JP2008297478A - 感圧式接着剤組成物及びその積層体 - Google Patents

感圧式接着剤組成物及びその積層体 Download PDF

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昌史 小出
Yutaka Ishii
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Abstract

【課題】有機EL素子用の感圧式接着剤であって、明所でのコントラストを向上させて視認性を改善させ、かつ外部からの紫外線などによる発光輝度の低下や発光色の退色を防止し、繰り返し使用時での安定性や耐久性に優れ、光取出高効率の有機EL素子を形成し得る、有機EL素子用の感圧式接着剤の提供を目的とする。
【解決手段】ガラス転移温度が−80〜0℃の範囲である、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)、ジフェニルβジケトン(E)及び前記樹脂(D)中の水酸基及び/またはカルボキシル基と反応し得る反応性化合物(F)を含むことを特徴とする感圧式接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、明所でのコントラストを向上させて視認性を改善させ、かつ外部からの紫外線などによる発光輝度の低下や発光色の退色を防止し、繰り返し使用時での安定性や耐久性に優れた、有機EL素子用の樹脂組成物に関する。詳しくは、本発明は、被着体との密着性、耐熱性、耐湿熱性および透明性だけでなく、紫外線遮蔽能にも優れた樹脂層を形成し得る樹脂組成物およびそれを用いてなる積層体に関する。
従来、エレクトロルミネッセンス素子(以下、「EL素子」と略記する。)は自己発光性であるため視認性が高く、かつ完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れるとともに、取扱いが容易であることから、各種表示装置における発光素子としての利用が注目されている。EL素子には、発光材料に無機物質を用いた無機EL素子と有機物質を用いた有機EL素子とがあり、このうち、有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くしうるために、その実用化研究が積極的になされている。
有機物質を使用したEL素子(以下、「有機EL素子」と略記する。)は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般にELは、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
従来の有機EL素子は、無機EL素子に比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。近年、10V以下の低電圧で発光する高い発光効率を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL素子が報告され、関心を集めている(例えば、非特許文献1参照。)。
この方法では、金属キレート錯体を蛍光体層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は100cd/m2 、最大発光効率は1.5lm/Wを達成して、実用領域に近い性能を持っている。このような有機EL素子を実用に供する場合、単色のみでなく、赤,緑,青の3原色や白色などの各色を揃えることが望ましく、従来、各色ごとに発光材料の研究がなされてきた。
有機EL素子の構造としては、陽極と陰極間に一層もしくは多層の有機薄膜を形成した素子であり、一層型の場合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。多層型は、(陽極/正孔注入層/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入層/陰極)、(陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極)の多層構成で積層したもの等がある。しかしながら、現在までの有機EL素子は、構造の改善により発光強度は改良されているが、外部からの光にも反応するため、例えば蛍光灯などの照明下や太陽光下においては、発光素子が点灯しているかどうかの視認性が低下する。すなわち、通常の使用環境では、発光素子の非点灯時にも外部からの光により発光層が励起され、本来の点灯時と非点灯時の明るさの比が低下するのを免れず、このため、明所でのコントラストが低下し、表示品質が悪いものになるという問題が生じる。
さらに、このような有機EL素子の多層構造を組み合わせたものを、外部からの紫外線に対し、特に日光の290nm〜400nmの波長を有する不可視の紫外(UV)線等に長時間曝露した場合、発光層中の発光材料や、正孔注入層や正孔輸送層中の有機材料に変質が起こり、発光の退色や発光輝度の低下が生じる。この現象は、長期間の自然光による露光により、所定の輝度や発光色が得られなくなるという不都合を生じ、繰り返し使用時の安定性に劣るという大きな問題を持っている。
前記したように、繰り返し使用時での安定性や耐久性の優れた、更に視認性の良好な有機EL素子の開発のためには、波長が400nm以下の紫外線遮蔽能を付与することが必須であり、これらの問題を解決するために、様々な構成が提案されてきた。
例えば、塗料及び各種の樹脂に2−シアノプロペン酸エステル系紫外線吸収剤を添加して耐光性を向上させることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、紫外線吸収剤としてジフェニルメタノン系材料を使用して、紫外線吸収機能をガラス層に付与したり、あるいは樹脂層として発光変換膜に紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を配合して紫外線遮蔽を施すことが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
例えば、高分子材料にヒンダートアミン系光安定剤とオリゴマー化されたジフェニルメタノン系紫外線吸収剤とを含有して、長期の耐候性を向上することが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
例えば、液晶表示装置において、紫外線吸収手段としてフィルム層にジフェニルメタノン系、ベンゾトリアゾール系またはサリチル酸フェニル系の材料を練り込んだり、コーティングしたりすることが知られている。(例えば、特許文献4参照。)。
例えば、高分子材料にトリアジン系紫外線吸収剤を含有して、長期の耐光性を付与した組成物などが知られている(例えば、特許文献5参照。)。
例えば、接着性のある樹脂に光安定のs−トリアジン紫外線吸収剤またはそれらの混合物を配合した組成物や積層体が知られている(例えば、特許文献6参照。)。
例えば、接着性のある樹脂に耐久性及び波長が350nm〜400nmの範囲での吸収を有する有効量のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を配合した組成物や積層体が知られている(例えば、特許文献7参照。)。
例えば、紫外線吸収剤としてベンゾオキサジン系化合物を含有するポリエステルを主要構成成分としたポリエステルフィルムの少なくとも片面に皮膜を塗設した接着性積層フィルムが知られている(例えば、特許文献8参照。)。
例えば、蛍光染料やジフェニルメタノン系紫外線吸収剤を配合した接着性組成物や積層体が知られている(例えば、特許文献9参照。)。
しかしながら、これらに使用されている紫外線遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール系,ベンゾオキサジン系、サリチル酸エステル系,ジフェニルメタノン系,2−シアノプロペン酸エステル系等であり、380nm以下の波長に対する遮蔽能は充分に有するが、有機EL素子の耐久性を左右する、波長が380〜400nmの範囲の光を遮蔽するには不十分である。上記の紫外線遮蔽剤の中で380〜400nmの波長の光を遮蔽できる紫外線遮蔽剤については、420nm以上の波長の光も吸収してしまい、紫外線遮蔽剤自体が黄色く着色するという問題がある。また、透明ではあるが遮蔽剤自体が劣化するという問題もあり、また使用量が少ないと紫外線遮断効果が不十分であり、多い場合はマイグレーションする問題も避けて通ることができないため、繰り返し使用時での安定性や耐久性に優れ、視認性の良好な有機EL素子は得られていないのが現状である。
一方、このような有機EL素子に代表される光学デバイスを使用したフラットパネルディスプレイ(FPD)には、表面の映りこみの低減や防眩といった直接的に反射光を抑える機能や、反射を抑えることで間接的に光の透過率を上げて光学部材や光源周辺部品の透過率を向上させることが要求されている。
通常,光学ガラス基材(屈折率:約1.52)や光学ポリエチレンテレフタレートフィルム(光学PETフィルム)(屈折率:約1.60)などの透明光学基材表面に光が入射する際,その表面において光の一部が反射され、表面反射率はガラスの場合で約4%である。これら光学ガラスと光学PETフィルムとを感圧式接着剤組成物を用いて貼り合わせる場合、感圧式接着剤組成物に汎用されるアクリル樹脂(屈折率:約1,46)等の低屈折率樹脂を用いつつ、感圧式接着剤層の膜厚を可視光の波長の4分の1に相当する0.1〜0.2μm程度にすることによって、透過光の反射を減少させ、透過率を向上させる方法が考えられる。あるいは、アクリル樹脂(屈折率:約1,46)等の低屈折率樹脂に、酸化チタン,酸化ジルコニウム,酸化セレン,酸化タンタルもしくは酸化ニオブ等の高屈折率無機材料の超微粒子を配合することにより、感圧式接着剤層の屈折率を1.52〜1.60に制御し、光学ガラスや光学PETフィルムとの屈折率差を小さくすることにより、透過光の反射を減少させ、透過率を向上させる方法が理論的には考えられている。
しかし、前者は感圧式接着剤層が薄くなるため、初期接着(タック)の低下のために浮きが発生したり、また、高温下や高湿度下で一定時間保管した特に場合には剥がれやすくなったり、接着物性と屈折率とのバランスがうまく維持できず、感圧式接着剤として具体的には実現されていないのが現状である。また後者の場合は、低屈折率の樹脂と高屈折率の無機材料とが含有されるため、曇りや霞等のヘイズが発生しやすく、光学部材における画像コントラストおよび視認性を低下させる問題もあり、有機EL素子に代表される光学デバイスを使用したFPDとしての光取出効率を向上させることについては依然,課題が残されている。
特開平7−102239号公報 特開平9−115668号公報 特開平9−194740号公報 特開平9−325333号公報 特開平10−17557号公報 特表2002−543265号公報 特表2002−543266号公報 特開2003−171487号公報 特表2004−182822号公報 アプライド・フィジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年
本発明は、このような状況下で、有機EL素子用の感圧式接着剤であって、明所でのコントラストを向上させて視認性を改善させ、かつ外部からの紫外線などによる発光輝度の低下や発光色の退色を防止し、繰り返し使用時での安定性や耐久性に優れ、光取出高効率の有機EL素子を形成し得る、有機EL素子用の感圧式接着剤の提供を目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に達した。
即ち、第1の発明は、ガラス転移温度が−80〜0℃の範囲である、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)、一般式(I)で示される化合物(E)及び前記樹脂(D)中の水酸基及び/またはカルボキシル基と反応し得る反応性化合物(F)を含むことを特徴とする感圧式接着剤組成物に関する。
Figure 2008297478
[一般式(I)中、R1〜R10はH、OH、COOH、CH2CH2CH2−DMSi(DMSi:ジメチルポリシロキシ基)、アミン系官能基、炭素数1〜26である直鎖もしくは分岐鎖状あるいは脂環状炭化水素基、炭素数1〜26であるアルコキシ基及び炭素数2ないし3であるポリオキシアルキレン基から選ばれるいずれかであり、更に、R1、R6はヘテロ原子を含んでいても良い環状炭化水素基または環状炭化水素のアルコキシ基であっても良い。]
また、第2の発明は、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)100重量部に対して化合物(E)0.01〜20重量部及び反応性化合物(F)0.001〜20重量部を含むことを特徴とする第1の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
また、第3の発明は、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)が、水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と、カルボキシル基を有しないジオール(B)と、3価以上の多価アルコール(c1)、3価以上の多価カルボン酸(c2)、分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)、一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個以上とを有するジオキシカルボン酸(c4)及び一分子中にカルボキシル基2個と水酸基1個以上を有するオキシジカルボン酸(c5)からなる群より選ばれる少なくとも一種の側鎖官能基導入用成分(C)とを反応させてなるポリエステル系樹脂(D1)であることを特徴とする第1または2の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
また、第4の発明は、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)が、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D1)中の前記側鎖官能基に、さらに環状エステル化合物(G)が開環付加してなる、前記環状エステル化合物(G)の開環部を側鎖とし、該開環部の末端に水酸基を有するポリエステル樹脂(D2)であることを特徴とする第3の発明の感圧式接着剤組成物に関する。
また、第5の発明は、反応性化合物(F)がポリエステル系樹脂(D)中の側鎖官能基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有することを特徴とする第1ないし4の発明いずれかの感圧式接着剤組成物に関する。
また、第6の発明は、ポリエステル系樹脂(D)100重量部に対して、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤から選ばれるいずれかの1種以上を0.001〜20重量部含むことを特徴とする第1ないし5の発明いずれかの感圧式接着剤組成物に関する。
また、第7の発明は、第1ないし6の発明いずれかの感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体に関する。
さらに、第8の発明は、有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材、第1ないし6の発明いずれかの感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層及び光学部材が順次積層されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用部材に関する。
本発明の感圧式接着剤樹脂組成物を用いることにより、特に明所でのコントラストを向上させて視認性を改善させ、かつ外部からの紫外線などによる発光輝度の低下や発光色の退色を防止し、繰り返し使用時での安定性や耐久性に優れ、光取出高効率の有機EL素子用の光学部材を提供できるようになった。
本発明に用いられるポリエステル樹脂(D)は、ガラス転移温度が−80〜0℃であって、側鎖に水酸基及/又はカルボキシル基を有するものである。側鎖の水酸基及/又はカルボキシル基は後述する反応性化合物(F)と反応し、感圧式接着剤層を形成する。感圧式接着剤用のポリエステル樹脂(D)は、水酸基やカルボキシル基のような官能基を主鎖の末端だけではなく、側鎖に有することが重要である。
感圧式接着剤は、感圧式接着シートを形成するために用いられる。
感圧式接着シートの基本的積層構成は、シート状基材/感圧式接着剤層/剥離シートのような片面感圧式接着シート、あるいは剥離シート/感圧式接着剤層/シート状基材/感圧式接着剤層/剥離シートのような両面感圧式接着粘着シートである。使用時に、剥離シートが剥がされ、感圧式接着剤層が被着体に貼付される。感圧式接着剤は、貼着の際被着体に感圧式接着剤層が触れるその瞬間に感圧式接着剤層がタックを有すのみならず、感圧式接着剤以外の接着剤(以下、単に接着剤という)とは異なり、貼着中も完全に固化することなく、タックと適度な固さを有しつつ、貼着状態を維持するための凝集力を有することが必要である。凝集力は分子量に大きく依存する。
ポリエステル系樹脂は、重縮合により形成されるので、分子量が数十万を越えるようなものを形成することは事実上無理である。ポリエステル系樹脂の場合、縮合と分解とが平衡状態に達してしまうと、分子量はもはやそれ以上大きくはならないからであり、反応条件を変え、さらに縮合を進めようとすると劣化との競合となるからである。
ジオール成分と二塩基酸成分との重縮合により生成されるポリエステル系樹脂は、一般に主鎖末端に水酸基かカルボキシル基を有する。比較的分子量の小さいポリエステル系樹脂の主鎖末端の水酸基やカルボキシル基を、比較的多量の硬化剤と反応させることによって、完全に固化する接着剤層を形成することはできる、しかし、比較的分子量の小さいポリエステル系樹脂の主鎖末端の水酸基やカルボキシル基を、比較的少量の硬化剤と反応させるだけでは、貼着中タックと適度な固さを有する必要のある感圧式接着剤層は形成することはできなかった。架橋(硬化)が疎で、十分な凝集力を発現できないからである。本発明では、水酸基やカルボキシル基のような官能基を主鎖の末端だけではなく、側鎖に有するポリエステル樹脂(D)を用いることによって、適度な架橋(硬化)状態を形成できるようになった。
側鎖に水酸基やカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(D)は種々の方法で得ることができる。
例えば、水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と、カルボキシル基を有しないジオール(B)とを反応させ、ポリエステル樹脂を得る際に、3価以上の多価アルコール(c1)、3価以上の多価カルボン酸(c2)、分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)、一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個以上とを有するジオキシカルボン酸(c4)及び一分子中にカルボキシル基2個と水酸基1個以上を有するオキシジカルボン酸(c5)からなる群より選ばれる少なくとも一種の側鎖官能基導入用成分(C)を利用することにより、ポリエステル樹脂(D)の側鎖に水酸基やカルボキシル基を導入することができる。
本発明に用いられる水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)としては、公知のジカルボン酸類やそれらの酸無水物類、さらにジカルボン酸類や酸無水物類とメタノールやエタノール等のモノアルコールとのエステル化物類が挙げられる。
例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、スベリン酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸類;
例えば、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;
例えば、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の脂環族ジカルボン酸類や、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物等の脂環族ジカルボン酸無水物類;
例えば、無水コハク酸、メチル無水コハク酸物、2,2−ジメチル無水コハク酸、ブチル無水コハク酸、イソブチル無水コハク酸、ヘキシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、フェニル無水コハク酸、無水グルタル酸、3−アリル無水グルタル酸、2,4−ジメチル無水グルタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、ブチル無水グルタル酸、ヘキシル無水グルタル酸、無水マレイン酸、2−メチル無水マレイン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸、ブチル無水マレイン酸、ペンチル無水マレイン酸、ヘキシル無水マレイン酸、オクチル無水マレイン酸、デシル無水マレイン酸、ドデシル無水マレイン酸、2,3−ジクロロ無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、2,3−ジフェニル無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸、ダイマー酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸、無水ヘッド酸、ビフェニルジカルボン酸無水物、無水ハイミック酸、エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−4,5−イソベンゾフランジカルボン酸無水物等の酸無水物類が挙げられる。
またポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール及びポリカーボネートポリオール等の高分子量ポリオールを上記酸無水物にて開環付加した高分子量ジカルボン酸もジカルボン酸類に含まれる。
これらのジカルボン酸類、その酸無水物類、あるいはそれらのエステル化物類は、それぞれを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)は、芳香環及び/または脂環構造を有する二塩基酸系成分(a1)を含むことが好ましく、ポリエステル樹脂(D)中に該二塩基酸系成分(a1)由来の構造を5〜50mol%含有することが好ましく、10〜35mol%含有することが、接着性、耐熱性、耐湿熱性および透明性に優れたポリエステル樹脂(D)を得られるため、最も好ましい。二塩基酸系成分(a1)由来の構造が5mol%よりも少ないか、あるいは50mol%よりも多いと、得られるポリエステル樹脂の接着特性バランス(特に、タックと凝集力との両立)を確保することが困難であり、また、耐熱性及び耐湿熱性が低下するため、目的とする樹脂が得られにくい。
カルボキシル基を有しないジオール(B)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、3−ブチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族あるいは脂環族ジオール類;
例えば、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、1,2−インダンジオール、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンあるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させてなるビスフェノール類等の芳香族ジオール類等を挙げることができる。
これらのジオール(B)は、それぞれを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、二塩基酸系成分と比較的低分子量のジオール成分とを反応させてなる、ポリエステルジオールもジオール(B)として使用することもできる。
本発明において用いられる側鎖官能基導入用成分(C)について説明する。
側鎖官能基導入用成分(C)としては、3価以上の多価アルコール(c1)、3価以上の多価カルボン酸(c2)、分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)、一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個以上とを有するジオキシカルボン酸(c4)及び一分子中にカルボキシル基2個と水酸基1個以上を有するオキシジカルボン酸(c5)が好ましく使用することができる。
本発明に用いられる、3価以上の多価アルコール(c1)としては、例えば、グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールナノデカン、などのトリメチロール直鎖アルカン類、
1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカンなどのトリメチロール分岐アルカン類、
トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の三価アルコール類;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジグリセリン,トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、イノシトール、テトラキスヒドロキシメチルホスフォニウムクロライド、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース等の4価以上のアルコール等が挙げられる。
これら3価以上のアルコール(c1)は、それぞれ単独または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。3価以上の多価アルコール(c1)は、カルボキシル基を有しないジオール(B)と同様に水酸基成分として、水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と反応することによって、主鎖末端だけではなく、側鎖に水酸基を導入する。
本発明に用いられる、3価以上の多価カルボン酸(c2)としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテートカルボン酸、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸等の3官能以上のポリカルボン酸及びその無水物等とメタノールやエタノール等のモノアルコールとのエステル化物類が挙げられる。
これらの3価以上の多価カルボン酸(c2)は、それぞれ単独または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。3価以上の多価カルボン酸(c2)は、水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と同様にカルボキシル基成分として、カルボキシル基を有しないジオール(B)と反応することによって、主鎖末端だけではなく、側鎖にカルボキシル基を導入する。
本発明に用いられる、分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコ−ルジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアミン、ブタジエンジオキサイド、ダイマー酸のジグリシジルエステル等の脂肪族ジグリシジル化合物;
2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸ジグリシジルエステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−(β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスアリールフルオレンジグリシジルエーテル等の芳香族ジグリシジル化合物;
シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジオキサイド、3,4−グリシジルシクロヘキシルメチル−3,4−グリシジルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−グリシジル−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−グリシジル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロジエンオ−ルエポキシドグリシジルエーテル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル等の脂環族ジグリシジル化合物;
その他、ビスフェノールA系高分子量グリシジル樹脂、ビスフェノールF系高分子量グリシジル樹脂、あるいは上記ジグリシジル化合物を反応させてなるフェノキシ樹脂等の高分子量ジグリシジル樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられる、オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ジ{1−エチル−(3−オキセタニル)}メチルエーテル等が挙げられる。
分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)は、それぞれ単独または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。二塩基酸系成分(A)とジオール(B)とが重縮合反応する際に、分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)の環状エーテル基が開環付加反応し、側鎖に二級水酸基が導入される。側鎖の二級水酸基は、エステル化反応の活性が低いので、エステル化反応の際には三次元化反応を生じにくい。その結果、得られるポリエステル樹脂(D)は、部分凝集し難く、均一性に富み、良好な流動性を示し、さらに後述する反応性化合物(E)を配合した場合、硬化後に凝集力に富む感圧式接着剤層を形成し得るポットライフの比較的長い感圧式接着剤を得ることができる。
本発明に用いられる、一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個以上とを有するジオキシカルボン酸(c4)としては、例えば、ジヒドロキシフマル酸、ジヒドロキシマレイン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エタン酸(別名、ジメチロール酢酸)、2,3−ジヒドロキシプロパン酸(別名、グリセリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(別名、2,2−ジメチロールプロピオン酸)、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(別名、3,3−ジメチロールプロピオン酸)、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(別名、ジメチロール酪酸)、2,2−ジヒドロキシブタン酸、2,3−ジヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシブタン酸(別名、3−デオキシテトロン酸)、3,4−ジヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−エチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−イソプロピルブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−ブチルブタン酸、(R)−2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸(別名、バントイン酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(別名、酒石酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ペンタン酸(別名、ジメチロール吉草酸)、3,5−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸(別名、メバロン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘキサン酸(別名、ジメチロールカプロン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン酸(別名、ジメチロールエナント酸)、3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)オクタン酸(別名、ジメチロールカプリル酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ノナン酸(別名、ジメチロールベラルゴン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)デカン酸(別名、ジメチロールカプリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ドデカン酸(別名、ジメチロールラウリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)テトラデカン酸(別名、ジメチロールミリスチン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ペンタデカン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘキサデカン酸(別名、ジメチロールパルミチン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタデカン酸(別名、ジメチロールマルガリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)オクタデカン酸(別名、ジメチロールステアリン酸)、ジメチロールオレイン酸、ジメチロールリノール酸、ジメチロールリノレン酸、ジメチロールアラコドン酸、ジメチロールドコサヘキサエン酸、ジメチロールエイコサペンタエン酸等の脂肪族系ジオキシカルボン酸類;
例えば、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(別名、o−ピロカテク酸)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(別名、β−レゾルシン酸)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(別名、ゲンチジン酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(別名、γ−レゾルシン酸)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(別名、プロトカテク酸)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(別名、α−レゾルシン酸)、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−ジメチル安息香酸(別名、o−オルセリン酸)、3,5−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、2,3−ジヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシメチル安息香酸、3,4−ジヒドロキシメチル安息香酸、4−ブロモ−3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5−ブロモ−2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−2,6−ジヒドロキシ安息香酸、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(別名、バニルマンデル酸)、D,L−3,4−ジヒドロキシマンデル酸、2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸(別名、ホモゲンチジン酸)、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(別名、ホモプロトカテク酸)、3,4−(メチレンジオキシ)フェニル酢酸、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン酸(別名、ヒドロカフェー酸)、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸(別名、ウンベル酸)、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アクリル酸(別名、カフェー酸)、4,4´−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,4−ジヒドロキシ桂皮酸、2,5−ジヒドロキシ桂皮酸、シンナミル−3,4−ジヒドロキシ―α―シアノ桂皮酸、2−ブロモー4,5−メチレンジオキシ桂皮酸、3,4−メチレンジオキシ桂皮酸、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロ桂皮酸、2,6−ジヒドロキシイソニコチン酸、DL−3,4−ジヒドロキシマンデル酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、4,8−ジヒドロキシキノリン−2−カルボン酸(別名、キサンツレン酸)3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,6−ジヒドロキシピリジン−4−カルボン酸(別名、シトラジン酸)、2,4−ジヒドロキシチアゾール−5−酢酸、2−(1−チエニル)エチル−3,4−ジヒドロキシベンジリデンシアノ酢酸、二プロピオン酸−6−エストラジオール、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼン二酢酸、(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−3−(フェニルカルバモイル)プロピオン酸等の芳香環あるいはヘテロ環含有系ジオキシカルボン酸類等が挙げられる。尚、芳香環を有する場合、2つの水酸基は芳香環に直結しないものが好ましい。
本発明に用いられる、公知のジオキシカルボン酸(c4)は、それぞれ単独または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。
ジオキシカルボン酸(c4)は水酸基を2個有するので、前述のカルボキシル基を有しないジオール(B)と同様にOH成分として、二塩基酸系成分(A)と重縮合し、本発明で用いられるポリエステル樹脂(D)を生成する。そして、ジオキシカルボン酸(c4)由来のカルボキシル基がポリエステル樹脂(D)の側鎖のカルボキシル基となる。
エステル化反応の際の活性に富むという点で、ジオキシカルボン酸(c4)中の2個の水酸基は共に一級であることが好ましい。一方、ジオキシカルボン酸(c4)がエステル化反応の際にCOOH成分として機能すると、反応の際に三次元反応し易く、ゲル化を生じ易かったり、ゲル化せずにポリエステル樹脂(D)が得られても部分的に凝集しやすかったりする。そこで、エステル化反応の際にはジオキシカルボン酸(c4)が、専らOH成分として機能し、COOH成分としては機能しないように、ジオキシカルボン酸(c4)中のカルボキシル基は、二級又は三級であることが好ましい。エステル化反応の活性が低いので、二級又は三級のカルボキシル基を、ジオキシカルボン酸(c4)は1分子中に1個以上有することができる。
本発明に用いられる、一分子中にカルボキシル基2個と水酸基1個以上を有するオキシジカルボン酸(c5)としては、例えば、ジヒドロキシフマル酸、ジヒドロキシマレイン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルコハク酸(別名、シトラマル酸)、2−ヒドロキシプロパン二酸(別名、タルトロン酸)、2,2−ジヒドロキシプロパン二酸、2−ヒドロキシペンタン二酸(別名、2−ヒドロキシグルタル酸)、2,3,4−トリヒドロキシペンタン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸(別名、リンゴ酸)、2,2−ジヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(別名、酒石酸)、3−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ペンチルオキシカルボニル)プロパノイルオキシ]−2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシヘプタン二酸(別名、2,3−ジヒドロキシピメリン酸)、2,4−ジヒドロキシヘキサン二酸(別名、2,4−ジヒドロキシアジピン酸)、2,5−ジヒドロキシオクタン二酸(別名、2,5−ジヒドロキシスベリン酸)、2,6−ジヒドロキシノナン二酸(別名、2,6−ジヒドロキシレパルギル酸)、2,7−ジヒドロキシデカン二酸(別名、2,7−ジヒドロキシセバシン酸)、2−ヒドロキシシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、3−ヒドロキシシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等の脂肪族あるいは脂環族のオキシジカルボン酸類;
例えば、4−ヒドロキシフタル酸、3,6−ジヒドロキシフタル酸、4,5−ジヒドロキシフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ-4-オキソ−4H−ピラン−2,6−ジカルボン酸(別名、メコン酸)、1−ヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、2−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸、3−ヒドロキシ−2,5−ピリジンジカルボン酸、(1α,2β,4aα,4bβ,10β)−2,4a,7−トリヒドロキシ−1−メチル−8−メチレンジバ−3−エン−1,10−ジカルボン酸1,4a−ラクトン(別名、ジベレリン酸)等の芳香環あるいはヘテロ環含有系オキシジカルボン酸類等が挙げられる。
本発明に用いられる、公知のオキシジカルボン酸(c5)は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
オキシジカルボン酸(c5)はカルボキシル基を2個有するので、前述の水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と同様にCOOH成分として、ジオール(B)と重縮合し、本発明で用いられるポリエステル樹脂(D)を生成する。そして、オキシジカルボン酸(c5)由来の水酸基がポリエステル樹脂(D)の側鎖の水酸基となる。
エステル化反応の際の活性に富むという点で、オキシジカルボン酸(c5)中の2個のカルボキシル基は共に一級であることが好ましい。一方、オキシジカルボン酸(c5)がエステル化反応の際にOH成分として機能すると、反応の際に三次元反応し易く、ゲル化を生じ易かったり、ゲル化せずにポリエステル樹脂(D)が得られても部分的に凝集しやすかったりする。そこで、エステル化反応の際にはオキシジカルボン酸(c5)が、専らCOOH成分として機能し、OH成分としては機能しないように、オキシジカルボン酸(C)中の水酸基は、二級又は三級であることが好ましい。エステル化反応の活性が低いので、二級又は三級の水酸基を、オキシジカルボン酸(c5)は1分子中に1個以上有することができる。
尚、芳香環を有するオキシジカルボン酸(c5)の場合、芳香環に直結するOHは、エステル化反応の活性が低いという点では好ましいが、反応性化合物(E)との反応活性も低い。従って、オキシジカルボン酸(c5)の水酸基は、芳香環に直結してはいない、二級又は三級の水酸基であることが好ましい。
本発明で用いられるポリエステル樹脂(D1)は、側鎖官能基導入用成分(C)由来の構造を0.1〜10mol%含有することが好ましい。即ち、側鎖に導入される水酸基及び/またはカルボキシル基の量は、側鎖官能基導入用成分(C)由来の構造に依存する。側鎖に導入された水酸基及び/またはカルボキシル基は、後述の反応性化合物(E)と架橋し感圧式接着剤層を形成し、凝集力、接着性、耐熱性、耐湿熱性の向上に寄与する。しかし、側鎖官能基導入用成分(C)によって導入された水酸基及び/またはカルボキシル基が多すぎるとポットライフが短くなり、一方、少なすぎると形成される感圧式接着剤層の凝集力、接着性、耐熱性、耐湿熱性が低下する。そこで、感圧式接着剤としてのポットライフと、感圧式接着剤層の性能とのバランスから、側鎖官能基導入用成分(C)由来の構造は、ポリエステル樹脂(D1)中に0.1〜10mol%であることが好ましい。
水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)とカルボキシル基を有しないジオール(B)と側鎖官能基導入用成分(C)との反応により、側鎖に水酸基やカルボキシル基を有するポリエステル樹脂(D1)を形成する際、無触媒でも反応は進行するが、反応をより円滑に進行させるため、触媒を適宜使用することもできる。用いる触媒としては、アンモニア、アミン類、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ土類金属水酸化物類、ルイス酸類、錫,鉛,チタン,鉄,亜鉛,ジルコニウム,コバルト等を含有した有機金属化合物類、金属ハロゲン化物類等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等を挙げることができる。
4級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムヒドロゲンフタレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドペンタヒドレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムニトレート、テトラメチルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムトリブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムパークロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムパークロレート、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラ−n−プロピルアンモニウムパールテネート(VII)、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムトリブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンサルフェート、テトラブチルアンモニウムニトレート、テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムシアノトリヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスタンネート、テトラブチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラブチルアンモニウムテトラチオフェネート(IV)、テトラブチルアンモニウムフルオライドヒドレイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヒドロゲントリフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルアンモニウムビス(2,3−ジメルカプト−2−ブテンジニロリレート−S,S’)ニコレート、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムパークロレート、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラオクタデシルアンモニウムブロマイド等を挙げることができる。
4級ホスホニウム塩類としては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラブチルホスホニウムビス(1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4−メチル−1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4,5−メルカプト−1,3−ジチオール−2−チオネート−S4、S5)ニコレート(III)等を挙げることができる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物類;
を挙げることができる。
有機錫化合物類としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
有機ジルコニウム化合物類としては、例えば、酢酸ジルコニウム、安息香酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等を挙げることができる。
有機チタン化合物類としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等を挙げることができる。
有機鉛化合物類としては、例えば、酢酸鉛、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などを挙げることができる。
有機鉄化合物類としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどを挙げることができる。
有機コバルト化合物類としては、例えば、酢酸コバルト、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等を挙げることができる。
有機亜鉛化合物類としては、例えば、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等を挙げることができる。
金属ハロゲン化物類としては、例えば、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を挙げることができる。
さらには、三フッ化ホウ素、酢酸マンガン、酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化チタン等のルイス酸類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。触媒は一種のみを用いても、又は二種以上を併用しても良い。触媒の使用量としては、全反応成分100重量部に対して10重量部以下の量で用いる。0.0001〜1重量部の範囲がより好ましい。10重量部を超える量を用いると、生成物が着色したり、失活していない触媒が残存して負触媒として働き、分解反応を生ずるという不都合を生じる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂(D1)は、従来から公知のポリエステルの反応方法に従って製造することができる。例えば、以下のような方法で得ることができる。
(1)一段反応:二塩基酸系成分(A)、ジオール(B)、及び側鎖官能基導入用成分(C)を160〜260℃、好ましくは180〜250℃、より好ましくは200〜250℃で直接エステル化反応させる。冷却後、適宜有機溶剤を加えて、感圧式接着剤組成物の作成に供することができる。
(2)二段反応:二塩基酸系成分(A)、ジオール(B)、及び側鎖官能基導入用成分(C)を160〜260℃、好ましくは180〜250℃で脱水反応やエステル交換反応を行い、その後、5Torr以下の減圧下状態で180〜280℃、好ましくは200〜260℃に加熱して余剰ジオール成分を除去し、ポリエステル樹脂を得る。冷却後、適宜有機溶剤を加えて、感圧式接着剤組成物の作成に供することができる。
側鎖官能基導入用成分(C)は、二塩基酸系成分(A)、ジオール(B)と一緒に最初から反応容器に仕込んでおいても良いし、二塩基酸系成分(A)とジオール(B)の脱水反応やエステル交換反応の後に加えて反応しても良い。
尚、重合温度が上記下限値未満では反応が充分に進行しない。一方重合温度が上限値をこえると分解等の副反応が起こったり、着色し易くなったりして好ましくない。また反応時間は通常1〜60時間程度とすることができる。
本発明においては側鎖官能基導入用成分(C)を利用して導入した側鎖の水酸基やカルボキシル基に、さらに環状エステル化合物(G)を開環付加させ、前記環状エステル化合物(G)の開環部を側鎖とし、該開環部の末端に水酸基を有するポリエステル樹脂(D2)を用いて感圧式接着剤組成物を得ることもできる。環状エステル化合物(G)を開環付加させる場合、反応性の点で、ポリエステル系樹脂(D1)の側鎖官能基は水酸基であることが好ましい。つまり、側鎖官能基導入用成分(C)のうち、(c1)、(c3)または(c5)によって導入された側鎖水酸基をさらに利用することが好ましい。
例えば、上記(1)あるいは(2)の方法で得ておいたポリエステル樹脂(D1)と環状エステル化合物(G)とを全量配合してから両者を反応させることによって、又はポリエステル樹脂(D1)に環状エステル化合物(G)を添加しながら反応させることによって、又は環状エステル化合物(G)中にポリエステル樹脂(D1)を添加しながら反応させることによって、ポリエステル系樹脂(D2)を得ることができる。あるいは、ポリエステル樹脂(D1)の反応途中で、環状エステル化合物(G)を添加して反応させても良い。ポリエステル樹脂(D1)は溶液状態で用いることが好ましい。開環付加反応は、例えば、20〜220℃で行うことが好ましく、60〜180℃で行うことがより好ましい。環状エステル化合物(G)の開環により、ポリエステル樹脂(D1)の側鎖にエステル結合を導入できる。また付加した開環部末端の水酸基にさらに環状エステル化合物(G)が開環付加し、側鎖を長く高分子量化させることもできる。側鎖にエステル結合が導入されることによって、接着特性(特に、タック)の向上が期待される。得られたポリエステル系樹脂(D2)は、冷却後、適宜有機溶剤を加えて不揮発分を調整することができる。
本発明で用いられる環状エステル化合物(G)としては、ヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)を好ましく使用することができる。
本発明に用いられるヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)としては、特に制限はなく、脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式のヒドロキシカルボン酸の分子内あるいは分子間縮合物が使用できる。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、δ−ヒドロキシカプロン酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸、カプリル酸、ラウリン酸、リシノール酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラアコンタン酸、ヒドロキシピパリン酸、ヒドロキシプロピオン酸、6−ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシミスチリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、ジメチロ−ルプロピオン酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等が挙げられる。
脂環式、芳香族および複素環式ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、サリチル酸、2−オキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−フェニル安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸、4’−ヒドロキシ−4−カルボキシビフェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸は、有機化合物の1分子内にカルボン酸と水酸基とを有するものであれば使用でき、必ずしも上記例示したもののみに限定されるものではない。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)とは、上記ヒドロキシカルボン酸において、ヒドロキシカルボン酸中の水酸基とカルボン酸との分子内あるいは分子間縮合反応によって得られるものである。すなわち、ヒドロキシカルボン酸の分子内あるいは分子間縮合反応により生成するヒドロキシカルボン酸の環状単量体、二量体または三量体以上の多量体を包含するものである。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)のうち環状単量体としては、ラクトン類が使用でき、特に制限はないが、例えば、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−オクタノラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、ピバロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクトノリド、11−ウンデカノリド、12−ドデカノリド、15−ペンタデカノリド、16−ヘキサドデカノリド、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−α−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン等が挙げられる。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)のうち環状二量体としては、乳酸によるラクチド、グリコール酸によるグリコリド等が挙げられる。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)は、環の大きさに限定は無いが、ポリエステル樹脂(D1)に含有される水酸基と効率よく開環付加反応するためには、環内の炭素数が6〜18の範囲である環状単量体のラクトン類が好ましく、ε−カプロラクトンがより好ましい。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸の環状エステル(g1)は、側鎖水酸基を有するポリエステル樹脂(D1)に、1分子の態様で開環付加しても良いし、環状エステル(g1)の複数の分子が開環重合してなる重合体の態様として、ポエステル樹脂(D1)に付加してもよい。
(D1)(D2)のようなポリエステル樹脂(D)は、バランスの良い接着特性(特に、タックと凝集力の両立)を発揮し得るように、ガラス転移点(Tg)が−80〜0℃となるよう、水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と、カルボキシル基を有しないジオール(B)、側鎖官能基導入用成分(C)、さらには環状エステル化合物(G)を選択することが好ましく、ガラス転移点(Tg)が−60〜−10℃となるように、各構成成分を選択することがより好ましい。
ポリエステル樹脂(D)のガラス転移温度が−80℃未満の場合、該ポリエステル樹脂を用いて得られる感圧式接着剤層の凝集力が低下し、浮き剥がれが生じやすくなる。一方、ガラス転移温度が0℃を超えると、感圧式接着層が硬くなりすぎ、十分なタックを発現しなかったり、プラスチック同士やガラス板とプラスチックフィルムとを積層した場合には、接着強度が弱くなったりするだけでなく、溶媒への溶解性が低下し、また、感圧式接着剤の粘度が上昇するため、塗加工時の取り扱いが困難となり、好ましくない。
尚、ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めた値である。
本発明におけるポリエステル樹脂(D)の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜1,000,000の範囲にあることが接着性の点で好ましく、8,000〜500,000の範囲にあることがより好ましい。このようなポリエステル樹脂を使用すると、密着性、濡れ性に優れる感圧式接着剤が得られる。Mwが2,000未満であると感圧式接着剤層としての凝集力を発現しにくくなったり、耐熱性や耐湿熱性が低下する。一方、Mwが1,000,000を超えると、溶剤で希釈しても感圧式接着剤の流動性が不良となって、感圧式接着シートを作製する際、塗工性が低下するので、好ましくない。
本発明における側鎖を有するポリエステル樹脂(D)の水酸基価、あるいは酸価は、上述の側鎖官能基導入用成分(C)により、さらには環状エステル化合物(G)により、0.1〜50mgKOH/gの範囲に制御されていることが好ましく、0.5〜30mgKOH/gの範囲がより好ましい。水酸基価及び酸価がどちらも0.1mgKOH/gよりも低い場合は、後述の反応性化合物(F)との反応性が劣り、凝集力が不足になるため、該ポリエステル樹脂(D)を用いて得られる積層体、例えば有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材等を剥ぎ取り難いばかりでなく、剥がした後に糊残りが生じたりして、再剥離性が不十分となる。また、水酸基価及び酸価がどちらも50mgKOH/gよりも高くなると、ポットライフが短くなり、塗加工時や接着加工時の作業性を著しく低下させるため好ましくない。
本発明における化合物(E)とは、その構造が一般式(I)で示されるジフェニルβジケトン誘導体であり、日光の290〜400nmの波長を遮蔽できる紫外線遮蔽能を有し、特に330〜400nmの範囲の吸光係数が最大値となるような特徴を持つ化合物である。
Figure 2008297478
なお、一般式(I)中、R1〜R10はH、OH、COOH、CH2CH2CH2−DMSi(DMSi:ジメチルポリシロキシ基)、アミン系官能基、炭素数1〜26である直鎖もしくは分岐鎖状あるいは脂環状炭化水素基、炭素数1〜26であるアルコキシ基及び炭素数2ないし3であるポリオキシアルキレン基から選ばれるいずれかであり、更に、R1、R6はヘテロ原子を含んでいても良い環状炭化水素基または環状炭化水素のアルコキシ基であっても良い。
上記、ジフェニルβジケトン誘導体としては、例えば、ジフェニル−1,3−プロパンジオン《R1=R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(o−メチルフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=CH3、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
ジ−(o−メチルフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=R6=CH3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH32、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH32、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−(p−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH32、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH2CH(C25)C49》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−(p−ヒドロキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH32、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OH》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−iso−プロポキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH(CH32》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−{p−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル}−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH2CH(C25)C49》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−シクロヘキシルフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=C611》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−ヒドロキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OH》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(o−ヒドロキシ−p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R5=R7=R8=R9=R10=H、R4=OH、R6=OCH3 》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−フェノキシ−o−ジメトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R5=R7=R8=R9=R10=H、R4=R6=OCH3 》、
ジ−(p−ヒドロキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=R6=OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−フェノキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OC65》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−フェノキシ−o−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R5=R7=R8=R9=R10=H、R4=OCH3、R6=OC65》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(o−ジエトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R5=R6=R7=R9=R10=H、R4=R8=OCH2CH3
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−シクロヘキシルフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=C611》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−{p−(o−メチル)モルホリノフェニル}−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R7=R8=R9=R10=H、R5=CH3、R6=モルホリノ基(C48NO)》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−{p−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル}−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH2CH(C25)C49》、
1−(p−ベンジルオキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH2OC65、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=N(CH32、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−トルイルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C64CH3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−{p−(2’−イル−ピリジン)−フェニル}−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=NC54、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−フェノキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH33、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OC65》、
1−(p−ポリオキシエチレンフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=(OCH2CH2OH(n=1〜6)、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(m−ジメチルポリシロキシブチル−p−ヒドロキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=CH2CH2CH2−DMSi、R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(o−カルボキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R3=COOH、R1=R2=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
その他、1−(o−カルボキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンのトリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩やナトリウム、カリウムあるいはアルミニウム等の金属塩などが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
上記、ジフェニルβジケトン誘導体は、種々の公知の手段で製造することができる。
例えば、
Ann.Chim.(Rone),48,762(1958)、J.Chem.Soc.,2063(1952)、J.Org.Chem.,36,1447(1971)、Peatic Sei.,4,473(1973)、アメリカ特許出願USP-4381360号公報、フランス特許出願FR-A-2326405号公報及びFR-A-2440933号公報、欧州特許出願EP-A-0114607号公報等が代表的であり、主に、2つの製造方法が知られており、(1)芳香族カルボン酸ビニルエステルをフリーデルクラフト条件下で塩化アルミニウムと反応させることで製造する手法、(2)芳香族カルボン酸やそのエステル化合物と置換型アセトフェノン等の芳香族ケトン化合物とのクライゼン縮合で製造する手法、という製造方法であり、(2)が一般的な手法である。
本発明における化合物(E)は、ポリエステル樹脂(D)100重量部に対して0.01〜20重量部用いられることが好ましく、0.1〜10重量部用いられることがより好ましい。0.01重量部未満であると紫外線遮蔽機能は期待できないし、10重量部以上では、ポリエステル樹脂(D)や、該樹脂を用いて得られる積層体の透明性が低下したりするため、好ましくない。
本発明の感圧式接着剤組成物においては、前記のポリエステル樹脂(D)中の側鎖官能基と反応し得る反応性化合物(F)を含有することが重要である。
本発明に用いられる反応性化合物(F)とは、前記したポリエステル樹脂(D)中の側鎖水酸基、あるいは側鎖カルボキシル基と反応しうる官能基を分子内に有する化合物であり、このような化合物としてはポリイソシアネート化合物、多官能シラン化合物、N−メチロール基含有化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物及び金属キレート化合物などが挙げられるが、これらの中でも、架橋剤として作用するために、ポリエステル樹脂(D)中の水酸基、あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。特に前記のポリエステル樹脂(D)の水酸基価が0.1〜50mgKOH/gである場合にはポリイソシアネート化合物が、また、酸価が0.1〜50mgKOH/gである場合には、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、もしくは金属キレート化合物が好ましく用いられる。これらは、架橋反応後の樹脂組成物の接着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
例えば、ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体や、イソシアヌレート環を有する3量体等も使用することができる。
さらには、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のうちのいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。
また、ポリオールとジイソシアネートとの反応生成物もポリイソシアネートとして使用することができる。
これらポリイソシアネート化合物の内、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性、耐熱性あるいは耐湿熱性の点から、特に好ましい。
反応性化合物(F)としてポリイソシアネート化合物を使用する場合、反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられ、単独でもあるいは複数を使用することもできる。
反応性化合物(F)としてのエポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
反応性化合物(F)としてのアジリジン化合物の例としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4−ビス−N,N′−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N′−エチレンウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられる。
反応性化合物(F)としてのカルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジイミドを用いることができる。
また、カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。
このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、または、これらの混合物を使用することができる。
カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。
このような高分子量ポリカルボジイミドとしては日清紡績株式会社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01,03,05,07,09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
反応性化合物(F)としてのオキサゾリン化合物としては、分子内にオキサゾリン基を2個以上有する化合物が好ましく用いられ、具体的には、2′−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。または、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンなどのビニル系単量体と、これらのビニル系単量体と共重合しうる他の単量体との共重合体でもよい。
反応性化合物(F)としての金属キレート化合物の例としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属がアセチルアセトンやアセト酢酸エチルに配位した化合物が挙げられる。
これらの反応性化合物(F)は、単独で用いてもよいし、あるいは複数を使用することもできる。
本発明の感圧式接着剤組成物は、ポリエステル樹脂(D)100重量部に対して、反応性化合物(F)を0.001〜20重量部含有することが好ましく、0.01〜10重量部含有することがより好ましい。反応性化合物(F)の使用量が、20重量部を越えると得られる感圧式接着剤組成物の接着性が低下傾向となり、樹脂層の凝集力が低く、繰り返し使用時での安定性や耐久性に劣り、好ましくない。また0.001重量部未満では、充分な架橋構造が得られないため、凝集力が低下し、耐熱性、耐湿熱性が低下する傾向にあるため、好ましくない。
ポリエステル樹脂(D)中の水酸基あるいはカルボン酸基と反応性化合物(F)中の官能基との反応により、樹脂組成物が三次元架橋し、各種基材や被着体との密着性を確保するだけでなく、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができるため、光学部材用として好ましく使用することができる。
本発明の感圧式接着剤組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤や光安定剤あるいは蛍光増白剤等の波長制御剤(H)をポリエステル樹脂(D)100重量部に対して、0.001〜20重量部の割合で含有することができる。これらは400nm以下の波長を有する紫外線を確実に遮蔽するために、いずれも化合物(E)の補助的に使用され得るものであるが、0.001重量部未満であると紫外線遮蔽補助機能は期待できないし、10重量部以上では、ポリエステル樹脂(D)や該樹脂(D)を用いて得られる積層体の透明性が低下したり、化合物自身の色による着色が問題となるため、好ましくない。
なお、上記の紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤等の波長制御剤(H)としての複数の効能を有する化合物も使用可能である。
ここに、紫外線吸収剤とは、一般的に波長約200〜380nmの紫外線を吸収して熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出させる効能を有する化合物である。
紫外線吸収剤としては、例えば、無機系化合物として、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化タリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子を用いることができる。なかでも酸化亜鉛が無色、透明性の点から好ましい。
また有機系化合物として、例えば、ベンゾトリアゾール系,トリアジン系,ベンゾオキサジン系、サリチル酸エステル系,ジフェニルメタノン系,2−シアノプロペン酸エステル系、アントラニレート系、ケイヒ酸誘導体系、カンファー誘導体系、ベンザルマロネート誘導体系、レゾルシノール系、オキザリニド系、クマリン誘導体系等が使用できる。
ベンゾトリアゾール系としては、例えば2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール等を挙げることができる。
トリアジン系としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4,6−トリス−(ジイソブチル4’−アミノ−ベンザルマロネート)−s−トリアジン、4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
ジフェニルメタノン系としては、例えば、ジフェニルメタノン、メチルジフェニルメタノン、4−ヒドロキシジフェニルメタノン、4−メトキシジフェニルメタノン、4−オクトキシジフェニルメタノン、4−デシルオキシジフェニルメタノン、4−ドデシルオキシジフェニルメタノン、4−ベンジルオキシジフェニルメタノン、4,2′,4′−トリヒドロキシジフェニルメタノン、2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシジフェニルメタノン、4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ−ジフェニルメタノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾインエチルエーテルなどが挙げられる。
2−シアノプロペン酸エステル系としては、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル等が挙げられる。
サリチル酸エステル系としては、例えば、サリチル酸イソセチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸グリコール、サリチル酸フェニルなどが挙げられる。
アントラニレート系としては、例えば、メンチルアントラニレート等が挙げられる。
ケイヒ酸誘導体系としては、例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート、イソプロピルメトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメート、ジイソプロピルメチルシンナメート、グリセリル−エチルヘキサノエートジメトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート等が挙げられる。
カンファー誘導体としては、例えば、ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー等が挙げられる。
レゾルシノール系としては、例えば、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイルレゾルシノール)等が挙げられる。
オキザリニド系としては、例えば、4,4′−ジ−オクチルオキシオキザニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキザニリド、2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2,2′−ジ−ドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキザニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキシオキザニリド等が挙げられる。
クマリン誘導体系としては、例えば、7−ヒドロキシクマリン等が挙げられる。
光安定剤とは、光エネルギーによって発生したラジカルによる自動酸化分解を低減させ、樹脂劣化を抑制する効能を有する化合物である。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物(「HALS」と略記する。)等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)アルキルアミンニッケル、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。
蛍光増白剤とは、染料の一種であり、紫外線を吸収して、青白い光(蛍光)に変えて、白色感を増加させる効能を有する化合物である。
蛍光増白剤としては、ベンズオキサゾ−ル系、トリアジン系、ピラゾリン系、クマリン系化合物等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、光学用感圧式接着剤組成物として好適であり、有機溶剤を含有することが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、各種樹脂、シランカップリング剤、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤および老化防止剤等を配合しても良い。
本発明の感圧式接着剤組成物を使用して、接着剤層とシート状基材とからなる積層製品(以下、「接着シート」という。)を得ることができる。
例えば、種々のシート状基材に本発明の感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥・硬化することによって接着シートを得ることができる。
感圧式接着剤組成物を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒を添加して、粘度を調整することもできるし、感圧式接着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。ただし、水酸基を含有する溶剤は用いることができない。
シート状基材としては、セロハン、各種プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴムびき布、樹脂含浸布、ガラス板、金属板、木材等の平坦な形状のものが挙げられる。また、各種基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。さらに表面を剥離処理したものを用いることもできる。
各種プラスチックシートとしては、各種プラスチックフィルムともいわれ、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
常法にしたがって適当な方法で上記シート状基材に感圧式接着剤組成物を塗工した後、感圧式接着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、液状媒体を除去したり、感圧式接着剤組成物が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある接着剤層を冷却して固化したりして、シート状基材の上に感圧式接着剤層を形成することができる。
感圧式接着剤層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、200μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の感圧式接着剤組成物をシート状基材に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。
乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては接着剤組成物の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
本発明の積層体は、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の種々の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通り「フィルム」ともいう)状の光学部材に、本発明の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層が積層された状態のものである。感圧式接着剤層の他の面には、剥離処理されたシート状基材を積層することができる。
本発明の積層体は、
(ア)剥離処理されたシート状基材の剥離処理面に感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、シート状の光学部材を感圧式接着剤層の表面に積層したり、
(イ)シート状の光学部材に感圧式接着剤組成物を塗工、乾燥し、感圧式接着剤層の表面に剥離処理されたシート状基材の剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
このようにして得た樹脂積層体から樹脂層の表面を覆っていた剥離処理されたシート状基材を剥がし、露出した樹脂層を有機EL用ガラス部材に貼着することによって、シート状の光学部材/樹脂層/有機EL用ガラス部材という構成の有機ELセル用部材を得ることができる。
本発明の感圧式接着剤は、ポリエステル樹脂で構成されているため、基材への密着性を向上させており、耐可塑剤性や低温接着性に優れ、発泡体の様な基材に対する密着性が必要とされる用途にも、好適に使用される。特に主鎖骨格に芳香環を含有することができるため、該感圧式接着剤組成物の乾燥及び/又は硬化後の屈折率は、1.45以上を維持することが可能である。光学部材用フィルムやガラス等の光学用部材に使用される材料の屈折率は、先に述べたように、1.50〜1.58程度のものであり、感圧式接着剤組成物を乾燥及び/又は硬化させた後の屈折率が1.45未満であると光学フィルムや光学用部材との屈折率差が大きくなる。そのため、例えば、該感圧式接着剤組成物から得られる接着剤層が光学フィルムの一種であるフィルム導光板上に設けられた場合、浅い角度で全反射が起こり、光の有効的な利用性が低下する場合がある。また、光学フィルムや光学用部材との屈折率差を低減するために、本発明の感圧式接着剤組成物の乾燥及び/又は硬化後の屈折率が1.49〜1.60の範囲で制御できることも重要である。特に1.50〜1.58の範囲で制御が可能である。
また本発明の感圧式接着剤組成物は、液晶セル部材に使用される偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、紫外線吸収フィルム、ウィンドウフィルム等の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通りフィルムともいう)状の光学部材にも使用できる。
以下に、この発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、この発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、特にことわらない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
<ポリエステル(D)の製造>
(合成例1)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、下記、水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)、カルボキシル基を有しないジオール(B)と、側鎖官能基導入用成分(C)とをそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
トリメチロールプロパン(c1) 7部
ネオペンチルグリコール(B) 57部
1,4−ブタンジオール(B) 30部
1,6−ヘキサンジオール(B) 26部
イソフタル酸(A) 116部
セバシン酸(A) 61部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、100℃に昇温した。100℃で1時間保持した後、約8時間かけて徐々に180〜240℃に上げて脱水反応を行った。次いで、酸価が15以下になったら、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を加えて、徐々に減圧し、1〜3トール、260℃で5時間反応を行い、徐々に冷却して、トルエン/酢酸エチル混合溶液(重量比=1/3)に溶解して反応を終了した。
この反応溶液は淡黄色透明で不揮発分50.1重量%、粘度4,700mPa・sであり、ポリエステル樹脂の酸価0.3mgKOH/g、水酸基価10.2mgKOH/g、ガラス転移温度−30℃、重量平均分子量90,000であった。
(合成例2)
合成例1において側鎖官能基導入用成分(C)として用いたトリメチロールプロパン(c1)の代わりに、無水トリメリット酸(c2)を10.5部用い、更にセバシン酸(A)の量を50.5部に変更した以外は合成例1と同様に反応し、トルエン/酢酸エチル混合溶液(重量比=1/3)に溶解して、淡黄色透明で不揮発分50.2重量%、粘度5,600mPa・sのポリエステル樹脂の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価5.5mgKOH/g、水酸基価1.5mgKOH/g、ガラス転移温度−30℃、重量平均分子量105,000であった。
(合成例3)
合成例1において側鎖官能基導入用成分(C)として用いたトリメチロールプロパン(c1)の代わりに、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(c3)を13.2部用いた以外は合成例1と同様に反応し、トルエン/酢酸エチル混合溶液(重量比=1/3)に溶解して、淡黄色透明で不揮発分50.0重量%、粘度4,500mPa・sのポリエステル樹脂の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価0.5mgKOH/g、水酸基価11.7mgKOH/g、ガラス転移温度−40℃、重量平均分子量85,000であった。
(合成例4)
合成例1において側鎖官能基導入用成分(C)として用いたトリメチロールプロパン(c1)の代わりに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(c4)を8.1部用いた以外は合成例1と同様に反応し、トルエン/酢酸エチル混合溶液(重量比=1/3)に溶解して、淡黄色透明で不揮発分50.1重量%、粘度4,000mPa・sのポリエステル樹脂の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価4.2mgKOH/g、水酸基価1.2mgKOH/g、ガラス転移温度−40℃、重量平均分子量82,000であった
(合成例5)
合成例1において側鎖官能基導入用成分(C)として用いたトリメチロールプロパン(c1)の代わりに、2−ヒドロキシブタン二酸(c5)を6.7部用い、更にセバシン酸(A)の量を50.5部に変更した以外は合成例1と同様に反応し、トルエン/酢酸エチル混合溶液(重量比=1/3)に溶解して、淡黄色透明で不揮発分50.0重量%、粘度4,300mPa・sのポリエステル樹脂の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価0.3mgKOH/g、水酸基価10.5mgKOH/g、ガラス転移温度−40℃、重量平均分子量80,000であった。
(合成例6)
合成例1において得られたポリエステル樹脂(D)溶液100部に、環状エステル化合物(G)としてε−カプロラクトン(g1)を6部加え、更に触媒としてテトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート0.1部を加えて、重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、100℃に昇温し10時間反応した。次いで冷却後、トルエン/酢酸エチル混合溶液(重量比=1/3)に溶解して、淡黄色透明で不揮発分50.1重量%、粘度4,600mPa・sのポリエステル樹脂(D2)の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価0.1mgKOH/g、水酸基価5.3mgKOH/g、ガラス転移温度−45℃、重量平均分子量88,000であった。
(合成例7)
合成例3において得られたポリエステル樹脂(D)溶液100部に、環状エステル化合物(G)としてε−カプロラクトン(g1)を6部加え、合成例6と同様に反応して、淡黄色透明で不揮発分50.1重量%、粘度4,800mPa・sのポリエステル樹脂(D2)の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価0.1mgKOH/g、水酸基価4.8mgKOH/g、ガラス転移温度−45℃、重量平均分子量95,000であった。
(合成例8)
合成例5において得られたポリエステル樹脂(D)溶液100部に、環状エステル化合物(G)としてε−カプロラクトン(g1)を6部加え、合成例6と同様に反応して、淡黄色透明で不揮発分50.1重量%、粘度4,600mPa・sのポリエステル樹脂(D2)の溶液を得た。ポリエステル樹脂の酸価0.1mgKOH/g、水酸基価4.2mgKOH/g、ガラス転移温度−45℃、重量平均分子量86,000であった。
(合成例9)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、ポリエステルポリオール,酸無水物類,分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3),環状エステル化合物(b),触媒および有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
ポリエステルジオール*(B) 376部
*クラレポリオール P4010(クラレ社製)
無水コハク酸(A) 18部
トルエン 76部
酢酸エチル 30部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 0.5部
[滴下装置]
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(c3) 34部
ε−カプロラクトン(g1) 32部
テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート(触媒) 1部
酢酸エチル 47部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、100℃に昇温し、8時間反応させた。次いで、滴下装置より上記混合物を1時間かけて等速滴下した。
滴下終了後、さらに攪拌しながら8時間後にテトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート1部を添加し、更に8時間熟成した後、過剰の水酸基を減らすために、フェニルイソシアネート39部を1時間かけて等速滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら6時間熟成した後、トルエン/酢酸エチル混合溶液加えて室温まで冷却し、ポリエステル樹脂(D2)の溶液を得た。
この反応溶液は淡黄色透明で不揮発分50.3重量%、粘度12,000mPa・sであり、樹脂の酸価0.2mgKOH/g、水酸基価17.8mgKOH/g、ガラス転移温度−20℃、重量平均分子量130,000であった。
<アクリル樹脂の製造>
(合成例10)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、下記アクリルモノマーをそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
アクリル酸n−ブチル 19.5部
メタクリル酸メチル 4部
メタクリル酸4−ヒドロキシエチル 1.5部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 19.5部
アクリル酸メチル 4部
アクリル酸4−ヒドロキシエチル 1.5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中、環流温度下で反応を開始した。重合率が約70%まで達したところで、滴下装置から上記アクリルモノマーと重合開始剤及び有機溶剤との混合物の滴下を開始した。滴下終了後、さらに攪拌しながら8時間熟成した後、トルエンを加えて室温まで冷却し、アクリル樹脂を含む透明な溶液を得た。
この反応溶液は無色透明で不揮発分30.0重量%、粘度7,000mPa・sであり、樹脂の酸価0.1mgKOH/g、水酸基価12.8mgKOH/g、ガラス転移温度−40℃、重量平均分子量800,000であった。
合成例1〜9で得られたポリエステル樹脂(D)、及び合成例10で得られたアクリル樹脂について、溶液の外観、不揮発分、ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、酸価(AV)及び水酸基価(OHV)を以下の方法に従って求め、結果を表1に示した。
《溶液外観》
各樹脂溶液の外観を目視にて評価した。
《不揮発分(TS)の測定》
各樹脂溶液約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(固形分)とした(単位:%)。
《溶液粘度(Vis)の測定》
各樹脂溶液を25℃中でB型粘度計(東京計器社製)にて、12rpm、1分間回転の条件で測定した(単位:mPa・s)。
《重量平均分子量(Mw)の測定》
Mwの測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。
GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
《ガラス転移温度(Tg)の測定》
ロボットDSC(示差走査熱量計)「RDC220」(セイコーインスツルメンツ社製)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して測定した。
アルミニウムパンに試料約10mgを秤量してDSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパンとした。)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg)を算出した(単位:℃)。
《酸価(AV)の測定》
共栓三角フラスコ中に試料(ポリエステル樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
《水酸基価(OHV)の測定》
共栓三角フラスコ中に試料(ポリエステル樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<化合物(E)の製造>
(合成例11)
(I)置換型ベンゼンカルボン酸の合成
温度計、コンデンサー、滴下装置、及び撹拌機を備えた1lの四つ口フラスコに窒素気流下で、水 250ml、イソプロピルアルコール(IPA)100ml、4−ヒドロキシ安息香酸69.1g(0.5mol)、48%水酸化ナトリウム水溶液 100.0g、ヨウ化カリウム 0.85gを仕込み、60℃に昇温し加熱撹拌した。そこに、エチレンクロロヒドリン 48.3gを1時間かけて滴下し、滴下終了後80℃に昇温し、その温度を維持しながら3時間反応を続けた。その後、水 150mlを加えてから30℃に冷却し、75%硫酸水溶液でpH3に調製して析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで再結晶して4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸68.7gを得た。
(II)置換型ベンゼンカルボン酸エステルの合成
温度計、コンデンサー、滴下装置、及び撹拌機を備えた1lの四つ口フラスコに窒素気流下で、メタノール 260g、上記(I)で得た4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸56.0g(0.5mol)、98%硫酸水溶液14.0gを仕込み、65℃で10時間反応させた。反応終了後、メタノールを除去し、5℃まで冷却した後、水 70ml、トルエン220mlを投入し、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5付近に調製した。その後、30℃で分液ロートにて下層を分液し、上層のトルエン層を50mlの水で水洗した後、5℃まで冷却し析出した結晶を濾過し、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸メチルエステル55.3gを得た。
(III)ジフェニルβジケトンの合成(クライゼン縮合反応)
温度計、コンデンサー、滴下装置、及び撹拌機を備えた1lの四つ口フラスコに窒素気流下で、テトラヒドロフラン(THF) 65mlと、ナトリウムアミド12.0gを水8.0gに溶解した水溶液20.0gを仕込み、これに4′−メトキシアセトフェノン 24.0g(0.16mol)をTHF 35mlに溶解させた溶液を滴下した。40℃に昇温した後、上記(II)で得た4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸メチルエステル 31.7g(0.18mol)をTHF 80mlに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後60℃に昇温して10時間反応を行った。反応終了後、40℃に冷却し、水 200ml、トルエン 120mlを投入し、75%硫酸水溶液でpHを3付近に調製し、分液ロートにて下層を分液し、上層のトルエン層を50mlの水で水洗した後、このトルエン層をエバポレーターで濃縮した後、IPAで再結晶を行い、融点 120℃である白色結晶性粉末の1−[p−(2−ヒドロキシ)エトキシフェニル]−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン 46.0g(収率:82.6%)を得た。
(合成例12〜30)
合成例11と同様にして、置換型芳香族カルボン酸類と置換型芳香族ケトン類から、表2に示すようにジフェニルβジケトン誘導体をそれぞれ作製した。
合成例10〜30で得られたジフェニルβジケトン誘導体(E)について、色相、形状、収率(%)及び融点(Tm)について、以下の方法に従って求め、結果を表3に示した。
《色相》
ジフェニルβジケトン誘導体(E)の色相を目視にて評価した。
《性状》
ジフェニルβジケトン誘導体(E)の性状を目視にて評価した。
《収率》
原料成分の置換型芳香族カルボン酸エステルと置換型芳香族ケトンの重量及び生成したジフェニルβジケトン誘導体(E)の重量とから算出し、収率として百分率(%)で示した。
《融点(Tm)の測定》
ロボットDSC(示差走査熱量計)「RDC220」(セイコーインスツルメンツ社製)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して測定した。試料約10mgを秤量し、アルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットした(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)。窒素気流下、この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートの吸熱ピークから融点を測定した。
Figure 2008297478
Figure 2008297478
Figure 2008297478
(実施例1)
合成例1で得られたポリエステル樹脂(D)の溶液(固形分約50%)100重量部に対して、合成例11で作製したジフェニルβジケトン誘導体(E)を0.5重量部、及びトルエン25部を加え、更に反応性化合物(F)として、TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)2.5重量部を加えてよく撹拌して、本発明の感圧式接着剤組成物を得た。これを剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、樹脂層を形成した。
形成された樹脂層に、反射防止フィルムの片面を接触させ、剥離フィルム/樹脂層/反射防止フィルムという構成の積層体を得た。
次いで、得られた積層体を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、樹脂層の架橋反応を進行させ、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(比較例1〜6)
実施例1で使用したジフェニルβジケトン誘導体の代わりに、表4に従い、トリアジン系紫外線吸収剤として2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(比較例1)を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕(比較例2)を、ジフェニルメタノン系紫外線吸収剤として、4,2′,4′−トリヒドロキシジフェニルメタノン(比較例3)を、2−シアノプロペン酸エステル系紫外線吸収剤として、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル(比較例4)を、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤として、サリチル酸イソセチル(比較例5)を、また蛍光染料として、商品名「EZCG8006」(イージーブライト社製)(比較例6)を、それぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(比較例7)
実施例1で使用したポリエステル樹脂(D)の代わりに、合成例10で作成したアクリル樹脂100部を使用し、合成例11で作製したジフェニルβジケトン誘導体(E)を0.3重量部、及びトルエン15部を加え、更に反応性化合物(F)として、TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)1.5重量部を加えてよく撹拌して実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(実施例2〜20)
実施例1で使用したジフェニルβジケトン誘導体の代わりに、合成例12〜30で得られたジフェニルβジケトン誘導体(E)をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(実施例21、23)
合成例2、4で得られたポリエステル樹脂(D)の溶液100重量部に対して、トルエン25部を加え、更に反応性化合物(F)として、HBAP(2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート])0.25重量部を加えてよく撹拌して、本発明の感圧式接着剤組成物を得た。これを実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(実施例22、24、31、32、33)
合成例1で得られたポリエステル樹脂(D)溶液の代わりに、合成例3、5、7、8、9で得られたポリエステル樹脂(D)溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(実施例25〜28)
実施例15の樹脂組成物に、更に紫外線吸収剤として、トリアジン系紫外線吸収剤として2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(実施例25)を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕(実施例26)を、ジフェニルメタノン系紫外線吸収剤として、4,2′,4′−トリヒドロキシジフェニルメタノン(実施例27)を、ヒンダードアミン系安定剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(実施例28)を、それぞれ0.01部加えたこと以外は実施例15と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
(実施例29)
合成例1で得られたポリエステル樹脂(D)溶液の代わりに、合成例2で得られたポリエステル樹脂(D)溶液を、合成例11で得られたジフェニルβジケトン誘導体(E)の代わりに合成例25で得られた化合物(E)にそれぞれ変更して用いたこと以外は実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
実施例および比較例での各配合比率については、表4に示す。
Figure 2008297478
実施例および比較例で得られた感圧式接着加工した反射防止板(積層体)について、耐熱性能、耐湿熱性能、光学特性(ヘイズ)および紫外線遮蔽性能を以下の方法で評価した。結果を表5に示す。
《耐熱性能、耐湿熱性能の評価方法》
感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を150mm×80mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面にラミネーターを用いてそれぞれ貼着した。続いて、この反射防止板が貼り付けられたガラス板を50℃5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて反射防止板をガラス板に密着させた。更に、この反射防止板とガラス板の積層物を120℃の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐熱性能)、80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐湿熱性)を目視で観察し、3段階で評価した。
○:「浮きハガレ・フィルム白化が全く認められない。実用上全く問題ない。」
△:「若干浮きハガレ・フィルム白化が認められるが、実用上問題がない。」
×:「全面的に浮きハガレ・フィルム白化があり、実用不可である。」
《光学特性(ヘイズ)の評価方法》
各実施例、比較例で得られた樹脂組成物を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工して乾燥させ、厚さ25μmの樹脂層を設けた後に、更に剥離処理されたポリエステルフィルムを被せた。この剥離処理ポリエステルフィルムに挟まれた樹脂層を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後、剥離処理ポリエステルフィルムを取り除き、樹脂層単体の外観を目視判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A」[日本電色工業(株)社製]で測定した。
○:「実用上全く問題がない。ヘイズ:1未満。」
△:「曇り等は認められない。ヘイズ:1以上3未満。実用上問題がない。」
×:「若干曇りが認められ、実用上問題がある。ヘイズ:3以上。」
《紫外線遮蔽能の評価方法》
各実施例、比較例で得られた感圧式接着加工した反射防止板を25mm×150mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラスの一方の面にラミネータを用いて貼り付け、50℃5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラス板に密着させ、反射防止板とガラス板の積層物を得た(初期)。
この積層物を120℃の環境下で1000時間放置した(高温放置)。
また、上記初期積層物を80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した(高温高湿放置)。
各積層物について、23℃相対湿度50%の条件下でUbest V−570」(日本分光(株)社製)を用いて400nm以下の紫外線遮蔽能を以下の3段階で評価した。
○:「各積層物とも400nm以下の紫外線のカット率が100%であり、実用上全く問題なし。」
△:「各積層物とも400nm以下の紫外線のカット率95%以上100%未満であり、実用上問題がある。」
×:「いずれか1つ以上の積層物の400nm以下の紫外線のカット率95%未満であり、実用不可である。」
《塗膜の屈折率の評価方法》
実施例および比較例で得られた感圧式接着剤組成物を剥離フィルム上に塗工し、120℃のオーブンにて乾燥して、厚さ25μmの感圧式接着剤層を設けた後、ポリエステルフィルムを貼り合わせて積層させ、感圧式接着シートを作製した。
その後、アッベ屈折率計「DR−M2」[ATAGO社製]にて、25℃雰囲気下、ナトリウムD線を照射して、接着シート上の接着剤層の屈折率を測定した。
Figure 2008297478
本発明の感圧式接着剤組成物は、ポリエステル樹脂特有の凝集力を維持しつつ、主鎖骨格に芳香環や脂環を導入したポリマーを形成することができるため、アクリル系樹脂では得られなかった接着物性を発現させることができる。その例として、本発明の様な光学積層体での耐熱性、耐湿熱性、高透明性、光学特性、耐薬品性、紫外線遮蔽性等が挙げられる。特に、光学積層体の用途では、外部からの紫外線などによる発光輝度の低下や発光色の退色の防止だけでなく、明所でのコントラストを向上させることができるため、有機EL素子等に好適に用いられるだけでなく、光学特性である、光漏れのないことが重要視され、近年のディスプレイの大型化に伴い、屈折率の制御やリワーク時の帯電防止等、その要求性能はますます厳しくなってきている。そこで、本発明の感圧式接着剤組成物は、上述のようにこれまでは困難であった特性を発揮できるため、さらに有用になると考えられる。
また、本発明の感圧式接着剤組成物は、光学部材用樹脂組成物として好適であるほか、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、タッキファイヤ、接着剤、積層構造体用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。

Claims (8)

  1. ガラス転移温度が−80〜0℃の範囲である、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)、一般式(I)で示される化合物(E)及び前記樹脂(D)中の水酸基及び/またはカルボキシル基と反応し得る反応性化合物(F)を含むことを特徴とする感圧式接着剤組成物。
    Figure 2008297478
    [一般式(I)中、R1〜R10はH、OH、COOH、CH2CH2CH2−DMSi(DMSi:ジメチルポリシロキシ基)、アミン系官能基、炭素数1〜26である直鎖もしくは分岐鎖状あるいは脂環状炭化水素基、炭素数1〜26であるアルコキシ基及び炭素数2ないし3であるポリオキシアルキレン基から選ばれるいずれかであり、更に、R1、R6はヘテロ原子を含んでいても良い環状炭化水素基または環状炭化水素のアルコキシ基であっても良い。]
  2. 側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)100重量部に対して化合物(E)0.01〜20重量部及び反応性化合物(F)0.001〜20重量部を含むことを特徴とする請求項1記載の感圧式接着剤組成物。
  3. 側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)が、
    水酸基を有しない二塩基酸系成分(A)と、
    カルボキシル基を有しないジオール(B)と、
    3価以上の多価アルコール(c1)、3価以上の多価カルボン酸(c2)、分子内に環状エーテル基を2個有する化合物(c3)、一分子中に水酸基2個とカルボキシル基1個以上とを有するジオキシカルボン酸(c4)及び一分子中にカルボキシル基2個と水酸基1個以上を有するオキシジカルボン酸(c5)からなる群より選ばれる少なくとも一種の側鎖官能基導入用成分(C)とを反応させてなるポリエステル系樹脂(D1)であることを特徴とする請求項1または2記載の感圧式接着剤組成物。
  4. 側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D)が、側鎖に水酸基及び/またはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(D1)中の前記側鎖官能基に、さらに環状エステル化合物(G)が開環付加してなる、前記環状エステル化合物(G)の開環部を側鎖とし、該開環部の末端に水酸基を有するポリエステル樹脂(D2)であることを特徴とする請求項3記載の感圧式接着剤組成物。
  5. 反応性化合物(F)がポリエステル系樹脂(D)中の側鎖官能基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
  6. ポリエステル系樹脂(D)100重量部に対して、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤から選ばれるいずれかの1種以上を0.001〜20重量部含むことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の感圧式接着剤組成物。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体。
  8. 有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材、請求項1ないし6いずれか記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層及び光学部材が順次積層されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用部材。
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