JP2008284194A - 塵芥収集車用消火燃焼抑制システム - Google Patents

塵芥収集車用消火燃焼抑制システム Download PDF

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【課題】塵芥収集車の塵芥収容部内での火災発生時において、迅速な消火活動を実施でき、特に塵芥収集車の走行機能を確保して本格的な消火活動を実施できる安全な場所に至るまで塵芥収集車の移動運転を可能にする。
【解決手段】特定の1本の消火用圧力ガス容器の開放手段のほか、該特定の1本の消火用圧力ガス容器の放射終了時点近くで別の1本の消火用圧力ガス容器を順次自動的に起動させるタイマー装置を備えるために、1本の消火用圧力ガス容器によるガス放射で間に合わない場合においては、あらかじめ設定しておいた一定の時間経過と同時に別の1本の消火用圧力ガス容器からのガス放射を継続して行うことにより最小限の消火用圧力ガス量により塵芥収容部内での火災拡大を抑制し、その間に塵芥収集車を安全な場所に移動させてから消防車あるいは消火栓使用などによる本格的で、十分な消火活動を実施して塵芥収集車自体の焼損を最低限に留めることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、塵芥収集車の塵芥収容部内での火災発生時において、迅速な消火活動を実施できるとともに、特に塵芥収集車の走行機能を確保して本格的な消火活動を実施できる安全な場所に至るまで塵芥収集車の移動運転を可能にすることを目的とする。
塵芥収集車の塵芥収容部内において発生した火災を消火する手段としては、これまでにたとえばゴミ収納室内天井に複数の噴射ノズルを設けるとともに、不活性ガス消火器を搭載して、この消火器の不活性ガスを上記噴射ノズルより放出して消火し、あるいは液化ガスの気化潜熱を利用して効率消火をはかるようにしたもの(特開2007−21134号公報参照)、あるいは同じく塵芥収集車の塵芥収容箱内天井部に消火ノズルを設置するとともに、外部から送水ホースを接続して上記消火ノズルより水を噴射することにより消火するようにしたもの(実用新案登録第3084532号公報参照)が知られている。
またゴミ収集車のゴミ収納室内に向けて噴射ノズルを設置するとともに、補助圧力ボンベ付の消火液収容タンクを備え、車両エンジンにより駆動されるポンプにより消火液収容タンク内の消火液を上記噴射ノズルにより放射して消火するようにしたもの(実用新案登録第3086167号公報参照)や、塵芥収容部内にガス放出配管を設置し、該ガス放出配管に塵芥収集車の廃棄ガスを送風機つきの冷却装置を介して導入することにより消火するようにしたもの(特開2005−323855号公報参照)なども知られている。
特開2007−21134号公報 実用新案登録第3084532号公報 実用新案登録第3086167号公報 特開2005−323855号公報
しかしながら上記した特許文献1〜4に記載された発明は、その何れもが塵芥収集車を停止させて塵芥収容室内に水や不活性ガスなどの消火剤を放射して消火しようとするものであるために、ある程度まで火災が広がった段階での消火手段としては、元来密閉性が不完全な塵芥収容室内での火災を完全消火するには比較的困難を伴うことが多い。またとくに市街地での火災発生時においては、付近の車両や建物などの施設にも重大な影響を及ぼし、あるいは細い路地での消火活動に著しい障害を生じやすい。
そこで本発明にあっては、塵芥収集車における塵芥収容室内での火災発生に際し、発火初期においては略完全消火が可能であるとともに、ある程度燃え広がった場合にも、塵芥収集車の走行機能を確保しつつ塵芥収集車を市街地や路地などから安全な場所に移動させることができるようにしたものである。
すなわち、本発明は具体的には塵芥収集車に車載された複数本の消火用圧力ガス容器と、塵芥集取車の塵芥収容部内に向けて設置された消火ガス放出ノズルと、一端をそれぞれの消火用圧力ガス容器に接続させ、他端を消火ガス放出ノズルに接続させた接続パイプと、消火用圧力ガス容器の放射を操作する操作部とからなり、該操作部には特定の1本の消火用圧力ガス容器の開放手段と、開放された消火用圧力ガス容器の放射終了時点近くで別の1本の消火用圧力ガス容器を順次自動的に起動させるようにしたタイマー装置と、放出中の消火用圧力ガス容器の放出以後の別の消火用圧力ガス容器の起動用タイマーの作動を停止させる非常停止手段とが備えられていることを特徴とした塵芥収集車用消火燃焼抑制システムに関する。
本発明は、特定の1本の消火用圧力ガス容器の開放手段のほかに、該特定の1本の消火用圧力ガス容器の放射終了時点近くで別の1本の消火用圧力ガス容器を順次自動的に起動させるようにしたタイマー装置を備えるために、1本の消火用圧力ガス容器によるガス放射で間に合わない場合においては、あらかじめ設定しておいた一定の時間経過と同時に別の1本の消火用圧力ガス容器からのガス放射を継続しておこなうことにより最小限の消火用圧力ガス量により塵芥収容部内での火災拡大を抑制しつつ、その間に塵芥収集車を安全な場所に移動させてから消防車あるいは消火栓使用などによる本格的で、かつ十分な消火活動を実施して塵芥収集車自体の焼損を最低限に留めることができる。
また最小限の消火用圧力ガス量を装備していれば良いため、従来のシステムにくらべて小型・軽量でシステムコストがかからないばかりか、塵芥車の燃費の悪化に繋がる重量の増加を最小限にする効果がある。
以下において本発明の具体的な内容を図示の実施例をもとに説明をする。図1には塵芥収集車の一例があらわされている。図において1は図示しない車体のシャーシ上前端に取り付けられた運転室、3はシャーシ中央部に架装された塵芥収容部、8はシャーシ後端方向であって塵芥収容部3の後方部に取り付けられた塵芥投入部をあらわしている。
運転室1の側面後部には操作部2が設けられ、また塵芥収容部3の前方、つまり運転室1との間には消火装置本体部Fが設置され、該消火装置本体部Fには図5にもあらわしたようにそれぞれたとえば電磁式ソレノイド等を用いた電気的な起動装置(開放手段)4ax・4bx付きの2本の消火用圧力ガス容器4a・4bが車載されている。なおこの場合に使用される消火用圧力ガスとしては一般的な不活性ガスでよく、コスト面より考えると二酸化炭素ガスの使用が好ましい。なお5は手動式の泡消火器をあらわしている。
さらに塵芥収容部3内の天井部には塵芥収容部3内に向けて消火ガス放出ノズル6が設置されており、該消火ガス放出ノズル6と前記した消火用圧力ガス容器4a・4bとの間には、一端をそれぞれの消火用圧力ガス容器4a・4bに接続させ、他端を消火ガス放出ノズル6に接続させた接続パイプ7が介在されている。
また操作部2の表側には図4に拡大してあらわしたように起動押し釦2aと非常停止押し釦2b、およびタイマー2d(図5参照)とが設けられている。なお2cは電源灯をあらわしている。また操作部2の裏側には塵芥収集車の車載電源バッテリーBに接続するための端子、および消火用圧力ガス容器4a車載電源バッテリーBとの接続部にはフューズが介在される。
また本発明の塵芥収集車用消火燃焼抑制システムには、上記した構成のほかに好ましくは塵芥収容部3内に温度センサ(図示省略)を備え、運転室1内において該温度センサによる異常発生を感知できるようにすると、より一層効率的でしかも初期消火活動開始が可能となる。
上記の構成において、運転室1内の表示等により塵芥収容部3内において火災が発生したことを確認した場合には、ただちに操作部2の起動押し釦2aを押す。起動押し釦2aが押されると起動装置4axが作動し、特定の1本の消火用圧力ガス容器4aが開放され、同時に消火用圧力ガス容器4bの起動装置(開放手段)4bxを作動させるための操作部2のタイマー2dがスタートを開始する。
なお、このタイマー2dの設定時間については、特定の1本の消火用圧力ガス容器4aからの圧力ガス放出時間と略等しい時間(概ね3〜7分間程度)に設定する。この特定の1本の消火用圧力ガス容器4aからの消火用圧力ガス放射中に塵芥収集車を安全な場所、つまり本格的な消火活動に支障のない場所まで移動させる。
発生した火災が小規模で移動途中において略完全消火するか、あるいは短時間の移動後、消防車等により本格的な消火活動が開始された場合においては操作部2の非常停止押し釦2bを押すことにより前記したタイマー2dがリセットされ、起動装置(開放手段)4bxの駆動が開始されなくなるために2本目の消火用圧力ガス容器4bからの圧力ガス放射をおこなわずに済む。
さらに操作部2の非常停止押し釦2bが押されない場合、すなわち塵芥収集車の安全な場所への移動に時間がかかり、特定の1本の消火用圧力ガス容器4aからの圧力ガス放出が略終了する頃にはタイマー2dの設定時間経過に伴って起動装置(開放手段)4bxの駆動が開始され、継続して2本目の消火用圧力ガス容器4bからの圧力ガス放射が自動的に開始される。
なお、上記した実施例においては、消火用圧力ガス容器を2本だけ設置した場合について説明をしたが、消火用圧力ガス容器を3本、あるいはそれ以上設置する場合においては、これらに対応する数の別のタイマーおよび開放手段を増設することによって、一本宛順次継続的に塵芥収容部3内に消火用圧力ガスの放射をおこなうことが可能である。
また、上記の実施例においては、特定の1本の消火用圧力ガス容器の開放手段として操作部2に備えた起動押し釦2aを押すことにより起動装置(開放手段)4axを作動させる場合について説明をしたが、このほかにも例えば上記した起動押し釦2aを押しても起動装置(開放手段)4ax・4bxが何らかの影響で作動しなかった場合、あるいは塵芥収集車が停止している場合等においては、起動装置(開放手段)4ax・4bxに付属する手動起動用レバー4ay、あるいは4byを手動操作することによって消火用圧力ガス容器4a・4bからの圧力ガス放射をおこなうことも可能であり、本発明における消火用圧力ガス容器の開放手段としては、このような手動による場合も含まれる。
さらに、従来の消火システムにおいては、消火用圧力ガスが二酸化炭素ガスの場合は消防法令により1分以内に全量放射することが求められていた関係で、塵芥収容部の容積1mに対して1分以内に1.1kgの二酸化炭素ガスを放射していたが、本発明のシステムでは、実験の結果塵芥収容部内への放射ヘッドの取り付け位置について、外部からの酸素が供給を遮断するのに最適な位置に配置することによって、塵芥収容部の容積1mあたり1分間に0.10kgの二酸化炭素ガス放射であっても燃焼抑制可能であることを確認している。
しかし塵芥収容部の容積1mに対して1分間に0.17kgを超えても無駄を生ずるところから0.10kg〜0.17kgの範囲内がよい。さらに多少の余裕をみると塵芥収容部の容積1mに対して二酸化炭素ガス放射量の下限値について1分間に0.12kg程度あればよく、また塵芥収容部の容積1mに対して1分間に0.17kgを超えても無駄を生ずるところからさらに望ましくは0.12kg〜0.17kgの範囲内での継続放射が望ましい。
実験例
〔二酸化炭素ガスボンベ1本を5分間で放射する場合の実験例〕

塵芥収容部の容積│1本当りの二酸化│1分間に放射する二│塵芥収容部の容積当
[m3]│炭素ガス量[kg] │酸化炭素ガス量[kg]│りの1分間に放射す
│ │ │るガス量[kg]
4.2 │ 3.2 │ 0.64 │ 0.152
6.0 │ 4.6 │ 0.92 │ 0.153
8.6 │ 6.8 │ 1.36 │ 0.158
上記の実験例でも明らかなように、本発明による消火システムを用いた場合においては、従来のシステムの14〜15%程度の二酸化炭素ガス使用量で済むために、小型軽量でしかも低コストの塵芥収集車用消火燃焼抑制システムの提供が可能となる。
本発明に係る消火システムを装着した塵芥収集車の一実施例をあらわした概略側面図。 図1におけるAーA部分矢視方向における塵芥収容部の前面図。 図1におけるBーB部分矢視方向における塵芥収容部の平面図。 操作部の表側をあらわした拡大図。 本発明に係る消火システムの概略をあらわしたブロック図。
符号の説明
1 運転室
2 操作部
2a 起動押し釦
2b 非常停止押し釦
2c 電源灯
3 塵芥収容部
4a 消火用圧力ガス容器
4ax 起動装置(開放手段)
4ay 手動起動用レバー
4b 消火用圧力ガス容器
4bx 起動装置(開放手段)
4by 手動起動用レバー
5 泡消火器
6 消火ガス放出ノズル
7 接続パイプ
8 塵芥投入部
B 車載電源バッテリー

Claims (4)

  1. 塵芥収集車に車載された複数本の消火用圧力ガス容器と、塵芥集取車の塵芥収容部内に向けて設置された消火ガス放出ノズルと、一端をそれぞれの消火用圧力ガス容器に接続させ、他端を消火ガス放出ノズルに接続させた接続パイプと、消火用圧力ガス容器の放射を操作する操作部とからなり、該操作部には特定の1本の消火用圧力ガス容器の開放手段と、開放された消火用圧力ガス容器の放射終了時点近くで別の1本の消火用圧力ガス容器を順次自動的に起動させるようにしたタイマー装置と、放出中の消火用圧力ガス容器の放出以後の別の消火用圧力ガス容器の起動用タイマーの作動を停止させる非常停止手段とが備えられていることを特徴とした塵芥収集車用消火燃焼抑制システム。
  2. 消火用圧力ガス容器の圧力ガスが二酸化炭素ガス等の不活性ガスであるところの請求項1に記載の塵芥収集車用消火燃焼抑制システム。
  3. 塵芥収容部の容積1mに対する二酸化炭素ガスの放射量を、1分間に0.10kg〜0.17kgの範囲内とするところの請求項1に記載の塵芥収集車用消火燃焼抑制システム。
  4. 塵芥収容部の容積1mに対する二酸化炭素ガスの放射量を、1分間に0.12kg〜0.17kgの範囲内とするところの請求項1に記載の塵芥収集車用消火燃焼抑制システム。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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