内に回転可能に配置され、径方向外側から流れ込む気体により回転駆動されるタービンロータと、外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、タービンロータの外周を外包するように配置された円筒形状からなる第1環状部材と、第1環状部材に形成された孔に対応する位置に外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、第1環状部材の外円周を外包するように配置された円筒形状からなる第2環状部材と、第2環状部材に形成された孔に対応する位置に外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、第2環状部材の外円周を外包するように配置される円筒形状からなる第3環状部材と、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転するように、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のうちの少なくとも2つを回転駆動させる駆動部とを含み、タービンハウジングの気体通路に流入した気体は、第3環状部材の孔、第2環状部材の孔、第1環状部材の孔を順に流れてタービンロータに供給されるとともに、駆動部により第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転させることで、タービンロータに供給される気体の流れの方向および流速を調整するものである。
本発明に係るタービンの可変容量機構においては、タービンの回転軸を中心とした円筒形状からなる第1環状部材、第2環状部材、第3環状部材からなる。第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材に形成された多数の孔に対して、流入した気体の流れの方向および流速を調整することができる。
この場合、従来のノズルベーンおよびレバープレートからなる可変ベーンに対して、部品点数を大幅に削減することができるとともに、簡易な構造で気体の流れの方向および流速を調整することができる。
(2)
第1環状部材に形成された多数の孔、第2環状部材に形成された多数の孔、および第3環状部材に形成された多数の孔は、第1環状部材乃至第3環状部材の中心軸の伸びる方向に対する垂直断面上において、中心軸に向かうにつれて狭くなるテーパ面を有していてもよい。
第1環状部材に形成された多数の孔、第2環状部材に形成された多数の孔、および第3環状部材に形成された多数の孔は、第1環状部材乃至第3環状部材の中心軸の伸びる方向に対する垂直断面上において、中心軸に向かうにつれて狭くなるテーパ面を有していてもよい。
この場合、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材に形成された孔がそれぞれ中心軸に向かうにつれて狭くなるテーパ面を有しているので、気体の流れの方向および流速を調整することができ、さらに部品点数を低減させることができる上に、製造コストも低減させることができる。
(3)
第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のうち、第2環状部材を固定させて設け、第1環状部材および第3環状部材を駆動部により回転駆動させることが好ましい。
第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のうち、第2環状部材を固定させて設け、第1環状部材および第3環状部材を駆動部により回転駆動させることが好ましい。
この場合、少なくとも一つを固定させることにより、3個の部材を個々に回転させる場合と比較して、全体の回転量を低減させることができる。
(4)
中心軸を軸として第1環状部材および第3環状部材を同期させて回転させるリンク機構をさらに備え、リンク機構は、中心軸を軸として第1環状部材を一方向に回転させ、回転軸を軸として第3環状部材を他方向に回転させてもよい。
中心軸を軸として第1環状部材および第3環状部材を同期させて回転させるリンク機構をさらに備え、リンク機構は、中心軸を軸として第1環状部材を一方向に回転させ、回転軸を軸として第3環状部材を他方向に回転させてもよい。
この場合、第2環状部材を固定し、第1環状部材を一方向に回転させ、第3環状部材を一方向と逆の他方向に回転させることができるので、相対的に最小回転量で一様の流れの気体の向きを変化させることができる。
(5)
第1環状部材の多数の孔、第2環状部材の多数の孔および第3環状部材の多数の孔の中心を結んだ直線が、中心軸に対する垂直断面上において、中心軸を通る第1の状態と、第1環状部材の多数の孔、第2環状部材の多数の孔および第3環状部材の多数の孔の中心を結んだ直線が、中心軸に対する垂直断面上において、中心軸から距離がある第2の状態と、の間を変化させるように第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転するように、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のうち少なくとも2つを回転駆動させることが好ましい。
第1環状部材の多数の孔、第2環状部材の多数の孔および第3環状部材の多数の孔の中心を結んだ直線が、中心軸に対する垂直断面上において、中心軸を通る第1の状態と、第1環状部材の多数の孔、第2環状部材の多数の孔および第3環状部材の多数の孔の中心を結んだ直線が、中心軸に対する垂直断面上において、中心軸から距離がある第2の状態と、の間を変化させるように第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転するように、第1環状部材、第2環状部材および第3環状部材のうち少なくとも2つを回転駆動させることが好ましい。
この場合、リンク機構により第1の状態と第2の状態との間を変化させることができる。その結果、気体の流れの方向および流速を調整することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
(一実施の形態)
(一実施の形態)
図1は、本発明に係る一実施の形態に係る可変容量タービンの一例を説明するための模式的断面図であり、図2は可変容量タービンのスライドバルブの構造を示す模式的斜視図である。
図1および図2に示すように、可変容量タービン500は、スライドバルブ100、リンク機構300、アクチュエータ450、タービンハウジング600、タービンロータ(インペラ)700およびノズルリング800を含む。
可変容量タービン500には、タービンハウジング600内にタービンロータ(インペラ)700が設けられており、タービンハウジング600内の渦室620からスライドバルブ100を介してタービンロータ700に気体の流れが供給される。
スライドバルブ100は、タービンハウジング600内のノズルリング800により保持され、ノズルリング800は、ボルト孔440にボルト410を挿入し、ボルト挿直部(筒状リブ)460を介してタービンハウジング600に固定することによりスライドバルブ100を保持可能な構造となっている。すなわち、図1に示すように、ノズルリング800には、凸形状部820が形成されており、後述するスライドバルブ100の第2環状部材220を保持することができる。
また、後述するスライドバルブ100の第1環状部材210および第3環状部材230には、孔420,430を介して軸310,330によりリンク機構300が設けられている。このリンク機構300は、アクチュエータ450により駆動可能に設けられている。
また、図2に示すように、スライドバルブ100は、第1環状部材210、第2環状部材220、第3環状部材230を有する。第1環状部材210の外側に所定の間隙を設けて、第2環状部材220が配設され、第2環状部材220の外側に所定の間隙を設けて第3環状部材230が配設される。
第1環状部材210、第2環状部材220、第3環状部材230は全て、その内径と外径との差(すなわち、径方向における厚み)が同じになるように形成されている。
また、第1環状部材210には、均等に配設された8箇所の孔210aが第1環状部材210の外周面から内周面にかけて貫通するように形成されており、第2環状部材220には、均等に配設された8箇所の孔220aが第2環状部材220の外周面から内周面にかけて貫通するように形成されており、第3環状部材230には、均等に配設された8箇所の孔230aが第3環状部材230の外周面から内周面にかけて貫通するように形成されている。これらの第1環状部材210、第2環状部材220、第3環状部材230の詳細については、後述する。
次いで、図3は、ノズルリング800の一例を示す模式的平面図である。
図3に示すように、ノズルリング800は、ボルト孔440、軸330が通る孔420、軸310が通る孔430、第1環状部材210を保持する凹部210z、第2環状部材220を保持する凸形状部820、第3環状部材230を保持する凹部230zを含む。
図1に示すように、凸形状部820は、凹部210zおよび凹部230zと比較して突出して形成されている。なお、本実施の形態においては、凸形状部820が円周状に平滑に形成される場合について説明したが、これに限定されず、第2環状部材220を保持可能な形状であれば、他の任意の形状、例えば、凸部を複数形成させることとしてもよい。また、孔420,430は、軸310,軸330が斜方向に移動するため、楕円状に形成されている。
次に、図4および図5は、本発明に係る可変容量タービン500のスライドバルブ100の動作を説明するための簡略図であり、説明の都合上、第1環状部材210、第2環状部材220、第3環状部材230、及びリンク機構300のみを記載するとともに、第1乃至第3環状部材に形成された孔(詳しくは後述する)を実線で記載している。
図4に示すように、孔210a,220a,230aは、すべて仮想回転軸Cに向かうにつれて狭くなるテーパ面を有しており、またそのテーパ面は、第1環状部材210の仮想回転軸Cの伸びる方向に対する垂直断面上において同一直線状に並ぶような形状に形成されている。そのため、孔210aよりも孔220aの方が大きく、孔220aよりも孔230aの方が大きくなっている。
また、図2および図4に示すように、本実施の形態においては、加工上の問題から円形の孔からなることとするが、これに限定されず、他の任意の孔形状、例えば四角形状、六角形状等であってもよい。なお、本実施の形態においては、均等に8箇所の孔を設けることとしたが、これに限定されず、10個、20個、等他の任意の個数の孔を設けることとしてもよく、均等ではなく、偏心して設けてもよい。
次に、図5は、図4の可変容量タービン500のスライドバルブ100の構造においてリンク機構300が矢印Xの方向に移動した場合を説明するための模式図である。
図5に示すように、リンク機構300が矢印Xの方向に移動した場合(図1のアクチュエータ450により駆動された場合)、リンク機構300の端部に設けられた円筒360,361が矢印Xの方向に沿って移動する。この場合、第1環状部材210が矢印Rの方向に移動し、第3環状部材230が矢印Rの方向と逆方向(矢印−Rの方向)に移動する。すなわち、軸310が円筒360内で摺動回転し、軸330が円筒361内で摺動回転する。それにより、第1環状部材210および第3環状部材230が仮想中心軸Cを中心に摺動回転する。なお、第2環状部材220は回動せず、固定状態となって設けられている。
その結果、第2環状部材220を固定させることにより、第1環状部材210を固定して,第2環状部材220と第3環状部材230とを回転させる場合と比較して、全体の回転量を低減させることができる。
第1環状部材210が矢印Rの方向に回転移動し、第3環状部材230が矢印−Rの方向に回転移動する。それにより、図4に示したように孔210a,220a,230aが、第1環状部材210,第2環状部材220および第3環状部材230の仮想中心軸Cから放射直線状に配置された第1の状態(すなわち、孔210a,220a,230aのぞれぞれの中心を結んだ直線が、仮想回転軸Cを通る状態)から、孔210a,220a,230aが、第1環状部材210の内周円の接線方向に近づくように並んで配置された第2の状態(すなわち、孔210a,220a、230aのそれぞれの中心を結んだ直線と仮想回転軸Cとの間に距離がある状態)へと移行される。
その結果、図6における気体の流れFLOW1が図7における気体の流れFLOW2に変化する。続いて、この気体の流れFLOW1,FLOW2について詳細に説明する。
図6は、図4に示す一の孔210a,一の孔220a,一の孔230aの一部を拡大した状態を示す模式図であり、図7は、図5に示す一の孔210a,一の孔220a,一の孔230aの一部を拡大した状態を示す模式図である。
図6に示すように、孔210a,孔220a,孔230aが第1環状部材210の仮想中心軸Cから放射状に延在する直線に沿って配置されている場合、一様の気体の流れFLOW1も第1環状部材210の仮想中心軸Cに向けて流れる。
一方、図7に示すように、リンク機構300が矢印Xの方向に移動した場合、
孔220aは孔210aに対して幅W210移動し、孔230aは孔220aに対して、孔220aが孔210aに対して移動した方向と同じ方向に、幅W220移動して配置される。すなわち、図7に示すように、第3環状部材230の孔230aの壁面(長さL230)に沿って流入した一様の流れが、幅W220の部分に衝突し、第2環状部材220の孔220a側に気体の流れが発生する。また、第2環状部材220の孔220aの壁面(長さL220)に沿って流入した一様の流れが、幅W210の部分に衝突し、第1環状部材210の孔210aの壁面(長さL210)に沿って流入した気体の流れが発生する。すなわち、テーパ形状の角度に沿って、一様流れが最適に調整される。
孔220aは孔210aに対して幅W210移動し、孔230aは孔220aに対して、孔220aが孔210aに対して移動した方向と同じ方向に、幅W220移動して配置される。すなわち、図7に示すように、第3環状部材230の孔230aの壁面(長さL230)に沿って流入した一様の流れが、幅W220の部分に衝突し、第2環状部材220の孔220a側に気体の流れが発生する。また、第2環状部材220の孔220aの壁面(長さL220)に沿って流入した一様の流れが、幅W210の部分に衝突し、第1環状部材210の孔210aの壁面(長さL210)に沿って流入した気体の流れが発生する。すなわち、テーパ形状の角度に沿って、一様流れが最適に調整される。
このように、リンク機構300が矢印Xの方向に移動した直後においては、階段状の流れが発生する。しかし、所定の時間経過後においては、図7に示すように、気体の流れFLOW2は、孔230a,220a,210aの壁面に沿う流れが主流とならず、孔230a,220a,210aを直線で結んだ方向が最も抵抗が少なくなるため、当該直線の方向に一様の流れが発生する。
以上のように、本実施の形態に係るスライドバルブ100においては、簡易な構造で気体の流れを形成し、部品点数を大幅に削減でき、かつ製造コストも低減させることができる。
また、第1環状部材210、第2環状部材220および第3環状部材230の合計の厚み(長さL210,L220,L230)が、少なくとも一様の流れの気体FLOW1,FLOW2を形成させることが可能な厚み以上で形成されるので、安定した気体の流れの気体FLOW1,FLOW2を形成することができ、かつ、リンク機構300を設けることにより、相対的に最小回転量で一様の流れの気体の向きを変化させることができる。
また、第1環状部材210および第2環状部材220と、第2環状部材220および第3環状部材230とが、摺動回転可能に設けられているので、マッピングされた情報に基づいてリンク機構300を移動させることで、一様の流れFLOW1を一様の流れFLOW2の方向に変化させることができ、具体的には、仮想中心軸C方向への気体の流れFLOW1を形成することができ、また第1環状部材210の内周円の接線方向への気体の流れFLOW2を形成することができる。その結果、可変容量タービンの高作動域化および高効率化を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、孔210a,220a,230aは、円形の断面孔形状を有することとしたが、これに限定されず、加工上可能であれば、他の断面形状、例えば、矩形状等の孔形状を用いることとしてもよい。なお、孔形状に限定されず、他のスリット形状等を用いてもよい。
本実施の形態においては、スライドバルブ100がタービンの可変容量機構に相当し、仮想中心軸Cが中心軸に相当し、第1環状部材210が第1環状部材に相当し、第2環状部材220が第2環状部材に相当し、第3環状部材230が第3環状部材に相当し、孔210a,220a,230aが多数の孔に相当し、孔230aが第3環状部材の孔に相当し、孔220aが第2環状部材の孔に相当し、孔210aが第1環状部材の孔に相当し、リンク機構300および円柱状の軸310,330がリンク機構に相当し、矢印Rの方向が一方向に相当し、矢印−Rの方向が他方向に相当し、図4および図6に示すスライドバルブ100が第1の状態に相当し、図5および図7に示すスライドバルブ100が第2の状態に相当する。
なお、リンク機構に関して円筒360の内周面の径を軸310の外径よりも適当な範囲で大きくする(すなわち、軸310が円筒360の内周部に対して回転するのみではなく、縦あるいは横方向にも移動できるようにする)ことで、リンク部を省略してもよい。
本発明は、上記の好ましい一実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
100 スライドバルブ
210 第1環状部材
220 第2環状部材
230 第3環状部材
210a,220a,230a 孔
300 リンク機構
310,330 円柱状の軸
C 仮想中心軸
FLOW1,FLOW2 一様流れの気体
L210,L220,L230 長さ
210 第1環状部材
220 第2環状部材
230 第3環状部材
210a,220a,230a 孔
300 リンク機構
310,330 円柱状の軸
C 仮想中心軸
FLOW1,FLOW2 一様流れの気体
L210,L220,L230 長さ
Claims (5)
- 気体が流れる気体通路が形成されたタービンハウジングと、
前記気体通路内に回転可能に配置され、径方向外側から流れ込む気体により回転駆動されるタービンロータと、
外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、前記タービンロータの外周を外包するように配置された円筒形状からなる第1環状部材と、
前記第1環状部材に形成された孔に対応する位置に外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、前記第1環状部材の外円周を外包するように配置された円筒形状からなる第2環状部材と、
前記第2環状部材に形成された孔に対応する位置に外周面から内周面に向けて貫通する多数の孔が形成されるとともに、前記第2環状部材の外円周を外包するように配置される円筒形状からなる第3環状部材と、
前記第1環状部材、前記第2環状部材および前記第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転するように、前記第1環状部材、前記第2環状部材および前記第3環状部材のうちの少なくとも2つを回転駆動させる駆動部とを含み、
タービンハウジングの気体通路に流入した気体は、前記第3環状部材の孔、前記第2環状部材の孔、前記第1環状部材の孔を順に流れて前記タービンロータに供給されるとともに、前記駆動部により前記第1環状部材、前記第2環状部材および前記第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転させることで、前記タービンロータに供給される気体の流れの方向および流速を調整することを特徴とするタービンの可変容量機構。 - 前記第1環状部材に形成された多数の孔、前記第2環状部材に形成された多数の孔、および前記第3環状部材に形成された多数の孔は、前記第1環状部材乃至前記第3環状部材の中心軸の伸びる方向に対する垂直断面上において、前記中心軸に向かうにつれて狭くなるテーパ面を有していることを特徴とする請求項1記載のタービンの可変容量機構。
- 前記第1環状部材、前記第2環状部材および前記第3環状部材のうち、前記第2環状部材を固定させて設け、前記第1環状部材および前記第3環状部材を前記駆動部により回転駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタービンの可変容量機構。
- 前記中心軸を軸として前記第1環状部材および前記第3環状部材を同期させて回転させるリンク機構をさらに備え、
前記リンク機構は、前記中心軸を軸として前記第1環状部材を一方向に回転させ、前記回転軸を軸として前記第3環状部材を他方向に回転させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタービンの可変容量機構。 - 前記第1環状部材の多数の孔、前記第2環状部材の多数の孔および前記第3環状部材の多数の孔の中心を結んだ直線が、前記中心軸に対する垂直断面上において、前記中心軸を通る第1の状態と、
前記第1環状部材の多数の孔、前記第2環状部材の多数の孔および前記第3環状部材の多数の孔の中心を結んだ直線が、前記中心軸に対する垂直断面上において、前記中心軸から距離がある第2の状態と、の間を変化させるように前記第1環状部材、前記第2環状部材および前記第3環状部材のそれぞれが他の2つの環状部材に対して相対的に回転するように、前記第1環状部材、前記第2環状部材および前記第3環状部材のうち少なくとも2つを回転駆動させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタービンの可変容量機構。
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