JP2008286738A - エレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャッキボルト等の微調整を要することなく、複数のワイヤロープに生じる磁束密度を均一にすることができるエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置の提供。
【解決手段】エレベータに備えられるワイヤロープ5を磁化させる磁石6と、ワイヤロープ5の損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7とを有する磁化検出器2を有し、磁化検出器2は、ワイヤロープ5の第1ワイヤロープ5a上に配設される第1磁化検出器2aと、ワイヤロープ5の第2ワイヤロープ5g上に配設される第2磁化検出器2gと、ワイヤロープ5の第3ワイヤロープ5d上に配設される第3磁化検出器2dを含み、第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2gの磁力が互いに等しい磁力を持ち、前記第3磁化検出器2dは、第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2bの磁力よりも弱い磁力を持つようにした。
【選択図】図2
【解決手段】エレベータに備えられるワイヤロープ5を磁化させる磁石6と、ワイヤロープ5の損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7とを有する磁化検出器2を有し、磁化検出器2は、ワイヤロープ5の第1ワイヤロープ5a上に配設される第1磁化検出器2aと、ワイヤロープ5の第2ワイヤロープ5g上に配設される第2磁化検出器2gと、ワイヤロープ5の第3ワイヤロープ5d上に配設される第3磁化検出器2dを含み、第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2gの磁力が互いに等しい磁力を持ち、前記第3磁化検出器2dは、第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2bの磁力よりも弱い磁力を持つようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、エレベータの乗かごを吊るワイヤロープの損傷を検出するために用いられるエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置に関する。
この種の従来技術では、図5に示すように、昇降路15内を昇降する乗かご10を吊るエレベータ用ワイヤロープ9の損傷を発見するために、複数本のワイヤロープ9を同時に探傷可能な磁気探傷装置8が使用されている。前述の磁気探傷装置8は、例えば、機械室14内のシーブ11とそらせ車12の間のビーム13上に設置されている。また、前述の磁気探傷装置8内には、図6、図7(a)に示す磁化検出器19が複数本のワイヤロープ9のそれぞれに対応するように備えられている。磁化検出器19は、図6に示すように、ワイヤロープ9を磁化させるために用いられ、互いに磁性の異なる第1磁石16a、及び第2磁石16bを有する磁石16と、ワイヤロープ9の損傷による漏洩磁束を検出する検出コイル、すなわち磁気センサ17と、この磁気センサ17とワイヤロープ9との距離を調節するジャッキボルト18を有している。なお、複数本のワイヤロープ9のそれぞれに備えられる磁化検出器19は、図7(b)に示すように、互いに等しい磁力レベルを持つ磁石16を有している。
このように構成した従来技術では、前述のそれぞれの磁化検出器19が、隣接している磁化検出器19内の磁石16の磁力による影響を受け、これにより、図7(c)に示すように、中央に位置するワイヤロープ9に生じる磁束密度、すなわち出力値レベルが最も高くなり、外側のワイヤロープ9に生じる出力値レベルが最も低くなる。そのため、このワイヤロープ9ごとの出力値レベルの違いに対応するために、それぞれの磁化検出器19のジャッキボルト18を調整して、磁気センサ17とワイヤロープ9の距離を変化させて磁気センサ17の検出感度を設定することが行われている。このような従来技術としては、特許文献1に示すものがある。
特開2006−071603公報
しかしながら、前述した特許文献1に示すエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置では、図6に示す磁気センサ17の位置調整に使用されるジャッキボルト18の調整が必要であり、この調整は人の手による微調整が必要であるために、作業時間がかかるとともに、2本のジャッキボルト18を調整するため、斜めに調整してしまうという調整ミスにより、磁気センサ17による検出精度が低下する虞があった。
本発明は、このような従来技術の実状を考慮してなされたもので、その目的は、ジャッキボルト等の微調整を要することなく、複数のワイヤロープに生じる磁束密度を均一にすることができるエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置を提供することにある。
この目的を達成するために、エレベータに備えられる複数のワイヤロープの長さ方向にそれぞれ所定間隔で配置され、前記ワイヤロープを磁化させる第1磁石、及び第2磁石とを有する磁石と、前記第1磁石と前記第2磁石の間に配置され、前記ワイヤロープの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサとを有する磁化検出器を複数有し、これらの磁化検出器は、前記複数のワイヤロープの幅方向の一端に位置する第1ワイヤロープ上に配設される第1磁化検出器と、前記複数のワイヤロープの幅方向の他端に位置する第2ワイヤロープ上に配設される第2磁化検出器と、前記複数のワイヤロープの中央に位置する第3ワイヤロープ上に配設される第3磁化検出器とを含むエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置において、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器のそれぞれは互いに等しい磁力を持つ磁石を有し、前記第3磁化検出器は、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器の磁石の磁力よりも弱い磁力を持つ磁石を有することを特徴としている。
このように構成した本発明は、複数のワイヤロープの幅方向の一端に位置する第1ワイヤロープ上に配設される第1磁化検出器の磁石の磁力と、複数のワイヤロープの幅方向の他端に位置する第2ワイヤロープ上に配設される第2磁化検出器の磁石の磁力を等しくするとともに、複数のワイヤロープの中央に位置する第3ワイヤロープ上に配設される第3磁化検出器の磁石の磁力を、第1磁化検出器、及び第2磁化検出器の磁石の磁力よりも弱くしたことから、複数のワイヤロープに生じる磁束密度を均一にすることが可能となる。すなわち、複数のワイヤロープに生じる磁力密度、すなわち出力値レベルの違いに対応するために、ジャッキボルト等の微調整をする必要がなく、これによって、ジャッキボルト等の微調整による作業時間、及び調整ミスをなくすことができる。
また、本発明は、前記発明において、前記複数の磁化検出器を一体に固定可能な固定手段を備えたことを特徴としている。このように構成した本発明は、ワイヤロープの本数に応じた数の磁化検出器を固定手段で一体に固定することにより、これらの磁化検出器のそれぞれに相応するワイヤロープの探傷を同時に行うことができる。これによって、ワイヤロープの探傷の検出に要する時間を短縮することができる。
また、本発明は、前記発明において、前記第1ワイヤロープと前記第3ワイヤロープ間に配設される中間ワイヤロープと、前記第2ワイヤロープと前記第3ワイヤロープ間に配設される別の中間ワイヤロープとを備え、前記中間ワイヤロープに設置される中間磁化検出器と前記別の中間ワイヤロープに設置される別の中間磁化検出器は、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器の磁力よりも弱く、前記第3磁化検出器よりも強い磁力を持つとともに、互いに等しい磁力を持つ磁石を有することを特徴としている。このように構成した本発明は、中間磁化検出器と別の中間磁化検出器の磁石の磁力を、第1磁化検出器、及び第2磁化検出器の磁力よりも弱く、第3磁化検出器の磁力よりも強い磁力を持つようにしたことから、複数のワイヤロープに生じる磁束密度、すなわち出力値レベルをより均一にすることが可能となる。
また、本発明は、前記発明において、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器に備えられる前記磁石が、前記複数のワイヤロープ1本づつの磁化検出に必要な磁力を持つことを特徴としている。このように構成した本発明は、出力値レベルが弱くなりやすい第1磁化検出器、及び第2磁化検出器も含めて、全ての磁化検出器が、ワイヤロープに損傷があった場合でも十分に飽和可能な磁力を有し、これにより、検出漏れを防ぐことができる。
本発明は、それぞれが互いに等しい磁力を持つ磁石を有する前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器と、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器の磁石の磁力よりも弱い磁力を持つ磁石を有する第3磁化検出器を備えたことから、複数のワイヤロープに生じる磁束密度を均一にすることが可能となる。これによって、ジャッキボルト等の微調整による作業時間を要せず、また、ジャッキボルト等の微調整に伴う調整ミスをなくすことができる。したがって、従来よりも作業能率を向上させることができ、またワイヤロープ損傷に対する検出精度を向上させることができる。
以下、本発明に係るエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係るエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置の第1実施形態を示す要部斜視図、図2は、第1実施形態の説明図で、(a)は、磁気探傷装置の構成を示す正面図で、(b)は、それぞれの磁化検出器に対する磁力レベルの関係を示す図で、(c)は、それぞれの磁化検出器に対する出力値レベルの関係を示す図である。
図1は、本発明に係るエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置の第1実施形態を示す要部斜視図、図2は、第1実施形態の説明図で、(a)は、磁気探傷装置の構成を示す正面図で、(b)は、それぞれの磁化検出器に対する磁力レベルの関係を示す図で、(c)は、それぞれの磁化検出器に対する出力値レベルの関係を示す図である。
本発明に係るエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置の第1実施形態を設置したエレベータは、前述した従来技術と同様の構成をしている。すなわち、図1、図に示すこの第1実施形態に係る磁気探傷装置1も、図5に示した機械室14内のシーブ11とそらせ車12の間のビーム13上に例えば設置されている。
第1実施形態の磁気探傷装置1は、図1、図2に示すように、エレベータに備えられるワイヤロープ5の長さ方向にそれぞれ所定間隔で配置され、ワイヤロープ5を磁化させる磁石6と、ワイヤロープ5のうち損傷があったワイヤロープ5の損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7とを有する磁化検出器2を備えている。
前述のワイヤロープ5は、図2に示すように、例えば、7本のワイヤロープから成り、複数のワイヤロープ5の幅方向の一端に位置する第1ワイヤロープ5aと、ワイヤロープ5の幅方向の他端に位置する第2ワイヤロープ5gと、ワイヤロープ5の中央に位置する第3ワイヤロープ5dと、第1ワイヤロープ5aと第3ワイヤロープ5d間に配設される中間ワイヤロープ5b、及び中間ワイヤロープ5cと、第2ワイヤロープ5gと第3ワイヤロープ5d間に配設される別の中間ワイヤロープ5e、及び別の中間ワイヤロープ5fとを有している。
前述の磁石6は、第1ワイヤロープ5aを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a1、及び第2磁石6b1と、中間ワイヤロープ5bを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a2、及び第2磁石6b2と、中間ワイヤロープ5cを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a3、及び第2磁石6b3と、第3ワイヤロープ5dを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a4、及び第2磁石6b4と、別の中間ワイヤロープ5eを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a5、及び第2磁石6b5と、別の中間ワイヤロープ5fを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a6、及び第2磁石6b6と、第2ワイヤロープ5gを磁化させ、互いに磁性の異なる第1磁石6a7、及び第2磁石6b7とを備えている。
前述の磁気センサ7は、第1ワイヤロープ5aの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7aと、中間ワイヤロープ5bの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7bと、中間ワイヤロープ5cの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7cと、第3ワイヤロープ5dの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7dと、別の中間ワイヤロープ5eの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7eと、別の中間ワイヤロープ5eの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7fと、第2ワイヤロープ5gの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサ7gとを有している。
磁化検出器2は、第1磁石6a1、及び第2磁石6b1と磁気センサ7aを有する第1磁化検出器2aと、第1磁石6a2、及び第2磁石6b2と磁気センサ7bを有する中間磁化検出器2bと、第1磁石6a3、及び第2磁石6b3と磁気センサ7cを有する中間磁化検出器2cと、第1磁石6a4、及び第2磁石6b4と磁気センサ7dを有する第3磁化検出器2dと、第1磁石6a5、及び第2磁石6b5と磁気センサ7eを有する別の中間磁化検出器2eと、第1磁石6a6、及び第2磁石6b6と磁気センサ7fを有する別の中間磁化検出器2fと、第1磁石6a7、及び第2磁石6b7と磁気センサ7gを有する第2磁化検出器2gとを有している。
特に、第1実施形態では、図2(b)に示すように、第1磁化検出器2aの第1磁石6a1、及び第2磁石6b1の磁力、すなわち図2(b)に示す磁化検出器No.1に対する磁力レベルの値と、第2磁化検出器2gの第1磁石6a7、及び第2磁石6b7の磁力、すなわち図2(b)に示す磁化検出器No.7に対する磁力レベルの値が、互いに等しく最も強い磁力レベル「4」となっている。また、第3ワイヤロープ5dに配設される第3磁化検出器2dの第1磁石6a4、及び第2磁石6b4の磁力、すなわち図2(b)に示す磁化検出器No.4に対する磁力レベルの値が、第1磁化検出器2aの磁力レベルの値と第2磁化検出器2gの磁力レベルの値よりも弱い磁力、すなわち最も低い磁力レベル「1」となっている。
さらに、前述の中間ワイヤロープ5bに設置される中間磁化検出器2bの第1磁石6a2、及び第2磁石6b2の磁力、すなわち図2(b)に示す磁化検出器No.2に対する磁力レベルの値と、別の中間ワイヤロープ5fに設置される別の中間磁化検出器2fの第1磁石6a6、及び第2磁石6b6の磁力、すなわち、図2(b)に示す磁化検出器No.6に対する磁力レベルの値が、第1磁化検出器2aの磁力、すなわち磁化検出器No.1に対する磁力レベルの値、及び第2磁化検出器2gの磁力、すなわち磁化検出器No.7に対する磁力レベルの値よりも弱く、第3磁化検出器2dの磁力、すなわち磁化検出器No.4に対する磁力レベルの値よりも強い磁力をもつとともに、互いに等しい磁力を持っている。すなわち、これらの磁化検出器No.2と磁化検出器No.6の磁力レベルの値が「3」となっている。
また、前述の中間ワイヤロープ5cに設置される中間磁化検出器2cの第1磁石6a3、及び第2磁石6b3の磁力、すなわち図2(b)に示す磁化検出器No.3に対する磁力レベルの値と、別の中間ワイヤロープ5eに設置される別の中間磁化検出器2eの第1磁石6a5、及び第2磁石6b5の磁力、すなわち、図2(b)に示す磁化検出器No.5に対する磁力レベルの値が、第1磁化検出器2aの磁力、すなわち磁化検出器No.1に対する磁力レベルの値、及び第2磁化検出器2gの磁力、すなわち磁化検出器No.7に対する磁力レベルの値よりも弱く、第3磁化検出器2dの磁力、すなわち磁化検出器No.4に対する磁力レベルの値よりも強い磁力をもつとともに、互いに等しい磁力を持っている。すなわち、これらの磁化検出器No.3と磁化検出器No.5の磁力レベルの値が「3」となっている。
なお、中間磁化検出器2cの磁力、すなわち磁化検出器No.3に対する磁力レベルの値は、中間磁化検出器2bの磁力、すなわち磁化検出器No.2に対する磁力レベルの値よりも弱い値、すなわち磁力レベル「2」となっている。また、中間磁化検出器2eの磁力、すなわち磁化検出器No.5に対する磁力レベルの値は、中間磁化検出器2fの磁力、すなわち磁化検出器No.6に対する磁力レベルの値よりも弱い値、すなわち磁力レベル「2」となっている。
さらに、第1磁化検出器2aの第1磁石6a1、及び第2磁石6b1、及び第2磁化検出器の第1磁石6a7、及び第2磁石6b7が、前述の7本の複数のワイヤロープ5の1本づつの磁化検出に必要な磁力となっている。すなわち、図2(c)に示すように、出力値レベルが弱くなりやすい第1磁化検出器2a、すなわち磁化検出器No.1、及び第2磁化検出器2g、すなわち磁化検出器No.7も含めて、全ての磁化検出器No.1〜No.7が、ワイヤロープ5のいずれかに損傷があった場合でも十分に飽和可能な磁力を持っている。すなわち磁化検出器No.1〜No.7に対する出力値レベルの値すべて均一にとなるとともに、ワイヤロープ5の検出に必要な出力値レベル「4」以上の値となる。
また、磁化検出器2を一体に固定可能な固定手段、すなわち磁化検出器2を串刺し状に連結する2本の連結用ねじ棒3と、これらの連結用ねじ棒3に螺号させることにより、磁化検出器2を一体に固定する4つの固定用ナット4を備えている。
このように構成した第1実施形態は、図2に示した状態で、ワイヤロープ5を移動させ、複数の磁化検出器2のうちの出力値レベルの変化する磁化検出器2の有無により、該等するワイヤロープ5の損傷を検出することができる。
このように構成した第1実施形態によれば、それぞれが互いに等しい磁力を持つ磁石を有する第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2gと、これらの第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2gの磁石の磁力よりも弱い磁力を持つ磁石を有する第3磁化検出器2dを備えるとともに、中間磁化検出器2b、及び中間磁化検出器2cと別の中間磁化検出器2e、及び別の中間磁化検出器2fの磁力を、第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2gの磁力よりも弱く、第3磁化検出器2dの磁力よりも強い磁力を持つようにすることにより、ワイヤロープ5に生じる磁束密度、すなわち磁化検出器2に対する出力値レベルを均一に設定したことから、ジャッキボルト等の微調整を要することなく、ワイヤロープ5の損傷を検出することができる。したがって、ジャッキボルト等の微調整による作業時間を要せず、また、ジャッキボルト等の微調整に伴う調整ミスをなくすことができる。これにより、作業能率を向上させることができ、またワイヤロープ5の損傷に対する検出精度を向上させることができる。
また、磁化検出器2を串刺し状に連結する2本の連結用ねじ棒3と、これらの連結用ねじ棒3に螺号する4つの固定用ナット4を備えたことから、磁化検出器2を一体に固定するができ、これによって磁化検出器2のそれぞれに相応するワイヤロープ5の探傷の検出を同時に行うことができる。これによって、ワイヤロープ5の探傷の検出に要する時間を短縮することができる。
なお、第1磁化検出器2aの第1磁石6a1、及び第2磁石6b1、及び第2磁化検出器の第1磁石6a7、及び第2磁石6b7が、ワイヤロープ5の1本づつの磁化検出に必要な磁力を持つようにしたことから、出力値レベルが弱くなりやすい第1磁化検出器2a、及び第2磁化検出器2gも含めて、磁化検出器2の磁石6が、ワイヤロープ5に損傷があった場合でも十分に飽和可能な磁力を有し、これにより、検出漏れを防ぐことができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明に係るエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置の第2実施形態を示す要部斜視図、図4は、第2実施形態の説明図で、(a)は、磁気探傷装置の正面図で、(b)は、それぞれの磁化検出器に対する磁力レベルの関係を示す図で、(c)は、それぞれの磁化検出器に対する出力値レベルの関係を示す図である。
図3は、本発明に係るエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置の第2実施形態を示す要部斜視図、図4は、第2実施形態の説明図で、(a)は、磁気探傷装置の正面図で、(b)は、それぞれの磁化検出器に対する磁力レベルの関係を示す図で、(c)は、それぞれの磁化検出器に対する出力値レベルの関係を示す図である。
図3に示す第2実施形態は、エレベータ用ワイヤロープが5本の場合に適用され、第1実施形態の磁化検出器2に含まれる第3磁化検出器2d、別の中間磁化検出器2eの2個を取外した以外は、第1実施形態と同様の構成となっている。
第3磁化検出器2d、別の中間磁化検出器2eを取外す際には、図3、図4(a)に示すように、例えば、第1磁化検出器2a側の2つの固定用ナット4を連結用ネジ棒3から取り外し、磁化検出器2に含まれる2個の第3磁化検出器2d、別の中間磁化検出器2eを取り外した後、磁化検出器2を一体に組み立てる。この状態で、取り外した2つの固定用ナット4を連結用ネジ棒3に螺号させて締結する。
この時、例えば、磁化検出器2の中央に配設される第3磁化検出器2dの第1磁石6a4、及び第2磁石6b4を基準として、第1磁化検出器2aと第2磁化検出器2gを取り外してしまうと、ワイヤロープ5に生じる磁束密度、すなわち出力値レベルを、ワイヤロープ5の探傷を検出可能なレベルにまで飽和できなくなってしまう。したがって、図4(b)に示すように、ワイヤロープ5の幅方向の両端に位置する第1磁化検出器2aの磁力、すなわち磁化検出器No.1に対する磁力レベル、及び第2磁化検出器2gの磁力、すなわち磁化検出器No.7に対する磁力レベルを基準として、そこより順に磁力レベルを弱めた中間磁化検出器2b、すなわち磁化検出器No.2と、中間磁化検出器2c、すなわち磁化検出器No.3と、別の中間磁化検出器2f、すなわち磁化検出器No.6とをワイヤロープ5の幅方向の両端に位置する第1磁化検出器2a、すなわち磁化検出器No.1、及び第2磁化検出器2g、すなわち磁化検出器No.7を含めて連結用棒3と固定用ナット4により一体に組み立てる。これにより、図2(c)に示すように、エレベータ用ワイヤロープ5が5本の場合にも、5本のワイヤロープ5に生じる磁束密度、すなわち出力値レベルを均一に「4」とすることができ、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、ワイヤロープ5の本数が磁化検出器2の個数よりも多い場合には、別の磁化検出器を追加して連結用棒3と固定用ナット4により一体に形成することで全てのワイヤロープ5の損傷の検出を行うことができる。また、磁化検出器2の数と同じ数のワイヤロープ5の損傷の検出を行った後、磁気探傷装置1を横方向にずらして他のワイヤロープ5の損傷の検出を行うようにしても、全てのワイヤロープ5の損傷の検出を行うことができる。
また、磁気探傷装置1は、機械室有りエレベータ方式において、図5に示したものと同様にシーブ11とそらせ車12の間のビーム13上に配設されているため、広い測定範囲を確保することができるとともに、エレベータ稼働によるワイヤロープ5の振動の影響が少ないため、振動による出力値への影響を少なくすることができる。
以上、第1実施形態、及び第2実施形態を挙げて本発明を説明したが、第1実施形態、及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、第1実施形態、及び第2実施形態に種々の改変を施すことができる。
1 磁気探傷装置
2 磁化検出器
2a 第1磁化検出器
2b 中間磁化検出器
2c 中間磁化検出器
2d 第3磁化検出器
2e 別の中間磁化検出器
2f 別の中間磁化検出器
2g 第2磁化検出器
3 連結用ネジ棒
4 固定用ナット
5 ワイヤロープ
5a 第1ワイヤロープ
5b 中間ワイヤロープ
5c 中間ワイヤロープ
5d 第3ワイヤロープ
5e 別の中間ワイヤロープ
5f 別の中間ワイヤロープ
5g 第2ワイヤロープ
6 磁石
6a1 第1磁石
6a2 第1磁石
6a3 第1磁石
6a4 第1磁石
6a5 第1磁石
6a6 第1磁石
6a7 第1磁石
6b1 第2磁石
6b2 第2磁石
6b3 第2磁石
6b4 第2磁石
6b5 第2磁石
6b6 第2磁石
6b7 第2磁石
7 磁気センサ
7a 磁気センサ
7b 磁気センサ
7c 磁気センサ
7d 磁気センサ
7e 磁気センサ
7f 磁気センサ
7g 磁気センサ
2 磁化検出器
2a 第1磁化検出器
2b 中間磁化検出器
2c 中間磁化検出器
2d 第3磁化検出器
2e 別の中間磁化検出器
2f 別の中間磁化検出器
2g 第2磁化検出器
3 連結用ネジ棒
4 固定用ナット
5 ワイヤロープ
5a 第1ワイヤロープ
5b 中間ワイヤロープ
5c 中間ワイヤロープ
5d 第3ワイヤロープ
5e 別の中間ワイヤロープ
5f 別の中間ワイヤロープ
5g 第2ワイヤロープ
6 磁石
6a1 第1磁石
6a2 第1磁石
6a3 第1磁石
6a4 第1磁石
6a5 第1磁石
6a6 第1磁石
6a7 第1磁石
6b1 第2磁石
6b2 第2磁石
6b3 第2磁石
6b4 第2磁石
6b5 第2磁石
6b6 第2磁石
6b7 第2磁石
7 磁気センサ
7a 磁気センサ
7b 磁気センサ
7c 磁気センサ
7d 磁気センサ
7e 磁気センサ
7f 磁気センサ
7g 磁気センサ
Claims (4)
- エレベータに備えられる複数のワイヤロープの長さ方向にそれぞれ所定間隔で配置され、前記ワイヤロープを磁化させる第1磁石、及び第2磁石とを有する磁石と、前記第1磁石と前記第2磁石の間に配置され、前記ワイヤロープの損傷部分より漏洩する磁束を検出する磁気センサとを有する磁化検出器を複数有し、これらの磁化検出器は、前記複数のワイヤロープの幅方向の一端に位置する第1ワイヤロープ上に配設される第1磁化検出器と、前記複数のワイヤロープの幅方向の他端に位置する第2ワイヤロープ上に配設される第2磁化検出器と、前記複数のワイヤロープの中央に位置する第3ワイヤロープ上に配設される第3磁化検出器とを含むエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置において、
前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器のそれぞれは互いに等しい磁力を持つ磁石を有し、前記第3磁化検出器は、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器の磁石の磁力よりも弱い磁力を持つ磁石を有することを特徴とするエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置。 - 前記請求項1に記載の発明において、
前記複数の磁化検出器を一体に固定可能な固定手段を備えたことを特徴とするエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置。 - 前記請求項1に記載の発明において、
前記第1ワイヤロープと前記第3ワイヤロープ間に配設される中間ワイヤロープと、前記第2ワイヤロープと前記第3ワイヤロープ間に配設される別の中間ワイヤロープとを備え、前記中間ワイヤロープに設置される中間磁化検出器と前記別の中間ワイヤロープに設置される別の中間磁化検出器は、前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器の磁力よりも弱く、前記第3磁化検出器よりも強い磁力を持つとともに、互いに等しい磁力を持つ磁石を有することを特徴とするエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置。 - 前記請求項1に記載の発明において、
前記第1磁化検出器、及び前記第2磁化検出器に備えられる前記磁石が、前記複数のワイヤロープ1本づつの磁化検出に必要な磁力を持つことを特徴とするエレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007134075A JP2008286738A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | エレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置 |
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JP2007134075A JP2008286738A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | エレベータ用ワイヤロープの磁気探傷装置 |
Publications (1)
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ID=40146586
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180115747A (ko) * | 2016-03-24 | 2018-10-23 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 와이어 로프 탐상 장치 및 와이어 로프 탐상 장치의 조정 방법 |
CN110779982A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-02-11 | 河北东讯科技有限公司 | 一种用于电梯钢丝绳损伤探测装置 |
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2007
- 2007-05-21 JP JP2007134075A patent/JP2008286738A/ja active Pending
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