JP2008281638A - フレキシブルドライバicの実装方法およびそれに用いるフレキシブルドライバic - Google Patents

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Abstract

【課題】可とう性・柔軟性があり、かつ曲げに強いフレキシブルドライバICの実装方法を提供する。
【解決手段】シリコンウェハ上に形成したフレキシブルドライバICを電極基板に実装するフレキシブルドライバICの実装方法であり、フレキシブルドライバICと電極基板との間に異方性導電材を配し、異方性導電材を圧着硬化させて、フレキシブルドライバICを電極基板に接続する際、異方性導電膜材料をフレキシブルドライバICの周辺および/あるいは上部に回り込ませてはみ出し部発生させ、はみ出し部の上に粘着材を介してフィルム材料を貼り、はみ出し部と粘着材とフィルム材料とを、フレキシブルドライバICの保護部材として用いる。
【選択図】図6

Description

本発明は、フレキシブルドライバICの実装方法およびそれに用いるフレキシブルドライバICに関するものであり、特に、フレキシブルディスプレイの駆動に使用するフレキシブルドライバICの実装方法およびそれに用いるフレキシブルドライバICに関するものである。
近年、液晶表示装置(LCD)やその次世代型の電子ペーパーディスプレイと言われる表示装置(例えば、液体中を粒子が移動する電気泳動方式、コレステリック液晶方式、エレクトロクロミック方式、気体中を粒子が移動する電子粉流体方式など)は、フレキシブル化の開発が進められてきている。これは主に、パネルにフレキシブルな樹脂を用いることで達成されているが、リジッドなドライバICを実装に用いているため、フレキシブルに曲がる部分が限定され、真のフレキシブルディスプレイとは言えなかった。
また、動画を主体としたテレビのようにアクティブ駆動の場合は、TFT背面基板の作製に300度以上の高温の熱処理が必要なため、フレキシブル化が遅れていたが、有機半導体材料を用いたフレキシブル有機TFT基板や一度ガラス基板上に形成したTFT素子を樹脂基板上に転写するフレキシブルTFT基板や、より低温での熱処理が可能な化合物半導体等の材料を用いたフレキシブルTFT基板の研究などが進められている。
フレキシブルディスプレイ用の背面基板および背面基板の製造方法の研究例として、TFT素子とドライバICとを同時にガラス基板上に作製し、転写技術を用いて樹脂基板上に転写し、TFT素子とドライバICとを含むアクティブマトリクス方式の表示基板を構成する技術がある。この基板の場合は曲げても、基板上のTFT素子やドライバICが基板から剥がれたり、TFT素子やドライバICが割れたりしない基板および基板の製造方法が挙げられ、フレキシブル化の研究が進んできている(例えば特許文献1)。
しかし、この基板は、超精密な回路を形成した後、樹脂基板上に転写するため、理論的には可能なものの実用化には至っておらず、実質的にドライバICを含めて基板全体をフレキシブル化した例はない。本発明は、このような状況を打破し、真のフレキシブルディスプレイを提案するものである。
ディスプレイのフレキシブル化を達成するために、ドライバICを薄膜化してフレキシブル基板に実装した例はないが、ドライバICの厚さをガラス基板の厚さの1/5以下に薄化し、その上に低弾性係数の樹脂を介して、ドライバICよりも剛性の高い補強部材を配置して補強し、異方性導電膜を用いて基板に実装して構成するディスプレイの製造方法が挙げられる(例えば特許文献2)。
しかし、この製造方法を用いることによって、フレキシブル基板の変形や歪は防止できるが、薄化したドライバICが割れたり、基板から剥がれたりといった問題の解決法は提案されていない。
特開2004−235238号公報 特開2003−45912号公報
本出願人は、ドライバICを薄膜化する技術として、シリコンウェハ上に形成した駆動用のドライバにおいて、シリコンウェハを研磨し、ドライバICを100μm以下の厚さにすることを特徴とするフレキシブルドライバICを提案している。
本発明の目的は、真のフレキシブルディスプレイを達成するために、可とう性・柔軟性がある薄膜化したドライバICを用いて、薄膜化したドライバICが割れたり、基板から剥がれたりしないような、曲げに強いフレキシブルドライバICの実装方法および各種表示装置用のフレキシブルドライバICを提供することにある。
本発明のフレキシブルドライバICの実装方法は、シリコンウェハ上に形成した駆動用のドライバICにおいて、シリコンウェハを研磨してなるフレキシブルドライバICを電極基板に実装するフレキシブルドライバICの実装方法であり、フレキシブルドライバICと電極基板との間に異方性導電材を配し、異方性導電材を圧着硬化させて、フレキシブルドライバICを電極基板に接続する際、はみ出した異方性導電膜材料をフレキシブルドライバICの周辺あるいは上部に回り込ませ、異方性導電膜材料のはみ出し部の上に粘着材を介してフィルム材料を貼り、異方性導電膜材料のはみ出し部と粘着材とフィルム材料とを、フレキシブルドライバICの保護部材として用いることを特徴とするものである。
また、本発明のフレキシブルドライバICの実装方法の好適例として、異方性導電膜材料のはみ出し部の上に設けるフィルム材料の厚さが、電極基板の厚さと同等以下、あるいは、10μm以上200μm以下であることがある。
さらに、本発明のフレキシブルドライバICの実装方法において、異方性導電材の圧着硬化前の厚さが、フレキシブルドライバICのバンプの高さ以上であること、電極基板が、柔軟性を有するフレキシブルプリント回路基板(COF、TABテープを含むFPC)あるいは、フレキシブルディスプレイパネルの画素電極の周辺部に設けた引き回し電極部(電極集約部)であること、フィルム材料の材質が電極基板と同じであること、が好適例として挙げられる。なお、ここで言うフレキシブルプリント回路基板は一般的にFPCと略されるが、COFテープやTABテープを含んだFPCであることは言うまでもない。
さらにまた、本発明のフレキシブルドライバICを実装する具体的なフレキシブルディスプレイとしては、2枚のフレキシブル基板を用いたディスプレイであって気体中粒子移動方式、液体中粒子移動方式(電気泳動方式)、回転ボール方式、コレステリック液晶方式、エレクトロクロミック方式などが一般的である。またフレキシブル化したTFT液晶パネルやSTN液晶パネルにおいても同様に用いることができる。
本発明によれば、シリコンウェハ上に形成したフレキシブルドライバICを電極基板に実装するフレキシブルドライバICの実装方法およびそれに用いるフレキシブルドライバICであり、フレキシブルドライバICと電極基板との間に異方性導電材を配し、異方性導電材を圧着硬化させて、フレキシブルドライバICを電極基板に接続する際、異方性導電膜材料をフレキシブルドライバICの周辺および上部に回り込むようにはみ出させ、はみ出した異方性導電膜材料の上に粘着材を介してフィルム材料を貼り、はみ出した異方性導電膜材料と粘着材とフィルム材料とを、フレキシブルドライバICの保護部材として用いることで、可とう性・柔軟性があり、かつ曲げに強いフレキシブルドライバICの実装方法およびそれに用いるフレキシブルドライバICを提供することができる。
フレキシブルドライバICは基本的に単結晶シリコンを材料として用いているために変形に対しては脆く、きわめて割れやすい。シリコンウェハ部分を薄く研磨することでフレキシブル性を付与しているが、脆いことには変わりはない。そこで、フレキシブルドライバICの両面および側面を樹脂材料で包み込み、なるべく耐構造にすることで、応力を受けた場合の応力集中を避け、均一に曲げることでより曲率半径の小さな変形に対する耐性を高める。さらに、フィルム材料をフレキシブルドライバIC上部に粘着材で貼り付けることで基板とフィルムとの合わせサンドウィッチ構造にすることにより、さらに耐性を高めることができる。
まず、本発明の対象となるディスプレイの基本的な構成について説明する。本発明は、いわゆる電子ペーパーと呼ばれている薄型のフレキシブルディスプレイに特に好適に使用するものであるが、液晶型ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)などディスプレイパネル全般に好適に用いることができる。
本発明を特に好適に用いることができるフレキシブルディスプレイの形態を以下に例示する。本発明を用いる好適例としては、(1)少なくとも一方が透明な2枚の電極基板間の気体中空間に1種類以上の粒子からなり光学的反射特性および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することで表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する粒子移動方式のフレキシブルディスプレイ、(2)少なくとも一方が透明な2枚の電極基板間にコレステリック液晶を封入し、基板間のかかる電圧を制御することにより、画像等の情報を表示するコレステリック液晶方式のフレキシブルディスプレイ、(3)少なくとも一方が透明な2枚の電極基板間に光学的反射特性および帯電特性の異なる2種類以上の粒子を絶縁性液体とともに封入し、粒子に電界を付与することによって粒子を移動させて画像等の情報を表示する電気泳動方式のフレキシブルディスプレイ、(4)少なくとも一方が透明な2枚の電極基板間に酸化状態と還元状態で透明性が変化するエレクトロミック材料を充填し、電極間に電流を流し、電気化学反応により酸化状態、還元状態を変化させることで画像等の情報を表示するエレクトロクロミック方式のフレキシブルディスプレイなどが代表的である。
その他、バイステイブル(bistable)性(表示メモリ性)を有する電子ペーパー技術を用いたフレキシブルディスプレイとしてはMEMS方式、銀の電解による析出、溶解反応を利用した方式などのフレキシブルディスプレイもある。
以上述べた各種ディスプレイはいずれもフレキシブル化に最も適した構成であり、フレキシブルドライバICと一体でトータルとしてフレキシブル化を達成することができる。
本発明の対象となるフレキシブルディスプレイの例を、図1(a)、(b)〜図5に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(個別電極)と基板2に設けた電極6(個別電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色のドット表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色のドット表示を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。フレキシブル基板で構成し、フレキシブルTFTスイッチ素子を用いることでフレキシブルディスプレイとしてアクティブ駆動することができる。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色のドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色のドット表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。フレキシブル基板で構成したフレキシブルディスプレイとしてパッシブ駆動することができる。
図3(a)、(b)に示す例では、三個のセルで表示単位を構成するカラー表示の例を示している。図3(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはすべてのセル21−1〜21−3に白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22BLを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の三個のセルで表示単位を構成している。本例では、図3(a)に示すように、観察者側に、すべての第1セル21−1〜第3のセル21−3において白色表示媒体3Wを移動することで、観察者に対し白色ドット表示を行い、図3(b)に示すように、観察者側に、すべての第1セル21−1〜第3のセル21−3において黒色表示媒体3Bを移動することで、観察者に対し黒色ドット表示を行っている。各セルの表示媒体の移動のさせ方で多色カラー表示を行うことができる。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。フレキシブル基板、フレキシブルカラーフィルターで構成したフレキシブルディスプレイとして、パッシブ駆動することができる。
図4に示す例では、図1(a)、(b)で示す白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填した隔壁4で形成されたセルの代わりに、白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを絶縁液体8とともに内部に充填したマイクロカプセル型表示媒体9を用いている。また、図5に示す例では、図2(a)、(b)で示す白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填した隔壁4で形成されたセルの代わりに、白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを絶縁液体8とともに内部に充填したマイクロカプセル型表示媒体9を用いている。図5では、フレキシブル基板、フレキシブルTFTスイッチ素子を用いて、フレキシブルディスプレイとしてアクティブ駆動することができ、図6では、フレキシブル基板で構成したフレキシブルディスプレイとしてパッシブ駆動することができる。いずれの例も白黒ドット表示を行うことができる。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。図4および図5に示す例では、マイクロカプセルが隔壁の役割を兼ね備えているため、基板間の空間を仕切る隔壁は設けないことが多いが、もちろん設けてもよい。
上記は、ディスプレイの表示原理の一部を説明したものであるが、コレステリック液晶方式、エレクトロクロミック方式、MEMS方式、銀塩写真方式など他の方式やTFT液晶方式やSTN液晶方式を用いたディスプレイであっても何ら差し支えない。
シリコンウエハ上に形成した駆動用のドライバICのシリコン部分を研磨し、ドライバICを100μm以下にすることで通常厚いまま使用しているドライバICが可とう性、柔軟性を有するようにできる。ここでドライバICを形成したシリコンウェハを研磨により薄膜化する手順を説明する。
(1)シリコンウェハ上の回路側に保護シートを貼る
(2)ドライバICウェハのシリコン側を機械研磨により薄膜化する
(3)ストレスフリー処理(プラズマエッチング、CMP(Chemical Mechanical Polish)研磨)を行う
(4)保護シートを剥離する
(5)回路側にバンプ(メッキバンプ法、スタッドバンプ法、ボール搭載法など)を形成する
(6)バンプ側にダイシングテープを貼る
(7)ダイシングによりドライバICに切り分ける
以上が簡単な手順であるが、研磨の前にバンプを形成する方法や研磨の前にダイシングをする方法など詳細な手順に関しては様々な方法が考えられる。この様にICチップを薄く研磨する技術は従来からあるが、これは半導体メモリ用に多層化することで高密度化するために行われている方法であり、幅が狭く、細長い形状を有するディスプレイ駆動用ドライバに対して適用されることはなかった。
本発明方法では更に薄型ドライバICの折れ易さを解消し信頼性を増すために基板やFPC上に実装する際に異方性導電材(ACF)をドライバICバンプの高さ及び実装に使用するFPCの電極の厚さの合計以上の膜厚にし、圧着時にACF材をはみ出さ、実装したドライバICの上にさらに粘着剤を用いてフィルムを配置することで、曲げた際の応力の集中を防ぐ事を可能にしたものである。
図6(a)〜(c)は本発明のフレキシブルドライバICの実装方法の一実施例を示す。図6(a)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polish)研磨等によって薄膜化したフレキシブルドライバIC32のバンプ33と、フレキシブルプリント回路基板(FPC)36の電極35との間に、異方性導電膜34を間に設け、圧着ヘッドおよび圧着機を用いて加熱圧着する。図6(b)に、圧着ヘッドと圧着機とで加熱圧着している様子を示す。図6(b)に示すように、加熱圧着によって、異方性導電膜34はフレキシブルドライバIC32とフレキシブルプリント回路基板36との間からはみ出す。異方性導電膜34ははみ出して、フレキシブルドライバIC32上にも回りこむので、裏打ち材として利用することができる。図6(c)に示すように、さらにその上に粘着材38付きフィルム材料31を貼ることによって、粘着材38およびフィルム材料31が更なる補強材となりシリコンドライバIC(フレキシブルドライバIC32)を保護することができる。
フレキシブルドライバICを研磨し、フレキシブルドライバICのバンプの高さと基板電極の高さとの合計が100μm以下であることが好適で、より好適には50μm以下、さらに好適には40μm以下である。
フィルム材料31の厚さが、フレキシブルプリント回路基板36の厚さと同等以下、あるいは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
フィルム材料31の厚さが厚すぎると、せっかくのフレキシブル製が損なわれ、無理に曲げると界面の剥離や座屈によるドライバICの破壊が生じる。フィルム材料31の厚さが薄すぎると作業性に支障が生じる。
フィルム材料31の材質は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)などであり、フレキシブルプリント回路基板36の材質と同じであることが好適である。
粘着材38の材質は、感圧接着剤であればいずれでもよく、一般的には、アクリル系、ゴム系、ウレタン系が好適に用いられる。
図7(a)、(b)は本発明のフレキシブルドライバICの実装方法を説明するための図である。図7(a)は、フレキシブルドライバIC32のバンプ33とフレキシブルプリント回路基板36の電極35とを異方性導電膜34を介して接続する前の状態を表し、図7(b)は、接続後の状態を表している。バンプ33の厚さをA、電極35の厚さをB、異方性導電膜34の厚さをCとすると、A+B≦C、すなわち、異方性導電膜34の圧着硬化前の厚さCが、バンプ33の高さAと電極35の厚さBとの合計の厚さ以上であることが好ましい。圧着により、バンプ33と電極35の体積と同量の異方性導電膜34の体積がはみ出すこととなる。
なお、異方性導電膜34の厚さが、100μmより厚いとはみ出し量が多くなりすぎて、回路周辺部を汚したり、圧着ヘッドからはみ出し、未硬化の異方性導電膜が残るなどの不具合が生じることがある。
以下、本発明の対象となるディスプレイについて説明する。
基本的に100μm以下に研磨したディスプレイパネル駆動用ドライバであるので、ドライバとしてどんなディスプレイにも使用可能である。すなわち、アクティブ駆動液晶ディスプレイ、パッシブ駆動液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー技術に分類されるコレステリック液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、MEMSディスプレイ、バイステーブルTN液晶ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、また詳細に言えば、電気泳動ディスプレイにはさらにマイクロカプセル型、マイクロカップ型、ツイストボール型などの多くのディスプレイがあり全てに応用可能である。本発明の技術中に含まれる効果としてはフレキシブル性だけでなく、トータル厚みの減少にも繋がる。最近では携帯電話、デジタルカメラなど多機能化が進んでおり、機能を追加してもその厚さは変わらずにという要求が多い。こうした点においても薄膜化した駆動用ドライバは有用である。
また、これら例示したディスプレイパネルの中でもフレキシブル化したディスプレイパネルであればさらに好適に用いることができる。ディスプレイパネルのどの部分に用いてもトータルとしてフレキシブル性が発現でき、初期の目的を達成できる。
ただし、どのようなディスプレイパネルであってもフレキシブルかが容易というわけではない。単に技術的に可能というだけの場合もある。その点、電子ペーパー技術を利用したディスプレイパネルはフレキシブル化が1つの目的であり、この電子ペーパーディスプレイに用いて初めて紙の代替として総合的な意味での価値が生まれてくる。
さらに本発明を適用するのに特に好適なフレキシブルディスプレイについて説明する。
基板については、少なくとも視認側の基板はディスプレイ外側から表示媒体の色が確認できる透明なフレキシブル基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。背面側の基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるものが挙げられる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、可とう性において不都合がある。
基板に設ける電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等を主成分とする金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等を主成分とする導電性金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側であり透明である必要のある表示面側基板2に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板1に設ける電極は透明である必要はない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板1に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
本発明に係るフレキシブルディスプレイパネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディーターミナル等のモバイル機器の表示部、読書端末、新聞端末、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計などのメインの表示部、あるいは補助表示部にフレキシブル表示パネルと一体にして用いられる。無論、ガラス基板の場合と同様にフラットであってもよいが、多くの場合は、任意の形状で曲げてあるが、使用者が自由に曲げることができるものである。またフレキシブル化することで携帯中に落としても壊れないなどの利点もある。
従来、表示パネルのみがフレキシブルであったので、駆動用ドライバを1辺に集約し、かつ駆動回路や電池は一箇所にまとめることでデザイン的に回避してきた。然るに、本発明のフレキシブルドライバICを用いれば表示パネルのどの周辺に駆動用のドライバを接続しても表示パネル全体がフレキシブルでありフレキシブルに設計した回路基板(FPC)と一体化しても、回路基板のフレキシブル性が損なわれることなく、軽くフレキシブルで壊れにくいディスプレイモジュールを提供可能となり、よりモバイル性が向上した。
なお、本発明に係るフレキシブルディスプレイの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、セグメント駆動方式、ダイナミック駆動方式など、種々のタイプの駆動方式を用いることができる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象になるフレキシブルディスプレイの一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象になるフレキシブルディスプレイの他の例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象になるフレキシブルディスプレイのさらに他の例を示す図である。 本発明の対象になるフレキシブルディスプレイのさらに他の例を示す図である。 本発明の対象になるフレキシブルディスプレイのさらに他の例を示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明のフレキシブルドライバICの実装方法の一例を示す。 (a)、(b)はそれぞれ本発明のフレキシブルドライバICの実装方法を説明するための図である。
符号の説明
1、2 基板
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 表示用白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 表示用黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
8 絶縁液体
9 マイクロカプセル型表示媒体
21−1 第1のセル
21−2 第2のセル
21−3 第3のセル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22BL 青色カラーフィルター
31 フィルム材料
32 フレキシブルドライバIC
33 バンプ
34 異方性導電膜
35 電極
36 フレキシブルプリント回路基板(FPC、COF、TABを含む)
38 粘着材

Claims (10)

  1. シリコンウェハ上に形成したフレキシブルドライバICを電極基板に実装するフレキシブルドライバICの実装方法において、
    前記フレキシブルドライバICと前記電極基板との間に異方性導電材を配し、
    前記異方性導電材を圧着硬化させて、フレキシブルドライバICを電極基板に接続する際、前記異方性導電材を前記フレキシブルドライバICの周辺あるいは上部に回り込ませてはみ出し部を発生させ、
    前記フレキシブルドライバICあるいは前記はみ出し部の上に粘着材を介してフィルム材料を貼り、
    前記はみ出し部と粘着材とフィルム材料とを、前記フレキシブルドライバICの保護部材として用いることを特徴とするフレキシブルドライバICの実装方法。
  2. 前記フィルム材料の厚さが、前記電極基板の厚さと同等以下、あるいは、10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルドライバICの実装方法。
  3. 前記異方性導電材の圧着硬化前の厚さが、前記フレキシブルドライバICのバンプの高さと電極基板上の電極の厚さとの合計以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のフレキシブルドライバICの実装方法。
  4. 前記電極基板が、柔軟性を有するフレキシブルプリント回路基板(FPC)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブルドライバICの実装方法。
  5. 前記電極基板が、フレキシブルディスプレイパネルの画素電極の周辺部に設けた引き回し電極部(電極集約部)であることを特徴とする請求1〜4のいずれかに記載のフレキシブルドライバICの実装方法。
  6. 前記フィルム材料の材質が、前記電極基板の材質と同じであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフレキシブルドライバICの実装方法。
  7. 少なくとも一方が透明な対向する2枚のフレキシブルな電極付基板間の気体中空間に、少なくとも1種以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示するフレキシブルディスプレイパネルの電極基板に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブルドライバICの実装方法に従って実装して用いられることを特徴とするフレキシブルドライバIC。
  8. 少なくとも一方が透明な2枚電極基板間の空間に光学的反射特性および帯電特性を有する粒子を絶縁性液体とともに封入したマイクロカプセル型表示媒体を配置し、表示媒体に電界を付与することによって粒子を移動させて、画像等の情報を表示する電気泳動方式のフレキシブルディスプレイパネルの電極基板に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブルドライバICの実装方法に従って実装して用いられることを特徴とするフレキシブルドライバIC。
  9. 少なくとも一方が透明な2枚電極基板間にコレステリック液晶を封入し、基板間のかかる電圧を制御することにより、画像等の情報を表示するコレステリック液晶方式のフレキシブルディスプレイパネルの電極基板に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブルドライバICの実装方法に従って実装して用いられることを特徴とするフレキシブルドライバIC。
  10. 少なくとも一方が透明な2枚の電極基板間に酸化状態と還元状態で透明性が変化するエレクトロクロミック材料を充填し、電極間に電流を流し、電気化学反応により酸化状態、還元状態を変化させることで画像等の情報を表示するエレクトロクロミック方式のフレキシブルディスプレイパネルの電極基板に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレキシブルドライバICの実装方法に従って実装して用いられることを特徴とするフレキシブルドライバIC。
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KR20170113621A (ko) 2015-03-20 2017-10-12 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 이방성 접속 구조체

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