JP2008275493A - 受信装置、受信方法および電波時計 - Google Patents

受信装置、受信方法および電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】時刻情報を取得するために行う電波の受信に伴う消費電力量を抑制することによって、電池寿命が短くなることを抑制する受信装置および受信方法を提供する。
【解決手段】受信部10は、時刻情報を含み一定時間間隔で送信される符号化されたRF信号を、アンテナを介して受信する。復調部11は、受信されたRF信号に対して所定の信号処理を行って情報データを復調する。時刻情報取得部12は、復調された情報データから時刻情報を取得する。取得判定部15は、時刻情報取得部12が時刻情報を取得したか否かを判定し、電源制御部16に対して判定結果に応じた制御信号を送信する。電源制御部16は、受信部10が消費する消費電力量を、制御信号に基づいて通常値又は通常値よりも所定量少ない低電力値のいずれかに制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、受信装置、受信方法および電波時計に関し、特に、取得対象の情報データを含む電波を受信し、当該情報データを取得する受信技術に関するものである。
近年、通信技術の発達に伴い、受信装置側で必要となる種々の情報を含むデータ信号を変調し、所定の無線周波数(RF)信号として送信装置側から電波送信することが行われるようになった。そして、送信される電波を受信して、復調した種々のデータ信号から取得対象の情報データを取り出して活用することが、受信装置側で行われるようになってきた。例えば、計時手段を有する受信装置としての腕時計に対して、所定の基地局から、取得対象の情報データとなる標準時刻を時刻情報として含むデータ信号が、一定の時間間隔で電波送信されている。そこで、この送信されている電波を受信して必要となる時刻情報を取得し、腕時計が有する計時手段が計時する時刻を修正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、基地局から送信される電波を受信し、受信装置側で必要なデータ信号を取得する場合、RF信号を受信するための受信回路や、受信したRF信号からデータ信号を復調するための復調回路などを動作するために、少なからず電力を消費する。このとき、受信装置が、例えば腕時計のようにコイン形電池やボタン形電池などといった電池を電源とする受信装置である場合、データ信号の受信に伴う電力の消費によって電池寿命が短くなってしまうという課題がある。
従って、このような電池を電源とする受信装置において、低消費電力化は不可欠であることから、消費電力を抑制する技術が種々提案されている。例えば、特許文献2には、受信タイミング内での全ての誤り訂正単位での誤り訂正結果が良好になり、かつ受信回数カウントにおいてまだ同一内容の意図による受信信号を受信するタイミングがあると判断した場合、残りの部分の受信信号の受信を不必要と判断して受信動作を制限し、消費電流の低減を図る技術が開示されている。
特開2000−321383号公報 特開平7−154838号公報
しかしながら、特許文献2に開示された技術は、受信比率を改善することはできるものの、受信そのものにおける電流自身を低減するものではない。このため、電波を受信して必要なデータ信号を取得する場合、RF信号を受信するための受信回路や、受信したRF信号からデータ信号を復調するための復調回路などを、継続動作するために消費される電力量を抑制するための技術ではなかった。また、特許文献1には、受信に関して消費電力量を抑制する観点での技術は開示されていない。
本発明は、このような電波の受信時における電力の消費によって電池寿命が短くなってしまうという課題に鑑みてなされたもので、電波の受信に伴う消費電力量を抑制することができる受信技術を提供して、このような課題を解決するものである。
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の構成をとった。
「構成1」取得対象の情報データを含む電波を受信する受信部と、前記受信した電波から、前記情報データを取得する取得部と、前記取得部が前記情報データを取得できたか否かを判定する取得判定部と、前記受信部が消費する消費電力量を、通常値又は当該通常値よりも少ない低電力値のいずれかに制御する電力制御部と、を備え、前記電力制御部は、前記消費電力量を前記低電力値に制御したのち、前記受信部による受信において、前記取得判定部が前記情報データを取得できなかったと判定したとき、前記受信部による次回の受信において、前記消費電力量を前記通常値に制御することを特徴とする。
この構成によれば、取得対象の情報データを取得するための電波受信において、まず消費電力量が少ない低電力値にて受信を行う。そして、受信の結果、情報データが取得できない場合、情報データを取得するための次回の受信において、消費電力量を通常値にして受信を行う。例えば、受信装置が基地局から近くに存在し、送信電波が強い場合は、受信部の消費電力量を抑制しても受信状態が良好な場合がある。このような場合、少ない消費電力量であっても情報データを取得することができる。そして、受信状態が良好でなく情報データを取得できなければ、受信部の消費電力量を元の通常値に戻して受信するので、情報データをほぼ確実に取得することができる。従って、低電力値の消費電力量にて受信できる場合が多ければ多いほど、消費電力量は抑制され、電池寿命が短くなることが抑制される。
「構成2」構成1に記載の受信装置であって、前記受信部は、前記取得判定部が前記情報データを取得できなかったと判定したとき、前記通常値の消費電力量による前記次回の受信を、前記低電力値の消費電力量による前記受信に継続して行うこととしてもよい。
この構成によれば、低電力値の消費電力量での受信では情報データが取得できない場合、継続して通常値の消費電力量による電波の受信を行うので、電波の受信時において、取得対象の情報データをほぼ遅延なく確実に取得することが可能となる。
「構成3」構成1または2に記載の受信装置であって、前記電力制御部は、前記受信部による受信において、前記取得判定部が前記情報データを取得できなかったと判定する回数が、前記低電力値を用いた前記受信部が消費する消費電力量の合計が前記通常値を超えない最多回数より1回少ない回数まで、連続して前記低電力値に制御することとしてもよい。
この構成によれば、低電力値による受信の連続回数によって消費される総電力量は、通常値による受信1回分の消費電力量に対して、少なくとも低電力値での受信回数1回分少ない消費電力量となる。このとき、この連続受信の1つ前に行われた1回の受信が、低電力値による受信であって情報データが取得されている場合は、この1回分の低電力値の消費電力を合計した消費電力量は、通常値による受信1回分の消費電力量とほぼ同じかこれ以下の消費電力量となる。従って、情報データを2回取得するために消費される消費電力量は、通常値による受信を2回行った場合の消費電力量とほぼ同じになる。すなわち、低電力値による受信を行えば、通常値による受信を2回行う消費電力量とほぼ同じ消費電力量で、通常値による受信回数以上の回数受信することができることになる。そして、この低電力値による連続受信回数の途中において情報データが取得されれば、以降の低電力値による受信や通常値による受信を行う必要がないので、情報データを取得するための電波受信において消費電力量を抑制することが可能となる。
「構成4」構成1ないし3のいずれか一つに記載の受信装置であって、前記電力制御部は、前記受信部による受信において、前記通常値に対する前記低電力値の比を、整数比に設定することが好ましい。
この構成によれば、低電力値の消費電力量による整数回分の消費電力量の合計は、通常値の消費電力量と同じになる。従って、通常値の消費電力量を超えない範囲で、低電力値の消費電力量による受信回数を最多にできるので、低電力値の消費電力量による時刻情報の受信を最多回数で行うことができる。この結果、低電力値の消費電力量での受信において時刻情報を取得できる確率が高くなり、この高くなった確率に応じて、消費電力量が抑制される。
「構成5」構成1ないし4のいずれか一つに記載の受信装置であって、前記電力制御部は、前記受信部が消費する電流値を変更することによって、前記通常値の消費電力量と前記低電力値の消費電力量とを制御することとしてもよい。
この構成によれば、低電力値の消費電力量は、電流値を抑制することによって得られるので、例えば乾電池を電源とする受信装置において、乾電池からの出力電流が抑制されることになる。この結果、乾電池の内部抵抗等に起因して生ずる電池の電圧降下量が抑制されるので、電池電圧が受信装置の動作保証電圧を下回るまでの時間を長くすることができる。従って、電池寿命が短くなることを抑制することが可能となる。
「構成6」構成1ないし5のいずれか一つに記載の受信装置であって、前記取得対象の情報データは標準時刻を表す情報データであることが好ましい。
この構成によれば、例えば、受信装置が有する計時手段の計時時刻を、受信した標準時刻に基づいて修正させることが可能となり、受信装置が有する表示手段にほぼ正確な時刻を表示せることが可能となる。
「構成7」本発明を、構成6に記載の受信装置を有する電波時計とすることもできる。
この構成において、電波時計が、例えばコイン形やボタン形の電池といった小型の電池を電源として用いる腕時計であった場合、標準時刻を受信するときの消費電力量を抑制して電池寿命が短くなることを抑制するので、さらに好適である。
「構成8」本発明の手段を受信方法として構成することもできる。すなわち、取得対象の情報データを含む電波を受信する受信工程と、前記受信した電波から、前記情報データを取得する取得工程と、前記取得工程で前記情報データを取得できたか否かを判定する取得判定工程と、前記受信工程で消費する消費電力量を、通常値又は当該通常値よりも少ない低電力値のいずれかに制御する電力制御工程と、を備え、前記電力制御工程は、前記消費電力量を前記低電力値に制御したのち、前記受信工程による受信において、前記取得判定工程が前記情報データを取得できなかったと判定したとき、前記受信工程による次回の受信において、前記受信工程の消費電力量を前記通常値に制御することを特徴とする。
この受信方法によれば、上述した本発明の受信装置と同様の作用効果を得ることができる。なお、この受信方法は、上述した種々の構成を有する受信装置において実行すべく必要な工程を追加してもよい。
本発明の実施形態の一例として、腕時計における時刻修正について説明する。
図1は、腕時計1が、取得対象の情報データとしての時刻情報を受信する仕組みを示す模式図である。図示するように、基地局3では、日本標準時間などの正確な時刻情報30を含む情報データを、変調部31によって所定の無線周波数(RF)信号に変調し、定められた時間間隔でこのRF信号を電波として基地局3から送信する。腕時計1では、バンド部分を含んで腕時計1のいずれかの部分に設けられたアンテナ(不図示)を介して、送信される電波を受信したのち、変調された情報データを復調部11によって復調し、復調された情報データから取得対象の情報データである時刻情報30を取得する。そして、取得された時刻情報30に基づいて、表示手段4に表示する時刻を正しい時刻に修正する処理が行われる。本実施形態では、このように腕時計1の表示手段4に表示される時刻を、RF信号に含まれる時刻情報に従って修正する場合を想定する。具体的には、例えばCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)基地局から送信される電波を受信して時刻修正する場合である。周知のように、CDMA基地局からは、正確な時刻情報を含むデータ情報が、所定の符号を乗算して拡散され、符号化されたRF信号の電波として、一定時間間隔で送信される。なお、CDMA基地局から送信される電波について、符号化や送信方法などは本発明の本質ではないので、ここではその説明を省略する。
次に、本実施形態の腕時計1について、その機能ブロック構成を図2を用いて説明する。腕時計1には、図示するような機能ブロックが構成されている。受信部10は、時刻情報30を含み一定時間間隔で送信される符号化されたRF信号を、アンテナを介して受信する。復調部11は、受信されたRF信号に対して所定の信号処理を行って情報データを復調する。時刻情報取得部12は、復調された情報データから時刻情報を取得する。表示部14は、取得された時刻情報によって修正した正確な時刻を表示手段4に表示する。取得判定部15は、時刻情報取得部12が時刻情報を取得したか否かを判定し、電源制御部16に対して判定結果に応じた制御信号を送信する。電源制御部16は、受信部10が消費する消費電力量を、制御信号に基づいて通常値又は通常値よりも所定量少ない低電力値のいずれかに制御する。
これらの機能ブロックは、腕時計1に内蔵された図示しない中央演算処理回路や記憶回路などを含む電気回路によって構成されている。電気回路は、基板上に実装された半導体や電子部品などによって形成され、同じく腕時計1内に収納された充電池などの2次電池や、コイン形電池やボタン形電池などの一次電池を電源として動作する。そして、中央演算処理回路が、記憶回路に格納された制御プログラムに従って、適宜記憶回路にデータを記録したり読み出したりしながら処理を行うことによって、腕時計1における各機能ブロックとして機能する。
表示手段4に表示する時刻を計時する計時手段(不図示)は、本実施形態では水晶振動子の発振周波数を用いて時間を計測するように構成された計時手段であるものとする。もとより、水晶振動子以外の発振子を用いてもよいし、CR発振のような電気素子を組み合わせた発振回路を用いてもよい。さらに、時間を示す数を計数するカウンタであってもよい。
さて、このように構成された各機能ブロックは、図5のフローチャートに示す処理に従って時刻情報30の受信動作を行うことによって、時刻情報を確実に取得するとともに電池寿命が短くなることを抑制するのである。そこで、図5に示した処理についての理解を容易にするため、この処理によってどのように電池寿命が短くなることが抑制されるのかについて、図3および図4を用いて先に説明する。
図3(a)は、腕時計1において、通常行われる時刻情報の受信動作を示し、図3(b)は、後述する図5のフローチャートに示した処理による受信動作を示す説明図である。なお横軸は時間軸を示している。本実施形態では、一例として1時間毎に時刻情報の受信動作が行われるものとする。従って、図3(a),(b)では、時刻情報の取得のための受信のうち、現在の受信と、この現在の受信を基点にして1時間後に行われる次回の受信との都合2回の受信において、それぞれ消費される電力量の様子を示している。
まず、通常行われる時刻情報の取得のための受信時では、図3(a)に示すように、電源制御部16は、受信部10に対して、毎回18ミリアンペア(mA)の電流を300ミリ秒(mS)間流すように制御するものとする。通常CDMAの電波に含まれる時刻情報を受信する場合は、説明は省略するが、シンクチャンネルメッセージの繰り返し時間に応じた所定期間受信する必要があり、従って電流を流す時間は、ここでは1回の受信あたり常に300mSとする。また、このとき、受信部10に印加される電圧は、所定の回路によって生成された2ボルト(V)の定電圧であるものとする。もとより、電流値や電流を流す期間、および受信部10に印加する電圧値は一例として設定したものであり、これに限定されるものでないことは勿論である。
従って、現在の受信時および次回の受信時のそれぞれ1回の受信時に、2V×18mA×300mS(=10.8ミリワット秒(mWS))の電力量が、通常値の消費電力量として消費される。この結果、現在の受信時と次回の受信時の2回の受信時において消費されるトータル電力量は、図中右側に示したように、この2倍の値21.6mWS(=2V×18mA×600mS)となる。
これに対して、図3(b)では、電源制御部16は、受信部10に対して、まず現在の受信時に9ミリアンペア(mA)の電流を300ミリ秒(mS)間流すように制御する。従って、現在の受信時において、2V×9mA×300mS(=5.4ミリワット秒(mWS))の電力量が、低電力値の消費電力量として消費される。なお、この低電力値の消費電力量による受信によって時刻情報が取得できる取得確率を1/2と想定し、このときの受信において時刻情報は取得できたものとする。
そして、これに続く1時間後の受信となる次回の受信時では、まず最初に、同じく2V×9mA×300mS(=5.4mWS)の低電力値となる消費電力量で受信が行われる。このときは、取得確率から時刻情報は受信できないことになる。従って、この次回の受信時において時刻情報を確実に取得するべく、図示するように低電力値の消費電力量による受信に継続して通常値の消費電力量(2V×18mA×300mS)による受信を行うのである。
この結果、図3(b)に示した次回の受信時において、低電力値の消費電力量と通常値の消費電力量との合計値が消費されるものの、これらの消費電力量と、この前の受信である現在の受信にて消費される消費電力量とのトータル電力量は、図中右側に示したように、通常値の消費電力量による2回の受信時に消費されるトータル電力量と同じ電力量に収まる。
ところで、電池寿命は、前述したように電池電圧が動作保証電圧以下に降下した状態になることによって生ずる。そして、この電圧降下は、電池から出力された消費電力量の累積量に加えて、電池からの出力電流が大きければ大きいほど早く降下することが知られている。
一例として、電子機器等に多く用いられるコイン形二酸化マンガンリチウム電池(例えばCR2032)では、電池製造者から多くの資料が開示され、ほぼ図4に示したような放電特性を示す。つまり抵抗値の大きさがR1<R2<R3である放電抵抗値R1,R2,R3によって電池を放電させると、それぞれ図4に示したような放電特性を示すのである。なお、横軸は放電時間、縦軸は電池の電圧(V)を示している。
図示するように、放電抵抗値が小さいほど、つまり電池からの出力電流が大きいほど、電池電圧は早く電圧降下が生ずることが判る。特に、電池電圧が動作保証電圧(例えば2.5V)近くまで降下している場合は、大きな電流が流れると、流れる期間が短くても、電池の内部抵抗によって大きな電圧降下が生ずるため、電池電圧が動作保証電圧以下になる可能性が高くなってしまう。従って、出力される消費電力量が同じであっても、電池からの出力電流値を小さくすれば、電池の電圧降下を抑制して電池寿命を延命させるこができることになるのである。
さて、通常値の消費電力量による受信では、図3(a)に示したように、18mAの電流を流す期間は合計600mSであるのに対して、低電力値の消費電力量による受信では、図3(b)に示したように、18mAの電流を流す期間は300mSに抑制されている。従って、低電力値の消費電力量による受信によって大きな電流が流れる期間を少なくしているので、このような電池の電圧降下特性から、電池電圧の降下を抑制することができることになる。つまり、低電力値の消費電力量による2回の受信時において、消費されるトータル電力量は通常値の消費電力量と同じであるものの、大きな電流が流れる期間を短くしていることから、電池寿命が短くなることを抑制することができるのである。
それでは、上述したように、本実施形態の腕時計1において消費電力を抑制した時刻情報の受信方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、腕時計1の使用者が、図示しない所定の入力ボタンを操作して、受信の開始命令を入力することによってここでの処理が開始されるものとする。もとより、予め定められた時間に自動で開始されることとしてもよい。
こうして、腕時計1にてRF信号の受信が開始されると、まずステップS1にて、受信部10が消費する通常値の消費電力量を設定する処理を行う。具体的には、通常値の消費電力量として、電流値と、この電流値を流す期間が、予め腕時計1内の記憶回路に格納され、中央演算回路がこの値を読み出すことによって設定する。ちなみに本実施形態では電流値は18mAで、300mSの期間が格納されている。なお、受信部10に印加される電圧は、所定の電圧回路によって生成され、ここでは2Vであるものとする。
次に、ステップS2にて、低電力値の消費電力量を設定する処理を行う。本実施形態では、受信部10が消費する受信時の低電力値は、通常値としての電流値を予め定められた整数で除した値であるものとする。つまり、電流値によって消費電力量を抑制するのである。そして本実施形態では、2回の受信のうち1回は時刻情報が取得できると想定し、予め定められた値として整数「2」がデフォルト値として記憶回路に格納されているものとする。そして、中央演算回路がこのデフォルト値を読み出し、通常値としての電流値をこのデフォルト値で除して設定する。従って、通常値としての電流値の半分の値となる電流値が低電力値として設定される。
次に、ステップS3にて、低電力値での連続受信回数kを決定する処理を行う。具体的には、通常値の消費電力量を低電力値の消費電力量で除した値を連続回数として決定する。これは、決定された連続回数低電力値の消費電力量で受信しても、トータルの消費電力量は、通常値の消費電力量による1回分の受信で消費される電力量を超えないようにするのためである。もとより本実施形態では、ステップS2において用いられたデフォルト値「2」と同一であるので、k=2(回)となる。
次に、ステップS4にて受信回数を示す値nを1とし、ステップS5にて、低電力値の消費電力量で受信処理を行う。そして、続くステップS6にて、時刻情報を取得できたか否かを判定処理する。
判定の結果、取得できた場合は(YES)、ステップS11に進む。一方取得できなかった場合は(NO)、ステップS7にてnに「1」を加算処理し、続くステップS8にて、nが「k−1」より大きいか否かを判定処理する。
判定の結果、nが「k−1」より大きくない場合は(NO)、次回受信を行っても受信回数の合計が連続回数を超えないので、ステップS9にて、低電力値の消費電力量で直ちに受信処理を行い、時刻情報を継続して受信する。そして前述したステップS6以降の処理を繰り返す。
一方、判定の結果、nが「k−1」より大きい場合は(YES)、次回の受信を行ったときの受信回数の合計が連続回数と同じになるため、ステップS10にて、通常値の消費電力量で直ちに受信処理を行う。こうすることで、時刻情報を継続して受信するとともに確実に時刻情報を受信する。
そして、ステップS11にて、時刻情報の受信を終了するか否かを判定処理する。本実施形態では、腕時計1の使用者が、図示しない所定の入力ボタンを操作して、受信を終了するか否かを示すデータを記憶回路に格納し、中央演算回路が格納されたデータを読み出して判定する。そして、判定の結果、受信を継続する場合は(NO)、ステップS4に戻って受信回数nの値を「1」にして、ステップS5からステップS10までの処理を繰り返し、時刻情報の受信を行う。一方、受信を終了する場合は(YES)、この時刻情報の受信処理を終了する。
ところで、本実施形態では、k=2であるので、図3(b)にて説明したように、低電力値の消費電力による1回目の受信で時刻情報が取得できなかった場合は、直ちに通常値の消費電力による受信が行われる。従って、低電力値の消費電力による1回目の受信において時刻情報が取得できない場合が生じても、直ちに通常値の消費電力の受信を行うので、時刻情報を取得する時間は遅れる(図3(b)では300mS)ものの、確実に時刻情報を取得することができる。当然ながら、この程度の遅れは使用者に違和感を与えるものではない。もとより、低電力値の消費電力による1回目の受信で、時刻情報が取得できる場合は、時刻情報を取得できる時間の遅れは生じない。
上述したように、図5のフローチャートに示した時刻情報の受信方法によれば、毎回の時刻情報の受信時において、確実に時刻情報を取得するとともに、受信部10に大きな電流を流す期間を短くすることができる。従って、前述したように電池寿命が短くなることを抑制することが可能となる。
以上、本発明について、一実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。以下変形例を挙げて説明する。
(変形例)
上記実施形態では、2回の受信のうち1回は時刻情報が取得できることを想定し、予め定められた値として整数「2」がデフォルト値として記憶回路に格納されているものとしたが、変形例として、さらに取得確率を低くした場合を想定した受信方法としてもよい。こうすれば、さらに流す電流値の大きさを小さくすることができ、電池寿命を延命させることが期待できる。一例として、3回の受信のうち1回は時刻情報が取得できることを想定した受信方法とした場合について、図6を参照して説明する。
図6(a)は、図3(a)と同様、腕時計1において通常行われる時刻情報の受信動作を示し、図6(b)は、本変形例における時刻情報の受信動作を示す説明図である。なお横軸は時間軸を示している。本変形例でも、1時間毎に時刻情報の受信動作が行われるものとする。従って、図6(a),(b)は、現在の受信と、この現在の受信を基点にして1時間後に行われる次回の受信との都合2回の受信が、時刻情報を取得するために行われるとき、それぞれの受信時において消費される電力量の様子を示している。
まず、図6(a)に示した通常行われる時刻情報の受信時では、図3(a)と同様に、電源制御部16は受信部10に対して、印加電圧は2Vであって毎回18ミリアンペア(mA)の電流を300ミリ秒(mS)間流すように制御するものとする。従って、現在の受信時および次回の受信時のそれぞれ1回の受信時に、2V×18mA×300mS(=10.8ミリワット秒(mWS))の電力量が、通常値の消費電力量として消費される。この結果、現在の受信時と次回の受信時の2回の受信時において消費されるトータル電力量は、図中右側に示したように、この2倍の値21.6mWS(=2V×18mA×600mS)となる。
これに対して、図6(b)では、電源制御部16は、受信部10に対して、まず現在の受信時に6ミリアンペア(mA)の電流を300ミリ秒(mS)間流すように制御する。従って、現在の受信時において、2V×6mA×300mS(=3.6ミリワット秒(mWS))の電力量が、低電力値の消費電力量として消費される。なお、この低電力値の消費電力量による受信によって時刻情報が取得できる取得確率を1/3と想定し、この現在の受信時において時刻情報は取得できたものとする。
そして、これに続く1時間後の次回の受信時では、まず最初に、同じく2V×6mA×300mS(=3.6mWS)の低電力値となる消費電力量で受信が行われる。このときは、取得確率から時刻情報は受信できないことになる。従って、次回の受信も、同じく2V×6mA×300mS(=3.6mWS)の低電力値となる消費電力量での受信が直ちに行われる。
そして、直ちに行われた低電力値の消費電力量での受信においても、取得確率から時刻情報は取得されないことになるので、この次回の受信時において時刻情報を確実に取得するために、図示するように直ちに通常値の消費電力量による受信を行うのである。
この結果、図6(b)に示した次回の受信時においては、低電力値の消費電力量と通常値の消費電力量とを合計した電力量が消費されるものの、これらの消費電力量と、この前の受信である現在の受信にて消費される消費電力量とのトータル電力量は、図中右側に示したように、通常値の消費電力量による2回の受信時に消費されるトータル電力量と同じ電力量に収まる。従って、消費電力量の差異に起因する電池寿命への影響は小さいと考えられる。
一方、図6(a)に示したように、通常値の消費電力量による受信では、18mAの電流を流す期間は合計600mSであるのに対して、図6(b)に示したように、低電力値の消費電力量による受信では、18mAの電流を流す期間は300mSに抑制されている。さらに、低電力値の消費電力量による受信時において、上記実施形態では、図3(b)に示したように9mAの電流を流すのに対して、本変形例では、図6(b)に示したように、これよりも値の小さい6mAの電流を流すことになる。
従って、低電力値の消費電力量による受信回数をさらに1回増やすことで、消費されるトータル電力量は変わらないが、9mAから6mAへと流れる電流値の大きさを小さく抑えることができる。この結果、前述したように、大きな出力電流が流れる期間が少ないほど電池電圧の降下を抑制することができることから、電池寿命が短くなることを抑制することが期待できる。
なお、本変形例についての処理は、図5に示したフローチャートにおいて、ステップS2にて用いるデフォルト値を「3」(従ってk=3)とすれば、図5に示したフローチャートの処理と基本的に同じである。従って、本変形例での処理については、図5と同様であるので、説明を省略する。
ところで、上記実施形態および変形例では、低電力値の消費電力量による時刻情報の受信処理において、低電力値の消費電力量による連続受信回数の逆数を、時刻情報が取得できる取得確率であると想定して説明した。従って、実際に時刻情報を取得するときの電波の受信状況に依存して、上記実施形態および変形例の説明において想定した取得確率が、実際の取得確率と異なる状況が発生する場合がある。
ここで、想定した取得確率よりも実際の取得確率が低い場合は、低電力値の消費電力量による受信後、継続して通常値の消費電力量による受信が行われる場合が高頻度に発生することになる。従って、トータル電力量は増加し、電池寿命を逆に短くしてしまう虞がある。これに対して、想定した取得確率よりも実際の取得確率が高い場合は、低電力値の消費電力量による受信のみが高頻度に発生するため、トータル電力量は減少し、かつ大きな電流を流す通常値の消費電力量での受信が行われないので、電池寿命をより効果的に延命させることができる。
このような2つの場合を鑑みることで判るように、想定した取得確率がおおよそ得られる電波受信状況であれば、上記実施形態および変形例による受信方法によって電池寿命が短くなることを抑制する確率が高くなる。さらに、想定した取得確率以上の確率が得られる電波受信状況下であれば、さらに電池寿命の短命化を抑制することができるのである。
(その他の変形例)
上記実施形態あるいは変形例では、図5のステップS2において、時刻情報の受信時に受信部10が消費する低電力値を、通常値としての電流値を予め定められた整数で除した値であるものとしたが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、ステップS2において、低電力値の消費電力量を、通常値の消費電力量に対する所定割合(例えば40%)として設定することとしてもよい。こうすれば、ステップS3にて決定される低電力値での連続受信回数kによる消費電力のトータル電力量は、通常値の消費電力量よりも少なくなる確率が高くなるので、電池寿命が短くなることをさらに抑制することができる。
また、上記実施形態あるいは変形例では、CDMA基地局から送信されるデータ信号を受信するものとして説明したが、これ以外に、例えば電波時計における時刻情報のデータ受信などのように、予め定められた時間間隔で送信されるデータ信号を受信するものとしてもよい。
また、上記実施形態あるいは変形例では、腕時計において時刻情報を受信するものとして説明したが、これ以外に、例えば懐中時計のような小型で携帯可能な時計において時刻情報を受信するものとしてもよい。もとより、一次電池や2次電池を電源とし、電池サイズを大きくすることが好ましくない小型の電子機器(例えば携帯電話)において、時刻情報を受信するものとしても勿論よい。
本発明の一実施形態となる腕時計において、時刻情報の受信の仕組みを示す模式図。 本実施形態の腕時計について、その機能構成を示す機能ブロック図。 (a)は通常行われる時刻情報の受信動作を示す説明図、(b)は本実施形態による時刻情報の受信動作を示す説明図。 腕時計に用いられる電池の放電特性の一例を示す特性図。 本実施形態の腕時計にて行われる受信方法を示す処理フローチャート。 (a)は通常行われる時刻情報の受信動作を示す説明図、(b)は変形例となる時刻情報の受信動作を示す説明図。
符号の説明
1…腕時計、3…基地局、4…表示手段、10…受信部、11…復調部、12…時刻情報取得部、14…表示部、15…取得判定部、16…電源制御部、30…時刻情報、31…変調部。

Claims (8)

  1. 取得対象の情報データを含む電波を受信する受信部と、
    前記受信した電波から、前記情報データを取得する取得部と、
    前記取得部が前記情報データを取得できたか否かを判定する取得判定部と、
    前記受信部が消費する消費電力量を、通常値又は当該通常値よりも少ない低電力値のいずれかに制御する電力制御部と、を備え、
    前記電力制御部は、
    前記消費電力量を前記低電力値に制御したのち、前記受信部による受信において、前記取得判定部が前記情報データを取得できなかったと判定したとき、前記受信部による次回の受信において、前記消費電力量を前記通常値に制御することを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1に記載の受信装置であって、
    前記受信部は、前記取得判定部が前記情報データを取得できなかったと判定したとき、前記通常値の消費電力量による前記次回の受信を、前記低電力値の消費電力量による前記受信に継続して行うことを特徴とする受信装置。
  3. 請求項1または2に記載の受信装置であって、
    前記電力制御部は、前記受信部による受信において、前記取得判定部が前記情報データを取得できなかったと判定する回数が、前記低電力値を用いた前記受信部が消費する消費電力量の合計が前記通常値を超えない最多回数より1回少ない回数まで、連続して前記低電力値に制御することを特徴とする受信装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の受信装置であって、
    前記電力制御部は、前記受信部による受信において、前記通常値に対する前記低電力値の比を、整数比に設定することを特徴とする受信装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の受信装置であって、
    前記電力制御部は、前記受信部が消費する電流値を変更することによって、前記通常値の消費電力量と前記低電力値の消費電力量とを制御することを特徴とする受信装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の受信装置であって、
    前記取得対象の情報データは標準時刻を表す情報データであることを特徴とする受信装置。
  7. 請求項6に記載の受信装置を有する電波時計。
  8. 取得対象の情報データを含む電波を受信する受信工程と、
    前記受信した電波から、前記情報データを取得する取得工程と、
    前記取得工程で前記情報データを取得できたか否かを判定する取得判定工程と、
    前記受信工程で消費する消費電力量を、通常値又は当該通常値よりも少ない低電力値のいずれかに制御する電力制御工程と、を備え、
    前記電力制御工程は、
    前記消費電力量を前記低電力値に制御したのち、前記受信工程による受信において、前記取得判定工程が前記情報データを取得できなかったと判定したとき、前記受信工程による次回の受信において、前記受信工程の消費電力量を前記通常値に制御することを特徴とする受信方法。
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