JP2008277164A - 回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地絡電流検出手段により地絡電流が検出された場合に,前記回路遮断器が有する接点開閉機構部に作用し,接点を開状態にせしめる地絡電流による引外し手段を備えたことを特徴として構成したことを特徴として回路遮断器を提供した。
【選択図】図1
Description
漏電遮断器は,電路において検出した漏電電流が,予め定められた感度電流値に到達した場合に該漏電遮断器内に設けられた接点を開路動作し電路を遮断する。
ところで,近年では,漏電が発生しても直ちに遮断することが好ましくない回路,例えば,工場の配電設備や各種工作機械の電源など,連続給電が必要な回路が増えてきており,漏電監視は行いたいが,給電は必要という状況が増加している。
交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流,及び前記交流電路や設備などの充電部から大地に流れる電流が含まれる漏電電流において,前記交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流である地絡電流を検出する地絡電流検出手段を備えたことを特徴として構成したことを特徴して回路遮断器を提供したものである。
該電路を入切する接点開閉機構部と,
前記電路に所定の電流が流れた場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う第一の引外し手段と,
所定の動作信号を受けて動作し,前記接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行うトリップコイルからなる第二の引外し手段と,
前記電路における地絡電流を検出する地絡電流検出手段と,
該地絡電流検出手段により所定の大きさの地絡電流が検出された場合に,前記第二の引外し手段に向けて所定の動作信号を出力する第二の引外し手段駆動手段と,
を備えたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
<回路遮断器の外観>
第1の実施形態として,3線式の電路に一般的に用いられる回路遮断器の例を示し,その外観図を図1乃至図6に示す。
回路遮断器1の筐体外部には,電路に接続される電源側端子102,及び負荷側端子103とが設けられ,回路遮断器1の筐体内部には,電路を入切するための接点開閉機構部と,一部が筐体外部に露出して該接点開閉機構部を駆動させるための操作ハンドル101と,前記電路に過電流など所定の電流が流れた場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う熱動素子もしくは電磁引外し素子を含んでなる第一の引外し手段と,所定の動作信号を受けて動作し,前記接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行うトリップコイルからなる第二の引外し手段と,前記電路における地絡電流成分を検出する地絡電流検出手段と,該地絡電流検出手段により所定の大きさの地絡電流が検出された場合に,前記第二の引外し手段に向けて所定の動作信号を出力する第二の引外し手段駆動手段とを備えている。
前記操作部1005の拡大図を図12に示している。
該操作部1005は,押しボタン式の操作部であり,
回路遮断器1の動作モードを設定するための,設定項目選択部1005aと,
前記設定項目選択部1005aにより選択された設定項目を決定操作するための設定値決定部1005bと,
前記感度電流値などの設定項目を増減選択操作するための設定値増加部1005c,設定値減少部1005dと,
設定された設定値を確認するための設定値確認部1005eと,を備えている。
前記表示部1002は,液晶ディスプレイにより構成されており,該表示部1002には,回路遮断器が動作を行うための各種設定値や,検出対象の電流の設定値に対する割合などを視覚的に表示し,前記操作部1005と連動して演算処理回路にて演算処理され,該操作部1005に操作した事項は,適宜表示部1002に表示されるように構成されている。
図1における表示部は,回路遮断器1の運用時における各種表示の状態を示したものである。該表示部1002では,前記回路遮断器1が,遮断動作もしくは警報を発する動作の動作要因とする検出対象の電流を表示する検出方式と,
検出対象の電流についての動作閾値となる感度電流を表示する感度電流と,
前記感度電流に対する現在の検出対象の電流の割合を示す現在のレベルと,
検出対象の電流が所定の大きさ(感度電流)に達したときの動作モードを示す動作モードの表示が行われ,運用時に必要な情報をユーザーが視認可能なように表示する。
次に,図2における表示部は,回路遮断器1の設定値確認時における各種表示の状態を示したものである。この状態は,操作部1005における設定値確認部1005eを押圧すると,演算処理回路が記憶しておいた設定値を読み込むことにより,該表示部1002に,現在設定されている各種設定値,即ち,前記検出方式と,前記感度電流と,前記動作モードならびに,前記検出対象の電流が前記感度電流に達した場合に前記動作モードに基づいて動作を行うまでの動作時間の表示を行う。これにより,ユーザーは,回路遮断器1の設定値を,表示部を確認することにより視認可能となる。
次に,図3乃至図6における表示部は,回路遮断器1の各種設定を行う場合の表示の状態を示したものである。
本実施例においては,設定項目として,前記「検出方式」と,前記感度電流を設定する「感度」と,前記動作モードならびに前記動作時間を設定する「動作」の3つの大項目があり,それぞれの大項目について,詳細な設定項目(小項目)が付随しているため,それぞれ順を追って説明を行う。
まず,基本的な選択/決定の流れについて説明を行う。
前記回路遮断器1に各種設定を行う場合,前記設定項目選択部1005aを押圧する。すると,前記演算処理回路に信号が入力され,回路遮断器1は前記大項目の選択受付待機モードに切り替わる。
前記小項目が選択されているときには大項目の選択状態に切り替わり,
前記大項目が選択されているときには運用状態に切り替わる。
続いて,前述した基本的な選択/決定の流れに基づいて,図3乃至図6を用いて設定項目を選択/決定する場合について説明を行う。
図3には,選択表示に切り替わった場合の初期表示状態を示している。初期表示状態では,検出方式のところに,カーソルが反転オーバーレイ表示され,「検出方式」を選択するモードになっている。この状態で,前記設定値決定部1005bを押圧すると,該検出方式の小項目である検出対象の電流項目(Io/Ior/off)にアクティブなカーソルが遷移し,前記設定項目選択部1005aを押圧することで,検出対象の電流項目を順次選択することができるようになる。
次に,この状態で,設定項目選択部1005aを押圧すると,図4に示した「動作」を選択するモードとなる。続いて設定値決定部1005bを押圧すると,小項目である「モード」及び「時間」を選択するモードとなる。図4では,モードが警報で,動作時間が0.3秒となるように選択している。
次に,この状態で,前記設定項目選択部1005aを押圧すると,図6に示した「感度」を選択するモードとなる。続いて,設定値決定部1005bを押圧すると,小項目である各々の検出対象の電流(Io/Ior)についての感度を選択するモードとなる。
検出対象の電流についての動作閾値となる感度電流を表示する感度電流と,
前記感度電流に対する現在の検出対象の電流の割合を示す現在のレベルと,
検出対象の電流が所定の大きさ(感度電流)に達したときの動作モードを示す動作モードの表示を行い,運用時に必要な情報をユーザーが視認可能なように表示する。
<単相三線式>
図7に示した内部ブロック図は,単相三線式の電路に適用した場合の回路遮断器1であり,該電路の電圧相をL1相,L2相とし,中性相をN相とする。102は回路遮断器1の電源側端子,103は同じく回路遮断器1の負荷側端子である。104は,回路遮断器1の筐体内部に設けられる,電路を入切するための接点開閉機構部である。105は,前記接点開閉機構部104が開動作を行うよう該接点開閉機構部に作用し引外し動作を行うトリップコイルからなる第二の引外し手段である。なお,前記電路に所定の電流が流れた場合に,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う熱動素子もしくは電磁引外し素子を含んでなる第一の引外し手段については記載を省略している。
また,2006は,電路の相線式の判別を行う相線式判別回路であり,回路遮断器1の設置される電路が,単相三線式であるか,もしくは三相三線式であるかを判別する回路である。
表示部1002への表示制御,警報信号出力部1003やスピーカ部1006からの報知制御を行う演算処理回路部であり,本実施例ではマイコンを用いて構成している。
図8に示した内部ブロック図は,三相三線式の電路に適用した場合の回路遮断器1を示したものである。該回路遮断器1の構成は,前述した図7の場合と同様であり,電路との接続は,図1に示した前記回路遮断器1の電源端子102の両端の端子がU相,W相に接続され,中央の端子がV相に接続されている。なお,前記電路に所定の電流が流れた場合に,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う熱動素子もしくは電磁引外し素子を含んでなる第一の引外し手段については記載を省略している。
次に,検出方式がIorである場合の,地絡電流の検出方法について順を追って説明する。
外部要素として,前記電路における電圧位相データと,前記零相変流器107により検出される漏電電流データと,該電路の相線式の判別データを用い,
また,内部要素として,回路遮断器1において,前記外部要素を用いて同期演算する際に,それぞれ前記電圧位相検出回路2004,漏電電流検出回路2005,演算処理回路部2007などの,個々の回路特性のばらつきにより生ずる,基準値から位相のズレを補正するための位相補正値と,実効値が1の正弦波データを用いて,
地絡電流を演算処理にて求出する。
まず,電路が単相三線式の場合について図7を用いて説明する。
前記零相変流器107から得られる漏電電流を電圧信号に変換する漏電電流検出回路2005から入力される漏電電流の電圧変換信号データと,
前記相線式判別回路2006から入力される相線式の判別データと,
電圧位相検出回路2004から入力される電路電圧の矩形波信号データと,が入力される。
前記漏電電流検出回路2005から入力される漏電電流の電圧変換信号データをA/D変換部701にて所定の時間ごとにA/D変換しデジタルデータ化するステップ(ステップS001),
前記回路遮断器1において,検出方式をIoと設定した場合には,電路における地絡電流は検出せずに,漏電電流を検出するよう動作する。この場合には,前記演算処理回路部2007は,前記漏電電流の電圧変換信号データに,前記正弦波データを乗算するステップ(ステップS006)を実行せず,そのまま1周期の平均値を求めて,予め設定された感度電流データと比較することにより,レベル判定を行い,動作モードに応じて,遮断もしくは警報動作を行う。
なお,前記演算処理回路部2007は,前記表示部1002に対する表示制御を行っており,前述した平均値演算部712にて求められた地絡電流もしくは漏電電流の値について,予め設定されている感度電流の値のデータに対する割合を演算し,段階的にレベル表示を行う。
続いて,電路が三相三線式の場合について図8を用いて説明する。
三相三線式の場合には,単相三線式の場合と比較して,前記相線式判別回路2006から演算処理回路部2007に入力されるデータが異なる。
<回路遮断器の外観>
第2の実施形態による回路遮断器の外観構成を図9に示す。この回路遮断器1は,図1に示した回路遮断器と比べて,情報表示操作部の構成を,液晶表示,ならびに押しボタン式の操作部に代えて,LEDによる表示,ならびに機械式の選択式のスイッチを用いて構成した点で異なっている。
操作部として,
検出方式を択一的に選択切り替えするダイヤル式の操作部(検出方式操作部)1005aと,
動作時間を択一的に選択切り替えするスライド式の操作部(動作時間操作部)1005bと,
感度電流を択一的に選択切り替えするスライド式の操作部(感度設定操作部)1005cと,を備え,
また,表示部として,
前記感度電流に対する,前記検出方式で定めた電路における地絡電流もしくは漏電電流の大きさの割合を段階的にレベル表示するレベル表示部1002aを備えている。
地絡電流を検出するIor,漏電電流を検出するIo,検出を行わない機能OFFの3つの状態を択一的に選択することができる。
即時動作を行う場合には0.3秒,もしくは時延動作を行う場合には3秒の項目を択一的に選択することができる。
前記検出方式の選択操作部1005aにおいて選択された検出対象の電流に対する検出感度を設定するもので,
検出方式がIoの場合には,感度が高い100mA,中程度の200mA,感度が低い500mAの項目を択一的に選択することができる。
また,検出方式がIorの場合には,感度が高い30mA,中程度の60mA,感度が低い150mAの項目を択一的に選択することができる。
<漏電注意の表示>
例えば,電路における漏電電流が感度電流に達して,遮断器の不要動作や不要な警報が報知されることを防止する目的で,該電路において,漏電電流が増加していることをユーザーに知らせるために,漏電電流注意表示手段を前記表示部1002に設けて構成してもよい。
例えば,演算処理回路部2007として,A/D変換部を複数設けたマイコンを用いて,Iorの求出と,Ioの求出を並列的に行う演算処理を行ったり,
演算処理の過程で,時間分割を行い,各々の時間分割点において,Iorの求出と,Ioの求出を交互に行うよう演算処理を行うとよい。
図10においては,前記演算処理回路部2007により,「Io注意」の表示を白黒反転表示させ点滅させている。
また,図11においては,前記演算処理回路部2007により,Io注意と明記したLEDを点灯表示させている。なお点滅表示させてもよい。
101 ハンドル
102 電源側端子部
103 負荷側端子部
104 接点開閉機構部
105 トリップコイル
106 第二の引外し手段駆動手段
107 零相変流器
701 A/D変換部
702 正弦波データ記憶部
703 時間遅延設定部
704 位相補正値設定部記憶部
705 乗算部
706 平均値演算部
707 レベル判定部
708 設定値記憶部
709 時間判定部
710 遮断信号出力部
711 表示制御部
1001 情報表示操作部
1002 表示部
1003 警報信号出力部
1004 リセット部
1005 操作部
1006 スピーカ部
2004 電圧位相検出回路
2005 漏電電流検出回路
2006 相線式判別回路
2007 演算処理回路部
Claims (6)
- 交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流,及び前記交流電路や設備などの充電部から大地に流れる電流が含まれる漏電電流において,前記交流電路や設備などの絶縁不良によって大地に流れる電流である地絡電流を検出する地絡電流検出手段を備えたことを特徴とする回路遮断器。
- 前記地絡電流検出手段により前記地絡電流が検出された場合に,前記回路遮断器が有する接点開閉機構部に作用し,接点を開状態にせしめる地絡電流による引外し手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
- 電路に介在し,
該電路を入切する接点開閉機構部と,
前記電路に所定の電流が流れた場合には,前記接点開閉機構部に作用し該接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行う第一の引外し手段と,
所定の動作信号を受けて動作し,前記接点開閉機構部が開動作を行うよう引外し動作を行うトリップコイルからなる第二の引外し手段と,
前記電路における地絡電流を検出する地絡電流検出手段と,
該地絡電流検出手段により所定の大きさの地絡電流が検出された場合に,前記第二の引外し手段に向けて所定の動作信号を出力する第二の引外し手段駆動手段と,
を備えたことを特徴とする回路遮断器。 - 前記地絡電流検出手段により所定の大きさの地絡電流が検出された場合に前記回路遮断器がとる動作モードを,所定の動作モードのなかから選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の回路遮断器。
- 前記動作モードは,少なくとも,
前記回路遮断器に設けられた警報信号出力部及び報知部から警報信号を出力する警報モードを含んで構成されたことを特徴とする請求項4記載の回路遮断器。 - 回路遮断器が,遮断動作もしくは警報を発する動作の動作要因とする検出対象の電流は,少なくとも,電路における漏電電流,もしくは電路における地絡電流を含み,該検出対象の電流を選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の回路遮断器。
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