JP2008280281A - 抗肥満活性剤 - Google Patents

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徳武 佐島
Takanori Sasaki
荘法 佐々木
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KYODO KUMIAI MARINTEKKU KAMAIS
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KYODO KUMIAI MARINTEKKU KAMAISHI
Hokkaido University NUC
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Abstract

【課題】安価で大量に取得することができる抗肥満活性剤を提供する。
【解決手段】 アレン構造を有し、かつ極性基であるヒドロキシル基(OH基)及び/又はエポキシド基を有するネオキサンチンは顕著な抗肥満活性を示し、本発明のアレン構造を有するカロテノイド(但し、フコキサンチン及びフコキサンチノールを除く。)を有効成分としてなる抗肥満活性剤は安価で大量に取得することができ、しかも絶大な抗肥満活性効果を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は抗肥満活性剤に関するものである。
肥満はメタボリックシンドロームの原因となることから、抗肥満活性を有する機能成分の発見が強く求められている。
従来よりカテキンやフラバンジェノールなどのポリフェノール類がすでに実用化、製品化されている。
またワカメなどに含まれるカロテノイド(フコキサンチン)とホヤに含まれるカロテノイド(フコキサンチンール)が、モデル動物の内臓脂肪(白色脂肪)中に脱共役タンパク質(UCP1)を発現させ、これにより脂肪を分解して体熱として発散させ、強い抗肥満活性があることが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。
非特許文献2によれば、フコキサンチンが脂肪細胞に対する分化抑制作用を示すことが明らかになり、ワカメ油投与による動物実験での体重及びWAT(白色脂肪組織)の減少は、フコキサンチンによる脂肪細胞への分化の抑制と、WAT中のPPARγに支配されたUCP1(脱共役蛋白質)の発現による脂肪燃焼に拠ることが明らかになった。
以上の知見に基づき、本出願人は特許文献1においてフコキサンチノールを有効成分として成ることを特徴とする抗肥満活性剤を開示した。
Hayato Maeda, Masashi Hosokawa, Tokutake Sashima, Katsura Funayama, Kazuo Miyashita, "Fucoxanthin from edible seaweed, Undaria pinnatifida, shows antiobesity effect through UCP1 expression in white adipose tissues", Biochem. Biophys. Res. Comm., 332, 392−397 (2005). Hayato Maeda, Masashi Hosokawa, Tokutake Sashima, Nobuyuki Takahashi, Teruo Kawada, Kazuo Myashita, "Fucoxanthin and its metabolite, fucoxanthinol, suppress adipocyte differentiation in 3T3−L1 cells", Int. J. Mole. Med., 18, 147−152 (2006). WO/2006/126325
前述したように、フコキサンチン及びフコキサンチノールは抗肥満活性剤として有効であるが、褐藻類の成熟体に含まれるフコキサンチンの量は少なく、実用的な量を得るには時間と費用がかかるという問題点があった。また、抗肥満活性剤としての効果も更に強い効果を示すものが要望されていた。
本発明は以上の従来技術の問題点に鑑み、安価で大量に取得することができる抗肥満活性剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、海藻類以外にも抗肥満活性を呈する機能性食品素材が見い出される可能性は十分に有り、また、抗肥満活性を有するカロテノイドと抗肥満活性を示さないカロテノイドの構造的な差異を明確にすることができればより効率的な抗肥満剤の開発が可能になるという見地から精力的な研究を行った。
係る研究として野菜くずやビート大根の葉部などのように、大量に廃棄されている植物資源に着目し、これらに含まれる主要カロテノイドについて抗肥満活性を検討したところ、ネオキサンチンが活性を示すが、植物に含まれるその他の極性基を持たないβ−カロテン、OH基を有するルテイン、エポキシド基を有するビオラキサンチンなど12種類のカロテノイドは抗肥満活性を示さないことを確認した。
係る事実に基づき本発明者らは、ネオキサンチン、フコキサンチン、フコキサンチノールに共通するアレン構造(=C=)がカロテノイドの抗肥満活性発現に必須な構造であるという着想を得て本発明に想到した。
すなわち本発明の抗肥満活性剤は、アレン構造を有するカロテノイド(但し、フコキサンチン及びフコキサンチノールを除く。)を有効成分としてなることを特徴とする。
さらに本発明の抗肥満活性剤は、アレン構造を有するカロテノイドを食品及び飲料及びサプリメント及びペット用食餌及び化粧品及びサニタリー製品及び薬剤のうちのいずれかに添加あるいは混合してなることを特徴とする。
アレン構造を有するカロテノイドが極性基を有することが望ましい。
アレン構造を有するカロテノイドが、粉末状態、ゲル状態、ゾル状態又は固体状態又はこれらを組み合わせたものである様にしてもよい。
アレン構造を有するカロテノイドが、有機溶媒可溶化又は乳剤化したものである様にしてもよい。
アレン構造を有するカロテノイドが、天然物から抽出し精製された成分及び有機合成によって得られた成分及び微生物を介して合成された成分の中から選ばれた少なくとも一種以上の組み合わせによって得られたものである様にしてもよい。
カロテノイドがネオキサンチンである様にしてもよい。
本発明の抗肥満活性剤は安価で大量に取得することができ、しかも絶大な抗肥満活性効果を得ることができる。
図1は本発明の抗肥満活性剤を構成するカロテノイドであるネオキサンチン1が有するアレン構造2及び極性基であるヒドロキシル基(OH基)3や有機化合物中の橋かけ構造を有するエポキシド基4をネオキサンチン1の構造式との関係で示す。
図1にアレン構造2として示す様に1個の炭素を共有している二重結合を含む化合物をアレンといい、こうした二重結合のことを集積二重結合という。すなわち、本発明の抗肥満活性剤を構成するカロテノイドが有するアレン構造2は図1に示す集積二重結合である。
本発明の抗肥満活性剤を構成するアレン構造2を有するカロテノイドの抗肥満活性あるいは抗糖尿病活性は、これらのカロテノイドが細胞の核内に移動し、遺伝子の働きを制御するために発現する。したがって、細胞膜を通過するためにアレン構造2だけではなく、膜のリン脂質構造と親和性の高いカロテノイド構造を必要とする。
さらに本発明の抗肥満活性剤を構成するアレン構造を有するカロテノイドは極性基3,4を有することが望ましい。
この極性基は、結合するための「手」として機能し、例えば図1に示す有機化合物中の特性基であるヒドロキシル基(OH基)3や有機化合物中の橋かけ構造を有するエポキシド基4である。
特にこのOH基3やエポキシド基4といった極性基が存在する場合に顕著な抗肥満活性あるいは抗糖尿病活性が認められる。
このようにアレン構造2を有し、かつOH基3やエポキシド基4を有するカロテノイドには図2、図3、図4、図5に示すように、Fucoxanthin(フコキサンチン;褐藻)、Fucoxanthinol(フコキサンチノール;褐藻;ホヤなど)、Isofucoxanthin(アイソフコキサンチン;海藻)、Isofucoxanthinol(アイソフコキサンチノール;海藻)、Amarouciaxanthin A(アマロシアキサンチンA;ホヤなど)、Dinoxanthin(ダイノキサンチン;藻類)、Paracentyrone(パラセンティロン;ウニ;海藻を餌にした鶏卵脂質中)、Vaucheriaxanthin(バーチャライアキサンチン;藻類)、P457(赤潮)、Fucoxanthinol 3’−sulphate(フコキサンチノール3硫酸塩;海藻を投与した鶏)、19’−Hydroxyfucoxanthinol (19‘ヒドロキシフコキサンチノール;藻類を摂取したイガイ)、19’−Hydroxyfucoxanthin (19‘ヒドロキシフコキサンチン;海藻:酪酸エステルとして存在)、19’−Hydroxyfucoxanthin [19’−butanoate] (19’ヒドロキシフコキサンチン酪酸エステル;藻類)、Muricellaxanthin(ムリスラキサンチン;サンゴ虫)、Peridinin(ペリジニン;藻類)、Peridininol(ペリジノール;藻類)、Pittosporumxanthin C(ピトスポラムキサンチンC;種子)、Neoxanthin(ネオキサンチン;緑色野菜)、Neoflor(ネオフラー;花)、Capsoneoxanthin(カプソネオキサンチン;アスパラガス)、Neochrome(ネオクロム;緑色野菜・藻類)、Mimulaxanthin(マイムラキサンチン;花)、Deepoxyneoxanthin(ディープオキシネオキサンチン;花弁)がある。
以上のアレン構造2を有し、かつOH基3やエポキシド基4を有するカロテノイドにあって、ネオキサンチン1は陸上植物に広く存在するカロテノイドの一種である。すなわちネオキサンチン1は、陸上植物から抽出することができ、野菜くずやビート大根の葉部などのように、大量に廃棄される植物資源から抽出することができる。この陸上植物から抽出したネオキサンチンを食品、肥料、農薬、化粧品又は医薬品に添加することで、抗肥満活性の機能性食品素材、抗肥満活性の肥料、抗肥満活性の医薬品などを構成することが出来る。
[実施例]
次に本発明例の抗肥満活性剤を構成するアレン構造を有するカロテノイド(但し、フコキサンチン及びフコキサンチノールを除く。)であるネオキサンチンと、参照例としてホヤから抽出したフコキサンチノールとフコキサンチンと、比較例として図6と図7で示す野菜などに含まれる他のカロテノイドを用い抗肥満活性を調査した結果を説明する。
図6と図7で示すカロテノイドはViolaxanthin(ビオラキサンチン)、Rhodoxanthin(ロドキサンチン)、Capsorubin(カプソルビン)、Antheraxanthin(アンサラキサンチン)、Lutein epoxide(ルテインエポキサイド)、Citranaxanthin(シトラナキサンチン)、β−Cryptoxanthin(ベータクリプトキサンチン)、Lutein(ルテイン)、Mutatoxanthin(ムタトキサンチン)、(9Z)−Canthaxanthin(カンタキサンチン)、(13Z)−Canthaxanthin(カンタキサンチン)、β−Carotene epoxide(ベータカロテインエポキサイド)であって、いずれも極性基であるヒドロキシル基(OH基)及び/又はエポキシド基を有するがアレン構造を有しない。
一方本発明の抗肥満活性剤を構成するアレン構造を有するカロテノイド(但し、フコキサンチン及びフコキサンチノールを除く。)であるネオキサンチン及び参照例のフコキサンチン及びフコキサンチノールはいずれもアレン構造を有し、かつ極性基であるヒドロキシル基(OH基)及び/又はエポキシド基を有する。
先ずネオキサンチンの抽出方法を説明する。
ビートの葉部は根部の利用の際に廃棄される。そこで、北海道十勝地方で廃棄されたビート葉をネオキサンチン給源とした。ビート葉から生のままエタノールで脂質を抽出するとクロロフィルをはじめキサントフィル以外の多くの不純物が混入した。
そこで、図8に示す様に、生ビート葉部分を真空低温乾燥した300 gの乾燥ビート葉を粉末化(フードミキサー)し、600 mLのエタノールを用いて脂溶性成分を3回抽出した。この操作によりクロロフィル量が少なく、ネオキサンチン、ルテイン、β−カロテンを含むビート由来脂溶性成分である粗精製ビート油 6 gが得られた。この粗精製ビート油を充填剤にシリカゲルを用い、展開溶媒としてi25%アセトン含有ヘキサンとii50%アセトン含有ヘキサンとを用いてカラムクロマトグラフィーで分別することにより、ネオキサンチン画分が得られた。
以上の工程により、ネオキサンチンのみを含む画分を得ることができた。ビート葉中のネオキサンチン含量は、これまで報告のあったホウレンソウに比べても高く、ビート葉はネオキサンチンの給源として優れていることがわかった。なお、細胞実験に用いるネオキサンチンはカラムクロマトグラフィーで得られたものを高速液体クロマトグラフィーで精製して用いた。
参照例であるフコキサンチノールとフコキサンチンの抽出は次のようにして行った。
まず、ホヤの内臓と殻を取り出し、その内臓と殻の全重量に対して2倍量のアセトンを用いて4日間抽出する。この操作を2回繰り返す。
ホヤのアセトン抽出物をシリカゲルカラムに供し、n−ヘキサンとジエチルエーテルを体積比で95:5で混合したものを使って中性脂質、主にトリアシルグリセロールを除去した後、アセトンを用いて粗カロテノイド画分を溶出する。
粗カロテノイド画分をシリカゲル薄層クロマトグラフィープレートにスポットし、アセトンとn−ヘキサンを体積比で4:6に混合したもので展開し、黄色や橙色を呈したスポットを目印に、大まかに5つの画分に分け、アセトンを用いてシリカゲルから溶出した。
図9に、ホヤ抽出物の薄相クロマトグラムを示す。写真撮影した薄相クロマトグラムを模式的に描写した。Fraction1から5に、各種カロテノイドが抽出されている。具体的には、Fraction3にハロシンチアキサンチン、Fraction4にフコキサンチノールが含まれていた。それ故、細胞試験及び構造分析をするために、更に下記の精製を行った。
Fraction3(ハロシンチアキサンチン)の精製:RP−8逆相薄層クロマトグラフィープレート(RP−8:オクチルシランという分離用の担体)にスポットし、メタノールと水を体積比で9:1に混合したもので展開後、橙色の画分を分離し、アセトンで溶出した。
Fraction 4(フコキサンチノール)の精製:RP−8逆相薄層クロマトグラフィープレート(RP−18:オクタデシルシランという分離用の担体)にスポットし、メタノールとアセトンと水を体積比で4:6:2で混合したもので展開後、橙色の画分を分離し、アセトンで溶出した。
ハロシンチアキサンチン及びフコキサンチノールの構造は、質量分析及びNMR分析により同定した。図10は、同定したフコキサンチノール5の構造式をアレン構造2及び極性基であるヒドロキシル基(OH基)3や有機化合物中の橋かけ構造を有するエポキシド基4との関係で示す。
次いで、以上のようにして抽出したネオキサンチンと、フコキサンチノール及びフコキサンチンと、図6と図7で示す野菜などに含まれる他のカロテノイドの抗肥満活性について検証した。
細胞培養:3T3−L1前駆脂肪細胞はFBSを10%(体積比)含むDMEM培地を用いて37℃、CO(5%)存在下で培養した。なお、FBSは56℃で30分間非働化したものを用いた。
また、細胞は実験ごとに液体窒素中に保存した新しい細胞を使用した。96穴マイクロプレートに1wellに対して、3T3−L1前駆脂肪細胞を5×104 cellsまき、48時間前培養した。
次に、培地をwellから取り除き、Insulin(10μg/mL)、Dexametazone(0.25μg/mL)、IBMX(0.5mM)を含むDMEM培地を加え、さらに48時間培養した。その後、Insulinのみを5μg/mL含むDMEM培地を用いて培地交換を4日間隔で培地交換を繰り返しながら、脂肪細胞への分化誘導を行った。その際、培地にネオキサンチンを添加し分化誘導に及ぼす影響を調べた。
(1)オイルレッド0による細胞内脂質の定量
96穴マイクロプレート中で培養した細胞をホルマリンにより固定後、オイルレッド0液を加え、細胞内の脂質を染色した。染色後、蒸留水で3回洗浄し、細胞観察を行った。次いで、イソプロパノ−ルを各wellに加え、色素を溶出させマイクロプレートリーダーを用いて490nmの吸光値を測定した。
(2)GPDH活性測定
GPDH (glycerol−3−phosphate−dehydro− genase )活性の測定にはGPDH活性測定キット(ホクドー(株))を用いた。即ち、3T3−L1前駆脂肪細胞を48時間、24wellプレートにて前培養後、上記と同様の方法で脂肪細胞への分化誘導を行った。培養後培地を取り除き、PBSにてwellを洗浄後、酵素抽出溶液をwellに加え細胞を回収した。次に細胞を超音波破砕機にて破砕後、12800gで遠心分離し、上清を回収し、酵素活性を測定した。
以下、得られた結果について図11〜図14を用いて詳述する。
図11、図12は、各々3T3−L1脂肪細胞の分化に伴う脂肪蓄積に及ぼすネオキサンチン、フコキサンチノールの影響を示した説明図である。縦軸は、オイルレッド0による細胞内脂質の定量の際のマイクロプレートリーダーを用いて測定される490nmの吸光値であり、この値が高いほど脂肪細胞が多いことを意味する。
図11から明らかなように、前駆脂肪細胞(3T3−L1)は分化することより細胞内には多くの脂肪が蓄積されている。これに対して、ネオキサンチン添加又はフコキサンチノール添加によりその蓄積は有意に抑制されていることが解かる。ネオキサンチン添加又はフコキサンチノール添加量に比例して、その抑制効果が如実に現れている。この結果は、細胞レベルでのネオキサンチン又はフコキサンチノールの抗肥満作用を示すものである。従って、ネオキサンチン又はフコキサンチノールを添加することは、ネオキサンチン又はフコキサンチノールを抗肥満活性剤として添加していることと同じ意味を有する。
図13、図14は、それぞれ3T3−L1脂肪細胞の分化に伴うGPDH活性増大に及ぼすネオキサンチン及びフコキサンチンとフコキサンチノールの影響を示した説明図である。縦軸は、前駆脂肪細胞を1とした時の相対GPDH活性であり、その値が大きい程活性が大きいことを意味する。
図13、図14より、細胞内での脂肪蓄積に関与する酵素(GPDH)活性は、ネオキサンチン添加、フコキサンチノール添加により低下していることが明らかである。この結果は、ネオキサンチン、フコキサンチノールの脂肪蓄積抑制効果の少なくとも一部が、こうした脂肪合成酵素活性の阻害によることを示すものである。
これに対し図6と図7で示した野菜などに含まれる極性基であるヒドロキシル基(OH基)及び/又はエポキシド基を有するがアレン構造を有しない他のカロテノイド添加では、脂肪蓄積とGPDH活性共にコントロールと有意な差は認められなかった。
以上のようにアレン構造を有し、かつ極性基であるヒドロキシル基(OH基)及び/又はエポキシド基を有するネオキサンチン及び参照例のフコキサンチン及びフコキサンチノールはいずれも顕著な抗肥満活性を示し、これに対し極性基であるヒドロキシル基(OH基)及び/又はエポキシド基を有するがアレン構造を有しない他のカロテノイド添加では特には抗肥満活性が示されないことからカロテノイドの抗肥満活性にはアレン構造が必須であり、本発明のアレン構造を有するカロテノイド(但し、フコキサンチン及びフコキサンチノールを除く。)を有効成分としてなる抗肥満活性剤が有効に機能することが示された。
本発明は、産業上は食品、とりわけ機能性食品素材の分野で活用することが可能であり、その他にも医学、農業の分野で応用することが可能である。このネオキサンチンを食品、肥料、農薬、化粧品又は医薬品に添加することで、抗肥満活性の機能性食品素材、抗肥満活性の肥料、抗肥満活性の医薬品などを構成することが出来るので、とりわけ機能性食品素材の市場を拡大することに大きく寄与することが予想される。
本発明の抗肥満活性剤を構成するカロテノイドが有するアレン構造及び極性基をネオキサンチンの構造式との関係で示す説明図。 アレン構造を有するカロテノイドを例示し、構造式を示した説明図 アレン構造を有するカロテノイドを例示し、構造式を示した他の説明図 アレン構造を有するカロテノイドを例示し、構造式を示した別の説明図 アレン構造を有するカロテノイドを例示し、構造式を示したまた別の説明図 本発明例の比較例として抗肥満活性を検討したアレン構造を有しないカロテノイドを例示して構造式を示す説明図。 本発明例の比較例として抗肥満活性を検討したアレン構造を有しないカロテノイドを例示して構造式を示す他の説明図。 ビート葉からのネオキサンチンの分離方法を示すフローチャート。 本発明の参照例であるホヤ抽出物のフコキサンチノールの薄相クロマトグラムを示す。 本発明の参照例で同定したフコキサンチノールの構造式をアレン構造及び極性基であるヒドロキシル基(OH基)や有機化合物中の橋かけ構造を有するエポキシド基との関係で示す説明図。 本発明のネオキサンチンの3T3−L1脂肪細胞の分化に伴う脂肪蓄積に及ぼす影響を示した説明図である。 本発明の参照例におけるフコキサンチノールの3T3−L1脂肪細胞の分化に伴う脂肪蓄積に及ぼす影響を示した説明図である。 本発明の3T3−L1脂肪細胞の分化に伴うGPDH活性増大に及ぼす影響を示した説明図である。 本発明の参照例であるフコキサンチノールの3T3−L1脂肪細胞の分化に伴うGPDH活性増大に及ぼす影響を示した説明図である。

Claims (7)

  1. アレン構造を有するカロテノイド(但し、フコキサンチン及びフコキサンチノールを除く。)を有効成分としてなることを特徴とする抗肥満活性剤。
  2. アレン構造を有するカロテノイドを食品及び飲料及びサプリメント及びペット用食餌及び化粧品及びサニタリー製品及び薬剤のうちのいずれかに添加あるいは混合してなることを特徴とする抗肥満活性剤。
  3. アレン構造を有するカロテノイドが極性基を有する請求項1又は請求項2に記載の抗肥満活性剤。
  4. アレン構造を有するカロテノイドが、粉末状態、ゲル状態、ゾル状態又は固体状態又はこれらを組み合わせたものである請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の抗肥満活性剤。
  5. アレン構造を有するカロテノイドが、有機溶媒可溶化又は乳剤化したものである請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の抗肥満活性剤。
  6. アレン構造を有するカロテノイドが、天然物から抽出し精製された成分及び有機合成によって得られた成分及び微生物を介して合成された成分の中から選ばれた少なくとも一種以上の組み合わせによって得られたものである請求項1〜請求項5の何れか一に記載の抗肥満活性剤。
  7. カロテノイドがネオキサンチンである請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の抗肥満活性剤。
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