JP2008286305A - プーリ構造体 - Google Patents

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Tateo Ono
健郎 小野
Koji Kobayashi
広治 小林
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Abstract

【課題】相対回転可能な2つの回転体の間に設けられる弾性体の耐久性を向上させた、プーリ構造体を提供すること。
【解決手段】プーリ構造体1は、ベルト6が巻き掛けられる筒状のプーリ2と、プーリ2の内側において、このプーリ2に対して相対回転可能に設けられたハブ3と、ゴム弾性体10と、このゴム弾性体10中に埋設された繊維材料からなる補強構造体11とを有し、プーリ2とハブ3との間に配置された複合弾性体7を備えている。さらに、補強構造体11の一部がゴム弾性体10から露出しており、少なくとも補強構造体11がプーリ2とハブ3の両方に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、相対回転可能に連結された2つの回転体を有するプーリ構造体に関する。
従来から、自動車用エンジンの補機駆動システム等に設けられるプーリ構造体として、動力を伝達するベルトが巻き掛けられる第1回転体と、この第1回転体の内側に配設されるとともに、第1回転体に相対回転可能に設けられた第2回転体とを有し、これら2つの回転体が弾性体を介して連結されたものが知られている。さらに、このようなプーリ構造体において、2つの回転体の間で相対回転が生じたときに、両者を連結する弾性体に過度のねじれが生じるのを、ある程度抑制することが可能に構成されたものがある。
例えば、特許文献1のプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられるリム(第1回転体)と、リムに対して相対回転可能な中央ハブ(第2回転体)と、リムと中央ハブとの間に設けられたゴムリングと、たわみ制限部とを有する。たわみ制限部は、中央ハブの外周面に固定された中央プレートと、リムの内周に配置された弾性当接部とからなる。そして、リムと中央ハブの相対回転角度が所定角度以上になると、リムに設けられた弾性当接部が、中央ハブに設けられた中央プレートに接触し、リムと中央ハブのそれ以上の相対回転が規制される。
また、特許文献2の継ぎ手(プーリ構造体)は、ベルトが巻き掛けられる外側リング(第1回転体)と、この外側リングの内側に相対回転可能に配置された内側リング(第2回転体)と、外側リングと内側リングとの間に配置されて両者を連結するゴム弾性体とを有する。ここで、ゴム弾性体は一方のリングに固定される一方で、ゴム弾性体と他方のリングとの間には滑り層が介装されている。そのため、両リング間に一定以上の大きなトルクが作用した場合には、滑り層においてゴム弾性体が他方のリングに対してスリップ(相対回転)する。
特開2006−177548号公報(図5) 特開平6−200956号公報
しかし、第1回転体と第2回転体との間に配置されて両者間のトルクの伝達を担うゴム弾性体は、大きなねじれ歪を受けやすく、上述したような構成を付加したとしても、ゴム弾性体が受けるねじれ歪を十分小さく抑えるのは難しい。そのため、ゴム弾性体が短期間で疲労破壊しやすいという問題があった。
本発明の目的は、第1回転体と第2回転体の間に設けられる弾性体の耐久性を向上させた、プーリ構造体を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明のプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、前記第1回転体の内側において、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた第2回転体と、ゴム弾性体とこのゴム弾性体中に埋設された繊維材料からなる補強構造体とを有し、前記第1回転体と前記第2回転体との間に配置された複合弾性体とを備え、
前記補強構造体の一部が前記ゴム弾性体から露出しており、少なくとも前記補強構造体が前記第1回転体と前記第2回転体の両方に固定されていることを特徴とするものである。
本発明のプーリ構造体においては、第1回転体と第2回転体との間に配置された複合弾性体が、ゴム弾性体と、このゴム弾性体に埋設された繊維材料からなる補強構造体とを有する。さらに、補強構造体の一部がゴム弾性体から露出しており、補強構造体は第1回転体と第2回転体の両方に固定されている。この構成によれば、第1回転体と第2回転体との間に相対回転が生じたときに、繊維材料からなる補強構造体が、大きなねじれ歪に対する強度とトルク伝達を受け持つことになる。一方、ゴム弾性体は、比較的小さな歪を吸収して、第1回転体と第2回転体の間の回転変動(振動)を減衰させる。このように、複合弾性体が繊維材料からなる補強構造体を有することにより、ねじれ強度が高まって疲労破壊が生じにくくなり、複合弾性体の耐久性が向上する。
第2の発明のプーリ構造体は、前記第1の発明において、前記補強構造体は、筒状織物と、この筒状織物の少なくとも一方の開口端に設けられた補強布とを有することを特徴とするものである。この構成によれば、筒状織物の少なくとも一方の開口端に補強布が設けられているため、大きなねじれ歪にも十分耐えうる強度が確保される。
第3の発明のプーリ構造体は、前記第1の発明において、前記補強構造体は、筒状織物の一端部が内側に折り返されることにより形成された内筒部及び外筒部を有することを特徴とするものである。この構成によれば、補強構造体が、1つの筒状織物からなる内筒部と外筒部を有する2重筒構造であることから、補強構造体を、その外筒部において第1回転体に固定するとともに、その内筒部において第2回転体に固定することが可能になる。
第4の発明のプーリ構造体は、前記第3の発明において、前記内筒部は、軸方向に関して径の変化しないストレート形状の筒状体であり、前記外筒部は、軸方向の一方ほど径が拡大するテーパー形状の筒状体であることを特徴とするものである。この構成によれば、ゴム弾性体内において、外筒部のテーパー面が、内側の第2回転体から外側の第1回転体に向けて斜めに横切るように広がるため、複合弾性体のねじれ強度が高くなる。
第5の発明のプーリ構造体は、前記第1の発明において、前記補強構造体は、筒状織物からなる外筒部と、同じく筒状織物からなり前記外筒部内に挿通された内筒部と、前記外筒部と前記内筒部との間に設けられて両者を連結する連結部とを有することを特徴とするものである。この構成によれば、補強構造体の構造が、外筒部と内筒部とを有する2重筒構造であるため、補強構造体を、その外筒部において第1回転体に固定するとともに、その内筒部において第2回転体に固定することが可能になる。さらに、外筒部と内筒部が連結部により連結されているため、大きなねじれ歪にも十分耐えうる強度を確保することができる。
第6の発明のプーリ構造体は、前記第1の発明において、前記補強構造体は、前記第2回転体から前記第1回転体に向けて放射状に延びる複数の線状体であることを特徴とするものである。この構成によれば、ゴム弾性体内において、複数の線状体が、内側の第2回転体から外側の第1回転体に向けて放射状に延びていることから、複合弾性体のねじれ強度が高くなる。
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態のプーリ構造体1は、自動車用エンジンに設けられて、ウォーターポンプやオルタネータ等の補機を駆動する、補機駆動システムに用いられるものである。
図1、図2に示すように、本実施形態のプーリ構造体1は、ベルト6が巻き掛けられる円筒形状のプーリ2(第1回転体)と、プーリ軸5に連結されるとともにプーリ2の内側に設けられたハブ3(第2回転体)と、プーリ2とハブ3の間に配置された4つの複合弾性体7を有する。プーリ2とハブ3はベアリング4を介して相対回転可能に連結されている。また、プーリ軸5は、図示しないオルタネータ等の補機に連結されており、エンジンからベルト6を介してプーリ構造体1に伝達されたトルクを補機に伝達する。尚、図1における左側をプーリ構造体1の先端側、図1における右側をプーリ構造体1の基端側と定義して以下説明する。
まず、プーリ2について説明する。プーリ2の基端部の外面には、それぞれプーリ2の周方向に延び、且つ、軸方向(プーリ軸5の方向:図1の左右方向)に並んだ、複数のV溝9が形成されている。そして、ベルト6は、その腹面側に形成された複数のVリブが複数のV溝9にそれぞれ係合した状態で、プーリ2の外周に巻き掛けられる。
次に、ハブ3について説明する。ハブ3は、その内部において互いに連通した軸孔3aとボルト孔3bとを有し、ほぼ円筒形状に形成されている。そして、このハブ3の軸孔3aにプーリ軸5の先端部が挿入された状態で、このプーリ軸5の先端部が軸孔3aに装着されたボルト(図示省略)により固定されることで、プーリ軸5とハブ3とが相対回転不能に連結される。
プーリ2の基端側部分とハブ3の基端側部分の間にはベアリング4が介装されており、このベアリング4を介して、プーリ2がハブ3に相対回転自在に支持されている。尚、ベアリング4は、止め輪8により軸方向に関して移動不能に固定されている。
次に、複合弾性体7について説明する。図1、図2に示すように、プーリ2とハブ3の間に形成された空間には、円筒状(環状)の複合弾性体7が、軸方向に4つ並べて配置されている。これら4つの複合弾性体7は、プーリ2とハブ3との間でトルクを伝達するとともに、プーリ2とハブ3との間の回転変動(振動)を吸収するものである。
4つの複合弾性体7は互いに同じ構造を有するものであるため、そのうちの1つの構造について、以下詳細に説明する。図1〜図3に示すように、複合弾性体7は、ゴム弾性体10と、このゴム弾性体10中に埋設された繊維材料からなる補強構造体11とを有する。
ゴム弾性体10は、ゴム材料やポリウレタンエラストマー等のエラストマー材料、あるいは、ゴムと同等の弾力性を有する軟質材料からなり、図2、図3に示すように、円筒状(環状)に形成されている。尚、ゴム材料としては、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム等を好適に使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
補強構造体11は、繊維材料が立体的(三次元的)に張り巡らされた構造を有する。より具体的には、図3に示すように、補強構造体11は、筒状(環状)の織物12と、この筒状織物12に、その一方の開口端を覆うように縫製等によって固定された環状の織物13(補強布)とを有する、ほぼ皿状の構造体である。尚、補強布としての織物13は、筒状織物12の両方の開口端に設けられてもよい。また、補強構造体11を構成する織物12,13の繊維材料としては、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、カーボン繊維、綿、ケナフ繊維等を好適に使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。さらに、補強構造体11は、少なくとも、その外側面(筒状織物12の表面)と、内周(織物13に形成された中心穴13aの縁)において、ゴム弾性体10から露出している。
筒状の複合弾性体7は、その外周面と内周面において、プーリ2及びハブ3に固定されている。より詳細には、まず、各複合弾性体7はプーリ2の内側に圧入されることで、圧縮状態のゴム弾性体10の拡径方向の弾性復元力により、外周面がプーリ2の内周面に密着固定される。また、ハブ3の外径は、外力が作用していない無負荷状態における複合弾性体7の内径よりも若干大きく設定されている。そのため、複合弾性体7が多少の拡径変形を伴いながらハブ3に外嵌されたときには、縮径方向に作用する自己弾性復元力により、複合弾性体7の内周面がハブ3の外周面に密着固定される。
あるいは、複合弾性体7の外周面と内周面の少なくとも一方が、プーリ2又はハブ3と接着剤で固定されていてもよい。
尚、複合弾性体7がねじれるときの負荷をできるだけ小さくして、複合弾性体7の破損を防止するという観点から、複合弾性体7がプーリ2とハブ3の間の配置された状態において、複合弾性体7の圧縮率又は引張率は30%以下であることが好ましい。
ところで、前述したように、繊維材料からなる補強構造体11は、少なくとも、その外側面(筒状織物12の表面)と、内周(織物13に形成された中心穴13aの縁)において、ゴム弾性体10から露出している。そのため、複合弾性体7がプーリ2とハブ3に固定されるということは、少なくとも補強構造体11がプーリ2とハブ3の両方に固定されることを意味している。
従って、プーリ2とハブ3の間に相対回転が生じたときには、繊維材料からなる補強構造体11が、大きなねじれ歪に対する強度とトルク伝達とを受け持つことになる。一方、ゴム弾性体10は比較的小さな歪を吸収して回転変動(振動)を減衰させる。このように、複合弾性体7が繊維材料からなる補強構造体11を有することにより、複合弾性体7のねじれ強度が高まって疲労破壊が生じにくくなり、その耐久性が向上する。
また、補強構造体11は、筒状織物12の少なくとも一方の開口端に織物13(補強布)が設けられた、繊維材料が立体的(三次元的)に張り巡らされた構造を有するため、大きなねじれ歪にも十分耐えられる強度が確保される。
尚、前述した補強構造体11においては外周側にのみ筒部(筒状織物12)が設けられているが、補強構造体11の内周にも筒部が設けられて、この筒部がハブ3に固定されるような構成にすることもできる。
また、ゴム弾性体10は、補強構造体11とは違って大きなねじれ歪に対する強度を受け持つものではないことから、プーリ2及びハブ3と固定されている必要は特にないが、このゴム弾性体10も、補強構造体11と共にプーリ2及びハブ3と固定されていてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、複合弾性体は前記実施形態の構成に限られるものではなく、以下のような変更が可能である。尚、以下の変更形態の説明において、プーリ2やハブ3など、前述した実施形態とほぼ同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(変更形態1)
図4に示すように、変更形態1のプーリ構造体1Aは、プーリ2とハブ3との間に設けられた筒状の複合弾性体7Aを備えている。この複合弾性体7Aは、筒状に成型されたゴム弾性体10Aと、このゴム弾性体10Aに埋設された、繊維材料からなる略円錐台形状の補強構造体11Aとを有する。
補強構造体11Aは、繊維材料からなる筒状織物30の一端部が内側に折り返されることにより形成されている。より具体的には、図5(a)に示すように、補強構造体11Aの元となる筒状織物30は、小径部31と、小径部31よりも径の大きい大径部32と、小径部31と大径部32の間にあって大径部32側ほど径が拡大するテーパー部33とを有する。そして、この筒状織物30の小径部31が内側に折り返されることにより、図5(b)に示すように、長手方向(軸方向)に関して径が変化しないストレート形状の内筒部21と、長手方向に関して折り返し端(内筒部21との接続端)と反対側ほど径が拡大するテーパー形状の外筒部20とを有する、補強構造体11Aが形成される。さらに、この補強構造体11Aは、筒状織物30の大径部32が外側へ折り返されることによって形成された、外筒部20の径拡大側の端部を囲う環状固定部22も備えている。
そして、この略円錐台形状の補強構造体11Aが、筒状のゴム弾性体10Aに埋設された状態では、図4に示すように、補強構造体11Aの外筒部20のテーパー面が、ゴム弾性体10A内を斜めに横切るように、内側から外側へ広がることになる。
また、補強構造体11Aは、少なくとも、ストレート形状の内筒部21の内周面と、外筒部20の外側を囲う環状固定部22においてゴム弾性体10Aから露出している。そのため、この補強構造体11Aを含む複合弾性体7Aがプーリ2とハブ3との間に配置されたときには、内筒部21の内周面がハブ3の外周面に直接接触し、さらに、環状固定部22がプーリ2の表面(先端面、あるいは、外周面)まで張り出すことになる。そして、前記実施形態と同様に、圧入や接着剤によって内筒部21がハブ3の外周面に固定されるとともに、接着剤や、図示しない固定バンド、あるいは、ビス等を用いた機械的接合により、環状固定部22がプーリ2の表面に固定される。
この変更形態1のプーリ構造体1Aによれば、補強構造体11Aが、1つの筒状織物30の端部が折り返されることにより形成された、内筒部21と外筒部20とを有する2重筒構造であるため、外筒部20を環状固定部22を介してプーリ2に固定するとともに、内筒部21をハブ3に固定することができる。さらに、ゴム弾性体10A内において、外筒部20のテーパー面が、内側のハブ3から外側のプーリ2に向けてゴム弾性体10A内を斜めに横切るように配置されているため、複合弾性体7Aのねじれ強度が高くなる。
(変更形態2)
図6、図7に示すように、変更形態2のプーリ構造体1Bは、プーリ2とハブ3との間に設けられた筒状の複合弾性体7Bを備えている。この複合弾性体7Bは、筒状に成型されたゴム弾性体10Bと、このゴム弾性体10Bに埋設された、繊維材料からなる2重筒状の補強構造体11Bとを有する。
図8に示すように、補強構造体11Bは、それぞれ繊維材料からなる筒状織物である、外筒部40とこの外筒部40内に挿通された内筒部41とを有する。さらに、外筒部40と内筒部41との間には、径方向に延びる2枚の連結部42が設けられている。2枚の連結部42は、外筒部40の内面及び内筒部41の外面に縫製等により固定されており、外筒部40と内筒部41は2枚の連結部42を介して連結されている。また、図8において、2枚の連結部は、内筒部41に対して互いに対称な位置に配置されている。
この補強構造体11Bは、少なくとも、外筒部40の外周面と、内筒部41の内周面においてゴム弾性体10Bから露出している。そのため、この補強構造体11Bを含む複合弾性体7Bがプーリ2とハブ3との間に配置されたときには、外筒部40がプーリ2の内周面に接触するとともに、内筒部41がハブ3の外周面に接触する。そして、圧入や接着剤によって、補強構造体11Bがプーリ2とハブ3の両方に固定される。
この変更形態2のプーリ構造体によれば、補強構造体11Bの構造が、外筒部40と内筒部41を有する2重筒構造であるため、外筒部40と内筒部41を、プーリ2とハブ3にそれぞれ固定することができる。さらに、外筒部40と内筒部41が連結部42により連結されているため、大きなねじれ歪にも十分耐えうる強度を確保することができる。
尚、連結部42の数は2つに限られるものではなく、例えば、1つでもよい。但し、複合弾性体7Bのねじれ強度を高めるという観点からは、連結部42は2つ以上設けられていることが好ましい。
(変更形態3)
図9、図10に示すように、変更形態3のプーリ構造体1Cは、プーリ2とハブ3との間に設けられた筒状の複合弾性体7Cを備えている。この複合弾性体7Cは、筒状に成型されたゴム弾性体10Cと、このゴム弾性体10Cに埋設された、繊維材料の複数の線状体50からなる補強構造体11Cとを有する。
図10に示すように、筒状のゴム弾性体10C内において、複数の線状体50は径方向に放射状に延びている。さらに、図9に示すように、一平面上において放射状に延びる複数本(図10では12本)の線状体50の層が、軸方向に複数配置されている。また、各線状体50の両端は、ゴム弾性体10Cの外周面と内周面においてそれぞれ露出している。そのため、この補強構造体11Cを含む複合弾性体7Cがプーリ2とハブ3との間に配置されたときに、各線状体50の一端がプーリ2の内周面に接触するとともに、他端がハブ3の外周面に接触する。そして、圧入や接着剤、あるいは、機械的手段によって、複数の線状体50はプーリ2とハブ3の両方に固定される。
この変更形態3のプーリ構造体によれば、ゴム弾性体10C内において、複数の線状体50が、内側のハブ3から外側のプーリ2に向けて放射状に延びていることから、複合弾性体7Cのねじれ強度が高くなる。
尚、複数の線状体50は、端部がプーリ2の内周面やハブ3の外周面において固定される必要は必ずしもなく、図11に示すように、線状体の両端部が、プーリ2やハブ3を貫通した状態で、接着剤や機械的接合等によりプーリ2とハブ3の両方に固定されていてもよい。また、図9に示す、軸方向に関して隣接する層間で線状体50同士が連結されることにより、補強構造体11Cが三次元的な構造を有するものであってもよい。
本発明の実施形態に係るプーリ構造体の縦断面図である。 図1のII-II線断面図である。 補強構造体の斜視図である。 変更形態1に係るプーリ構造体の縦断面図である。 変更形態1の補強構造体を示す図であり、(a)は補強構造体の元となる筒状織物の斜視図、(b)は(a)の筒状織物から形成された補強構造体の斜視図である。 変更形態2に係るプーリ構造体の縦断面図である。 図6のVII-VII線断面図である。 変更形態2の補強構造体の斜視図である。 変更形態3に係るプーリ構造体の縦断面図である。 図9のX-X線断面図である。 変更形態3に一部変更を加えたプーリ構造体の、図10相当の断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C プーリ構造体
2 プーリ(第1回転体)
3 ハブ(第2回転体)
6 ベルト
7,7A,7B,7C 複合弾性体
10,10A,10B,10C ゴム弾性体
11,11A,11B,11C 補強構造体
12 筒状織物
13 織物(補強布)
20 外筒部
21 内筒部
30 筒状織物
40 外筒部
41 内筒部
42 連結部
50 線状体

Claims (6)

  1. ベルトが巻き掛けられる筒状の第1回転体と、
    前記第1回転体の内側において、前記第1回転体に対して相対回転可能に設けられた第2回転体と、
    ゴム弾性体と、このゴム弾性体中に埋設された繊維材料からなる補強構造体とを有し、前記第1回転体と前記第2回転体との間に配置された複合弾性体と、
    を備え、
    前記補強構造体の一部が前記ゴム弾性体から露出しており、少なくとも前記補強構造体が前記第1回転体と前記第2回転体の両方に固定されていることを特徴とするプーリ構造体。
  2. 前記補強構造体は、筒状織物と、この筒状織物の少なくとも一方の開口端に設けられた補強布とを有することを特徴とする請求項1に記載のプーリ構造体。
  3. 前記補強構造体は、筒状織物の一端部が内側に折り返されることにより形成された内筒部及び外筒部を有することを特徴とする請求項1に記載のプーリ構造体。
  4. 前記内筒部は、その軸方向に関して径の変化しないストレート形状の筒状体であり、前記外筒部は、その軸方向の一方ほど径が拡大するテーパー形状の筒状体であることを特徴とする請求項3に記載のプーリ構造体。
  5. 前記補強構造体は、筒状織物からなる外筒部と、同じく筒状織物からなり前記外筒部内に挿通された内筒部と、前記外筒部と前記内筒部との間に設けられて両者を連結する連結部とを有することを特徴とする請求項1に記載のプーリ構造体。
  6. 前記補強構造体は、前記第2回転体から前記第1回転体に向けて放射状に延びる複数の線状体であることを特徴とする請求項1に記載のプーリ構造体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012065870A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Tsuchiya Tsco Co Ltd 回転体
KR101475240B1 (ko) * 2014-05-27 2014-12-22 국방과학연구소 탄성형 풀리 및 이를 포함하는 이동로봇

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