JP2008287401A - 座標入力装置用導電シート及び製造方法、並びに座標入力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の座標入力装置用導電シート10aは、透明基材11aと、透明基材11aの片面の少なくとも一部に導電性高分子塗料が一方向に塗布されて形成された透明導電膜12aと、透明導電膜12aの表面に、導電性高分子塗料の塗布方向に対して平行方向に設けられた一対の帯状電極13a,13bとを備える。
【選択図】図1
Description
この座標入力装置では、一対の座標入力装置用導電シートが、各々の透明導電膜が互いに間隔を有しつつ対面しており、また、座標入力装置用導電シートの各々の帯状電極を辺とした矩形状の入力領域が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
上記座標入力装置用導電シートの透明導電膜としては、例えば、π共役系導電性高分子を含む膜を使用することがある。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、帯状電極間の電気抵抗を測定することで透明導電膜の傷を確実に検出できる座標入力装置用導電シート並びにその製造方法を提供することを目的とする。また、座標検出精度に優れた座標入力装置を提供することを目的とする。
本発明の座標入力装置用導電シートの製造方法は、透明基材の片面の少なくとも一部に、導電性高分子塗料を一方向に塗布して透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程と、
透明導電膜の表面に、導電性高分子塗料の塗布方向に対して平行方向に一対の帯状電極を設ける電極設置工程とを有することを特徴とする。
本発明の座標入力装置は、上述した座標入力装置用導電シートを一対具備する座標入力装置であって、
一対の座標入力装置用導電シートは、各々の透明導電膜が互いに間隔を有しつつ対面しており、
座標入力装置用導電シートの各々の帯状電極を辺とした矩形状の入力領域が形成されていることを特徴とする。
本発明の座標入力装置用導電シートの製造方法によれば、帯状電極間の電気抵抗を測定することで透明導電膜の傷を確実に検出できる座標入力装置用導電シートを得ることができる。
本発明の座標入力装置は、透明導電膜の傷を確実に検出でき、不良品を確実に排除できる導電シートを用いるから、導電シートは正常品のみ使用されており、座標検出精度に優れている。
本発明の座標入力装置用導電シート(以下、導電シートと略す。)の一実施形態例について説明する。
図1及び図2に、本実施形態例の導電シートを示す。この導電シート10aは、矩形状の透明基材11aと、透明基材11aの片面の一部に矩形状に形成された透明導電膜12aと、透明導電膜12aにおける透明基材11a側と反対側の面に形成された一対の帯状電極13a,13bとを備えるものである。
透明樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられ、目的に応じて適宜選択できるが、透明性に優れる点からポリエチレンテレフタレートがより好ましい。透明樹脂フィルムにはプライマ処理が施されていてもよい。ただし、指やスタイラスなどが触れる側(表面側)に配置される導電シート(例えば、図9における導電シート10b)には、可撓性を有する透明樹脂フィルムを使用することが好ましく、その厚さとしては50〜300μmであることが好ましい。さらに、指やスタイラスなどが触れる側に対向する側に配置される導電シート(例えば、図9における導電シート10a)には、入力精度などの観点より、ガラス基板などの撓みにくい材質を選択することが好ましく、その厚さとしては、0.5〜2mmであることが好ましい。
また、本実施形態例における透明導電膜12aは、透明基材11aの長辺側端部11c以外の部分に形成されている。
透明導電膜12aの厚さは0.01〜10μmであることが好ましく、透明性、導電性及び耐久性の観点から、より好ましくは0.05〜5μmであり、最も好ましくは0.1〜2.0μmの範囲である。
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
導電性高分子塗料に含まれる溶媒としては、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶媒との混合物としてもよい。
アニオン基を有する高分子の具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。
電子吸引基を有する高分子の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂や、水酸基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
帯状電極13a,13bの材質としては、例えば、銀ペースト、カーボンペースト、銅ペーストなどの導電性ペーストが挙げられる。
帯状電極13a,13bの配線抵抗(点600a,600b間の抵抗、図6参照)は座標検出精度に影響するため、帯状電極13a,13b間の抵抗より充分小さく、例えば、1%以下が好ましく、0.1%であることがより好ましい。
帯状電極13a,13bの寸法は、座標入力装置の入力領域の大きさに応じて適宜選択されるが、長さは、通常、入力領域の長さ以上に設定され、透明導電膜12aのL2方向の長さと同等であり、かつ、帯状電極13c,13d間の距離よりも長いことが好ましい。また、幅は、入力領域を確保するためにできるだけ狭いことが好ましく、通常は、導電性ペーストの印刷作業性と座標入力装置の外形寸法の関係から、0.5〜15mm程度であることが好ましい。
上記導電シート10aの製造方法について説明する。
本実施形態例の導電シートの製造方法では、まず、透明導電膜形成工程にて、透明基材11aの片面における長辺側端部11c以外の部分に、透明基材11aの短辺に沿った方向L2に導電性高分子塗料を塗布して矩形状の透明導電膜12aを形成する。
導電性高分子塗料の塗布方法としては特に制限されず、ワイヤーコーター等のバーコーター、ロールコーター、グラビアコーターなどを用いることができる。これらの中でも、連続的に塗布でき、生産性に優れることから、ロールコーター、グラビアコーターが好ましい。ただし、少量生産の場合には、厚みを正確に制御しやすいことからバーコーターが好ましい。
また、透明基材11aの片面全部に導電性高分子塗料を塗布して透明導電膜12aを形成してもよい。ただし、透明基材11a上に配線を形成する場合には、透明導電膜12aの一部をサンドブラストやエッチング、アンモニア水などのアルカリ成分の塗布による脱ドープなどにより除去することが行われる。
上述した実施形態例では、透明基材11aおよび透明導電膜12aは矩形状であったが、必ずしも矩形状である必要はなく、円形状、楕円形状、矩形以外の多角形状であっても構わない。
本発明の座標入力装置の一実施形態例について説明する。
図4及び図5に、本実施形態例の座標入力装置を示す。この座標入力装置1は、図1に示す導電シート10a(以下、第1の導電シート10aと表記する。)と、図3に示す導電シート10b(以下、第2の導電シート10bと表記する。)とを具備し、第2の導電シート10bが表面側に配置されたものである。
また、本実施形態例の座標入力装置1では、第1の導電シート10a及び第2の導電シート10bが、絶縁スペーサ20を介して、各々の透明導電膜12a,12bが互いに間隔を有しつつ対面している。また、本実施形態例の座標入力装置1では、第1の導電シート10a及び第2の導電シート10bの各々の帯状電極13a〜13dを辺とした矩形状の入力領域30が形成されている。
なお、本実施形態例では、透明基材11a,11bの長辺に沿った方向がX方向であり、透明基材11a,11bの短辺に沿った方向がY方向である。
第2の電圧印加回路40bは、電源41bとグランド側スイッチ42cと電源側スイッチ42dとを有し、第2の配線60bを介して、第2の導電シート10bに一定の電圧を印加するものである。また、第2の電圧印加回路40bには、非押圧時に第2の導電シート10bを一定電圧に保持するためのプルアップ抵抗43が設けられている。
第1の電圧印加回路40a及び第2の電圧印加回路40bにおけるグランド側スイッチ42a,42c、電源側スイッチ42b,42dとしては、ダイオード、トランジスタ、スリーステートバッファ、アナログスイッチなどを用いることができる。
第1の配線60aは、透明基材11a上に直接パターニングされて形成されたものであり(図6および図7参照)、第2の配線60bは、透明基材11b上に直接パターニングされて形成されたものである(図8参照)。第1の配線60a及び第2の配線60bは、帯状電極13a〜13dと同様に導電性ペーストなどから形成される。
また、押圧されなくなった際には、第2の導電シート10bの形状が復元し、第1の導電シート10aと第2の導電シート10bとが再び間隔を有するようになっている。
この座標検出では、グランド側スイッチ42aをオン、電源側スイッチ42bをオンにした状態で、プルアップ抵抗43によりプルアップされた第2の導電シートの電位を測定し、所定値以下の電位であると、第1の導電シート10aと第2の導電シート10bが接触していると判定する。
そして、グランド側スイッチ42aをオン、電源側スイッチ42bをオフ、グランド側スイッチ42cをオフ、電源側スイッチ42dをオフにした状態で、第1の導電シート10aと第2の導電シート10bが接触点Sで接触しているとき、第1の導電シート10aの接触点Sにおける電位を測定する。その際の電位の測定は、接触点Sにて透明導電膜12aに接する透明導電膜12bおよび第2の配線60bを介して、第2の電圧測定器50bにより行う。そして、あらかじめ作製しておいた電圧−距離の検量線に基づき、帯状電極13aから接触点Sまでの距離を求めることにより、X方向の座標を求める。
次いで、グランド側スイッチ42aをオフ、電源側スイッチ42bをオフ、グランド側スイッチ42cをオン、電源側スイッチ42dをオンにした状態で、第1の導電シート10aと第2の導電シート10bが接触点Sで接触しているとき、第2の導電シート10bの接触点Sにおける電位を測定する。その際の電位の測定は、透明導電膜12aおよび第1の配線60aを介して第1の電圧測定器50aにより行う。そして、あらかじめ作製しておいた電圧−距離の検量線に基づいて、帯状電極13cから接触点Sまでの距離を求めることにより、Y方向の座標を求める。
このようにして、X方向の座標およびY方向の座標を求めることができる。
しかし、本発明では、透明導電膜12a,12b上に絶縁性フィルムが貼着されていても構わない。
また、上記座標入力装置1では、第2の導電シート10bが表面側に配置されていたが、第1の導電シート10aが表面側に配置されていても構わない。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の合成
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000mlと10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10000ml溶液を除去し、残液に10000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た
43.6gのピロメリット酸・二無水物と73.6gのグリセリンをナス型フラスコに入れ、混合させた。ピロメリット酸・二無水物とグリセリンの混合物の入っているナス型フラスコを100℃のオイルバスの油浴中に入れ、10分間掻き混ぜた後、0.1gのp−トルエンスルホン酸を添加し、1時間掻き混ぜた。これにより、ピロメリット酸・二無水物とグリセリンとを脱水反応させて、エステル化合物を含む反応溶液を得た。
そして、得られた反応溶液に115gのイオン交換水を加え、掻き混ぜながら溶解させ、さらにイオン交換水を溶液の固形濃度が50質量%になるように加えて濃度調整をした。これにより得られた水溶液をエステル化合物水溶液とした。
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)を得た。これをπ共役系導電性高分子溶液とした。
そして、得られたπ共役系導電性高分子溶液100mlに、製造例2で得た3.0gのエステル化合物水溶液を添加し、均一に分散させて導電性高分子塗料を得た。
バーコーターにより製造例3で得た導電性高分子塗料を、プライマ処理が施された矩形状の厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ポリエステルフィルム製T−680EW07)の片面に塗布し、乾燥して透明導電膜を形成した。この透明導電膜の表面抵抗は1kΩであった。また、図11に示すように、得られた透明導電膜12の中央部付近にて、導電性高分子塗料の塗布方向と平行に、意図的に長い傷Kを付けた。
次いで、透明導電膜12上に、間隔11cmの帯状電極13a,13bが設けられるように、銀ペーストを導電性高分子塗料の塗布方向と平行に印刷し、焼成した。その後、帯状電極が両端に位置するように正方形に裁断して、導電シートを得た。
なお、透明導電膜に傷を形成していないサンプルを用いて、上記と同様に帯状電極間の電気抵抗を測定したところ、1kΩであった。
このように、実施例の導電シートによれば、帯状電極13a,13b間の電気抵抗を測定することにより、透明導電膜12の傷Kを検出することができる。したがって、導電シートの帯状電極13a,13b間の電気抵抗を測定することにより、導電シートを検査して、傷Kのある不良品を排除することができる。よって、透明導電膜の全面にわたって電気特性を調べたり、座標入力装置にまで組み立てて検査したりする必要がない。
実施例と同様にして透明導電膜を形成し、図12に示すように、導電性高分子塗料の塗布方向と平行に、意図的に長い傷Kを付けた。
次いで、透明導電膜12上に、間隔11cmの帯状電極13a,13bが設けられるように、銀ペーストを導電性高分子塗料の塗布方向と垂直に印刷し、焼成した。その後、帯状電極が両端に位置し、かつ、一端から1cmの部分に傷Kが位置するように正方形に裁断して、導電シートを得た。
比較例の導電シートにおいて、傷を境界とした一方の領域(広い方の領域)Aの、帯状電極13a,13b間の電気抵抗は、1kΩ×[1/(10cm/11cm)]=1.1kΩとなり、他方の領域(狭い方の領域)Bの、帯状電極13a,13b間の電気抵抗は、1kΩ×[1/(1cm/11cm)]=11kΩとなる。
通常、座標入力装置においては、帯状電極13a,13b間の電気抵抗の値よりプルアップ抵抗の抵抗値を充分に大きく設定する。例えば、帯状電極13a,13b間の電気抵抗が1kΩである場合には、プルアップ抵抗を100kΩとする。
A領域にて座標入力された場合には、プルアップ抵抗の電気抵抗に対して透明導電膜の電気抵抗が充分に小さいため、一方の帯状電極から接触点までの距離と、電圧との関係は直線性が高い(図13参照)。ここで、直線性とは、検量線での、帯状電極から接触点までの距離Xにおける電圧に対して、帯状電極から接触点までの距離Xにおいて実際に測定される電圧のずれを示す指標である(図14参照)。具体的には、検量線での、帯状電極から接触点までの距離Xにおける電圧をE1、実際に測定される電圧E2とE1との差を△Eとした際に、△E/E1×100で表される値である。直線性は、図15に示される等価回路により測定される。すなわち、測定対象の第1の透明導電膜12aに、それに対向する第2の透明導電膜を接触させ、第1の透明導電膜12aを印加しながら、接触点Sを一方の帯状電極13aから他方の帯状電極13bに向けて移動させる。その際、電圧測定器50cにて電圧E2を測定することによって、直線性を求めることができる。
図13に示すように、A領域では、直線性が高いため、電圧E2を測定することによって、接触点Sの座標を正確に求めることができる。
ところが、B領域では電気抵抗が11kΩであり、プルアップ抵抗43に対して充分に小さいとはいえないため、一方の帯状電極13aから接触点Sまでの距離と、電圧との関係は直線性が低く(図13参照)、座標を求めるための、帯状電極13aから接触点Sまでの距離と入力電圧との検量線に対するずれが大きい。したがって、電圧を測定しても、接触点の座標を正確に求めることができない。したがって、比較例の導電シートでは、正確な座標検出が困難であり、不良品である。
10a 導電シート(第1の導電シート)
10b 導電シート(第2の導電シート)
11a,11b 透明基材
12a,12b 透明導電膜
13a,13b,13c,13d 帯状電極
20 絶縁スペーサ
30 入力領域
40a 第1の電圧印加回路
40b 第2の電圧印加回路
41a,41b 電源
42a,42c グランド側スイッチ
42b,42d 電源側スイッチ
43 プルアップ抵抗
50a 第1の電圧測定器
50b 第2の電圧測定器
60a 第1の配線
60b 第2の配線
60c 配線
61 絶縁部
70 スタイラス
S 接触点
Claims (3)
- 透明基材と、該透明基材の片面の少なくとも一部に導電性高分子塗料が一方向に塗布されて形成された透明導電膜と、該透明導電膜の表面に、導電性高分子塗料の塗布方向に対して平行方向に設けられた一対の帯状電極とを備えることを特徴とする座標入力装置用導電シート。
- 透明基材の片面の少なくとも一部に、導電性高分子塗料を一方向に塗布して透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程と、
透明導電膜の表面に、導電性高分子塗料の塗布方向に対して平行方向に一対の帯状電極を設ける電極設置工程とを有することを特徴とする座標入力装置用導電シートの製造方法。 - 請求項1に記載の座標入力装置用導電シートを一対具備する座標入力装置であって、
一対の座標入力装置用導電シートは、各々の透明導電膜が互いに間隔を有しつつ対面しており、
座標入力装置用導電シートの各々の帯状電極を辺とした矩形状の入力領域が形成されていることを特徴とする座標入力装置。
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