JP2008289320A - Dc−dcコンバータ - Google Patents

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【課題】高周波化でき小型で安価なDC−DCコンバータ。
【解決手段】直流電源Eの両端に接続されたスイッチ素子Q1と1次巻線P1との直列回路と、1次巻線に並列に接続されたスイッチ素子Q2とコンデンサC2との直列回路と、2次巻線S1の電圧を整流平滑する整流平滑回路D51,D52,C51と、スイッチ素子Q1及びスイッチ素子Q2のオン・オフ状態を検出するタイミング検出回路11a,11bと、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン/オフさせ整流平滑回路の出力電圧に応じてスイッチ素子Q1のオン時間を設定する制御回路13aと、タイミング検出回路11bの検出信号により計時を開始し所定時間だけ計時するタイマ14bと、制御回路はタイミング検出回路11aの検出信号によりスイッチ素子Q1を設定されたオン時間だけオンさせ、タイミング検出回路11bの検出信号によりスイッチ素子Q2をオンさせ、タイマで計時された所定時間後にスイッチ素子Q2をオフさせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高効率で小型で安価なDC−DCコンバータに関し、特に、電位の異なるスイッチ素子の制御及びドライブ方法の技術に関する。
従来のこの種のDC−DCコンバータを図5に示す。図5において、直流電源Eの両端にはトランスT1の1次巻線P1とMOSFET等からなるスイッチ素子Q1との直列回路が接続されている。トランスT1の1次巻線P1には、コンデンサC2とMOSFET等からなるスイッチ素子Q2との直列回路が接続されている。また、スイッチ素子Q1に並列に電圧共振用コンデンサC1が接続されている。トランスT1の2次巻線S1の一端にはインダクタンスLrを介してダイオードD51のアノードが接続されている。インダクタンスLrは、トランスT1の漏れ磁束でも良い。
ダイオードD51のカソードには、ダイオードD52のカソードとインダクタンスLの一端が接続されている。ダイオードD52のアノードは、トランスT1の2次巻線S1の他端と平滑コンデンサC51の負極と出力端子−OUTに接続されている。インダクタンスLの他端は、平滑コンデンサC51の正極を介して出力端子+OUTに接続されている。出力端子+OUT及び−OUT間には、電圧検出回路51が接続されている。
電圧検出回路51の出力端子は、フォトカプラの発光ダイオード側PC1−aを介して+OUTに接続されている。フォトカプラのフォトトランジスタ側PC−bは、パルス幅変調器41の入力端子に接続されている。パルス幅変調器41の出力端子は、デッドタイム回路45aと反転回路43を介してデッドタイム回路45bに接続されている。デッドタイム回路45aの出力は、ドライブ回路49aを介してスイッチ素子Q1のゲート端子に接続されている。デッドタイム回路45bの出力は、レベルシフト回路47に接続されている。レベルシフト回路47は、ドライブ回路49bを介してスイッチ素子Q2のゲート端子に接続されている。
次にこのように構成された従来のDC−DCコンバータの動作を説明する。まず、パルス幅変調器41から出力されたPWM信号は、デッドタイム回路45aによりデッドタイムが付加されて、ドライブ回路49aを介して、スイッチ素子Q1の駆動信号となる。
PWM信号は、反転回路43により極性が反転され、デッドタイム回路45bによりデッドタイムが付加されて、レベルシフト回路47により電圧レベルが高い電圧レベルに変換され、ドライブ回路49bを介して、スイッチ素子Q2の駆動信号となる。即ち、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2は、デッドタイムを有して、交互にオン・オフする。
スイッチ素子Q1がオンすると、E→P1→Q1→Eの経路で電流が流れる。このとき、トランスT1の1次巻線P1に印加された電圧により、巻数に応じた電圧が2次巻線S1にも発生する。即ち、2次巻線S1を起電力として、S1→Lr→D51→L→C51→S1の経路で電流が流れる。このとき、インダクタンスLrとインダクタンスLにはエネルギーが蓄えられる。これと同時に平滑コンデンサC51を介して出力端子+OUT/−OUTから図示しない負荷に負荷電流が流れる。
これらの電流は、スイッチ素子Q1のスイッチング電流として、最初に小さいインダクタンスLrによる電流の傾きが現れ、続いて大きいインダクタンスLによる電流の傾きが現れる。また、これと同時に図示しない1次巻線P1の励磁インダクタンスLpに励磁電流が流れる。
次に、スイッチ素子Q1がオフすると、1次巻線P1の電圧が徐々に反転し、励磁インダクタンスLpによりトランスT1に蓄えられたエネルギーが放出される。この放出経路としては、P1→C1→E→P1と、P1→Q2→C2→P1の2経路がある。初めに、コンデンサC1が徐々に充電される。即ち、コンデンサC1と励磁インダクタンスLpによる共振電流が流れる。このとき、スイッチ素子Q1の両端電圧は、電圧擬似共振波形となる。コンデンサC1の電圧がE+VC2に到達すると、スイッチ素子Q2を介してコンデンサC2の充電が始まる。コンデンサC2>>C1の関係から、共振周波数は著しく低くなり、VC2は平坦な電圧となる。これにより、スイッチ素子Q1の印加電圧は、E+VC2とサージの少ない波形となる。
また、コンデンサC2の充電中にデッドタイムを設けて、スイッチ素子Q2をオンすると、スイッチ素子Q2のゼロボルトスイッチが可能となる。同時にトランスT1の2次側でも、2次巻線S1の電圧が徐々に反転し、S1→Lr→D51→L→C51→S1の経路でインダクタンスLrとインダクタンスLのエネルギーが放出される。インダクタンスLrのエネルギーが放出し終わると、エネルギーの放出ルートは、L→C51→D52→Lの経路に切り替わる。
スイッチ素子Q2がオンし、コンデンサC2の充電が終了すると、C2→Q2→P1→C2の経路で電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられたエネルギーが放出される。やがて、スイッチ素子Q2がオフすると、1次巻線P1の励磁インダクタンスLpに流れていた電流経路は、C1→P1→E→C1に切り替わる。このとき、C2>>C1の関係から、共振周波数は著しく高くなり、コンデンサC1の電圧は急激に低下する。コンデンサC1の電圧が略ゼロボルトとなるまでの時間のデッドタイムを設けてスイッチ素子Q1をオンさせると、スイッチ素子Q1のゼロボルトスイッチが可能となる。以後、この動作が繰り返される。
電圧検出回路51は、出力端子+OUT/−OUTに発生する出力電圧を検出し、基準電圧と出力電圧との誤差電圧信号をフォトカプラのダイオードPC−aに出力する。フォトカプラのダイオードPC−aは、絶縁して誤差電圧信号を2次側から1次側に伝達する。フォトカプラのトランジスタPC−bは、誤差電圧信号によりパルス幅変調器41のPWM信号のデューティ比を制御する。パルス幅変調器41のPWM出力のデューティ比が変更されることにより出力電圧が制御できる。ここでは、出力電圧を小さくする場合にはデューティ比を小さく、出力電圧を大きくする場合にはデューティ比を大きく制御する。
特開2006−121840号公報
しかしながら、図5に示す従来のDC−DCコンバータは、電位が大きく異なるスイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2を同期させて制御するために、何らかの絶縁手続又は図5に示すレベルシフト回路47を設けていた。スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2の電位差は、200V系の商用電源を考えると800Vを超えるようなレベルシフト回路47が必要となる。
また、レベルシフト回路47は、大きな電位差に対して、パルス電流により制御信号を伝達している。しかし、スイッチング周波数が高くなると、パルス電流のスイッチング回数が増加し、損失が大きくなる。このため、高周波化及び小型化が困難であり、また、これらのハイサイドドライバは高価である。
また、絶縁手段としては、パルストランスがあるが、このトランスは大きいため、IC化か難しく同様に小型化が困難であった。
本発明の課題は、高価なハイサイドドライバを用いることなく、高周波化でき小型で安価なDC−DCコンバータを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、直流電源の両端に接続され、第1スイッチ素子とトランスの1次巻線とが直列に接続された第1直列回路と、前記トランスの1次巻線に並列に接続され、第2スイッチ素子とコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、前記トランスの2次巻線に発生する電圧を整流平滑する整流平滑回路と、前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオン・オフ状態を検出する第1タイミング検出回路と、前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオン・オフ状態を検出する第2タイミング検出回路と、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とを交互にオン/オフさせるとともに前記整流平滑回路の出力電圧に応じて前記第1スイッチ素子のオン時間を設定する制御回路と、前記第2タイミング検出回路の検出信号により計時を開始し、所定時間だけ計時するタイマと、前記制御回路は、前記制御回路は、前記第1タイミング検出回路の検出信号により前記第1スイッチ素子を設定されたオン時間だけオンさせ、前記第2タイミング検出回路の検出信号により前記第2スイッチ素子をオンさせ、前記第2タイミング検出回路の検出信号により前記タイマで計時された前記所定時間を経過した時に前記第2スイッチ素子をオフさせることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて、前記第1タイミング検出回路は、前記第1スイッチ素子の両端電圧が略ゼロボルトに達したとき前記第2スイッチ素子がオフしたことを検出し、前記第2タイミング検出回路は、前記第2スイッチ素子の両端電圧が略ゼロボルトに達したとき前記第1スイッチ素子がオフしたことを検出することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のDC−DCコンバータにおいて、前記第2タイミング検出回路は、前記第2スイッチ素子の両端電圧が所定値を超えたとき前記第2スイッチ素子がオフしたことを検出することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて、前記トランスは、第2の1次巻線と第3の1次巻線とを有し、前記第1タイミング検出回路は、前記トランスの第2の1次巻線の電圧が第1閾値以下又は以上であるとき、前記第2スイッチ素子がオフしたことを検出し、前記第2タイミング検出回路は、前記トランスの第3の1次巻線の電圧が第2閾値以下又は以上であるとき、前記第1スイッチ素子がオフしたことを検出することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4記載のDC−DCコンバータにおいて、前記第1閾値及び前記第2閾値の各々は、略ゼロボルトであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2記載のDC−DCコンバータにおいて、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との少なくとも一方のスイッチ素子は、前記トランスの1次巻線電圧の変化が所定値以上又は以下の場合にオンすることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のDC−DCコンバータにおいて、前記制御回路は、前記第1スイッチ素子のオンするタイミング及び前記第2スイッチ素子のオンするタイミングを所定の時間だけ遅延させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第2スイッチ素子がオフすると、第1及び第2スイッチ素子のオンオフ周期である所定時間を計時するタイマが作動し、これと同時に、制御回路は、出力電圧に応じて設定されたオン期間だけ第1スイッチ素子をオンさせ、第1スイッチ素子がオフすると、タイマが計時する所定時間の残り時間だけ第2スイッチ素子をオンさせる。第2スイッチ素子の電位が変動するが、変動に合わせて駆動信号をレベルシフトしなくても各スイッチ素子を駆動できる。このため、高価なハイサイドドライバを用いることなく、高周波化でき、小型で安価なDC−DCコンバータを提供できる。
請求項2の発明によれば、第2タイミング検出回路は、第1スイッチ素子がオフしたことを第2スイッチ素子の両端電圧が略ゼロボルトになったことで検出し、第1タイミング検出回路は、第2スイッチ素子がオフしたことを第1スイッチ素子の両端電圧が略ゼロボルトになったことで検出するので、ゼロボルトスイッチングが行える。
請求項3の発明によれば、第2タイミング検出回路は、第2スイッチ素子がオフしたこと(すなわち、第1スイッチ素子のオンのタイミングに相当する)を第2スイッチ素子の両端電圧で検出するので、タイマの基準電位を第2スイッチ素子の基準電位にすることができる。第2スイッチ素子の基準電位が変動しても、レベルシフトする必要がない。
請求項4の発明によれば、第1タイミング検出回路は、第2スイッチ素子のオフをトランスの第2の1次巻線の電圧で検出し、第2タイミング検出回路は、第1スイッチ素子のオフをトランスの第3の1次巻線の電圧で検出する。即ち、第2の1次巻線及び第3の1次巻線の電圧は、各スイッチ素子の両端電圧のように高電圧ではなく、各スイッチ素子のオフを低電圧で検出できる。
請求項5の発明によれば、第1閾値及び第2閾値の各々は略ゼロボルトで検出するため、トランスの第2の1次巻線又は第3の1次巻線電圧で検出することで、直流電源の電圧が変動しても、確実にそれぞれのスイッチ素子のオフを検出できる。
請求項6の発明によれば、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子は、トランスの1次巻線電圧の変化を検出してオンさせる。
請求項7の発明によれば、トランスの巻線電圧を検出する場合等には、条件によっては各スイッチ素子がオフしている途中を検出することもあるが、制御回路が、第1スイッチ素子のオンするタイミング及び第2スイッチ素子のオンするタイミングを所定の時間だけ遅延させるので、一方のスイッチ素子が確実にオフしてから他方のスイッチ素子をオンさせることができる。
以下、本発明のDC−DCコンバータのいくつかの実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1のDC−DCコンバータを示す図である。図1において、図5に示す従来のDC−DCコンバータと同一部分には同一符号を付し、同一部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
スイッチ素子Q2(第2スイッチ素子に対応)のドレインにはタイミング検出回路11bの入力端子が接続され、タイマ14b、フリップフロップ回路15b及びドライブ回路17bの各々の一端は、スイッチ素子Q2のソースに共通接続されている。
タイミング検出回路11b(第2タイミング検出回路に対応)は、スイッチ素子Q2の両端電圧が第2閾値Vth2(例えば、略ゼロボルト)を超えたときにスイッチ素子Q1がオンしたことを検出し、検出信号をタイマ14bに出力する。タイマ14bは、タイミング検出回路11bの検出信号によりオンし、タイマーカウントを開始し、所定時間を計時する。
また、タイミング検出回路11bは、スイッチ素子Q2の両端電圧が第2閾値Vth2に達したときにスイッチ素子Q1がオフしたことを検出し、検出信号をフリップフリップ15bに出力する。これにより、フリップフリップ15bはHレベルにセットされて、ドライブ回路17bを介してスイッチ素子Q2をオンさせ、タイミング検出回路11bの検出信号によりタイマ14bで計時された前記所定時間を経過した時にスイッチ素子Q2をオフさせる。
スイッチ素子Q1のドレインにはタイミング検出回路11aの入力端子が接続され、パルス幅制御回路13a、フリップフロップ回路15a及びドライブ回路17aの各々の一端は、スイッチ素子Q1のソースに共通接続されている。
スタート回路12aは、パルス幅制御回路13aを起動させる。タイミング検出回路11a(第1タイミング検出回路に対応)は、スイッチ素子Q1の両端電圧が第1閾値Vth1(例えば、略ゼロボルト)に達したときにスイッチ素子Q2がオフしたことを検出し、検出信号をパルス幅制御回路13aに出力する。パルス幅制御回路13a(制御回路)は、検出信号によりフリップフロップ回路15aをセットする。フリップフロップ回路15aは、パルス幅制御回路13aの出力信号をドライブ回路17aに出力する。ドライブ回路17a(制御回路)は、フリップフロップ回路15aの出力によりスイッチ素子Q1を駆動する。
次にこのように構成された実施例1のDC−DCコンバータの動作を図2に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
まず、スタート回路12aは、パルス幅制御回路13aを起動させる。パルス幅制御回路13aは、起動と同時にフリップフロップ回路15aをセットする。これにより、フリップフロップ回路15aの出力がHレベルとなり、ドライブ回路17aの出力もHレベルとなる。これにより、スイッチ素子Q1が駆動されてオンする。
スイッチ素子Q1がオンすることによりスイッチ素子Q2の両端には、電源電圧EとコンデンサC2の電圧VC2との合計電圧が印加される。このとき、スイッチ素子Q2の両端電圧VQ2は、略ゼロボルトから電圧が上昇していく。そして、タイミング検出回路11bは、スイッチ素子Q2の両端電圧VQ2が第2閾値Vth2を超えたときにスイッチ素子Q1がオンしたことを検出し、検出信号(タイマースタート信号)をタイマ14bに出力する。このため、タイマー14bがタイマーカウントを開始し、所定時間を計時する。
パルス幅制御回路13aは、フォトカプラのトランジスタPC−bから与えられたフィードバック信号量により内部の時定数を可変して、フリップフロップ回路15aのセットからリセットまでのスイッチ素子Q1のオン時間(図2に示す時刻t3〜時刻t4までの時間)を決定する。即ち、フィードバック信号量に応じて、フリップフロップ回路15aにリセット信号を送出する。フリップフロップ回路15aは、リセットさせると、Lレベルを出力してドライブ回路17aの出力もLレベルとなる。これによって、スイッチ素子Q1が駆動されてオフする。
時刻t4において、スイッチ素子Q1がオフすると、それまで電源電圧Eと電圧VC2との合計電圧が印加されていたスイッチ素子Q2の電圧VQ2が電圧擬似共振動作により徐々に低下する。
そして、時刻t6において、タイミング検出回路11bは、スイッチ素子Q2の電圧が略ゼロボルトである閾値Vth2になったことを検出すると、検出信号によりフリップフロップ回路15bをセットする。これにより、フリップフロップ回路15bの出力がHレベルとなり、ドライブ回路17bの出力もHレベルとなる。これにより、スイッチ素子Q2が駆動されてオンする。
その後、タイマ14bがタイマーカウントした時から所定時間が経過した後、即ち、時刻t8(時刻t0も同じ)において、タイマ14bは、フリップフロップ回路15bにリセット信号を出力する。これにより、フリップフロップ回路15bがリセットされて、出力がLレベルとなり、ドライブ回路17bの出力もLレベルとなる。これにより、スイッチ素子Q2がオフする。
スイッチ素子Q2がオフすると、電圧擬似共振動作によりスイッチ素子Q2の両端電圧VQ2が徐々に上昇する。そして、時刻t1において、タイミング検出回路11bは、スイッチ素子Q2の両端電圧VQ2が第2閾値Vth2を超えたときにスイッチ素子Q1がオンしたことを検出し、検出信号をタイマ14bに出力する。このため、タイマー14bが再びスタートする。
また、スイッチ素子Q2の両端電圧VQ2の擬似共振波形は、スイッチ素子Q1の両端電圧VQ1にも逆勾配として現れる。即ち、電圧VQ1は、電源電圧Eと電圧VC2との合計電圧から、略ゼロボルトに下降していく。
時刻t2において、タイミング検出回路11aは、スイッチ素子Q1の両端電圧が第1閾値Vth1に達したときにスイッチ素子Q2がオフしたことを検出し、検出信号をパルス幅制御回路13aに出力して起動させる。パルス幅制御回路13aは、フリップフロップ回路15aをセットする。
これにより、フリップフロップ回路15aの出力がHレベルとなり、ドライブ回路17aの出力もHレベルとなる。これにより、スイッチ素子Q1が駆動されてオンする。スイッチ素子Q1がオンすることによりスイッチ素子Q2の両端には、電源電圧Eと電圧VC2との合計の電圧が印加される。以後、以上の動作が繰り返される。
このように実施例1のDC−DCコンバータでは、スイッチング周波数は、タイマ14bの時定数による所定時間とタイミング検出回路11bの検出遅れ時間により決定され、略固定の周波数となる。出力電圧は、フィードバック信号によるPWM制御で制御される。また、電圧擬似共振波形を検出しているため、デッドタイム回路を必要とせず、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とが同時にオンするのを確実に回避することができる。
また、高価なハイサイドドライバを用いることなく、電位が大きく異なるスイッチ素子を低損失で駆動できる。また、特に高周波化した場合にその効果は大であり、容易にIC化できる。また、高周波化が可能であるめ、トランスを小型化でき、小型化で安価なDC−DCコンバータを提供できる。
図3は、本発明のDC−DCコンバータの実施例2である。図3に示す実施例2のDC−DCコンバータは、図1に示す実施例1のDC−DCコンバータのトランスT1の構成にさらに、第2の1次巻線P2と第3の1次巻線P3を設けたトランスT2を備える。
タイミング検出回路11bは、トランスT2の第3の1次巻線P3の電圧が第4閾値Vth4(略ゼロボルト)を超えたとき、スイッチ素子Q1がオフしたことを検出し、検出信号をタイマ14bに出力する。
タイミング検出回路11aは、トランスT2の第2の1次巻線P2の電圧が第3閾値Vth3(略ゼロボルト)に達したとき、スイッチ素子Q2がオフしたことを検出し、検出信号をパルス幅制御回路13aに出力する。
図3に示すその他の構成は、図1に示す構成と同一であるので、同一符号を付して、その説明は省略する。
このように実施例2のDC−DCコンバータによれば、タイミング検出回路11aは、デッドタイム期間DTのちょうど中央で、即ち、トランスT2の第2の1次巻線P2の電圧VP2がゼロボルトを超えたとき、スイッチ素子Q2がオフしたことを検出できる。タイミング検出回路11bは、デッドタイム期間DTのちょうど中央で、即ち、トランスT2の第3の1次巻線P3の電圧VP3がゼロボルトに達したとき、スイッチ素子Q1がオフしたことを検出できる。
パルス幅制御回路13aは、この検出タイミングに、予めわかっている電圧擬似共振期間に合わせた所定の遅延時間を設定する。即ち、パルス幅制御回路13aは、スイッチ素子Q1のオンのタイミングを所定の時間だけ遅延させ、スイッチ素子Q1をオンさせる。また、タイミング検出回路11bはスイッチ素子Q2のオンのタイミングを所定の時間だけ遅延させ、スイッチ素子Q2をオンさせる。これにより、最適な共振スイッチングを実現できる。
最適な共振スイッチングとは、スイッチ素子Q1及びスイッチ素子Q2の両端電圧が略ゼロボルトとなってからスイッチ素子Q1及びスイッチ素子Q2をオンさせるゼロボルトスイッチZVSを実現することである。
このように実施例2のDC−DCコンバータにおいても実施例1のDC−DCコンバータと同様の効果が得られる。
図4は本発明の実施例3のDC−DCコンバータを示す図である。図4の実施例3では、フライバック型のアクティブ擬似共振回路に適応した例を示す。図4に示す実施例3は、図1に示す実施例1に対して、トランスT1aの2次側の接続が異なる。
図4において、トランスT1aの2次巻線S1の極性が反転し、2次巻線S1の一端にダイオードD51のアノードが接続され、ダイオードD51のカソードが出力端子+OUTとコンデンサC51の正極に接続されている。2次巻線S1の他端は、コンデンサC51の負極と出力端子−OUTに接続されている。
実施例3の動作の内、トランスT1aの1次側の動作は、実施例1の動作と同様であり、トランスT1aの2次側はフライバックコンバータの動作となっている。即ち、スイッチ素子Q1がオフのときにS1→D51→C51→S1の経路で電流が流れて、負荷に電力が供給される。
このような実施例3においても実施例1と同様な効果が得られるとともに、トランスT1aの2次側の構成が簡単であるため、安価となる。
なお、本発明は、実施例1乃至実施例3のDC−DCコンバータに限定されるものではない。例えば、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2との少なくとも一方のスイッチ素子は、トランスT1の1次巻線電圧の変化が所定値以上又は以下の場合にオンするようにしても良い。この場合、1次巻線P1の一端に抵抗RaとコンデンサCaとからなる微分回路を接続し、この微分回路の出力側をタイミング検出回路11a,11bに接続する。タイミング検出回路11a,11bは、微分回路を介してトランスT1の1次巻線電圧の変化を検出し、巻線電圧の変化が閾値以上又は以下の場合にスイッチ素子Q1又はスイッチ素子Q2がオンしたことを検出しても良い。
本発明の実施例1のDC−DCコンバータを示す図である。 本発明の実施例1のDC−DCコンバータの各部の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の実施例2のDC−DCコンバータを示す図である。 本発明の実施例3のDC−DCコンバータを示す図である。 従来のDC−DCコンバータの一例を示す図である。
符号の説明
E 直流電源
11a,11b タイミング検出回路
12a スタート回路
13a パルス幅制御回路
14b タイマ
15a,15b フリップフロップ回路
17a,17b ドライブ回路
51 電圧検出回路
Lr リーケージインダクタンス
P1,P2,P3 1次巻線
S1 2次巻線
Q1,Q2 スイッチ素子
D51,D52 ダイオード
C1 電圧共振用コンデンサ
C2 電流共振用コンデンサ
C51 平滑コンデンサ
T1,T1a,T2 トランス

Claims (7)

  1. 直流電源の両端に接続され、第1スイッチ素子とトランスの1次巻線とが直列に接続された第1直列回路と、
    前記トランスの1次巻線に並列に接続され、第2スイッチ素子とコンデンサとが直列に接続された第2直列回路と、
    前記トランスの2次巻線に発生する電圧を整流平滑する整流平滑回路と、
    前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオン・オフ状態を検出する第1タイミング検出回路と、
    前記第1スイッチ素子及び前記第2スイッチ素子のオン・オフ状態を検出する第2タイミング検出回路と、
    前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子とを交互にオン/オフさせるとともに前記整流平滑回路の出力電圧に応じて前記第1スイッチ素子のオン時間を設定する制御回路と、
    前記第2タイミング検出回路の検出信号により計時を開始し、所定時間だけ計時するタイマと、
    前記制御回路は、前記第1タイミング検出回路の検出信号により前記第1スイッチ素子を設定されたオン時間だけオンさせ、前記第2タイミング検出回路の検出信号により前記第2スイッチ素子をオンさせ、前記第2タイミング検出回路の検出信号により前記タイマで計時された前記所定時間を経過した時に前記第2スイッチ素子をオフさせることを特徴とするDC−DCコンバータ。
  2. 前記第1タイミング検出回路は、前記第1スイッチ素子の両端電圧が略ゼロボルトに達したとき前記第2スイッチ素子がオフしたことを検出し、前記第2タイミング検出回路は、前記第2スイッチ素子の両端電圧が略ゼロボルトに達したとき前記第1スイッチ素子がオフしたことを検出することを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
  3. 前記第2タイミング検出回路は、前記第2スイッチ素子の両端電圧が所定値を超えたとき前記第2スイッチ素子がオフしたことを検出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のDC−DCコンバータ。
  4. 前記トランスは、第2の1次巻線と第3の1次巻線とを有し、
    前記第1タイミング検出回路は、前記トランスの第2の1次巻線の電圧が第1閾値以下又は以上であるとき、前記第2スイッチ素子がオフしたことを検出し、
    前記第2タイミング検出回路は、前記トランスの第3の1次巻線の電圧が第2閾値以下又は以上であるとき、前記第1スイッチ素子がオフしたことを検出することを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータ。
  5. 前記第1閾値及び前記第2閾値の各々は、略ゼロボルトであることを特徴とする請求項4記載のDC−DCコンバータ。
  6. 前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子との少なくとも一方のスイッチ素子は、前記トランスの1次巻線電圧の変化が所定値以上又は以下の場合にオンすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のDC−DCコンバータ。
  7. 前記制御回路は、前記第1スイッチ素子のオンするタイミング及び前記第2スイッチ素子のオンするタイミングを所定の時間だけ遅延させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のDC−DCコンバータ。
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