JP2008286686A - センサ素子及びこのセンサ素子を備えるガスセンサ - Google Patents

センサ素子及びこのセンサ素子を備えるガスセンサ Download PDF

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茂弘 大塚
Kuniharu Tanaka
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Abstract

【課題】低温においても、良好な応答性を有するセンサ素子及びこのセンサ素子を用いたガスセンサを提供する。
【解決手段】センサ素子500は、固体電解質層310と、この固体電解質層310を介し互いに対向するように当該固体電解質層310に設けた基準電極320及び検出電極340とを有する。さらに、センサ素子500は、検出電極340と固体電解質層310との間に設けた中間層330を具備する。この中間層330は、アルミナ及びジルコニアを含む形成材料でもって形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気系統やボイラーの排気系統等の各種の排気系統の排気ガス中に含まれる酸素ガス成分や窒素酸化物ガス成分等の各種のガス成分或いは空燃比を検出するに適したセンサ素子及びこのセンサ素子を備えるガスセンサに関する。
近年、例えば自動車に搭載した内燃機関の排気系統から排出される排気ガスは、未燃焼ガス成分を含むことが多い。このため、この排気ガス中の未燃焼ガス成分に対する濃度規制が年々厳しくなってきている。
特に、未燃焼ガスの濃度は、内燃機関の始動時において高くなる傾向にあることから、この内燃機関の始動時における未燃焼ガス成分の排出を低減したいという要請が強い。このため、未燃焼ガスを検出するガスセンサは、上記要請に応えるように、特に、低温(450(℃)以下)において、従来よりもさらに高性能であることを要求される傾向にある。
ところで、未燃焼ガスは、下記特許文献1に記載のような空燃比検出装置を用いて測定されている。この空燃比検出装置は、平板状の固体電解質と、この固体電解質の第1面上に排気ガス側に位置するように積層された排気側電極と、当該固体電解質の第2面上に大気側に位置するように積層された大気側電極とを備えたセンサ素子を有している。
このような空燃比検出装置は、そのセンサ素子の排気側電極が排気ガスに晒された状態において、大気側電極と排気側電極との間に発生する電圧に基づき、例えば、酸素ガスの濃度を検出するようになっている。
そして、上述のようなガスセンサは、未燃焼ガス成分の検出にあたり、内燃機関の排気系統に取り付けて使用される。ここで、内燃機関の温度は、自動車の走行中において、700〜800(℃)まで上昇することから、ガスセンサの温度も、同様に上昇する。従って、このような高い温度環境にあっては、当該ガスセンサの応答性は良好に維持され得る。
特開平7−55758号
しかしながら、内燃機関の温度は、当該内燃機関の始動時には、低温であることから、上記ガスセンサの温度も、同様に低温に維持される。このような低い温度環境にあっては、上記ガスセンサの応答性は、通常、良好に維持され得ず、低下してしまい、上述の要請には応えられない。
そこで、このように応答性が低い原因について検討してみた。これによれば、上記空燃比検出装置のセンサ素子では、白金からなる排気側電極を、単に、固体電解質を介し大気側電極に対向させるのみであるために、上述の低い温度環境では、良好な応答性を確保し得ないと考えられる。なお、ヒータを上記センサ素子に設けて加熱するようにしても、上述の低い温度環境における応答性は良好にはならない。
本発明は、以上のようなことに対処するため、低温においても、良好な応答性を有するセンサ素子及びこのセンサ素子を備えるガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者等は、ガスセンサにおいて、固体電解質からなる固体電解質層と、この固体電解質層を介し対向する基準電極及び検出電極とを有するセンサ素子の構成について種々検討を加えてみた。その結果、検出電極と固体電解質層との間に、所定の材料からなる中間層を設ければ、当該ガスセンサは、低温の環境においても、良好な応答性を示すことが見いだされた。
このような前提のもと、本発明は、請求項1の記載によれば、
固体電解質層(310)と、
この固体電解質層を介し互いに対向するように当該固体電解質層に設けられる基準電極(320)及び検出電極(340)とを備えるセンサ素子において、
少なくとも検出電極と固体電解質層との間に設けられてアルミナ及びジルコニアを含む形成材料からなる中間層(330)を具備することを特徴とする。
このように、センサ素子において、中間層が、アルミナ及びジルコニアを含む形成材料でもって、検出電極と固体電解質層との間に設けられている。これにより、このようなセンサ素子をガスセンサに設ければ、当該ガスセンサを低温環境に配置して使用しても、良好な応答性を発揮し得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のセンサ素子において、中間層の上記形成材料において、(上記アルミナ/上記ジルコニア)を重量比としたとき、この重量比は、0.2〜5であることを特徴とする。
このように、重量比を0.2〜5とすることで、上述したガスセンサの応答性がより一層良好に確保され得る。その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載のセンサ素子において、中間層の厚さは、1(μm)〜30(μm)であることを特徴とする。
上述のように、中間層の厚さの上限を30(μm)とすることで、当該センサ素子を用いたガスセンサの応答性が、低温環境においても、より一層良好となり、請求項1または2に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。また、中間層の厚さの下限を、1(μm)とすることで、当該中間層の形成が容易になる。
また、本発明に係るガスセンサは、請求項4の記載によれば、
ハウジング(100)と、このハウジング内に支持される請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサ素子(500)とを備える。
これにより、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成し得るガスセンサの提供が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るガスセンサの1つである空燃比センサの部分断面図である。この空燃比センサは、例えば、自動車に搭載した内燃機関の排気管(図示しない)に取り付けられて、当該排気管内を流通する排気ガス中の酸素ガス成分の濃度に基づき空燃比を検出するために用いられる。なお、図1において、内部に保持するセンサ素子500の検出部510側を当該空燃比センサの先端側とし、その反対側を後端側として説明する。
当該空燃比センサは、図1にて示すごとく、主に、筒状のハウジング100と、略筒状の保持体200と、この保持体200を介しハウジング100内に保持される板状のセンサ素子500とを備えている。
ハウジング100は、筒状の主体金具110と、金属製の外筒120と、筒状の内側プロテクター130と、筒状の外側プロテクター140とでもって構成されている。
主体金具110は、その雄ねじ部111を当該内燃機関の排気管の管壁に形成した雌ねじ孔部(図示しない)に締着することにより嵌装される。この雄ねじ部111よりも先端側には、内側プロテクター130が係合される先端小径部113が形成されている。また、主体金具110の外周中央には取り付け用の工具が係合する工具係合部114が形成されている。さらに、工具係合部114の後端側には、外筒120が係合される後端小径部112と、その後端側に、主体金具110内にセンサ素子500をカシメ保持するためのカシメ部115とが形成されている。また、主体金具110の内周で雄ねじ部111付近には段部116が形成されている。
外筒120は、その先端開口部121を主体金具110の後端小径部112に嵌め合わせ、外方から同軸的にレーザ溶接でもって固着されている。
内側プロテクター130及び外側プロテクター140は、2重壁構造を有する。内側プロテクター130は、その後端開口部131にて、主体金具110の先端小径部113に外方から嵌め合わせ、同軸的にレーザ溶接でもって固着されている。また、内側プロテクター130の側壁には、周方向に複数の内側連通孔132が形成されている。
外側プロテクター140は、その後端開口部141にて、内側プロテクター130の後端開口部131に外方から嵌め合わせ、同軸的にレーザ溶接でもって固着されている。また、外側プロテクター140の側壁には、周方向に外側プロテクター140の外部と内部との連通する外側連通孔142が形成されている。
保持体200は、金属カップ210と、セラミックホルダ220と、滑石リング230と、アルミナ製のスリーブ240とを備えている。金属カップ210は、主体金具110の段部116に形成されている。
セラミックホルダ220は、金属カップ210内に嵌め込まれている。滑石リング230は、金属カップ210の内部及び主体金具110の工具係合部114の内部に亘り充填されている。
スリーブ240は、滑石リング230を後端側から押さえるように、そのスリーブ本体241にて、主体金具110に嵌装されている。このスリーブ240には、径方向に突出する大径部242が形成されており、その大径部242の後端に円環状の金属パッキン243が配置されている。主体金具110のカシメ部115が、金属パッキン243を介してスリーブ240の大径部242を先端側に向けて押圧するようにカシメられている。なお、当該スリーブ240は、一対のガイド244(図1では、紙面の奥側のガイドのみを示す)を備えており、当該一対のガイド244は、スリーブ本体241から後端側に向かって延出されている。
センサ素子500は、図1にて示すごとく、その長手方向中間部位にて、保持体200内に同軸的に嵌装されているもので、このセンサ素子500は、図2にて示すごとく、酸素濃度の検出を行うガス検出体300と、このガス検出体300に貼り合わされ、ガス検出体を早期に活性化させるための加熱を行うヒータ体400とを備えている。
ガス検出体300は、図3にて示すごとく、酸素イオン伝導性を有する固体電解質層310を備えており、この固体電解質層310は、固体電解質でもって帯状に形成されている。本実施形態では、当該固体電解質層310の固体電解質は、安定化剤であるイットリア(Y23)をジルコニア(ZrO2)に添加して焼成してなる安定化ジルコニアでもって構成されている。なお、図3において、図面右側を先端側、その反対側を後端側として説明する。
また、当該ガス検出体300は、図3にて示すごとく、固体電解質層310の裏面に形成されてなる基準電極320を備えており、この基準電極320は、矩形状の基準電極部321と、この基準電極部321から延出する基準電極リード322とを有する。この基準電極320は、主成分である貴金属にセラミックス等を添加してなる電極材料でもって、形成されている。そして、本実施形態では、当該電極材料中の貴金属は、100(重量%)の白金族元素、例えば、100(重量%)の白金(Pt)でもって構成されている。
ここで、基準電極リード322は、基準電極部321から固体電解質層310の後端側に向かって延出し、さらに固体電解質層310のスルーホール部311、後述する絶縁層360のスルーホール部361を介し電極パッド312に接続されている。
また、当該ガス検出体300は、図3にて示すごとく、中間層330及び検出電極340を備えている。中間層330は、固体電解質層310の表面に形成されており、この中間層330は、主成分であるジルコニア(ZrO2)にアルミナ(Al23)を添加してなる形成材料でもって、矩形状に形成されている。本実施形態において、中間層330の形成材料におけるアルミナ(Al23)の添加量は、10(重量%)である。また、中間層330の厚さは、例えば、40(μm)である。
しかして、当該中間層330は、具体的には、次のようにして形成されている。即ち、即ち、イットリア(Y23)がジルコニア(ZrO2)に4.3(mol%)添加されてなる粉末を、分散剤、エチルセルロース及びブチルカルビドールと共に混合し、然る後、混練して、中間層用ペーストを作製する。なお、上述した分散剤、エチルセルロース及びブチルカルビドールの各混合量は、それぞれ、上記粉末の総量に対し、0.2(%)、8(%)及び20(%)とする。
上述のように作製した中間層用ペーストを、固体電解質層310の下部にその表面側からスクリーン印刷し、センサ素子500の焼成時に同時に焼成し、中間層330を形成する。
検出電極340は、矩形状の検出電極部341と、この検出電極部341から延出する検出電極リード342とを有する。この検出電極340は、主成分である貴金属にセラミックス等を添加してなる電極材料でもって、形成されている。そして、本実施形態では、電極材料中の貴金属は、基準電極320の電極材料の貴金属と同様に、100(重量%)の白金族元素、例えば、100(重量%)の白金(Pt)でもって構成されている。
ここで、検出電極340は、その検出電極部341にて、中間層330及び固体電解層310の下部を介し基準電極320の基準電極部321に対向するように、中間層330の表面に亘り形成されている。また、検出電極リード342は、検出電極部341から固体電解質層310の後端側に向かって延出し、さらに後述する絶縁層360のスルーホール部362を介し電極パッド313に接続されている。
また、当該ガス検出体300は、図3にて示すごとく、電極保護層350及び絶縁層360を備えている。電極保護層350は、多孔質材料でもって矩形状に形成されて、検出電極部341の表面に亘り形成されている。これにより、電極保護層350は、検出電極部341を被毒から保護する役割を果たす。
絶縁層360は、検出電極リード342の後端側部位を介し、固体電解質層310の表面のうち検出電極部341とパッド状接続端子312及び検出電極リード342の延出端部との間の表面部位を覆うように、固体電解質層310に形成されている。
ヒータ体400は、一対の絶縁層410、420と、当該一対の絶縁層410、420の間に挟持してなる発熱体430とを備えており、絶縁層410は、ガス検出体300の基準電極320を介し固体電解質層310の裏面に形成されている。なお、絶縁層410は、絶縁層420と共に、アルミナ等の電気絶縁材料でもって形成されている。
発熱体430は、発熱抵抗素子431と、この発熱抵抗素子431の両接続端部から延出する一対の発熱体リード432、433とを有する。発熱抵抗素子431は、白金(Pt)等の発熱抵抗材料でもって、例えば、蛇行状或いはジグザグ状に形成されている。
発熱抵抗素子431は、基準電極320の基準電極部321に対向するように、当該絶縁層410の裏面側から形成されている。また、一対の発熱体リード432、433は、両絶縁層410、420の間に、後端側に向かって延出している。
ここで、発熱体リード432は、後端側に形成した接続部434、絶縁層420のスルーホール部421を介し電極パッド422に接続されている。一方、発熱体リード433は、後端側に形成した接続部435にて、絶縁層420のスルーホール部423を介し電極パッド424に接続されている。
また、センサ素子500は、図1にて示すごとく、多孔質保護層520を備えている。この多孔質保護層520は、多孔質のセラミックでもって、センサ素子500の検出部510を覆っている。これにより、多孔質保護層520は、センサ素子500の検出部510を外部の被毒から保護する役割を果たす。
また、当該空燃比センサは、ハウジング100の外筒120に収容したセパレータ600及びグロメット700を備えている。セパレータ600は、アルミナにより断面略逆U字状に形成されており、両ガイド部244及びセンサ素子500の後端部を覆う。セパレータ600は、センサ素子500の後端部に形成された4つの電極パッド312、313、422、424とそれぞれ電気的に接続される4つの接続端子800(図1ではそのうちの2つが示されている)を内部に保持するとともに、それら各接続端子800と、当該空燃比センサの外部に引き出される4本の被覆導線320(図1ではそのうちの2本が示されている)との各接続端部分を収容して保護している。なお、セパレータ600は、その外周面と外筒120の内周面との間に嵌装した保持部材610により保持されている。
グロメット700は、例えば、フッ素ゴムからなるもので、外筒120の後端側開口部内に保持されている。グロメット700は、5つの挿通孔710(図1ではそのうちの2つが示されている。)を有し、各挿通孔710に、セパレータ600から引き出された5本の被覆導線820が気密的に挿通されている。
また、当該空燃比センサは、4つのターミナル800(図1では2つのみが示されている。)を備えている。これら各ターミナル800は、それぞれ、その先端部810にて、互いに対向して、セパレータ600の内周面とセンサ素子500の上端部との間に係止しており、センサ素子500の各電極パッド312、342、422、424(図3参照)に接続されている。
次に、上述のように構成した当該空燃比センサの応答性を評価してみた。この評価にあたり、上述のように構成した空燃比センサを実施例1とし、これに加えて、実施例2〜実施例6を準備し、これら実施例との比較対象として各比較例1及び2をも準備した(図4の図表参照)。
ここで、各実施例2〜6は、次の点を除き、実施例1と同様の構成を有する。即ち、各実施例2〜6の形成材料は、実施例1と同様に、主成分であるジルコニアにアルミナを添加して構成されているが、当該各形成材料、換言すれば、各中間層用ペーストは、アルミナのジルコニアに対する添加量において、実施例1と同一或いは異なる(図4の図表参照)。
具体的には、各実施例2及び3の中間層用ペーストにおけるアルミナの添加量は、それぞれ、80(重量%)及び10(重量%)である。また、各実施例4〜6の中間層用ペーストにおけるアルミナの添加量は、それぞれ、20(重量%)、50(重量%)及び80(重量%)である。
また、各実施例2〜6の中間層は、実施例1の中間層の厚さとは異なる(図4の図表参照)。具体的には、各実施例2及び3の中間層の厚さは、それぞれ、45(μm)及び6(μm)である。また、各実施例4〜6の中間層は、それぞれ、7(μm)、6(μm)及び9(μm)である。
しかして、各実施例2〜6では、上述した各対応の中間層用ペーストを用いて、実施例1と同様に、中間層を、固体電解質層の下部に、焼成して形成した。
また、各比較例1及び2のうち、比較例1は、中間層を採用しない点を除き、実施例1と同様に構成されている。
残りの比較例2は、次の点を除き、実施例1と同様の構成を有する。即ち、比較例2の中間層用ペーストは、アルミナの添加量を実施例1と異にし、また、比較例2の中間層は、実施例1の中間層とは厚さを異にする(図4の図表参照)。
具体的には、比較例2の中間層用ペーストにおけるアルミナの添加量は、0(重量%)である。このことは、比較例2の中間層用ペーストはジルコニアのみからなることを意味する。また、比較例2の中間層の厚さは、5(μm)である。
しかして、比較例2では、上述した中間層用ペーストを用いて、実施例1と同様に、中間層を、固体電解質層の下部に、焼成して形成した。
以上のように準備した各実施例1〜6並びに各比較例1及び2の応答性を、バーナー測定装置(図示しない)によるバーナー測定法を用いて、次のようにして測定した。
即ち、メインプロパンガス及びメイン空気でもって、理論空燃比、即ち空燃比λ=1の雰囲気を生成し上記バーナー測定装置内に供給する。このような状態から空燃比λ=0.9(リッチ)及びλ=1.1(リーン)に交互に2秒ごとに切り換えるように、バイパスプロパンガス及びバイパス空気を上記バーナー測定装置内に供給する。
このような前提のもとに、各実施例1〜6及び各比較例1及び2のセンサ素子を、素子温が約400(℃)になるように保ち、上記バーナー測定装置内に晒すことで、当該各実施例1〜6並びに各比較例1及び2の各々の応答時間を測定した。その結果、各応答時間の測定結果が、図4の図表にて示すごとく得られた。但し、応答時間は、リッチ雰囲気からリーン雰囲気に変化させた際、各実施例1〜6並びに各比較例1及び2の各々の出力が、600(mV)から300(mV)まで変化するためにかかる時間とした。
図4の図表によれば、以下のことが分かる。即ち、比較例1の応答時間は、1760(ms)と長い。これは、比較例1は中間層を有さないためと考えられる。また、比較例2の応答時間は、1220(ms)である。これは、比較例2は、中間層があっても、アルミナの添加量が0(重量%)であることに起因すると考えられる。
これに対し、各実施例1〜6の応答時間は、各比較例1及び2のいずれの応答時間よりも大幅に短く、200(ms)〜970(ms)の範囲以内に収まっている。
これは次の理由に起因すると考えられる。即ち、各実施例1〜6が、比較例1、比較例2とは異なり、アルミナが含有された中間層を有することから、これら各実施例1〜6の応答時間が、比較例1、比較例2に比べて短縮されていると考えられる。
さらに、各実施例2、4及び5は、アルミナのジルコニアに対する重量比(=アルミナ/ジルコニア)が0.2〜5であるため、さらに効果的に応答時間が短縮していることが分かる。
即ち、上述のように構成した当該空燃比センサのセンサ素子500では、中間層330を固体電解質層310の下部と検出電極部341との間に形成することを前提とすれば、上述のように、重量比が0.2〜5の範囲以内にあれば、この重量比にてアルミナ及びジルコニアを含む材料が中間層の材料として用いられた空燃比センサは、自動車の内燃機関の始動時における低温の環境において使用されても、良好な応答性を示すこととなる。
次に、上述したごとく、各実施例1〜6の中間層の厚さは、40(μm)〜9(μm)の範囲以内にある。この点に関してさらにデータを追加して調べたところ、中間層の厚さは、30(μm)以下であれば、約400(℃)という低温の環境においても、良好な応答性を示す空燃比センサの提供が可能となることが分かった。また、中間層の厚さの下限を1(μm)とすれば、当該中間層の形成が容易となる。
ここで、上述したごとく、各実施例4〜6の応答時間は、各実施例1及び2よりもかなり短く、200(ms)〜400(ms)の範囲以内にある。これは、各実施例4〜6では、中間層の厚さが、6(μm)〜9(μm)の範囲以内にあって、各実施例1及び2の中間層の厚さに比べて非常に薄いことによると考えられる。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例を挙げることができる。
(1)本発明の実施にあたり、固体電解質層310を形成する固体電解質は、イットリア(Y23)に限ることなく、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)その他の希土類酸化物を安定化剤としてジルコニア(ZrO2)に添加して焼成してなる安定化ジルコニアで構成してもよい。
(2)本発明の実施にあたり、空燃比センサに限ることなく、例えば、酸素ガスセンサ、NOxセンサ等の各種のガスセンサに、本発明を適用してもよい。
本発明に係るガスセンサの1つである空燃比センサの一実施形態の断面図である。 図1のセンサ素子の斜視図である。 図2のセンサ素子の分解斜視図である。 上記実施形態のおける各実施例及び各比較例の仕様及び応答特性を示す図表である。
符号の説明
100…ハウジング、310…固体電解質層、320…基準電極、
321…基準電極部、330…中間層、340…検出電極、341…検出電極部。

Claims (4)

  1. 固体電解質層と、
    この固体電解質層を介し互いに対向するように当該固体電解質層に設けられる基準電極及び検出電極とを備えているセンサ素子において、
    少なくとも前記検出電極と前記固体電解質層との間に設けられてアルミナ及びジルコニアを含む形成材料からなる中間層を具備することを特徴とするセンサ素子。
  2. 前記中間層の前記形成材料において、(前記アルミナ/前記ジルコニア)を重量比としたとき、この重量比は、0.2〜5であることを特徴とする請求項1に記載のセンサ素子。
  3. 前記中間層の厚さは、1(μm)〜30(μm)であることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ素子。
  4. ハウジングと、このハウジング内に支持される請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサ素子とを備えるガスセンサ。
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