JP2008282272A - 半導体装置の設計支援装置、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムおよび記録媒体、ならびに半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の設計支援装置、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムおよび記録媒体、ならびに半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置の経時的な絶縁破壊寿命を高精度で予測することができる設計支援装置およびそれを用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】設計支援装置100は、設計パターンデータ入力部810と、工程ばらつき入力部820と、工程ばらつきの実現値生成部854と、最小間隔算出部855と、絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856と、絶縁破壊時間の実現値生成部857とを備えている。工程ばらつきおよび絶縁破壊時間のそれぞれの実現値はモンテカルロ法により生成される。最小間隔算出部855は、工程ばらつきの実現値に基づいてビアパターンと配線パターンとの最小間隔を算出する。
【選択図】図8

Description

本発明は、半導体装置の設計支援装置、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムおよび記録媒体、ならびに半導体装置の製造方法に関するものである。
半導体装置の配線パターンとして広く用いられているCu(銅)配線の信頼性の課題として線間TDDB(Time-dependent Dielectric Breakdown)がある。Cu配線の線間TDDBとは、ダマシン工法により形成されたCu配線間に電圧が印加された際のCu拡散によって生じる時間依存性の絶縁破壊現象である。半導体装置が微細化されて隣り合う配線間のスペース間隔が狭くなると配線間の電界強度が高くなるため、線間TDDBが短時間で発生しやすくなる。この結果、線間TDDBからくる半導体装置の寿命(線間TDDB寿命)が短くなる。
また微細化にともなって配線幅寸法に対する配線スペース間隔のばらつきの程度は強調される。その結果、線間TDDB寿命にも必然的に大きなばらつきが生じて半導体装置の信頼性が低下する。
たとえばリソグラフィについては近接効果によりレジストパターンが設計レイアウトに対して歪んだ形状となり、配線のスペース間隔にばらつきが生じる。また多層配線構造ではリソグラフィにおける配線パターンとビアパターンとの精度の重ね合わせのずれによって配線のスペース間隔にばらつきが生じる。リソグラフィ技術は、パターン自体の微細化という点に関してはムーア(Moore)の法則に則り進歩している。しかしパターン同士の重ね合わせ技術はスキャナーの機械精度を課題として有しており、微細化の進展に沿ってその精度を向上させることは困難である。エッチング技術についても、最小加工寸法については進歩しているものの、ローディング効果やマイクロ・ローディング効果による寸法ばらつきについて大きな改善を行なうことは困難である。
以上のように線間TDDB寿命の課題が大きくなってきているため、線間TDDB寿命を精度よく予想する手法の開発が望まれている。この予想結果が半導体装置の設計段階におけるパターンレイアウトの最適化や製造段階における工程ばらつき管理幅の設定などにフィードバックされれば、新製品開発を効率的に行なうことができる。
上記予想が行なわれるに際してTDDB試験の結果はTDDBの代表的なモデル式であるEモデルと呼ばれる次式(1)で整理されることがある。
Figure 2008282272
ここで、tBDは寿命(絶縁破壊に至る時間の標準値)、Aは定数、Φは活性化エネルギー、γは電界加速係数、Eは電界強度、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度である。電界強度Eは印加電圧Vと配線のスペース間隔sとにより、次式で表される。
Figure 2008282272
なお上記Eモデル以外に、たとえばルート(平方根)Eモデルと呼ばれる次式の関係が提唱されている(たとえば非特許文献1)。
Figure 2008282272
さらに他の関係式で示されるモデルもあり、学会でもまだモデルの一本化はなされていない。
上記いずれかのモデルによりTDDB寿命を見積もるためには式(2)の配線のスペース間隔sを求める必要がある。このために、半導体装置の製造時の各工程の寸法ばらつきに対して正規分布が仮定され、これらの分布の分散値が加え合わされて配線のスペース間隔の最悪値(最小値)が算出される方法がある。この方法では、算出された配線のスペース間隔の最悪値が式(2)に代入されて電界強度Eの最悪値(最大値)が求められる。そしてこの電界強度Eの最悪値が、たとえば式(1)に代入されてTDDB寿命の最悪値が推定される。
また上記モデルおよび絶縁耐圧試験データをもとにして実効的な寸法ばらつきを実験的に予想する手法が、たとえば特許文献1で提案されている。まず2水準の電圧の走引速度(ramp rate)R1,R2で耐圧試験が行なわれ、絶縁耐圧VBD(R1),VBD(R2)のパラメータが取得される。この際に走引速度R1,R2のそれぞれは、1ステップ当たりの保持時間(time period per step)Δτ1,Δτ2の各々のステップごとに所定の電圧ΔVだけ昇圧されることにより実現される。この手法ではパラメータVBD(R1),VBD(R2)が次式(4)に適用される。
Figure 2008282272
この文献においては式(4)から実寸法に基づくパラメータsが分かれば式(1)および式(2)式によりTDDB寿命が分かると主張されている。
ここまでは配線のスペース間隔のばらつきによって生じるTDDB寿命ばらつきについて解説した。しかしスペース間隔がまったく一様である場合でもTDDB寿命ばらつきが生じる。このばらつきは電圧印加中に絶縁膜に欠陥が発生する過程が統計的であることに起因するTDDB寿命の真性ばらつきである。このばらつきはパーコレーション・モデルによって議論されている(たとえば非特許文献2)。この文献によれば理論的に真性ばらつきがワイブル分布として扱われている。TDDB寿命がワイブル分布にしたがうことは実験的にも確認されており、次式の関係で示される。
Figure 2008282272
ここにF(t)は累積故障率(絶縁破壊に至る時間の累積分布関数)、tは寿命(絶縁破壊に至る時間)、t0は63%寿命、mはワイブル分布のパラメータ(形状パラメータ(Shape Parameter))である。
米国特許第6967499号明細書 N. Suzumura, S. Yamamoto, D. Kodama, K. Makabe, J. Komori, E. Murakami, S. Maegawa, and K. Kubota, "A New TDDB Degradation Model Based on Cu Ion Drift in Cu Interconnect Dielectrics", Proceedings of IEEE 44th Annual International Reliability Physics Symposium, 2006, pp.484-489 J. Sune, "New Physics-Based Analytic Approach to the Thin-Oxide Breakdown Statistics," IEEE Electron Device Letters, vol.22, 2001, pp.296-298
上記において、式(1)などのモデルと、正規分布の分散値の和により算出される配線のスペース間隔の最悪値とを用いたTDDB寿命の見積もりの方法について説明した。この方法は、以下の2つの課題を有する。まず統計的な理由からTDDB寿命を必要以上に短寿命に見積もってしまうという課題がある。またこの方法ではTDDB寿命の分布形状の詳細についてはまったく見積もることができないという課題がある。
そもそも各工程ばらつきが重なった分布形状の分散値を正確に計算することは実質的に不可能である上、パターン設計や工程管理に計算結果を有効にフィードバックすることもできない。なぜならば複雑なパターンについては配線寸法ばらつきの分布が正規分布から歪むために計算機での膨大な処理を要するからである。
また上記特許文献1に記載の手法は実験的である。すなわち予め用意された評価パターンについて短期間の実験からTDDB寿命を推定することは可能である。しかしこの手法は任意のパターン形状について寿命の予想ができないという課題を有する。すなわちこの手法は設計技術者が設計段階で求める信頼性が確保できるようなパターン形状に関する情報や、プロセス技術者が求める各工程におけるばらつき寸法の管理幅に関する情報などを十分に提供することができない。
またこれまでにおいて、特に多層配線構造における配線とビアとの重ね合わせばらつきが信頼性におよぼす影響のシミュレーションによる検討はまったくなされていない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、主に、種々のパターン形状のばらつきが統計的に処理されることのよりTDDB寿命を精度よく予想することができる半導体装置の設計支援装置(シミュレータ)およびそれを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係る設計支援装置は、互いに電気的に分離された上層導電層と下層導電層とを有する半導体装置の設計支援装置である。この設計支援装置は、設計パターンの情報を入力する手段と、工程ばらつきを入力する手段と、工程ばらつきの実現値を生成する手段と、最小間隔を算出する手段と、累積分布関数を確定する手段と、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する手段とを備えている。
上記設計パターンの情報を入力する手段は、半導体装置の設計パターンの情報を入力する。上記工程ばらつきを入力する手段は、半導体装置の製造工程における工程ばらつきを入力する。上記工程ばらつきの実現値を生成する手段は、工程ばらつきと工程ばらつきの累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、工程ばらつきの実現値を生成する。上記最小間隔を算出する手段は、設計パターンの情報および工程ばらつきの実現値に基づいて、上層導電層と下層導電層との最小間隔を算出する。上記累積分布関数を確定する手段は、最小間隔に基づいて上層導電層と下層導電層との間の電界強度の最大値を算出し、電界強度の最大値に基づいて上層導電層と下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間と絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数を確定する。上記絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する手段は、確定された絶縁破壊に至る時間と絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する。
本発明の実施の形態に係るプログラムは、互いに電気的に分離された上層導電層と下層導電層とを有する半導体装置の設計支援装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。このプログラムはコンピュータに、設計パターンの情報を入力するステップと、工程ばらつきを入力するステップと、工程ばらつきの実現値を生成するステップと、最小間隔を算出するステップと、累積分布関数を確定するステップと、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成するステップとを実行させる。
上記設計パターンの情報を入力するステップは、半導体装置の設計パターンの情報を入力する。上記工程ばらつきを入力するステップは、半導体装置の製造工程における工程ばらつきを入力する。上記工程ばらつきの実現値を生成するステップは、工程ばらつきと工程ばらつきの累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、工程ばらつきの実現値を生成する。上記最小間隔を算出するステップは、設計パターンの情報および工程ばらつきの実現値に基づいて、上層導電層と下層導電層との最小間隔を算出する。上記累積分布関数を確定するステップは、最小間隔に基づいて上層導電層と下層導電層との間の電界強度の最大値を算出し、電界強度の最大値に基づいて上層導電層と下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間と絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数を確定する。上記絶縁破壊に至る時間の実現値を生成するステップは、確定された絶縁破壊に至る時間と絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する。
本実施の形態によれば、設計パターンの情報および工程ばらつきの実現値が用いられて絶縁破壊に至る時間の累積分布関数が確定され、さらにこの関数から絶縁破壊に至る時間の実現値が生成される。このため任意のパターン形状についてTDDB寿命を分布形状も含めて精度よく見積もることができる。
以下、本発明の概要および実施の形態について図に基づいて説明する。
(概要)
本発明はモンテカルロ法により線間TDDBが取り扱われることにより半導体装置の高信頼化を行なうアルゴリズムを提供することができる。まずこのアルゴリズムの概要について説明する。
図1は、本発明の設計支援装置が用いられた半導体装置の製造方法の概要を説明するためのフローチャートである。図1を参照して、まずステップS101にて、CAD(Computer-Aided Design)ツールが用いられて、回路パターンの設計が行なわれる。次にステップS102にて、この設計パターンを有するフォトマスクが用いられて形成されるレジストパターンが近接効果の影響が考慮されて光学シミュレーションされる。これにより設計パターンがリソグラフィにより形成されるレジストのパターンの実態に近い形状に補正される。
ステップS106にて、半導体装置の製造を行なうための暫定的なプロセスが構築される。ステップS107にて、この暫定的なプロセスの工程ばらつきに関する実測データが正規分布で近似されて工程ばらつきデータベースに蓄積される。
ステップS103にて、たとえばビア(下層導電層)と互いに絶縁された配線(上層導電層)との最小スペース間隔(最小間隔)が計算される場合、このデータベースに記憶されている統計情報に基づいて、近接効果補正されたビアおよび配線のパターンの輪郭線を構成する各点の座標が個々に変位される。ここで、いわゆる逆関数法が用いられる。すなわち0から1までの一様乱数が発生されて正規分布関数の逆関数に代入される。これにより所定の統計母数にしたがう確率変数、つまり工程ばらつきを含む座標点が得られる。製造工程順にしたがってその都度に座標が変位されて、実プロセスにおけるパターン形状や位置関係の推移が模擬される。すなわち上層導電層と下層導電層との分離寸法のばらつき計算がモンテかモンテカルロ法により行なわれる。
座標が変位された後、たとえば配線の輪郭線を構成する全ての座標点と、ビアの輪郭線を構成する全ての座標点との相互の距離がピタゴラスの定理によって計算される。この計算により得られた距離のうち最小距離が抽出されることにより、このビアについての配線との最小間隔の情報が得られる。3層以上の多層配線のように縦構造(厚み方向の構造)が複雑であっても、各ビアとその上層または下層に位置する配線との位置関係について上述の計算手続きがすべて尽くされればよい。またビアが複数ある場合は各ビアについて配線との最小間隔が求められる。このようにして求められた最小間隔が式(2)にスペース間隔sとして代入されて各ビアに対応する電界強度Eが計算される。
ステップS108にて、たとえば平行に走る2本の配線パターンが用いられて、その後のステップにおいて必要となるパラメータが実験的に決定される。まず絶縁破壊のモデル式が確定される必要があるため、式(1)または式(3)におけるパラメータA,Φおよびγが決定される。また平行配線においてもTDDB寿命は真性ばらつきを有することから、(5)式のパラメータmが求められる。
ステップS104にて、上記のパラメータE,A,Φおよびγが式(1)または(3)に代入されることによりTDDBのモデル式による寿命(絶縁破壊に至る時間の標準値)tBDが計算される。
次にこの寿命tBDに真性ばらつきを考慮した補正が加えられる。まず寿命tBDの値が式(5)における63%寿命t0として代入される。次に式(5)の累積故障率F(t)に0から1までの一様乱数が与えられると、逆関数法によりtが統計的ばらつきを有する確率変数として得られる。すなわち積事象として真性ばらつきが加味された条件付確率により実現されるTDDB寿命が計算できる。
このようにして個々のビアについてTDDB寿命が求められた後、半導体チップ(半導体装置)の全ビアについての寿命のうち最短寿命が半導体装置の寿命とされる。この試行計算が繰り返されれば半導体チップを多数製造した場合の寿命ばらつきを推定することができる。
ステップS105にて、上記で得られた寿命ばらつきが半導体装置の信頼性規格を満たすか否かが判断される。もし規格が満たされる場合は、計算に用いられた回路パターンの形状および構築されたプロセスに基づいて半導体装置が製造される。もし規格が満たされない場合は、この判断結果がパターン設計およびプロセス構築の少なくともいずれかにフィードバックされる。そして、パターン設計およびプロセス構築の少なくともいずれかのステップがこのフィードバックの結果が踏まえられて再実施される。そして再度、図1に示すステップが行なわれる。
上記説明した方法によれば、パターン最適化や工程管理規格見直しを効率的に行なうことができる。また特定工程のプロセスばらつきの変化に対する寿命ばらつきの応答特性を調べることもでき、各工程の管理規格の妥当性を検討することができる。
次に本発明のパターン設計、光学シミュレーションおよび分離寸法ばらつき計算の例について説明する。
図2は、本発明の半導体装置のパターン設計を例示するための概略的な平面図である。主に図2を参照して、パターン設計S101(図1)にて、上層および下層の2層のレイヤが重ねあわされた設計がされる。下層レイヤにはビアパターン(下層導電層)Vaが配置され、上層レイヤには互いに電気的に分離された配線パターン(上層導電層)Ma,Mbが配置される。ビアパターンVaは配線パターンMaに包含されるように重ね合わせの設計がされる。これによりビアパターンVaは、配線パターンMbとは互いに電気的に分離され、かつ配線パターンMaとは互いに電気的に接続される。
図3は、図2のパターン設計における下層レイヤの設計パターン(a)および補正された設計パターン(b)を概略的に示す平面図である。また図4は、図2のパターン設計における上層レイヤの設計パターン(a)および補正された設計パターン(b)を概略的に示す平面図である。
主に図3(a)および(b)を参照して、ステップS102(図1)にて、下層レイヤLY1に対してフォトリソグラフィ工程における近接効果補正のための光学シミュレーションが行なわれて補正された下層レイヤLY1Cが得られる。すなわちビアパターンVa(図3(a))から補正されたビアパターンVaC(図3(b))が得られる。主に図4(a)および(b)を参照して、同様にして上層レイヤLY2から補正された上層レイヤLY2Cが得られる。すなわち配線パターンMa,Mbから補正された配線パターンMaC,MbCが得られる。
ステップS107にて、下層レイヤLY1Cと上層レイヤLY2Cとの間の重ね合わせ工程と、下層レイヤLY1Cおよび上層レイヤLY2Cのそれぞれの加工工程とに関する工程ばらつきが予めデータベース化される。
具体的には、たとえば重ね合わせの工程ばらつきに関して直交座標軸X,Yを有する平面座標において重ね合わせズレがXおよびY方向について3σ=25nmの正規分布ばらつきを有する旨がデータベースに蓄積される。またエッチング工程などの加工工程においてビアパターンVaCのトップ径が設計値80nmに対して3σ=5nmの正規分布ばらつきを有する旨がデータベースに蓄積される。
図5は、図3(b)および図4(b)に示される2層のレイヤの重ね合わせ工程ばらつきを例示するための概略的な平面図である。主に図5を参照して、ステップS103(図1)にて、補正された下層レイヤLY1C(図3(b))と、補正された上層レイヤLY2C(図4(b))とが互いに重ね合わせられた状態がシミュレーションされる。重ね合わせ誤差により下層レイヤLY1CのビアパターンVaCは上層レイヤLY2Cの配線パターンMaCに対して設計上の位置(図中破線の位置)から重ね合わせ誤差OEだけずれて位置する。この重ね合わせ誤差OEは上記の工程ばらつきが用いられたモンテカルロ法によりシミュレーションされる。具体的には、3σ=25nmの正規分布に対応する累積分布関数の逆関数に乱数が代入されて、確率変数である重ね合わせ誤差OEが逆算で求められる。
図6は、図5に示される各レイヤの加工工程ばらつきを例示するための概略的な平面図である。主に図6を参照して、ステップS103(図1)にて、補正された下層レイヤLY1C(図3(b))と、補正された上層レイヤLY2C(図4(b))とのそれぞれの加工工程がシミュレーションされる。
加工工程ばらつきにより、加工形成されるビアパターンVaCVの半径は、近接効果補正されたビアパターンVaCの半径に比して、たとえば誤差寸法EE1だけ大きくなる。また加工形成される配線パターンMaCV,MbCVのそれぞれの幅寸法は、近接効果補正された配線パターンMaC,MbCの幅寸法に比して、たとえば誤差寸法EE2だけ両脇が狭くなる。これらの加工工程における誤差寸法は、上記の工程ばらつきデータが用いられたモンテカルロ法によりシミュレーションされる。
主に図6を参照して、重ね合わせ工程ばらつき(図5)および加工工程ばらつきの双方が考慮されて、ビアパターンVaCVと配線パターンMbCVとの最小間隔SPが算出される。
たとえば重ね合わせばらつきの3σが25nmの条件において、たとえば各工程ばらつきに対して試行回数20回のモンテカルロシミュレーションが行なわれて、図7に示す最小間隔SPの分布が得られる。この分布においては最小間隔SPが88nmになるケースがおよそ1%の確率で出現すると推定される。
上記のように算出された最小間隔SPが式(2)にsとして代入されて電界強度Eが求められ、さらに、たとえば式(3)によりtBDが算出される。そしてこの算出されたtBDが式(5)にt0として代入されればF(t)が確定される。そしてこの確定されたF(t)が用いられたモンテカルロ法により絶縁破壊に至る時間tの実現値をシミュレーションすることができる。
上記の原理に基づいて以下の実施の形態1〜3がなされている。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、半導体装置の設計支援装置、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、および記録媒体について説明する。
はじめに、図8〜図12を用いて本実施の形態の設計支援装置によって実現される各機能の構成について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される各機能の構成を表すブロック図である。図8を参照して、設計支援装置100は、設計パターンデータ入力部810と、工程バラツキ入力部820と、一時記憶部830と、記憶部840と、処理部850とを備えている。
処理部850は、書込部851と、初期設定部852と、読出部853と、工程ばらつきの実現値生成部854と、最小間隔算出部855と、絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856と、絶縁破壊時間の実現値生成部857と、絶縁破壊時間の実現値処理部858とを含んでいる。
設計パターンデータ入力部810は、半導体装置の設計パターンの仕様を表すデータの入力を受け付ける。このデータは、多層導電層の各層ごとのパターン形状情報と、各層間の重ね合わせの位置関係情報とを含んでいる。
工程ばらつき入力部820は、半導体装置の製造工程における工程ばらつきを表すデータの入力を受け付ける。このデータは、多層導電層の各層間の重ね合わせばらつき情報と、各層ごとの加工工程のばらつき情報とを含んでいる。
一時記憶部830は、設計パターンデータ入力部810または工程ばらつき入力部820によって入力が受け付けられたデータ、あるいは処理部850によって生成されたデータを一時的に(揮発的に)保持する。一時記憶部830は、たとえばRAM(Random Access Memory)として実現される。なお一時記憶部830は物理的には1つのメモリとして実現される場合に限られず、2つ以上のメモリに分けて構成されてもよい。
書込部851は、一時記憶部830に保持されているデータを読み出し、そのデータを記憶部840において確保された領域に書き込む。記憶部840は、データを不揮発的に保持できる記憶装置である。初期設定部852は、記憶部840に格納されているデータおよび設計支援装置100に対して入力される外部からの指示に基づいて、設計支援を行なうための初期設定値を記憶部840から読み出し、一時記憶部830において確保された領域に格納する。
記憶部840は、データを格納するためのメモリ領域841〜843を有している。記憶部840は、たとえばフラッシュメモリやハードディスク装置として実現される。
読出し部853は、記憶部840のメモリ領域841,842のそれぞれに格納されている設計パターンデータおよび工程ばらつきデータを読み出し、一時記憶部830のメモリ領域831,832の各々に格納する。
工程ばらつきの実現値生成部854は、一時記憶部830に格納されている工程ばらつきデータに基づく工程ばらつきの累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、工程ばらつきの実現値を生成する。そして工程ばらつきの実現値生成部854は、この工程ばらつきの実現値を一時記憶部830のメモリ領域833に格納する。なお上記の工程ばらつきの累積分布関数とは、工程ばらつきと工程ばらつきの累積確率との関係を示す累積分布関数のことである。
具体的には、重ね合わせ工程や加工工程のばらつきを表す正規分布を表す累積分布関数の逆関数が求められる。また0から1までの範囲内の乱数が発生される。この乱数が上記の逆関数に累積確率として代入される。これより確率変数にあたるばらつきの実現値が生成される。すなわち重ね合わせズレや加工誤差の実現値が生成される。
最小間隔算出部855は、一時記憶部830に格納されている設計パターンデータおよび工程ばらつき実現値に基づいて上層導電層と下層導電層との最小間隔を算出する。そして最小間隔算出部855はこの最小間隔を一時記憶部830のメモリ領域834に格納する。
具体的には、各ビアごとに上層導電層と下層導電層との最小間隔が算出される。なお導電層が3層以上形成される場合は隣接する2層ごとについて上層導電層と下層導電層との最小間隔が算出されればよい。
絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856は、一時記憶部830に格納されている最小間隔に基づいて上層導電層と下層導電層との間の電界強度の最大値を算出する。そして絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856は、この電界強度の最大値に基づいて上層導電層と下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間の累積分布関数を確定する。そして絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856は、この確定された絶縁破壊時間の累積分布関数を一時記憶部830のメモリ領域835に格納する。なお上記の絶縁破壊に至る時間の累積分布関数とは、絶縁破壊に至る時間と絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数のことである。
具体的には、一時記憶部830に格納されている最小間隔が式(2)に配線スペース間隔sとして代入される。これにより電界強度の最大値が算出される。そして式(3)により寿命の標準値tBDが算出される。そしてこれが式(5)に63%寿命t0として代入されて、累積故障率F(t)の関数が確定される。
絶縁破壊時間の実現値生成部857は、一時記憶部830に格納されている確定された絶縁破壊に至る時間の累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する。そして絶縁破壊時間の実現値生成部857は、この絶縁破壊時間の実現値を一時記憶部830のメモリ領域836に格納する。
具体的には、まず0から1の範囲の乱数が発生される。そしてこの乱数が上記の確定された累積故障率F(t)の逆関数において累積故障率Fとして代入される。これにより絶縁破壊に至る時間tの実現値が生成される。
絶縁破壊時間の実現値処理部858は、一時記憶部830に格納されている絶縁破壊時間の実現値に基づいて処理を行なう。具体的には、絶縁破壊時間の実現値処理部858は、たとえば絶縁破壊時間の実現値をモニタに表示させたり、あるいは記憶部840に格納したりする。
図9は、本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現されるフォトリソグラフィ工程における光近接効果の補正機能の構成を表すブロック図である。図9を参照して、好ましくは上記の最小間隔算出部855は、光近接効果補正部951と、補正された設計パターンに基づく最小間隔算出部952とを有している。
光近接効果補正部951は、一時記憶部830に格納されている設計パターンデータに対してフォトリソグラフィ工程における光近接効果の補正を行なう。そして光近接効果補正部951は、補正された設計パターンデータを一時記憶部830のメモリ領域931に格納する。
補正された設計パターンに基づく最小間隔算出部952は、一時記憶部830に格納されている補正された設計パターンデータおよび工程ばらつき実現値に基づいて上層導電層と下層導電層との最小間隔を算出する。そして補正された設計パターンに基づく最小間隔算出部952は、この最小間隔を一時記憶部830のメモリ領域834に格納する。
図10は、本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される入力部の各機能の構成の一部を表すブロック図である。図10を参照して、好ましくは設計支援装置100は、絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度とのモデル式(相関式)の入力部1010をさらに有している。絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の入力部1010は、TDDBのモデル式を表すデータの入力を受け付ける。
具体的には、この相関式とは、たとえばルートEモデルにおいては、式(3)および付随するパラメータA、Φ、γ、Tの具体的な値である。また上記の標準値とは式(3)における寿命tBDである。なお絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の入力部1010は、ルートEモデルの代わりにEモデル(式(1))やその他のモデルの相関式を表すデータ入力を受け付けることもできる。
また好ましくは設計支援装置100は、標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数の入力部1020をさらに有している。標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数の入力部は、絶縁破壊に至る時間の標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数を表すデータの入力を受け付ける。
具体的には、この相関式とは、たとえば式(5)および付随するパラメータmの具体的な値である。この式(5)においては上記の標準値とは63%寿命t0である。
図11は、本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される絶縁破壊時間の累積分布関数確定機能の構成の一部を表すブロック図である。図11を参照して、好ましくは絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856は、絶縁破壊に至る時間の標準値算出部1151と、絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数のパラメータ確定部1152とを有している。
絶縁破壊に至る時間の標準値算出部1151は、一時記憶部830のメモリ領域834,1131に格納されている最小間隔と相関式とに基づいて絶縁破壊に至る時間の標準値を算出する。そして絶縁破壊に至る時間の標準値算出部1151は、算出された時間の標準値を一時記憶部830のメモリ領域1132に格納する。なおメモリ領域1131に格納されている相関式は、絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の入力部1010(図10)により入力が受け付けられた内容である。たとえばルートEモデルが用いられる場合は、この算出された電界強度の最大値が式(3)に代入される。これよりルートEモデルにおける寿命(絶縁破壊に至る時間の標準値)tBDが得られる。
絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数のパラメータ確定部1152は、一時記憶部830に格納されている具体的に算出された標準値と、標準値をパラメータとする累積分布関数とに基づいて、絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数のパラメータを確定する。なおメモリ領域1133に格納されている標準値をパラメータとする累積分布関数は、絶縁破壊に至る時間の標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数の入力部1020により入力が受け付けられた内容である。たとえばワイブル分布が用いられる場合は、寿命tBDが式(5)に63%寿命t0として代入される。これにより累積故障率F(t)の関数(絶縁破壊に至る時間の累積分布関数)が確定される。
図12は、本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される半導体装置の予測寿命算出機能の構成を表すブロック図である。図12を参照して、好ましくは処理部850は半導体装置の予測寿命算出部1250をさらに有している。半導体装置の予測寿命算出部1250は、複数の実現値の最小値選択部1251と、半導体装置の予測寿命の処理部1252とを有している。複数の実現値の最小値選択部1251は、一時記憶部830のメモリ領域836に格納されている複数の絶縁破壊時間の実現値における最小値を用いて半導体装置の予測寿命を算出する。そして複数の実現値の最小値選択部1251は、算出された半導体装置の予測寿命を一時記憶部830のメモリ領域1231に格納する。
なお上記の複数の実現値のそれぞれは、半導体装置が上層導電層と下層導電層との組を複数有し、この組の各々について時間の実現値が生成されることにより生成されたものである。
半導体装置の予測寿命の処理部1252は、一時記憶部830に格納されている半導体装置の予測寿命に基づいて処理を行なう。具体的には、半導体装置の予測寿命の処理部1252は、たとえば半導体装置の予測寿命をモニタに表示させたり、あるいは記憶部840に格納したりする。
再び図8を参照して、設計支援装置100の上記各機能を実現するために使用されるプログラムは、記憶部840のメモリ領域843に格納されている。当該プログラムがプロセッサ等の演算処理装置によって実行されると、処理部850を構成する各機能が実現される。当該プログラムは、たとえば、各機能を実現するモジュールを組み合わせることにより構成される。
次に、図13〜図16を用いて本実施の形態の設計支援装置の制御構造について説明する。
図13は、本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する処理の手順を表すフローチャートである。主に図13を参照して、設計支援装置100がコンピュータシステムによって実現される場合には、コンピュータシステムが備えるプロセッサが、処理部850として機能する。ステップS1310にて、処理部850は、最小間隔の算出を目的とする第1のモンテカルロ法による計算を実行し、ステップS1320にて、処理部850は、絶縁破壊時間の実現値の生成を目的とする第2のモンテカルロ法による計算を実行する。以下にその詳細について説明する。
ステップS1311,S1312のそれぞれにて、処理部850は、読出部853として記憶部840に格納されている設計パターンデータおよび工程ばらつきデータの各々を読み出して、一時記憶部830に書き込む。具体的には、設計パターンデータは、多層導電層の各層ごとのパターン形状情報と、各層間の重ね合わせの位置関係情報とを含んでいる。また工程ばらつきデータは、多層導電層の各層間の重ね合わせばらつき情報と、各層ごとの加工工程のばらつき情報とを含んでいる。
ステップS1313にて、処理部850は、工程ばらつきの実現値生成部854として工程ばらつきの実現値を生成する。すなわち処理部850は、工程ばらつきデータに基づく工程ばらつきの累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、工程ばらつきの実現値を生成する。そして処理部850は、この工程ばらつきの実現値を一時記憶部830のメモリ領域833に書き込む。具体的には、重ね合わせズレや加工誤差の実現値が生成される。
ステップS1314にて、処理部850は、最小間隔算出部855として上層導電層と下層導電層との最小間隔を算出する。すなわち処理部850は、一時記憶部830に格納されている設計パターンデータおよび工程ばらつき実現値に基づいて最小間隔を算出し、この最小間隔を一時記憶部830のメモリ領域834に書き込む。
ステップS1321にて、処理部850は、絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856として絶縁破壊時間の累積分布関数を確定する。すなわち、処理部850は、まず一時記憶部830に格納されている最小間隔に基づいて上層導電層と下層導電層との間の電界強度の最大値を算出する。そして処理部850は、この電界強度の最大値に基づいて上層導電層と下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間の累積分布関数を確定する。そして処理部850は、この確定された累積分布関数を一時記憶部830のメモリ領域835に書き込む。
ステップS1322にて、処理部850は、絶縁破壊時間の実現値生成部857として、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する。すなわち処理部850は、確定された絶縁破壊に至る時間の累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する。そして処理部850は、この絶縁破壊時間の実現値を一時記憶部830のメモリ領域836に格納する。
具体的には、まず0から1の範囲の乱数が発生される。そしてこの乱数が上記の確定された絶縁破壊に至る時間の累積分布関数の逆関数において累積確率として代入される。これにより絶縁破壊に至る時間の実現値が生成される。
図14は、本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する光近接効果の補正を伴う最小間隔の算出処理の手順を表すフローチャートである。主に図14を参照して、好ましくは最小間隔を算出するステップS1314(図13)は以下のステップを有する。ステップS1410にて、処理部850は光近接効果補正部951として設計パターンデータに対してフォトリソグラフィ工程における光近接効果の補正を行なう。ステップS1420として、処理部850は補正された設計パターンに基づく最小間隔算出部952として補正された設計パターンデータおよび工程ばらつきの実現値に基づいて最小間隔を算出する。
図15は、本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する絶縁破壊に至る時間の標準値の算出を伴う時間の累積分布関数の確定処理の手順を表すフローチャートである。図15を参照して、好ましくは時間の累積分布関数を確定するステップS1321は、データを読み出すステップS1510と、それに続くステップS1520とを有する。以下にその詳細について説明する。
ステップS1511にて、処理部850は、絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の読出しを行なう。具体的には、たとえばルートEモデルを表す式(3)の読出しを行なう。なおこの時点では式(3)における寿命tBD(標準値)は未知である。
ステップS1512にて、処理部850は、標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数の読出しを行なう。具体的には、たとえばワイブル分布を表す式(5)の読出しを行なう。なおこの時点で式(5)における63%寿命t0は未知である。
ステップS1521にて、処理部850は、まず一時記憶部830に格納されている最小間隔に基づいて上層導電層と下層導電層との間の電界強度の最大値を算出する。具体的には、最小間隔が式(2)に配線スペース間隔sとして代入される。これにより電界強度の最大値が算出される。
ステップS1522にて、処理部850は、絶縁破壊に至る時間の標準値を算出する。具体的には、たとえばルートEモデルを表す式(3)の電界強度Eとして上記で算出された電界強度の最大値が代入されて、寿命tBD(標準値)が算出される。
ステップS1523にて、処理部850は、標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数におけるパラメータを確定する。具体的には、たとえばワイブル分布を表す式(5)の未知のパラメータである63%寿命t0として上記で算出された寿命tBDが適用されることによりパラメータが確定される。この結果、絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数が確定される。
図16は、本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する半導体装置の予測寿命の算出処理の手順を表すフローチャートである。図16を参照して、好ましくは処理部850はさらに以下の手順を実行する。
ステップS1610にて、処理部850は、半導体装置の上層導電層と下層導電層との複数の組のそれぞれについて、時間の実現値を生成する。これにより複数の時間の実現値が生成される。
ステップS1620にて、処理部850は、上記の複数の時間の実現値における最小値を用いて半導体装置の予測寿命を算出する。
以上詳述したように、本発明の実施の形態に係る設計支援装置100は、各処理を実行する回路素子を組み合わせることによりハードウェアの構成として実現されるが、その他の態様でも構成することができる。たとえば、各処理を実行するプログラムを、CPU(Central Processing Unit)その他のプロセッサに実行させることにより、ソフトウェアとハードウェアとが協働する態様によっても実現される。以下に、設計支援装置100を実現するコンピュータシステムについて説明する。
図17は、コンピュータシステムのハードウェア構成を表わすブロック図である。図17を参照して、コンピュータシステム1700は、ハードウェアの主たる構成要素として、CPU1710、マウス1720、キーボード1730、RAM1740、ハードディスク1750、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置1760、モニタ1780および通信IF(Interface)1790を含む。
マウス1720およびキーボード1730はコンピュータシステム1700の使用者による指示の入力を受け付ける。RAM1740は、入力されるデータあるいはプログラムによって予め規定された処理が実行されるごとに一時的に生成されるデータを格納する。ハードディスク1750は大容量のデータを格納することができる。上記の各構成要素はデータバスにより接続されている。CD−ROM駆動装置1760にはCD−ROM1762が装着される。
設計支援装置100として機能するコンピュータシステム1700における処理は、当該ハードウェアおよびCPU1710により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、RAM1740あるいはハードディスク1750に予め記憶されている場合もあれば、CD−ROM1762その他の記録媒体に格納されてプログラム製品として流通し、CD−ROM駆動装置1760その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、ハードディスク1750に一旦格納される場合もある。そのソフトウェアは、RAM1740あるいはハードディスク1750から読み出されて、CPU1710によって実行される。
図17に示されたコンピュータシステム1700のハードウェア自体は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM1740、ハードディスク1750、CD−ROM1762その他の記録媒体に格納されたソフトウェアであるともいえる。なお、コンピュータシステム1700の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
次に、図18〜図27を用いて本実施の形態の設計支援装置の使用方法および動作について説明する。
まず本実施の形態の設計支援装置100に半導体装置の設計パターン情報が入力される。以下においてこの設計パターン情報について説明する。
図18は、本発明の実施の形態1における半導体装置が半導体基板上に形成された様子を概略的に示す平面図である。図18を参照して、たとえば5枚の半導体基板SBのそれぞれの上に、複数の半導体装置D1〜D20が配置されている。本実施の形態の設計支援装置100に入力される設計パターン情報は、半導体装置D1〜D20の半導体基板SBに対する配置情報を含む。
図19は、本発明の実施の形態1における半導体装置の配線パターンを概略的に示す平面図である。主に図19を参照して、半導体装置D1〜D20(図18)のそれぞれは、配線パターンMX,MYを有している。配線パターンMX,MYのそれぞれは多数の櫛型の配線パターンMCを有している。なお図中においては、配線パターンMX,MYのそれぞれが有する櫛型の配線の一部として配線パターンMX1〜MX4,MY1〜MY5の各々が示されている。
なお配線パターンMXと配線パターンMYとの間は互いに電気的に分離されている。これにより、対向する櫛歯型の配線パターン間には電圧を印加することができる。たとえば配線パターンMXと配線パターンMYとの間に電圧Vが印加されると、配線パターンMX1と、この配線パターンMX1に対向する配線パターンMY1,MY2との間には電圧Vが印加される。
図20は、本発明の実施の形態1における半導体装置の配線パターンおよびビアパターンの設計パターンを示す平面図である。また、図21は、図20のXXI−XXI線に対応する半導体装置の概略的な断面図である。なお、図20は図21の面Pにおける設計パターンを示す。
主に図20および図21を参照して、半導体装置D1〜D20(図18)のそれぞれにおいて半導体基板SB上に第1層LL、第2層LMおよび第3層LUの3層構造が順に形成されている。配線パターンMX1,MY1,MY2を含む配線パターンMC(図19)は第2層LMのパターンとして形成されている。
また、櫛型の配線パターン(たとえば配線パターンMX1)と、この配線パターンと接する2つのビアパターンとからなる組が3000組形成されている。なお図20においては、例として2組(ビアパターンVL1,VU1を有する組、およびビアパターンVL2,VU2を有する組)を示している。また図21においては、例として1組(ビアパターンVL1,VU1を有する組)を示している。
たとえばビアパターンVL1,VU1を有する組について説明する。ビアパターンVL1は第1層LLおよび第2層LMを貫通している。またビアパターンVU1は第3層LUを貫通している。第2層上面(図中P面)において、ビアパターンVL1の上面(トップ)にビアパターンVU1の下面(ボトム)が載っている。
図20における寸法線WM,WL,WUはP面(図21)における寸法である。幅寸法WMは配線パターンMC(図19)の上面の線幅寸法(MC線幅)である。また径寸法WLはビアパターンVL1,VL2などの上面の径寸法(VLトップ径)である。また径寸法WUはビアパターンVU1,VU2などの下面の径寸法(VUボトム径)である。
ビアパターンVL1,VL2などの第1層LLおよび第2層LMを貫通している3000個のビアパターンを総称してビアパターンVLと称する。またビアパターンVU1,VU2などの第3層LUを貫通している3000個のビアパターンを総称してビアパターンVUと称する。本実施の形態の設計支援装置100に入力される設計パターン情報は、配線パターンMC、ビアパターンVL、ビアパターンVUにおけるそれぞれの形状情報および相互の位置関係に関する情報を含む。
なおビアパターンVLと配線パターンMCとの関係においては、ビアパターンVLが下層導電層であり、配線パターンMCが上層導電層である。また配線パターンMCとビアパターンVUとの関係においては、配線パターンMCが下層導電層であり、ビアパターンVUが上層導電層である。
また第1〜第3層LL,LM,LUにおいてビアパターンVL,VUおよび配線パターンが形成されていない領域は絶縁層IFが形成されている。
次に本実施の形態の設計支援装置100に半導体装置の製造工程におけるばらつきが入力される。この入力されるばらつきは、重ね合わせばらつきと加工工程ばらつきとを含む。次表に、設計値およびこれに対するばらつきの値の例を示す。
Figure 2008282272
ばらつきに関して各事象は独立かつランダムであるとされる。たとえば隣り合うビアパターンの間でもエッチング程度のばらつきにより直径に相違が生じる。ただし重ね合わせ工程ばらつきについては、半導体装置D1〜D20のそれぞれの内部においては、リソグラフィの特性から、同一方向に同一量だけ重ね合わせズレが生じていると仮定される。
次に設計支援装置100は上記において入力された製造工程におけるばらつきに基づき、モンテカルロ法により工程ばらつきの実現値を生成する。
たとえばビアパターンVL1,VL2のそれぞれと配線パターンMCとの間の重ね合わせについて、誤差の実現値ΔL1+ΔLS1,ΔL2+ΔLS1の各々が生成される。ここで誤差の実現値ΔLS1は異なる半導体基板SB間でのばらつきに対応する誤差であるため、同一の半導体基板SB内においては共通の値である。誤差の実現値ΔL1,ΔL2は半導体基板SB内でのばらつきに対応する誤差であるため、各ビアパターンVLごとに異なる値である。
またビアパターンVU1,VU2のそれぞれと配線パターンMCとの間の重ね合わせについて、誤差の実現値ΔU1+ΔUS1,ΔU2+ΔUS1の各々が生成される。ここで誤差の実現値ΔUS1は異なる半導体基板SB間でのばらつきに対応する誤差であるため、同一の半導体基板SB内においては共通の値である。誤差の実現値ΔU1,ΔU2は半導体基板SB内でのばらつきに対応する誤差であるため、各ビアパターンVUごとに異なる値である。
またビアパターンVLのVLトップ径の誤差の実現値が生成される。たとえばビアパターンVL1,VL2のそれぞれのVLトップ径の誤差が、実現値δL1,δL2の各々である。またビアパターンVUのVUボトム径の誤差の実現値δU1,δU2が生成される。たとえばビアパターンVU1,VU2のそれぞれのVUボトム径の誤差が、実現値δU1,δU2の各々である。また配線パターンMCの線幅の誤差の実現値が生成される。たとえば配線パターンMX1,MY1,MY2のそれぞれの線幅の誤差が、実現値δX1,δY1,δY2の各々である。
次に設計支援装置100が入力された設計パターン情報と、生成されたばらつきの実現値とに基づいて、上層導電層と下層導電層との最小間隔を算出する工程について説明する。設計支援装置100は設計パターンの情報を有しているため、図20および図21に例示された、工程ばらつきの影響が考慮されていない設計上の配線パターンおよびビアパターンの形状を模擬することが可能である。さらに設計支援装置100は上記のように誤差の実現値の生成を行なっている。設計支援装置100はこの実現値を用いて工程ばらつきの影響を受けたパターン形状を模擬する。
図22および図23は、本発明の実施の形態1における重ね合わせ工程および加工工程の誤差の影響を受けた半導体装置の概略的な断面図である。また図24は、本発明の実施の形態1における重ね合わせ工程および加工工程の誤差の影響を受けた半導体装置の配線パターンおよびビアパターンを示す平面図である。なお図22および図23のそれぞれの断面位置は、図24のXXII−XXII線およびXXIII−XXIII線の各々に対応する。また図24が示す範囲は図20が示す範囲と対応している。
図22を参照して、ばらつきの実現値ΔL1+ΔLS1が用いられて、ビアパターンVL1と配線パターンMX1との間の重ね合わせ誤差が規定される。また実現値ΔU1+ΔUS1が用いられて、ビアパターンVU1と配線パターンMX1との間の重ね合わせ誤差が規定される。
図23を参照して、ばらつきの実現値ΔL2+ΔLS2が用いられて、ビアパターンVL2と配線パターンMX1との間の重ね合わせ誤差が規定される。また実現値ΔU2+ΔUS1が用いられて、ビアパターンVU1と配線パターンMX1との間の重ね合わせ誤差が規定される。
図24を参照して、ばらつきの実現値δL1,δL2のそれぞれが用いられて、ビアパターンVL1,VL2の各々のVLトップ径WLの誤差が規定される。ばらつきの実現値δU1,δU2のそれぞれが用いられて、ビアパターンVU1,VU2の各々のVUボトム径WUの誤差が規定される。ばらつきの実現値δX1,δY1,δY2のそれぞれが用いられて、配線パターンMX1,MY1,MY2のMC線幅WMの誤差が規定される。
主に図22〜図24を参照して、ビアパターンVL1とビアパターンVU1と配線パターンMC(図19)とからなる組において、最小間隔SP1が算出される。たとえば第2層LMと第3層LUとの界面(図中P面)における下層導電層としての配線パターンMY1と上層導電層としてのビアパターンVU1との最小間隔がこの組における最小間隔となる。
またビアパターンVL2とビアパターンVU2と配線パターンMC(図19)とからなる組において、最小間隔SP1が算出される。たとえば第2層LMと第3層LUとの界面(図中P面)における上層導電層としての配線パターンMY2と下層導電層としてのビアパターンVL2との最小間隔がこの組における最小間隔となる。
なお、たとえば配線パターンMX1と、この配線パターンMX1と隣り合う配線パターンMY1またはMY2との間隔が工程ばらつきにより極端に狭くなった場合は、この間隔が最小間隔となり得る。
図22〜図24に示した以外のビアパターンVL,VUに関する他の組についても同様にして最小間隔が算出される。これにより、3000個の最小間隔の値が得られる。これらの最小間隔を総称してSPと称する。
図25は、本発明の実施の形態1の設計支援装置により算出された最小間隔の一例を示すグラフである。主に図25を参照して、1枚の半導体基板SB上に20個の半導体装置D1〜D20(図18)が形成される場合が模擬されることにより、3000×20個の最小間隔SPの値が算出される。図25においては10個の半導体装置D1〜D10のそれぞれから3000個算出された3000×10個の最小間隔SPが示されている。なお5枚の半導体基板SBのそれぞれについて最小間隔SPが算出されることにより、3000×20×5の最小間隔SPが算出される。
次に設計支援装置100が絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する工程について説明する。
まず上記の最小間隔SPから電界強度の最大値Emaxが算出される。このために式(2)においてスペース間隔sとして最小間隔SPが代入される。また電圧Vとしては配線パターンMXと配線パターンMYとの間の設計上の電圧Vが代入される。これにより得られる電界強度Eが電界強度の最大値Emaxとされる。
たとえばルートEモデルが適用される場合、この電界強度の最大値Emaxが式(3)における電界強度Eとして代入される。式(3)の右辺における各パラメータは実験により既知とされているため、絶縁破壊に至る時間の標準値tBDが得られる。すなわち各最小間隔SPに対応して標準値tBDが得られる。
なお上記のパラメータ取得のための実験は、図26(a)および(b)に示すサンプルを用いて行なわれる。図26(a)(平面図)および(b)(断面図)を参照して、このサンプルは、互いに並走する配線パターンME1と配線パターンME2とを有している。配線パターンME1と配線パターンME2との間にはスペース間隔SEにわたって絶縁層IEが形成されている。このサンプルが用いられた一般的なTDDB試験が行なわれることにより、たとえば温度150℃、電圧40Vの実験条件で次表に示すパラメータが得られる。
Figure 2008282272
得られた標準値tBDが式(5)の右辺におけるパラメータである63%寿命t0として代入される。これにより累積故障率F(t)(絶縁破壊に至る時間の累積分布関数)の関数が確定される。すなわち各最小間隔SPごとに累積故障率F(t)の関数が得られる。
次に設計支援装置100は上記において確定された関数を用いて、モンテカルロ法により絶縁破壊に至る時間tの実現値を生成する。これにより各最小間隔SPごとに絶縁破壊に至る時間tの実現値が得られる。
次に設計支援装置100は、半導体装置D1〜D20のそれぞれの予測寿命を算出する。このために半導体装置D1〜D20のそれぞれにおいて上記時間tの実現値の最小値が抽出される。この最小値が半導体装置D1〜D20のそれぞれの予測寿命とされる。
図27は、本発明の実施の形態1における設計支援装置が算出した半導体装置の予測寿命の分布の一例を示すグラフである。図27を参照して、予測寿命の分布はいわゆるワイブルプロットと呼ばれる方法で示されている。グラフの横軸は半導体装置D1〜D20(図18)の寿命である。縦軸は累積故障率F(t)についての関数値−ln(1−F)である。 グラフにおける5種のマーカー形状(三角形、円形、菱形、正方形およびX形)のそれぞれは、1枚の半導体基板SBに対応している。たとえば三角形の20個のマーカーは1枚の半導体基板SBに形成された半導体装置D1〜D20の寿命の分布を表している。
なおグラフにおける直線はビアパターンVL,VUが形成されない場合の半導体装置の寿命の分布を表している。
本実施の形態によれば、図13に示すように、設計パターンデータと工程ばらつきデータとが設計支援装置100に入力されれば、絶縁破壊に至る時間の実現値を生成することができる。よって工程ばらつき(寸法ばらつき)データに基づき、絶縁破壊により規定される半導体装置の寿命に関するデータを得ることができる。そしてこの寿命に関するデータに基づき半導体装置の信頼性について検討を行なうことができる。また工程ばらつきデータが変動された場合の絶縁破壊に至る時間の実現値の変動のデータに基づき、工程ばらつきの変動に対する半導体装置の寿命の応答性を容易に検討することができる。よって工程管理規格の見直し(図1)を容易に行なうことができる。
また、図8に示すように、設計支援装置100は、工程ばらつき入力部820と、工程ばらつきの実現値生成部854とを有しており、工程ばらつき実現値をモンテカルロ法により生成することができる。よってこの工程ばらつき実現値と、設計パターンデータ入力部810により入力が受け付けられた設計パターンとを組み合わせて、ビアパターンVLまたはビアパターンVUと、配線パターンMCとの間の最小間隔を算出することができる。したがって、入力される設計パターンが複雑であっても計算に反映させることができる。よって、ばらつきの分散値の和を用いたTDDB寿命の見積もりのように過剰に短く寿命を見積もることがない。
また、設計支援装置100は、絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856を有している。よって、絶縁破壊に至る時間の標準値(たとえば式(3)のtBD)だけを求める場合と異なり、累積故障率F(t)の分布形状を知ることができ、寿命に関してより多くの情報を得ることができる。
また、設計支援装置100は、絶縁破壊時間の累積分布関数確定部856と絶縁破壊時間の実現値生成部857とを有しており、絶縁破壊時間の実現値をモンテカルロ法により生成することができる。よって、たとえばパーコレーション・モデルによって議論されているTDDB寿命の真性ばらつきの影響を考慮することができる。
また好ましくは、図9に示すように、設計支援装置100は、光近接効果補正部951を有している。これにより、より実際の半導体装置に即した寿命の予測を行なうことができる。
また、図12に示すように、設計支援装置100は、半導体装置の予測寿命算出部を有している。これにより、設計ばらつきデータと工程ばらつきデータとから半導体装置の予測寿命を算出することができる。
また、図27に示すように、設計支援装置100により複数の半導体装置についての予測寿命が算出される。これにより予測寿命の分布データを得ることができる。
また、工程ばらつきの累積分布関数が正規分布の累積分布関数とされる。これにより簡便に工程ばらつきが入力されることができる。
また、絶縁破壊に至る時間の累積分布関数がワイブル分布の累積分布関数とされる。これにより簡便に絶縁破壊に至る時間の累積分布関数が入力されることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1における設計支援支援装置を用いた半導体装置の製造方法について説明する。
図28は、本発明の実施の形態2における設計支援装置が算出した半導体装置の予測寿命の分布の一例を示すグラフである。実施の形態1においては、櫛型の配線パターンMC(図19)の配線ピッチが200nmの場合について、半導体装置の寿命の予測(図27)が行なわれる。本実施の形態においては配線ピッチが200nmの場合(図中C200として円形マーカーにてプロット)に加えて、140nm(図中C140として三角形マーカーにてプロット)および100nm(図中C100として正方形マーカーにてプロット)の場合についても寿命が予測される。
なお相関式として用いられる式(3)における温度Tは、たとえば150℃とされる。また配線間に印加される電圧は、誤差のない設計パターンにおいて、たとえば配線間に最大4MV/cmの電界が生じる電圧とされる。
図1および図28を参照して、配線ピッチが狭くなるにつれて、TDDB寿命が短くなり、かつ寿命のばらつきが大きくなることがわかる。この予測寿命の分布から、ステップS107においてデータベースに入力されている工程ばらつきのもとで、最小配線ピッチがどの程度に設定されれば半導体装置が信頼性規格を満たすかを判断(ステップS105)することができる。
図1を参照して、ステップS101にて、たとえば最初に配線ピッチ100nmのパターン設計がなされる。ステップS105にて、このパターン設計に対して得られた半導体装置の予測寿命(図28)が信頼性規格を満たすか否かが判断される。この判断は設計支援装置100の外部から与えられてもよいし、また判断基準が予め設計支援装置100に入力されている場合は自動的に判断されてもよい。
上記判断が信頼性規格を満たさないという判断の場合、図1に示すようにパターン最適化として再度パターン設計(ステップS101)が行なわれる。そしてたとえば配線ピッチが140nmのパターン設計がなされる。そして再度判断(ステップS105)が行なわれ、信頼性規格を満たさないと判断される場合、さらにパターン設計が行なわれる。
そして、たとえば配線ピッチが200nmのパターン設計が行なわれ(ステップS101)再度判断(ステップS105)が行なわれる。この判断が信頼性規格を満たすという判断であれば、配線パターンMC(図19)の製造条件として配線ピッチ200nmが設定される。
次に上記の製造条件のもとで、半導体装置の製造が行なわれる。以下にその製造工程について説明する。
図29〜図39は、本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第1〜第11工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。なお図29(b)〜図39(b)のそれぞれは、図29(a)〜図39(a)におけるXXIXb−XXIXb線〜XXXIXb−XXXIXb線のおのおのの位置の断面図である。
図29を参照して、半導体基板SB上に第1絶縁層IFaが形成される。次に第1絶縁層IFaの上に第1フォトレジストPRaが塗布される。次にフォトリソグラフィ技術により第1フォトレジストPRaのパターニングが行なわれる。これにより第1フォトレジストPRaに円形の開口部が形成される。なお半導体基板SBにはトランジスタなどの機能素子が予め形成されていてもよい。
図30を参照して、パターニングされた第1フォトレジストPRaがマスクとされて第1絶縁層IFaに貫通孔が形成される。なお側壁IFawは第1絶縁層IFaの側壁である。次に第1フォトレジストPRaが除去される。
図31を参照して、第1絶縁層IFaおよび半導体基板SB上にビア埋め込み材が塗布された後、余剰のビア埋め込み材がエッチバックにより除去される。これにより、第1絶縁層IFaの貫通孔がビア埋め込み材CMにより埋め込まれ、半導体基板SBの上面側の構造が平坦化される。
主に図32を参照して、第1絶縁層IFaおよびビア埋め込み材CMを覆うように、第2フォトレジストPRbが塗布される。そしてフォトリソグラフィ技術により第2フォトレジストPRbに互いに並走する線状の開口部がパターニングされる。これによりビア埋め込み材CMの少なくとも一部が露出する。なお、この並走する線状の開口部のパターンは、設計支援装置100による寿命予測結果(図28)に基づき半導体装置が信頼性規格を満たすと判断(ステップS105(図1))された際の設計パターンに対応している。すなわちこの開口部のパターンはピッチが200nmのパターンである。
図33を参照して、パターニングされた第2フォトレジストPRbがマスクとされて、ビア埋め込み材CMおよび第1絶縁層IFaが厚み方向に途中までエッチングされる。次に第2フォトレジストPRbおよびビア埋め込み材CMが除去される。
図34を参照して、上記エッチングにより第1絶縁層IFaには、図30で形成された貫通孔に加えて、底面IFabを有する複数の溝がその表面に形成される。
図35を参照して、少なくとも上記で説明した貫通孔および溝が埋められるように銅などからなる第1導電層MTaが堆積される。次に不要な第1導電層MTaが研磨により除去される。
図36を参照して、上記の研磨により第1絶縁層IFaの貫通孔の内部にビアパターンVL2が形成される。また第1絶縁層IFaの溝の内部に配線パターンMX1,MY1,MY2が形成される。
図37を参照して、第1絶縁層IFa,ビアパターンVL2および配線パターンMX1,MY1,MY2上に第2絶縁層IFbが堆積される。第2絶縁層IFbは第1絶縁層IFaと一体となって絶縁層IFを形成する。次にこの第2絶縁層IFb上に第3フォトレジストPRcが塗布される。次にフォトリソグラフィ技術により第3フォトレジストPRcのパターニングが行なわれる。これにより第3フォトレジストPRcに円形の開口部が形成される。
図38を参照して、パターニングされた第3フォトレジストPRcがマスクとされて第2絶縁層IFbに貫通孔が形成される。なお側壁IFbwは第2絶縁層IFbの側壁である。次に第3フォトレジストPRcが除去される。
主に図39を参照して、上記で形成された貫通孔を埋めるように第2導電層MTbが堆積される。次に不要な第2導電層MTbが研磨により除去される。以上により、図23および図24に示す半導体装置が得られる。
本実施の形態によれば、図28に示すように、まず設計支援装置100が用いられて半導体装置の予測寿命が算出される。そしてこの予測寿命が半導体装置の信頼性規格を満たすような条件で、たとえば図29〜図39に示すよな工程が行なわれて配線パターンとビアパターンとが形成される。よって効率的な設計の下で信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
(実施の形態3)
図40は、本発明の実施の形態3における設計支援装置が算出した半導体装置の予測寿命の分布の一例を示すグラフである。図40を参照して、本実施の形態においては設計支援装置100は、絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の入力部1010(図10)を有している。そして、この相関式として、たとえば式(1)および式(3)が入力される。そして、複数の相関式、すなわち複数のTDDBモデルにより半導体装置の予測寿命の分布が作成される。図中実線で表される分布はEモデル(式(1))が用いられた分布であり、図中白抜きのマーカーで表される分布はルートEモデル(式(3))が用いられた分布である。また配線間に印加される電圧が1V、3V、10Vおよび40Vの場合の分布が示されている。
たとえば電圧が40Vの場合、EモデルとルートEモデルとの間に差異はほとんどない。しかし低電圧領域においてはモデル間の差異が大きくなっている。ルートEモデルの場合、電圧1Vと3Vとの間で寿命に300倍程度の差異があり、Eモデルと比して低電圧領域における電圧差に敏感である。
本実施の形態によれば、図10に示すように、設計支援装置100は絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の入力部1010を有している。これにより、半導体装置で用いられる電圧に適したTDDBモデルを選択的に用いることができる。
また新たなTDDBモデルが容易に入力され、そのモデルにより絶縁破壊に至る時間の実現値を算出することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、半導体装置の設計支援装置、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムおよび記録媒体、ならびに半導体装置の製造方法に関するものである。
本発明の設計支援装置が用いられた半導体装置の製造方法の概要を説明するためのフローチャートである。 本発明の半導体装置のパターン設計を例示するための概略的な平面図である。 図2のパターン設計における下層レイヤの設計パターン(a)および補正された設計パターン(b)を概略的に示す平面図である。 図2のパターン設計における上層レイヤの設計パターン(a)および補正された設計パターン(b)を概略的に示す平面図である。 図3(b)および図4(b)に示される2層のレイヤの重ね合わせ工程ばらつきを例示するための概略的な平面図である。 図5に示される各レイヤの加工工程ばらつきを例示するための概略的な平面図である。 図6に示されるパターンにおける最小間隔の分布の例である。 本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される各機能の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現されるフォトリソグラフィ工程における光近接効果の補正機能の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される入力部の各機能の構成の一部を表すブロック図である。 本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される絶縁破壊時間の累積分布関数確定機能の構成の一部を表すブロック図である。 本発明の実施の形態1における設計支援装置によって実現される半導体装置の予測寿命算出機能の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する処理の手順を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する光近接効果の補正を伴う最小間隔の算出処理の手順を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する絶縁破壊に至る時間の標準値の算出を伴う時間の累積分布関数の確定処理の手順を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の設計支援装置の処理部が実行する半導体装置の予測寿命の算出処理の手順を表すフローチャートである。 コンピュータシステムのハードウェア構成を表わすブロック図である。 本発明の実施の形態1における半導体装置が半導体基板上に形成された様子を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1における半導体装置の配線パターンを概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態1における半導体装置の配線パターンおよびビアパターンの設計パターンを示す平面図である。 図20のXXI−XXI線に対応する半導体装置の概略的な断面図である。 本発明の実施の形態1における重ね合わせ工程および加工工程の誤差の影響を受けた半導体装置の概略的な断面図である。 本発明の実施の形態1における重ね合わせ工程および加工工程の誤差の影響を受けた半導体装置の概略的な断面図である。 本発明の実施の形態1における重ね合わせ工程および加工工程の誤差の影響を受けた半導体装置の配線パターンおよびビアパターンを示す平面図である。 本発明の実施の形態1の設計支援装置により算出された最小間隔の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態1の設計支援装置が用いるパラメータを取得するための実験に用いられるサンプルの一例の構成を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態1における設計支援装置が算出した半導体装置の予測寿命の分布の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における設計支援装置が算出した半導体装置の予測寿命の分布の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第3工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第4工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第5工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第6工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第7工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第8工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第9工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第10工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の第11工程を概略的に示す平面図(a)および断面図(b)である。 本発明の実施の形態3における設計支援装置が算出した半導体装置の予測寿命の分布の一例を示すグラフである。
符号の説明
100 設計支援装置、810 設計パターンデータ入力部、820 工程ばらつき入力部、830 一時記憶部、840 記憶部、850 処理部、851 書込部、852 初期設定部、853 読出部、854 工程ばらつきの実現値生成部、855 最小間隔算出部、856 絶縁破壊時間の累積分布関数確定部、857 絶縁破壊時間の実現値生成部、858 絶縁破壊時間の実現値処理部、951 光近接効果補正部、952 補正された設計パターンに基づく最小間隔算出部、1010 絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式の入力部、1020 標準値をパラメータとする絶縁破壊に至る時間の実現値の累積分布関数の入力部。

Claims (14)

  1. 互いに電気的に分離された上層導電層と下層導電層とを有する半導体装置の設計支援装置であって、
    前記半導体装置の設計パターンの情報を入力する手段と、
    前記半導体装置の製造工程における工程ばらつきを入力する手段と、
    前記工程ばらつきと前記工程ばらつきの累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、前記工程ばらつきの実現値を生成する手段と、
    前記設計パターンの情報および前記工程ばらつきの実現値に基づいて、前記上層導電層と前記下層導電層との最小間隔を算出する手段と、
    前記最小間隔に基づいて前記上層導電層と前記下層導電層との間の電界強度の最大値を算出し、前記電界強度の最大値に基づいて前記上層導電層と前記下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間と前記絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数を確定する手段と、
    前記確定された前記絶縁破壊に至る時間と前記絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、前記絶縁破壊に至る時間の実現値を生成する手段とを備えた、設計支援装置。
  2. 前記製造工程がフォトリソグラフィ工程を含み、
    前記最小間隔を算出する手段が、前記設計パターンの情報に対して前記フォトリソグラフィ工程における光近接効果の補正を行ない、前記補正された前記設計パターンの情報および前記工程ばらつきの実現値に基づいて前記最小間隔を算出することを特徴とする、請求項1に記載の設計支援装置。
  3. 前記絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式を入力する手段と、
    前記標準値をパラメータとし、前記絶縁破壊に至る時間の実現値と前記絶縁破壊に至る時間の実現値の累積確率との関係を示す累積分布関数を入力する手段とをさらに備え、
    前記上層導電層と前記下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間と前記絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数を確定する手段が、前記相関式の電界強度として前記電界強度の最大値を代入することにより求めた前記標準値により前記パラメータを確定することを特徴とする、請求項1または2に記載の設計支援装置。
  4. 前記工程ばらつきの累積分布関数が正規分布の累積分布関数であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の設計支援装置。
  5. 前記絶縁破壊に至る時間の累積分布関数がワイブル分布の累積分布関数であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の設計支援装置。
  6. 前記半導体装置が前記上層導電層と前記下層導電層との組を複数有し、
    前記設計支援装置は、複数の前記組のそれぞれについて前記時間の実現値を生成することにより、複数の前記時間の実現値を生成することを特徴とし、
    複数の前記時間の実現値における最小値を用いて、前記半導体装置の予測寿命を算出する手段をさらに備えた、請求項1〜5のいずれかに記載の設計支援装置。
  7. 互いに電気的に分離された上層導電層と下層導電層とを有する半導体装置の設計支援装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
    前記半導体装置の設計パターンの情報を入力するステップと、
    前記半導体装置の製造工程における工程ばらつきを入力するステップと、
    前記工程ばらつきと前記工程ばらつきの累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、前記工程ばらつきの実現値を生成するステップと、
    前記設計パターンの情報および前記工程ばらつきの実現値に基づいて、前記上層導電層と前記下層導電層との最小間隔を算出するステップと、
    前記最小間隔に基づいて前記上層導電層と前記下層導電層との間の電界強度の最大値を算出し、前記電界強度の最大値に基づいて前記上層導電層と前記下層導電層との間の領域が絶縁破壊に至る時間と前記絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数を確定するステップと、
    前記確定された前記絶縁破壊に至る時間と前記絶縁破壊に至る時間の累積確率との関係を示す累積分布関数に累積確率として乱数を代入することにより、前記絶縁破壊に至る時間の実現値を生成するステップとを実行させる、プログラム。
  8. 前記製造工程がフォトリソグラフィ工程を含み、
    前記最小間隔を算出するステップが、前記設計パターンの情報に対して前記フォトリソグラフィ工程における光近接効果の補正を行ない、前記補正された前記設計パターンの情報および前記工程ばらつきの実現値に基づいて前記最小間隔を算出することを特徴とする、請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記絶縁破壊に至る時間の標準値と電界強度との相関式を入力するステップと、
    前記標準値をパラメータとし、前記絶縁破壊に至る時間の実現値と前記絶縁破壊に至る時間の実現値の累積確率との関係を示す累積分布関数を入力するステップとを前記コンピュータにさらに実行させ、
    前記時間の累積分布関数を確定するステップが、前記相関式の電界強度として前記電界強度の最大値を代入することにより求めた前記標準値により前記パラメータを確定することを特徴とする、請求項7または8に記載のプログラム。
  10. 前記工程ばらつきの累積分布関数が正規分布の累積分布関数であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載のプログラム。
  11. 前記絶縁破壊に至る時間の累積分布関数がワイブル分布の累積分布関数であることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載のプログラム。
  12. 前記半導体装置が前記上層導電層と前記下層導電層との組を複数有し、
    前記プログラムは前記コンピュータに、複数の前記組のそれぞれについて前記時間の実現値を生成させることにより複数の前記時間の実現値を生成させることを特徴とし、
    複数の前記時間の実現値における最小値を用いて、前記半導体装置の予測寿命を算出するステップを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項7〜11のいずれかに記載のプログラム。
  13. 請求項7〜12のいずれかに記載のプログラムを格納した、記録媒体。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載の設計支援装置を用いた、互いに電気的に分離された上層導電層と下層導電層とを有する半導体装置の製造方法であって、
    前記設計支援装置により前記絶縁破壊に至る時間の実現値を生成し、前記絶縁破壊に至る時間の実現値が前記半導体装置の信頼性規格を満たすような条件で前記上層導電層と前記下層導電層とを形成することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
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