以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域91がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」
の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに「1」〜「9」の数字と「−」の記号)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、単色のLEDと7セグメントLEDとの組み合わせによって構成されていていもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件、または第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、この実施の形態において、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。この実施の形態では、図柄の可変表示が開始されてから図柄の表示結果(停止図柄)が導出表示されるまでに、複数回(この例では1回〜3回)図柄の仮停止が行われることがある(図8、図34〜図36参照)。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうち、第2始動入賞口14への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしている。例えば第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の可変表示を続けて実行する。なお、第1始動入賞口13への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
また、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、設けられていなくてもよい。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド16によって開状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、可変入賞球装置15が所定時間開状態とされる。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(確率変動状態)または時短状態(時間短縮状態)であるときには、通常状態であるときと比較して可変入賞球装置15が長い時間開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
図1には示していないが、演出表示装置9の表示画面には、大当り終了後に時短状態または後述する潜伏確変状態(図54参照)に移行されたときから、演出図柄の停止図柄(表示結果)の導出表示および演出図柄の仮停止図柄の仮停止表示が行われた回数(実行回数)を表示する領域(以下、実行回数表示領域という。図33参照。)が設けられている。
また、図1には示していないが、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示領域93という。図33参照。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示領域93が設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示領域93が設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に(所定条件が成立したときに)、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。なお、普通図柄の可変表示結果が当りとなった場合に限らず、例えば、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて所定条件が成立したと判断して、可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示を行うことなく、直ちに可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示は行うものの、普通図柄の可変表示結果を当りとするか否かを判定することなく、無条件に可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、普通図柄の当りを示す当りフラグを格納する領域が不要となり、RAM容量を削減することができる。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
さらに、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長された状態は、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められた状態を意味する。確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数のいずれも高める必要はなく、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
この実施の形態では、確変状態において特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態および時短状態よりも高いことを除いて、確変状態と時短状態とは同じように制御される。すなわち、確変状態および時短状態のいずれの状態においても、特別図柄の可変表示時間が短縮され、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われる。このように、この実施の形態では、確変状態においても特別図柄の可変表示時間が短縮されるので、この実施の形態における確変状態を確変時短状態といってもよい。なお、確変状態と時短状態とで異なる制御を行うようにしてもよい。例えば、時短状態のときにのみ、特別図柄の可変表示時間を短縮するようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、大当りの種別および小当りについて説明する。
図柄(特別図柄、飾り図柄、演出図柄)の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になると、大当り遊技状態(以下、確変大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置20が開放される。なお、特別可変入賞装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、図柄(特別図柄、飾り図柄、演出図柄)の停止図柄が大当り図柄のうちの非確変図柄になると、大当り遊技状態(以下、非確変大当りまたは通常大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置20が開放される。この実施の形態では、停止図柄が非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときも、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、図柄(特別図柄、飾り図柄、演出図柄)の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置20が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置20が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、演出表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、図柄(特別図柄、飾り図柄、演出図柄)の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置20が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
次に、遊技状態の遷移について説明する。
(1)通常状態または時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景(背景画像および背景色のいずれか一方または双方)が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(2)確変状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(3)通常状態または時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(4)確変状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
(5)通常状態または時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常状態であったときは通常状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(6)確変状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(7)通常状態、時短状態または確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常状態、時短状態または確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
この実施の形態では、確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了したことによって確変状態に移行されたにもかかわらず、所定の割合で、遊技状態が確変状態に移行されたことを隠す制御を実行する。すなわち、演出図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示し(なお、特別図柄の停止図柄は確変図柄を導出表示する)、また、大当り遊技の終了後に、演出表示装置9の表示画面の背景を時短状態中であることを示す背景に変更して、時短状態に移行されたと見せかける演出制御を実行する。このように、確変状態に移行されたにもかかわらず、時短状態に移行されたと見せかける演出制御が実行されている遊技状態を潜伏確変状態という。確変大当り遊技の終了後に所定の割合で潜伏確変状態に移行されることにより、時短状態中であることを示す背景が表示されているときであっても、遊技者に確変状態に移行されたとの期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、時短状態は通常大当り遊技の終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御されるが、所定の変動回数に達する前に時短状態の終了を報知し、その後に時短状態が残りの変動回数分だけ延長されたように見せかける演出制御を実行する(図34等参照)。このように、時短状態が延長されたように見せかける演出制御が実行されている遊技状態を時短延長状態という。時短状態が延長されたと見せかけることにより、時短状態の終了時に延長されるかどうかの期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、この実施の形態では、潜伏確変状態に移行されたときも、時短状態が延長されたように見せかける演出制御を実行する。潜伏確変状態のときは、大当りまたは小当りが発生するまで時短延長状態が継続されることになる。従って、時短延長状態に移行された後の変動回数が増える程、潜伏確変状態の期待が高まり、より一層、遊技の興趣を向上させることができる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、ルーチンとは、プログラムにおいて、特定の処理を実行するための命令(コード)の集まりのことである。ある処理を行うための一連の命令を手順として記述したプロシージャや、与えられた情報に演算処理を加えて処理の結果を返す機能であるファンクション(関数)などがルーチンに分類される。特に個別のプログラムコードとして独立していなくても、ある分量のコードが特定の処理のために集中して配置されていれば、その部分はルーチンであるとみなすことができる。ルーチンはプログラム内での立場によって大きく2つに分けられ、プログラムを開始する際に最初に呼び出され、プログラム全体の進行を管理するルーチンを「メインルーチン」、プログラムの実行中に他のルーチンから呼び出されて動作するルーチンを「サブルーチン」と呼ぶ。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧に関するコマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。ここで、停電復旧に関するコマンドとしては、停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンド、停電発生時の遊技状態が時短状態であった場合における停電発生時の時短回数を指定する時短回数指定コマンド、停電発生時の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドが設けられている。なお、合算保留記憶数指定コマンドを送信する代わりに、第1保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第1保留記憶数を指定するコマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を送信し、第2保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第2保留記憶数を指定するコマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。また、第1保留記憶数カウンタの値や第2保留記憶数カウンタの値が0のときは、それらのコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り図柄決定用乱数の初期値を決定するためのランダム2初期値用乱数を設けてもよい。そして、ランダム4初期値用乱数に加えてランダム2初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り図柄をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」)や突然確変図柄(例えば、「5」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図6に示された乱数(特に、ランダム1,2,3)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタを確認し、第1特別図柄と第2特別図柄のうち特別図柄ポインタが示す特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。このとき、第2特別図柄の可変表示を第1特別図柄の可変表示に優先して実行するので、CPU56は、合算保留記憶数が0でない場合に、第2保留記憶数が0であるかどうかを確認し、第2保留記憶数が0でなければ特別図柄ポインタに「第1」を設定し、第2保留記憶数が0であれば特別図柄ポインタに「第2」を設定する。なお、始動入賞順に特別図柄の可変表示を行う場合には、例えば、後述する保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を確認し、保留特定領域の1つ目の領域にセットされているデータが「第1」であるか「第2」であるかにもとづいて、特別図柄ポインタに「第1」または「第2」を設定する。そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータにもとづいて、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかを特定して、特定した特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図7(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図7(B)参照)とがある。図7(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値および小当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。また、CPU56は、ランダムRの値と小当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの小当り判定値と一致すると、小当りとすることに決定する。
なお、ランダムRにもとづいて大当りとすることに決定された場合には、大当り図柄決定用乱数にもとづいて決定した停止図柄に応じて、確変大当り、通常大当りまたは突然確変大当りに決定される。具体的には、決定された特別図柄の停止図柄が「3」のときは、通常大当り(非確変大当り)となる。すなわち、特別図柄「3」が非確変図柄である。また、決定された特別図柄の停止図柄が「5」のときは、突然確変大当りとなる。すなわち、特別図柄「5」が突然確変図柄である。また、決定された特別図柄の停止図柄が「7」のときは、確変大当りとなる。すなわち、特別図柄「7」が確変図柄である。
また、ランダムRにもとづいて小当りとすることに決定された場合には、自動的に(大当り図柄決定用乱数を用いることなく)特別図柄の停止図柄は「1」と決定される。また、ランダムRにもとづいてはずれとすることに決定された場合には、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて特別図柄の停止図柄として「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれかが決定される。
なお、飾り図柄の停止図柄は、2つのLEDのうち、いずれか一方が大当り図柄・小当り図柄(大当り・小当り共通の図柄)であり、他方がはずれ図柄である。また、演出図柄の停止図柄は、CPU56にて決定された表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、はずれ)を指定する表示結果特定コマンドにもとづいて演出制御用CPU101によって決定される(図54参照)。
このように、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7に示す大当り判定値または小当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
図8は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図8に示すように、停止図柄を「はずれ」とすることに決定され、かつ遊技状態が通常状態である場合は、変動番号1,6〜11の変動パターンが用いられる。ここで、「通常変動」の変動パターン(変動番号1の変動パターン)は、リーチ演出に発展せずにはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号6の変動パターン)は、通常変動が行われた後、ノーマルリーチ演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号7の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号8の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA演出とは異なるスーパーリーチB演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号9の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA,B演出とは異なるスーパーリーチC演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号10の変動パターン)は、通常変動が行われた後にノーマルリーチ演出に発展し、その後、スーパーリーチA,B,C演出とは異なるスーパーリーチD演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。「擬似連続変動+スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号11の変動パターン)は、擬似連続変動が行われた後、スーパーリーチA,B,C,D演出とは異なるスーパーリーチE演出に発展してからはずれ図柄(リーチはずれ図柄)が導出表示される変動パターンである。
「擬似連続変動」とは、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動(変動再開)を連続的に所定回実行することによって複数回の変動が実行されたように見せる変動(つまり擬似的に複数回の変動があるように認識させる変動)である。なお、変動番号11の変動パターンでは、図柄の仮停止と再変動が1回実行されることによって2回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が実行された後に、スーパーリーチE演出に発展する。
また、停止図柄を「はずれ」とすることに決定され、かつ遊技状態が時短状態または確変状態である場合は、変動番号2〜10の変動パターンが用いられる。ここで、「時短時通常変動」の変動パターン(変動番号2の変動パターン)は、リーチ演出に発展せずにはずれ図柄が導出表示される変動パターンであって、「通常変動」の変動パターン(変動番号1の変動パターン)よりも変動時間(可変表示時間)の短い変動パターンである。「擬似連続変動(2回)」の変動パターン(変動番号3の変動パターン)は、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動が1回実行されることによって2回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が行われてからはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。「擬似連続変動(3回)」の変動パターン(変動番号4の変動パターン)は、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動が2回実行されることによって3回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が行われてからはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。「擬似連続変動(4回)」の変動パターン(変動番号5の変動パターン)は、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動が3回実行されることによって4回の変動が実行されたように見せる擬似連続変動が行われてからはずれ図柄が導出表示される変動パターンである。なお、これらの擬似連続変動の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)では、リーチ演出に発展しない。
変動番号3〜5の「擬似連続変動」の変動パターンでは、変動番号2の「時短時通常変動」の変動パターンが擬似的に2回〜4回実行されているように見せるように工夫されている。具体的には、変動番号2の「時短時通常変動」の変動時間は5秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に停止図柄が導出表示されるが、変動番号3の「擬似連続変動(2回)」の変動時間は11秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間(これは特別図柄の停止表示が行われる図柄停止時間と同じ時間;図29のステップS130A,S130B)行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に停止図柄が導出表示される。同様に、変動番号4の「擬似連続変動(3回)」の変動時間は17秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に停止図柄が導出表示される。また、変動番号5の「擬似連続変動(4回)」の変動時間は23秒であり、図柄の変動開始から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、その後図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、再び図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に仮停止図柄が仮停止され、仮停止図柄の仮停止表示が1秒間行われ、再び図柄が再変動し、再変動から5秒経過後に停止図柄が導出表示される。
この実施の形態では、時短状態が継続可能な変動回数(100回)と擬似連続変動(変動番号3〜5の変動パターン)とを関連付けることにより遊技性の向上を実現させているが、詳しい説明は後述する(図34〜図38参照)。
また、停止図柄を「大当り」とすることに決定された場合は、変動番号12〜17の変動パターンが用いられる。なお、変動番号12〜17の変動パターンは、変動時間が変動番号6〜11の変動パターンと異なるだけで、変動内容(演出内容)としては同じである。
また、停止図柄を「小当りまたは突然確変大当り」とすることに決定された場合は、変動番号18の変動パターンが用いられる。「小当り・突確共通変動」の変動パターン(変動番号18の変動パターン)は、小当りまたは突然確変大当りが発生することを報知する特殊な変動が実行される。例えば、突然、特定のキャラクタを登場させたり、「チャンス」などのような文字を表示したりするような演出が実行される。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動番号1〜18の変動パターン)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。例えば、変動番号1’〜18’の変動パターンを定義し、第1特別図柄については変動番号1〜18の変動パターンのいずれかを使用し、第2特別図柄については変動番号1’〜18’の変動パターンのいずれかを使用する。その場合、例えば、変動番号1〜18の変動パターンを示すデータが設定された変動パターンテーブルと、変動番号1’〜18’の変動パターンを示すデータが設定された変動パターンテーブルとが別個にROM54に格納される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図9は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図10に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図10に示された極性と逆極性であってもよい。
図11および図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド8000(H)〜8011(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8011(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類(大当りの種別)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合と、第2特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合とで共通の図柄確定指定コマンドを送信する場合を示すが、第1特別図柄に対応する変動表示を停止する場合と第2特別図柄に対応する変動表示を終了する場合とで別々の図柄確定指定コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される、初期画面を表示することを指定する演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される、停電復旧画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド93XX(H)は、停電発生時の遊技状態が時短状態であった場合における停電発生時の時短回数を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。XXには、停電発生時の時短回数(例えば1回〜100回)が設定される。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、遊技状態がチャンスモード状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(チャンスモード状態背景指定コマンド)である。なお、コマンド9500(H)〜9503(H)を背景指定コマンドという。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図12に示す例において、コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始4指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当り(非確変大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始3指定コマンドA003(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始4指定コマンドA004(H)は、突然確変大当り(2ラウンド大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、非確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、突然確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドを設けていないが、そのようなコマンドを設けてもよい。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドコマンドC2XX(H)が遊技制御の実行中のみならず停電復旧時にも送信される(ステップS43参照)。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11および図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1飾り図柄表示器9aでの識別情報の可変表示と第2飾り図柄表示器9bでの識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図13(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図13(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、これらのコマンドを送信する順序は図13(A)(B)に示す順序に限られるわけではなく、適宜変更することが可能である。
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図14に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
図15および図16は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、入力ポート0(図14参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS311)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS312)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。より具体的には、演算結果が1になった状態に変化した場合(直前の2ms前の判定では0であり、今回の判定で1になった場合)に、始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、入力ポート0の第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。また、この実施の形態では、入力ポート0の内容を直接ロードしているが、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をRAM55の所定の領域に設定している場合には、その領域の内容をロードするようにしてもよい。また、ステップS312の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、タイマ(停止時間タイマ)にによって特別図柄の停止図柄を停止させる時間(図柄停止時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17および図18は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS311に示されたように入力ポート0からロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット6が1であるか否か確認する(ステップS211)。図14に示すように、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット6に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット6が1であるということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを意味する。
また、ロードされたデータのビット6が1でないということは、入力ポート0のビット7の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
CPU56は、入力ポート0のビット6が1である場合には、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS212)。また、入力ポート0のビット6が1でない場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS213)。
この実施の形態では、第1保留記憶数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ)と、第2保留記憶数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)とが設けられている。そして、始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS214A)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS239に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS215)。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS216)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には(「第1」を示すデータも「第2」を示すデータもセットされていない場合には)、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(アドレスデータ)に対応するデータをセットするようにしてもよい。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータに対応するデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータに対応するデータとして02(H)をセットする。
図19(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図19(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図19(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図19(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、第2特別図柄の変動表示を常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行するようにする場合には、第2保留記憶が1つでもあれば第1保留記憶の有無にかかわらず常に第2特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶がなく第1保留記憶のみがあるときに限って第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。そのため、第2特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。
図19(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図19(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS217)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、第1保留記憶数バッファにおいて、第1保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされ、また、第2保留記憶数バッファにおいても、第2保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされている。この場合、CPU56は、始動口ポインタが示すデータによって保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)の先頭アドレスを認識する。そして、1つの保留記憶あたりのデータ数(各乱数の数)に保留記憶数(保留記憶数カウンタが示す値)を乗算した値をオフセット値として保存領域にソフトウェア乱数およびランダムRを格納する。
なお、ステップS217では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図6参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、図19(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS217の処理では、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、そのカウント値(合算保留記憶数)に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する(始動口ポインタのデータに対応する)保存領域に乱数値を保存する。または、合算保留記憶数カウンタを設けずに、ステップS217の処理の実行ごとに、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせ、その合計値に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。合算保留記憶数カウンタを設ける構成では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせる処理(演算処理)が不要となり、処理数を削減することができ、合算保留記憶数カウンタを設けない構成では、RAM55の容量を削減することができる。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS219)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータには合算保留記憶数カウンタの値が設定される。
なお、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理をステップS212の処理の前または後や、ステップS213の処理の前または後に実行するようにしてもよい。
なお、ステップS219では、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されているが、このような構成に限られず、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、始動口ポインタが「第2」を示している場合には(ステップS221)、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS222)。ロードされたデータのビット7が1である場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし(ステップS223)、ステップS214Aに移行する。ステップS221〜S223の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS214A〜S219の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS214A〜S219の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。よって、例えば、遊技球を検出したスイッチが検出信号をオン状態にする期間が極めて短くなったような状況が生じても、確実にスイッチがオン状態になったことにもとづく処理を完了できる。また、2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS214A〜S219の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合、または始動口ポインタが「第2」を示しているがロードされたデータのビット7が1でない場合には、ステップS231に移行する。
ステップS231では、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1であるか否か確認する。ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合には、始動口ポインタをクリアして(ステップS239)、処理を終了する。つまり、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になっていた場合にはステップS232以降の処理を実行しない。すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態であるということは、特定処理(いずれの始動入賞口13,14への入賞が生じたのかを特定する処理)において誤判定されたという事態は生じないのであるから、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合しているか否かの確認処理(ステップS232〜S238)を行うことなく、始動口ポインタをクリアして処理を終了する。
ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1でない場合(ビット6とビット7とのうちの一方のみが1である場合)には、CPU56は、始動口ポインタが「第2」を示しているか否か確認する(ステップS232)。始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット6が1であるか否か確認する(ステップS233)。ステップS211,S212の処理で、入力ポート0のビット6が1であるときに始動口ポインタに「第2」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、入力ポート0のビット6が1であるはずである。入力ポート0のビット6が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット6が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すために、始動口ポインタをクリアし(ステップS237)、入力ポート0(図14参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードした後(ステップS238)、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第2保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第2保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS234)。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合すなわち「第1」を示している場合には、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット7が1であるか否か確認する(ステップS235)。ステップS211,S213の処理で、入力ポート0のビット7が1であるときに始動口ポインタに「第1」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、入力ポート0のビット7が1であるはずである。入力ポート0のビット7が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット7が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すためにステップS237,S238の処理を実行し、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第1保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第1保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS236)。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、入力ポート0に入力された検出信号にもとづいて特定処理(いずれの始動口への入賞が生じたのかを特定する処理)を実行した後、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合していないときには、再度特定処理を実行するので、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値である4であるときに第1始動口13への入賞が生じた場合には、その入賞は有効な始動入賞とは見なされないが、その第1始動口13への入賞が誤って第2始動口14への入賞であると判定された場合には、第2保留記憶数の値が増やされる(第2保留記憶数が上限値である4でない場合)。つまり、有効な始動入賞とされるべきではないのに、有効な始動入賞とされてしまう。この実施の形態では、そのような状況が生ずる可能性が低減する。
ただし、再度特定処理を実行するように構成しなくてもよい。そのように構成する場合に、ステップS231〜S238の処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、プログラム容量が、再度特定処理を実行する場合に比べて削減される。なお、再度特定処理を実行しないように構成する場合には、図17におけるステップS231に移行する処理に代えてステップS239に移行するようにプログラムを構成する。
また、特定処理を際限なく繰り返し実行してしまう事態を防止するため、特定処理を所定回数(例えば2回)繰り返し実行した後には、ステップS231〜S238の処理を実行せずに、保留記憶特定情報記憶領域に記憶したデータや、保留記憶数バッファに格納した乱数値をクリアして、始動口スイッチ通過処理を終了するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズなどの影響によって特定処理を際限なく繰り返し実行してしまい、遊技機が動作しなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、ステップS231〜S238の処理を実行した後に、再度特定処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、ステップS238の処理を実行したら始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容は、以後にステップS214B,S216の処理が実行されるときに新たに抽出された乱数値で上書きされるが、ステップS238の処理を実行して始動口スイッチ通過処理を終了する場合に(この実施の形態のようにステップS238の処理を実行してステップS211に移行する場合も同様)、念のため、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容をクリアするようにしてもよい。
なお、再度ステップS211以降の処理が実行される場合に、再びステップS218,S219の処理が実行されと、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが二重に送信されることになる。そのような状況になることを避けるには、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定された時点で、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、ステップS311,S312の処理の実行後にステップS313のサブルーチンを実行するように構成したが、ステップS313のサブルーチンを実行するのではなく、ステップS311,S312の処理に続けて、ステップS312でN(すなわち、始動入賞あり)と判定したときにステップS211〜S239の処理を実行するように構成してもよい。
始動口スイッチ通過処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが始動口ポインタに設定される。そして、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。例えば、ステップS214Bの処理を例にすると、具体的には、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、ステップS214Bの処理の最初で第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS214Bの処理を例にしたが、ステップS216およびステップS218の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS216の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定(ステップS218の場合)を行うことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図20は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図20に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS214Bで始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS215で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS216の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図20に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図20に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図20に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図20に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS217の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図21および図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。ステップS52〜S54の処理によって、第2保留記憶数が0でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を、第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御される。
なお、遊技状態が時短状態や確変状態のときにのみ(時短状態のときのみ、確変状態のときのみ、または時短状態または確変状態のときのみ)、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御してもよい。すなわち、遊技状態を確認し、遊技状態が通常状態のときは、始動入賞が発生した順序で第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行し(上記のステップS52〜S54の処理を実行し)、遊技状態が時短状態や確変状態のときは、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御する。この場合、時短状態や確変状態のときは、可変入賞球装置15が高い頻度で開放し、第2始動入賞口14に数多くの遊技球が入賞する可能性が高いため、第2始動入賞口14への無効始動入賞(第2保留記憶数が4に達した後に発生する第2始動入賞の発生)の発生確率が高くなるが、時短状態や確変状態のときに第2特別図柄の変動表示を優先して実行することにより、第2始動入賞口14への無効始動入賞の発生を低減させることができる。
なお、この実施の形態では、第2保留記憶数が0でないことを条件として、常に第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合を説明するが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が多いかを判断し、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を優先して実行するようにしてもよい。例えば、ステップS52で第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認し、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多ければ、ステップS53に移行して第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにし、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くなければ、ステップS54に移行して第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。なお、この場合、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であった場合には、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよいし、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうち多い方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行することができる。また、保留記憶数が多い方の始動入賞口への入賞にもとづく変動を優先的に開始できるので、始動入賞口への無効始動入賞の発生を低減することができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
なお、図20に示すような共通保留記憶数バッファを用いる場合、ステップS52において、CPU52は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよいし、共通保留記憶数バッファの各保留記憶特定情報保存領域に「第2」を示すデータがセットされているか否かを確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよい。そして、第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS53参照)。また、第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54参照)。
次いで、例えば、特別図柄ポインタが「第1」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第1」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。また、例えば、特別図柄ポインタが「第2」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第2」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。そして、ステップS56において、特定した保留記憶特定情報保存領域およびその次のアドレスに対応する乱数値保存領域以降の保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の内容をシフトするようにしてもよい。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理も、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
その後、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。その後、CPU56は、遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグ、チャンスモードフラグ)の設定状況にもとづいて現在の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS58)。具体的には、確変フラグよび時短フラグがセットされているときは、確変状態背景指定コマンドが送信され、時短状態がセットされているときは、時短状態背景指定コマンドが送信され、チャンスモードフラグがセットされているときは、チャンスモード状態背景指定コマンドが送信され、いずれのフラグもセットされていないときは、通常状態背景指定コマンドが送信される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図7(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態または時短状態(すなわち非確変状態)であるときには、図7(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄または第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(「3」「5」「7」のいずれか)を決定する(ステップS73)。この実施の形態では、決定された停止図柄が確変図柄(「7」)である場合には、確変大当りとすることに決定されたことになる。また、決定された停止図柄が非確変図柄(「3」)である場合には、非確変大当り(通常大当り)とすることに決定されたことになる。また、決定された停止図柄が突然確変図柄(「5」)である場合には、突然確変大当りとすることに決定されたことになる。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS74,S75)。また、突然確変大当りに決定された場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS76,S77)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
大当りとしない場合において(ステップS63のN)、小当りとすることに決定された場合には、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS78,S79)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(「1」)に決定する(ステップS80)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
小当りとしない場合には(ステップS78のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS81)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS82)。この場合には、はずれ図柄(「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれか)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
なお、この実施の形態では、ステップS55〜S82に示すように、第1特別図柄の変動表示を行なう場合と第2特別図柄の変動表示を行なう場合とで、各乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理(ステップS55〜S57参照)、大当りや小当りの判定処理(ステップS61〜S82参照)を共通化する場合を示したが、別々の処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S82の処理を実行する。また、CPU56は、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S82と同様の処理を実行する。なお、乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理、大当りや小当りの判定処理を別処理として構成する場合に、一部の処理のみを共通のサブルーチンとして構成するようにしてもよい。例えば、ステップS61〜S82の大当りや小当りの判定処理のみを共通のサブルーチンとして構成し、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S58の処理を実行した後に、大当りや小当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。また、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S58と同様の処理を実行した後に、大当りや小当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(すなわち、非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りの種別)を決定しているが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、変動パターン決定用乱数を乱数バッファ領域から読み出す(ステップS91)。次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS92)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS92のN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS93のY)、CPU56は、変動パターンを小当り・突確共通変動の変動パターン(図8に示す変動番号18の変動パターン)に決定する(ステップS94)。小当りのときの変動パターンは1種類(小当り・突確共通変動の変動パターン)しか設けられていないので、変動パターン決定用乱数を用いることなく自動的に変動パターンが決定される。
小当りフラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。このとき、時短フラグがセットされていないということは、遊技状態が通常状態であることを意味し、逆に、時短フラグがセットされているということは、遊技状態が時短状態または確変状態であることを意味する。時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、変動パターンを選択する変動パターンテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の通常時はずれ用変動パターンテーブルを選択する(ステップS96)。
具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合は、図25に示す第1特別図柄の変動パターンテーブルのうち、通常状態でかつはずれのときに用いられる通常時はずれ用変動パターンテーブル(図25(A))が選択される。一方、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合は、図26に示す第2特別図柄の変動パターンテーブルのうち、通常状態でかつはずれのときに用いられる通常時はずれ用変動パターンテーブル(図26(A))が選択される。
第1特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図25(A))および第2特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図26(A))のいずれにも、「通常変動」の変動パターン(変動番号1)と、「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号6)と、「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号7)と、「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号8)と、「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号9)と、「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号10)と、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン(変動番号11)とが設定されている。
ただし、第1特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図25(A))と第2特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図26(A))とは、各変動パターンに振り分けられている判定値の数が異なる。図25(A)および図26(A)に示す例では、第1特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図25(A))よりも第2特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図26(A))の方が、リーチを伴う変動パターン(変動番号6〜11の変動パターン:特に変動番号6,7,10,11の変動パターン)に割り振られている判定値の数が少ない。したがって、第1特別図柄の変動が開始されたとき(つまり第1始動入賞が発生したとき)の方が第2特別図柄の変動が開始されたとき(つまり第2始動入賞が発生したとき)よりもリーチが発生する割合が高いことになる。
ステップS96において、時短フラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、変動パターンを選択する変動パターンテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の時短時はずれ用変動パターンテーブルを選択する(ステップS97)。
具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合は、図25に示す第1特別図柄の変動パターンテーブルのうち、時短状態でかつはずれのときに用いられる時短時はずれ用変動パターンテーブル(図25(B))が選択される。一方、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合は、図26に示す第2特別図柄の変動パターンテーブルのうち、時短状態でかつはずれのときに用いられる時短時はずれ用変動パターンテーブル(図26(B))が選択される。
第1特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図25(B))および第2特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図26(B))のいずれにも、「時短時通常変動」の変動パターン(変動番号2)と、「擬似連続変動(2回)」の変動パターン(変動番号3)と、「擬似連続変動(3回)」の変動パターン(変動番号4)と、「擬似連続変動(4回)」の変動パターン(変動番号5)と、「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号6)と、「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号7)と、「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号8)と、「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号9)と、「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号10)と、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン(変動番号11)とが設定されている。
ただし、第1特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図25(B))と第2特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図26(B))とは、各変動パターンに振り分けられている判定値の数が異なる。図25(B)および図26(B)に示す例では、第1特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図25(B))よりも第2特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図26(B))の方が、「擬似連続変動」の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)に割り振られている判定値の数が多い。したがって、第2特別図柄の変動が開始されたとき(つまり第2始動入賞が発生したとき)の方が第1特別図柄の変動が開始されたとき(つまり第1始動入賞が発生したとき)よりも擬似連続変動が発生する割合が高いことになる。また、第1特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図25(B))よりも第2特別図柄の時短時はずれ用変動パターンテーブル(図26(B))の方が、リーチを伴う変動パターン(変動番号6〜11の変動パターン)に割り振られている判定値の数が少ない。したがって、第1特別図柄の変動が開始されたときの方が第2特別図柄の変動が開始されたときよりもリーチが発生する割合が高いことになる。
図25(B)および図26(B)に示すように、時短時はずれ用変動パターンテーブルにおける各変動パターンの判定値を設定することにより、有利状態(時短状態、確変状態)に制御されているときに擬似連続変動の変動パターンが選択される割合を高くすることができる。すなわち、有利状態に制御されているときは可変入賞球装置15の開放延長(開放時間、開放回数の増加)が行われるので、第2始動入賞口14への遊技球の入賞率が高くなり、擬似連続変動の変動パターンが選択される割合も高くなる。その結果、時短状態が延長されたと見せかける時短延長状態が発生する割合が高くなり、より確実に遊技性の向上を実現することができる。
また、図25(A)および図26(A)に示すように、通常時はずれ用変動パターンテーブルには、擬似連続変動の変動パターン(「擬似連続変動+スーパーリーチE]の変動パターンを除く)が設定されていないので、通常状態に制御されているときに擬似連続変動の変動パターンが選択されるのを防止することができ、1回の変動あたりの変動時間の長期化に伴う稼働率の低下を防止することができる。
なお、通常時はずれ用変動パターンテーブル(図25(A)、図26(A))においても、擬似連続変動の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)を設定するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図25(A))よりも第2特別図柄の通常時はずれ用変動パターンテーブル(図26(A))の方が、「擬似連続変動」の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)に割り振られている判定値の数が多くなるようにするのが好ましい。これにより、時短時はずれ用変動パターンテーブル(図25(B)、図26(B))と同様に、第2特別図柄の変動が開始されたとき(つまり第2始動入賞が発生したとき)の方が第1特別図柄の変動が開始されたとき(つまり第1始動入賞が発生したとき)よりも擬似連続変動が発生する割合が高くなるが、通常状態のときは可変入賞球装置15が開放される割合は低いので、時短状態のときと比較して、擬似連続変動が発生する割合を低くすることができる。その結果、通常状態に制御されているときに過度に擬似連続変動の変動パターンが選択されるのを防止することができ、1回の変動あたりの変動時間の長期化に伴う稼働率の低下を防止することができる。
ステップS92において、大当りフラグがセットされていれば(ステップS92のY)、CPU56は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS98)。突然確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS98のY)、CPU56は、変動パターンを小当り・突確共通変動の変動パターン(図8に示す変動番号18の変動パターン)に決定する(ステップS99)。突然確変大当りのときの変動パターンは1種類(小当り・突確共通変動の変動パターン)しか設けられていないので、変動パターン決定用乱数を用いることなく自動的に変動パターンが決定される。
突然確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS98のN)、CPU56は、変動パターンを選択する変動パターンテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り用変動パターンテーブルを選択する(ステップS100)。
具体的には、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合は、図25に示す第1特別図柄の変動パターンテーブルのうち、大当りのときに用いられる大当り用変動パターンテーブル(図25(C))が選択される。一方、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合は、図26に示す第2特別図柄の変動パターンテーブルのうち、大当りのときに用いられる大当り用変動パターンテーブル(図26(C))が選択される。
第1特別図柄の大当り用変動パターンテーブル(図25(C))および第2特別図柄の大当り用変動パターンテーブル(図26(C))のいずれにも、「ノーマルリーチ」の変動パターン(変動番号12)と、「スーパーリーチA」の変動パターン(変動番号13)と、「スーパーリーチB」の変動パターン(変動番号14)と、「スーパーリーチC」の変動パターン(変動番号15)と、「スーパーリーチD」の変動パターン(変動番号16)と、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン(変動番号17)とが設定されている。また、各変動パターンに振り分けられている判定値の数も同じである。ただし、第1特別図柄の大当り用変動パターンテーブル(図25(C))と第2特別図柄の大当り用変動パターンテーブル(図26(C))とで、各変動パターンに振り分けられている判定値の数を異ならせてもよい。
CPU56は、変動パターンテーブルを選択した場合には(ステップS96,S97,S100)、選択した変動パターンテーブルを用いて、ステップS91で読み出した変動パターン決定用乱数の値に従って変動パターンを決定する(ステップS101)。すなわち、変動パターン決定用乱数の値と変動パターンテーブルの各変動パターンに割り当てられた判定値とを比較し、乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンを、変動開始する変動パターンと決定する。
そして、CPU56は、ステップS101で決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図11参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。なお、ステップS101の処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
また、CPU56は、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。なお、ステップS53,S54の処理の実行後に、図柄変動指定コマンド送信テーブルをセットする処理を実行するようにしてもよい。その場合、ステップS103において、特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であるか第2特別図柄の変動であるかを判定する必要がないので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の判定処理の負担が軽減され、かつプログラム数を削減することができる。
なお、ステップS103の処理を実行した後にステップS102の処理を実行するようにしてもよい。つまり、図柄変動指定コマンドを送信する制御を実行した後に、変動パターンコマンドを送信する制御を実行するようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS33の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS106において、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図8参照)に応じた値を設定する(ステップS105)。なお、第1特別図柄の変動が実行される場合も、第2特別図柄の変動が実行される場合も、変動時間が設定される領域(変動時間タイマ)は共通である。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS105で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
図27は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されているはずれ・大当り・小当り、または大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS116)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。また、確変大当りフラグがセットされておらず、突然確変大当りフラグもセットされていないときは、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。突然確変大当りフラグがセットされているときは、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
次いで、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、停止時間タイマに図柄停止時間(特別図柄の停止図柄の停止時間;例えば1秒)をセットしスタートさせる(ステップS123)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS124)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。
なお、図柄確定指定コマンドは第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの停止を指定する場合にも用いる共通のコマンドとされているが、第1特別図柄の停止(確定)を指定する第1図柄確定指定コマンドと第2特別図柄の停止(確定)を指定する第2図柄確定指定コマンドを設けてもよい。この場合、例えば、ステップS122のYのときに、特別図柄ポインタが「第1」を示すか「第2」を示すかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS132の処理において、特別図柄ポインタが「第1」を示すか「第2」を示すかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、停止時間タイマの値を1減算し(ステップS132A)、停止時間タイマの値が0になったか(タイムアウトしたか)どうか確認する(ステップS132B)。停止時間タイマの値が0になっていないとき(タイムアウトしていないとき)は、そのまま処理を終了する。停止時間タイマの値が0になったときは、ステップS133A以降の処理を実行する。なお、図柄確定指定コマンドは、停止図柄の導出表示のときに1回だけ送信されるように(ステップS131参照)、図柄確定指定コマンドを送信したときに送信済みフラグをセットし、そのフラグがセットされた後は、ステップS131の処理を実行しないようにする。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS133C)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133D)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り4指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。なお、大当り表示時間は、15ラウンドの大当りの場合と2ラウンドの大当りの場合とで異なる時間とされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133DのN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139A)。セットされていれば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動表示の回数をカウントするための時短回数カウンタを1減算し(ステップS139B)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS139C)。時短回数カウンタの値が0であれば、時短フラグをリセットする(ステップS139D)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行されてから100回の特別図柄の変動が終了するまで時短状態が継続される。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には5秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には5秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンド(15ラウンドまたは2ラウンド)が終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図30は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了3指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図30に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS156)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS157)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS156のN)、突然確変大当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS161)。突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(突然確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS162)、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS163)。確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
突然確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS161のN)、CPU56は、時短回数カウンタに所定値(この実施の形態では100)をセットする(ステップS164)。また、時短フラグをセットする(ステップS159)。すなわち、この実施の形態では、大当り遊技状態を終了後に、所定回数(例えば100回)の変動表示が終了するまで、遊技状態が時短状態に制御される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図31は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図31に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、チャンスモードフラグをセットしてチャンスモード状態に移行させる(ステップS176)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS177)。
図32は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図4におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態)、CPU56は、入力ポート0のビット0(カウンタスイッチ23からの検出信号の入力ビット)の値が0から1に変化したか否か確認する(ステップS586)。CPU56は、入力ポート0のビット7またはビット6が0から1に変化した場合(すなわち、カウンタスイッチ23がオンした場合)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS586,S587)。なお、図30および図31に示された大当り終了処理および小当り終了処理において、カウントスイッチ検出時間(遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでの時間)が経過してから特別図柄プロセスフラグの値が0に戻される。よって、遊技球が大入賞口に入賞したがカウントスイッチ23で検出されないうちにステップS586,S587の処理が実行されることはない。すなわち、正常にカウントスイッチ23が遊技球を検出したにも関わらず異常入賞報知指定コマンドが送信されてしまうということはない。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウンタスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞を検出して報知する制御が行われるが、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15への異常入賞を検出して報知する制御も行う(可変入賞球装置15が開放している場合にのみ第2始動入賞口14に入賞可能に構成されている場合)ようにしてもよい。その場合、可変入賞球装置15の制御状態は普通図柄プロセスフラグの値によって判定できるので、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が可変入賞球装置15が開放している状態を示していないときに第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態になったことを検出したときにも、異常入賞報知指定コマンドを送信する。その異常入賞報知指定コマンドは、大入賞口への異常入賞が検出されたときに送信される異常入賞報知指定コマンドと区別可能であることが好ましい。
例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、CPU56は、異常入賞報知処理において、普通図柄プロセスフラグが普通電動役物作動処理に対応した値(例えば3)であるか否かを確認し、普通図柄プロセスフラグが普通電動役物作動処理に対応した値以外であるときに、第2始動口スイッチ14aからの検出信号がオン状態となったことを検出したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
次に、演出表示装置9における液晶画面(表示画面)の表示領域について説明する。図33は、演出表示装置9における液晶画面の表示領域を示す説明図である。図33(A)に示すように、演出表示装置9における円形の液晶画面(表示画面)の中央には、演出図柄を可変表示するための略正方形の演出図柄表示領域91が形成されている。演出図柄表示領域91は、略正方形の一方の対角線の方向が上下方向となり、他の一方の対角線の方向が左右方向となる向きに配置されている。この実施の形態において、演出図柄表示領域91は、演出図柄を可変表示可能な略正方形の9つの可変表示領域(可変表示部)91A〜91Iを含んでいる。
演出表示装置9の表示画面の外周(外縁)と演出図柄表示領域91の左下辺とで囲われた領域が回数表示領域92である。回数表示領域92には、時短状態(潜伏確変状態の場合もある)において演出図柄の仮停止の実行回数と演出図柄の導出表示の実行回数との合計回数を特定可能な情報が表示される。図33(A)に示す例では、合計回数を特定可能な情報として、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が実行される毎に減算される特定回数(時短状態が継続可能な回数:100回)からの残り回数が表示される。具体的には、時短状態に移行した直後(非確変大当りの遊技が終了した直後)は回数表示領域92に「残り99回」が表示され、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が行われる毎に「残り0回」になるまで1ずつ回数を減らしていく。
演出表示装置9の表示画面の外周と演出図柄表示領域91の右下辺とで囲われた領域が合算保留記憶表示領域93である。合算保留記憶表示領域93には、最大8個の合算保留記憶数が表示される。
図33(B)には、演出表示装置9における液晶画面(表示画面)の変形例を示している。図33(A)に示す液晶画面は円形に形成されていたが、図33(B)に示す液晶画面は方形状に形成されている。そして、方形状の液晶画面における中央部分が演出図柄表示領域91であり、方形状の液晶画面における右上の長円形状の領域が回数表示領域92であり、方形状の液晶画面における下方の部分が合算保留記憶表示領域93である。なお、以下の説明(図34〜図38)においては、表示内容を分かりやすくするために、図33(B)に示す方形状の液晶画面の表示例を用いて説明する。
次に、時短状態における演出表示装置9と特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)の表示例について説明する。
図34は、時短状態が継続可能な変動回数と合計回数を特定可能な情報(残り回数)との関係を示す説明図である。図34には、演出表示装置9の表示画面と、その右横の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)の7セグメントLEDとが表わされている。上述したように、可変表示装置9の表示画面には、飾り図柄表示領域91と、回数表示領域92と、保留記憶表示領域93(図30において図示せず)とが設けられている。なお、演出表示装置9の表示画面(演出図柄表示領域91)における矢印の記号は、演出図柄(左図柄91a,中図柄91b,右図柄91c)が変動中であることを示している。また、特別図柄表示器における矢印の記号は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であることを示している。また、特別図柄表示器における「−」は「はずれ図柄」である特別図柄の停止図柄を示している。
図34(a)は、時短状態に移行された後に所定回の演出図柄の仮停止と所定回の演出図柄の導出表示が実行された結果、回数表示領域92に残り回数として「残り91回」が表示された状態である。このとき、演出図柄の停止図柄「123」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示されている。
演出図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り90回」に更新表示(減算更新表示)される(図34(b))。そして、演出図柄の停止図柄「345」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示され(図34(c))、再び、演出図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り89回」に更新表示(減算更新表示)される(図34(d))。
新たに開始された演出図柄および特別図柄の変動が擬似連続変動(例えば図8の変動番号3)であれば、演出図柄が仮停止図柄「467」で仮停止されるが、特別図柄は仮停止せずに変動が継続される(図34(e))。そして、演出図柄の仮停止後の再変動が実行されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り88回」に更新表示(減算更新表示)される(図34(f))。すなわち、擬似連続変動中における演出図柄の仮停止後の再変動によっても回数表示領域93の残り回数が更新表示される。
ここで、時短状態が継続可能な100回の変動回数(時短回数)は、特別図柄の変動回数を基準としてカウントしている(図29のステップS139A〜S139D参照)。これに対し、図34(e)(f)に示すように、回数表示領域92における残り回数の表示は、擬似連続変動における演出図柄の仮停止後の再変動が行われたときも更新表示される。その結果、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数とで差が生じたことになる。一方、遊技者は、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数とで差が生じたことを認識することができない(認識するのが困難である)。演出図柄の時短時通常変動(変動番号2)と擬似連続変動の1回分の変動とは、変動時間が同じ(5秒)であり、また演出図柄の変動態様も同じ(演出図柄の停止状態から徐々に変動速度が増していき、所定時間高速変動が行われた後に、演出図柄の変動速度が徐々に低下していって演出図柄が停止する態様)だからである。なお、上記の例では、演出図柄の停止時に特別図柄が停止したかどうかで演出図柄の仮停止か導出表示かを判別することが可能であるが、演出表示装置9と比較して特別図柄表示器は視認しにくい場所にあり、また遊技者も特別図柄よりも演出図柄の変動に注目しているので、気が付きにくい。
この実施の形態では、演出図柄の仮停止状態において、演出図柄は微小な揺れ変動を行っているものとする。例えば、図34に示すように、演出図柄が縦にスクロールされる場合には、縦方向(上下方向)にわずかに動いているものとする。このように、演出図柄の仮停止中に微小な揺れ変動を行ったとしても、揺れ変動が微小である限り、見た目上、完全な停止状態と見分けがつきにくい。したがって、遊技者は、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数とで差が生じたことを認識することができない(認識するのが困難である)。なお、演出図柄の揺れ変動は、スクロール方向と同じ方向の揺れに限られず、異なる方向の揺れであってもよい。また、演出図柄の仮停止中に揺れ変動を行わないようにしてもよい。
演出図柄の仮停止後の再変動が所定時間行われた後、演出図柄が導出表示される(図34(g))。そして、演出図柄の変動および特別図柄の変動が開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り87回」に更新表示(減算更新表示)される(図34(h))。このような変動動作および残り回数の更新表示が繰り返し実行されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り1回」となる(図34(i))。さらに、演出図柄の変動および特別図柄の変動が開始されると、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り0回」に更新表示(減算更新表示)される(図34(j))。そして、演出図柄の停止図柄および特別図柄の停止図柄が導出表示されたときに(図34(k))、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り5回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回)とで差が生じている場合には、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する(図34(l))。このような演出制御は、実際は時短状態が終了していないにもかかわらず時短状態が終了したかのように見せて、その後に時短状態を延長したような演出を実行することに相当する。図34(l)に示す例では、演出表示装置9の表示画面上に「EXTRA夢夢TIME!」を表示するとともに女の子のキャラクタを登場させて、時短状態が延長されたこと(時短延長状態に突入したこと)を報知するようにしている。
このような構成によれば、合計回数を特定可能な情報(残り回数)が所定回数(100回、つまり残り0回)に達した後においても時短状態が継続されることがあり、より一層の遊技の興趣の向上を実現することができる。
図35は、時短状態が継続可能な変動回数と合計回数を特定可能な情報(実行回数)との関係を示す説明図である。図34に示す例では、回数表示領域92に表示する合計回数を特定可能な情報として、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が実行される毎に減算される特定回数(時短状態が継続可能な回数:100回)からの残り回数を表示していたが、図35に示す例では、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が実行される毎に特定回数(時短状態が継続可能な回数:100回)まで加算される、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示の実行回数を表示している。すなわち、演出図柄の仮停止の実行回数と演出図柄の導出表示の実行回数との合計回数を実行回数として直接表示している。
図35(a)は、時短状態に移行された後に所定回の演出図柄の仮停止と所定回の演出図柄の導出表示が実行された結果、回数表示領域92に実行回数として「49回」が表示された状態である。このとき、演出図柄の停止図柄「123」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示されている。
演出図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「50回」に更新表示(加算更新表示)される(図35(b))。そして、演出図柄の停止図柄「345」および特別図柄の停止図柄「−」が同時に導出表示され(図35(c))、再び、演出図柄の変動および特別図柄の変動が同時に開始されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「51回」に更新表示(加算更新表示)される(図35(d))。
新たに開始された演出図柄および特別図柄の変動が擬似連続変動(例えば図8の変動番号3)であれば、演出図柄が仮停止図柄「467」で仮停止されるが、特別図柄は仮停止せずに変動が継続される(図35(e))。そして、演出図柄の仮停止後の再変動が実行されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「52回」に更新表示(加算更新表示)される(図35(f))。すなわち、擬似連続変動中における演出図柄の仮停止後の再変動によっても回数表示領域93の実行回数が更新表示される。このとき、図34で説明した場合と同様に、実際の時短状態が継続可能な変動回数と回数表示領域92に表示されている見た目上の実行回数とで差が生じたことになる。
演出図柄の仮停止後の再変動が所定時間行われた後、演出図柄が導出表示される(図35(g))。そして、演出図柄の変動および特別図柄の変動が開始されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「53回」に更新表示(加算更新表示)される(図35(h))。このような変動動作および実行回数の更新表示が繰り返し実行されると、回数表示領域92に表示される実行回数が「100回」となる(実行回数1回から更新表示が行われた場合)。その後、演出図柄の停止図柄および特別図柄の停止図柄が導出表示されたときに、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば95回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の実行回数(100回)とで差が生じている場合には、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する。このような構成によっても、図34に示した場合と同様に、遊技の興趣の向上を実現することができる。
図36は、特定のスーパーリーチにもとづき時短状態が延長される場合の表示例を示す説明図である。図36(a)〜(g)は、上記の図34(a)〜(g)の画面表示例と同一であるので、説明を省略する。
「残り50回」目の演出図柄の変動および特別図柄の変動が開始されたとき(図36(h))、その変動パターンが特定のスーパーリーチの変動パターン(例えば変動番号10の「スーパーリーチD」の変動パターン)であるとする。スーパーリーチDの変動パターンでは、例えば、通常変動が行われた後にスーパーリーチDの変動(演出)に発展する。このとき、演出表示装置9の表示画面にスーパーリーチDに発展することを報知するとともに、合計回数を特定可能な情報である残り回数に所定回数が加算されること(残り回数が増加すること)を報知する。すなわち、演出図柄の仮停止または演出図柄の導出表示が所定回数分だけ延長されることを報知する。図36(h)に示す例では、女の子のキャラクタが登場し、画面に「スーパー発展+2P!」と表示して、残り回数が2回増加することを報知している。
その後、回数表示領域92に表示される残り回数を「残り50回」から「残り52回」に更新表示(加算更新表示)し(図36(i))、演出図柄の停止図柄「767」および特別図柄の停止図柄「−」を導出表示する(図36(j))。このとき、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)が所定回数分加算されて時短状態が延長されるわけではなく、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が所定回数分加算されて、見た目上、時短状態が延長されたように見せる演出を行っている。例えば、実際の時短状態が継続可能な変動回数が例えば残り55回で、回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数が残り50回である場合、残り回数にだけ所定回数(2回)を加算して残り52回に更新表示するが、時短状態が継続可能な変動回数は55回のままである。この場合、変動回数と残り回数との差が3回になるだけで、遊技制御上の問題が生じるわけではない。
「残り0回」目の演出図柄の変動および特別図柄の変動が終了したときに(図36(k))、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り3回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回)とで差が生じている場合には、図36(l)に示した場合と同様に、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する(図36(l))。
上記のような構成によれば、合計回数を特定可能な情報(残り回数)が所定回数(100回、つまり残り0回)に達する前においても、特定のスーパーリーチへの発展(出現)にもとづき所定回数分だけ時短状態が延長されることになり、特定のスーパーリーチの発展(出現)に対する遊技者の期待を抱かせることができる。その結果、遊技の興趣が向上する。
図36に示すように、特定のスーパーリーチにもとづき時短状態を見た目上延長するような演出を行うようにすると、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が多くなってしまうことが考えられる。この場合、回数表示領域92に表示される残り回数が0回に達していないにもかかわらず時短状態が終了してしまうことになり、遊技者に違和感を与えてしまうおそれがある。しかし、特定のスーパーリーチの変動パターン(例えばスーパーリーチDの変動パターン)が実行される頻度よりも擬似連続変動の変動パターンが実行される頻度の方が高いので(図25(B)、図26(B)参照)、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が瞬間的に多くなってしまうことがあったとしても、100回の変動が行われる間に、擬似連続変動が数多く発生し、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が少なくなることが想定される。
なお、仮に、特定のスーパーリーチが高頻度で発生し、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が多くなった場合には、回数表示領域92に表示される残り回数を強制的に減らす手段をとるようにしてもよい。例えば、時短状態が継続可能な残り変動回数よりも回数表示領域92に表示される残り回数の方が多くなったときに、特別な演出を実行して強制的に残り回数を減らす(女の子のキャラクタを登場させて残り回数を徐々にまたは一度に減らしていく)演出を実行するようにしてもよい。このような演出を実行することによって、回数表示領域92に表示される残り回数を強制的に調整することが可能となる。
なお、スーパーリーチを通常変動からの発展させる場合に限らず、変動開始時に突然出現させ、そのときに、残り回数に所定回数が加算されること(残り回数が増加すること)を報知するようにしてもよい。
また、図36では、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が行われる毎に減算されていく残り回数を表示する場合を示していたが、図35に示した場合と同じように、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が行われる毎に加算されていく実行回数を表示する場合についても、特定のスーパーリーチにもとづき実行回数を所定の回数分だけ減算し、時短状態を延長されたように見せるようにしてもよい。
また、特定のスーパーリーチは「スーパーリーチD」に限られず、「スーパーリーチC」や「ノーマルリーチ」などであってもよく、また一つに限らず複数のスーパーリーチを特定のスーパーリーチとしてもよい。
また、残り回数の加算の条件は特定のスーパーリーチの発生に限られず、特定の予告演出の発生などであってもよい。
図37は、回数表示領域における合計回数を特定可能な情報の変形例を示す説明図である。図34および図36では、回数表示領域92における合計回数を特定可能な情報として「残り○○回」を表示し、図35では、回数表示領域92における合計回数を特定可能な情報として「○○回」を表示していたが、図37(a)〜(c)に示すように、「正」の字を用いて表示するようにしてもよい。すなわち、回数表示領域92において、「正」の字1個で回数「5回」を表示することによって、合計回数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。
また、図37(d)〜(f)に示すように、回数表示領域92における「始」と「終」との間の車92Aの位置で合計回数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。すなわち、遊技状態が時短状態に移行されたときに車92Aが「始」の位置にあり、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示がある度に車92Aの位置を「終」に近づけるようにしてもよい。なお、車92Aだけでは合計回数を特定可能な情報(残り回数)が認識されにくい場合もあるので、「始」から「終」に移動する目盛りを車92Aとともに移動させるようにしてもよい。
また、図37(g)〜(i)に示すように、回数表示領域92における大きな花92Bと小さな花92Cの数で合計回数を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。すなわち、大きな花1個で回数「10回」を表示し、小さな花1個で回数「1回」を表示するようにしてもよい。その他、適宜、演出やキャラクタの画像に合わせて、合計回数を特定可能な情報を表示することも可能である。
図38は、回数表示領域における合計回数を特定可能な情報の別の変形例を示す説明図である。図38(a)(b)に示すように、回数表示領域92において、時短状態に移行されると女の子のキャラクタが登場し、女の子のキャラクタがビンの中に入っているくじ引きを演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示に合わせて一つずつ引いていく。ビンの中に入っているくじ引きの数(枚数)が残り回数(合計回数を特定可能な情報)である。なお、演出図柄は画面右下で変動している。
そして、図38(c)に示すように、特定のスーパーリーチが発生したが大当りとならなかった場合には、残念賞として「くじ3枚」をビンの中に追加する。これにより、残り回数が加算されたことになる。その後、演出図柄の仮停止および演出図柄の導出表示が繰り返し行われることにより、ビンの中に入っているくじ引きがなくなる。そして、演出図柄の停止図柄および特別図柄の停止図柄が導出表示されたときに、実際の時短状態が継続可能な変動回数(例えば残り5回)と回数表示領域92に表示されている見た目上の残り回数(残り0回;残りのくじが0枚)とで差が生じている場合には、図34(l)に示したのと同様に、時短状態が延長されたことを遊技者に報知して、時短延長状態に移行する。なお、くじ引きの数だけでは合計回数を特定可能な情報(残り回数)が認識されにくい場合もあるので、合計回数を特定可能な情報の更新とともに移動する目盛りを設けるようにしてもよい。
なお、図8に示す変動パターンには、「擬似連続変動」の変動パターンとして、変動番号3〜5の「擬似連続変動」の変動パターンのほかに、変動番号11の「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターンも設けられている。しかし、この実施の形態では、「擬似連続変動+スーパーリーチE」の変動パターン中の「擬似連続変動」における演出図柄の仮停止にもとづいて合計回数を特定可能な情報の更新表示を行わない。ただし、この場合に合計回数を特定可能な情報の更新表示を行うようにしてもよい。
なお、上記の図34〜図38は、時短状態における演出表示例を示していたが、潜伏確変状態においても同様の演出表示が行われる。ただし、時短延長状態に移行された後、時短状態の場合には実際の時短状態が継続可能な変動回数に達すると時短延長状態が終了することになるが、潜伏確変状態の場合には大当りが発生するまで時短延長状態が継続される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図39は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示領域93の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、共通の飾り図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した図柄変動指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄いずれの変動であるかを特定し、特定した飾り図柄に対応する飾り図柄表示器9a,9bに表示信号を出力するように制御する。
図40は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11および図12参照)であるのか解析する。
図41〜図43は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが、演出表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS614のY)、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドの内容に応じた背景表示状態フラグをセットする(ステップS615A)。具体的には、背景指定コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば通常状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば確変状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば時短状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドがチャンスモード状態背景指定コマンドであればチャンスモード状態のときの背景表示状態フラグをセットする。次いで、演出制御用CPU101は、潜伏確変フラグのセット・リセット(ステップS893参照)にもとづいて現在の遊技状態が潜伏確変状態であるかどうかを確認し(ステップS615B)、潜伏確変状態であれば、演出表示装置9の背景(背景画像、背景色など)として時短状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS615C)。潜伏確変状態でなければ、演出表示装置9の背景として背景指定コマンドにもとづいて確認した遊技状態に応じた背景を表示する制御を実行する(ステップS615D)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS630)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS631)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。なお、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信することなく、同じ合算保留記憶数指定コマンドを2回受信した場合には、1回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドを破棄し(例えば、合算保留記憶数保存領域を一旦クリアし)、2回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータを合算保留記憶数保存領域に格納するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
なお、図17のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するように構成されている場合は、ステップS651において、その保留記憶数指定コマンドを所定の保存領域(保留記憶数保存領域)に格納する処理が行われる。
また、図17のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理を行わないように構成された場合には、ステップS645のNの場合にステップS653の処理に移行する。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)の内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し(ステップS653、S655)、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新(現在の合算保留記憶数を示す値に対応するデータに更新)するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、合算保留記憶数指定コマンドの送信が不要となり、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図44は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図44に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図44(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図44(B)参照)。
図45は、演出図柄の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御装置9の演出図柄表示領域91は、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に対応して、演出図柄を可変表示可能な複数の可変表示部を含む。図45(A)に示すように、この実施の形態において、演出表示装置9の演出図柄表示領域91は、略正方形に構成されており、演出図柄を可変表示可能な略正方形の9つの可変表示領域(可変表示部)91A〜91Iを含む。また、演出図柄表示領域91は、略正方形の一方の対角線の方向が上下方向となり、他の一方の対角線の方向が左右方向となる向きに配置されている。また、図45(A)に示すように、各可変表示91A〜91Iにおいて、それぞれ個別に演出図柄の変動表示が行われる。
また、この実施の形態では、演出図柄表示領域91において、右上から左下方向の上段、中段もしくは下段、または左上から右下方向の上段、中段もしくは下段のいずれかのラインにおいて、左右の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)、リーチ態様となる。例えば、図45(B)に示すように、右上から左下方向の中段のラインにおいて、左右の可変表示領域91D,91Fの演出図柄が同じ図柄(例えば7)で揃った状態で停止表示した場合、リーチ態様となる。また、例えば、図45(C)に示すように、左上から右下方向の上段のラインにおいて、左右の可変表示領域91I,91Cの演出図柄が同じ図柄(例えば7)で揃った状態で停止表示した場合、リーチ態様となる。
また、この実施の形態では、演出図柄表示領域91において、略正方形の左右の対角線方向のラインにおいて左右の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)、略正方形の上下の対角線方向のラインにおいて上下の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)にも、リーチ態様となる。例えば、図45(D)に示すように、略正方形の左右の対角線方向のラインにおいて、左右の可変表示領域91G,91Cの演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合、リーチ態様となる。また、同様に、略正方形の上下の対角線方向のラインにおいて、上下の可変表示領域91I,91Aの演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合、リーチ態様となる。
図46は、合算保留記憶表示領域93の表示状態の例を示す説明図である。図46(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示領域93には、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様で(例えば、同じ形および同じ色で)表示するようにしてもよい。
図46(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示領域93の表示状態の例が示されている。図46(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示領域93に表示される。図46(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示領域93の表示状態の例が示されている。図46(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示領域93に表示される。
図46(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示領域93に表示させる。よって、合算保留記憶表示領域93の表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示領域93の表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図46(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
なお、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示領域93の表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状(例えば、星印)を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のうち、あらかじめ定めたいずれか一方の色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、合算保留記憶表示領域93に常に赤色の丸印を表示してもよいし、常に緑色の丸印を表示してもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかをランダムに決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、乱数を用いた抽選処理により赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定して、合算保留記憶表示領域93に表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、第1保留記憶数が上限値(4)である場合には、第2始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、緑色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにしてもよい。逆に、例えば、第2保留記憶数が上限値(4)である場合には、第1始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、赤色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにしてもよい。また、第1保留記憶数や第2保留記憶数が上限値でなくても、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、少ない方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数(例えば2)が第2保留記憶数(例えば3)より少なければ、赤色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにしてもよい。また、逆に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、多い方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、合算保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、合算保留記憶数が多いということは、可変入賞球装置15が開状態となり第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、合算保留記憶数が所定値(例えば4)以上であるか否かを判断し、所定値以上であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにし、所定値未満であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、遊技状態にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、遊技状態が高ベース状態になっているということは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められ第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、高ベース状態であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにし、低ベース状態であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示領域93に表示するようにしてもよい。
図47は、図39に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。また、遊技状態が時短状態のときは、合計回数を特定可能な情報(残り回数)を更新する処理や、演出表示装置9の背景を変更する処理を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、遊技状態が時短状態のときは、合計回数を特定可能な情報(残り回数)を更新する処理や、演出表示装置9の背景を変更する処理を実行する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図48は、図47に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図49は、図47に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、リーチを伴う変動パターン(変動番号6〜17の変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS1821)。リーチを伴う変動パターンのいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出する(ステップS1822A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば5以上)であるか否かを確認する(ステップS1822B)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するか否かを決定するための予告決定用テーブルとして、第1予告決定用テーブル(図50(A)参照)を選択する(ステップS1822C)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、演出制御用CPU101は、第2予告決定用テーブル(図50(B)参照)を選択する(ステップS1822D)。
次いで、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数および選択した予告決定用テーブルにもとづいて、予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS1823)。
図51は、予告演出の発生確率を示す説明図である。この実施の形態では、図50に示す予告決定用テーブルを用いて、図51に示す確率で予告演出を実行するか否かが決定される。図51に示すように、この実施の形態では、合算保留記憶数が所定値(例えば5)以上であれば5パーセントの確率で予告演出を実行すると決定され、所定値以上でなければ22パーセントの確率で予告演出を実行すると決定される。したがって、この実施の形態では、図51に示すように、合算保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、予告演出を実行する頻度を低減している。そのように構成することによって、合算保留記憶数が多いために短縮変動が行われる場合に、変動時間が短いために演出時間の余裕がないのに予告演出を実行してしまい、演出が複雑化する事態を防止することができる。また、演出が複雑化することを防止することによって、遊技者が視覚的に疲れを感じてしまい興趣が減退してしまうような事態を防止することができる。
予告演出を行うことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1824,S1825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する(ステップS1826)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定する(ステップS1827)。なお、第1図柄変動要求フラグがセットされているときと、第2図柄変動要求フラグがセットされているときとで、同じ予告演出を実行するようにしてもよい。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS1828)。
上述した予告選択処理では、リーチを伴う変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信したときに、合算保留記憶数カウンタの値に応じて予告演出の実行確率や選択される予告演出の種類の選択割合を異ならせていたが、受信した変動パターンコマンドが大当り用の変動パターンコマンドか否かによって、予告演出の実行確率や選択される予告演出の種類の選択割合を異ならせるようにしてもよい。この場合、ステップS1821の判定は不要となり、ステップS1822Bの処理に代えて、大当り用の変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する。
図52および図53は、図47に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から読み出した変動パターンコマンドが、擬似連続変動の変動パターン(変動番号3〜5の変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS821A)。擬似連続変動の変動パターンであれば(ステップS821AのY)、演出図柄の変動開始から演出図柄の仮停止後の再変動(変動再開)までの時間、または演出図柄の仮停止後の再変動から演出図柄の次の仮停止後の再変動までの時間を計測するための仮停止時間タイマをスタートさせる(ステップS821B)。
次に、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であるか否か確認する(ステップS821C)。なお、時短状態か否かは、背景表示状態フラグを確認することにより判定可能である。時短状態であれば(ステップS821CのY)、演出制御用CPU101は、実際の時短状態が継続可能な変動回数(時短回数)をカウントするための演出用時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS821E)。なお、演出用時短回数カウンタの値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって更新される時短回数カウンタの値と同期して更新される。そして、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の回数表示領域92に表示される残り回数(合計回数を特定可能な情報)をカウントするための残り回数カウンタの値を1減算する(ステップS821F)。
一方、ステップS821Cにおいて時短状態でなければ(ステップS821CのN)、演出制御用CPU101は、潜伏確変フラグにもとづいて潜伏確変状態であるか否かを確認する(ステップS821D)。潜伏確変状態でなければ(ステップS821DのN)、ステップS822の処理に移行する。潜伏確変状態であれば(ステップS821DのY)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値を1減算する(ステップS821F)。
その後、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値が0であるかどうかを確認する(ステップS821G)。ここで、残り回数カウンタの値が0であるということは、時短状態が見た目上終了した状態、すなわち、回数表示領域92に表示される残り回数が「残り0回」に更新表示されたときの変動が終了してから次の変動が開始される状態(図34(l)、図36(l))であることを意味する。残り回数カウンタの値が0でなければ(ステップS821GのN)、まだ残り回数が残っているので、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値にもとづいて、回数表示領域92における残り回数を更新表示(減算更新表示)する(ステップS821H)。そして、ステップS822の処理に移行する。なお、図35に示したように、合計回数を特定可能な情報として実行回数を加算していく場合には、実行回数を更新表示(加算更新表示)する。
残り回数カウンタの値が0であれば(ステップS821GのY)、演出制御用CPU101は、遊技状態が潜伏確変状態であるかどうかを確認する(ステップS821I)。潜伏確変状態であれば、遊技者の見た目上は時短状態であるが実際は確変状態であって、時短回数(時短状態が継続可能な変動回数)の制限は設けられていないので、演出制御用CPU101は、演出表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、演出表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS821K)。例えば、時短延長状態のときの背景画像を表示し、背景色として時短延長状態の背景色(例えば黄色など)に変更する。
潜伏確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS821J)。ここで、演出用時短回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が時短状態で、残り回数カウンタの値が0で、演出用時短回数カウンタの値が0であるので、実際の時短状態が継続可能な残り変動回数と回数表示領域92に表示された残り回数との差がなく、時短状態が実際に(本当に)終了することを意味する。この場合、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の背景を通常状態の背景に変更する(ステップS821L)。一方、演出用時短回数カウンタの値が0でなければ、実際の時短状態が継続可能な残り変動回数と回数表示領域92に表示された残り回数との差があり、見た目上の時短状態は終了するが、時短状態は実際には終了しないことを意味する。この場合は、演出制御用CPU101は、演出表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、演出表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS821K)。その後、ステップS822の処理に移行する。
ステップS822において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS821)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS822)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS823)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS825)。その後、ステップS828に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS825)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS826A)とともに、第2保留記憶数を1減算することを示す第2保留記憶数減算フラグをセットする(ステップS826B)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS827)。その後、ステップS828に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。また、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS829)。なお、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図54は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図54に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として1ライン上の3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として1ライン上の3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せ、または停止図柄として1ライン上の3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には、演出図柄の組み合わせとして確変図柄(1ライン上の3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組み合わせ)を決定する必要があるが、確変大当りが発生することを報知せずに潜伏させるようにするために、受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合であっても、一定の割合で演出図柄の組み合わせとして非確変図柄(1ライン上の3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組み合わせ)を決定するようにしている。このように、実際には確変大当りが発生し、大当り遊技の終了後に確変状態に移行するが、通常大当りの発生を想起させるような停止図柄を停止表示(導出表示)するとともに、確変大当りの報知を行わず、さらに大当り遊技終了後も時短状態に移行されたように見せることによって(ステップS615B,S615C参照)、確変状態を潜伏させることが可能となる。
受信した表示結果特定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての1ライン上の3図柄として「135」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。また、受信した表示結果特定コマンドが突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての1ライン上の3図柄として「531」(小当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、1ライン上の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、演出表示装置9に導出表示される1ライン上の3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
また、1ライン上とは、左上から右下に向かう斜めライン(ライン上には計3つの演出図柄がある。)、右上から左下に向かう斜めライン、縦のライン、または横のラインである。以下、1ライン上の3図柄を左中右図柄または上中下図柄という。例えば、大当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、左中右図柄または上中下図柄が揃って停止表示される。小当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、「135」が停止表示される。突然確変大当りの場合には、少なくとも1つのラインにおいて、「531」が停止表示される。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン(予告演出を実行する場合は予告演出の種類)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図55は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図55に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS837)。
図56は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。また、仮停止時間タイマがスタートされている場合には、仮停止時間タイマの値を1減算する(ステップS843A)。
次に、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であるか否か確認する(ステップS843B)。時短状態であれば(ステップS843BのY)、ステップS843Dの処理に移行する。時短状態でなければ、演出制御用CPU101は、遊技状態が潜伏確変状態であるか否か確認する(ステップS843C)。潜伏確変状態でなければ、ステップS844Aの処理に移行し、潜伏確変状態であれば、ステップS843Dの処理に移行する。
ステップS843Dでは、演出制御用CPU101は、仮停止時間タイマの値が0であるか否か(タイムアウトしているか否か)を確認する(ステップS843D)。ここで、仮停止時間タイマがタイムアウトしているということは、演出図柄の変動開始から演出図柄の仮停止後の再変動(変動再開)までの時間が経過したこと、または演出図柄の仮停止後の再変動から演出図柄の次の仮停止後の再変動までの時間が経過したことを意味する。従って、仮停止時間タイマがタイムアウトした場合は、残り回数の更新表示を行う必要があるので、ステップS843E以後の処理を実行する。一方、仮停止時間タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS844Aの処理に移行する。
なお、図56には示していないが、擬似連続変動の変動パターンを実行しているときにだけ仮停止時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する必要があるので、演出制御用CPU101は、ステップS843Dの判定を行う前に、擬似連続変動の変動パターンを実行しているかどうかを変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドの内容などにもとづいて判断する。また、図56には示していないが、仮停止時間タイマがタイムアウトしたときは、演出図柄の次の仮停止後の再変動のタイミングを認識するために、仮停止時間タイマをスタートさせる。
ステップS843Eでは、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値を1減算する(ステップS843F)。
その後、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値が0であるかどうかを確認する(ステップS843F)。残り回数カウンタの値が0でなければ(ステップS821FのN)、まだ残り回数が残っているので、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタの値にもとづいて、回数表示領域92における残り回数を更新表示(減算更新表示)する(ステップS843G)。そして、ステップS844Aの処理に移行する。なお、図35に示したように、合計回数を特定可能な情報として実行回数を加算していく場合には、実行回数を更新表示(加算更新表示)する。
残り回数カウンタの値が0であれば(ステップS843FのY)、演出制御用CPU101は、遊技状態が潜伏確変状態であるかどうかを確認する(ステップS843H)。潜伏確変状態であれば、遊技者の見た目上は時短状態であるが実際は確変状態であって、時短回数(時短状態が継続可能な変動回数)の制限は設けられていないので、演出制御用CPU101は、演出表示装置の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、演出表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS843J)。例えば、時短延長状態のときの背景画像を表示し、背景色として時短延長状態の背景色(例えば黄色など)に変更する。
潜伏確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS843I)。演出用時短回数カウンタの値が0であれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の背景を通常状態の背景に変更する(ステップS843K)。一方、演出用時短回数カウンタの値が0でなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に時短延長を表示(例えば「EXTRA夢夢TIME」)するとともに、演出表示装置9の表示画面の背景として時短延長状態の背景を表示する制御を実行する(ステップS843J)。その後、ステップS844Aの処理に移行する。
ステップS844Aでは、演出制御用CPU101は、特定のスーパーリーチ(例えば「スーパーリーチD」)を伴う変動パターンに発展したかどうかを判定する(ステップS844A)。特定のスーパーリーチに発展したかどうかは、例えば、ステップS833で選択されたプロセステーブルが特定のスーパーリーチを伴う変動パターンのプロセステーブルであることを判定するとともに、プロセステーブルを構成するプロセスデータのうち、特定のスーパーリーチに発展するときのプロセスデータの前のプロセスデータまで制御処理が実行されたかどうかを確認することにより判定することができる。なお、特定のスーパーリーチを伴う変動パターンの変動開始時に特定のスーパーリーチに発展するタイミングを認識するためのタイマをスタートさせ、そのタイマで時間を計測することによって特定のスーパーリーチに発展したかどうかを判定するようにしてもよい。
特定のスーパーリーチに発展したと判定したときは(ステップS844AのY)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタに所定値(例えば2回:なお、2回に限られるわけではなく、例えばスーパーリーチの種類によって所定値の値を変更するようにしてもよい)を加算し、残り回数を更新表示(加算更新表示)する(ステップS844B)。
プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS845)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS846)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS847A,S847B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS847A,S847C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS847Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS848)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS849)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS848)、ステップS850に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図57は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(ステップS854)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄および演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図58は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、小当り遊技の開始を報知する画面と突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは同じ画面であるものとする。
図59は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS892参照)。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合であって、大当り終了1指定コマンドを受信している場合(ステップS889のY)、つまり、通常大当りの終了を指定する演出制御コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットし(ステップS890)、残り回数カウンタにも所定値(100回)をセットする(ステップS891)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
大当り終了1指定コマンドを受信している場合には(ステップS889のN)、演出制御用CPU101は、今回の大当りが潜伏確変大当りであったかどうかを確認する(ステップS892)。潜伏確変大当りであったかどうかは、例えば、ステップS829で決定した演出図柄の停止図柄が通常大当りの発生を想起させる大当り図柄(非確変図柄)であったかどうかを確認することにより判定することができる。潜伏確変大当りであったときは(ステップS892のY)、演出制御用CPU101は、残り回数カウンタにも所定値(100回)をセットする(ステップS891)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
潜伏確変大当りでなかったときは(ステップS982のN)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
図60は、図39に示された演出制御メイン処理におけるステップS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS784)。
ステップS785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS789)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS790)。なお、ステップS824,S827では、飾り図柄切替タイマに0.5秒に相当する値を再設定する処理を実行しなくてもよい。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
なお、第1飾り図柄表示制御処理(ステップS706)と第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)を共通の処理としてもよい。この場合、第1飾り図柄変動中フラグ等のフラグをリセットする処理(ステップS781〜S784,S786)については、第1飾り図柄用の処理と第2飾り図柄用の処理とを別々に設ける必要があるが、ステップS785,S787〜S792の処理は共通にすることが可能である。例えば、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか、第2飾り図柄変動中フラグがセットされているかによって、対応するLED(第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9b)に表示制御信号を出力する制御を実行する。
図61は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図61(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図61(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図61(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図61(C)の右側参照)。
図62は、ステップS709の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS971)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図42におけるステップS629参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS976に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS972)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS973,S974)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS975)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS976では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS977)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS978)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図61(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS979)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS980)。
図63は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図63(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図63(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図63(C)には、演出表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化報知が実行されている期間であるか否かに関わらず、異常入賞が生じたことを検出したら異常入賞報知指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化報知が実行されている期間では異常入賞報知指定コマンドを受信しても異常報知の処理を行わずに初期化報知を継続することによって、初期化報知を異常報知よりも優先させるようにしてもよい。その場合、初期化報知が実行されている期間中に異常入賞報知指定コマンドを受信したら、初期化報知が実行されている期間が終了したときに異常報知を行うようにしてもよい。
図64〜図66は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理(ステップS708)を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時(電力供給が停止した後に再開されたときも含む)には、ステップS701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。従って、ステップS43にて電力供給復帰時に送信される合算保留記憶数指定コマンドの受信にもとづき合算保留記憶数保存領域のデータが更新されると(ステップS652参照)、ステップS901において、合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きいと判断されることになる。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示領域93に表示させる(ステップS904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図46(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(ステップS905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(ステップS906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS910)、合算保留記憶表示領域93における丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(ステップS913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS914)。「4」になっていなければ、ステップS907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、ステップS907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞にもとづく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞にもとづく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞にもとづく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示領域93に表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(ステップS916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(ステップS917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS919)。ステップS919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS907に移行する。
このような制御を行うことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示領域93に不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS922)、合算保留記憶表示領域93における丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(ステップS925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS926)。「4」になっていなければ、ステップS935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、ステップS935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示領域93に表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(ステップS928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(ステップS929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS934)。ステップS934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS935に移行する。
ステップS935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
ステップS931では、合算保留記憶表示領域93における表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(ステップS933)。そして、ステップS935に移行する。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS942)、第2保留記憶数減算フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS942A)。セットされていれば、第2保留記憶数減算フラグをリセットする(ステップS942B)とともに、合算保留記憶表示領域93における最も前に表示された緑色の丸印(第2保留記憶数に対応する表示)を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトとして表示するように制御する(ステップS942C)。また、第2始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS942D)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去し、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS942E)。そして、ステップS952に移行する。
第2保留記憶数減算フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示領域93における最も前に表示された丸印または星印を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトして表示するように制御する(ステップS943)。そして、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(ステップS944)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1し(ステップS945)ステップS951に移行する。合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータでなければ(すなわち、「不明」を示すデータであれば)、不明始動入賞カウンタの値を−1し(ステップS948)、ステップS951に移行する。
さらに、演出制御用CPU101は、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS951)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS953)。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示領域93において、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示領域93において表示されている丸印または星印が1つ減る。
なお、図17のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信する処理が実行された場合は、演出制御用CPU101は、保留記憶数指定コマンドの内容(2バイト目のデータ(EXTデータ)にもとづいて第1保留記憶数または第2保留記憶数を認識する。そして、演出制御用CPU101は、現在の第2始動入賞カウンタまたは第1始動入賞カウンタの値(例えば保留記憶数指定コマンドで第1保留記憶数が指定されているときは第2始動入賞カウンタの値)を確認する。そして、演出制御用CPU101は、それらの値を足し合わせることによって、合算保留記憶数を認識する。それ以外の処理については、図64〜図66に示した処理と同じ処理で実行可能である。
また、図17のステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドの内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数カウンタの値を+1するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数カウンタの値を+1するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図67〜図70は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示領域93の表示例を示す説明図である。
図67(A)は、ステップS913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増えた場合の例を示す。図67(B)は、ステップS933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづくのか第2始動入賞記憶にもとづくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図67(C)は、ステップS913,S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図68(D)は、ステップS951の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第1図柄変動指定コマンドを受信した(すなわち、第2保留記憶数減算フラグがセットされていない)ことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータ(図68(D)に示す例では第1保留記憶数に対応したデータ)を消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。図68(E)は、ステップS942Eの処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第2図柄変動指定コマンドを受信して第2保留記憶数減算フラグをセットしたことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。
図69(F)は、ステップS904,S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示領域93に表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様(例えば、同じ形および同じ色)で表示する場合(例えば、赤色の丸印で表示する場合)には、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数を第1保留記憶および第2保留記憶と同じ態様(例えば赤色の丸印)で合算保留記憶表示領域93に表示することが可能である。この場合、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータとして「不明」を示すデータを設定する必要はない。
図69(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図69(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS923,S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図69(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示領域93には、図69(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示領域93において、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図70(H)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図70(H)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS911,S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図70(H)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示領域93には、図70(H)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示領域93において、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図70(I)は、図70(I)の左側に示す状態(図70(I)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、図70(I)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行うことができる。なお、第1始動入賞に対応するものか第2始動入賞に対応するものか不明である表示(星印)を、いずれの始動入賞に対応するものか判明した時点で、正規の表示(赤丸または緑丸)に変更してもよい。例えば、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)の受信に応じて変更するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用CPU101が、時短状態において演出図柄の仮停止の実行回数と演出図柄の導出表示の実行回数との合計回数を特定可能な情報(残り回数、実行回数)を演出表示装置9の回数表示領域92に表示し、演出図柄の仮停止が行われたことにもとづいて合計回数を特定可能な情報の更新表示を実行するとともに、演出図柄の導出表示が行われたことにもとづいて合計回数を特定可能な情報を更新表示するように構成されている。このような構成によれば、合計回数を特定可能な情報が所定回数(時短状態が継続可能な変動回数(時短回数))に達した後においても時短状態が継続されることがあり、より一層の遊技の興趣の向上を実現することができる。
また、この実施の形態では、第2特別図柄の変動に対応する演出図柄の変動パターンを選択するときに、第1特別図柄の変動に対応する演出図柄の変動パターンを選択するときよりも高い割合で擬似連続変動の変動パターンを選択するように構成されているので(図25(B)、図26(B))、時短状態に制御されているときに擬似連続変動の変動パターンが選択される割合を高くすることができ、更なる遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、上記の実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の背景を変更して遊技状態を遊技者に認識させるようにしているが、背景だけでなく、スピーカ27からの音出力やランプ・LEDなどの発光体の点灯制御のパターンをも用いて遊技状態を認識させるようにしてもよい。また、スピーカ27からの音出力やランプ・LEDなどの発光体の点灯制御のパターンだけで遊技状態を認識させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶と第2保留記憶が存在する場合に、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動を優先して実行するように構成されているので、始動入賞が発生しやすい第2始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動を優先して実行させることができ、保留記憶を効率的に消化することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1特別図柄の変動開始から停止図柄の停止までの処理と第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2特別図柄の変動開始から停止図柄を停止するまでの処理とを共通の処理ルーチン(特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S304)で実行するとともに、共通の処理ルーチンにおいて、第1特別図柄の変動が開始されるときと第2特別図柄の変動が開始されるときとで異なる領域に記憶されたデータ(例えば、第1特別図柄用のデータと第2特別図柄用のデータとしてROM54における異なる領域に記憶されたコマンド(例えば図柄変動指定コマンド、始動入賞指定コマンド)、変動パターンテーブルなど)にもとづく処理を実行するときに、いずれの特別図柄の変動が開始されたのかを特定し(ステップS52)、特定した図柄の変動に対応するデータにもとづく処理を共通のプログラムに従って実行する。このため、第1特別図柄の変動が開始されたときと第2特別図柄の変動が開始されたときとで同じ処理を実行する命令(例えばサブルーチン等)を重複してプログラムする必要がなくなり、遊技制御に必要なプログラム容量を最小限まで圧縮することができる。
さらに、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを受信できなかったとしても、合算保留記憶数指定コマンドさえ受信すれば、合算保留記憶表示領域93に、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、第1保留記憶数に対応する表示であるか第2保留記憶数に対応する表示であるかまでは特定できなくても、遊技者が少なくとも合計の保留記憶数を特定することができる。従って、保留記憶数について最低限の表示をすることができ、遊技者に不信感を与えるのを防止することができるとともに、円滑な遊技を継続して行うことができる。
また、この実施の形態によれば、制御状態の復帰時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、合算保留記憶表示領域93に、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、制御状態が復帰したときに合算保留記憶数を遊技者に認識可能に表示することができ、遊技者に不信感を与えるのを防止することができる。
また、合算保留記憶表示領域93において、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様(例えば同じ形および同じ色)で表示させるとともに、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第1保留記憶および第1保留記憶に対応する態様で、合算保留記憶数を特定可能に表示するように構成した場合でも、確実に遊技者に合算保留記憶数を認識させることができ、不信感を与えることもない。さらに表示態様も変化しないので、遊技者に違和感を与えることもない。
また、合算保留記憶表示領域93において、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶と第2保留記憶とを異なる態様(例えば異なる形、異なる色など)で表示させるとともに(例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させるとともに)、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第1保留記憶に対応する態様、第2保留記憶に対応する態様、または第1保留記憶および第2保留記憶のいずれにも対応しない特別の態様で、合算保留記憶数を特定可能に表示するように構成した場合でも、確実に遊技者に合算保留記憶数を認識させることができるため、不信感を与えることはない。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたときに、ソフトウェア乱数およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、第1始動入賞口13への入賞が生じたときはソフトウェア乱数およびランダムRを第1記憶領域(図19に示す第1保留記憶数バッファ)に格納し、第2始動入賞口14への入賞が生じたときはソフトウェア乱数およびランダムRを第2記憶領域(図19に示す第2保留記憶数バッファ)に格納する。このような構成によれば、作業領域(第1保留記憶数バッファ、第2保留記憶数バッファ)の構成の変更をほとんど要さず、プログラム作成時の作業の簡易化を図ることができる。1つの特別図柄を可変表示させる制御を実行させるプログラムの作業領域の後ろの方に第2特別図柄用の乱数格納バッファ(第2保留記憶数バッファ)や入賞順序の記憶領域(図19(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域))を設けるだけで実現可能であるためである。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたときに、ソフトウェア乱数およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、いずれの始動入賞口への入賞が生じたかを示すデータ(始動口ポインタに設定されたデータ、つまり保留記憶特定情報)とともにソフトウェア乱数およびランダムRを、いずれの始動入賞口への入賞が生じたときにおいても共通の記憶領域(図20に示す共通保留記憶数バッファ)に格納する処理を実行するように構成されている。そのため、いずれの始動入賞口への入賞が生じたかによって異なる記憶領域を指定して乱数を格納させる必要がなくなり、より一層、処理ルーチンの共通化を図ることができ、プログラム容量を削減することができる。
また、この実施の形態では、変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1特別図柄の変動が開始されたときと第2特別図柄の変動が開始されたときとで変動パターンを選択する割合が異なるように複数種類の変動パターンに対して判定値が設定されたテーブル(変動パターンテーブル)を用いて、変動パターンを選択するように構成されているので、いずれの特別図柄の変動が開始されたかによって変動パターンを異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数が多いときには予告演出の実行頻度も低下させるようにするので、遊技者が予告演出に気をとられて遊技球の発射操作を止めてしまう状態を防止し、遊技機の稼働率が低下してしまう事態を防止している。
なお、上記の実施の形態では、第2保留記憶数が1でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を、常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行する場合を示したが、遊技状態が時短状態(確変状態であるとともに時短状態であるときを含む)に移行され可変入賞球装置15の開放期間が延長されているときにのみ、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、遊技状態が確変状態である場合にのみ、第2保留記憶数が1でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を優先実行するようにしてもよい。また、遊技状態が確変状態または時短状態のいずれかである場合に、第2保留記憶数が0でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を優先実行するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。