JP2016220453A - 短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラム - Google Patents

短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラム Download PDF

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【課題】配線用遮断器の遮断の原因が短絡電流か否かを判定可能な短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラムを提供する。【解決手段】短絡電流判定システム3は、検出部30と、判定部31とを備える。検出部30は、分岐ブレーカ2の二次側の電路L2に流れる電流I1の波形を検出する。判定部31は、検出部30で検出された上記波形に基づいて分岐ブレーカ2の状態を判定する。そして、判定部31は、第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定する。第1条件は、電流I1の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化していることである。第2条件は、上記第1状態から上記第2状態への移行時における波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される電流I1の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えていることである。【選択図】図1

Description

本発明は、短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラムに関し、より詳細には、配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流が短絡電流か否かを判定するための短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラムに関する。
従来、住宅用分電盤が提供されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の住宅用分電盤は、住宅の壁に取り付けられるキャビネットと、キャビネット内に収納される複数種類の内器とを備える。キャビネットは、前面が開口した扁平な矩形箱状のボックスと、ボックスの前面を着脱自在に覆うカバーとで構成される。内器には、主幹ブレーカ、複数の分岐ブレーカ、接地端子台、導電体ブロックなどが含まれる。
特開2014−57414号公報
ところで、上述の特許文献1記載の住宅用分電盤では、例えば分岐ブレーカ(配線用遮断器)が短絡電流により遮断した場合でも、遮断の原因が短絡電流か他の原因かを容易に特定することができず、原因特定、復旧までに時間を要する場合があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされており、配線用遮断器の遮断の原因が短絡電流か否かを判定可能な短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の短絡電流判定システムは、配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流の波形を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記波形に基づいて前記配線用遮断器の状態を判定する判定部とを備え、前記判定部は、前記波形に基づいて、前記電流の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化し、かつ、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される前記電流の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定することを特徴とする。
本発明の短絡電流判定方法は、検出部が検出した配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流の波形を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記波形に基づいて前記配線用遮断器の状態を判定する判定ステップとを備え、前記判定ステップでは、前記波形に基づいて、前記電流の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化し、かつ、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される前記電流の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピュータを、配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流の波形を検出する検出部で検出された前記波形に基づいて、前記電流の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化し、かつ、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される前記電流の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定する判定部として機能させる。
本発明の短絡電流判定システムは、配線用遮断器の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
本発明の短絡電流判定方法は、配線用遮断器の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
本発明のプログラムは、配線用遮断器の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
本発明の実施形態に係る短絡電流判定システムを示す概略ブロック図である。 本発明の実施形態に係る短絡電流判定システムを用いた分電盤の概略構成図である。 図3Aは本発明の実施形態に係る短絡電流判定システムの検出部で検出される電流の波形図、図3Bは図3AのX部拡大図である。 本発明の実施形態に係る短絡電流判定システムの動作を説明するフローチャートである。
本発明の実施形態に係る短絡電流判定システム、短絡電流判定方法及びプログラムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されない。したがって、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
図2は本実施形態の短絡電流判定システム3を用いた分電盤10の概略構成図である。この分電盤10は、例えば戸建て住宅などに用いられる住宅用の分電盤であり、主幹ブレーカ1と、複数(図2では6個)の分岐ブレーカ2(配線用遮断器)と、複数(図2では6個)の短絡電流判定システム3とを備える。また、分電盤10は、これらの主幹ブレーカ1、分岐ブレーカ2及び短絡電流判定システム3が収納され、住宅の壁に取り付けられるキャビネットをさらに備える。
分岐ブレーカ2は、主幹ブレーカ1の二次側の電路L1に電気的に接続され、商用電源100より出力される交流電力が主幹ブレーカ1を介して供給される。また、分岐ブレーカ2の二次側の電路L2には、第1機器4A及び第2機器4Bが電気的に接続され、分岐ブレーカ2は、これらの第1機器4A及び第2機器4Bに対して動作電力を供給する。なお、これらの第1機器4A及び第2機器4Bは、例えば住宅内に設置された家電機器であり、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどが一例として挙げられる。
さらに、分岐ブレーカ2の二次側の電路L2、すなわち分岐ブレーカ2と第1機器4A及び第2機器4Bとの間には、短絡電流判定システム3が電気的に接続される。以下、短絡電流判定システム3について具体的に説明する。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、図1に示すように、検出部30と、判定部31とを備える。また、この短絡電流判定システム3は、報知部32と、記憶部33と、出力部34とをさらに備えるのが好ましい。
検出部30は、例えばコアを用いない(コアレスの)空芯コイル(ロゴスキコイル)からなる電流センサを有し、この電流センサにより分岐ブレーカ2の二次側の電路L2に流れる電流I1の波形を検出する。なお、検出部30は、上記電流センサに限らず、CT(Current Transformer)センサ、ホール素子、GMR(GiantMagnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗などで構成してもよい。
ここに、ロゴスキコイルは空芯コイルであるため、コアを有しておらず、大電流通電によるコアの磁気飽和が発生しない。一方、CTセンサやGMR素子はコアを有しており、大電流通電による磁気飽和が発生する可能性があるため、コアを有するセンサを設計する際には、短絡電流といった大電流に対する飽和を考慮した構成が必要になる。つまり、短絡電流といった大電流を考慮した場合、ロゴスキコイルを用いるのが好ましい。
判定部31は、検出部30で検出した電流I1の波形を所定のサンプリング周波数(例えば、2kHz)でAD変換し、電流I1の波形をデジタルデータとして検出部30より取得する。そして、判定部31は、取得したデジタルデータに基づいて、対応する分岐ブレーカ2の状態、すなわち対応する分岐ブレーカ2が短絡電流により遮断された状態にあるか否かを判定する。なお、詳細については後述する。
報知部32は、例えばスピーカを有し、少なくとも判定部31の判定結果を音声により報知する。また、報知部32は、モニタを有し、判定部31の判定結果をモニタに表示するようにしてもよい。その結果、利用者(住人)は、報知部32により判定部31の判定結果を知ることができる。特に、短絡事故の場合には火災に至る可能性が高く、報知部32により報知することで早期の対応が可能になる。
なお、報知部32から報知される内容は判定部31の判定結果に限らず、例えば分岐ブレーカ2が遮断された場合の対処方法(例えば復旧手順など)であってもよい。
記憶部33は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリからなり、コンピュータを判定部31として機能させるためのプログラムや判定部31の判定結果を記憶する。
出力部34は、図1に示すように、エネルギー管理システム20に電気的に接続され、例えば検出部30の検出結果(電路L2に流れる電流I1の波形)をエネルギー管理システム20へ出力する。エネルギー管理システム20は、需要家(facility)のエネルギーを管理するシステムであり、例えば住宅のエネルギーを管理するHEMS(Home Energy Management System)が想定される。
上述のように、検出部30の検出結果をエネルギー管理システム20に出力することで、検出部30の検出結果をエネルギー管理システム20に反映させることができる。例えば、エネルギー管理システム20に設けられたモニタに検出部30の検出結果を表示させることで、分岐ブレーカ2の二次側の電路L2に短絡が生じていることを利用者に知らせることができる。
なお、上述のエネルギー管理システム20はHEMSに限らず、ビルのエネルギーを管理するBEMS(Building Energy Management System)や、工場のエネルギーを管理するFEMS(Factory Energy Management System)であってもよい。また、エネルギー管理システム20は、所定の地域内のエネルギーを管理するCEMS(Community Energy Management System)であってもよい。
ところで、本実施形態では、記憶部33に予め記憶させたプログラムをコンピュータが実行することにより短絡電流判定システム3が実現され、コンピュータは少なくとも判定部31として機能する。
なお、このプログラムは、分電盤10の設置後において電気通信回線を介して記憶部33に記憶させるように構成してもよい。また、このプログラムは、ディスクメディア(CD、DVD、Blue−ray Discなど)やフラッシュメモリなどの記録媒体を介して提供されるように構成してもよい。
図3Aは検出部30で検出される電流I1の波形図であり、図3Bは図3AのX部拡大図である。例えば、第1機器4Aのみが動作している状態では、図3Aの実線a1に示すように、実効値の小さい電流I1が電路L2に流れている。なお、図3Aの破線a2は電圧波形を示している。
電路L2において短絡事故が発生すると、図3Aの一点鎖線a3に示すように、上限値Imaxを超える大きさの電流I1が流れる。ところで、上記電流センサでは上限値Imaxを超える大きさの電流I1を検出できないため、検出部30で検出される電流波形は台形形状になる(図3Aの実線a1参照)。ここに、本実施形態では、上記電流センサで検出できる電流の上限値Imaxが閾値である。
以下、電路L2に流れる電流I1が短絡電流か否かを判定する方法(短絡電流判定方法)について、図3Bを参照しながら具体的に説明する。
上述のように、判定部31は、検出部30で検出される電流I1の波形を上記サンプリング周波数でAD変換し、電流I1の波形をデジタルデータとして検出部30より取得する。なお、図3Bの白丸印がデジタルデータを示している。
時刻t1のときに電路L2において短絡事故が発生すると、上限値Imaxを超える大きさ(実効値)の電流I1が電路L2に流れる。このとき、電流I1の波形の立ち上がりでは電流I1の大きさが急激に変化する。そのため、判定部31は、波形の立ち上がりで取得したデジタルデータD1,D2を結ぶ直線を第1補助線AL1として導出する。
次に、判定部31は、電流I1の大きさが上限値Imaxに達している時間T1を計測し、計測した時間T1と予め設定した規定時間Trとの大小を比較する。電流I1が短絡電流である場合、時間T1は規定時間Tr以上になる。そのため、判定部31は、時間T1と規定時間Trとの大小を第1の判定条件としている。
また、電流I1が短絡電流である場合、波形の立ち上がりと同様に、波形の立ち下がりでも電流I1の大きさが急激に変化する。そのため、判定部31は、波形の立ち下がりで取得したデジタルデータD3,D4を結ぶ直線を第2補助線AL2として導出する。
さらに、電流I1が短絡電流である場合、分岐ブレーカ2が遮断されるため、電路L2に流れる電流I1はゼロになる。つまり、電路L2に流れる電流I1の大きさ(実効値)が上限値Imaxに達する状態からゼロになる状態へと変化することになる。そのため、判定部31は、所定時間(例えば、電流I1の半波が10msである場合には5ms)連続して電流I1がゼロであるか否かを第2の判定条件としている。例えば、図3Bに示す例では、時間T2が上記所定時間である。
また、判定部31は、第1補助線AL1と第2補助線AL2との交点P1から求められる電流値を電流I1のピーク値Ipとして推定する。電流I1が短絡電流である場合、電流I1のピーク値Ipは数百Aになり、予め設定した規定値Ith(例えば、100A)を超えることになる。そのため、判定部31は、ピーク値Ipと規定値Ithとの大小を第3の判定条件としている。
そして、判定部31は、時間T1が規定時間Tr以上であり、電流I1の大きさが第1状態から第2状態に変化し、かつ、電流I1のピーク値Ipが規定値Ithを超えている場合に、電流I1が短絡電流であると判定する。つまり、判定部31は、分岐ブレーカ2の遮断の原因が電流I1の短絡電流であると判定する。
ここに、本実施形態では、電流I1の大きさが上限値Imaxに達し、かつ、時間T1が規定時間Tr以上になる状態が第1状態であり、電流I1の大きさがゼロになる状態が第2状態である。なお、電流I1の大きさが上限値Imaxに達している状態を第1状態としてもよい。
ところで、図3A及び図3Bはプラス側への短絡電流波形を示しているが、マイナス側への短絡電流波形の場合も同様の手順により短絡電流か否かを判定することができる。したがって、マイナス側への短絡電流波形については説明を省略する。なおこの場合には、上記電流センサで検出できる電流の下限値Iminが閾値である。
次に、本実施形態の短絡電流判定システム3による短絡電流判定方法について、図4に示すフローチャートを参照しながら具体的に説明する。
判定部31は、分岐ブレーカ2の二次側の電路L2に流れる電流I1の波形、言い換えれば検出部30で検出される電流I1の波形を上記サンプリング周波数でAD変換し、電流I1の波形をデジタルデータとして検出部30より取得する(ステップS1)。
次に、判定部31は、取得したデジタルデータに基づいて第1補助線AL1を導出する(ステップS2)。このとき、判定部31は、波形の立ち上がりで取得したデジタルデータD1,D2から求めた直線を第1補助線AL1とする。
続けて、判定部31は、電流I1の大きさ(実効値)が上限値Imaxに達している時間T1を計測する(ステップS3)。その後、判定部31は、時間T1が予め設定された規定時間Tr以上であるか否かを判定する(ステップS4)。
判定部31は、ステップS4において時間T1が規定時間Tr未満であると判定すると(ステップS4のNO)、ステップS1に戻る。一方、判定部31は、ステップS4において時間T1が規定時間Tr以上であると判定すると(ステップS4のYES)、第2補助線AL2を導出する(ステップS5)。このとき、判定部31は、第1補助線AL1と同様に、波形の立ち下がりで取得したデジタルデータD3,D4から求めた直線を第2補助線AL2とする。
判定部31は、第2補助線AL2を導出した後、電路L2に流れる電流I1の大きさがゼロになっているか否かを判定する(ステップS6)。つまり、判定部31は、電流I1の大きさが上限値Imaxに達する第1状態からゼロになる第2状態に変化しているか否かを判定する。このとき、判定部31は、電流I1の大きさが上記所定時間連続してゼロである場合に、電流I1の大きさがゼロになっていると判定する。
判定部31は、ステップS6において電流I1の大きさがゼロになっていないと判定すると(ステップS6のNO)、ステップS1に戻る。一方、判定部31は、ステップS6において電流I1の大きさがゼロになっていると判定すると(ステップS6のYES)、電流I1が規定値Ith(例えば、100A)を超えているか否かを判定する(ステップS7)。
このとき、判定部31は、ステップS2で導出した第1補助線AL1とステップS5で導出した第2補助線AL2との交点P1を求め、交点P1における電流値、つまり電流I1のピーク値Ipを算出する。そして、判定部31は、このピーク値Ipが規定値Ithを超えているか否かを判定する。
判定部31は、ステップS7においてピーク値Ipが規定値Ith以下であると判定すると(ステップS7のNO)、ステップS1に戻る。一方、判定部31は、ステップS7においてピーク値Ipが規定値Ithを超えていると判定すると(ステップS7のYES)、電流I1が短絡電流であると判定する(ステップS8)。つまり、判定部31は、分岐ブレーカ2の遮断の原因が電流I1の短絡電流であると判定する。
ここに、本実施形態では、ステップS1が短絡電流判定方法における取得ステップであり、ステップS2〜S8が短絡電流判定方法における判定ステップである。
なお、上述のステップS7で求めた電流I1のピーク値Ipは、短絡電流の判定をより簡便に行うための値であり、実際の短絡電流のピーク値からずれる場合がある。上述のアルゴリズムは、分岐ブレーカ2が短絡電流により確実に動作するレベルとして、電流I1の電流値が所定のレベルよりも大きいことを検出するのが目的であり、上述のアルゴリズムであっても高い判定レベルで短絡電流の判定を行うことができる。
上述のように、本実施形態の短絡電流判定システム3は、電流I1の波形に基づいて電流I1が短絡電流か否かを判定することができる。言い換えれば、本実施形態の短絡電流判定システム3は、分岐ブレーカ2の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
ところで、本実施形態の短絡電流判定システム3において、報知部32は、判定結果を報知した後に電路L2に通電が開始されると(分岐ブレーカ2がONにされると)、判定結果の報知を停止するように構成してもよい。
例えば、短絡電流の原因が解消されて分岐ブレーカ2が再投入されると、報知部32が判定結果の報知を停止するので、利用者は判定結果の報知を停止しなくてもよく、使い勝手が向上するという利点がある。
なお、本実施形態では、第1補助線AL1及び第2補助線AL2から推定される電流I1のピーク値Ipと規定値Ithとの大小を第3の判定条件とした。これに対して、例えば上限値Imaxを超える領域の電流波形(図3Bの斜線部参照)を推定し、推定した電流波形から求められる電流量と規定値との大小を第3の判定条件としてもよい。また、上述した電流I1の電流値及び電流量の両方を第3の判定条件としてもよい。
また、本実施形態では、波形の立ち上がりに沿った第1補助線AL1と波形の立ち下がりに沿った第2補助線AL2とに基づいて電流I1のピーク値Ipを推定したが、第1補助線AL1と第2補助線AL2の何れか一方に基づいてピーク値Ipを推定してもよい。この場合、第1補助線AL1の傾きの絶対値と第2補助線AL2の傾きの絶対値とが等しいとし、波形の立ち上がりから時間(T1/2)だけ経過した時点での第1補助線AL1から求められる電流値を電流I1のピーク値Ipと推定すればよい。
さらに、本実施形態では、分電盤10のキャビネット内に6個の分岐ブレーカ2が収納されている場合を例に説明したが、分岐ブレーカ2の数は本実施形態に限らず、少なくとも1個の分岐ブレーカ2が収納されていればよい。また、本実施形態では分岐ブレーカ2を配線用遮断器としたが、主幹ブレーカ1を配線用遮断器とし、本実施形態に係る短絡電流判定システム3、短絡電流判定方法及びプログラムを適用してもよい。
以上説明したように、本実施形態の短絡電流判定システム3は、検出部30と、判定部31とを備える。検出部30は、分岐ブレーカ2(配線用遮断器)の二次側の電路L2に流れる電流I1の波形を検出する。判定部31は、検出部30で検出された上記波形に基づいて分岐ブレーカ2の状態を判定する。そして、判定部31は、第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定する。第1条件は、電流I1の大きさが閾値(上限値Imax又は下限値Imin)に達している第1状態からゼロになる第2状態に変化していることである。第2条件は、第1状態から第2状態への移行時における波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される電流I1の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えていることである。本実施形態では、第2条件は、電流I1のピーク値Ipが規定値Ithを超えていることである。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、判定部31を備えているので、第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定することができる。つまり、本実施形態の短絡電流判定システム3は、分岐ブレーカ2の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
また、本実施形態の短絡電流判定システム3のように、判定部31は、電流I1のピーク値Ipが規定値Ithを超えている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定するのが好ましい。この場合、判定部31は、第1状態から第2状態への移行時における波形の立ち上がりに沿った第1補助線AL1と、第1状態から第2状態への移行時における波形の立ち下がりに沿った第2補助線AL2との交点P1から電流I1のピーク値Ipを求める。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、第1補助線AL1と第2補助線AL2との交点P1を求めるだけでよく、短絡電流を判定する際の処理を簡略化することができる。
また、本実施形態の短絡電流判定システム3のように、検出部30は、空芯コイルを用いた電流センサを有しているのが好ましい。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、空芯コイルを用いた電流センサを有しており、CTセンサやCMR素子のように磁気飽和が発生しないので、電流I1の波形を正確に検出することができる。例えばロゴスキコイルのような空芯コイルの場合、コアを有していないため、大電流通電によるコアの磁気飽和が発生しない。一方、CTセンサやGMR素子はコアを有しており、大電流通電による磁気飽和が発生する可能性があるため、コアを有するセンサを設計する際には、短絡電流といった大電流に対する飽和を考慮した構成が必要になる。つまり、短絡電流といった大電流を考慮した場合、ロゴスキコイルを用いるのが好ましい。
また、本実施形態の短絡電流判定システム3のように、第1状態は、電流I1の大きさが閾値(上限値Imax又は下限値Imin)に達し、かつ、電流I1の大きさが閾値に達している時間T1が規定時間Tr以上となる状態であるのが好ましい。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、電流I1の大きさが閾値に達し、かつ、電流I1の大きさが閾値に達している時間T1が規定時間Tr以上となる状態を第1状態とするので、短絡電流の判定精度を向上させることができる。
また、本実施形態の短絡電流判定システム3のように、判定部31の判定結果を報知する報知部32をさらに備えているのが好ましい。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、報知部32を備えているので、判定結果を利用者に知らせることができる。
また、本実施形態の短絡電流判定システム3のように、報知部32は、判定結果を報知した後に電路L2に通電が開始されると、判定結果の報知を停止するのが好ましい。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、電路L2に通電が開始されると報知部32が判定結果の報知を停止するので、利用者は判定結果の報知を停止しなくてもよく、使い勝手が向上する。
また、本実施形態の短絡電流判定システム3のように、検出部30の検出結果を、需要家のエネルギーを管理するエネルギー管理システム20に出力する出力部34をさらに備えているのが好ましい。
本実施形態の短絡電流判定システム3は、検出部30の検出結果をエネルギー管理システム20に出力するので、エネルギー管理システム20において検出部30の検出結果を反映させることができる。
本実施形態の短絡電流判定方法は、取得ステップ(ステップS1)と、判定ステップ(ステップS2〜S8)とを備える。取得ステップは、検出部30が検出した分岐ブレーカ2(配線用遮断器)の二次側の電路L2に流れる電流I1の波形を取得するステップである。判定ステップは、取得ステップで取得した上記波形に基づいて分岐ブレーカ2の状態を判定するステップである。そして、判定ステップでは、第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定する。第1条件は、電流I1の大きさが閾値(上限値Imax又は下限値Imin)に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化していることである。第2条件は、第1状態から第2状態への移行時における波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される電流I1の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えていることである。本実施形態では、第2条件は、電流I1のピーク値Ipが規定値Ithを超えていることである。
本実施形態の短絡電流判定方法は、判定ステップを備えているので、第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定することができる。つまり、本実施形態の短絡電流判定方法は、分岐ブレーカ2の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
本実施形態のプログラムは、コンピュータを判定部31として機能させるためのプログラムである。検出部30は、分岐ブレーカ2(配線用遮断器)の二次側の電路L2に流れる電流I1の波形を検出する。判定部31は、検出部30で検出された上記波形に基づいて第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定する。第1条件は、電流I1の大きさが閾値(上限値Imax又は下限値Imin)に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化していることである。第2条件は、第1状態から第2状態への移行時における波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される電流I1の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えていることである。本実施形態では、第2条件は、電流I1のピーク値Ipが規定値Ithを超えていることである。
本実施形態のプログラムは、コンピュータを判定部31として機能させるので、第1条件及び第2条件を満たしている場合、電流I1の短絡電流により分岐ブレーカ2が遮断された状態にあると判定することができる。つまり、本実施形態のプログラムは、分岐ブレーカ2の遮断の原因が短絡電流か否かを判定することができる。
2 分岐ブレーカ(配線用遮断器)
3 短絡電流判定システム
20 エネルギー管理システム
30 検出部
31 判定部
32 報知部
34 出力部
AL1 第1補助線
AL2 第2補助線
I1 電流
Imax 上限値(閾値)
Imin 下限値(閾値)
Ip ピーク値
Ith 規定値
L2 電路
P1 交点
T1 時間
Tr 規定時間
S1 ステップ(取得ステップ)
S2〜S8 ステップ(判定ステップ)

Claims (9)

  1. 配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流の波形を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された前記波形に基づいて前記配線用遮断器の状態を判定する判定部とを備え、
    前記判定部は、前記波形に基づいて、前記電流の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化し、かつ、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される前記電流の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定することを特徴とする短絡電流判定システム。
  2. 前記判定部は、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がりに沿った第1補助線と、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち下がりに沿った第2補助線との交点から求められる前記電流のピーク値が前記規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定することを特徴とする請求項1記載の短絡電流判定システム。
  3. 前記検出部は、空芯コイルを用いた電流センサを有していることを特徴とする請求項1又は2記載の短絡電流判定システム。
  4. 前記第1状態は、前記電流の大きさが前記閾値に達し、かつ、前記電流の大きさが前記閾値に達している時間が規定時間以上となる状態であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の短絡電流判定システム。
  5. 前記判定部の判定結果を報知する報知部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の短絡電流判定システム。
  6. 前記報知部は、前記判定結果を報知した後に前記電路に通電が開始されると、前記判定結果の報知を停止することを特徴とする請求項5記載の短絡電流判定システム。
  7. 前記検出部の検出結果を、需要家のエネルギーを管理するエネルギー管理システムに出力する出力部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の短絡電流判定システム。
  8. 検出部が検出した配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流の波形を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得した前記波形に基づいて前記配線用遮断器の状態を判定する判定ステップとを備え、
    前記判定ステップでは、前記波形に基づいて、前記電流の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化し、かつ、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される前記電流の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定することを特徴とする短絡電流判定方法。
  9. コンピュータを、
    配線用遮断器の二次側の電路に流れる電流の波形を検出する検出部で検出された前記波形に基づいて、前記電流の大きさが閾値に達する第1状態からゼロになる第2状態に変化し、かつ、前記第1状態から前記第2状態への移行時における前記波形の立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一方から推定される前記電流の電流値及び電流量の少なくとも一方が規定値を超えている場合、前記電流の短絡電流により前記配線用遮断器が遮断された状態にあると判定する判定部として機能させるためのプログラム。
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