JP2008296433A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリッジのスライド移動により簡易に記録ヘッドを上下動させることができ、かつ装置の大型化やコストアップを伴わない手段を提供する。
【解決手段】キャリッジ38は、ガイドフレーム43,44に摺接してキャリッジ本体85を支持する摺動部材86と、摺動部材86を上下動可能に支持する支持部材96と、摺動部材86を上方へ弾性付勢するコイルバネ87と、摺動部材86と支持部材96との間にキャリッジ38の往復動方向にスライド移動可能に介在されるて、そのスライド位置により摺動部材86と支持部材96との間隔を変位させるギャップ調整部材88とを備える。キャリッジ38が往復動する領域にはギャップ調整部材88と当接する第1当接壁106及び第2当接壁107が設けられている。ガイドフレーム43,44には、キャリッジ38を担持する担持部材130,131,132が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、被記録媒体の搬送方向と交差する方向にそれぞれ延出されたガイドフレーム上を搬送方向と交差する方向に往復動されるキャリッジと、そのキャリッジに搭載された記録ヘッドとを具備するインクジェット記録装置に関する。
従来より、記録ヘッドからインク滴を選択的に吐出して被記録媒体に着弾させることにより、被記録媒体に画像記録を行う所謂インクジェット方式の画像記録装置が知られている。記録ヘッドは、ガイドフレームやガイドシャフトにより支持されたキャリッジに搭載されて、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復動される。この往復動の間に、記録ヘッドからインク滴が被記録媒体に選択的に吐出される。記録ヘッドが、ガイドフレーム等に支持されたキャリッジに搭載され、かつ、被記録媒体がプラテン上に支持されることにより、記録ヘッドが往復動される領域内で、記録ヘッドと被記録媒体との間の距離(ギャップ)が一定に保持されている。
記録ヘッドと被記録媒体との間の距離は、記録画像の鮮明さに影響する。被記録媒体として、例えば紙製のシートが用いられる場合には、記録ヘッドのインク吐出面からシートの画像記録面までの距離は、シートの厚みにより異なる。例えば、紙製の被記録媒体には、普通紙や写真印刷用光沢紙、はがき、封筒などがあり、それぞれ厚みが異なる。この厚みによりギャップが変化すると記録画像の品質が変化し、所望の品質の画像を被記録媒体に記録できないという問題が生じる。また、最近では、記録画像の高画質化のために、記録ヘッドから吐出されるインク滴が小滴化されるに伴い、記録ヘッドと被記録媒体とのギャップが狭く設定されており、厚みのある被記録媒体が記録ヘッドに擦れるおそれが高まっている。これに対し、被記録媒体の厚みに応じて記録ヘッドを被記録媒体の厚み方向に移動させる構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2003−231326号公報 特開2003−341173号公報 特開2003−175654号公報
特許文献1では、キャリアシャフトに外嵌するキャリア本体に対して、可動体を記録紙の厚さ方向に移動自在にして、該可動体に印刷ヘッドを搭載し、可動体移動機構により可動体を移動させる構成が開示されている。このような構成を、ガイドフレームのような平板状の部材の上を摺動するキャリッジに適用して、該キャリッジのキャリア本体に上記可動体を搭載し、上記と同様の可動体移動機構により該可動体を移動させることも可能であるが、キャリッジがキャリッジ本体と可動体の二重構造になるために、キャリッジが大型化し、構造も複雑になるという問題がある。特許文献2も特許文献1と同様の二重構造なので、同様の問題が生じる。
また、特許文献2,3では、キャリアシャフトを回動軸としてキャリッジを回動させることによりギャップを調整するものなので、記録ヘッドが水平にならない場合が生じ、被記録媒体の搬送方向においてギャップが変化する。従って、該搬送方向に記録ヘッドが長くなった場合に、特に顕著に画像品質が劣化するおそれがあるという問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、ガイドフレームに載置されて往復動されるキャリッジに搭載された記録ヘッドを、被記録媒体の厚み等に応じて上下動させることができる手段を提供することを目的とする。特に、キャリッジのスライド移動により簡易に記録ヘッドを上下動させることができ、かつ装置の大型化やコストアップを伴わない手段を提供することを目的とする。
(1) 本発明にかかるインクジェット記録装置は、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に延出されたガイドフレームと、上記ガイドフレームに支持されて、該ガイドフレーム上を上記搬送方向と交差する方向に往復動されるキャリッジと、上記キャリッジが往復動されるための駆動力を発生させる駆動源と、上記駆動源から上記キャリッジへ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、上記キャリッジに搭載されてインクを吐出する記録ヘッドと、上記キャリッジに設けられて上記ガイドフレームと摺接し、該キャリッジを該ガイドフレームに対して所定の高さに支持する摺動部材と、上記キャリッジに設けられて上記摺動部材を該キャリッジに対して上下動可能に支持する支持部材と、上記摺動部材を上記支持部材に対して上方へ弾性付勢する付勢部材と、上記摺動部材と上記支持部材との間にキャリッジの往復動方向にスライド移動可能に介在されるとともに、スライド方向両端である第1端及び第2端の少なくとも一方が上記キャリッジから往復動方向へ突出され、その第1端側において上記摺動部材と上記支持部材との間隔を拡げ、その第2端側において当該間隔を狭めるギャップ調整部材と、上記キャリッジが往復動する領域に設けられて、上記ギャップ調整部材の第1端と当接しうる第1当接壁と、上記キャリッジが往復動する領域に設けられて、上記ギャップ調整部材の第2端と当接しうる第2当接壁と、上記摺動部材を上記ガイドフレームから離間させ、かつ上記ギャップ調整部材の第1端が上記第1当接壁と当接可能に上記キャリッジを担持する担持部材と、を具備する。
駆動源により発生される駆動力は、駆動伝達機構を通じてキャリッジへ伝達される。これにより、記録ヘッドを搭載したキャリッジが、ガイドフレーム上において、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復動される。キャリッジが往復動される際に、記録ヘッドからインクが吐出され、搬送された被記録媒体に画像記録がなされる。キャリッジは、摺動部材によりガイドフレーム上の所定高さに支持されている。摺動部材は、キャリッジに設けられた支持部材に支持されてガイドフレームに摺接されており、かつキャリッジに対して上下動可能である。また、摺動部材は、付勢部材により支持部材に対して上方へ弾性付勢されている。摺動部材と支持部材との間にはギャップ調整部材がキャリッジの往復動方向にスライド移動可能に設けられている。また、ギャップ調整部材のスライド方向両端である第1端及び第2端の少なくとも一方がキャリッジから往復動方向へ突出されている。ギャップ調整部材が介在されることにより、摺動部材が、付勢部材による弾性付勢に抗してギャップ調整部材の厚み分だけ下方へ移動される。ギャップ調整部材の第1端側が介在されると摺動部材と支持部材との間隔が拡げられ、第2端側が介在されるとその間隔が狭められる。つまり、ギャップ調整部材のスライド位置に基づいて、摺動部材と支持部材との間隔が変位して、摺動部材が支持するキャリッジ本体の高さが変化する。これにより、記録ヘッドと被記録媒体とのギャップが調整される。
キャリッジが往復動する領域には、ギャップ調整部材の第1端又は第2端と当接しうる第1当接壁及び第2当接壁が設けられている。ギャップ調整部材の第1端が第1当接壁と当接する際に、キャリッジが担持部材に担持される。これにより、摺動部材がガイドフレームから離間される。つまり、キャリッジはガイドフレームから浮いた状態に持ち上げられる。キャリッジが担持部材に担持されることにより、キャリッジ及び記録ヘッドの重量に基づく負荷が、ギャップ調整部材のスライド移動に関与しない。したがって、ギャップ調整部材をスライド移動させるために必要な駆動力を小さくすることができる。
(2) 上記ギャップ調整部材として、第1端側において上記摺動部材と上記支持部材との間に介在される第1調整部位の肉厚に対して、第2端側において上記摺動部材と上記支持部材との間に介在される第2調整部位の肉厚が薄く、かつ当該第1調整部位と当該第2調整部位との間に第1傾斜面を有するものがあげられる。また、上記担持部材として、上記ガイドフレームから上方へ隆起されて当該ガイドフレーム上を往復動する上記キャリッジと当接する第2傾斜面と、当該第2傾斜面の上端と連続して形成されて上記キャリッジを支持する水平面と、を有するものがあげられる。この場合において、上記第2傾斜面の水平方向に対する第2傾斜角度が、上記第1傾斜面の水平方向に対する第1傾斜角度より小さいことが好適である。
前述されたギャップ調整部材により、第1調整部位において摺動部材と支持部材との間隔が拡げられ、第2調整部位においてその間隔が狭められる。また、第1調整部位と第2調整部位との間に設けられた第1傾斜面によって、第1調整部位と第2調整部位との間において肉厚が緩やかに変化するので、ギャップ調整部材のスライド移動が円滑となる。また、前述された担持部材の第2傾斜面及び水平面により、キャリッジの往復動に伴ってガイドフレームからキャリッジが円滑に持ち上げられて、摺動部材がガイドフレームから離間される。
第2傾斜面の水平方向に対する第2傾斜角度が、第1傾斜面の水平方向に対する第1傾斜角度より小さくされると、ギャップ調整部材のスライド量が少なくなり、かつ、摺動部材と支持部材との間において第2調整部位から第1調整部位へギャップ調整部材をスライドさせるに必要な力が低減される。詳細には、第1傾斜角度を大きくするほど第1傾斜面が起立して前述されたスライド量が少なくなるが、付勢部材による弾性付勢に抗してギャップ調整部材をスライドさせるに必要な力は増大する。つまり、駆動源に要求される駆動力が増大する。第2傾斜角度を小さくすると、重力に抗してキャリッジを持ち上げるに必要な力が低減するので、駆動源に要求される駆動力が低減する。これにより、弾性付勢に抗してギャップ調整部材をスライドさせるタイミングと、重力に抗してキャリッジを持ち上げるタイミングとを一部重複させても、必要な駆動力の増大を抑制することができる。このようにして、ギャップ調整部材のスライド量を小さくして装置の小型化を図るとともに、駆動源に要求される駆動力の増大を抑制してコストアップを抑えることができる。
(3) 上記駆動伝達機構として、上記キャリッジが往復動する領域の一方端に設けられて上記駆動源により回転される第1プーリと、上記キャリッジが往復動する領域の他方端に設けられて上記駆動源により回転される第2プーリと、上記第1プーリ及び上記第2プーリに巻架されたベルトと、を有するものがあげられる。この場合、上記キャリッジは、上記ベルトに固定されるとともに、当該ベルトにより上記ガイドフレームへ弾性付勢されていてもよい。
キャリッジがベルトによりガイドフレームへ弾性付勢されることにより、キャリッジが往復動する際にガイドフレームから浮き上がることが防止されて、記録ヘッドと被記録媒体とのギャップが一定に保持される。一方、ベルトの弾性付勢力によって、ギャップ調整部材をスライドさせるに必要な力が増大する。これに対して、前述された構成による作用効果が有効に発揮される。
(4) 上記キャリッジが往復動する領域の上記第2当接壁側において、上記記録ヘッドがインクを吐出して画像記録を行う画像記録領域、及び上記キャリッジが当該画像記録領域において所定の移動速度へ到達するための加速領域以外の領域であるギャップ切換領域におけるキャリッジ往復動方向の距離は、上記ギャップ調整部材を第2端側から第1端側へスライド移動させるための距離とほぼ同等であることが好適である。
前述された構成によって、ギャップ調整部材のスライド量を小さくすることができるので、第2当接壁側において、ギャップ調整部材のスライドに必要なスペースのみを設けることによって装置の小型化が実現される。ここで、「ほぼ同等」とは、画像記録においてキャリッジが往復動される際に、ギャップ調整部材の第2端が第2当接壁と当接しない限りにおいて、ギャップ調整部材を第2端側から第1端側へスライド移動させて摺動部材と支持部材との間隔を狭めるに必要な距離と同じという意味である。
(5) 上記担持部材は、被記録媒体の搬送方向又はキャリッジの往復動方向において異なる少なくとも3箇所に設けられることが好適である。
キャリッジは、被記録媒体の搬送方向及びキャリッジの往復動方向に所定の寸法を有するので、担持部材が少なくとも前述された3箇所に設けられることにより、キャリッジがガイドフレームから浮いた姿勢において安定する。
(6) 上記ガイドフレームが、被記録媒体の搬送方向に隔てられて一対が設けられ、上記キャリッジが、上記一対のガイドフレームを跨ぐように載置され、上記摺動部材が、上記キャリッジの上記搬送方向両側に、上記一対のガイドフレームに対してそれぞれ設けられ、各摺動部材に対して上記支持部材及び上記付勢部材がそれぞれ設けられ、各摺動部材と各支持部材との間に介在された上記ギャップ調整部材のスライド位置により、上記キャリッジが、上記記録ヘッドを水平に維持した状態で上下動されるものが、本発明の一実施態様としてあげられる。
この実施態様によれば、記録ヘッドと被記録媒体とのギャップが、画像記録領域において水平に維持されるので、精度のよい画像記録が実現される。
(7) 上記摺動部材は、上記ガイドフレームに摺接する摺接板と、該摺接板から延出され、その延出方向に延びる案内溝が形成された足部とを備え、上記支持部材は、上記足部の案内溝に嵌入されて、該案内溝に沿って上記摺動部材を上下動可能に支持する支持リブを備え、上記ギャップ調整部材は、上記足部を肉厚方向に貫通させた状態でスライド移動可能に上記調整部位に形成された長孔を有するものが、本発明の一実施態様としてあげられる。
(8) 上記摺動部材は、上記足部の案内溝に上記支持リブが嵌入されることにより、上記スライド方向に対して位置決めされ、上記足部が上記調整部位の長孔に貫通されることにより、上記搬送方向に対して位置決めされ、上記摺接板が上記調整部位に当接されることにより、該摺接板の摺接面を上記ガイドフレームの上面に対して平行に位置決めされるものが、本発明の一実施態様としてあげられる。
この実施態様によれば、摺動部材の上下動に際して捻れや回転が生じず、キャリッジをガイドフレーム上に水平に支持することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、ギャップ調整部材の第1端が第1当接壁と当接する際に、キャリッジが担持部材に担持されるので、摺動部材がガイドフレームから離間された状態でギャップ調整部材がスライドされる。これにより、ギャップ調整部材のスライド量を増加させることなく、ギャップ調整部材をスライド移動させるために必要な駆動力を小さくすることができるので、装置の小型化とコストアップの抑制とが実現される。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。図1は、本発明にかかるインクジェット記録装置の一実施形態である複合機1の外観構成を示すものである。また、図2は、複合機1の内部構成を示す縦断面図である。図3は、プリント部2の主要構成を示す部分拡大断面図である。図4は、プリント部2の主要構成を示す平面図である。図5は、記録ヘッド39のノズル形成面を示す底面図である。図6は、記録ヘッド39の内部構成を示す部分拡大断面図である。図7は、複合機1の制御部64の構成を示すブロック図である。図8は、キャリッジ38の外観構成を示す拡大平面図である。図9は、キャリッジ38の右側面図である。図10は、キャリッジ38のX−X断面図である。図11は、摺動部材86,コイルバネ87,ギャップ調整部材88の構成を示す分解斜視図である。図12から図15は、ギャップ調整部材88をスライド移動させた状態のキャリッジ38を示す右側面図及び断面図である。図16は、担持部材130,131,132の構成を示すガイドフレーム43,44の一部拡大斜視図である。図17及び図18は、担持部材130,131,132によりキャリッジ本体85が持ち上げられる動作を示す斜視図である。なお、図8では、ガイドフレーム43が省略されており、図9から図15では、ガイドフレーム43,44が省略されている。また、図16から図18では、ガイドフレーム43,44に設けられているベルト駆動機構46などが省略されている。
[複合機1の全体構成]
複合機1は、下部にプリント部2を、上部にスキャン部3を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。複合機1のうちプリント部2が本発明にかかるインクジェット記録装置に相当し、プリンタ機能以外の機能は任意のものである。したがって、スキャン部3がなく、スキャン機能やコピー機能を有しない単機能のプリンタとして本発明が実施されてもよい。
また、本発明にかかるインクジェット記録装置を多機能装置として実施する場合には、本実施形態に示される複合機1のような小型のものであっても、複数の給紙カセットや自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えたものであってもよい。また、複合機1は、主に不図示のコンピュータ(外部情報機器)と接続されて、そのコンピュータから送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、記録用紙に画像や文書を記録する。なお、複合機1は、デジタルカメラ等の外部機器が接続されて、デジタルカメラ等から出力される画像データを記録用紙に記録したり、メモリカード等の各種記憶媒体を装填して、該記憶媒体に記録された画像データ等を記録用紙に記録することも可能である。
図1に示されるように、複合機1は高さより横幅及び奥行きが大きい幅広薄型の概ね直方体の外形である。プリント部2は、正面に開口2Aが形成されている。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、開口2Aの内部に上下2段に設けられている。給紙トレイ20は、被記録媒体である記録用紙を貯蔵するためのものであり、A4サイズ以下のB5サイズ、はがきサイズ等の各種サイズの記録用紙が収容可能である。また、給紙トレイ20は、図2に示されるように、必要に応じてスライドトレイ20Aが引き出されることによりトレイ面が拡大される。この場合には、給紙トレイ20はリーガルサイズの記録用紙をも貯蔵できる。給紙トレイ20に収容された記録用紙がプリント部2の内部へ給送されて所望の画像が記録され、排紙トレイ21へ排出される。
複合機1の上部はスキャン部3であり、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。図1及び図2に示されるように、複合機1の天板として開閉自在に設けられた原稿カバー30の下側に、プラテンガラス31及びイメージセンサ32が設けられている。プラテンガラス31には画像読取りを行う原稿が載置される。プラテンガラス31の下方には、複合機1の奥行き方向を主走査方向とするイメージセンサ32が、複合機1の幅方向(図2の紙面垂直方向)に走査可能に設けられている。
複合機1の正面上部には、プリント部2やスキャン部3を操作するための操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、各種操作ボタンや液晶ディスプレイなどの表示部から構成されている。複合機1は、操作パネル4からの操作指示に基づいて動作する。また、複合機1が外部のコンピュータに接続されている場合には、そのコンピュータからプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても複合機1が動作する。複合機1の正面の左上部には、スロット部5が設けられている。スロット部5には、記憶媒体である各種小型メモリカードが装填可能である。操作パネル4において所定の操作を行うことにより、スロット部5に装填された小型メモリカードに記憶された画像データを読み出して、その画像データに関する情報を表示部に表示させ、任意の画像をプリント部2により記録用紙に記録させることができる。
[プリント部2の構成]
以下、複合機1の内部構成、特にプリント部2の構成について説明する。図2に示されるように、複合機1の底側に設けられた給紙トレイ20の奥側には、分離傾斜板22が配設されている。分離傾斜板22は、給紙トレイ20に積載された記録用紙を分離して上方へ案内する。給紙トレイ20の上側には用紙搬送路23が形成されている。用紙搬送路23は、分離傾斜板22から上方へ向かった後、正面側へ曲がって、複合機1の背面側から正面側へと延び、画像記録ユニット24を通過して排紙トレイ21へ通じている。したがって、給紙トレイ20に収容された記録用紙は、用紙搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて画像記録ユニット24に至り、画像記録ユニット24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21へ排出される。
図3に示されるように、給紙トレイ20の上側には、給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して用紙搬送路23へ供給する。この給紙ローラ25は、給紙アーム26の先端に軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなるギヤ列27により、LFモータ71(図7参照)の駆動が伝達されて回転する。
給紙アーム26は、基軸26Aを回動軸として配設されており、給紙トレイ20に接離可能に上下動する。給紙アーム26は、自重により又はバネ等に付勢されて給紙トレイ20に接触するように下側へ回動されており(図2、3参照)、給紙トレイ20の挿抜の際に上側へ退避可能に構成されている。給紙アーム26が下側へ回動されることにより、その先端に軸支された給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙の表面に圧接する。その状態で、給紙ローラ25が回転することにより、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力によって最上位置の記録用紙が分離傾斜板22へ送り出される。記録用紙は、その先端が分離傾斜板22に当接して上方へ案内され、用紙搬送路23へ送り込まれる。給紙ローラ25によって最上位置の記録用紙が送り出される際に、その直下の記録用紙が摩擦や静電気の作用によって共に送り出される場合があるが、該記録用紙は分離傾斜板22との当接によって制止される。
用紙搬送路23は、画像記録ユニット24等が配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド面と内側ガイド面とから構成されている。例えば、複合機1の背面側の用紙搬送路23は、外側ガイド面が複合機1のフレームと一体に形成され、内側ガイド面がガイド部材28がフレーム内に固定されることにより構成されている。用紙搬送路23において、特に用紙搬送路23が曲がっている箇所には、各搬送コロ29が外側ガイド面又は内側ガイド面へローラ面を露出するようにして、用紙搬送路23の幅方向を軸方向として回転自在に設けられている。回転自在な各搬送コロ29により、用紙搬送路23が曲がっている箇所において、ガイド面に接触する記録用紙が円滑に搬送される。
図3に示されるように、用紙搬送路23には、画像記録ユニット24が設けられている。画像記録ユニット24は、記録ヘッド39を搭載して主走査方向へ往復動するキャリッジ38を備えている。キャリッジ38の詳細な構造については後述される。記録ヘッド39は、複合機1内に記録ヘッド39とは独立に配置されたインクカートリッジ40(図4参照)からインクチューブ41を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給され、各インクを微小なインク滴として吐出するいわゆるインクジェット方式のものである。キャリッジ38が往復動される間に、記録ヘッド39からインク滴が吐出されることにより、プラテン42上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。
図4に示されるように、用紙搬送路23の上側において記録用紙の搬送方向(図4の上下方向)に所定距離が隔てられて、一対のガイドフレーム43,44が記録用紙の搬送方向と直交する方向(図4の左右方向)へ延設されている。キャリッジ38は、ガイドフレーム43,44を跨ぐようにして記録用紙の搬送方向と直交する方向に往復動可能に載置されている。記録用紙の搬送方向の上流側に配設されたガイドフレーム43は、用紙搬送路23の幅方向の長さがキャリッジ38の往復動範囲より長い平板状のものであり、ガイドフレーム43の上面が、キャリッジ38の上流側の端部を摺動自在に支持している。
記録用紙の搬送方向の下流側に配設されたガイドフレーム44は、用紙搬送路23の幅方向の長さがガイドフレーム43とほぼ同じ長さの平板状のものであり、キャリッジ38の下流側の端部を支持する縁部45が、上方へ向かって略直角に曲折されている。キャリッジ38は、ガイドフレーム44の上面に摺動自在に担持されており、かつ、縁部45を不図示のローラ等により狭持している。したがって、キャリッジ38は、ガイドフレーム43,44上に摺動自在に担持され、ガイドフレーム44の縁部45を基準として、記録用紙の搬送方向と直交する方向に往復動可能である。
ガイドフレーム44の上面には、ベルト駆動機構46が配設されている。ベルト駆動機構46は、本発明における駆動伝達機構の一実施態様である。ベルト駆動機構46は、用紙搬送路23の幅方向の両端付近にそれぞれ設けられた第1プーリ47と第2プーリ48との間に、内側に歯が設けられた無端環状のベルト49が張架されてなる。第1プーリ47と第2プーリ48とは、キャリッジ38が往復動される領域の両端に配置されている。第1プーリ47の軸に駆動源であるCRモータ73(図7参照)から駆動力が入力されて、第1プーリ47が回転される。第1プーリ47の回転によりベルト49が周運動し、その際に第2プーリ48が従動する。なお、ベルト49は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部をキャリッジ38に固着するものであってもよい。
キャリッジ38は、ベルト49に固着されている。キャリッジ38とベルト49との連結部分は各図に詳細に表れていないが、ベルト49は、キャリッジ38に連結された状態において、上方へ若干引っ張られている。これにより、ベルト49には下方へ弾性復帰する張力が発生し、この張力によってキャリッジ38がガイドフレーム43,44へ弾性付勢されている。前述されたようにベルト49が周運動すると、キャリッジ38が縁部45を基準としてガイドフレーム43,44上を往復動する。このようなキャリッジ38に記録ヘッド39が搭載されて、記録ヘッド39が、用紙搬送路23の幅方向を主走査方向として往復動可能となっている。また、縁部45に沿ってリニアエンコーダ77(図7参照)のエンコーダストリップ50が配設されている。リニアエンコーダ77は、エンコーダストリップ50をフォトインタラプタにより検出するものであり、このリニアエンコーダ77の検出信号に基づいて、キャリッジ38の往復動が制御される。
図3に示されるように、用紙搬送路23の下側には、記録ヘッド39と対向してプラテン42が配設されている。プラテン42は、キャリッジ38が往復動する領域のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン42の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいので、記録用紙の両端は常にプラテン42上を通過する。
図4に示されるように、記録用紙が通過しない範囲、すなわち記録ヘッド39による画像記録範囲外には、パージ機構51や廃インクトレイ84等のメンテナンスユニットが配設されている。パージ機構51は、記録ヘッド39のノズル53から気泡や異物を吸引除去するためのものである。廃インクトレイ84は、フラッシングと呼ばれる記録ヘッド39からのインクの空吐出を受けて、そのインクを吸収保持する。これらメンテナンスユニットにより、記録ヘッド39内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが行われる。
インクカートリッジ40は、プリント部2の正面右側(図4の右側)の筐体内に設けられたカートリッジ装着部6に装着される。図4に示されるように、カートリッジ装着部6は、装置内において、記録ヘッド39を搭載するキャリッジ38と別途に配置されており、インクチューブ41を通じて、カートリッジ装着部6に装着されたインクカートリッジ40から記録ヘッド39にインクが供給される。カートリッジ装着部6にそれぞれ装着された各インクカートリッジ40から記録ヘッド39へは、各色毎に独立したインクチューブ41により各色インクが供給される。各インクチューブ41は、合成樹脂製のチューブであり、キャリッジ38の往復動に従って撓む可撓性を有する。
図5に示されるように、記録ヘッド39は、その下面にノズル53が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色インク毎に記録用紙の搬送方向に列設されている。なお、図5において、上下方向が記録用紙の搬送方向であり、左右方向がキャリッジ38の往復動方向である。そして、CMYBkの各色インクのノズル53が主走査方向に並んでいる。また、各ノズル53の搬送方向のピッチや数は、記録画像の解像度等を考慮して適宜設定されるものである。また、カラーインクの種類数に応じてノズル53の列数を増減することも可能である。
図6に示されるように、記録ヘッド39の下面に形成されたノズル53の上流側には、圧電素子54を備えたキャビティ55が形成されている。圧電素子54は所定の電圧が印加されることにより変形されてキャビティ55の容積を縮小する。このキャビティ55の容量の変化によって、キャビティ55内のインクがノズル53からインク滴として吐出される。
キャビティ55は、各ノズル53毎に設けられており、複数のキャビティ55に渡ってマニホールド56が形成されている。マニホールド56は、CMYBkの各色インク毎に設けられている。マニホールド55の上流側にはバッファタンク57が配設されている。バッファタンク57も、CMYBkの各色インク毎に設けられている。各バッファタンク57には、インクカートリッジ40からインクチューブ41を通じてインク供給口58からインクが供給される。バッファタンク57に一旦インクが貯留されることにより、インクチューブ41等でインク内に発生した気泡が捕捉され、キャビティ55及びマニホールド56に気泡が進入することが防止される。バッファタンク57内で捕捉された気泡は、気泡排出口59から不図示のポンプ機構により吸引除去される。バッファタンク57からマニホールド56へ供給されたインクは、マニホールド56により各キャビティ55に分配される。
このようにして、インクカートリッジ40からインクチューブ41を通じて供給された各色インクが、バッファタンク57、マニホールド56を介してキャビティ55へ流れるようにインク通路が構成される。このようなインク通路を通じて供給されたCMYBkの各色インクが、圧電素子54の変形により、ノズル53からインク滴として記録用紙に吐出される。
図3に示されるように、画像記録ユニット24の上流側には、一対の搬送ローラ60及びピンチローラが設けられている。なお、図3においては、ピンチローラは、他の部材に隠されて表れていないが、搬送ローラ60の下側において搬送ローラに圧接されている。搬送ローラ60及びピンチローラは、用紙搬送路23を搬送される記録用紙を狭持して、プラテン42上へ搬送する。画像記録ユニット24の下流側には、一対の排紙ローラ62及び拍車63が設けられている。排紙ローラ62及び拍車63は、記録済みの記録用紙を狭持して搬送する。画像記録が行われる際には、搬送ローラ60及び排紙ローラ62は、LFモータ71から駆動力が伝達されて、所定の改行幅で間欠駆動する。搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転は同期されており、搬送ローラ60に設けられたロータリエンコーダ76(図7参照)により、搬送ローラ60とともに回転するエンコーダディスクがフォトインタラプタに検出されてエンコーダ信号が出力され、このエンコーダ信号に基づいて搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転が制御される。
ピンチローラは搬送ローラ60に所定の押圧力で押圧するように付勢されて回転自在に設けられている。搬送ローラ60とピンチローラとの間に記録用紙が進入すると、ピンチローラは記録用紙の厚み分だけ退避して該記録用紙を搬送ローラ60とともに狭持する。これにより、搬送ローラ60の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。拍車63も排紙ローラ62に対して同様に設けられたものである。
制御部64は、プリンタ部3のみでなくスキャナ部2も含む複合機1の全体動作を制御するものであるが、スキャン部3は本発明の主要な構成ではないので詳細な説明が省略される。図7に示されるように、制御部64は、CPU(Central Processing Unit)65、ROM(Read Only Memory)66、RAM(Random Access Memory)67、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)68を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス69を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)70に接続されている。
ROM66には、複合機1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM67は、CPU65が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。また、EEPROM68には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC70は、CPU65からの指令に従い、LF(搬送)モータ71に通電する相励磁信号等を生成して、その信号をLFモータ71の駆動回路72に付与し、駆動回路72を介して駆動信号をLFモータ71に通電することにより、LFモータ71の回転制御を行っている。
駆動回路72は、給紙ローラ25、搬送ローラ60、排紙ローラ62、及びパージ機構51に接続されたLFモータ71を駆動させるものであり、ASIC70からの出力信号を受けて、LFモータ71を回転するための電気信号を形成する。その電気信号を受けてLFモータ71が回転し、LFモータ71の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、給紙ローラ25、搬送ローラ60、排紙ローラ62、及びパージ機構51へ伝達される。
ASIC70は、CPU65からの指令に従い、CR(キャリッジ)モータ73に通電する相励磁信号等を生成して、その信号をCRモータ73の駆動回路74に付与し、駆動回路74を介して駆動信号をCRモータ73に通電することにより、CRモータ73の回転制御を行っている。
駆動回路74は、上記キャリッジ38に接続されたCRモータ73を駆動させるものであり、ASIC70からの出力信号を受けて、CRモータ73を回転するための電気信号を形成する。その電気信号を受けてCRモータ73が回転し、CRモータ73の回転力がベルト駆動機構46を介して、キャリッジ38へ伝達されることによりキャリッジ38が往復動される。このようにして、キャリッジ38の往復動が制御部64により制御される。
駆動回路75は、記録ヘッド39から所定のタイミングでインクを記録用紙に対して選択的に吐出させるものであり、CPU65から出力される駆動制御手順に基づいてASIC70において生成された出力信号を受け、記録ヘッド39を駆動制御する。
ASIC70には、搬送ローラ60の回転量を検出するためのロータリエンコーダ76、キャリッジ38の移動量を検出するためのリニアエンコーダ77が接続されている。また、ASIC70には、スキャン部3や、複合機1の操作指示を行うための操作パネル4、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部5、パソコン等の外部機器とパラレルケーブルやUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース78及びUSBインタフェース79等が接続されている。さらに、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)80やモデム(MODEM)81が接続されている。
図4に示されるように、制御部64はメイン基板82により構成されており、メイン基板82から記録ヘッド39へはフラットケーブル83を通じて記録用信号等の伝送が行われる。フラットケーブル83は、電気信号を伝送する導体をポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルムで覆って絶縁した薄帯状のものであり、メイン基板82と記録ヘッド39の制御基板(不図示)とを電気的に接続している。フラットケーブル83は、キャリッジ38から往復動方向へ導出され、上下方向に略U字形状に曲折されており、この略U形状の部分は、他の部材に固定されておらず、キャリッジ38の往復動に追従して姿勢変化する。
[キャリッジ38]
以下、キャリッジ38の構成について説明する。図8から図10に示されるように、キャリッジ38は、記録ヘッド39を搭載するキャリッジ本体85と、ガイドフレーム43,44にそれぞれ摺接してキャリッジ本体85を所定の高さに支持する摺動部材86と、摺動部材86を上方へ弾性付勢するコイルバネ(付勢部材に相当する)87と、キャリッジ本体85と摺動部材86との間に介設されたギャップ調整部材88とを具備する。摺動部材86、コイルバネ87、ギャップ調整部材88は、ガイドフレーム43,44に対応して、キャリッジ本体85の搬送方向両側にそれぞれ組み付けられているが、これらは同様の構成なので、以下、搬送方向下流側の構成を例に詳細な構成が説明される。
図11に示されるように、摺動部材86は、ガイドフレーム43,44と摺接する摺接板89と、摺接板89から延出された足部90とを有する。摺接板89は短手方向の長さがギャップ調整部材88の短手方向の長さと略同一の矩形の平板であり、その底面がガイドフレーム43,44に接触しながら摺動される。摺接板89の上面には、長手方向の縁部に沿って一対の突条91が形成されており、一対の突条91がギャップ調整部材88の底面に均等に当接することにより、摺接板89の底面がガイドフレーム43,44の上面と平行に位置決めされる。
足部90は、摺接板89の上面の略中央から該上面と略直交する方向へ延出されている。足部90は、摺接板89の長手方向に延びる平板形状であり、その平板形状の厚み方向に貫通する案内溝92が、足部90の延出方向に形成され、足部90の延出端(図11の上側)において開口している。この案内溝92に、後述されるキャリッジ本体85の支持リブ98が嵌挿され、摺動部材86が案内溝92に沿って上下方向へ移動可能に支持される。足部90の延出端の両側には、摺接板89の長手方向の外側へ向かって突出する係止部93が形成されている。係止部93により、摺接板89が留め板94に係止される。留め板94には、足部90を挿入するための貫通孔95が穿設されている。貫通孔95の幅は、一対の係止部93の外縁の間より狭い。一対の係止部93は、いわばスナップフィットのように、案内溝92の溝幅を狭めるように内側へ押圧されることにより弾性変形されて、留め板94の貫通孔95に挿通され、その押圧が解除されると、弾性復帰して貫通孔95の周縁より外側へ突出する。この一対の係止部93により、足部90が貫通孔95から抜け出ないように、摺接板89が留め板94に係止される。
図10に示されるように、キャリッジ本体85における搬送方向下流側には、キャリッジ38のスライド方向(図10における左右方向)に隔てられて、摺動部材86を上下動可能に支持する支持部材96がそれぞれ設けられている。支持部材96は、コイルバネ87の外径より若干大きい内径の凹部が下方向に凹陥されたものであり、該凹部の底面に、摺動部材86の足部90が挿通される貫通孔97と、摺動部材86の案内溝92に嵌入される支持リブ98とが形成されている。この支持リブ98が、摺動部材86の案内溝92に嵌入されることにより、摺動部材が86が、案内溝92に沿って上下動可能に支持部材96に支持される。
図10及び図11に示されるように、ギャップ調整部材88は、細長棒状の平板であり、摺動部材86と支持リブ98との間に介設される。ギャップ調整部材88は、その長手方向に隔てられて3段階の調整部位99が形成されている。3段階の調整部位99は、その肉厚(図10における上下方向)がギャップ調整部材88のスライド方向に3段階に変化されている。詳細には、最も薄肉の薄肉部100と、真ん中の中肉部101と、最も厚肉の厚肉部102とが、一方向に肉厚が段階的に変化するように隣接して形成されている。薄肉部100,中肉部101,厚肉部102の各上面は水平面であり、各上面の長手方向の長さは、摺動部材86の足部90の長手方向の長さより若干長くなっている。厚肉部102が本発明における第1調整部位に相当し、薄肉部100が本発明における第2調整部位に相当する。したがって、図11においてギャップ調整部材88の右端が本発明における第1端に相当し、ギャップ調整部材88の左端が本発明における第2端に相当する。なお、ギャップ調整部材88の第1端及び第2端は相対的な関係のものであり、ギャップ調整部材88の右端又は左端のいずれが第1端又は第2端であってもよい。
薄肉部100,中肉部101,厚肉部102の各上面の境界には、厚み変化を緩やかにするための傾斜面108,109がそれぞれ形成されている。傾斜面108は、薄肉部100の上面及び中肉部101の上面と連続して形成されている。傾斜面109は、中肉部101の上面及び厚肉部102の上面と連続して形成されている。傾斜面108,109によって、調整部位99の肉厚が緩やかに変化するので、ギャップ調整部材88のスライド移動が円滑となる。薄肉部100,中肉部101,厚肉部102の各上面は、図10に示されるようにギャップ調整部材88がキャリッジ本体111に組み付けられた状態においてほぼ水平である。傾斜面108,109は、本発明における第1傾斜面の一例である。したがって、薄肉部100,中肉部101,厚肉部102の各上面と傾斜面108,109とがなす角度が、本発明における第1傾斜角度に相当する。なお、本実施形態では、調整部位99において肉厚が3段階に変化されているが、本発明における第1調整部位及び第2調整部位が実現されるためには、少なくとも2段階に肉厚が変化されていればよく、その場合には、第1傾斜面は1つとなる。また、本実施形態において各傾斜面108,109は同一の傾斜角度であるが、各傾斜面108,109の傾斜角度が異なっていてもよい。
各調整部位99には、薄肉部100,中肉部101,厚肉部102に渡って厚み方向に貫通する長孔103が、ギャップ調整部材88の短手方向の略中央に形成されている。長孔103の短手方向の幅(図10における紙面垂直方向)は、摺動部材86の足部90の厚みより若干広く、この長孔103に足部90が貫通される。長孔103に貫通された足部90の延出端は、図10に示されるように、キャリッジ本体85の支持部材96の貫通孔97に挿通される。また、足部90の案内溝92には、支持リブ98が嵌入される。そして、図10及び図11に示されるように、足部90の係止部93が留め板94に係止される。
留め板94と支持部材96との間には、コイルバネ87が介設されており、コイルバネ87により、留め板94には支持部材96に対して上方向の弾性付勢力が付与される。この弾性付勢力が、留め板94を介して摺動部材86に作用し、摺動部材86は、支持リブ98が許容する上下動範囲内で最も上側に位置するように弾性付勢される。また、支持リブ98と摺動部材86の摺接板89との間には、ギャップ調整部材88が介設されているので、ギャップ調整部材88の調整部位99の肉厚分だけ、摺動部材86が弾性付勢力に反して下側へ移動される。調整部位99には、前述したように長孔103が形成されているので、ギャップ調整部材88は、摺動部材86の足部90を肉厚方向に貫通させた状態でスライド移動可能である。ギャップ調整部材88がスライド移動することにより、支持リブ98と摺接板89との間に位置する調整部位99の肉厚が変化され、その肉厚変化により、摺動部材86の上下方向の位置が変化される。つまり、支持リブ98と摺接板89との間に厚肉部102が介在することにより、支持リブ98と摺接板89との間隔が拡げられ、支持リブ98と摺接板89との間に薄肉部100が介在することにより、支持リブ98と摺接板89との間隔が狭められる。
このように、摺動部材86の摺接板89の略中央に足部90を設け、ギャップ調整部材88の長孔103に摺動部材86の足部90を貫通させることにより、コイルバネ87の弾性付勢力が、摺接板89の略中央に作用するので、コイルバネ87の弾性付勢力に対して、摺動部材86及びギャップ調整部材88の姿勢が安定する。コイルバネ87の弾性付勢力は、摺動部材86が、ガイドフレーム43,44の上面を摺動することにより生ずる回転モーメントを抑え、かつ、ギャップ調整部材88のスライド移動を許容する程度に調整される。
摺動部材86は、足部90の案内溝92に支持リブ98が嵌入されることにより、ギャップ調整部材88のスライド方向に対して位置決めされる。さらに、足部90がギャップ調整部材88の調整部位99の長孔103に貫通されることにより、摺動部材86は、記録用紙の搬送方向(以下、単に「搬送方向」とも言う。)に対して位置決めされる。さらに、摺接板89がギャップ調整部材88の底面に当接されることにより、摺接板89の摺接面(底面)がガイドフレーム43,44の上面に対して平行に位置決めされる。これにより、摺動部材86の上下動に際して捻れや回転が生じず、キャリッジ38をガイドフレーム43,44上に水平に支持することができる。また、支持リブ98が、摺動部材86が上下動可能に支持されるとともに、ギャップ調整部材88と当接されることにより、キャリッジ38の往復動方向の幅を小さくして、摺動部材86を上下動させる構成が実現される。
図8及び図10に示すように、摺動部材86と支持リブ98との間に介設されたギャップ調整部材88は、そのスライド方向両端(本発明における第1端及び第2端)がキャリッジ本体85からそれぞれ突出する長さである。このスライド方向両端が、ガイドフレーム43,44の両端を切り起こして形成された第1当接壁106及び第2当接壁107(図4参照)に当接されることにより、ギャップ調整部材88のスライド位置が変化される。この第1当接壁106及び第2当接壁107については後述される。
図8及び図9に示されるように、前述された摺動部材86、コイルバネ87、及びギャップ調整部材88がキャリッジ本体85の搬送方向両側にそれぞれ設けられ、キャリッジ本体85には、摺動部材86を支持するための支持部材96がそれぞれ設けられている。図8に示されるように、キャリッジ本体85の搬送方向下流側には、2つの摺動部材86が配設され、この2つの摺動部材86が一つのギャップ調整部材88のスライド位置により上下動されるように構成されている。一方、キャリッジ本体85の搬送方向上流側には、1つの摺動部材86が配設され、この1つの摺動部材86を上下動すべく、ギャップ調整部材88の中央に調整部位99が形成されている。
搬送方向上流側及び下流側の各ギャップ調整部材88が、各摺動部材86を所定の高さに保持する位置は連係されており、キャリッジ38のスライド移動により、各ギャップ調整部材88のスライド方向両端が当接されて変動するスライド位置は、3つの摺動部材86が同じ高さに保持するものとなっている。したがって、キャリッジ本体85は、常にガイドフレーム43,44の上面に対して平行に維持され、キャリッジ本体85に搭載された記録ヘッド39を水平に維持した状態で、キャリッジ本体85が上下動される。これにより、記録ヘッド39とプラテン42上の記録用紙とのギャップが、画像記録領域で水平に維持されるので、精度のよい画像記録が実現される。なお、摺動部材86の数は適宜変更することが可能であり、例えば、キャリッジ本体85の搬送方向上流側にも、搬送方向下流側と同様に、2つの摺動部材86を設けることとしてもよい。
また、図9に示されるように、搬送方向上流側及び下流側の各摺動部材86の内側には、キャリッジ本体85から下方に突出するようにして、第1支持部104がキャリッジ本体85にそれぞれ形成されている。第1支持部104は、摺動部材86がキャリッジ本体85に最も没入された際に、ガイドフレーム43,44の上面に当接して、キャリッジ本体85の高さを決めるものである。また、搬送方向上流側の摺動部材86の外側には、キャリッジ本体85から下方へ突出するようにして、第2支持部123が形成されている。第2支持部123は、第1支持部104とほぼ同等の高さ位置に設けられている。第2支持部123は、後述される担持部材130の傾斜面133及び水平面134と当接する。なお、キャリッジ本体85における搬送方向下流側にも、第2支持部123と同様の第2支持部が後述される担持部材131,132に対応して設けられているが、図9には表れていない。
また、図9に示されるように、搬送方向下流側のキャリッジ本体85の下端には、下方へ延出されて内側へ鈎状に曲折されたL字部材105が形成されている。L字部材105は、キャリッジ38がガイドフレーム43,44上に載置された状態で、その鈎状の先端がガイドフレーム44の縁部を跨いで下面側に位置する。L字部材105の鈎状の先端とガイドフレーム44の下面とは所定の間隙が設けられており、キャリッジ38がガイドフレーム44に対して所定の高さ以上に浮き上がると、L字部材105の鈎状の先端がガイドフレーム44の下面に当接して、キャリッジ38が更に浮き上がることを防止する。これにより、キャリッジ38は、ガイドフレーム44に上下方向に所定のガタを持たせて係合されている。このガタは、後述される担持部材130,131,132によるキャリッジ38の持ち上げを許容する程度に設定される。
[第1当接壁106及び第2当接壁107]
図4に示されるように、ガイドフレーム43,44の両端には、第1当接壁106及び第2当接壁107がそれぞれ設けられている。第1当接壁106及び第2当接壁107は、ガイドフレーム43,44の両端に設けられた突片が上方へ曲げ起こされることにより形成されたほぼ垂直な壁である(図16参照)。キャリッジ38は、第1当接壁106と第2当接壁107との間を往復動する。つまり、第1当接壁106及び第2当接壁107は、キャリッジ38が往復動される領域の両端に設けられている。第1当接壁106及び第2当接壁107の搬送方向における位置は、キャリッジ38に設けられたギャップ調整部材88に対応されている。本実施形態では、キャリッジ38の搬送方向上流側及び下流側に2本のギャップ調整部材88が設けられているので、その2本のギャップ調整部材88に対応して、ガイドフレーム43,44にそれぞれ1箇所ずつ第1当接壁106及び第2当接壁107が設けられている。
第1当接壁106は、図4における右側に設けられており、ギャップ調整部材88において厚肉部102が形成されている側の端と当接しうる(図11参照)。第1当接壁106と当接するギャップ調整部材88の端が、本発明における第1端に相当する。第2当接壁107は、図4における左側に設けられており、ギャップ調整部材88において薄肉部100が形成されている側の端と当接しうる(図11参照)。第2当接壁107と当接するギャップ調整部材88の端が、本発明における第2端に相当する。
なお、第1当接壁106及び第2当接壁107は、ガイドフレーム43,44と一体に形成されている必要はなく、例えば、別部材としてガイドフレーム43,44に固定されていたり、装置フレームや筐体の一部として形成されていたりしてもよい。
図4に示されるように、第1当接壁106と第2当接壁107との間においてキャリッジ38が往復動する領域は、主に、画像記録領域A1、加速領域A2、ギャップ切換領域A3,A4に大別される。
画像記録領域A1は、キャリッジ38と共に往復動される記録ヘッド39からインクが吐出されて、記録用紙に画像記録が行われる領域である。画像記録領域A1は、プリント部2により記録可能な最大サイズの記録用紙における搬送方向と直交する方向の幅を含む。したがって、プリント部2により記録可能な最大サイズがA4サイズであれば、A4サイズの幅より若干広く設定される。これにより、A4サイズ以下の各種サイズの記録用紙に対して画像記録を行うことができる。
加速領域A2は、画像記録領域A1においてキャリッジ38を所定の速度に到達させるために必要な領域である。キャリッジ38は、ベルト駆動機構39によりCRモータ73の駆動力が伝達されて静止状態から加速され、ガイドフレーム43,44上を第1プーリ47の回転速度に応じた所定の速度で往復動される。画像記録領域A1においては、精度のよい画像記録を実現するためにキャリッジ38の移動速度が設定された速度で一定に保持されることが好ましい。したがって、キャリッジ38が所定の速度まで加速されるに必要な領域、及び所定の速度で移動するキャリッジ38を静止させるに必要な領域は、画像記録領域A1として使用されない。よって、画像記録領域A1の両側に加速領域A2がそれぞれ設けられる。本実施形態では、画像記録領域A1の両側にそれぞれ設けられた加速領域A2は同等である。画像記録が行われる際には、加速領域A2とギャップ切換領域A3,A4との境界において、キャリッジ38の移動が折り返される。また、このキャリッジ38の折り返しの際には、ギャップ調整部材88は第1当接壁106及び第2当接壁107とは当接しない。
ギャップ切換領域A3,A4は、ギャップ調整部材88の端を第1当接壁106又は第2当接壁107に当接させて、ギャップ調整部材88のスライド位置を変化させるに必要な領域である。ギャップ調整部材88の両端は、キャリッジ本体85からキャリッジ38の往復動方向へそれぞれ突出されており、キャリッジ38の移動によってこの両端が第1当接壁106又は第2当接壁107に当接され、更にキャリッジ38が移動されることによってそのスライド位置が変化される。ギャップ調整部材88のスライドによって、支持リブ98と摺接板89との間に介在される調整部位99の肉厚が変化されて、支持リブ98と摺接板89との間隔が変動される。
前述されたように、調整部位99は薄肉部100、中肉部101、及び厚肉部102の3段階に変化されるので、ギャップ切換領域A3,A4は、調整部位99の肉厚を2段階変化させるに必要なギャップ調整部材88のスライド量に対応して設定される。つまり、ギャップ調整部材88を第1当接壁106又は第2当接壁107へ当接させてギャップ調整部材88をスライドさせる動作が1回行われると、調整部位99の肉厚が最大で2段階分変化されうる。したがって、薄肉部100から厚肉部102へ調整部位99の肉厚を1段階分変化させる場合であっても2段階分変化させる場合であっても、ギャップ調整部材88を第1当接壁106に当接させてギャップ調整部材88をスライドさせる動作が1回行われることとなる。
このようなギャップ切換領域A3,A4が各加速領域A2の外側にそれぞれ設けられており、ギャップ切換領域A3が第1当接壁106側(図4における右側)に設けられ、ギャップ切換領域A4が第2当接壁107側(図4における左側)に設けられている。ギャップ切換領域A3は、パージ機構51によりパージ動作を行う領域と重複している。ギャップ調整部材88をスライドさせるに必要な領域と比べて、パージ動作に必要な領域が十分に広いため、ギャップ切換領域A3は、主にパージ動作に対応させて設定されている。したがって、ギャップ切換領域A3は、ギャップ切換領域A4と比較して広い。一方、ギャップ切換領域A4は、ギャップ調整部材88をスライドさせるに必要な領域としてのみ設定されており、調整部位99において厚肉部102側から薄肉部100側へ(以下、「薄肉方向」ともいう。)ギャップ調整部材88を2段階分だけスライド移動させるための距離とほぼ同等である。
この「ほぼ同等」とは、画像記録を行う際にキャリッジ38が加速領域A2とギャップ切換領域A4との境界で折り返される際に、キャリッジ本体85から突出されたギャップ調整部材88の端(第2端)が第2当接壁107と当接しない限りにおいて、薄肉方向へ2段階分だけギャップ調整部材88をスライド移動させるために必要な距離と同じという意味である。
[担持部材130,131,132]
図4及び図16に示されるように、ガイドフレーム43,44には、3つの担持部材130,131,132がそれぞれ設けられている。各担持部材130,131,132は、キャリッジ38をガイドフレーム43,44から持ち上げて浮かせるためのものである。詳細には、担持部材130,131,132は、ガイドフレーム43,44における第1当接壁106側のギャップ切換領域A4にそれぞれ設けられている。また、各担持部材130,131,132は、記録用紙の搬送方向又はキャリッジ38の往復動方向において異なる3箇所に設けられている。
詳細に説明するに、担持部材130がガイドフレーム43に設けられ、担持部材131,132がガイドフレーム44に設けられている。これにより、担持部材130は、キャリッジ本体85における搬送方向上流側の端部付近に対応され、担持部材131,132は、キャリッジ本体85における搬送方向下流側の端部付近に対応される。つまり、担持部材130と、担持部材131,132とは搬送方向において異なる位置に設けられている。また、担持部材130,131,132は、それぞれがキャリッジ38の往復動方向に対して異なる位置に設けられている。
各担持部材130,131,132は、配置が異なる他は同形状のものなので、以下に担持部材130を例に形状が説明される。図16に示されるように、担持部材130は、ガイドフレーム43の上面から上方へ隆起され、かつキャリッジ38の往復動方向に細長形状である。担持部材130の長手方向(キャリッジ38の往復動方向)の寸法は、キャリッジ本体85の幅方向(キャリッジ38の往復動方向)の寸法より短く設定されることが一般的であるが、特に限定されるものではない。担持部材130の短手方向(記録用紙の搬送方向)の寸法も特に限定されず、例えば、ギャップ調整部材88の短手方向の寸法と同程度に設定される。担持部材130の高さは、支持リブ98と摺接板89との間にギャップ調整部材88の厚肉部102が介在された状態において、摺接板89をガイドフレーム43,44から離間させるに十分な高さを有する。
担持部材130の上面は、画像記録領域A1側(図16における右側)に設けられた傾斜面133と、第1当接壁106側(図16における左側)に設けられた水平面134とからなる。傾斜面133の下端はガイドフレーム43の上面と連結されており、傾斜面133の上端は水平面134の一端と連結されている。これにより、ガイドフレーム43の上面、傾斜面133、及び水平面134は、その境界において段差のない連続した面を構成している。この傾斜面133が、本発明における第2傾斜面の一例である。ガイドフレーム43は、その上面がほぼ水平となるように配置されるので、ガイドフレーム43の上面と傾斜面133とがなす角度が、本発明における第2傾斜角度に相当する。この第2傾斜角度は、傾斜面108,109が水平方向に対してなす角度である第1傾斜角度より小さい。つまり、傾斜面133は、傾斜面108,109と比べて、水平方向に対して緩やかに傾斜している。水平面134は、キャリッジ38の往復動方向に細長形状であり、ガイドレール43に対する高さが、支持リブ98と摺接板89との間にギャップ調整部材88の厚肉部102が介在された状態において、摺接板89をガイドフレーム43,44から離間させるに十分な高さを有する。
担持部材131,132については、担持部材130と同じ形状であるので詳細な説明が省略されるが、担持部材131の傾斜面135及び担持部材132の傾斜面137が、前述された傾斜面133と同様であり、担持部材の131の水平面136及び担持部材132の水平面138が前述された水平面134と同様である。
キャリッジ38がギャップ切換領域A3を往復動され、キャリッジ本体85の第2支持部123が担持部材130,131,132の各傾斜面133,135,137を登ること、ガイドフレーム43,44上を往復動するキャリッジ38がガイドフレーム43,44の上面に対して円滑に持ち上げられて、その摺接板89(図11参照)がガイドフレーム43,44から離間される。また、担持部材130,131,132の各水平面134,136,138において、キャリッジ38がガイドフレーム43,44から持ち上げられた状態で更に往復動可能となる。そして、各水平面134,136,138上におけるキャリッジ38の往復動において、ギャップ調整部材88の厚肉部102側の端が第1当接壁106と当接可能である。
[ギャップ切換動作]
このように構成されたキャリッジ38を、制御部64は、ギャップ調整部材88のスライド方向両端を、第1当接壁106又は第2当接壁107に当接させてスライド位置を変化させるべく、キャリッジ38の往復動を制御する。以下、その動作について説明する。
図4に示されるように、記録ヘッド39を搭載したキャリッジ38は、一対のガイドフレーム43,44に跨るように載置されて、制御部64により回転が制御されたCRモータ73の駆動力がベルト駆動機構46を介して伝達されて、画像記録領域A1及び加速領域A2において、記録用紙の搬送方向と交差する方向へ往復動される。この往復動のうち画像記録領域A1をキャリッジ38が往復動する際に、制御部64の制御信号に基づいて、記録ヘッド39からインク滴が吐出され、プラテン42上を搬送されている記録用紙に所望の画像記録がなされる。
記録ヘッド39を搭載したキャリッジ38は、キャリッジ本体85の第1支持部104又は摺動部材86により、ガイドフレーム43,44上の所定の高さに支持されている。この所定の高さは、被記録媒体である記録用紙や封筒などの厚み、記録画像の解像度により、制御部64により選択される。本実施形態では、前述したように、ギャップ調整部材88の調整部位99の肉厚により、キャリッジ38の高さが3段階に変化される。
キャリッジ38の高さを変更する際には、制御部64は、キャリッジ38をギャップ切換領域A3,A4まで移動させて、ギャップ調整部材88の両端のいずれか一方をガイドフレーム43,44の両端に形成された第1当接壁106又は第2当接壁107に選択的に当接させる。制御部64が、3段階のキャリッジ38の高さのうちいずれを選択するかは、プリンタドライバ等から複合機1に送信された情報が示す被記録媒体の厚みや、記録画像の解像度による。一般に、制御部64は、被記録媒体が厚紙や封筒である場合には、記録ヘッド39をプラテン42から離すべく、キャリッジ38の高さを高くする。また、記録画像の解像度が高解像である場合には、記録ヘッド39から吐出されるインク滴が小さくなるので、記録ヘッド39をプラテン42に近づけるべく、キャリッジ38の高さを低くする。このように、キャリッジ38の高さ選択の条件は、被記録媒体の厚みや記録画像の解像度に対応させて予め設定されており、ROM66に格納されている。
本実施形態では、通常の状態(デフォルト設定)において、図9及び図10に示されるように、キャリッジ38の高さが3段階の真ん中の高さに設定されている。この3段階の真ん中の高さは、ギャップ調整部材88の調整部位99の中肉部101が、支持リブ98と摺動部材86の摺接板89との間に介在された状態である。この状態で、図9に示されるように、摺接板89の下面が、キャリッジ本体85の第1支持部104より下側へ突出されて、キャリッジ38が摺動部材86により3段階の真ん中の高さに維持される。この状態での摺接板89の下面、すなわちガイドフレーム44の上面から記録ヘッド39の下面までの距離をD1とし、記録ヘッド39からプラテン42の上面までの距離をD2とする。なお、図9から図15においては、ガイドフレーム43,44及びプラテン42が省略されている。
制御部64は、キャリッジ38の高さを高くする場合には、キャリッジ38をギャップ切換領域A3へ移動させるべく、CRモータ73を所定方向へ回転駆動させる。キャリッジ38がギャップ切換領域A3へ到達すると、図17及び図18に示されるように、キャリッジ本体85の第2支持部123が担持部130の傾斜面133を登って水平面134へ到達し、また、図17及び図18には表れていないが、キャリッジ本体85の搬送方向下流側に設けられた第2支持部も同様に担持部131,132の各傾斜面135,137を登って各水平面136,138へ到達することにより、キャリッジ本体85をガイドフレーム43,44に対して支持している第1支持部104又は摺動部材86が、ガイドフレーム43,44の上面から離れる。これにより、言わばキャリッジ38がガイドフレーム43,44から浮いた状態となる。
前述されたように、各水平面134,136,138のガイドレール43,44の上面に対する高さは、支持リブ98と摺接板89との間にギャップ調整部材88の厚肉部102が介在された状態において、摺接板89をガイドフレーム43,44から離間させるに十分に高いので、仮にキャリッジ38の高さが3段階のうち最も高い高さであっても、摺動部材86の摺接板89がガイドフレーム43,44の上面から離れる。これにより、摺動部材86について、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重量に基づく負荷、並びにベルト駆動機構46の弾性付勢力に基づく負荷が解放される。
キャリッジ本体85が各水平面134,136,138に支持された状態で、キャリッジ38が更に第1当接壁106側へ移動されると、キャリッジ本体85から外側へ突出していたギャップ調整部材88の端(第1端)が、第1当接壁106に当接する。その状態から、更にキャリッジ38が移動されることにより、図13に示されるように、ギャップ調整部材88がキャリッジ本体85に対して図13における左側へスライドし、ギャップ調整部材88の一方端(第1端)がキャリッジ本体85内に没入するように、そのスライド位置が変化する。中肉部101と厚肉部103との間には傾斜面109が設けられているので、傾斜面109によって支持リブ98と摺動部材86の摺接板89との間が徐々に拡げられながら、厚肉部102が支持リブ98と摺動部材86の摺接板89との間に介在された状態となる。この状態で、図12に示されるように、摺接板89の下面が、キャリッジ本体85の第1支持部104より下側に突出して、キャリッジ38が摺動部材86により3段階の最も高い高さに維持される。
前述されたように、各水平面134,136,138にキャリッジ本体85が支持された状態では、摺動部材86について、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重量に基づく負荷並びにベルト駆動機構46による弾性付勢力に基づく負荷が解放されている。したがって、ギャップ調整部材88を調整部位99の肉厚が厚くなる方向(肉厚方向)へスライド移動させる場合において、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重量に基づく負荷、並びにベルト駆動機構46による弾性付勢力に基づく負荷が関与せず、摺動部材86を支持部材96に対して上方へ弾性付勢するコイルバネ87に基づく負荷に抗して、キャリッジ38を移動させればよい。これにより、ギャップ調整部材88を肉厚方向へスライド移動させるために要求されるCRモータ73のトルク(駆動力)を低減することができる。
この状態での摺接板89の下面、すなわちガイドフレーム44の上面から記録ヘッド39の下面までの距離をD3とし、記録ヘッド39からプラテン42の上面までの距離をD4とする。摺動部材86がキャリッジ本体85から下方へ更に突出することにより、キャリッジ38はガイドフレーム43,44上の垂直上方へ移動されるので、D1>D3となる。その結果、記録ヘッド39の下面がプラテン42から遠ざかってD2<D4となり、厚みのある被記録媒体がプラテン42上に搬送された際に、被記録媒体が記録ヘッド39に接触することが防止できる。また、被記録媒体の厚み変化による記録ヘッド39から被記録媒体までの距離、すなわちギャップの変化を、キャリッジ38の高さにより調整することができる。
制御部64は、キャリッジ38の高さを低くする場合には、キャリッジ38を第2当接壁107側(図4における左側)に移動させるべく、CRモータ73を所定方向へ回転駆動させる。これにより、キャリッジ38がガイドフレーム43,44上を第2当接壁107側へ摺動して、キャリッジ38から外側へ突出していたギャップ調整部材88の他方端(第2端)が、第2当接壁107に当接する。ギャップ調整部材88の他方端が第2当接壁107に当接した状態で、更にキャリッジ38が移動されることにより、図15に示されるように、ギャップ調整部材88がキャリッジ本体85に対して図15における右側へスライドし、ギャップ調整部材88の他方端がキャリッジ本体85内に没入するように、そのスライド位置が変化する。これにより、ギャップ調整部材88の調整部位99の薄肉部100が、支持リブ98と摺動部材86の摺接板89との間に介在された状態となる。この状態で、図14に示されるように、摺接板89の下面が、キャリッジ本体85の第1支持部104より上側に没入して、キャリッジ38が第1支持部104により3段階の最も低い高さに維持される。
キャリッジ38の高さを低くする方向へギャップ調整部材88をスライドさせる場合には、傾斜面108,109に沿って支持リブ98と摺動部材86の摺接板89との間を狭めるので、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重量に基づく負荷、並びにベルト駆動機構46の弾性付勢力に基づく負荷や、コイルバネ87に基づく負荷は、傾斜面108,109が支持リブ98と摺接板89との間に介在する場合において、ギャップ調整部材88をスライドさせる方向への力として作用する。したがって、ギャップ切換領域A4においては、ギャップ調整部材88のスライドのためにCRモータ73に要求されるトルク(駆動力)を考慮することなく、傾斜面108,109の角度(第1傾斜角度)を設定することができ、その結果、ギャップ切換領域A4を小さく設定することができる。
この状態での第1支持部104の下面、すなわちガイドフレーム44の上面から記録ヘッド39の下面までの距離をD5とし、記録ヘッド39からプラテン42の上面までの距離をD6とする。摺動部材86がキャリッジ本体85側に没入することにより、キャリッジ38はガイドフレーム43,44上の垂直下方へ移動されるので、D1<D5となる。その結果、記録ヘッド39の下面がプラテン42に近づいてD2>D6となり、記録ヘッド39から小さなインク滴を吐出して高解像度で画像記録するに好適となる。なお、本実施形態では、摺動部材86がキャリッジ本体85側に没入すれば、キャリッジ本体85の第1支持部104によりキャリッジ38がガイドフレーム43,44上に支持されることとしたが、キャリッジ本体85に第1支持部104を設けずに、いずれの高さにおいても摺動部材86がキャリッジ本体85をガイドフレーム43,44上に支持することとしてもよい。
[本実施形態の作用効果]
このように本実施形態にかかる複合機1によれば、記録ヘッド39を搭載したキャリッジ本体85をガイドフレーム43,44上の所定高さに支持する摺動部材86の摺接板89とキャリッジ本体85の支持リブ98との間にギャップ調整部材88を介在させ、ギャップ調整部材88をスライド移動させることにより、摺動部材86の摺接板89と支持リブ98との間隔を変位させて、摺動部材86が支持するキャリッジ本体85の高さを変化させることとしたので、被記録媒体の厚みや画像記録の解像度に応じて、記録ヘッド39と被記録媒体とのギャップを調整することができる。
また、ギャップ調整部材88の一方端(第1端)が第1当接壁106と当接する際に、キャリッジ本体85が担持部材130,131,132に担持されるので、摺動部材86の摺接板89がガイドフレーム43,44の上面から離間された状態でギャップ調整部材88がスライドされる。これにより、ギャップ調整部材88のスライド量を増加させることなく、ギャップ調整部材88をスライド移動させるために必要なCRモータ73のトルクを小さくすることができるので、装置のコストアップの抑制が実現される。
また、第2当接壁107側のギャップ切換領域A4におけるキャリッジ往復動方向の距離を、ギャップ調整部材88における調整部位99の肉厚を2段階分薄くする方向へスライド移動させるための距離とほぼ同等とすることにより、装置の小型化が実現される。
また、各担持部材130,131,132の各傾斜面133,135,137の水平方向に対する第2傾斜角度が、ギャップ調整部材88の調整部位99における傾斜面108,109の水平方向に対する第1傾斜角度より小さくされているので、ギャップ調整部材88のスライド量を少なくするとともに、ギャップ調整部材88を肉厚方向へスライドさせるに必要な力が低減される。
第1傾斜角度を大きくするほど傾斜面108,109が起立してギャップ調整部材88のスライド量を少なくすることができるが、コイルバネ87による弾性付勢に抗してギャップ調整部材88をスライドさせるに必要な力は増大する。つまり、CRモータ73に要求されるトルクが増大する。第2傾斜角度を小さくすると、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重力並びにベルト駆動機構46による弾性付勢力に抗してキャリッジ38を持ち上げるに必要な力が低減するので、CRモータ73に要求されるトルクが低減する。
本実施形態では、担持部材130,131,132によってキャリッジ本体85が完全に持ち上げられて、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重力並びにベルト駆動機構46による弾性付勢力が完全に解放された状態で、ギャップ調整部材88がスライドされることとしたが、仮に、各担持部材130,131,132における傾斜面133,135,137が比較的長い緩やかな斜面とされて、キャリッジ38及び記録ヘッド39の重力並びにベルト駆動機構46による弾性付勢力に抗してキャリッジ本体85がガイドフレーム43,44から持ち上げられるタイミングと、コイルバネ87による弾性付勢力に抗してギャップ調整部材88がスライドされるタイミングとが一部重複したとしても、CRモータ73に要求されるトルクの増大を抑制することができる。これにより、ギャップ調整部材88のスライド量を小さくして装置の小型化を図るとともに、CRモータに要求されるトルクの増大を抑制してコストアップを抑えることができる。
また、担持部材130,131,132が、搬送方向又はキャリッジ38の往復動方向において異なる少なくとも3箇所に設けられているので、担持部材130,131,132に担持されてキャリッジ本体85がガイドフレーム43,44から浮いた姿勢が安定する。
なお、本実施形態では、本発明にかかる駆動伝達機構としてベルト駆動機構46が採用された構成が説明されているが、駆動伝達機構として、ガイドシャフトを用いた駆動伝達機構などのベルト駆動機構以外の他の駆動伝達機構が採用されてもよい。
図1は、本発明の実施形態にかかる複合機1の外観構成を示す斜視図である。 図2は、複合機1の内部構成を示す縦断面図である。 図3は、プリント部2の主要構成を示す拡大断面図である。 図4は、プリント部2の主要構成を示す拡大平面図である。 図5は、記録ヘッド39の底面図である。 図6は、記録ヘッド39の内部構成を示す拡大断面図である。 図7は、複合機1の制御部64の構成を示すブロック図である。 図8は、キャリッジ38の外観構成を示す拡大平面図である。 図9は、キャリッジ38の右側面図である。 図10は、キャリッジ38のX−X断面図である。 図11は、摺動部材86,コイルバネ87,ギャップ調整部材88の構成を示す分解斜視図である。 図12は、キャリッジ38の右側面図である。 図13は、キャリッジ38のX−X断面図である。 図14は、キャリッジ38の右側面図である。 図15は、キャリッジ38のX−X断面図である。 図16は、担持部材130,131,132の構成を示すガイドフレーム43,44の一部拡大斜視図である。 図17は、担持部材130,131,132によりキャリッジ本体85が持ち上げられる動作を示す斜視図である。 図18は、担持部材130,131,132によりキャリッジ本体85が持ち上げられる動作を示す斜視図である。
符号の説明
1・・・複合機(インクジェット記録装置)
38・・・キャリッジ
39・・・記録ヘッド
43,44・・・ガイドフレーム
46・・・ベルト駆動機構(駆動伝達機構)
47・・・第1プーリ
48・・・第2プーリ
49・・・ベルト
73・・・CRモータ(駆動源)
86・・・摺動部材
87・・・コイルバネ(付勢部材)
88・・・ギャップ調整部材
89・・・摺接板
90・・・足部
92・・・案内溝
96・・・支持部材
98・・・支持リブ
100・・・薄肉部(第2調整部位)
102・・・厚肉部(第1調整部位)
103・・・長孔
106・・・第1当接壁
107・・・第2当接壁
108,109・・・傾斜面(第1傾斜面)
130,131,132・・・担持部材
133,135,137・・・傾斜面(第2傾斜面)
134,136,138・・・水平面

Claims (8)

  1. 被記録媒体の搬送方向と交差する方向に延出されたガイドフレームと、
    上記ガイドフレームに支持されて、該ガイドフレーム上を上記搬送方向と交差する方向に往復動されるキャリッジと、
    上記キャリッジが往復動されるための駆動力を発生させる駆動源と、
    上記駆動源から上記キャリッジへ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
    上記キャリッジに搭載されてインクを吐出する記録ヘッドと、
    上記キャリッジに設けられて上記ガイドフレームと摺接し、該キャリッジを該ガイドフレームに対して所定の高さに支持する摺動部材と、
    上記キャリッジに設けられて上記摺動部材を該キャリッジに対して上下動可能に支持する支持部材と、
    上記摺動部材を上記支持部材に対して上方へ弾性付勢する付勢部材と、
    上記摺動部材と上記支持部材との間にキャリッジの往復動方向にスライド移動可能に介在されるとともに、スライド方向両端である第1端及び第2端の少なくとも一方が上記キャリッジから往復動方向へ突出され、その第1端側において上記摺動部材と上記支持部材との間隔を拡げ、その第2端側において当該間隔を狭めるギャップ調整部材と、
    上記キャリッジが往復動する領域に設けられて、上記ギャップ調整部材の第1端と当接しうる第1当接壁と、
    上記キャリッジが往復動する領域に設けられて、上記ギャップ調整部材の第2端と当接しうる第2当接壁と、
    上記摺動部材を上記ガイドフレームから離間させ、かつ上記ギャップ調整部材の第1端が上記第1当接壁と当接可能に上記キャリッジを担持する担持部材と、を具備するインクジェット記録装置。
  2. 上記ギャップ調整部材は、第1端側において上記摺動部材と上記支持部材との間に介在される第1調整部位の肉厚に対して、第2端側において上記摺動部材と上記支持部材との間に介在される第2調整部位の肉厚が薄く、かつ当該第1調整部位と当該第2調整部位との間に第1傾斜面を有し、
    上記担持部材は、上記ガイドフレームから上方へ隆起されて当該ガイドフレーム上を往復動する上記キャリッジと当接する第2傾斜面と、当該第2傾斜面の上端と連続して形成されて上記キャリッジを支持する水平面と、を有し、
    上記第2傾斜面の水平方向に対する第2傾斜角度が、上記第1傾斜面の水平方向に対する第1傾斜角度より小さい請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 上記駆動伝達機構は、上記キャリッジが往復動する領域の一方端に設けられて上記駆動源により回転される第1プーリと、上記キャリッジが往復動する領域の他方端に設けられて上記駆動源により回転される第2プーリと、上記第1プーリ及び上記第2プーリに巻架されたベルトと、を有し、
    上記キャリッジは、上記ベルトに固定されるとともに、当該ベルトにより上記ガイドフレームへ弾性付勢されている請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 上記キャリッジが往復動する領域の上記第2当接壁側において、上記記録ヘッドがインクを吐出して画像記録を行う画像記録領域、及び上記キャリッジが当該画像記録領域において所定の移動速度へ到達するための加速領域以外の領域であるギャップ切換領域におけるキャリッジ往復動方向の距離は、上記ギャップ調整部材を第2端側から第1端側へスライド移動させるための距離とほぼ同等である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 上記担持部材が、被記録媒体の搬送方向又はキャリッジの往復動方向において異なる少なくとも3箇所に設けられた請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 上記ガイドフレームが、被記録媒体の搬送方向に隔てられて一対が設けられ、
    上記キャリッジが、上記一対のガイドフレームを跨ぐように載置され、
    上記摺動部材が、上記キャリッジの上記搬送方向両側に、上記一対のガイドフレームに対してそれぞれ設けられ、
    各摺動部材に対して上記支持部材及び上記付勢部材がそれぞれ設けられ、
    各摺動部材と各支持部材との間に介在された上記ギャップ調整部材のスライド位置により、上記キャリッジが、上記記録ヘッドを水平に維持した状態で上下動されるものである請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 上記摺動部材は、上記ガイドフレームに摺接する摺接板と、該摺接板から延出され、その延出方向に延びる案内溝が形成された足部とを備え、
    上記支持部材は、上記足部の案内溝に嵌入されて、該案内溝に沿って上記摺動部材を上下動可能に支持する支持リブを備え、
    上記ギャップ調整部材は、上記足部を肉厚方向に貫通させた状態でスライド移動可能に上記調整部位に形成された長孔を有するものである請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 上記摺動部材は、
    上記足部の案内溝に上記支持リブが嵌入されることにより、上記スライド方向に対して位置決めされ、
    上記足部が上記調整部位の長孔に貫通されることにより、上記搬送方向に対して位置決めされ、
    上記摺接板が上記調整部位に当接されることにより、該摺接板の摺接面を上記ガイドフレームの上面に対して平行に位置決めされるものである請求項7に記載のインクジェット記録装置。
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