JP2008296408A - 熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ - Google Patents
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Abstract
【解決方法】 上面にストランドの横滑りを防止するためにストランドの走行方向に平行な多数の細溝が刻設された横滑り防止部と、その前端縁部に延設され、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持ち、かつその先端が前記細溝の深さ底部以下に位置し、前記細溝に直交する直線状の刃先を備えた刃先部とで形成されてなる固定刃を備えた熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタによる。
【選択図】 図3
Description
しかし、このような熱可塑性樹脂粒状物の製造装置50では、前記傾斜トラフ54上に設けられた多数のチャンネルに沿って移動する複数のストランド10の流下位置はほぼ一定となる。したがって、前記ストランド10を切断するカッタの回転刃58と固定刃59とは常に同一個所でストランド10を切断することになり、長時間の使用により回転刃58及び固定刃59にはストランド10が当接する部分に摩耗による溝痕が生じてしまう。そして、一度このような溝痕が生じると、前記ストランド10がその溝痕にはまってしまい、切断面がきれいでかつ長さのそろった熱可塑性樹脂粒状物11が得られにくいという問題があった。
そこで、傾斜トラフ54を流下してくるストランド10を流下方向と直交する向きに何らかの手段によって往復移動させる発明がいくつかなされ、本発明者等も図7に示すように傾斜トラフの一部を構成する整流ガイド34b、又は整流ガイド34bとそれにつながる下部トラフ34cとをストランド10の流下方向と直交する方向に往復移動させる往復移動手段36を備えた熱可塑性樹脂粒状物の製造装置30を発明した(特開2003−200417号公報)。
そこで本発明者等は、特願2005−151284において、刃先上面にストランド10の走行方向に平行に刻設された多数の細溝を有する固定刃59(図4参照)を備えることによってストランド10の往復移動に伴う切断時の横滑りを防止し、カッタの長寿命化とストランドの斜め切れ防止の図れる熱可塑性樹脂粒状物の製造装置の発明を行った。
本発明は上記事象の発生をなくし、また左右に往復移動するストランドを回転刃によって切断する際に切断面が斜めになりやすい軟性樹脂のストランドにおいても斜め切断のない整った形状の熱可塑性樹脂粒状物の製造を可能にする熱可塑性樹脂製造装置のカッタ提供をしようとするものである。
(1)溶融した熱可塑性樹脂を複数のノズルから連続的に吐出し、該ノズルの下方に配置した傾斜トラフに冷却水とともに流下することによって熱可塑性樹脂のストランドを複数本形成した後、カッタにより所望の長さで切断してチップ状にする熱可塑性樹脂粒状物の製造装置の回転刃と固定刃からなるカッタにおいて、
前記固定刃が、その上面にストランドの横滑りを防止するためにストランドの走行方向に平行な多数の細溝が刻設された横滑り防止部と、その前端縁部に延設され、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持ち、かつその先端が前記細溝の深さ底部以下に位置し、前記細溝に直交する直線状の刃先を備えた刃先部とで形成されてなることを特徴とする熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
(2)前記固定刃の刃先部の上面が、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持つ平面で形成され、横滑り防止部の前端面とが直交してなることを特徴とする前項(1)に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
(3)前記固定刃の刃先部の上面が、横滑り防止部の一部を、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きで刃先に向けて下向きに切削した形状をしてなることを特徴とする前項(1)に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
(4)前記固定刃の刃先面部の上面が、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きの範囲内で前記横滑り防止の一部を前記細溝の底部に向けて下向きに切削してなる形状の面とその前方に延設された平面とで形成されてなることを特徴とする前項(1)に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
(5)前記横滑り防止面の細溝が、深さ0.3mm〜0.7mmで、隣接する細溝間の間隔が0.3mm〜1.5mmであることを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
〈1〉溶融した熱可塑性樹脂を複数のノズルから連続的に吐出し、該ノズルの下方に配置した傾斜トラフに冷却水とともに流下することによって熱可塑性樹脂のストランドを複数本形成した後、カッタにより所望の長さで切断してチップ状にする熱可塑性樹脂粒状物の製造装置の回転刃と固定刃からなるカッタにおいて、前記固定刃が、その上面にストランドの横滑りを防止するためにストランドの走行方向に平行な多数の細溝が刻設された横滑り防止部と、その前端縁部に延設され、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持ち、かつその先端が前記細溝の深さ底部以下に位置し、前記細溝に直交する直線状の刃先を備えた刃先部とで形成されているので、
回転軸に対して1度〜4度の角度を持つ螺旋状をしている回転刃によって切断時に生じるストランドの横滑りを前記横滑り防止部の細溝が抑止しストランドの斜め切断がなくなり、かつ前記刃先部先端が前記横滑り防止部の細溝に直交する直線状の刃先となっていることから、熱可塑性樹脂粒状物の切断面に前記細溝の痕跡のない形状の整った熱可塑性樹脂粒状物が製造できる。
〈2〉前記固定刃の刃先部の上面が、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持つ平面で形成されたもの、横滑り防止部の一部を熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きで刃先に向けて下向きに切削した形状のもの、あるいは熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きの範囲内で前記横滑り防止の一部を前記細溝の底部に向けて下向きに切削してなる形状もののいずれかが選択できるので、製造する熱可塑性樹脂粒状物の外形寸法や素材によって最適な固定刃を有するカッタを構成できる。
図1は本発明の熱可塑性樹脂粒状物の製造装置の構造説明図、図2はトラバースガイドとカッタ部分の詳細説明図、図3は固定刃の実施例の斜視図である。
図において1は熱可塑性樹脂粒状物の製造装置、2はダイスヘッド、3はノズル、4は傾斜トラフ、4aは上部フラップ、4bは整流ガイド、4cは下部フラップ、5はトラバースガイド、6は往復移動手段、7は引取りローラ、8は回転刃、9は固定刃、9aは刃先部、9bは横滑り防止部、9cは刃先、10はストランド、11は粒状物、12は冷却水用タンク、13は冷却水スプレーである。
前記固定刃9の横滑り防止部9bに刻設された細溝は、深さ0.3mm〜0.7mmで、隣接する細溝間の間隔が0.3mm〜1.5mmであることが望ましい。
なお、図3では細溝の断面を三角形で示したが、これに限るものではなく、四角形又はU字型の断面を持つ細溝であってもよい。
上部フラップ4aのチャンネル内に垂下されたストランド10は、冷却水タンク12の冷却水出口からの冷却水によって整流ガイド4bに送り込まれ、冷却・固化されながら整流ガイド4bから下部フラップ4cを流下し、一対の引取りローラ7まで伝送される。この際傾斜トラフ4の整流ガイド4bの上方に配設された冷却水スプレー13からの散水によってストランド10の冷却・固化を促進させることも好ましい。
前記回転刃8は引取りローラ7と離間した領域にストランド10を横切って延在する形に配設され、回転軸心に対して一定の捩れ角度を持ったいわゆる螺旋状の回転刃8であり、引取りローラ7の下部のローラ7b側に回転刃8と対向して、本発明の上面にストランドの走行方向に多数の細溝が平行に刻設してストランドの横滑りを防止可能にした横滑り防止部9bと、その前端縁部に延設され、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持ち、かつその先端が前記細溝の深さ底部以下に位置し、前記細溝に直交する直線状の刃先9cを備えた刃先部9aとで形成されている(図2、図3参照)。
以下、本発明のカッタの固定刃のいくつかの形状について説明する。
本実施例の固定刃9は、図3(a)に見られるとおり、上面にストランドの走行方向に平行な複数の細溝が刻設された横滑り防止部9bと、
その前端縁部に延設され、上面が熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持つ平面でなる刃先部9aとでなり、前記刃先部9aの上面と横滑り防止部9bの前端縁部の側面とが前記細溝の深さ底部以下の位置で直交し、かつ刃先部9aの先端が、前記細溝に直交する直線状の刃先9cに形成されてなるものである。
本実施例の固定刃9’は、図3(b)に見られるとおり、上面にストランドの走行方向に平行な複数の細溝が刻設された横滑り防止部9bと、
前記横滑り防止部9bの前端縁部付近の一部、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きの部分を、その先端が前記細溝の深さ底部以下に位置するよう下向きに斜めに切削されて刃先部9aとなり、前記刃先部9aの先端が、前記細溝に直交する直線状の刃先9cに形成されてなるものである。
本実施例の固定刃9”は、図3(c)に見られるとおり、上面にストランドの走行方向に平行な複数の細溝が刻設された横滑り防止部9bと、
前記横滑り防止部9bの前端縁部付近の一部の上面をその先端が前記細溝の深さ底部以下に位置するよう下向きに斜めに切削するとともにその前端縁部に上面が平面の刃先部9aが延設され、かつ斜め下向きに切削された横滑り防止部の一部と前記刃先部とを合わせた奥行きが、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さの範囲内で納まるようにしてなり、かつ前記刃先部9aの先端が、前記細溝に直交する直線状の刃先9cに形成されてなるものである。
また、図3(a)〜(c)では、前記細溝の断面を三角形として示したが、これに限られるものではなく、四角形、あるいはU字型の断面を持つものであってもよい。
そして、回転刃8がストランド10を切断し、次にストランド10に接触するまでの間は、ストランド10に回転刃8からの圧力が加わらないので、ストランド10と固定刃9の上面との静止摩擦は極めて小さく、ストランド10の往復移動が損なわれることなく、したがって回転刃8全面での切断が可能で、回転刃8の溝痕の発生を防止し、カッタの長寿命化が図れる。
また、前記横滑り防止部9bが刻設された固定刃の上面が直接刃先となることによって、表面温度の低い樹脂を切断した場合に生じる切断面の横滑り防止部9bの痕跡を除去するために固定刃9の刃先に設けた傾斜面の奥行きが、生産する熱可塑性樹脂粒状物の長さ以下に設定されているので、前記固定刃9の上面にストランドの横滑り防止面に刻設された横滑り防止部9bがトラバースガイド5によって往復移動をするストランド10の切断時の横滑り防止機能は失われることなく、軟性樹脂のストランドにおいても斜め切断がなく、前記〈1〉の効果が損なわれることなく切断面が滑らかで形状の整った図5(a)に示すような所望の形状寸法の熱可塑性樹脂粒状物が安定して製造できる。
2:ダイスヘッド
3:ノズル
4:傾斜トラフ
4a:上部フラップ
4b:整流ガイド
4c:下部フラップ
5:トラバースガイド
5a:ガイド
6:往復移動手段
7:引取りローラ
7a:大径(上部)のローラ
7b:小径(下部)のローラ
8:回転刃
9:固定刃
9a:刃先部
9b:横滑り防止部
9c:刃先
10:ストランド
11:粒状物
12:冷却水用タンク
13:冷却水スプレー
30:熱可塑性樹脂粒状物の製造装置
34:傾斜トラフ
36:往復移動手段
37:引取りローラ
38:回転刃
39:固定刃
50:熱可塑性樹脂粒状物の製造装置
54:傾斜トラフ
57:引取りローラ
58:回転刃
59:固定刃
Claims (5)
- 溶融した熱可塑性樹脂を複数のノズルから連続的に吐出し、該ノズルの下方に配置した傾斜トラフに冷却水とともに流下することによって熱可塑性樹脂のストランドを複数本形成した後、カッタにより所望の長さで切断してチップ状にする熱可塑性樹脂粒状物の製造装置の回転刃と固定刃からなるカッタにおいて、
前記固定刃が、その上面にストランドの横滑りを防止するためにストランドの走行方向に平行な多数の細溝が刻設された横滑り防止部と、その前端縁部に延設され、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持ち、かつその先端が前記細溝の深さ底部以下に位置し、前記細溝に直交する直線状の刃先を備えた刃先部とで形成されてなることを特徴とする熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。 - 前記固定刃の刃先部の上面が、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きを持つ平面で形成され、横滑り防止部の前端面とが直交してなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
- 前記固定刃の刃先部の上面が、横滑り防止部の一部を、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きで刃先に向けて下向きに切削した形状をしてなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
- 前記固定刃の刃先面部の上面が、熱可塑性樹脂粒状物の切断長さ以下の奥行きの範囲内で前記横滑り防止の一部を前記細溝の底部に向けて下向きに切削してなる形状の面とその前方に延設された平面とで形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
- 前記横滑り防止面の細溝が、深さ0.3mm〜0.7mmで、隣接する細溝間の間隔が0.3mm〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂粒状物製造装置のカッタ。
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