JP2008295466A - 歯科治療用粉体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射圧と粉体の噴射量を独立して調整可能な噴射切削装置を提供する。
【解決手段】歯科治療で使用するための研削用粉体を加圧気体と混合して噴射する粉体噴射装置において、研削用粉体を貯蔵する粉体タンク1、外部から供給される加圧気体を接続する加圧気体供給接続部2、加圧気体と研削用粉体を混合する混合室5、研削用粉体と加圧気体の混合物を放出する粉体出力部8、および研削用粉体を粉体タンクに供給する粉体供給機構とを備え、加圧気体供給接続部と粉体出力部が混合室を介して中空管にて接続され、さらに、粉体タンクと混合室が粉体供給機構を介して中空管にて接続されており、該粉体供給機構が粉体タンク内の粉体を定量的に混合室へ搬送する機構であることを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯科分野における粉体噴射装置に関するものであり、歯牙の研削、歯牙の齲蝕部位の除去、歯面の清掃などの治療に使用する粉体噴出装置に関する。
従来、歯科治療における歯牙の切削や歯牙の齲蝕部位の除去には、エアータービンやマイクロモータなどの回転研削装置が主であった、しかしながら、回転研削装置は熱、振動、騒音を発生し、患者に不快感を生じさせていた。
近年、回転研削装置に代わって粉体噴射装置が使用されるようになった。粉体噴射装置においては、一般に加圧空気に研削用粉体を混入し、患者の歯牙の治療部位に吹き付ける。加圧空気は研削用粉体を歯牙の表面に十分な速度で当て、対象物の表面を削る。粉体噴射装置は回転研削装置のように熱、振動、騒音を発生しないため、患者に与える苦痛を軽減することができる。粉体噴射装置は歯牙の切削や齲蝕部位の除去、歯面の清掃などに関する治療に使用されている。
そして、
特開2000−42001には、ウ蝕除去装置が、紹介されているが、噴射量がタンク内の粉体量に依存するため、安定した噴射が確保できないという問題があった。
特開2000−42001号公報
従来の粉体噴射装置では、粉体の噴射量が噴射圧の影響を受けるため、噴射圧と粉体の噴射量を独立に調整ができない問題があった。
また、噴射圧が一定の場合でもタンク内の粉体貯蔵量により粉体の噴射量が違うという問題などがあった。
歯質の切削では、タンク内の粉体貯蔵量が少なくなると切削能力不足になり、切削時間が長くなる問題があった。
歯牙の齲蝕部位の除去では、切削能力を一定に保てないため、歯牙の軟化した部位の選択的除去が不可能であった。
歯面の清掃では、切削能力を正確に設定できないため、健全な歯牙の歯質部分を除去してしまうなどの問題があった。
粉体噴射装置による治療を行う場合、歯牙の切削、歯牙の齲蝕部位の除去、歯面の清掃、それぞれの場合に適した粉体の噴射量や噴射圧を治療部位の形状や位置により調整する必要がある。
そこで、本発明において解決すべき課題は、噴射圧と粉体の噴射量を独立して調整可能な噴射切削装置を提供することにある。
本発明は歯科治療で使用するための研削用粉体を加圧気体と混合して噴射する粉体噴射装置において、研削用粉体を貯蔵する粉体タンク、外部から供給される加圧気体を接続する加圧気体供給接続部、加圧気体と研削用粉体を混合する混合室、研削用粉体と加圧気体の混合物を放出する粉体出力部、および研削用粉体を粉体タンクに供給する粉体供給機構とを備え、
加圧気体供給接続部と粉体出力部が混合室を介して中空管にて接続され、さらに、粉体タンクと混合室が粉体供給機構を介して中空管にて接続されており、
該粉体供給機構が粉体タンク内の粉体を定量的に混合室へ搬送する機構であることを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置である。
本発明は粉体供給機構が粉体搬送用回転軸と該回転軸を駆動できるモータとからなり、粉体タンク内の粉体を粉体搬送用回転軸表面に有する凹部に格納し、該回転軸を駆動できるモータの回転により、混合室へと搬送することを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置である。
本発明は加圧気体供給接続部と粉体タンクの内圧を調整する為に加圧気体供給接続部と粉体タンクが中空管にて接続されていることを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置である。
本発明は粉体出力部の噴出孔に液体供給接続部の液体出力部の噴出孔が併設されていることを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置である。
当該発明は、加圧気体の圧力や風量の影響を受けることなく、一定量の粉体を噴射することができる。更に、使用目的に合わせて、噴射量を調整することができる。
例えば、取り付けられたモータの回転数を調節することにより、安定的な粉体供給が可能となり、さらに、加圧気体による噴射圧と粉体の噴射量を独立して調整が可能となり、噴射圧調節機構と粉体量調節機構を備えることにより、術者が治療目的に応じて装置の使用が可能となる。
更に、粉体供給、加圧気体供給、および液体供給が独立した制御構成であるため、術者が粉体噴射による治療の後、粉体供給を停止し加圧気体供給と液体供給にすることにより、口腔内洗浄に使用することが可能となる。
加圧気体供給接続部を粉体タンクに配管接続することにより、粉体噴射時の粉体タンクと混合室の圧力差による粉体の逆流などの影響がなく、粉体供給機構による安定的な粉体供給が可能となる。
加圧気体供給部を装置内部に設けることにより、装置が設置された環境内の加圧気体供給装置を加圧気体供給接続部に接続した場合の粉体噴射圧が該加圧気体供給装置の能力に限定される問題や、該加圧気体供給装置に並列に他の装置が接続され、他の装置が使用する加圧気体の使用量の影響でおこる噴射力の脈動などの影響がなく、粉体を安定的に噴射することが可能となる。
液体供給部を装置内部に設けることにより、液体を水道水とした場合の他の水道水使用による水圧の変化などの影響がなく、液体を安定的に噴射することが可能であり、また、液体供給部は液体タンクと液体ポンプからなる構成であるため、使用液体に消毒作用、殺菌作用および/または鎮痛作用のある液体を使用することが可能であり、歯牙の切削、歯牙の齲蝕部位の除去、および/または歯面の清掃時などの治療時に消毒、殺菌、および/または鎮痛を同時に行うことが可能となる。
粉体噴射装置による齲蝕部位の除去や歯牙の切削を行う場合、対象となる歯牙の特定の個所に粉体を集中して噴射し続けるのではなく、治療部位全体に満遍なく噴射し一層ごと治療部位を切削することが望ましい。粉体出力部から液体を噴霧する構造の装置では噴霧による霧により視界がさえぎられ治療部位を見にくくする問題がある。また、エアータービンやマイクロモータなどの回転研削装置では術者が研削時の研削量を術者が手に持つハンドピースに伝わる振動などの情報から感覚的に得ることができる。しかし、粉体噴射装置では術者が手に持つ粉体出力部に伝わる振動などの情報がなく、研削時の研削量を感覚的に得ることはできないため、治療部位全体を一定深さの層状に研削することが難しいという問題があった。
そこで、液体供給部を装置内部に設け液体ポンプの動作をパルス駆動することにより、噴霧停止時間を得ることができる。このことにより、治療時のおける術者の視界を確保できるため、術者の作業効率を上げることができる。さらに、術者は一定時間の間隔で噴霧される霧を視覚的に得られる時間情報として利用できるため、治療部位全体を一定深さの層状に研削する際に、一定時間ごとに粉体出力部を移動しながら研削を行うことで一定深さの層状に治療部位を研削することが可能となる。
液体供給接続部を備えるとともに、粉体出力部の先端で粉体と加圧気体の混合物を液体供給接続部から供給された液体と混合する構造とすることにより、粉体が粉体出力部の先端までの配管で液体に触れることがないため、吸湿性の粉体を使用した場合の配管内の目詰まりを防ぐことが期待できる。
粉体タンクとは研削用粉体を貯蔵する容器であり、タンクの容量は1回の治療に必要な粉体量が貯蔵できれば良い。好ましくは研削用粉体を20〜100グラム貯蔵する容器であり、さらに好ましくは研削用粉体を30〜50グラム貯蔵する容器である。
粉体をスムーズに粉体供給機構に送るため、タンク下部はテーパー形状である。好ましくはタンク外部から振動を与える機構を備えているタンクである。
粉体タンクは粉体残量を確認するための手段を備える。好ましくは視覚的にタンク内部が観察できる窓である。また、非接触センサでも良い。
本装置としては、空気や人体に害の無い気体を加圧気体として使用できる。好ましくは空気である。さらに好ましくは粉体が配管内に詰まる原因の要因である水分を除去した空気である。
本発明を説明するに当たり、理解を容易にするため加圧気体を空気として説明を行うが、本発明の範囲を限定するものではない。
混合室とは、研削用粉体を均一に噴射するために設けられた空間であり、加圧空気と研削用粉体を混合室内で均一に拡散し、粉体出力部に供給することを可能とする。加圧気体は加圧気体供給接続部に取り付けたコンプレッサから配管を通り混合室に供給される、そして、研削用粉体は貯蔵されている粉体タンクから粉体タンク下部に設けられた粉体供給機構により混合室に供給される、混合室に供給された加圧空気と研削用粉体は混合室で拡散され配管を通じて粉体出力部に送られる。該混合室はタンク状の形態である必要は無く、加圧気体供給接続部と粉体出力部の配管の途中にT字結合された配管形状でも良い。
噴射圧調節機構とは、通常の圧力調節弁を用いることができる。
粉体供給機構とは粉体タンクに貯蔵された研削用粉体を混合室に定量送り出す手段である。粉体供給機構は粉体タンクと混合室の間に設けられ、円柱状のハウジングを有し、この空間を埋めるように粉体搬送用回転軸が取り付けられ、該回転軸を駆動するためのモータがカップリングを介して接続されている。該回転軸は複数個の粉体貯め用の凹部を表面に有し、モータによる回転運動で粉体タンクに貯蔵されている研削用粉体が粉体貯め用の凹部に入り、回転しながら混合室に搬送される手法である。搬送時にハウジングから研削用粉体が漏れないようにするため、該回転軸の粉体貯め用の凹部両端にシールリングを設けてある、そして、回転を滑らかに行うため、シールリングの外側には軸受けが設けられている。
粉体搬送用回転軸とは粉体タンクと混合室の間に設けられた粉体供給機構のハウジング内に取り付けられており、粉体タンクから研削用粉体を混合室に搬送する手段に使用する回転軸である。該回転軸は表面に粉体貯め用の凹部を有しており、粉体供給機構の上部にあるタンクの粉体が該回転軸の凹部に入り、該回転軸に接続されたモータの回転運動により、粉体は該回転軸凹部から混合室へ搬送される。該回転軸の凹部形状は穴形状である。好ましくは、溝形状である。
粉体搬送用回転軸における凹部は、回転軸に垂直な方向に一列で配置されても良いが、凹部と凹部の間には粉体がないため混合室にパルス的に搬送することになる。粉体を混合室に連続的に搬送するため、凹部を回転軸に垂直な方向に2列以上で配置し、各列の隣り合う凹部の位置をずらして配置する。また、凹部の配置は1列であるが形状を溝形状にして回転軸に対し斜めに配置しても良い。
粉体出力部とは術者が患者を治療する際にこの部位を手で持ち作業を行うハンドピースであり、混合室で混合された加圧気体と研削用粉体を出力する部位である。術者の操作性を重視し、粉体出力部と装置本体はやわらかい材質で配管する。装置本体と配管、配管と粉体出力部をコネクタにて接続することにより、装置使用後に分割して清掃できる。粉体出力部の内部構造は液体の配管および加圧気体と研削用粉体の混合物の配管が独立しており、液体供給接続部から送られた液体を粉体出力部先端で該混合物と同時に噴射するのが良い。さらに好ましくは患者のあらゆる治療部位にスムーズに噴射物を当てるため、粉体出力部の先端形状を選択的に取替え可能な構造が良い。
以下、本発明の実施形態を図例に基づいて詳細に説明する。
図1は粉体供給装置を模式的に示す概略図である。
本実施例の粉体供給装置は図1のとおり加圧気体供給接続部2を備え、T字接続部4に配管され、T字接続部4から粉体タンク1と混合室5に配管接続している。粉体タンク1の下部にハウジングに納められた粉体供給機構6が設けられ、粉体供給機構6には粉体搬送用回転軸12を駆動するための可変モータ7が接続されている。混合室5は粉体供給機構6の粉体出口に配管されており、T字接続部4からの加圧気体と粉体を混合している。混合室5の出口は粉体出力部8に配管されており、液体供給接続部3からの配管は粉体出力部8に配管されている。
図2は粉体供給機構6のハウジング部を模式的に示す概略図である。
粉体搬送用回転軸12が軸受け11で支えられ、粉体タンク1からの粉体が軸受け11に混入することのないようにシールリング9が取り付けてある。粉体搬送用回転軸12はカップリング10を介して可変モータ7と接続している。
図3は粉体搬送用回転軸12の断面を模式的に示す断面図である。
粉体の噴射手順は、加圧気体供給接続部2から加圧気体が粉体タンク1と混合室5に送り込まれ、可変モータ7が選択された回転数で一定に回転を行うと、この回転力がカップリング10を通じて粉体搬送用回転軸12を回転する構造になっており、粉体タンク1に加圧気体を供給する配管が接続されていることで、粉体タンク1と混合室5の差圧による加圧気体の逆流などの問題もなく、送り込まれた加圧気体が粉体を押し下げて、粉体搬送用回転軸12の粉体貯め用凹部13に粉体が貯まる。そして、粉体搬送用回転軸12が回転することにより、粉体貯め用凹部13に貯まった粉体が混合室5に送り込まれる。混合室5に送り込まれた粉体と加圧気体が混合され、粉体出力部8先端まで加圧気体により搬送される。粉体出力部8の先端で、液体供給接続部3から送り込まれた液体と同時に粉体と加圧気体の混合物が噴射される構造である。
図4は粉体貯め用凹部13のパターンを示している。基本的に粉体搬送用回転軸12には粉体を貯めることのできる凹部があればどのような凹形状でもかまわない。一例として、横並びの穴14や回転軸に平行な横長の溝16などがある。これらは粉体を搬送する際、パルス的に搬送をおこない、混合室5に滑らかに供給することができないという問題がある。また、互い違いにあけられた穴15や斜めの溝17などの形態であれば、途切れのない粉体搬送を実現できる。滑らかな粉体噴出を行うには後者の形態が好ましい。
装置概略図の断面図 粉体供給機構の断面図 粉体搬送用回転軸の側断面図 粉体搬送用回転軸の穴形状図
符号の説明
1 粉体タンク
2 加圧気体供給接続部
3 液体供給接続部
4 T字接続部
5 混合室
6 粉体供給部
7 可変モータ
8 粉体出力部
9 シールリング
10 カップリング
11 軸受け
12 粉体搬送用回転軸
13 粉体貯め用凹部
14 横並びの穴
15 互い違いにあけられた穴
16 回転軸に平行な横長の溝
17 斜めの溝

Claims (4)

  1. 歯科治療で使用するための研削用粉体を加圧気体と混合して噴射する粉体噴射装置において、研削用粉体を貯蔵する粉体タンク、外部から供給される加圧気体を接続する加圧気体供給接続部、加圧気体と研削用粉体を混合する混合室、研削用粉体と加圧気体の混合物を放出する粉体出力部、および研削用粉体を粉体タンクに供給する粉体供給機構とを備え、
    加圧気体供給接続部と粉体出力部が混合室を介して中空管にて接続され、さらに、粉体タンクと混合室が粉体供給機構を介して中空管にて接続されており、
    該粉体供給機構が粉体タンク内の粉体を定量的に混合室へ搬送する機構であることを特徴とする歯科治療用粉体噴射装置。
  2. 粉体供給機構が粉体搬送用回転軸と該回転軸を駆動できるモータとからなり、粉体タンク内の粉体を粉体搬送用回転軸表面に有する凹部に格納し、該回転軸を駆動できるモータの回転により、混合室へと搬送することを特徴とする請求項1記載の歯科治療用粉体噴射装置。
  3. 加圧気体供給接続部と粉体タンクの内圧を調整する為に加圧気体供給接続部と粉体タンクが中空管にて接続されていることを特徴とする請求項1、2の歯科治療用粉体噴射装置。
  4. 粉体出力部の噴出孔に液体供給接続部の液体出力部の噴出孔が併設されていることを特徴とする請求項3の歯科治療用粉体噴射装置。
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