JP2008281003A - ドライ真空ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】パージ流体噴射装置が改良されたドライ真空ポンプを提供すること。
【解決手段】本発明は、ポンプ輸送されるガスが、ガス受入口とガス排出口の間でその中を流れる少なくとも1つの段を備えるドライ真空ポンプであって、その段が、2つの伝動シャフトクリアレンス孔(56、57)によってその周辺壁(23)が貫通されるステータ(19)を有する、ドライ真空ポンプにおいて、周辺壁(23)が、周辺壁(23)の厚み内に一部が配置されたパージ導管(40)を有し、そのパージ導管(40)の入口(41)がステータ(19)の外面に配置され、出口(43)が、前記2つのクリアレンス孔(56、57)から等距離位置で前面(49)の表面に出て、その出口を始点として、見た目に尖頭アーチ形に配置された2つの案内スロット(54、55)が延出することを特徴とするドライ真空ポンプに関する。
【選択図】図5b

Description

この発明は、回転ローブを有するドライ真空ポンプに関し、特に、「ルーツ」または「クロー」型ポンプまたは同様な原理によるポンプなどの多段式タイプに関する。
これらのドライ真空ポンプは、特に、多量の研磨粉が発生する半導体、フラット・スクリーン、または太陽電池基板の製法に使用される。
一般に、これらのポンプは、ポンプ輸送されるガスがガス受入口とガス排出口の間で流れる、直列に配置された1つまたは複数の段を備える。
周知の真空ポンプの中で、2個または3個のローブ(2ローブ、3ローブ)を有する「ルーツ」ポンプとしても知られている回転ローブを有する真空ポンプと、「クロー・ポンプ」としても知られている複式クローを有する真空ポンプとの間が区別される。
一般に、回転ローブを有する「ルーツ」ポンプは、ステータ(ポンプ本体)内部で反対方向に回転する同一形状の2個のロータを備える。回転中、引き込まれたガスは、ロータとステータの間の自由空間に閉じ込められ、次いで、排出口から排出される。作動に際し、ポンプのロータと本体との間に機械的接触が生ぜず、圧縮室内から油を完全に無くすことができる。
複式クローを有する「クロー」ポンプもまた、シリンダ内で反対方向に回転し、ガスを引き込みそれを圧縮する2つのローブ・ロータを有する。ただし、ローブの形が、ドライ圧縮を確実に行うために特殊である。
これらのポンプの作動は、ステータとローブ・ロータとの間に機械的接触は生じないが、極めて狭い間隙によって行われるので、これらのポンプは、研磨的かつ可重合特性を有する紛体を発生する、特に、SACVD(減圧化学気相成長)またはCVD(化学気相成長)法での半導体製法などの汚染性の製法に使用されるとき、温度、パージ速度、またはポンプの上流に配置されるトラップに特別な構成を必要とする。
TEOS(テトラエトキシシラン)などある種のプロセス前駆ガスが、オゾンまたは酸素などの酸化剤によって還元され、それらの水素付加シリカおよび/またはシリカ・ゲルを主成分とした紛体の基になる。
場合によっては、ポンプに入った紛体の性質が、その粘着および研削特性と相俟って、ポンプの諸段の運動要素の摩擦による急速な磨耗を生じさせる。
別の場合には、圧縮段の運動部分に多量の紛体が堆積することにより、特に機械的固着による極めて急速なポンプの停止に至る。また一方、ステータの内側のステータ壁とロータとの間、ならびにロータのローブ間に機能的間隙を維持することが、最大作動時間を確保するために重要である。
したがって、半導体の製造プロセスのような製造プロセスを阻害しないために、紛体を発生するそれら製法でのポンプの不具合率の低減が不可欠である。
そのような早期不具合を回避するために、パージ流体を噴射することによってポンプ輸送されるガスを希釈することが知られている。この噴射は、一般に、ポンプの段に沿った数箇所で、関連するポンプ段の排出チャネルに通じる噴射ノズルを介して行われる。
ある種の用法では、各段への噴射流は、ポンプ輸送の規格および性能を保証するために、ガス圧縮段の平均圧力に比例する。
たとえば、流れは、圧縮段内で凝縮し、または化学反応を開始する可能性のある化学種を気体状態に保つように図られる。
また、希釈ガス流が、製法によって生成された固体紛体を確実に気体輸送するように図って設計することもある。
最後に、希釈ガス流が、ローラ・ベアリングなどポンプの回転に不可欠な構成要素を化学的損傷から保護することができるように図って設計される。
しかし、排出チャネルへのこの噴射は、先に述べたような、製法の汚染性が高い場合、不十分になり得る。
他の適用例では、パージ・ガスが、定期的に、諸段に堆積した紛体を機械的に除去するためにポンプの吸入に際し高圧で噴射される。
しかし、ポンプの吸入レベルでの噴射ではガス流が大量になるので、ポンプ輸送に関連するガス処理システムを停止し、または待機状態に置く必要があり、したがって、製造を停止し、または待機状態に置くことになり、それは、生産高の減少を意味し、したがって、業界にとって受け入れ難い制約になる。
さらに、吸入レベルでのパージ・ガスの噴射は、製法の再開時の紛体の堆積を回避するために、ポンプとガス処理システムとの間で、接続管路の清浄度を確保する必要がある。
したがって、この発明の目的は、異物の堆積による機械的固着などの機械的不具合を防止するためにより効果的なパージを可能にするようにパージ流体噴射装置が改良されたドライ真空ポンプを提案することである。
このために、本発明の目的は、
ポンプ輸送されるガスが、ガス受入口とガス排出口との間でその中を流れる少なくとも1つの段であって、反対方向に同期して回転するのに適した2つのロータを、周辺壁によって画定されたその内部空間に有するステータを備え、それにより、ポンプ輸送されるガスが、受入口から排出口へ押し流されるようになっている段と、
段内の少なくとも1つのパージ流体ポンプ入口部と、
パージ流体ポンプ入口部にその入口が接続され、ステータの内部空間にその出口が通じている少なくとも1つのパージ導管と
を備えるドライ・タイプ真空ポンプである。
本発明によれば、ポンプはまた、ステータの前面に配置された、パージ流体を案内する少なくとも1つのスロットを備える。
本発明の特定の一製造方式によれば、真空ポンプは2つの案内スロットを備え、各スロットはローブの輪郭部分に対応する。
案内スロットのレイアウトは、好ましくは、見た目に尖頭アーチ形であるべきである。
本発明の一実施方式によれば、パージ導管からの出口が、ステータの前面のシール溝内に配置されている。
やはり好ましくは、少なくとも1つの案内リブが、シール溝を始点として、ステータの前面に配置されるべきである。
少なくとも1つのパージ流体用の案内スロットを、パージ導管の出口を始点として、ステータの前面に配置することができる。
一変形方式によれば、パージ導管が、ポンプ輸送ガスの排出領域に通じる。
有利には、パージ導管は、ステータの内部空間のガス出口孔を通り抜ける。
パージ導管は、好ましくは、ロータ掃気領域の外側に配置されたパイプの形を取るべきである。
有利には、出口オリフィスをパイプの軸方向出口に配置し、少なくとも1つの出口オリフィスをパイプの側面に配置することができる。
本発明はまた、ルーツ・タイプ・ドライ真空ポンプに取り付けるためのステータにおいて、その一周辺壁が2つの伝動シャフトクリアレンス孔によって貫通され、周辺壁の厚み内に一部が配置されたパージ導管を備えるステータであって、導管の出口が2つのクリアレンス孔から等距離位置で表面に出て、その出口を始点として少なくとも1つの案内スロットが延出するステータを目的とする。
好ましくは、入口はステータの外面に配置され、出口はステータの前面に通じるべきである。
2つの案内スロットのレイアウトは、好ましくは、見た目に尖頭アーチ形であるべきである。
やはり好ましくは、出口は、ステータの前面のシール溝内に配置されるべきである。
少なくとも1つの案内リブが、好ましくは、溝にある出口から始まるべきである。
本発明はまた、パージ流体をステータの内部空間内に噴射する、真空ポンプのパージ方法を目的とする。
好ましくは、パージ流体は、希釈剤または溶剤などの浄化剤を含むべきである。
やはり好ましくは、浄化剤は、イソプロピル・アルコールまたは酸素添加ガスを含むべきである。
有利には、流体噴射はパルス状に行われるべきである。
他の利点および特徴は、本発明の説明を読み、添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
添付図面では、同一の要素は同一の参照番号を有する。
本発明によるポンプの第1の製造方式が、図1および2によって示されている。図3a〜3dは、この第1の製造方式の変形方式を示す概略図である。
図1は、モータ3、連続する5つのポンプ段5(連続する段は参照符号5a、5b、5c、5d、および5eを有する)、およびこれら段5a〜5eへのパージ流体ポンプ入口部7を備える組立状態の多段ドライ真空ポンプ1を示す。
モータ3は、歯車システムを介して第2の伝動シャフト24に繋がる第1の伝動シャフト25を駆動する(図2参照)。シャフト24、25は、ポンプ段5a〜5e内部に配置されたロータ21、22を担持する。
モータ3は、大気温度の水などの冷却液の回路9によって冷却される。
5つの段5a〜5eは、各段の出口が後続の段の入口に接続されるように直列に配置されている。
そして、ポンプ輸送されるガスは、ポンプ1の上面(図では見えない)に配置された低圧段5aのガス受入口11を通って引き込まれ、3つの中間段5b、5c、および5dを順次に通り抜けた後、高圧段5eの排出口13に向かうことができる。
最終段5eの出口13は、たとえば大気圧ガス処理システムなどの全体のガス排出部に向けて接続されている。
パージ流体ポンプ入口部7は、窒素のような中性ガスなどのパージ流体の供給部(図では見えない)からバルブ・システム17を介して5つの段5a〜5eのそれぞれへパージ流体を分配するために、マニホルドとしても知られている5つの分枝15a〜15eを有する分配機構15を備える。
流体圧力が、分配機構15上のバイパス圧力センサ18によって測定される。
パージ流体の供給流量は、接続部39内に配置され、チェック・バルブも備える、各段5a〜5eごとの較正済み噴霧ノズルによって規制される。
接続部39は、各段5a〜5eで、ポンプ1の内側面上、分配機構15の各分枝15a〜15eの端部に配置されている。
有利には、真空ポンプ1の中間段5b〜5dに噴射されるパージ流体は、ガスのみではなく、液体またはガス/液体混合物でもよい。
この目的のために、パージ液体供給タンク(図示せず)もまた、併行して分配機構15の分枝に接続されて、パージ・ガスおよび/またはパージ液体で、別々または同時のどちらにでも、諸段5を駆動する。
好ましくは、バルブ・システム17を演算処理装置によって自動的に制御することを可能にするべきである。したがって、3つの中間段5b、5c、および5dそれぞれを別々にパージ流体で駆動するために、分配機構15の分枝15b、15c、および15dにそれぞれ配置された3つのソレノイド・バルブ17a、17b、および17cを備えるバルブ・システムが設計される。
バルブ・システム17はまた、高圧段5eおよび低圧段5aにパージ流体を供給する別々のバルブ(図では見えない)を備え、それにより、真空ポンプ1の高圧および低圧ローラ・ベアリングへのパージ流体の連続的な供給を確実に行う。
図2は、ポンプ段5の内側をより詳細に示す。
段5は、ステータ19の本体18を備え、その本体18の内部空間20は、背26および内面31を備える周辺壁23によって画定される。
互いに機械的に結合された2つのルーツ・タイプのロータ21および22が、ステータ19の内部空間20内に収容されている。
ロータ21、22は、その目的のために2つの孔を開けられた、周辺壁23の背26を貫通する伝動シャフト24、25によって駆動される。
勿論、本発明はまた、2つ以上のローブ(1つまたは複数の部品として、直接伝動シャフトと共に機械加工され、またはシャフトに付け足されて)を有する1つまたは複数のルーツ・タイプのポンプ段、またはクロー・タイプもしくはこれら異なるタイプの段の組合せを備える全てのタイプのドライ真空ポンプに適用される。
図2に示される製造方式では、各ロータ21、22は、反対方向(矢印参照)に同期して回転するように配置され、図2のステータ19の後面の上部に配置されたガス受入口32とステータ19の下部の排出口34との間で、ポンプ輸送されるガスを駆動する2つのローブ27、28および29、30を有する。ロータ21、22の回転によって覆われる領域は、掃気領域として知られる領域を画成する。
ステータ19の本体18に配置された2つの排出チャネル36および37が、内部空間20を取り囲んでいる。
これら排出チャネル36、37は、排出口34に接続するステータ19の下部から始まり、ポンプ輸送されるガスを後段の吸入部へ向かって導くことができるように、第2のガス受入口に接続するステータ19の上部まで弧を描く。
ポンプ入口部7は、接続部39を介してパージ流体を段5に供給する。
真空ポンプ1は、少なくとも1つのパージ導管40を備え、その入口41はパージ流体ポンプ入口部7に接続され、その出口43はステータ19の内部空間20に通じている。
このレイアウトでは、パージ導管40の出口43は、ポンプ1のロータ21、22に可能な限り接近し、ロータの作動を乱さないようにロータ21、22の掃気領域を避けて配置される。
このレイアウトは、異物の点から見て最も重要な領域で段5にパージ流体を噴射する利点を提供する。
したがって、図2の概略図で、ロータ21、22の側面上に×印で示す特に重要な4つのデッド・エリアが弁別される。
実際に、ガスが受入口32から排出口34まで運ばれるポンプ・サイクル全体の中で、ロータの4つの相対位置について、ロータ21、22間の間隙の減少によって形成されるデッド・エリアが観察され、そこには段の高圧部から低圧部への内部ガス漏洩によって運ばれた紛体が集まる。
パージ流体の局所的噴射は、これら領域での噴射を目的として使用され、その噴射は、異物の希釈と、ロータ21、22上に残される可能性のある固体および気体状の副産物の機械的作用を介する拡散との両方を確実に行う。
さらに、2つのロータ21、22の表面全域を掃去するパージ流体を均等に分配するために、パージ導管40の出口43をロータ21、22の2つの回転軸からほぼ等距離に配置するように設計する。
さらに、高圧領域が最も異物の影響を受けるので、パージ導管40を伝動シャフト24、25の下側、ステータ19の下部に位置するポンプ輸送ガスの排出領域に導くように設計される。
有利には、パージ導管40は、ステータ19の内部空間20のガス出口孔34を通り抜ける。
したがって、図2に示すように、たとえば流体ポンプ入口部7より小さな直径のパイプで製作され、ロータ21、22の掃気領域の外側に配置されるパージ導管40が設計される。また、パージ導管40の出口43は、パージ流体をロータ21、22の方向に向けるように設計される。
図3a〜3dは、通常極度に汚染されるデッド・エリアへ可能な限りパージ流体を導くための、本発明の第1の製造方式のパージ導管40の出口43の変形製造方式を示す。
たとえば、図3aは、パイプ40の軸方向出口43内に配置された出口オリフィス44を示す。図3bでは、選択された出口オリフィス44の直径がより大きく、噴射速度が低くなる。したがって、出口オリフィスの直径は、所望の流体噴射速度が得られるように適合させることができる。
パイプ40の側面に配置された少なくとも1つの追加の出口オリフィス48もまた設計される。
より具体的には、図3cおよび3dはそのような製造例を示す。
図3cでは、2つの出口オリフィス48が、ステータ19の内部空間20の上部へ流体噴射を導くのに使用する2つの傾斜突出部の端部に設計されている。
図3dによれば、パージ流体噴射が、水平方向、およびロータ21、22を収容する内部空間20の上部へ導かれるように、導管40の側壁に2つのオリフィスが設計され、導管40に軸方向に1つのオリフィスが配置されている。
好ましくは、真空ポンプ1の大きさを抑えるために、パージ導管40の少なくとも一部が、周辺壁23の厚み中、直接ステータ19の本体18中に配置される。
本発明はまた、パージ流体をステータ19の内部空間20内に噴射する、ドライ真空ポンプ1のパージ方法を設計する。
有利には、パージ流体噴流の力を増幅するように、中間ポンプ段5b、5c、および5dでは噴射がパルス状に行われる。
好ましくは、真空ポンプ1のベアリングへの連続的なパージ流体供給を確実に行うことを目的として、パージ流体の噴射は、高圧段5eおよび低圧段5aではパルス状にはしない。
パージ流体の噴射パルスの振幅および頻度は、流体がその中に噴射される段5b〜5dに基づいて定めることができる。
流体噴射パルスの振幅および頻度は、好ましくは、ポンプ輸送されるガスの性質の情報に相関させるべきである。たとえば、ポンプ輸送されるガスが中性ガスであるとき、またはポンプ1が待機段階にあるときには、噴射は減らされる。
この情報は、エンジン出力信号などの真空ポンプ1の出力信号から、または、半導体製造チャンバから来る、保守、待機段階もしくは移送信号などの、ポンプ1に接続された真空ラインを有するプロセス・チャンバからの信号から与えられ得る。
この情報は、有利には、ポンプ吸引されるチャンバ内で実施されている製法に応じて、またはパージ流体が噴射されるポンプ段に基づいて個別化されたパージ・サイクルを設計することによってパージ方法を最適化するために、バルブ・システム17を制御する演算処理装置に送られる。
このようにして、パージ流体の消費量が効果的に抑制され、リリーフ・バルブや流量制御部などのバルブ・システム17の構成要素の磨耗が抑制される。
それによって、このパージ方法は、ポンプの動力およびパージ流体の消費量の低減を可能にし、ステータ19の内部空間20内の噴射箇所を限定することによってロータ21、22の効果的な浄化を確実に行う。
また、中間段5b、5c、および5d内への噴射用として、希釈剤、または、たとえばイソプロピル・アルコールもしくは酸素添加ガスを含む溶剤などの浄化剤を含むパージ流体を設計することもできる。
次に、真空ポンプ1の第2の製造方式を、図4a、4b、5a、5b、および6a〜6eに示して、説明する。
図4aでは、4つのポンプ段5b〜5eの周辺壁23の背26を貫通する被駆動伝動シャフト24を見ることができる。
各段で、シャフト24は、ロータ21の2つのローブ27、28を有する。図では、第1のロータに機械的に結合されている第2のロータ22のローブ29の一部も見ることができる。
図4bは、4つのステータ19b〜19e、およびシャフト24および25上に取り付けられた、各ステータに対するローブを有する2つのロータ21および22を有する、この第2の製造方式による真空ポンプ1の一部の分解組立図である。
この図では、ガス受入口32を有する、ステータ19の前面49を見ることができる。
ステータの各前面49には、2つの環状シール溝50、52が設計されており、その結果、全てのステータ19b〜19eを軸方向に組み立てる際に、シール・ジョイントを挿入し圧縮することができる。
溝50に挿入されるシールは、真空ポンプ1の外側の環境から各段5b〜5eを隔離するためのものである。
溝52のシールは、ステータ19b〜19eの内部空間から排出チャネルを隔離するためのものである。
図4aでは、パージ導管40は、パージ流体ポンプ入口部7に接続された入口41、およびステータ19の内部空間20に通じる出口43を有する。
図4aはまた、3つの中間段5b〜5d上、ステータ19b〜19dの下部に、分配機構15を介してパージ流体供給部を接続するための3つの接続部39を示す。
有利には、この特定の製造方式では、パージ導管40は、部分的にステータ19b〜19eの周辺壁23中、言い換えるとステータ19の本体18中に配置されている。
したがって、図4aに示されるように、パージ導管40は、パージ流体ポンプ入口部7から、第1のステータ19bの壁23の内面31の下側の厚み中に配置された部分を有する。
パージ導管40の第2の部分は、隣接する第2のステータ19cの壁23の背26の厚み中に配置され、ステータ19b、19cがポンプ1に組み込まれると、第1のステータ19bの内部空間20に通じる。
このようにポンプの本体中に配置されることにより、導管40のパージ流体は、段5の内部に噴射される前にポンプ本体の温度に設定され得る。
実際に、ポンプ本体の温度は、流体がポンプ入口部7から出て来るときの流体の温度(20〜120℃)より10分の数度高くなり得る。
この目的のために、ステータ19の厚さに対して直径の小さい導管を配置し、それにより、流体が、パージ導管40の壁の温度まで迅速に加熱され得るように設計される。
さらに、パージ導管が、2つのロータ・シャフトのクリアレンス孔56と57(図5aおよび5b)の間の領域に通じるように設計される。
好ましくは、パージ導管の出口43は、ステータ19の前面49に通じるべきである。
したがって、導管40の出口60(図4aおよび4b参照)は、ステータ19の前面49のシール溝52中に、溝52中のシールの下側半分の代わりにその場所に配置されるように設計され、それによりさらに段5の保護が強化される。
少なくとも1つ、好ましくは2つの、ロータ21および22の方向に向けられた案内リブ61および62が、シール溝52を始点とし、ステータ19の前面49に配置され、それにより、同じパージ流体ポンプ入口部7を使用して、パージ流体の一部をステータ19の内部空間20内で導く。
少なくとも1つのパージ流体案内スロットが、パージ導管40の出口43を始点として、ステータ19c、19d、19eの前面49に配置される。
したがって、図5aおよび5bに示されるように、2つの案内スロット54および55が、パージ導管40の出口オリフィス43を有するステータ19の前面49上に見た目に尖頭アーチ形で配置される。
各スロット54および55は、この図に2ローブのルーツ・タイプ・ローブによって示されているような、ロータの輪郭部分の形状を有する。
有利には、案内スロット54、55の端部は、たとえばボール形先端を有するカッタを用いて機械加工をすることによって得られる丸みを帯びた輪郭を有して、ローブの側面に最適な角度で当たる流体の噴流を生成することができるようにする。
この特定の製造方式は、第1にロータとステータの壁との間のデッド・エリアを、第2にロータ間のデッド・エリアを精密かつ効果的に浄化するのに使用される。
実際に、作動時には、図6a、6b、6c、および6eに見られるように、ロータ・ローブの配置により、ロータの各位置では、パージ流体の噴射に対する対応位置が異なることになる。
これらの図は、線図中に×印によってその回転軸を示した2つのロータ間に囲まれた、ポンプ1の段5の内部空間20内のポンプ輸送体積部分の輪郭を示す。この体積は、ステータ19の内面31と共に、ロータ21、22の2つの外縁57および58によって画定されている。
図上、ハッチングは、閉じ込められたガス体積に繋がっていない、スロット54および55のロータ21、22によって隠された部分を表す。
図6aでは、スロット54の第1の端部はステータ19の内部空間20に接続されているが、スロット54の第2の端部およびオリフィス43ならびに第2のスロット55は第1のロータ21によって塞がれている。
したがって、パージ流体の噴流は、オリフィス43から、遮蔽されているスロット54を通ってスロット54の端部まで導かれ、それにより、好ましくは、ロータ21、22間の小間隙領域60に集中される。
さらにまた、パージ流体の漏洩流がロータ21の下側に広がって、ステータ19の背26と対向するロータ21の壁との間を浄化することもできる。
次いで、ロータ21、22が、図6a、6b、および6c上の矢印によって示された方向に回転すると、スロット54の輪郭が第1のロータ21の輪郭57の一部に対応し、その結果、噴射が、ロータ21の側面に沿って導かれる。
したがって、それら輪郭に基づいた、スロット54、55の輪郭の好適な形状は、パージ流体の噴流に、回転中のロータの側面輪郭を確実に最適に追従させるのに使用される。
最後に、第1のスロット54は第2のロータ22によって完全に覆われ、第2のスロット55は一部が覆われていない(図6e)。
この時点では、噴射は、好ましくは、オリフィス43のレベルに位置するべきである。パージ導管の出口オリフィス43は、ロータ21、22の掃気領域に配置されている。
そのようなレイアウトでは、真空ポンプが作動しているとき、スロット54、55およびオリフィス43が、代わる代わるロータによって部分的に隠されて、ポンプ輸送中、ロータがステータ19の内部空間20中を移動することによってパージ流体の噴射位置を移動させることが可能になることが理解される。
そのとき、ロータ21、22はパージ流体噴射バルブのように働き、噴射が自動的に、ロータの回転数(約100回転/秒以上)に応じて、ステータ19の圧縮領域に導きいれられているかのように全てのことが起こり、それによって、追加の機械的部分が付け足されなくても、パージ流体の噴射を自動的にパルス状に行うことが可能になる。
図7は、3個のローブを有するルーツ・タイプ・ロータに関する第2の製造方式による真空ポンプ段の変形方式を示す。
ローブの形状が異なること以外に、この変形方式には、スロットの形状にも差異がある。それに関し、各スロット54および55は、ロータの3ローブ輪郭の一部の形状を有する。
その入口41がパージ流体のポンプ入口部7に接続され、その出口43がステータ19の内部空間20まで、ロータ21、22の掃気領域内に通じている少なくとも1つのパージ導管40を有する、本発明のこの製造方式による真空ポンプ1では、パージ流体を可能な限りロータ21、22の近くまで導くことができ、その結果、流体が排出チャネル内に噴射されてポンプ輸送ガスと混合される従来技術の配置とは異なり、パージ流体がロータの移動によって操作されることが理解される。
本発明によるドライ真空ポンプの下方からの透視図である。 本発明の第1の製造方式によるドライ真空ポンプの段の前方からの透視図である。 図2のポンプのパージ導管の変形製造方式の概略図である。 図2のポンプのパージ導管の変形製造方式の概略図である。 図2のポンプのパージ導管の変形製造方式の概略図である。 図2のポンプのパージ導管の変形製造方式の概略図である。 本発明の第2の製造方式によるドライ真空ポンプの一部の長手方向断面図である。 図4aのポンプの一部の分解組立透視図である。 図4aおよび4bの真空ポンプのステータの透視図である。 図5aのステータの後視図である。 様々な作動段階における、図4aのポンプの段の内部空間内でポンプ輸送される体積部分の略図である。 様々な作動段階における、図4aのポンプの段の内部空間内でポンプ輸送される体積部分の略図である。 様々な作動段階における、図4aのポンプの段の内部空間内でポンプ輸送される体積部分の略図である。 様々な作動段階における、図4aのポンプの段の内部空間内でポンプ輸送される体積部分の略図である。 様々な作動段階における、図4aのポンプの段の内部空間内でポンプ輸送される体積部分の略図である。 第2の製造方式の変形方式によるステータの概略図である。

Claims (10)

  1. ポンプ輸送されるガスが、ガス受入口(11)とガス排出口(13)との間でその中を流れる少なくとも1つの段(5)であって、反対方向に同期して回転するのに適した2つのロータ(21、22)を、周辺壁(23)によって画定されたその内部空間(20)に有するステータ(19)を備え、それにより、ポンプ輸送されるガスが、前記受入口(11)から前記排出口(13)へ押し流されるようになっている段(5)と、
    前記段(5)内の少なくとも1つの、パージ流体のポンプ入口部(7)と、
    前記パージ流体の前記ポンプ入口部(7)にその入口(41)が接続され、前記ステータ(19)の前記内部空間(20)にその出口(43)が通じている少なくとも1つのパージ導管(40)と
    を備えるドライ・タイプ真空ポンプであって、
    前記ステータ(19)の前面(49)に配置される、前記パージ流体用の少なくとも1つの案内スロット(54、55)をさらに備えることを特徴とする、真空ポンプ。
  2. 前記ステータが2つの案内スロットを備え、各スロット(54、55)がローブの輪郭部分に対応する、請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. 前記案内スロットが見た目に尖頭アーチ形である、請求項1および2のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
  4. 前記パージ導管の出口(60)が、前記ステータの前面(49)のシール溝(52)内に配置されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
  5. 少なくとも1つの案内リブ(61、62)が、前記ステータの前面(49)に配置され、前記シール溝(52)を始点とする、請求項4に記載の真空ポンプ。
  6. 前記パージ導管(40)が、ポンプ輸送ガスの排出領域に通じる、請求項1または2のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
  7. 前記パージ導管が、前記ステータの前記内部空間(20)のガス出口孔を通り抜ける、請求項6に記載の真空ポンプ。
  8. 前記パージ導管が、ロータ掃気領域の外側に配置されたパイプの形に製造される、請求項6および7のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
  9. 出口オリフィス(44)が前記パイプの軸方向出口(43)に配置され、少なくとも1つの出口オリフィス(48)が前記パイプの側面に配置されている、請求項8に記載の真空ポンプ。
  10. ルーツ・タイプ・ドライ真空ポンプに取り付けるためのステータであって、前記ステータの周辺壁(23)が2つの伝動シャフトクリアレンス孔(56および57)によって貫通され、前記周辺壁(23)の厚み内に一部が配置されたパージ導管(40)を備えるステータにおいて、出口(43)が前記2つのクリアレンス孔(56および57)から等距離位置で表面に出て、前記出口(43)を始点として少なくとも1つの案内スロット(54、55)が延出することを特徴とするステータ。
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