JP2008283116A - 有機発光素子および照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、発光色を制御可能な有機発光素子および照明装置を提供する。
【解決手段】本発明の有機発光素子Dは、青色光を発光する青色発光層13と緑色光を発光する緑色発光層16とを備え、前記青色発光層13と前記緑色発光層16との界面Sから青色発光層13側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されると共に、前記界面Sから緑色発光層16側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光色を制御することができる有機発光素子およびこの有機発光素子を用いた照明装置に関する。
有機発光ダイオードは、高効率、広視野角、高応答性および低コスト等の利点から様々な機器に応用されている。特に、白色光を発光する有機発光素子は、液晶ディスプレイのバックライトや次世代照明装置等の光源等として期待され、研究、開発されている(例えば、非特許文献1ないし非特許文献3)。
K.O.Cheon and J.Shinar,"Bright white small molecular organic light−emitting devices based on a red−emitting guest−host layer and blue−emitting 4,4’−bis(2,2’−diphenylvinyl)−1,1’−biphenyl",Appl.Phys.Lett.,81,1738,Aug.2002. R.S.Deshpande,V.Bulovic,and S.R.Forrest,"White−light−emmiting organic electroluminescent devices based on interlayer sequential energy transfer",Appl.Phys.Lett.,75,888,Aug.1999. J.W.Park and Y.Kawakami,IEEE/OSA J.Display Tech.,2,333(2006)
ところで、有機発光素子を様々な機器に応用する場合、その発光色の制御が望まれる。特に、液晶ディスプレイのバックライトや照明装置等の光源等として利用される場合、その発光色が白色に制御されることが好ましい。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、発光色を制御することができる有機発光素子を提供することである。そして、他の目的は、このような有機発光素子を備える照明装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。即ち、本発明の一態様に係る有機発光素子は、青色光を発光する青色発光層と緑色光を発光する緑色発光層とを備え、前記青色発光層と前記緑色発光層との界面から青色発光層側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されると共に、前記界面から緑色発光層側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されていることを特徴とする。
そして、好ましくは、前記青色発光層は、DPVBi、Zn(BOX)およびBAlqの何れかを備えて形成される。好ましくは、前記緑色発光層は、Alq、AlmqおよびBebqの何れかを備えて形成される。好ましくは、前記赤色発光材料は、DCM誘導体、PTCDI誘導体、クマリン系色素、キナクリドン、マグネシウムフタロシアニン、ポリフィリン、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体およびローダミンの何れかである。
光の三原色は、赤、青、緑であることから、青色発光層と緑色発光層とを備える有機発光素子において、発光色を制御するために、青色発光層のみに赤色発光材料を添加することが考えられる。あるいは、青色発光層と緑色発光層とを備える有機発光素子において、発光色を制御するために、緑色発光層のみに赤色発光材料を添加することが考えられる。このような有機発光素子の場合に、さらに、発光色を制御するために赤色光の成分を増やすべく、赤色発光材料をより多く添加すると、赤色発光材料の濃度が高く成り過ぎて濃度消光を生じてしまう。
本発明に係る上述の構成では、赤色発光材料が青色発光層および緑色発光層の両方へ添加されるので、赤色光の成分をより広い範囲で調整することができ、有機発光素子の発光色がより広い範囲で制御可能となる。
そして、上述の有機発光素子において、前記赤色発光材料の添加量は、当該有機発光素子がCIE色座標系で白色を発光する量であることを特徴とする。
この構成によれば、CIE色座標系でよりピュアな白色を発光する有機発光素子が提供可能となる。
そして、本発明の他の態様に係る照明装置は、これら上述の有機発光素子の何れか1つを用いたことを特徴とする。
この構成によれば、発光色を制御することができる照明装置が提供される。
本発明に係る有機発光素子は、その発光色を制御することができる。そして、本発明では、このような有機発光素子を備える照明装置が提供される。
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、実施形態における有機発光素子の構成を示す図である。図1には、各層のエネルギーレベルも示されており、図1は、各層のエネルギー図でもある。
図1において、本発明の一実施形態に係る有機発光素子Dは、少なくとも一方が透光性の一対の第1及び第2電極層21、22によって少なくとも青色発光層13および緑色発光層16を挟んで構成される。本実施形態では、さらに、ホール注入層11とホール輸送層12とをさらに備え、これら各層11〜16が陽極電極として機能する第1電極層21から陰極電極として機能する第2電極層22までの間に順次に積層されている。
第1電極層21は、当該有機発光素子Dが発光する光の波長に対して透明な材料から成る導電性の薄膜である。第1電極層21は、当該有機発光素子Dが可視光を発光するので、例えば、ITO(Indium−Tin−Oxide)等で形成される。
ホール注入層11は、第1電極層21上に形成され、第1電極層21からホール(正孔)をホール輸送層12へ受け渡す層である。ホール注入層11は、本実施形態では、例えば、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine,以下、「CuPc」と略記する。)を備えて形成されている。CuPcでは、HOMO(最高占有分子軌道)レベルが約5.3eVであり、LUMO(最低非占有分子軌道)レベルが約3.6eVである。HOMOレベルとLUMOレベルとの差に基づいて伝導帯と価電子帯との差であるエネルギーギャップを推定することができる。
ホール輸送層12は、ホール注入層11上に形成され、ホール注入層11からのホールを青色発光層13へ輸送する層である。ホール輸送層12は、本実施形態では、例えば、N,N’−diphenyl−N,N’−bis(1−naphthyl)−1−1’biphenyl−4,4”diamine(以下、「α−NDP」と略記する。)を備えて形成されている。α−NDPでは、HOMOレベルが約5.4eVであり、LUMOレベルが約2.3eVである。
青色発光層13は、ホール輸送層12からのホールと緑色発光層16からの電子とを再結合することによって青色を発光する層である。そして、青色発光層13は、ホール輸送層12からのホールを緑色発光層16へ輸送するホール輸送層としても機能すると共に、緑色発光層16からの電子を輸送する電子輸送層としても機能する。このように青色発光層13は、ホールおよび電子の輸送に関して、バイポーラ性を有している。青色発光層13は、本実施形態では、例えば、4,4−bis(2,2’−diphenylvinyl)1,1’−biphenyl(以下、「DPVBi」と略記する。)を備えて形成されている。DPVBiでは、HOMOレベルが約5.9eVであり、LUMOレベルが約2.8eVである。青色発光層13には、DPVBiの他に、ベンゾオキサゾールZn錯体(Zn(BOX))やキノリノール系錯体(BAlq)なども利用可能である。
緑色発光層16は、青色発光層13からのホールと第2電極層22からの電子とを再結合することによって緑色を発光する層である。そして、緑色発光層16は、第2電極層22からの電子を青色発光層13へ輸送する電子輸送層としても機能する。緑色発光層16は、本実施形態では、例えば、Tris−(8−hydroxyquinoline)aluminum(以下、「Alq」と略記する。)を備えて形成されている。緑色発光層16には、Alqの他に、AlmqやベンゾキノリノールBe錯体(Bebq)なども利用可能である。Alqでは、HOMOレベルが約5.7eVであり、LUMOレベルが約3.0eVである。
ここで、注目すべきは、青色発光層13と緑色発光層16との界面Sから青色発光層13側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されると共に、前記界面Sから緑色発光層16側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されていることである。これによって、青色発光層13には、前記界面Sから第1電極層21の方向へ青色発光層13に赤色発光材料が添加されている第1赤色発光材料添加層14が形成され、緑色発光層16には、前記界面Sから第2電極層22の方向へ緑色発光層16に赤色発光材料が添加されている第2赤色発光材料添加層15が形成されている。
赤色発光材料は、本実施形態では、例えば、4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran(以下、「DCM」と略記する。)から構成されている。赤色発光材料には、DCMの他に、DCM2やDCJTIなどのDCM誘導体、DPP−PTCDIやDBP−PTCDIやDMe−PTCDIなどのPTCDI(3,4,9,10−perylenedicarboximide)誘導体、クマリン系色素、キナクリドン、マグネシウムフタロシアニン、PDOEPなどのポリフィリン、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体およびローダミンなども利用可能である。
有機発光素子Dの発光色は、赤色発光材料の添加量に応じて調整することができる。赤色発光材料の添加量を調整することによって、発光色の異なる有機発光素子が提供可能となる。本実施形態の有機発光素子DにおけるEL特性は、例えば、その一例として後述の図4に示すように、大略、波長約400nmから波長約750nmの範囲において、波長の変化に対してダブルピークを持つプロファイルとなっている。第1赤色発光材料添加層14に添加される赤色発光材料の添加量を増加させることで、長波長側の第2極大値(第2ピーク)を与える波長を短波長側にずらすことができると共にその強度を増加することができ、また、第2赤色発光材料添加層15に添加される赤色発光材料の添加量を増加させることで、長波長側の第2極大値(第2ピーク)を与える波長を長波長側にずらすことができると共にその強度を増加することができる。このように第1赤色発光材料添加層14に添加される赤色発光材料の添加量および第2赤色発光材料添加層15に添加される赤色発光材料の添加量の少なくとも一方を制御することで、有機発光素子Dの発光色が制御される。
そして、特に、この有機発光素子DがCIE色座標系で白色を発光する量に赤色発光材料の添加量が調整されることで、白色光を発光する有機発光素子Dを得ることができる。
赤色発光材料がDCMである場合には、有機発光素子Dの発光色は、このDCMの添加量に応じて調整することができ、そのDCM(ゲスト)の添加量は、ホストに対して1重量%〜2重量%の範囲内の何れかの量とすることができる。DCMの添加量が2重量%を超えると、素子の性能を低下させる1重項−1重項消滅(singlet-singlet annihilation)を引き起こしてしまうからである。一方、DCMの添加量が1重量%未満では、DCMからの発光強度が低下し、代わりにホストである青色発光材料および/または緑色発光材料からの発光強度が向上するので、各発光の総和である素子の発光色が短波長側にシフトし、白色発光からずれてしまうからである。
このような構成の有機発光素子Dは、例えば、次の各工程によって形成される。
図2は、波長に対するDCMの吸光特性、DPVBiの発光特性およびAlqの発光特性を示す図である。図2の横軸は、nm単位で表す波長(wavelength)であり、その横軸は、規格化された吸光度または発光強度(Normalized Intensity)である。各特性は、最大値(ピークの値)で規格化されている。
図2において、DPVBiの発光特性は、一点鎖線で示すように、波長約395nmで発光が始まって、波長が長くなるに従って発光強度が増加し、波長約445nmで最大発光強度となり、その後、波長が長くなるに従って発光強度が徐々に減少し、波長約575nmで発光強度がほぼ0となるプロファイルである。DPVBiは、主に青色で発光している。
Alqの発光特性は、破線で示すように、波長約420nmで発光が始まって、波長が長くなるに従って発光強度が徐々に増加し、波長約505nmで最大発光強度となり、その後、波長が長くなるに従って発光強度が徐々に減少し、波長約640nmで発光強度がほぼ0となるプロファイルである。Alqは、主に緑色で発光している。
一方、DCMの吸光特性は、実線で示すように、波長約350nmで既にピーク時の25%の吸光度を持ち、波長が長くなるに従って吸光度が徐々に増加し、波長約460nmで最大吸光度となり、その後、波長が長くなるに従って吸光度が徐々に減少し、波長約550nmで吸光度がほぼ0となるプロファイルである。
したがって、DCMは、青色光も緑色光も吸収することができ、青色光を吸収して赤色で発光すると共に緑色光を吸収して赤色で発光する。このため、青色発光層13の材料としてDPVBiが利用され、緑色発光層16の材料としてAlqが利用される場合、DCMは、第1および第2赤色発光材料添加層14、15の赤色発光材料として適当である。
DPVBi、ALqおよびDCMが上述の各特性を備えているので、以下では、その一実施例の有機発光素子Dとして、第1電極層21、ホール注入層11、ホール輸送層12、青色発光層13、緑色発光層16および第2電極層22がそれぞれCuPc、α−NDP、DPVBi、ALqおよびLiF/Alを備えて形成され、赤色発光材料がDCMである場合についてその製造工程を説明する。
まず、ガラス基板が例えば真空蒸着装置にセットされる。このガラス基板には、周知の形成方法によって第1電極層21となるITO層(膜)が約110nmの厚みでその一方主面に予め形成されている。また、この真空蒸着装置には、各層を形成するCuPc、α−NPD、DPVBi、DCM、ALq、LiFおよびAlの各材料もるつぼ等の容器にセットされる。そして、真空蒸着装置内の空気が排気され、真空蒸着装置が所定気圧、例えば、3×10−4Paの真空状態とされる。
そして、ITO層の第1電極層21上にホール注入層11としてCuPc層(膜)が約20nmの厚みで蒸着され、形成される。次に、ホール注入層11上にホール輸送層12としてα−NPD層(膜)が約50nmの厚みで蒸着され、形成される。
次に、ホール輸送層12上にDPVBi層(膜)が約15nmの厚みで蒸着され、形成される。ここで、DPVBi層が約12nmの厚みまで蒸着されたところで、DCMも蒸発され、約3nmの厚みの第1赤色発光材料添加層14が形成される。このため、DCMが添加されていないDPVBiから成る青色発光層13は、約12nmの厚みとなる。この第1赤色発光材料添加層14では、本実施形態では、例えば、DCMがDPVBiに対して約1重量%となるように添加される。第1赤色発光材料添加層14では、DPVBiがホスト(host)であり、DCMがゲスト(guest)である。
次に、DPVBi層上にAlq層(膜)が約45nmの厚みで蒸着され、形成される。ここで、Alq層の蒸着と同時に、DCMも蒸発され、約3nmの厚みの第2赤色発光材料添加層15が形成される。このため、DCMが添加されていないAlqから成る緑色発光層16は、約42nmの厚みとなる。この第2赤色発光材料添加層15では、本実施形態では、例えば、DCMがAlqに対して約2重量%となるように添加される。第2赤色発光材料添加層15では、Alqがホストであり、DCMがゲストである。
これによって青色発光層13としてのDPVBi層と緑色発光層16としてのAlq層との界面SからDPVBi層側へ第1赤色発光材料添加層14を形成すべくDCMがDPVBi層に添加されると共に、前記界面SからAlq層側へ第2赤色発光材料添加層15を形成すべくDCMがAlq層に添加される。
次に、緑色発光層16上にLiF層(膜)が約1nmの厚みで蒸着され、形成された後に、LiF層上にAl層(膜)が約100nmの厚みで蒸着され、形成される。このLiF層およびAl層は、第2電極層22として機能する。このLiF層は、Al層からAlq層へ電子を注入する場合に、その電子の注入障壁を下げるための緩衝層(buffer層、バッファ層)である。
次に、このように構成された有機発光素子Dの諸特性について説明する。
図3は、有機発光素子の電圧電流特性および電圧輝度特性を示す図である。図3の横軸は、V単位で表す電圧(Voltage)であり、その左縦軸は、mA/cm単位で表す電流密度(Current density)であり、その右縦軸は、cd/m単位で表す輝度(Luminance)である。図4は、有機発光素子のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence)特性を示す図である。図4の横軸は、nm単位で表す波長であり、その縦軸は、a.u.単位で表す蛍光強度(EL Intensity)である。図5は、有機発光素子が発光した光の色をCIE色座標系で示す図である。図6は、有機発光素子の発光効率特性を示す図である。図6の横軸は、V単位で表す電圧であり、その縦軸は、lm/W単位で表す発光効率である。
これら諸特性の測定に当たって、本実施形態の一実施例に係る有機発光素子Dとの比較例として第1および第2有機発光素子d1、d2も作成され、測定された。
図7は、比較例における有機発光素子の構成を示す図である。図7(A)は、第1比較例の第1有機発光素子d1を示し、図7(B)は、第2比較例の第2有機発光素子d2を示す。
第1比較例の第1有機発光素子d1は、図7(A)に示すように、厚み約110nmのITO層41と、ITO層41上に形成された厚み約20nmのCuPc層31と、CuPc層31上に形成された厚み約50nmのα−NDP層32と、α−NDP層32上に形成された厚み約12nmのDPVBi層33と、DPVBi層33上に形成されたDCMがDPVBiに対して2重量%添加された厚み約3nmのDPVBi:DCM層34と、DPVBi:DCM層35上に形成された厚み約45nmのAlq層36と、Alq層36上に形成された厚み約1nmのLiF層および厚み約100nmのAl層から成るLiF/Al層42とを備えて構成される。
第2比較例の第2有機発光素子d2は、図7(B)に示すように、厚み約110nmのITO層41と、ITO層41上に形成された厚み約20nmのCuPc層31と、CuPc層31上に形成された厚み約50nmのα−NDP層32と、α−NDP層32上に形成された厚み約15nmのDPVBi層33と、DPVBi層33上に形成されたDCMがAlqに対して2重量%添加された厚み約3nmのAlq:DCM層35と、Alq:DCM層35上に形成された厚み約42nmのAlq層36と、Alq層36上に形成された厚み約1nmのLiF層および厚み約100nmのAl層から成るLiF/Al層42とを備えて構成される。
すなわち、第1比較例の第1有機発光素子d1は、上述の一実施例の有機発光素子Dに対して第2赤色発光材料添加層15を備えない構成であり、第2比較例の第2有機発光素子d2は、上述の一実施例の有機発光素子Dに対して第1赤色発光材料添加層14を備えない構成である。
これら図3、図4および図6において、有機発光素子Dの特性は、実線で示され、第1有機発光素子d1の特性は、破線で示され、そして、第2有機発光素子d2の特性は、一点鎖線で示されている。
このような有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2の電圧電流特性は、図3に示すように、大略、電圧の増加に従って電流密度も増加するプロファイルであり、電圧が約2.6Vで屈曲点を有している。図3では、電圧が約4.5Vになると有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2が発光を開始しているように見えるが、左縦軸が対数スケールであるのに対して右縦軸がリニアスケールであるためであり、実際には、電圧電流特性が屈曲する約2.6Vの電圧(ターンオン電圧)になると有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2は、発光を開始する。有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2の電圧電流特性は、ほぼ同一であるが、同一の電圧に対して有機発光素子Dの電流密度が第1および第2有機発光素子d1、d2の電流密度より若干小さい。
そして、有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2の電圧輝度特性は、図3に示すように、大略、電圧の増加に従って輝度も増加するプロファイルである。有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2の電圧輝度特性は、ほぼ同一であるが、同一の電圧に対して有機発光素子Dの輝度が第1および第2有機発光素子d1、d2の輝度より若干大きい(明るい)。有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2の各輝度は、電圧約10Vが印加された場合に、それぞれ、2575cd/m、2140cd/m、2386cd/mである。有機発光素子Dの最大外部量子効率は、約1.94%であり、第1有機発光素子d1の最大外部量子効率約1.48%より優位であり、第2有機発光素子d2の最大外部量子効率約1.96%とほぼ同等である。
なお、これら電圧電流特性は、室温において、Source Meter(2400,Keithley Instrument,Inc.)によって測定された。また、まず、室温において、multi−function optical meter(1835C,Newport Corp.)によって発光パワーが測定されると共に、Photonic multi−channel analyzer(PMA−11 C7473−36,浜松フォトニクス(株))によって発光スペクトルが測定され、そして、電圧輝度特性は、これら発光パワーと発光スペクトルとに基づいて求められた。
そして、有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2のエレクトロルミネッセンス特性(以下、「EL特性」と略記する。)は、図4に示すように、大略、波長約400nmから波長約750nmの範囲において、波長の変化に対してダブルピークを持つプロファイルとなっている。
第1有機発光素子d1のEL特性は、図4に破線で示すように、波長約450nmで第1極大値(第1ピーク)となり、波長約515nmで極小値となり、波長約550nmで第2極大値(第2ピーク)となっており、第1極大値が第2極大値よりも大きな値となっている。このため、第1有機発光素子d1の発光色は、図5に★の#d1で示すように、CIE(Commision Internationale d‘Eclairage)色座標系において、(CIEx、CIEy)=(0.29、0.33)であり、青みの色成分が強い疑似白色で、完全な白色からずれている。
また、第2有機発光素子d2のEL特性は、図4に一点鎖線で示すように、波長約450nmで第1極大値(第1ピーク)となり、波長約525nmで極小値となり、波長約570nmで第2極大値(第2ピーク)となっており、第1極大値が第2極大値よりも大きな値となっている。そして、第1および第2有機発光素子d2における第1極大値は、ほぼ同じ値となっている一方で、第2有機発光素子d2における第2極大値は、第1有機発光素子d1における第2極大値よりも小さい。このため、第2有機発光素子d2の発光色は、図5に★の#d2で示すように、CIE色座標系において、(CIEx、CIEy)=(0.31、0.303)であり、紫みの色成分が強い疑似白色で、完全な白色からずれている。
一方、本実施形態の一実施例に係る有機発光素子DのEL特性は、図4に実線で示すように、波長約450nmで第1極大値(第1ピーク)となり、波長約520nmで極小値となり、波長約575nmで第2極大値(第2ピーク)となっており、第2極大値が第1極大値よりも若干大きな値となっている。そして、有機発光素子Dにおける第1極大値は、第1および第2有機発光素子d2における第1極大値よりも若干小さくなっている一方で、有機発光素子Dにおける第2極大値は、第1および第2有機発光素子d2における第2極大値よりも大きい。このため、有機発光素子Dの発光色は、図5に★の#Dで示すように、CIE色座標系において、(CIEx、CIEy)=(0.331、0.337)であり、白色光となっている。
このように青色発光層13がDPVBiを備えて形成され、緑色発光層16がAlqを備えて形成され、赤色発光材料にDCMが用いられ、その添加量が第1赤色発光材料添加層14ではホストのDPVBiに対して1重量%とされ、第2赤色発光材料添加層15ではホストのAlqに対して2重量%とされることによって、ピュアな白色光を発光する有機発光素子Dが得られる。
ここで、DPVBi層およびAlq層内部において、両層の界面近傍で生成された1重項励起子は、1重項−1重項消滅を減少すべく、DPVBi側DCM添加層とAlq側添加層に分離され閉じ込められることによってDCMからの効率的な赤色発光に寄与するが、DCMの添加量が過剰であると、このような1重項−1重項消滅の軽減効果が得られない。第1比較例の有機発光素子d1においてDCM添加層の厚さを増やすと充分な青色発光の強度が得られなくなる。また、第2比較例の有機発光素子d2においてAlqからの緑色発光がほぼ完全に抑えられ、DCMからの赤色発光とDPVBiからの青色発光のみが観測されていることから、3nmのDCM添加層にAlq層内で生成した全ての励起子が充分に閉じ込められていることが分かる。以上から第1および第2赤色発光材料添加層14、15の厚みは、約3nmが好ましい。
なお、EL特性は、室温において、電圧約10Vが印加されて測定された。
有機発光素子D、第1および第2有機発光素子d1、d2の発光効率特性は、図6に示すように、大略、上記ターンオン電圧である約2.6Vから電圧の増加に従って急激に大きくなって最大値(ピーク)に達した後に、電圧の増加に従って徐々に小さくなるプロファイルである。第1有機発光素子d1の発光効率は、電圧約3.9Vで最大値約2.58lm/Wであり、第2有機発光素子d2の発光効率は、電圧約3.9Vで最大値約3.16lm/Wである。一方、有機発光素子Dの発光効率は、電圧約3.8Vで最大値約3.44lm/Wであり、第1および第2有機発光素子d1、d2の最大発光効率よりも大きい。本実施形態の一実施例に係る有機発光素子Dは、白色光を発光するだけでなく、発光効率も高く、優れている。
なお、発光効率特性は、これら測定した電圧電流特性と電圧輝度特性とに基づいて求められた。
また、このような本実施形態に係る有機発光素子Dを用いて照明装置を構成することができる。
図8は、実施形態における照明装置の構成を示す図である。照明装置Lは、例えば、整流回路51と、平滑回路52と、DC−DCコンバータ53と、抵抗素子Rが直列に接続された上述の構成の有機発光素子Dとを備えて構成される。整流回路51には、商用交流電力が供給される。商用交流電力は、整流回路51で整流されて直流電力に変換され、平滑回路52で平滑され、DC−DCコンバータ53で有機発光素子Dの発光に適した電圧値に変換され、抵抗素子Rと直列接続の有機発光素子Dに供給される。これによって有機発光素子Dは、発光する。
このような照明装置Lでは、有機発光素子Dの第1および第2赤色発光材料添加層14、15に添加される赤色発光材料の添加量が制御されることで、その発光色が制御され、様々な発光色で発光することができる。特に、CIE色座標系で白色を発光する量に赤色発光材料の添加量が調整されることで、白色光を発光する照明装置Lを得ることができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/又は改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。従って、当業者が実施する変更形態又は改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態又は当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
実施形態における有機発光素子の構成を示す図である。 波長に対するDCMの吸光特性、DPVBiの発光特性およびAlqの発光特性を示す図である。 有機発光素子の電圧電流特性および電圧輝度特性を示す図である。 有機発光素子のエレクトロルミネッセンス特性を示す図である。 有機発光素子が発光した光の色をCIE色座標系で示す図である。 有機発光素子の発光効率特性を示す図である。 比較例における有機発光素子の構成を示す図である。 実施形態における照明装置の構成を示す図である。
符号の説明
D 有機発光素子
L 照明装置
13 青色発光層
14 第1赤色発光材料添加層
15 第2赤色発光材料添加層
16 緑色発光層

Claims (6)

  1. 青色光を発光する青色発光層と緑色光を発光する緑色発光層とを備え、
    前記青色発光層と前記緑色発光層との界面から青色発光層側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されると共に、前記界面から緑色発光層側へ赤色光を発光する赤色発光材料が添加されていること
    を特徴とする有機発光素子。
  2. 前記青色発光層は、DPVBi、Zn(BOX)およびBAlqの何れかを備えて形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記緑色発光層は、Alq、AlmqおよびBebqの何れかを備えて形成されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機発光素子。
  4. 前記赤色発光材料は、DCM誘導体、PTCDI誘導体、クマリン系色素、キナクリドン、マグネシウムフタロシアニン、ポリフィリン、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体およびローダミンの何れかであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の有機発光素子。
  5. 前記赤色発光材料の添加量は、当該有機発光素子がCIE色座標系で白色を発光する量であること
    を特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の有機発光素子を用いた照明装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009093981A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Seiko Epson Corp 有機エレクトロルミネッセンス装置及び電子機器

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