JP2008290972A - ビフィズス菌選択的増殖促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】腸内細菌のうちビフィズス菌を選択的に増殖させ、腸内細菌叢を改善することのできる物質を見出し、これを飲食品または医薬品の形態で提供する。
【解決手段】ラクト−N−ビオースIを有効成分として含有するビフィズス菌選択的増殖促進剤、ならびに該剤を含む飲食品または医薬品。
【選択図】なし

Description

本発明は、腸内細菌のうちビフィズス菌を優勢に増殖させることのできるビフィズス菌選択的増殖促進剤、およびこれを含む飲食品や医薬品に関する。
ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属細菌(ビフィズス菌)は代表的な腸内善玉菌であり、オリゴ糖や乳糖を分解して乳酸を生産する乳酸菌の一種である。ビフィズス菌は、腸内菌叢(腸内フローラ)のバランスを整え、腸内の腐敗を抑える、大腸内を酸性にして病原菌の感染や発がん物質の生成を予防する、腸の蠕動運動を活発にする、免疫力を高めるなど、健康増進と維持に有効な種々の働きを有する。これまでビフィズス菌の増殖を促進する物質(ビフィズス因子)としてN−アセチルグルコサミン、人参抽出物、ペプチド関連物質など、数々の報告があるが、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖はその代表である。オリゴ糖は、ビフィズス菌の主要な栄養源となり、ビフィズス菌を増やし、その働きを活性化させる。ビフィズス菌増殖活性を有するオリゴ糖しては、これまでフラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラフィノース、マンノオリゴ糖、ラクチュロース、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などが報告されている。しかしながら、オリゴ糖のビフィズス菌に対する選択性は必ずしも高くなく、ビフィズス菌を増殖させると同時に、ラクトバチルス(Lactobacillus)菌やバクテロイデス(Bacteroides)菌なども増殖させることが知られている。例えば、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース、ラクトスクロース(乳果オリゴ糖)、キシロオリゴ糖がそのようなビフィズス菌に対して高い選択性があるオリゴ糖ではないことが報告されている(非特許文献1、第314頁)。また、マンノオリゴ糖は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)菌とラクトバチルス(Lactobacillus)菌の両者を増殖させることが報告されている(特許文献1)。さらに、リンゴペクチン側鎖を特徴づけるアラビノオリゴ糖がビフィズス菌を特異的に増殖させることが報告されるが、アラビノオリゴ糖もまた、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)菌に加えてバクテロイデス属のバクテロイデス ブルガータス(B. vulgatus)にも資化されることがわかっている(非特許文献2)。従って、腸内細菌のうちビフィズス菌を選択的に増殖させることのできる物質の探索が望まれるとことである。
特開2004−159659号公報 オリゴ糖の新知識 早川幸男編著 食品化学新聞社(1998) ISBN-916143-03-5 プレスリリース 独立行政法人 農業技術研究機構果樹研究所 リンゴペクチン側鎖がビフィズス菌を特異的に増殖 -リンゴ摂取による生活習慣病予防効果の解明-(平成14年9月13日)(http://www.naro.affrc.go.jp/top/press/2002/kaju0913.html)
本発明の課題は、腸内細菌のうちビフィズス菌を選択的に増殖させ、腸内細菌叢を改善することのできる物質を見出し、これを飲食品または医薬品の形態で提供することにある。
本発明者らは上記課題を鋭意研究を重ねた結果、ラクト−N−ビオースI(ガラクトピラノシルβ1,3N−アセチルグルコサミン:Galβ1,3GlcNAc)がビフィズス菌を選択的に増殖させる活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) ラクト−N−ビオースIを有効成分として含有するビフィズス菌選択的増殖促進剤。
(2) (1)に記載のビフィズス菌選択的増殖促進剤を含む、飲食品。
(3) (1)に記載のビフィズス菌選択的増殖促進剤を含む、医薬品。
本発明によれば、腸内細菌のうちビフィズス菌に対して有意に高い増殖促進活性を有するビフィズス菌選択的増殖促進剤が提供される。本発明のビフィズス菌選択的増殖促進剤は、飲食品や医薬品の形態にて日常的に摂取することにより、腸内細菌叢を改善することができ、しかも安全である。例えば、本発明のビフィズス菌選択的増殖促進剤は、乳児用調製粉乳に添加することにより人工乳栄養乳児の腸内細菌叢を母乳栄養乳児にものに近づける効果が期待される。
以下に、本発明について詳細に述べる。
本発明のビフィズス菌選択性増殖促進剤は、ラクト−N−ビオースIを有効成分として含有する。ラクト−N−ビオースIの製造方法は特に限定はされないが、例えば、ラクトースとN−アセチルグルコサミンとを含有する基質を出発原料として、ブタ睾丸起源のβ−ガラクトシダーゼとバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)の生産するβ−ガラクトシダーゼとを順次的に反応させる方法(特開平6-253878号公報)、糖ヌクレオチドと複合糖質前駆物質から複合糖質を生産する能力を有する微生物、動物細胞、または昆虫細胞を利用する方法(特開2003-189891号公報)などを用いることもできる。また、本発明者らにより考案された、酵素法によるラクト−N−ビオースIが製造方法を用いることが好ましい。
上記の酵素法によるラクト−N−ビオースIの製造方法は、N−アセチルグルコサミン、リン酸、ラクト−N−ビオースホスホリラーゼ(EC 2.4.1.211)、及びUDP−グルコース−4−エピメラーゼ(EC 5.1.3.2)の存在下で、(i)糖質原料と、該糖質原料を加リン酸分解しα−グルコース−1−リン酸を生じる酵素との組合せ、(ii)α−グルコース−1−リン酸をUDP−グルコースに変換する酵素及びUDP−ガラクトースをα−ガラクトース−1−リン酸に変換する酵素とそれらの補因子との組合せを作用させる。本方法は、その反応系内において、3つの酵素反応、(1)糖質原料の加リン酸分解反応、(2)グルコース−1−リン酸のガラクトース−1−リン酸への変換反応、(3)N−アセチルグルコサミンからのラクト−N−ビオースIの合成反応が起こる。(1)の反応においては、リン酸、糖質原料(例えばスクロースなど)、及び当該糖質原料を加リン酸分解してα−グルコース−1−リン酸を生じる酵素(例えば、スクロースホスホリラーゼなど)の反応によって、グルコース−1−リン酸が生成される。(2)の反応においては、上記(1)の反応で生じたグルコース−1−リン酸と、系内のα−グルコース−1−リン酸をUDP−グルコースに変換する酵素及びUDP−ガラクトースをα−ガラクトース−1−リン酸に変換する酵素(例えば、UDP−グルコース−ヘキソース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ)、UDP−グルコース−4−エピメラーゼとの反応によって、グルコース−1−リン酸がUDP−グルコースに変換され、かつUDP−ガラクトースがガラクトース−1−リン酸に変換される。また、(3)の反応においては、上記(2)の反応によって生じたガラクトース−1−リン酸と、系内のラクト−N−ビオースホスホリラーゼ、N−アセチルグルコサミンとの反応によって、目的とするラクト−N−ビオースIが生成される。
上記のラクト−N−ビオースIは、腸内細菌のうちビフィズス菌に対して有意に高い増殖促進活性を有する。従って、ラクト−N−ビオースIは、ビフィズス菌選択的増殖促進剤の有効成分としてそのまま使用することができる。ここで、ビフィズス菌としては、特に腸管内優勢ビフィズス菌種であるビフィドバクテリウム・アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム(Bifidobacterium catenulatum)、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・アンギュラタム(Bifidobacterium angulatum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・デンティウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)などが挙げられる。
本発明のビフィズス菌選択性増殖促進剤の摂取量又は投与量は、対象者の年齢や性別、体重、症状の程度、投与方法に応じて適宜決定することができる。例えば、成人1日当たりの摂取又は投与量として、体重1kg当たりラクト−N−ビオースIとして0.001〜100mg、好ましくは0.01〜10mgの範囲が例示される。
本発明のビフィズス菌選択性増殖促進剤は、適当な添加物とともに飲食品や医薬品などの組成物に配合して提供することができる。
本発明において、飲食品とは、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、または特別用途食品(人工乳栄養乳児用または病者用食品等)などを含む意味で用いられる。さらに、本発明の飲食品をヒト以外の哺乳動物を対象として使用される場合には、ペットフード、飼料を含む意味で用いることができる。また、本発明の飲食品は腸内改善に適した飲食品である旨の記載又は表示を、例えば特定保健用食品及び栄養機能食品などのの保健機能食品について法令上の規定に基づいて認められた機能表示(栄養成分機能表示又は保健用途の表示)に従って行うこともできる。そのような表示の例としては、「腸内環境を改善する」、「便秘を解消する」、「免疫力を高める」などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
飲食品の形態は、食用に適した形態、例えば、固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状のいずれであってもよい。
飲食品の種類としては、具体的には、乳飲料(生乳、普通牛乳、濃厚乳、低脂肪乳等の加工乳、脱脂乳、コーヒー乳飲料 、フルーツ乳飲料)、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);全粉乳、脱脂粉乳、調製粉乳等の粉乳類;ヨーグルト(ソフトヨーグルト、ハードヨーグルト、プレーンヨーグルト、フローズンヨーグルト、果肉入りヨーグルト等)、バター、チーズ、練乳等の乳製品;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、グミ、ガム、キャラメル、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット等の焼き菓子、ゼリー、ジャム、クリーム等の菓子類;かまぼこ、ちくわ、ハンバーグ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;しょうゆ、ソース、酢、みりん等の調味料;食パン、菓子パン等のパン類などが挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加物を適宜配合してもよい。添加物としては、食品衛生上許容されうる添加物であればいずれも使用できるが、例えば、砂糖、果糖、異性化液糖、ブドウ糖、アスパルテーム、ステビア等の甘味料、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料、デキストリン、澱粉等の賦形剤、結合剤、希釈剤、香料、着色料、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。
本発明の飲食品におけるラクト−N−ビオースIの配合量は、そのビフィズス菌増殖促進作用が発揮できる量であればよく、対象飲食品の一般的な摂取量、飲食品の形態、効能・効果、呈味性、嗜好性およびコストなどを考慮して適宜設定すればよい。例えば、固形状食品の場合にはラクト−N−ビオースI含量が0.01重量%〜100重量%、好ましくは0.1重量%〜100重量%、飲料等の液状食品の場合にはラクト−N−ビオースI含量が0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%になるように調製する。
本発明の飲食品は、例えば、ストレス、食生活、加齢、薬(抗生物質)、睡眠不足などによる腸内細菌叢のバランスの乱れ、ならびにそれに起因する物質代謝異常、有害物質の蓄積、有害菌や病原菌の浸入・増殖・感染によりもたらされる病態(便秘や下痢、免疫力低下、生活習慣病など)を起こす傾向のある人や、母乳栄養乳児に比べてビフィズス菌が優勢に生息せず、消化不良などを起こしやすい人工栄養乳児はもとより、正常人であっても、上記の病態を予防または改善を目的として、日常的に摂取することができる。
また、本発明のビフィズス菌選択性増殖促進剤を医薬品として提供する場合は、ラクトNビオースIはそのままで、または医薬上許容され、かつ剤型に応じて適宜選択した基材や担体、ならびに添加物(例えば、賦形剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤又は崩壊補助剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、増量剤、分散剤、滑沢剤、湿潤化剤 、緩衝剤、香料等)を用いて、公知の種々の方法にて経口投与することができる各種製剤形態に調製すればよい。当該医薬品の形態としては、特に制限されるものではないが、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、内用水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤などを挙げることができる。また、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。
本発明の医薬品は、ビフィズス菌の増殖・活性化によって病態が改善される疾患の予防及び/又は治療用医薬として用いることができる。ビフィズス菌は、整腸作用、免疫賦活化作用、抗アレルギー作用、抗腫瘍作用を有する。従って、本発明の医薬品の予防及び/又は治療対象となる疾患としては、例えば、便秘症(直腸性便秘、痙攣性便秘、弛緩性便秘など)、便秘症に起因する腹部膨満感・腹痛・吐き気、下痢症(細菌性腸炎、慢性下痢症、乳児下痢症など)、過敏性腸症候群、生活習慣病(肥満症、糖尿病、脳卒中、高血圧症、高脂血症など)、アレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチなど)、大腸がんなどのがん、皮膚障害(肌荒れ、じんましん、 吹き出物、ニキビなど)、感染症(腎盂炎、大腸炎など)などが挙げられるが、これらに限定はされない。本発明の医薬品は上記疾患の発症を抑制する予防薬として、及び/又は、正常な状態に改善する治療薬として機能する。
本発明の医薬品は、前述の疾患の予防及び/又は治療用医薬として用いる場合、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ等の哺乳動物に対して経口的に安全に投与することができる。本発明の医薬品に含まれるビフィズス菌選択的増殖剤の割合は、上記1日当たりの該剤の投与量、対象者の年齢や性別、医薬品の形態、期待される効果などに応じて適宜設定することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ラクト−N−ビオースIの調製
100mMガラクトース−1リン酸−2ナトリウム、150mM N−アセチルグルコサミンからなる反応液のpHを塩酸で7.5に調整し、1U/mLのラクト−N−ビオースIホスホリラーゼを作用させることによりラクト−N−ビオースIを調製した。反応液を脱塩後トヨパールHW40Fカラムクロマトグラフィーに供して二糖画分を分取後、凍結乾燥を行い、純度95%のラクト−N−ビオースI粉末2gを得た。
(2)腸内細菌資化性試験
(1)で得られたラクト−N−ビオースIを用いてBacteroides 14株、Bifidobacterium 22株、Clostridium 24株、Eubacterium 3株、Fusobacterium 5株、Lactobacillus 9株、Enterococcus 5株、Escherichia coli 5株、Staphylococcus 3株、その他30株の計120株を用いて下記の条件で腸内細菌資化性試験を行った。
各供試菌株をフィルズ液[生理食塩水(0.85%NaCl)150 mL, 濃塩酸6 mL, 馬血液50 mL, ペプトン(1:1000, Difco)1g]を0.4%添加したGAM半流動寒天培地で37℃にて24時間培養した。得られた培養液0.3mLを、PYF液体培地にラクト−N−ビオースIを最終濃度0.5%になるよう添加した培地(下記表1)1.5mLに植菌し、嫌気条件下(二酸化炭素10%、水素1%、窒素89%)で、37℃にて4日間培養を行った。
Figure 2008290972
また、比較としてラクト−N−ビオースIをN−アセチルラクトサミン、ラクトース、ラクチュロースに変えて上記と同様に培養を行った。培養終了後培地のpHを測定し、菌増殖促進の指標として資化性をpHの低下により判定した。結果を下記表2に示す(pH≧6.0:−、5.0 ≦pH<6.0:+、pH<5.0:++)。
Figure 2008290972
Figure 2008290972
Figure 2008290972
Figure 2008290972
また、主要な腸内細菌の属で分類したときの各判定に相当する菌株数を下記表3に示した。
Figure 2008290972
上記結果に示されるように、ラクト−N−ビオースIはほとんどのビフィズス菌に対して増殖活性を示すが、その他の細菌属に対しては比較に用いた3種のオリゴ糖(N−アセチルラクトサミン、ラクトース、ラクチュロース)と比べて明らかに資化性を示す株数が少ないことが明らかとなった。この結果により、ラクト−N−ビオースIが選択的にビフィズス菌を増殖させることが示された。

Claims (3)

  1. ラクト−N−ビオースIを有効成分として含有するビフィズス菌選択的増殖促進剤。
  2. 請求項1に記載のビフィズス菌選択的増殖促進剤を含む、飲食品。
  3. 請求項1に記載のビフィズス菌選択的増殖促進剤を含む、医薬品。
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