JP2008294209A - 太陽電池基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、発電効率を維持したまま、シリコン基板に対するアルミニウムの浸食を緩和することができ、欠陥発生率を低減させることができる太陽電池基板の製造方法を得ることを目的とするものである。
【解決手段】スクリーン印刷によって、酸化シリコン膜4の開口4aの周縁部を覆うように、アルミニウムペーストが開口4a内に充填され、アルミニウム含有層7が形成される。アルミニウム含有層7が乾燥されると、アルミニウムペーストと同一の印刷パターンのスクリーン印刷によって、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の面に、シリコンペーストが印刷され、シリコン含有層8が形成される。アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とによって、第2面側電極5を形成するための電極形成用積層体9が構成されている。
【選択図】図6
【解決手段】スクリーン印刷によって、酸化シリコン膜4の開口4aの周縁部を覆うように、アルミニウムペーストが開口4a内に充填され、アルミニウム含有層7が形成される。アルミニウム含有層7が乾燥されると、アルミニウムペーストと同一の印刷パターンのスクリーン印刷によって、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の面に、シリコンペーストが印刷され、シリコン含有層8が形成される。アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とによって、第2面側電極5を形成するための電極形成用積層体9が構成されている。
【選択図】図6
Description
この発明は、光入射面に対する裏面にパッシベーション膜と複数の電極とが設けられた太陽電池基板の製造方法に関するものである。
一般的な太陽電池セルにおいて、シリコン基板は、光入射面となる基板第1面と、その基板第1面に対する裏面である基板第2面とを有している。シリコン基板の基板第1面側は、N+層を構成しており、シリコン基板の基板第2面側は、P層を構成している。この基板第2面の表面のほぼ全面には、アルミニウムペーストが焼き付けられており、このアルミニウムペーストによって第2面側電極(裏面電極)が形成されている。また、アルミニウムペーストの焼き付け時にシリコン基板内へのアルミニウム拡散が生じることによって、基板第2面の表層箇所に、BSF(Back Surface Field;裏面電界)層が形成されている。このBSF層は、P+層を構成しており、このBSF層とP層との間には、電位勾配(電位障壁)が生じる。この電位勾配によって、光電変換時に生じた少数キャリアがN+層へ追い返されて、少数キャリアの再結合が抑制され、発電効率の向上が図られている。
また、上記のような太陽電池セルに対して、従来の光電変換装置では、基板第2面の表面全体がパッシベーション膜によって覆われており、そのパッシベーション膜を貫通する複数の点状(ドット状、ポイント状)の電極が基板第2面に接合されている。基板第2面の電極との接合部(コンタクト部)の表層箇所には、BSF層が形成されており、このような構成によって、再結合の抑制作用がより高められ、さらなる発電効率の向上が図られている(例えば、特許文献1参照)。
次に、上記のような従来の光電変換装置の製造工程について説明する。まず、シリコン基板の基板第2面がパッシベーション膜によって覆われ、そのパッシベーション膜の一部が除去されて、パッシベーション膜に点状の複数の開口が空けられる。そして、パッシベーション膜の開口を覆うようにアルミニウムペーストが印刷される。このアルミニウムペーストは、開口を通して基板第2面に接しており、そのアルミニウムペーストが焼成されることにより、アルミニウム−シリコン(Al−Si)合金の粒状焼結体からなる第2面側電極が形成されるとともに、基板第2面の第2面側電極との接合部(コンタクト部)の表層箇所にBSF層が形成される。なお、第1面側電極に関する製造工程は、一般的な太陽電池セルの製造工程と同様であり、反射防止膜と電極用金属ペーストとが基板第1面に塗布されることによって形成される。
ここで、上記のような従来の光電変換装置では、理論上、焼成時の工程で、溶解したアルミニウムペーストによって基板第2面のシリコンが溶解され、アルミニウムとシリコンとが合金化されるとともに、シリコン基板中にアルミニウムが拡散し、BSF層が形成される。しかしながら、実際には、焼成時の工程で、基板第2面におけるパッシベーション膜の開口領域で、シリコンの溶解が集中的に生じ、シリコン基板に対するアルミニウムの浸食量が多くなり、ボイド発生等の欠陥が生じてしまう。なお、この欠陥の程度は、アルミニウムペーストの印刷範囲の大きさ、厚さによっても変化する。
このような浸食現象についてより具体的に説明する。アルミニウム−シリコン合金では、Al−12重量%Si組成で、単独の物質の融点よりも合金の融点が低下する共晶組成となる。アルミニウム−シリコン合金の原料として純アルミニウムのペーストを用いた場合、焼成時にアルミニウムがシリコン基板内に拡散することにより、シリコン基板のアルミニウムとの接触部で融点の低下が生じ、相互の溶解が生じる。そして、最終的に、アルミニウムペーストの印刷範囲の全域でアルミニウム−シリコン合金が組成される。このアルミニウム−シリコン合金組成は、当初のアルミニウム100%から共晶組成に向けて組成変化が生じるが、このときの共晶用のシリコンは全てシリコン基板側から供給される。
ここで、アルミニウムペーストとシリコン基板とが全面で接触していれば、シリコン供給部の面積が大きく、シリコン基板の基板単位面積当たりの溶解量は少ない。つまり、基板第2面の開口箇所でのシリコンの集中的な溶解は生じにくくなる。しかしながら、上記のような従来の光電変換装置では、基板第2面の表面がパッシベーション膜によって覆われているため、基板第2面のパッシベーション膜によって覆われた箇所では、シリコンの溶解が生じず、シリコンの溶解がパッシベーション膜の開口領域のみで生じることとなる。これに加えて、点状電極の印刷時に、印刷精度の問題から、開口領域よりも大きく、アルミニウムペーストのパターンがパッシベーション膜上に印刷される。そして、このアルミニウムペーストの焼成時に、アルミニウム−シリコン合金が形成されるが、シリコンの供給領域がパッシベーション膜の開口領域のみでるため、シリコンの供給領域よりも大きな面積・体積を持つアルミニウムペーストに向けて、シリコンが溶け出すこととなり、シリコンが局所的に溶解してしまい、欠陥が発生しやすくなる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シリコン基板に対するアルミニウムの浸食を緩和することができ、欠陥発生率を低減させることができる太陽電池基板の製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る太陽電池用電極の製造方法は、光入射面でありかつN+層の表層面である基板第1面と、基板第1面に対する裏面でありかつP層の表層面である基板第2面とを有するシリコン基板、基板第2面を覆うように設けられ、複数の開口が互いに間隔をおいて空けられたパッシベーション膜、及び開口を通して基板第2面に接合された第2面側電極を備えた太陽電池基板の製造方法であって、基板第2面にパッシベーション膜を覆うように設けてパッシベーション膜に開口を空けるステップ、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層とシリコンを含有するシリコン含有層とをパッシベーション膜の厚さ方向に積層してなる電極形成用積層体を、開口を通して基板第2面に接合させて形成するステップ、及び電極形成用積層体を焼成することにより、第2面側電極を形成するとともに、基板第2面の第2面側電極との接合部の表層箇所に、P層との間で電位障壁を成すP+層を形成するステップを含むものである。
この発明の太陽電池用電極の製造方法は、アルミニウム含有層とシリコン含有層とをパッシベーション膜の厚さ方向に積層してなる電極形成用積層体を、開口を通して基板第2面に接合させて形成するので、電極形成用積層体の焼成時に、第2面側電極用のシリコンがシリコン含有層から供給されることにより、シリコン基板に対するアルミニウムの浸食を緩和することができ、欠陥発生率を低減させることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による太陽電池基板を示す断面図である。
図において、多結晶シリコンからなるシリコン基板1は、光入射面となる基板第1面1aと、その裏面である基板第2面1bとを有している。シリコン基板1の基板第1面1a側は、N+層となっており、基板第1面1aは、N+層の表層面を構成している。シリコン基板1の基板第2面1b側は、P層となっており、基板第2面1bは、P層の表層面を構成している。基板第1面1aは、反射防止膜2によって覆われている。また、基板第1面1aには、例えば銀からなる複数の第1電極3が設けられている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による太陽電池基板を示す断面図である。
図において、多結晶シリコンからなるシリコン基板1は、光入射面となる基板第1面1aと、その裏面である基板第2面1bとを有している。シリコン基板1の基板第1面1a側は、N+層となっており、基板第1面1aは、N+層の表層面を構成している。シリコン基板1の基板第2面1b側は、P層となっており、基板第2面1bは、P層の表層面を構成している。基板第1面1aは、反射防止膜2によって覆われている。また、基板第1面1aには、例えば銀からなる複数の第1電極3が設けられている。
基板第2面1bの全面は、パッシベーション膜としての酸化シリコン膜4によって覆われている。酸化シリコン膜4には、複数の開口4aが互いに間隔をおいて設けられている。また、酸化シリコン膜4の反シリコン基板1側の面は、各開口4aを囲む複数の膜側開口周縁部4bを有している。基板第2面1bにおける酸化シリコン膜4の開口4aによって露出された箇所は、基板側接合部(コンタクト部)1cとなっている。第2面側接合部1cには、各開口4aを通して複数の第2面側電極5が接合されている。第2面側電極5は、アルミニウム−シリコン合金を含有している。第2面側接合部1cの表層箇所には、アルミニウム−シリコン合金を含有する基板側合金層1cが形成されている。また、シリコン基板1内の基板側合金層1cの周囲には、P+層となるBSF層1eが形成されている。
次に、上記のような太陽電池基板の製造工程について説明する。図2〜7は、太陽電池基板の製造工程の一部を説明するための断面図である。なお、図2〜7では、図1のシリコン基板1を上下反転させた状態で示す。図2に示すように、基板第2面1bの表面に、プラズマCVDにより300℃で、厚さ約100nmの酸化シリコン膜4が形成されて、図3に示すように、ホトリソグラフィにより、直径50μm、ピッチ500μmの抜きパターンのレジスト6が酸化シリコン膜4の反基板第1面1a側に形成される。そして、このシリコン基板1が10%フッ酸水溶液で室温にて30秒〜3分間エッチングされて、レジスト6の抜きパターン(抜きマスク)とともに酸化シリコン膜4の一部が除去される。これによって、図4に示すように、酸化シリコン膜4に複数の開口4aが形成される。
酸化シリコン膜4に開口4aが形成されると、図5に示すように、レジスト6が除去されて、図6に示すように、スクリーン印刷によって、直径150μmの点状パターンで、膜側開口周縁部4bを覆うように、アルミニウムペーストが開口4a内に充填され、アルミニウム含有層(アルミニウム主成分層)7が形成される。このアルミニウム含有層7の乾燥印刷厚(図6における開口4aの周縁部側に接する下面から上面までの間の厚さ)は、約25μmとなるように印刷される。そして、アルミニウム含有層7が形成されると、アルミニウム含有層7が80℃にて30分間乾燥される。ここで、印刷用のスクリーンには、200メッシュのものが用いられる。また、アルミニウムペーストには、直径3〜5μm程度の平均的な粒子サイズを有するアルミニウム粉末を主成分とするペースト(市販のペースト)が用いられ、ペースト全重量に対するアルミニウム粒子の重量比が約70重量%となっている。
アルミニウム含有層7が乾燥されると、アルミニウムペーストと同一の印刷パターンのスクリーン印刷によって、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の面(図6における上面)に、シリコンペーストが印刷され、乾燥印刷厚が例えば12μm程度となるように、シリコン含有層8が形成される。そして、シリコン含有層8が80℃にて30分間乾燥され、アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とによって、第2面側電極5を形成するための電極形成用積層体9が構成されている。ここで、シリコンペーストには、直径1〜2μm程度の平均的な粒子サイズを平均的に有するシリコン粉末を含有するペーストが用いられ、ペースト全重量に対するシリコン粒子の重量比が70〜72重量%となっている。また、シリコンペースト中のその他の含有物は、無機バインダー、溶剤、分散剤及び潤滑剤となっており、シリコンペーストは、これらのものとシリコン粉末とが自動乳鉢によって混練されて作製されたものである。
シリコン含有層8が乾燥されると、850℃のランプ加熱炉によって、太陽電池基板の全体が20秒間加熱され、アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とが焼成される。この焼成によって、アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とが相互に溶融し、合金化反応が生じて、第2面側電極5が形成される。また、焼成によって、アルミニウム含有層7の一部が基板第2面1b側に溶け出すとともに、基板第2面1bの開口4aとの隣接箇所のシリコンが溶解することによって、基板第2面1bの開口4aとの隣接箇所の表層部に、基板側合金層1cが形成され、シリコン基板1内の基板側合金層1cの周囲に、アルミニウムが拡散することによって、BSF層1dが形成される。そして、基板第1面1aに反射防止膜2と第1電極3とが形成されて、図1に示すような太陽電池基板が製造される。
ここで、スクリーン印刷時の位置合わせ精度及び位置ずれについて説明する。スクリーンパターンの開口4aに対する位置合わせ精度は、印刷装置によっても異なるが、一般的には数十μm程度の位置ズレが生じてしまう。このため、開口4aを覆うためには、実用上、開口4aの直径サイズよりも数十μm大きな直径を用いた印刷パターンが必要となり、印刷パターンが直径150μmの点状パターンとなっている。また、アルミニウム含有層7及びシリコン含有層8の印刷時に、同一パターンでの印刷であるが、2回に分けて印刷することにより、位置合わせ誤差による位置ずれが生じる可能性があるが、通常のプロセス範囲の位置ずれであれば問題はない。
上記のような太陽電池基板の製造方法では、アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とを酸化シリコン膜4の厚さ方向に積層してなる電極形成用積層体9を、酸化シリコン膜4の反シリコン基板1側から開口4aを通して、第2面側接合部1cに接合させて形成するので、電極形成用積層体9の焼成時に、第2面側電極5の形成用のシリコンがシリコン含有層8から供給され、シリコン基板1に対するアルミニウムの浸食を緩和することができ、欠陥発生率を低減させることができる。
また、アルミニウム含有層7が開口4a内の空間を埋めるように第2面側接合部1cに直接接して形成されているので、シリコン含有層8の印刷時に位置ずれが生じた場合であっても、第2面側接合部1cにシリコンペーストがはみ出ることがなく、電極形成用積層体9の焼成時に、第2面側接合部1cの表層箇所にアルミニウムを安定して拡散させて、BSF層1eを形成することができ、安定した焼成効果を得ることができる。
ここで、製造した太陽電池基板の第2面側接合部(裏面電極コンタクト部)1cでの断面観察により、シリコン基板1へのアルミニウムの最大浸食量、ボイド欠陥の有無、及び点状電極間の抵抗値を測定した。図8は、実施の形態1による太陽電池基板の各種測定結果を説明するための説明図である。なお、図8では、印刷条件と一部スクリーン仕様とを変えて、シリコン含有層8の印刷厚さをそれぞれ12,8,5,15μmに設定したものをサンプル1〜4として示す。さらに、図8では、従来の光電変換装置の製造方法により製造された太陽電池基板をサンプル5として示す。
図8において、サンプル5の太陽電池基板では、シリコン基板への浸食量が大きく、ボイド欠陥が発生しているが、実施例の各太陽電池基板では、いずれも浸食量が低下し、基板浸食が抑えられ、ボイド発生も見られない。また、欠陥の減少によって、実施例の電極間の抵抗値(この抵抗値自体には特性的に具体的な意味は無い)が比較例の抵抗値に比べて小さくなっている。これにより、良好な電気的接続が得られていると判断できる。
なお、実施の形態1では、シリコン含有層8の乾燥印刷厚が5〜15μmとなるように設定されていたが、これらの例や印刷プロセスに制限されるものではなく、シリコン含有層の乾燥印刷厚(印刷ペースト厚)は、適宜決定することができる。このシリコン含有層の乾燥印刷厚を調整することにより、最終的な第2面側電極の組成を調整することが可能であり、基板への浸食量を制御することが可能である。
また、実施の形態1では、アルミニウム含有層7の乾燥印刷厚が25μmとなるように設定されていたが、アルミニウム含有層の乾燥印刷厚は、25〜30μm程度が良好な値となっており、この範囲内であればよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。図9,10は、実施の形態2による太陽電池基板の製造工程の一部を説明するための断面図である。実施の形態1では、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の端面にシリコン含有層8が積層されて形成されたが、実施の形態2では、シリコン含有層8が膜側開口周縁部4bに接合しかつ第2面側接合部1cに接合するように形成され、乾燥印刷厚約10μmとなるように、直径150μmの点状パターンで印刷される。また、実施の形態2のアルミニウム含有層7は、シリコン含有層8の反シリコン基板1側の端面に接合するように積層されて形成され、乾燥印刷厚約25〜30μmとなるように、シリコン含有層8と同一の印刷パターンで印刷される。さらに、実施の形態2では、基板側合金層1cが実施の形態1のものよりも薄くなっている。他の製造工程及び製造条件は、実施の形態1と同様である。
次に、この発明の実施の形態2について説明する。図9,10は、実施の形態2による太陽電池基板の製造工程の一部を説明するための断面図である。実施の形態1では、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の端面にシリコン含有層8が積層されて形成されたが、実施の形態2では、シリコン含有層8が膜側開口周縁部4bに接合しかつ第2面側接合部1cに接合するように形成され、乾燥印刷厚約10μmとなるように、直径150μmの点状パターンで印刷される。また、実施の形態2のアルミニウム含有層7は、シリコン含有層8の反シリコン基板1側の端面に接合するように積層されて形成され、乾燥印刷厚約25〜30μmとなるように、シリコン含有層8と同一の印刷パターンで印刷される。さらに、実施の形態2では、基板側合金層1cが実施の形態1のものよりも薄くなっている。他の製造工程及び製造条件は、実施の形態1と同様である。
上記のような太陽電池基板の製造方法では、シリコン含有層8が第2面側接合部1cに接合するように形成される場合であっても、電極形成用積層体9の焼成時に、第2面側電極5の形成用のシリコンがシリコン含有層8から供給され、シリコン基板1に対するアルミニウムの浸食を緩和することができ、欠陥発生率を低減させることができる。
ここで、上記のような製造工程により製造された太陽電池基板について、実施の形態1と同様に測定した結果、基板浸食深さが0〜5μmとなっており、場所によるばらつきが生じていた。また、ボイド欠陥の発生は無く、電極間の抵抗値は450Ωであった。つまり、ボイド欠陥は発生していないが、実施の形態1の製造方法により製造されたものに比べて、電極間の抵抗値が高めになっていた。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。図11,12は、実施の形態3による太陽電池基板の製造工程の一部を説明するための断面図である。実施の形態1では、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の端面にシリコン含有層8が積層されて形成されたが、実施の形態3では、シリコン含有層8が酸化シリコン膜4の膜側開口周縁部4bに開口4aを囲むように形成され、乾燥印刷厚約10μmで印刷される。また、実施の形態3のアルミニウム含有層7は、シリコン含有層8の反シリコン基板1側の端面と第2面側接合部1cとに接合するように形成され、印刷乾燥厚約30μmで印刷される。
次に、この発明の実施の形態3について説明する。図11,12は、実施の形態3による太陽電池基板の製造工程の一部を説明するための断面図である。実施の形態1では、アルミニウム含有層7の反シリコン基板1側の端面にシリコン含有層8が積層されて形成されたが、実施の形態3では、シリコン含有層8が酸化シリコン膜4の膜側開口周縁部4bに開口4aを囲むように形成され、乾燥印刷厚約10μmで印刷される。また、実施の形態3のアルミニウム含有層7は、シリコン含有層8の反シリコン基板1側の端面と第2面側接合部1cとに接合するように形成され、印刷乾燥厚約30μmで印刷される。
ここで、アルミニウム含有層7とシリコン含有層8とからなる電極形成用積層体9の焼成時に、理想的に、酸化シリコン膜4の反シリコン基板1側の面(図中上面)の上方で、アルミニウムとシリコンとの合金化、及び電極強度確保がなされ、酸化シリコン膜4の開口4a内では、合金化及び電極強度確保に加えて、シリコン基板1との適度な反応、及びアルミニウムの溶解とシリコン基板1内へのアルミニウムの拡散とが生じる。
ここで、実施の形態3では、シリコン含有層8が形成されてから、アルミニウム含有層7が形成されることにより、パッシベーション膜4の反シリコン基板1側の端面(下地)と、第2面側接合部1cとの間の段差が実施の形態1,2のものよりも大きくなる。このため、アルミニウム含有層7の形成時には、段差を埋めて、印刷欠陥が生じないように厚く形成する必要があり、場合によっては、メタルマスクや多重印刷によって、アルミニウム含有層7を形成してもよい。他の製造工程及び製造条件は、実施の形態1と同様である。
上記のような太陽電池基板の製造方法では、開口4aでアルミニウム含有層7とシリコン基板1とが直接接しているので、電極形成用積層体9の焼成時のアルミニウム拡散と電極形成を効率よく行うことができる。これとともに、電極形成用積層体9の焼成時に、シリコン含有層8と、そのシリコン含有層8の上方のアルミニウム含有層7とに合金化反応が生じることにより、シリコン基板1からのシリコンの供給量を抑制することができる。
ここで、上記のような製造工程により製造された太陽電池基板について、実施の形態1と同様に測定した結果、基板浸食深さが8〜12μmとなっており、ボイド欠陥の発生は無く、電極間の抵抗値は230Ωであった。つまり、各測定内容が実施の形態1の製造方法により製造されたものとほぼ同等の内容となっている。
なお、実施の形態3では、シリコン含有層8の印刷乾燥厚が3μm以下であれば、第2面側接合部1cにはみ出してもよい。この場合、シリコン含有層8が第2面側接合部1cにはみ出していないものと比べて、性能上の劣化が少なくなっている。
実施の形態1〜3では、製造工程における低コスト化の観点から、アルミニウム含有層7及びシリコン含有層8の形成方法としてスクリーン印刷法を用いたが、アルミニウム含有層7及びシリコン含有層8の形成方法は、スクリーン印刷法に限るものではなく、スパッタ法等の物理蒸着法や化学蒸着法(気相蒸着法)を用いてもよい。物理蒸着法や化学蒸着法を用いた場合、スクリーン印刷法に比べて、アルミニウム含有層7及びシリコン含有層8の形成精度を大幅に向上させることができる。また、物理蒸着法や化学蒸着法を用いた場合、シリコン含有層8の単位体積あたりのシリコン粒子の含有量を、スクリーン印刷法を用いたものよりも多くすることができる。
また、実施の形態1〜3では、シリコン基板1が多結晶シリコンにより形成されていたが、シリコン基板が単結晶シリコンにより形成されてもよい。
さらに、実施の形態1〜3では、基板第2面側電極5の形状が点状(ドット状)となっていたが、基板第2面側電極5の形状は、点状に限るものではなく、基板第2面側の反シリコン基板側の端面(電極自由表面)が電極のシリコン基板との接合面よりも大きい形状であれば、本発明を適用することができる。
1 シリコン基板、1a 基板第1面、1b 基板第2面、1c 第2面側接合部、1e BSF層(P+層)、4 酸化シリコン膜(パッシベーション膜)、4a 開口、4b 膜側開口周縁部、5 第2面側電極、7 アルミニウム含有層、8 シリコン含有層、9 電極形成用積層体。
Claims (4)
- 光入射面でありかつN+層の表層面である基板第1面と、上記基板第1面に対する裏面でありかつP層の表層面である基板第2面とを有するシリコン基板、上記基板第2面を覆うように設けられ、複数の開口が互いに間隔をおいて空けられたパッシベーション膜、及び上記開口を通して上記基板第2面に接合された第2面側電極を備えた太陽電池基板の製造方法であって、
上記基板第2面に上記パッシベーション膜を覆うように設けて上記パッシベーション膜に上記開口を空けるステップ、
アルミニウムを含有するアルミニウム含有層とシリコンを含有するシリコン含有層とを上記パッシベーション膜の厚さ方向に積層してなる電極形成用積層体を、上記開口を通して上記基板第2面に接合させて形成するステップ、及び
上記電極形成用積層体を焼成することにより、上記第2面側電極を形成するとともに、上記基板第2面の上記第2面側電極との接合部の表層箇所に、上記P層との間で電位障壁を成すP+層を形成するステップ
を含んでいることを特徴とする太陽電池基板の製造方法。 - 上記パッシベーション膜に上記開口を空けるステップの後に、上記アルミニウム含有層を、上記パッシベーション膜の反シリコン基板側の面の開口周縁部に接合させるとともに、上記開口を通して上記基板第2面に接合させて形成するステップと、
上記アルミニウム含有層の反シリコン基板側の端面に接合させて上記シリコン含有層を形成し、上記電極形成用積層体を形成するステップと
をさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載の太陽電池基板の製造方法。 - 上記パッシベーション膜に上記開口を空けるステップの後に、上記シリコン層を、上記パッシベーション膜の反シリコン基板側の面の開口周縁部に接合させるとともに、上記開口を通して上記基板第2面に接合させて形成するステップと、
上記シリコン含有層の反シリコン基板側の端面に接合するように上記アルミニウム含有層を形成し、上記電極形成用積層体を形成するステップと
をさらに含んでいる特徴とする請求項1記載の太陽電池基板の製造方法。 - 上記パッシベーション膜に上記開口を空けるステップの後に、上記パッシベーション膜の反シリコン基板側の面の開口周縁部に接合させて上記シリコン層を形成するステップ、
上記アルミニウム層を、上記シリコン含有層の反シリコン基板側の端面に接合させるとともに、上記開口を通して上記基板第2面に接合させて形成し、上記電極形成用積層体を形成するステップ
をさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載の太陽電池基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007137892A JP2008294209A (ja) | 2007-05-24 | 2007-05-24 | 太陽電池基板の製造方法 |
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