JP2008279630A - 印刷機の搬送部材,搬送部材のインキ付着防止装置及び方法、並びに、印刷機及び輪転印刷機 - Google Patents

印刷機の搬送部材,搬送部材のインキ付着防止装置及び方法、並びに、印刷機及び輪転印刷機 Download PDF

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Abstract

【課題】商業用印刷機に使用されるガイドローラ等の搬送部材のインキ付着防止技術に関し、搬送部材に皮膜により撥インキ性を保持するとともに、オンラインで塗膜することができるようにする。
【解決手段】印刷機で使用され、印刷紙の紙面に接触する搬送部材10において、基材11と、基材11の表面を覆う、フッ素材料からなるフッ素材料単分子膜13とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、商業用印刷機に使用されるガイドローラ等の搬送部材のインキ付着防止技術に関するものである。
新聞印刷用等の輪転印刷機では、通常、給紙部から印刷部へと印刷紙が給紙され、印刷部において、版胴からブランケット胴に絵柄を転写し、ブランケット胴を介して印刷紙に印刷が施されるようになっている。そして、印刷部で印刷を施された印刷紙は、複数のガイドローラを経て折機へと搬送されるようになっている。
ここで、ガイドローラは、金属製の基材にクロムメッキで表面処理されたものが一般的である。このようなガイドローラは、印刷紙を搬送する際に印刷直後の紙面に接触して案内するために、紙面上の生乾きのインキがガイドローラ表面に付着(粘着)することがある。ガイドローラにインキが付着すると、このガイドローラに付着したインキが続く紙面に再転写され印刷紙の汚れが発生する不具合や、印刷された紙面上のインキの厚みが低下するためインキ色が薄くなり、印刷色調に影響するといった不具合を招く。
そこで、こうしたガイドローラへのインキの付着を防止する種々の技術が開発されている。
例えば、図8(a)に示すように、ガイドローラ等のローラ40の基材41の表面に凹凸形状を形成し、フッ素樹脂やシリコン樹脂をコーティングして樹脂膜42を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、図9に示すように、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics;炭素繊維強化プラスチック)製のガイドローラ50の基材51の表面に、球状微粒子アルミナを配合したシリコン・フッ素共重合体樹脂をコーティングして樹脂膜52を形成し、さらに、樹脂膜52上に球状微粒子アルミナを配合しないシリコン・フッ素共重合体樹脂をコーティングして樹脂膜53を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
なお、図8及び図9において、樹脂膜42,52,53についてのみ、識別しやすいようにハッチを付している。
図8(a)に示したガイドローラ40によれば、フッ素樹脂やシリコン樹脂等の樹脂膜42により、紙面からのインキの付着を効果的に防止することができる。つまり、ガイドローラ40に撥インキ性を保持させることができる。
また、図9に示したガイドローラ50によれば、シリコン・フッ素共重合体樹脂により、紙面からのインキの付着を効果的に防止することができる。同時に、球状アルミナにより、樹脂の耐磨耗性を向上させることができる。
特許第3132965号公報 特許第3222024号公報
ところで、図8(a)に示したガイドローラ40は、基材41と樹脂膜42との接着力を向上させるために、基材41の表面にブラスト処理を施して凹凸を形成している。しかし、使用を続けると、図8(b)に示すように、凸部の樹脂膜42が磨耗し、ローラ表面のフッ素が減少してしまうため、インキの付着を十分に防止することができなくなってしまうという課題がある。インキの付着を再び防止するためには、ガイドローラ40を機外へ取り外して、オフラインで樹脂を再度塗装したり、新しいガイドローラに交換したりする必要があり、生産性が悪化する。また、凹部にインキが入り込んでしまい、清掃によってもインキを除去し難いという課題がある。
また、図9に示したガイドローラ50も、最表面のアルミナを配合しないシリコン・フッ素共重合体樹脂膜53が磨耗してしまい、十分なインキの付着防止性能を確保するためには、ガイドローラ50を機外へ取り外してオフラインで樹脂を再度塗装する等の必要があり、生産性が悪化するという課題がある。さらに、アルミナを配合したシリコン・フッ素共重合体樹脂膜52においては樹脂・アルミナ間のクラックが多く、最表面の樹脂膜53が磨耗すると、クラック内にインキが入り込んでしまい、清掃によってもインキを除去し難いという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、皮膜により撥インキ性を保持するとともに、オンラインで塗膜することができるようにした、印刷機の搬送部材,搬送部材のインキ付着防止装置及び方法、並びに、搬送部材を装備した印刷機及び輪転印刷機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の印刷機の搬送部材は、印刷機で使用され、印刷紙の紙面に接触する印刷機の搬送部材であって、基材と、前記基材の表面を覆う、フッ素材料からなるフッ素材料単分子膜とを備えたことを特徴としている。
請求項2記載の本発明の印刷機の搬送部材は、請求項1記載の印刷機の搬送部材において、前記フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性を示す撥油性部位と、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応部位とを有した低分子量の有機分子であり、前記フッ素材料単分子膜は、前記フッ素材料が、前記基材側に前記反応部位を向け、大気側に前記撥油性部位を向けて配列し、膜状に形成されたものであることを特徴としている。
請求項3記載の本発明の印刷機の搬送部材は、請求項1又は2記載の印刷機の搬送部材において、前記基材は、その表面に水酸基が配されていることを特徴としている。
請求項4記載の本発明の印刷機の搬送部材は、請求項3記載の印刷機の搬送部材において、前記基材は、ガラス材料で形成されていることを特徴としている。
請求項5記載の本発明の印刷機の搬送部材は、請求項1又は2記載の印刷機の搬送部材において、前記基材の表面と前記フッ素材料単分子膜との間に、ガラス材料からなる中間膜を備えたことを特徴としている。
請求項6記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止装置は、印刷機に装備されて印刷紙の紙面に接触する搬送部材に対向して配置され、前記搬送部材の表面にフッ素材料を塗布する塗布装置を備えたことを特徴としている。
請求項7記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止装置は、請求項6記載の搬送部材のインキ付着防止装置において、前記フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性を示す撥油性部位と、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応部位とを有した低分子量の有機分子であることを特徴としている。
請求項8記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止装置は、請求項6又は7記載の搬送部材のインキ付着防止装置において、前記搬送部材の表面を洗浄する洗浄装置をさらに備えたことを特徴としている。
請求項9記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止装置は、請求項6〜8の何れか1項に記載の搬送部材のインキ付着防止装置において、前記搬送部材はローラであって、前記ローラは、印刷が施された前記印刷紙の搬送される搬送経路上に、複数並んで配置され、前記塗布装置は、前記搬送経路最上流に配置される前記ローラに対して配置されていることを特徴としている。
請求項10記載の本発明の印刷機は、印刷紙を供給する給紙部と、前記給紙部から供給された前記印刷紙にインキを転写して印刷を行なう印刷部と、インキが転写された前記印刷紙の紙面に接触して前記印刷紙を搬送する搬送部材とを備え、前記搬送部材は、基材と、前記基材の表面を覆う、フッ素材料からなるフッ素材料単分子膜とを有していることを特徴としている。
請求項11記載の本発明の輪転印刷機は、ウェブを供給する給紙部と、前記給紙部から供給された前記ウェブにインキを転写して印刷を行なう印刷部と、前記印刷部で印刷された前記ウェブを搬送するウェブパス部と、前記ウェブパス部から搬送された前記ウェブを断裁し、折り曲げて折帳を形成する折機とを備えるとともに、前記ウェブパス部には、印刷された前記ウェブの紙面に転接して前記ウェブを搬送するローラと、前記ローラの表面に対向して配置され、前記ローラの表面にフッ素材料を塗付する塗付装置とを有していることを特徴としている。
請求項12記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止方法は、印刷機に装備されて印刷紙の紙面に接触する搬送部材の表面に、フッ素材料を塗布し、フッ素材料単分子膜を形成することを特徴としている。
請求項13記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止方法は、請求項12記載の搬送部材のインキ付着防止方法において、前記フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性を示す撥油性部位と、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応部位とを有した低分子量の有機分子であり、前記フッ素材料単分子膜は、前記フッ素材料が、前記搬送部材の表面側に前記反応部位を向け、大気側に前記撥油性部位を向けて配列し、膜状に形成されたものであることを特徴としている。
請求項14記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止方法は、請求項12又は13記載の搬送部材のインキ付着防止方法において、前記搬送部材の表面を洗浄した後、前記搬送部材の表面に前記フッ素材料を塗布することを特徴としている。
請求項15記載の本発明の搬送部材のインキ付着防止方法は、請求項12〜14の何れか1項に記載の搬送部材のインキ付着防止方法において、前記搬送部材はローラであって、前記ローラを、印刷が施された前記印刷紙の搬送される搬送経路上に複数並んで配置し、前記複数のローラのうち、前記搬送経路最上流に配置されるローラに対しては、前記フッ素材料を直接塗布し、他のローラに対しては、前記最上流に配置されるローラから前記フッ素材料を転写された前記印刷紙を介して前記フッ素材料を塗布することを特徴としている。
本発明によれば、搬送部材の表面がフッ素材料単分子膜で覆われるので、フッ素材料のフッ素の力によってインキの付着を防止することができる。また、フッ素材料単分子膜は、膜厚が1μm以下と極めて薄く形成されるので、常温且つ短時間で自然乾燥する。したがって、膜形成に加熱処理が必要ないので、フッ素材料単分子膜が磨耗しても、搬送部材を機上に取り付けたままオンラインでフッ素材料を塗布し、フッ素材料単分子膜を形成することができ、生産性を悪化させることなく、搬送部材の十分な撥インキ性を確保することができる。また、フッ素材料単分子膜を乾燥させるための特別の設備を備える必要がないという利点がある(請求項1,6,12)。
また、フッ素材料単分子膜の反応部位が無機材料と化学結合して基材側(搬送部材の表面側)に接着するので、従来のように基材(搬送部材)に大きな凹凸形状を形成する必要がなく、搬送部材表面(基材表面)を滑らかな状態とすることができる。そして、フッ素材料単分子膜の膜厚が1μm以下であるので、滑らかな表面形状を忠実に維持することができる。また、このようなフッ素材料単分子膜が形成されたとしても、インキの付着を完全に防止することができない場合もあるが、表面が高い平滑性を有した極めて微細な凹凸形状であるので、インキが搬送部材に付着しても、凹部深くにインキが入り込まず、搬送部材からインキを良好に除去することができる。さらに、フッ素材料単分子膜の撥油性部位が大気側に配列するので、インキの付着防止性能をより高めることができる(請求項2,7,13)。
また、基材の表面に水酸基が配されていれば、フッ素材料単分子膜の反応部位の化学結合を良好にし、フッ素材料単分子膜を基材に密着させることができる(請求項3)。さらに、基材がガラス材料で形成されていれば、基材の表面により多くの水酸基を配し、フッ素材料単分子膜の反応部位の化学結合の程度を高めることができる(請求項4)。
また、基材の表面とフッ素材料単分子膜との間に、ガラス材料からなる中間膜を備えれば、フッ素材料単分子膜の反応部位が中間膜の水酸基と良好に化学結合して、フッ素材料単分子膜を基材側に密着させることができるとともに、基材の材料が特に限定されず、基材として様々なものを用いることができる。例えば鋳鉄や鋼鉄やクロム鋼等の金属製の基材にすれば、表面を平滑に形成しやすいとともに、強度を十分に確保することができる。また、例えばCFRP製の基材にすれば、高い強度を有しながら軽量であるので、印刷機の運転速度が高速である場合にも適している(請求項5)。
また、搬送部材の表面を洗浄した後に、搬送部材の表面にフッ素材料を塗付するようにすれば、搬送部材に付着したホコリ・油脂等を取り除いた後にフッ素材料が塗付されるので、フッ素材料の接着性を高めることができる(請求項8,14)。
また、搬送部材が、印刷が施された印刷紙の搬送される搬送経路上に複数並んで配置されたローラである場合において、搬送経路最上流に配置されたローラに限って、塗付装置によりフッ素材料を直接塗付するようにしても、他のローラに対しては、搬送経路最上流に配置されたローラからフッ素材料を転写された印刷紙を介してフッ素材料を塗付することができる。したがって、全てのローラに塗付装置を備える必要がないので、コストを抑えることができる(請求項9,15)。
また、印刷機において、搬送部材の表面がフッ素材料単分子膜で覆われるので、フッ素材料のフッ素の力によってインキの付着を防止することができる。したがって、搬送部材に付着したインキが続く紙面に再転写されることによる印刷紙面の汚れ等の印刷障害や、紙面上のインキ膜厚が低下してインキ色が薄くなり、印刷色調に影響するといった印刷品質の低下を抑制することができる。そして、高品質の印刷物を提供することができるとともに、印刷障害を抑制することができるため、所望の印刷品質に満たない損紙の低減を図ることができる(請求項10)。
また、輪転印刷機において、ローラに付着したインキが続く紙面に再転写されることによる印刷紙面の汚れ等の印刷障害や、印刷された紙面上のインキがローラに転写され、紙面上のインキ膜厚が低下してインキ色が薄くなり、印刷色調に影響するといった印刷品質の低下を抑制することができる。したがって、高品質の印刷物を提供することができるとともに、印刷障害を抑制することができるため、所望の印刷品質に満たない損紙の低減を図ることができる。また、塗付されたフッ素材料からなるフッ素材料単分子膜により撥インキ性を保持するとともに、オンラインで塗膜することができるようになるため、印刷機の生産性が向上する。特に、印刷紙であるウェブが重ねられて搬送され擦れの発生が多い(すなわち、インキの付着する割合が高い)新聞用の輪転印刷機に備えられると好適である(請求項11)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[一実施形態]
図1〜図4は、本発明の一実施形態の搬送部材のインキ付着防止装置を示す図であって、図1は搬送部材の表面近傍を拡大して示す模式的な断面図、図2はインキ付着防止装置の全体構成を示す模式図、図3はインキ付着防止装置によるインキ付着防止方法を示すフローチャート、図4は搬送部材を装備した輪転印刷機の模式的な構成図である。
<構成>
ここでは、新聞用オフセット輪転印刷機の搬送部材としてのいわゆるドラグローラやガイドローラ等のローラに適用した場合について説明する。
図4に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機(以下、単に新聞輪転機という)100は、給紙部101及び印刷部102を有する複数のタワーユニットT1〜T5と、ウェブパス部103と、折機104とを備えて構成されている。
給紙部101は、ロール状に巻き取られたウェブ(連続する印刷紙)1を繰り出しながらウェブ1に適正な張力を与えて、ウェブ1を印刷部102へ供給するようになっている。印刷部102は、給紙部101から供給されたウェブ1にインキを転写して印刷を行なうようになっている。ウェブパス部103は、複数の印刷部102で印刷された各ウェブ1を複数重ねた状態で、折機104へと搬送するようになっている。折機104は、ウェブパス部103において複数重ねられたウェブ1を、縦断裁した後、三角板により縦折りするとともに、鋸胴により横断裁し、折胴及び折込ローラにより横折りすることで、所望の折帳を形成するようになっている。
印刷部102とウェブパス部103とについて図2を用いて詳述する。図2は、図4のタワーユニットT1の一部を拡大して模式的に示している。印刷部102は、版胴5aとブランケット胴5bとを含む印刷ユニット5を少なくとも一つ備えている。ウェブパス部103は、ウェブ1を案内する複数のローラ(搬送部材)10,20を有している。ここで、図2に示す複数のローラ10,20のうちの印刷後搬送経路(印刷が施された後のウェブ1の搬送経路)の最上流に位置するローラ10は、ウェブ1の両面に接するように対をなして設けられ、ウェブ1をその間に挟んで紙引きするドラグローラであって、ウェブ1の走行位置を規制しながら走行駆動する。一方、印刷後搬送経路の第二番目以降に位置するローラ20は、ウェブ1の片面に接して従動回転するガイドローラであって、ウェブ1の走行位置を規制する。なお、ここでは、印刷後搬送経路の最上流にドラグローラ10が位置し、搬送経路第2番目以降にガイドローラ20が複数並ぶ構造になっているが、これらドラグローラ10及びガイドローラ20の配置構造はこの限りではない。
ここで、本実施形態の特徴として、新聞輪転機100は、複数のローラ10,20のうちの適宜選択されたローラ10,20に対向して配置された噴射装置(塗布装置,洗浄装置)30を備えている。ここでは、印刷ユニット5直下流(換言すると、印刷後搬送経路における最上流であって、搬送経路第1番目)のローラ10に対向して、噴射装置30が備えられている。
ローラ10,20は、印刷ユニット5よりもウェブ1の搬送方向下流側に配置されており、印刷ユニット5で印刷を施されたウェブ1の紙面に接触するため、ウェブ1の紙面上のインキが付着しやすい。このうち最上流に位置するローラ10は、最もインキが付着しやすいので、このローラ10へのインキの付着を防止したい。そこで、印刷ユニット5直下流のローラ10に限って噴射装置30が備えられるのである。
ただし、インキの付着防止対象となるローラは、印刷ユニット5に最も近い(つまり、最上流の)ローラに限ったものではなく、後述するように、印刷ユニット5に最も近いローラから連続する複数のローラとしたり、印刷ユニット5から一定以上距離を隔ててインキ粘度が高まる箇所に配置されたローラや、このローラをはじめとした連続する複数のローラとしたりすることも考えられる。
さて、搬送経路最上流のローラ10は、図1に示すように、母体である基材11と、基材11の表面を覆う中間膜12と、中間膜12を介して基材11の表面を被覆するフッ素材料単分子膜13とを有している。
基材11は、ここでは鋳鉄により円筒形状に形成されている。なお、後述するが、基材11の材料は鋳鉄に限らない。また、基材11の表面は平滑性が高く、凹凸が極めて微細に形成されている。この超微細凹凸構造は、従来のブラスト処理のような比較的大きな凹凸形状ではなく、できるだけ滑らかな表面になるように、凸高さが低く且つ凸ピッチが狭く形成されたものである。具体的には、凸高さが1〜10μm(より好ましくは3〜5μm)且つ凸ピッチが50〜200μm(より好ましくは60〜90μm)に形成されている。
中間膜12は、ガラス状の物質(ガラス材料)で形成されるガラス薄膜である。ガラス材料としては、例えば、アクアミカ(登録商標)を用いることができる。アクアミカを用いれば、膜厚が1μm以下と極めて薄いガラス膜を形成することができる。
フッ素材料単分子膜13は、フッ素材料から形成されている。フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性(撥インキ性)を示す撥油性部位(低表面張力性発現部位)13aと、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応基(反応部位)13bとを有した低分子量の有機分子である。そして、フッ素材料単分子膜13は、フッ素材料が、基材11側に反応基13bを向け、大気側に撥油性部位13aを向けて整列し、膜状に形成されている。詳しくは、フッ素材料単分子膜13中の反応基13bと中間膜12のガラス材料中の水酸基(OH基)とが化学結合し、フッ素材料は基材11側に反応基13bを向けて整列するようになっている。また、フッ素材料単分子膜13は、膜厚が極めて薄く(10〜20nmという1μm以下の薄さに)形成される。
なお、フッ素材料としては、例えば、フロロサーフ(登録商標)を用いることができる。フロロサーフは、フッ素を含む特殊な分子(フッ素材料)を不燃性のフッ素系溶剤や石油系溶剤に溶解し溶液化したものである。
噴射装置30は、フッ素材料を貯留する樹脂タンクと、洗浄液を貯留する洗浄液タンクと、各タンクにホースを介して接続されたノズルとを有し、図2に示すように、ローラ10の表面に向かって、フッ素材料又は洗浄液をスプレー噴射できるようになっている。
<塗付方法>
ここで、噴射装置30によるフッ素材料の塗布方法について説明する。
図3に示すように、まず、印刷が終了した段階であって、且つ、ウェブ1が未だ搬送されている状態で、噴射装置30から洗浄液を噴射し、ローラ10を洗浄する(ステップS10;脱脂工程)。この洗浄は、ローラ10にホコリ・油脂等が付着しているとフッ素材料の接着性が損なわれるので、フッ素材料を塗布する前にこれらを取り除くべく行なわれる。
次に、今度は噴射装置30からフッ素材料を噴射し、ローラ10表面をフッ素材料でコーティングする(ステップS20;塗膜工程)。
そして、ウェブ1を給紙部101で切断する(ステップS30)。なお、ローラ10表面のコーティングが終わるまで、新聞輪転機100にはウェブ1が搬送されている状態とする。
<作用・効果>
本発明の一実施形態にかかる搬送部材のインキ付着防止装置は上述のように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
ローラ10の最表面は、図1に示すように、フッ素材料単分子膜13が形成されているので、撥油性部位13aのフッ素の力でインキを弾き、インキの付着を防止することができる。つまり、ローラ10に撥インキ性を保持させることができる。
そして、ローラ10は、使用を続けるとフッ素材料単分子膜13が磨耗するが、オンライン(機上に設置したままの状態)で噴射装置30によりローラ10に向かってフッ素材料を噴射することができる。したがって、撥インキ性のあるフッ素材料単分子膜13が磨耗しても、従来のように、オフライン(機外へ取り外した状態)でガイドローラを交換したり、磨耗した樹脂膜を再形成したりする必要がないという利点がある。
つまり、従来のローラでは、磨耗や劣化によりローラ表面の防汚性が低下した場合、樹脂膜形成等の表面処理に加熱を必要とするために、オフラインでの作業が必要であった。これに対し、本実施形態では、フッ素材料単分子膜13は、膜厚が1μm以下に形成されるので、常温で短時間(数秒〜数分程度)放置すれば自然乾燥し、化学反応によりローラ10の基材11側に密着してフッ素材料単分子膜13を形成することができる。したがって、ローラ10のフッ素材料単分子膜13が磨耗しても、オンラインで塗布装置30によってフッ素材料をローラ10に塗布し、フッ素材料単分子膜13を形成することができ、その撥インキ性を生産性を悪化させることなく常時確保することができる。また、フッ素材料単分子膜13を乾燥させるための特別の設備を備える必要がないという利点がある。さらに、フッ素材料単分子膜13の反応基13bとガラス材料中のOH基とが反応して結合するので、従来のように基材11に大きな凹凸形状を形成する必要がなく、滑らかな表面にすることができる。
また、フッ素材料単分子膜13は、膜厚が1μm以下に形成されるので、基材11の超微細凹凸形状を忠実に維持することができる。したがって、このようなフッ素材料単分子膜13により、インキの付着を完全に防止することができない場合があっても、ローラ10の表面が高い平滑性を有した超微細凹凸形状であるので、インキがローラ10に付着しても、凹部深くにインキが入り込まず、ローラ10からインキを良好に除去することができる。
また、噴射装置30を洗浄と塗布とで切り換えて使用するので、インキ付着防止装置の設置スペースを広く確保する必要がないという利点がある。
また、搬送経路最上流に位置するローラ10にのみ噴射装置30を備え、続くローラ20に対しては、フッ素材料が転写されたウェブ1を介して、フッ素材料を塗布することができる。つまり、噴射装置30から洗浄液やフッ素材料を噴射している間は、ウェブ1が搬送されている状態であるので、最上流のローラ10にのみフッ素材料を直接塗布すれば、ローラ10からウェブ1にフッ素材料が転写され、フッ素材料が転写されたそのウェブ1から下流側のローラ20にフッ素材料が再転写される。したがって、全てのローラ10,20に噴射装置30を備えることなく、フッ素材料を塗付することができ、インキ付着防止装置の設置コストを抑えることができるという利点がある。なお、このとき、続くローラ20についても、ローラ10と同様に、予め、基材に中間膜とフッ素材料単分子膜とがコーティングされていることが好ましい。もちろん、噴射装置30を備えるローラに限って基材11に中間膜12とフッ素材料単分子膜13がコーティングされていても、噴射装置30はインキが付着しやすいものを対象に設置するので、噴射装置30を設置しない他のローラに中間膜とフッ素材料単分子膜とを予めコーティングしなくても、印刷機においてローラからのインキ再転写によるウェブ1の汚れを十分に防止することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上記実施形態では、基材11に鋳鉄を用いたが、基材11の材料はこれに限らない。また、上記実施形態では、基材11にガラス材料をコーティングして中間膜12を形成した後、フッ素材料をコーティングしてフッ素材料単分子膜13を形成しているが、図5に示すように、基材11にフッ素材料を直接コーティングしてフッ素材料単分子膜13を形成しても良い。
ただし、基材11の材料は、重量,強度の観点から、鋳鉄,鋼鉄やクロム鋼等の金属製材料やCFRPが好ましい。また、フッ素材料の反応基13bの反応性を向上させ、接着性と耐久性とを高めるべく、フッ素材料単分子膜13の内側の表面に接する部分(中間膜12や基材11の表面)には、OH基を含んだ材料(例えば、ガラス材料)を用いることが好ましい。OH基を含んだ材料としては、例えば、ガラス材料,エポキシ樹脂,アクリル樹脂及びポリビニルアルコール等が挙げられるが、硬度等の観点から、ガラス材料が特に好ましい。
つまり、基材11を覆う皮膜として、ガラス材料からなる中間膜12とフッ素材料単分子膜13との二重膜を有している場合には、基材11の材質には特に限定はないが、基材11を覆う皮膜としてフッ素材料単分子膜13のみしか有さない場合には、基材11の材質はOH基を含んだ材料であることが好ましい。
また、上記実施形態では、印刷後搬送経路最上流のローラ10に対してのみ噴射装置30を備えているが、印刷後搬送経路上の全てのローラ10,20に対してそれぞれ噴射装置30を備えても良いし、図6(a)〜(d)に黒く塗りつぶして示すように、印刷後搬送経路上の適宜の位置のローラ10,20に対して噴射装置30を備えても良い。
ここで、適宜の位置のローラ10,20とは、例えば、ウェブ1を介してフッ素材料を間接的にローラ20に塗付することを考慮して、図6(a),(b)に示すように、搬送経路上に並ぶ複数のローラ10,20のうちの最上流のローラ10を基点として、適宜の個数毎のローラ10,20とすると良い。適宜の個数毎は、図6(a)に示すように、一定の個数毎にしても良いし、図6(b)に示すように、下流に進むに従い個数が増加するような不定の個数毎にしても良い。
または、例えば、ウェブ1の紙面上のインキのローラ10,20への付着しやすさを考慮して、図6(c)に示すように、搬送経路を上流側と下流側とに適宜区画し、搬送経路上流側に配置されるローラ10,20を適宜の位置のものとしても良い。もしくは、図6(d)に示すように、印刷ユニット5からやや離れた特定の領域のローラ20(印刷ユニット5の直下流の1又は複数のローラを除いて、これに続く1又は複数のローラ)を適宜の位置のものとしても良い。図6(d)に示す例の特定の領域について説明すると、インキがローラの表面に付着するのは、詳しくは、インキの粘度が高まり且つインキの硬化が進まない段階である。印刷直後はインキの粘度が低いが、印刷後、インキの溶剤分が紙面に浸透していくにしたがってインキの粘度が上昇し、ローラの表面に粘着しやすくなる。一方、インキの樹脂成分は、時間と共に硬化していき、ローラの表面に粘着し難くなる。したがって、ウェブ1の紙面上のインキが所定値以上の粘度となって硬化進行が所定レベル以下の搬送経路上の特定の領域において、塗付装置30を備えれば、図6(c)に示す例に比べ、噴射装置30併設の対象とするローラの選定は難しいが、効率良く、紙面からローラへのインキの付着を抑制することができる。
また、上記実施形態では、噴射装置30が、フッ素材料の塗付装置とローラ10の洗浄装置とを兼用しているが、塗付装置と洗浄装置とは別体に備えても良い。
そして、上記実施形態では、ノズルを備えた噴射装置30によりフッ素材料をスプレー式で塗布したが、フッ素材料を塗布する方法はこれに限らない。例えば、噴射装置30に代えて、ローラ10に当接可能な塗付用ローラを備え、塗布用ローラをローラ10に接触させることでフッ素材料を塗布しても良い。または、フッ素材料を含浸させた布を通して塗布しても良いし、刷毛等を用いて塗付しても良い。
また、上記実施形態では、噴射装置30により洗浄液をスプレー式で噴射してローラ10を洗浄したが、ローラ10を洗浄する方法もこれに限らない。例えば、洗浄液を含浸させた布をローラ10の表面に対向して配置し、この布をローラ10に当接させて、ローラ10の表面を洗浄しても良い。
また、上記実施形態では、輪転印刷機のローラ10,20に適用した場合について説明したが、例えば、枚葉印刷機の圧胴や中間胴(渡し胴)や真空車(吸引車,ブレーキ車)等の、印刷が施された印刷紙が接触する他の搬送部材にも適用することが勿論可能である。
例えば、図7に示すように、枚葉印刷機110は、一般的に、給紙部(図示略)と印刷部112と排紙部113とを備えている。給紙部は、給紙テーブル上にシート(印刷紙)111を積重し、シート111を一枚ずつ順次次工程の印刷部112へ供給するようになっている。印刷部112は、インキの色毎に複数の印刷ユニット112a〜112nを備えるとともに、各印刷ユニット112a〜112nに版胴121,ブランケット胴122,圧胴123及び中間胴124を備え、給紙部から連続的に供給されてくるシート111を、圧胴123や中間胴124に具備させた爪装置を用いて順次移送し、その途上において次々とインキを転写し、印刷を施すようになっている。排紙部113は、エンドレスチェン125や爪装置126を有するシート搬送部と真空車127や排紙テーブル128を有するシート積重装置129とを備え、印刷部112において印刷を施されたシート111を、真空車127によってシート111の姿勢を安定させながらシート搬送部によって排紙テーブル128上に移送し落下積重させるようになっている。
このような圧胴123,中間胴124及び真空車127に対して本発明を適用し、圧胴123,中間胴124及び真空車127の表面をフッ素材料単分子膜で被覆したり、上述の噴射装置30を対向設置してそれら圧胴123等の表面にフッ素材料を噴射したりすると、枚葉印刷機110においても、圧胴123等の表面に付着したインキが続くシート111に再転写されることによる印刷紙面の汚れ等の印刷障害や、印刷された紙面上のインキが圧胴123等に転写され、紙面上のインキ膜厚が低下してインキ色が薄くなり、印刷色調に影響するといった印刷品質の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る搬送部材の表面近傍を拡大して示す模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る搬送部材のインキ付着防止装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る搬送部材のインキ付着防止方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る搬送部材を装備した新聞輪転機の模式的な構成図である。 本発明のその他の実施形態に係る搬送部材の表面近傍を拡大して示す模式的な断面図である。 (a)〜(d)ともそれぞれ、本発明のその他の実施形態に係る搬送部材のインキ付着防止装置の全体構成を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態に係る搬送部材を装備した枚葉印刷機の模式的な構成図である。 本発明の従来技術に係るガイドローラの表面近傍を拡大して示す模式的な断面図であって、(a)は通常の状態を示し、(b)は表面が磨耗している状態を示している。 本発明の他の従来技術に係るガイドローラの表面近傍を拡大して示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 ウェブ(印刷紙)
5 印刷ユニット
10 ローラ(ドラグローラ,搬送部材)
11 基材
12 中間膜
13 フッ素材料単分子膜
13a 撥油性部位
13b 反応基(反応部位)
20 ローラ(ガイドローラ,搬送部材)
30 噴射装置
40,50 ガイドローラ
41,51 基材
42,52,53 樹脂膜
100 新聞用オフセット輪転印刷機(新聞輪転機)
101 給紙部
102 印刷部
103 ウェブパス部
104 折機
110 枚葉印刷機
111 シート(印刷紙)
112 印刷部
113 排紙部
121 版胴
122 ブランケット胴
123 圧胴
124 中間胴
125 エンドレスチェン
126 爪装置
127 真空車
128 排紙テーブル
129 シート積重装置

Claims (15)

  1. 印刷機で使用され、印刷紙の紙面に接触する印刷機の搬送部材であって、
    基材と、
    前記基材の表面を覆う、フッ素材料からなるフッ素材料単分子膜とを備えた
    ことを特徴とする、印刷機の搬送部材。
  2. 前記フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性を示す撥油性部位と、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応部位とを有した低分子量の有機分子であり、
    前記フッ素材料単分子膜は、前記フッ素材料が、前記基材側に前記反応部位を向け、大気側に前記撥油性部位を向けて配列し、膜状に形成されたものである
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の搬送部材。
  3. 前記基材は、その表面に水酸基が配されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機の搬送部材。
  4. 前記基材は、ガラス材料で形成されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の印刷機の搬送部材。
  5. 前記基材の表面と前記フッ素材料単分子膜との間に、ガラス材料からなる中間膜を備えた
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機の搬送部材。
  6. 印刷機に装備されて印刷紙の紙面に接触する搬送部材に対向して配置され、前記搬送部材の表面にフッ素材料を塗布する塗布装置を備えた
    ことを特徴とする、搬送部材のインキ付着防止装置。
  7. 前記フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性を示す撥油性部位と、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応部位とを有した低分子量の有機分子である
    ことを特徴とする、請求項6記載の搬送部材のインキ付着防止装置。
  8. 前記搬送部材の表面を洗浄する洗浄装置をさらに備えた
    ことを特徴とする、請求項6又は7記載の搬送部材のインキ付着防止装置。
  9. 前記搬送部材はローラであって、
    前記ローラは、印刷が施された前記印刷紙の搬送される搬送経路上に、複数並んで配置され、
    前記塗布装置は、前記搬送経路最上流に配置される前記ローラに対して配置されている
    ことを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の搬送部材のインキ付着防止装置。
  10. 印刷紙を供給する給紙部と、
    前記給紙部から供給された前記印刷紙にインキを転写して印刷を行なう印刷部と、
    インキが転写された前記印刷紙の紙面に接触して前記印刷紙を搬送する搬送部材とを備え、
    前記搬送部材は、基材と、前記基材の表面を覆う、フッ素材料からなるフッ素材料単分子膜とを有している
    ことを特徴とする、印刷機。
  11. ウェブを供給する給紙部と、
    前記給紙部から供給された前記ウェブにインキを転写して印刷を行なう印刷部と、
    前記印刷部で印刷された前記ウェブを搬送するウェブパス部と、
    前記ウェブパス部から搬送された前記ウェブを断裁し、折り曲げて折帳を形成する折機とを備えるとともに、
    前記ウェブパス部には、印刷された前記ウェブの紙面に転接して前記ウェブを搬送するローラと、前記ローラの表面に対向して配置され、前記ローラの表面にフッ素材料を塗付する塗付装置とを有している
    ことを特徴とする、輪転印刷機。
  12. 印刷機に装備されて印刷紙の紙面に接触する搬送部材の表面に、フッ素材料を塗布し、フッ素材料単分子膜を形成する
    ことを特徴とする、搬送部材のインキ付着防止方法。
  13. 前記フッ素材料は、炭素鎖にフッ素原子が結合し、撥油性を示す撥油性部位と、無機材料と化学的に結合する反応性を示す反応部位とを有した低分子量の有機分子であり、
    前記フッ素材料単分子膜は、前記フッ素材料が、前記搬送部材の表面側に前記反応部位を向け、大気側に前記撥油性部位を向けて配列し、膜状に形成されたものである
    ことを特徴とする、請求項12記載の搬送部材のインキ付着防止方法。
  14. 前記搬送部材の表面を洗浄した後、前記搬送部材の表面に前記フッ素材料を塗布する
    ことを特徴とする、請求項12又は13記載の搬送部材のインキ付着防止方法。
  15. 前記搬送部材はローラであって、前記ローラを、印刷が施された前記印刷紙の搬送される搬送経路上に複数並んで配置し、
    前記複数のローラのうち、前記搬送経路最上流に配置されるローラに対しては、前記フッ素材料を直接塗布し、他のローラに対しては、前記最上流に配置されるローラから前記フッ素材料を転写された前記印刷紙を介して前記フッ素材料を塗布する
    ことを特徴とする、請求項12〜14の何れか1項に記載の搬送部材のインキ付着防止方法。
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