JP2008274795A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Shuntaro Okazaki
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】いわゆるショートトリップが連続するような場合であっても適切にサブF/B学習値を更新して機関空燃比を最適に制御することができる空燃比制装置を提供する。
【解決手段】空燃比制御装置は、排気浄化触媒の上流側に配置された上流側空燃比センサ23と、下流側に配置された下流側空燃比センサ24とを具備し、上流側空燃比センサの出力値に基づいて燃料供給量を制御するメインF/B制御と、下流側空燃比センサの出力値に基づいて燃料供給量を補正するサブF/B制御と、サブF/B制御における補正値の少なくとも一部を取り込むようにして算出された学習値に基づいて燃料供給量を補正するサブF/B学習制御とを実行する。内燃機関の始動時には学習開始条件が成立したときにサブF/B学習制御を開始する。ショートトリップが所定回数以上連続している場合には、サブF/B学習制御の実行開始が早くなるように学習開始条件を変更する。
【選択図】図10

Description

本発明は内燃機関の空燃比制御装置に関する。
内燃機関本体から排出された排気ガス中には炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOX)等の成分が含まれており、従来からこれら成分を浄化するために三元触媒が利用されている。斯かる三元触媒は排気ガスの空燃比(以下、「排気空燃比」と称す)がほぼ理論空燃比となっているときにその浄化能力が高くなることから、三元触媒によって排気ガスの浄化を行う際には排気空燃比がほぼ理論空燃比となるように燃焼室への燃料供給量等を制御する必要がある。
このため、多くの内燃機関では、三元触媒の排気上流側において機関排気通路内に排気空燃比を検出することができる空燃比センサを設け、この空燃比センサによって検出される排気空燃比がほぼ理論空燃比になるように燃焼室への燃料供給量を調整するフィードバック制御(以下、「メインF/B制御」と称す)が行われている。
しかし、三元触媒の上流側においては排気ガスが十分混合していないことにより空燃比センサの出力がばらついたり、排気ガスの熱により空燃比センサが劣化したりすることにより、空燃比センサが実際の空燃比を正確に検出することができない場合があり、このような場合には上述したメインF/B制御による空燃比の制御精度が低下してしまう。
そこで、三元触媒の排気下流側にも機関排気通路内に排気空燃比を検出することができる空燃比センサを設け、下流側空燃比センサの出力に基づいて上流側空燃比センサの出力値が実際の排気空燃比と一致するように上流側空燃比センサの出力値を(結果的には燃料供給量を)補正するサブF/B制御を行うことにより空燃比の制御精度を改善するダブルセンサシステムが既に実用化されている。
そして、このダブルセンサシステムにおいては、上流側空燃比センサの出力値と実際の排気空燃比との間の定常的なずれに対応する学習値をサブF/B制御における補正量に基づいて算出すると共に、算出された学習値に基づいて上流側空燃比センサの出力値を補正する学習制御(以下、「サブF/B学習制御」と称す)が行われる。このような学習値は例えば機関停止時にもECUのRAMに保存されるため、内燃機関の再始動後であってサブF/B制御によって上流側空燃比センサの出力値が十分に補正されていなくても上流側空燃比センサの出力値が実際の排気空燃比付近の値となるため、空燃比の制御精度の悪化を防止することができ、よって排気エミッションの悪化を防止することができる。
ところで、機関運転中に燃料カット制御(以下、「F/C制御」と称す)が実行されると、三元触媒に流入する排気ガスの空燃比がリーンとなっている状態が続き、三元触媒は酸素を多量に吸蔵して飽和状態となる。このため、F/C制御中やF/C制御終了後一定期間中にはサブF/B制御やサブF/B学習制御を実行しても空燃比を最適に制御することができないため、斯かる期間中には通常これら制御は実行されない。
ところが、F/C制御が短時間のうちに繰り返して実行されると、サブF/B学習制御が長期間に亘って実行されないこととなるためサブF/B学習値が更新されず、よってF/C制御終了後にサブF/B制御が再開されても機関空燃比を適切な値にすることができない。特に、バッテリからの給電中断等によってサブF/B学習値が消去されてしまった場合、F/C制御の影響でサブF/B学習値の更新が行われないと長期に亘って機関空燃比を適切に制御することができなくなってしまう。
そこで、サブF/B学習値が消去されてしまったときには、ロックアップクラッチのスリップ制御を禁止することが提案されている(特許文献1)。F/C制御はロックアップクラッチのスリップ制御を行うことによって行われるため、スリップ制御が禁止されるとF/C制御が実行されなくなる。これにより、サブF/B学習値が消去された後の機関運転中においてはF/C制御の実行によってサブF/B制御及びサブF/B学習制御が中止されることがなくなり、サブF/B学習値を早期に安定させることができる。
特開2004−316523号公報
ところで、内燃機関の冷間始動時においては、機関空燃比が理論空燃比よりも小さくなるように燃料増量制御が行われたり、三元触媒が活性温度に達していなかったりするため、内燃機関の暖機が終了するまでサブF/B制御やサブF/B学習制御を実行しない。
一方、エンジンが始動されてから停止されるまでの期間が比較的短い運転、いわゆるショートトリップが行われると、内燃機関の暖機が終了する前に内燃機関の運転が停止されてしまったり、内燃機関の暖機が終了してもサブF/B制御やサブF/B学習制御が安定する前に内燃機関の運転が停止されてしまったりする。特に、ショートトリップが連続するような場合には、内燃機関の運転が行われているにも関わらずサブF/B学習値の更新が長期間に亘って行われず、よって機関空燃比の適切な制御を実行することができず、排気エミッションの悪化を招いてしまう。
そこで、本発明の目的は、いわゆるショートトリップが連続するような場合であっても適切にサブF/B学習値を更新して機関空燃比を最適に制御することができる空燃比制装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、機関排気通路内に設けられた排気浄化触媒の排気上流側に配置され且つ排気ガスの空燃比を検出する上流側空燃比センサと、上記排気浄化触媒の排気下流側に配置され且つ排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比センサとを具備し、上記上流側空燃比センサの出力値に基づいて排気空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量を制御するメインフィードバック制御と、上記上流側空燃比センサの出力値と実際の排気空燃比とのずれを補償すべく上記下流側空燃比センサの出力値に基づいて排気空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量を補正するサブフィードバック制御と、上記サブフィードバック制御における補正値の少なくとも一部を取り込むようにして算出された学習値に基づいて上記燃料供給量を補正するサブフィードバック学習制御とを実行し、内燃機関の始動時には内燃機関の暖機状態に関する所定の学習開始条件が成立したときにサブフィードバック学習制御を開始する内燃機関の空燃比制御装置において、始動してから所定の暖機完了条件が成立する前に内燃機関が停止せしめられる短期間運転を検出する短期間運転検出手段を更に具備し、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、サブフィードバック学習制御の実行開始が早くなるように上記学習開始条件を変更する。
第1の発明によれば、短期間運転、いわゆるショートトリップが連続するような場合には、サブフィードバック学習制御の実行開始が早くせしめられる。このため、ショートトリップが連続するような場合であってもサブフィードバック学習制御の学習値を更新することができる。
第2の発明では、第1の発明において、内燃機関の始動時には内燃機関の暖機状態に関する所定のサブフィードバック開始条件が成立したときにサブフィードバック制御を開始し、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、サブフィードバック制御の実行開始が早くなるようにサブフィードバック開始条件を変更する。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記学習開始条件は機関冷却水温が所定の学習開始温度以上となったときに成立し、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始温度を低下させる。
第4の発明では、第1又は第2の発明において、上記学習開始条件は触媒温度が所定の学習開始温度以上となったときに成立し、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始温度を低下させる。
第5の発明では、第1又は第2の発明において、上記学習開始条件は積算空気量が所定の学習開始空気量以上となったときに成立し、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始空気量を減少させる。
第6の発明では、第1又は第2の発明において、上記学習開始条件は機関始動後の経過時間が所定の学習開始経過時間以上となったときに成立し、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始経過時間を短くする。
第7の発明では、第1〜第6のいずれか一つの発明において、上記サブフィードバック制御及び上記サブフィードバック学習制御は所定の制御パラメータに基づいて行われ、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、サブフィードバック学習制御における学習値の変化速度が速くなるように上記制御パラメータの値を変更するようにした。
第8の発明では、第7の発明において、上記サブフィードバック学習制御の制御パラメータに、サブフィードバック制御における補正値を学習値に取り込む取込間隔が含まれており、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、上記取込間隔が短くなるようにした。
第9の発明では、第7の発明において、上記サブフィードバック学習制御の制御パラメータにサブフィードバック制御における補正値を学習値に取り込む取込量又は取込割合が含まれており、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、上記取込量又は取込割合が大きくなるようにした。
第10の発明では、第7の発明において、上記サブフィードバック制御の制御パラメータに制御ゲインが含まれており、上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、上記制御ゲインを大きくするようにした。
本発明によれば、いわゆるショートトリップが連続するような場合であっても適切にサブF/B学習値を更新して機関空燃比を最適に制御することができる。
以下、図面を参照して本発明の内燃機関の空燃比制御装置について説明する。図1は本発明の制御装置が搭載される内燃機関全体の図である。図1に示した実施形態では本発明の空燃比制御装置が筒内直噴型火花点火式内燃機関に用いられた場合を示しているが、他の火花点火式内燃機関や圧縮自着火式内燃機関等にも用いることができる。
図1を参照すると1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダブロック2内で往復動するピストン、4はシリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド、5はピストン3とシリンダヘッド4との間に形成された燃焼室、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポートをそれぞれ示す。図1に示したようにシリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置される。またピストン3の頂面上には燃料噴射弁11の下方から点火プラグ10の下方まで延びるキャビティ12が形成されている。
各気筒の吸気ポート7はそれぞれ対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は吸気管15を介してエアクリーナ(図示せず)に連結される。吸気管15内にはエアフロメータ16が配置されると共にステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。一方、各気筒の排気ポート9は排気マニホルド19に連結され、この排気マニホルド19は三元触媒20を内蔵した触媒コンバータ21に連結される。触媒コンバータ21の出口は排気管22に連結される。排気マニホルド19、すなわち排気浄化触媒20上流側の排気通路内には空燃比センサ23が配置されると共に、排気管22、すなわち三元触媒20下流側の排気通路内には酸素センサ24が配置される。なお、本実施形態では、排気浄化触媒として三元触媒20を用いているが、酸素吸蔵能力を有していれば、他のタイプの触媒、例えばNOX吸蔵還元触媒、リーンNOX触媒、DPNR等を用いてもよい。
電子制御ユニット31はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36および出力ポート37を具備する。エアフロメータ16は吸入空気流量に比例した出力電圧を発生し、その出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、空燃比センサ23は、図2に示したように、排気マニホルド19内を通過する排気ガス中の酸素濃度に基づいて、斯かる排気ガスの空燃比にほぼ比例した出力電圧を発生する。一方、酸素センサ24は、図3に示したように、排気管22内を通過する排気ガス、すなわち三元触媒20を通過した後の排気ガス中の酸素濃度に基づいて、斯かる排気ガスの空燃比が理論空燃比(約14.7)よりもリッチであるかリーンであるかによって大きく異なる出力電圧を発生する。これら出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。クランク角センサ42は例えばクランクシャフトが30度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート36に入力される。CPU35ではこのクランク角センサ42の出力パルスから機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路39を介して点火プラグ10、燃料噴射弁11およびステップモータ17に接続される。
上述した三元触媒20は、酸素吸蔵能力を有しており、これにより三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときには排気ガス中の酸素を吸蔵すると共に、三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比がリッチであるときには吸蔵している酸素を放出することにより排気ガス中に含まれるHC、COを酸化・浄化する。
このような三元触媒20の酸素吸蔵能力を効果的に利用するためには、排気ガスの空燃比がその後リッチ及びリーンのいずれになっても排気ガスを浄化することができるように、三元触媒20中に吸蔵されている酸素の量を所定量(例えば、最大酸素吸蔵量の半分)に維持することが必要である。三元触媒20の酸素吸蔵量が上記所定量に維持されていれば、三元触媒20は常に或る程度の酸素吸蔵作用及び酸素放出作用を発揮することが可能であり、結果として三元触媒20により常に排気ガス中の成分の酸化・還元を行うことができるようになる。このため、本実施形態では、三元触媒20による排気浄化性能を維持すべく、三元触媒の酸素吸蔵量を一定に維持するように空燃比制御を行うこととしている。
そこで、本実施形態では、三元触媒20よりも排気上流側に配置された空燃比センサ(上流側空燃比センサ)23によって排気空燃比(三元触媒20上流側の排気通路、燃焼室5および吸気通路に供給された空気と燃料との比率)を検出すると共に、空燃比センサ23の出力値が理論空燃比に対応した値となるように燃料噴射弁11からの燃料供給量についてF/B制御を行うこととしている(以下、このF/B制御を「メインF/B制御」と称す)。これにより、排気空燃比は理論空燃比付近に維持され、その結果三元触媒の酸素吸蔵量が一定に維持され、よって排気エミッションを改善することができる。
以下、メインF/B制御について具体的に説明する。まず、本実施形態では、燃料噴射弁11から各気筒へと供給すべき燃料量(以下、「目標燃料供給量」と称す)Qft(n)は下記式(1)によって算出される。
Qft(n)=Mc(n)/AFT+DQf(n−1) …(1)
ここで、上記式(1)においてnはECU31における計算回数を示す値であり、例えばQft(n)は第n回目の計算によって算出された目標燃料供給量を表している。また、Mc(n)は、吸気弁6の閉弁時までに各気筒の筒内に吸入されたと予想される空気量(以下、「筒内吸入空気量」と称す)を示している。筒内吸入空気量Mc(n)は、例えば機関回転数Neと吸気管15内を通過した空気の流量(以下、「吸気管通過空気流量」と称す)mtとを引数としたマップ又は計算式を予め実験的に又は計算によって求め、このマップ又は計算式をECU31のROM34に保存し、機関運転中に機関回転数Ne及び吸気管通過空気流量mtを検出してこれら検出値に基づいて上記マップ又は計算式により算出される。また、AFTは、排気空燃比の目標値であり、本実施形態では理論空燃比(14.7)である。さらに、DQfは、後述するメインF/B制御に関して算出される燃料補正量である。燃料噴射弁11では、このようにして算出された目標燃料供給量に対応する量の燃料が噴射される。
なお、上記説明では、筒内吸入空気量Mc(n)は、機関回転数Neと吸気管通過空気流量mtとを引数としたマップ等に基づいて算出されるとしているが、例えばスロットル弁18の開度及び大気圧等に基づいた計算式等、他の方法によって求められてもよい。
図4は、燃料噴射弁11からの目標燃料供給量Qft(n)を算出する目標燃料供給量算出制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは所定時間間隔の割り込みによって行われる。
まず、ステップ101において、クランク角センサ42及びエアフロメータ16によって機関回転数Ne及び吸気管通過空気流量mtが検出される。次いで、ステップ102では、ステップ101において検出された機関回転数Ne及び吸気管通過空気流量mtに基づいてマップにより又は計算式により時刻nにおける筒内吸入空気量Mc(n)が算出される。次いで、ステップ103では、ステップ102で算出された筒内吸入空気量Mc(n)及び後述するメインF/B制御において算出された時刻n−1における燃料補正量DQf(n−1)に基づいて上記式(1)により目標燃料供給量Qft(n)が算出され、制御ルーチンが終了せしめられる。燃料噴射弁11ではこのように算出された目標燃料供給量Qft(n)に相当する量の燃料が噴射せしめられる。
次に、メインF/B制御について説明する。本実施形態では、メインF/B制御として、空燃比センサ23の出力に基づいて算出された実際の燃料供給量と、上述した目標燃料供給量Qftとの燃料偏差量ΔQfを各計算時毎に算出し、この燃料偏差量ΔQfがゼロになるように燃料補正量DQfを算出している。具体的には、燃料補正量DQfは下記式(2)により算出される。なお、下記式(2)においてDQf(n−1)は、第n−1回目の計算、すなわち前回の計算における燃料補正量であり、Kmpは比例ゲイン、Kmiは積分ゲインをそれぞれ示している。これら比例ゲインKmp、積分ゲインKmiは予め定められた一定の値であってもよいし、機関運転状態に応じて変化する値であってもよい。
Figure 2008274795
図5は、燃料補正量DQfを算出するメインF/B制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは所定時間間隔の割り込みによって行われる。
まず、ステップ121では、メインF/B制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。メインF/B制御の実行条件が成立している場合とは、例えば内燃機関の冷間始動中ではないこと(すなわち、機関冷却水温が一定温度以上であって始動時燃料増量等が行われていないこと)や、機関運転中に燃料噴射弁からの燃料噴射を停止する燃料カット制御中ではないこと等が挙げられる。ステップ121においてメインF/B制御の実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ122へと進む。
ステップ122では、第n回目の計算時における空燃比センサ23の出力値VAF(n)が検出される。次いで、ステップ123では、後述するサブF/B制御の制御ルーチンによって算出された空燃比センサ23の出力補正値efsfb(n)及び後述するサブF/B学習値efsfbgをステップ122で検出された出力値VAF(n)に加算することで、空燃比センサ23の出力値が補正されて第n回目の計算時における補正出力値VAF’(n)が算出される(VAF’(n)=VAF(n)+efsfb(n)+efsfbg(n))。
次いで、ステップ124では、ステップ123で算出された補正出力値VAF’(n)に基づいて図2に示したマップを用いて時刻nにおける実空燃比AFR(n)が算出される。このようにして算出された実空燃比AFR(n)は、第n回目の計算時における三元触媒20に流入する排気ガスの実際の空燃比にほぼ一致した値となっている。
次いで、ステップ125では、下記式(3)により、空燃比センサ23の出力に基づいて算出された燃料供給量と目標燃料供給量Qftとの燃料偏差量ΔQfが算出される。なお、下記式(3)において、筒内吸入空気量Mc及び目標燃料供給量Qftについては第n回目の計算時における値が用いられているが、第n回目の計算時よりも前の値が用いられてもよい。
ΔQf(n)=Mc(n)/AFR(n)−Qft(n) …(3)
ステップ126では、上記式(2)により時刻nにおける燃料補正量DQf(n)が算出され、制御ルーチンが終了せしめられる。算出された燃料補正量DQf(n)は、図4に示した制御ルーチンのステップ103において用いられる。一方、ステップ121においてメインF/B制御の実行条件が成立していないと判定された場合には、燃料補正量DQf(n)が更新されることなく制御ルーチンが終了せしめられる。
ところで、排気ガスの熱により空燃比センサ23が劣化すること等により空燃比センサ23の出力にはずれが生じる場合がある。このような場合、本来図2に実線で示したような出力値を発生させる空燃比センサ23が、例えば図2に破線で示したような出力値を発生させてしまう。このように空燃比センサ23の出力値にずれが生じると、空燃比センサ23は例えば本来であれば排気空燃比が理論空燃比になっているときに発生させる出力電圧を、理論空燃比よりもリーンであるときに発生させてしまう。そこで、本実施形態では、酸素センサ(下流側空燃比センサ)24を用いたサブF/B制御により空燃比センサ23の出力値に生じたずれを補償して、空燃比センサ23の出力値が実際の排気空燃比に対応した値となるようにすることとしている。
すなわち、酸素センサ24は、図3に示したように、排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるかリーンであるかを検出することができ、理論空燃比よりもリッチであるかリーンであるかの判定にずれを生じることがほとんどない。このため、実際の排気空燃比がリーンとなっているときには酸素センサ24の出力電圧は低い値となっており、実際の排気空燃比がリッチとなっているときには酸素センサ24の出力電圧は高い値となっている。したがって、実際の排気空燃比がほぼ理論空燃比となっているとき、すなわち理論空燃比付近で上下を繰り返しているときには、酸素センサ24の出力電圧は高い値と低い値との間で反転を繰り返す。このような観点から、本実施形態では、酸素センサ24の出力電圧が高い値と低い値との間で反転を繰り返すように空燃比センサ23の出力値を補正することとしている。
図6は、実際の排気空燃比と、酸素センサの出力値と、空燃比センサ23の出力補正値efsfbと、サブF/B学習値efsfbgとのタイムチャートである。図6のタイムチャートは、実際の排気空燃比が理論空燃比になるように制御しているにも関わらず、空燃比センサ23にずれが生じていて実際の排気空燃比が理論空燃比となっていない場合に、空燃比センサ23に生じているずれが補償されていく様子を示している。
図6に示した例では、時刻t0において、実際の排気空燃比は理論空燃比となっておらず、理論空燃比よりもリーンとなっている。これは、空燃比センサ23にずれが生じていて、実際の排気空燃比が理論空燃比よりもリーンである空燃比となっているときに空燃比センサ23により理論空燃比に対応する出力値が出力されているためである。このとき酸素センサ24の出力値は低い値となっている。
空燃比センサ23の出力補正値efsfbは、上述したように、図5のステップ123において補正出力値VAF’(n)を算出するために出力値VAF(n)に加算される。従って、この出力補正値efsfbが正の値となっている場合には空燃比センサ23の出力値はリーン側に補正され、負の値となっている場合には空燃比センサ23の出力値はリッチ側に補正される。そして出力補正値efsfbの絶対値が大きいほど空燃比センサ23の出力値が大きく補正される。
空燃比センサ23の出力値がほぼ理論空燃比となっているにも関わらず酸素センサ24の出力値が低い値となっているときには空燃比センサ23の出力値がリッチ側にずれていることを意味する。そこで、本実施形態では、酸素センサ24の出力値が低い値となっているときには、図6に示したように、出力補正値efsfbの値を増大させて、空燃比センサ23の出力値をリーン側へ補正することとしている。一方、空燃比センサ23の出力値がほぼ理論空燃比となっているにも関わらず酸素センサ24の出力値が高い値となっているときには、出力補正値efsfbの値を減少させて、空燃比センサ23の出力値をリッチ側へ補正することとしている。
具体的には出力補正値efsfbの値は下記式(4)により計算される。なお、下記式(4)において、Kspは比例ゲイン、Ksiは積分ゲインをそれぞれ示している。また、ΔVO(n)は、第n回目の計算時における酸素センサ24の出力値と目標出力値(本実施形態では、理論空燃比に対応する値)との出力偏差を示している。
Figure 2008274795
このように、図6に示した例では、空燃比センサ23の出力補正値efsfbの値が増大するにつれて、空燃比センサ23の出力値に生じているずれが補正され、実際の排気空燃比が徐々に理論空燃比に近づいていく。
このようにしてサブF/B制御により空燃比センサ23の出力値は適宜補正されるが、例えば内燃機関を停止させた場合等にはサブF/B制御が中断せしめられ、その結果、出力補正値efsfbの値はゼロにリセットされる。その後、再び内燃機関を始動させた場合等には、サブF/B制御が再開されるが、出力補正値efsfbがゼロにリセットされているため、空燃比センサ23の出力値を再び適切な値にまで補正するには時間がかかる。
そこで、本実施形態では、空燃比センサ23の出力値と実際の排気空燃比に対応する値との間に生じている定常的なずれに対応するサブF/B学習値efsfbgを上記サブF/B制御における出力補正値efsfbに基づいて算出すると共に、図5のステップ123に示したように、算出されたサブF/B学習値efsfbgに基づいて空燃比センサ23の出力値VAFを補正することとしている(以下、このような制御を「サブF/B学習制御」と称す)。このようにして算出されたサブF/B学習値efsfbgは、例えば内燃機関を停止させてもゼロにリセットされることはなく、よって内燃機関の停止等の後でも比較的早期に空燃比センサ23の出力値を再び適切な値にまで補正することができるようになる。
具体的には、前回の学習時期(すなわち、サブF/B学習値efsfbgの算出時期)から所定時間ΔTが経過したときの出力補正値efsfbが正の値である場合にはサブF/B学習値efsfbgを増大させると共に、出力補正値efsfbが負の値である場合にはサブF/B学習値efsfbgを減少させるようにしている。また、サブF/B学習値efsfbgの増大量又は減少量は、出力補正値efsfbの絶対値が大きくなるほど多くなるようにしている。
特に本実施形態では、前回の学習時期から所定時間ΔTが経過したときの出力補正値efsfb及びサブF/B学習値efsfbgはそれぞれ下記式(5)及び(6)により更新される。なお、下記式(5)及び(6)において、ksfbgは取込割合(0<α≦1)であり、後述する方法により設定される。したがって、図6に示した例では、時刻t1において出力補正値efsfbが正の値となっているため、下記式(5)及び(6)により出力補正値efsfbが低下せしめられると共にサブF/B学習値efsfbgが増大せしめられ、同様に時刻t2においても出力補正値efsfbが正の値となっているため、下記式(5)及び(6)により出力補正値efsfbが低下せしめられると共にサブF/B学習値efsfbgが増大せしめられる。
efsfb=efsfb−efsfb・ksfbg …(5)
efsfbg=efsfbg+efsfb・ksfbg …(6)
このようにして算出されたサブF/B学習値efsfbgは、上述したように、図5のステップ123において補正出力値VAF’(n)を算出するために出力値VAF(n)に加算される。そしてサブF/B学習値efsfbgは内燃機関の停止時等にリセットされない。このため、内燃機関の停止後、運転を再開したときに、出力補正値efsfbがゼロにリセットされていても空燃比センサ23の出力値を迅速に適切な値に補正することができる。
なお、上記例では、サブF/B学習値efsfbgの増大量又は減少量は、出力補正値efsfbの絶対値が大きくなるほど多くなるようにしているが、出力補正値efsfbに応じて変化させずに一定量としてもよい。この場合、例えば、出力補正値efsfbの絶対値が所定値以上である場合にのみ出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取り込みが行われる。
図7及び図8は、出力補正値efsfbを算出するサブF/B制御及びサブF/B学習値efsfbgを算出するサブF/B学習制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは一定時間間隔の割り込みによって行われる。
まず、ステップ141では、温度センサ(図示せず)によって検出された機関冷却水温THWが後述するパラメータ設定制御において設定されたサブF/B開始温度THWsfb以上であるか否かが判定され、次いで、ステップ141では、燃料増量・減量制御が実行されているか否かが判定される。燃料増量・減量制御は、目標空燃比とは無関係に燃料供給量の増量又は減量を行う制御であり、例えば内燃機関の減速時に行われる燃料減量制御又は燃料カット制御や、三元触媒20の温度が高すぎる時に排気浄化触媒の温度を低下させるべく行われる燃料増量制御や、機関負荷が高いときに内燃機関の出力を高めるべく行われる燃料増量制御等が挙げられる。
すなわち、ステップ141及び142では、サブF/B制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。実行条件が成立していると判定された場合、すなわち機関冷却水温THWがサブF/B開始温度THWsfb以上であり(THW≧THWsfb)且つ燃料増量・減量制御中でないと判定された場合には、ステップ143へと進み、サブF/B制御が実行される。逆に実行条件が成立していないと判定された場合、すなわち機関冷却水温THWがサブF/B開始温度THWsfbよりも小さいか(THW<THWsfb)或いは燃料増量・減量制御中であると判定された場合には、制御ルーチンが終了せしめられ、サブF/B制御及びサブF/B学習制御は実行されない。
ステップ143では、時刻nにおける酸素センサ24の出力値VO(n)が検出される。次いで、ステップ144では、ステップ143で検出された酸素センサ24の出力値VO(n)と目標出力値VOTとの出力偏差ΔVO(n)が算出される(ΔVO(n)=VO(n)−VOT)。ステップ145では、下記式(7)により時刻nにおける比例項Msp(n)の値が算出される。
Msp(n)=Ksp・ΔVO(n) …(7)
次いで、ステップ146では、下記式(8)により時刻nにおける積分項Msi(n)の値が算出され、ステップ147へと進む。ステップ147ではステップ145で算出された比例項Msp(n)の値と、ステップ146で算出された積分項Mip(n)の値とに基づいて下記式(9)により出力補正量efsfb(n)が算出される。
Msi(n)=Msi(n−1)+Ksi・VO(n) …(8)
efsfb(n)=Msp(n)+Msi(n) …(9)
次いで、ステップ148では、温度センサ(図示せず)によって検出された機関冷却水温THWが後述するパラメータ設定制御において設定された学習開始温度THWsfbg以上であるか否かが判定される。すなわち、ステップ148では、サブF/B学習制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。実行条件が成立していると判定された場合、すなわち機関冷却水温THWが学習開始温度THWsfbg以上である(THW≧THWsfbg)と判定された場合には、ステップ149へと進んでサブF/B学習制御が実行される。逆に実行条件が成立していないと判定された場合、すなわち機関冷却水温THWが学習開始温度THWsfbgよりも小さい(THW<THWsfb)と判定された場合には、制御ルーチンが終了せしめられ、サブF/B学習制御は実行されない。
ステップ149では、時間カウンタCNTに1が加算される(CNT=CNT+1)。この時間カウンタCNTは、出力補正値efsfbの一部がサブF/B学習値efsfbgに取り込まれてからの時間を表す時間カウンタである。次いで、ステップ150では、時間カウンタCNTの値が後述するパラメータ設定制御において設定された取込間隔CNTsfbg以上であるか否かが判定される。時間カウンタCNTの値が取込間隔CNTsfbgよりも小さいと判定された場合(CNT<CTNsfbg)には制御ルーチンが終了せしめられ、出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取込みは行われない。一方、ステップ150において、時間カウンタCNTの値が取込間隔CNTsfbg以上であると判定された場合(CNT≧CTNsfbg)にはステップ151へと進む。
ステップ151では、上記式(5)及び(6)により、出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取込みが行われる。次いで、ステップ152において時間カウンタCNTがゼロにリセットされ、制御ルーチンが終了せしめられる。
なお、上記実施形態では、サブF/B制御としてPI制御が行われた場合を示しているが、PID制御等、他の制御が行われてもよい。
ところで、内燃機関が始動されてから停止されるまでの期間が比較的短い運転、或いは始動してから所定の暖機完了条件(例えば、機関冷却水温が一定温度以上になること、酸素センサ24の出力値が所定回数以上反転すること、又は内燃機関の始動から所定時間以上経過すること等)が成立する前に内燃機関が停止せしめられる運転、いわゆるショートトリップが行われると、サブF/B制御やサブF/B学習制御が実行されないまま、または実行されても出力補正値efsfbやサブF/B学習値efsfbgが安定しないまま内燃機関が停止してしまうことになる。
図9は、ショートトリップが行われた場合における、機関冷却水温THW、酸素センサ24の出力値、出力補正値efsfb及びサブF/B学習値efsfbgのタイムチャートである。図9に示した例では、サブF/B制御の実行条件であるサブF/B開始温度THWsfbが所定の第一水温THW1とされ、サブF/B学習制御の実行条件であるサブF/B学習開始温度THWsfbgが所定の第二水温THW2(THW2≧THW1)とされる。従って、内燃機関の冷間始動後、機関冷却水温THWが第一水温THW1よりも低い間はサブF/B制御が実行されず、また機関冷却水温THWが第二水温THW2よりも低い間はサブF/B学習制御が実行されない。
図9に示したように、時刻t3において内燃機関が始動してから機関冷却水温THWは徐々に上昇していく。これに伴って排気ガスの温度も上昇し、時刻t4には酸素センサ24が活性し、酸素センサ24により排気管22内を通過する排気ガスの空燃比の検出が開始される。しかしながら、機関冷却水温THWは第一水温THW1及び第二水温THW2には到達せず、よってサブF/B制御及びサブF/B学習制御は開始されない。
その後、時刻t5においてユーザにより内燃機関が停止せしめられる。このとき、機関冷却水温THWは未だに第一水温THW1及び第二水温THW2には到達していない。従って、ショートトリップが行われると、内燃機関が始動してから停止せしめられるまでの間にサブF/B制御及びサブF/B学習制御は実行されない。
このようなショートトリップが複数回連続して行われると、内燃機関はある程度の時間に亘って運転されているにも関わらずサブF/B制御及びサブF/B学習制御が実行されず、よってサブF/B学習値efsfbgが更新されない。このため、機関空燃比を適切に制御することができなくなり、その結果、排気エミッションの悪化を招いてしまう。
そこで、本発明の実施形態では、ショートトリップが複数回連続して行われている場合には、サブF/B制御の実行開始及びサブF/B学習制御の実行開始が早くなるように、サブF/B制御及びサブF/B学習制御の開始条件を変更するようにしている。
図10は、サブF/B制御及びサブF/B学習制御の開始条件を変更した場合における図9と同様な図である。図10に示した例では、サブF/B制御の実行条件であるサブF/B開始温度THWsfbが上記第一水温THW1よりも低い第三水温THW3(THW3<THW1)とされ、サブF/B学習制御の実行条件であるサブF/B学習開始温度THWsfbgが上記第二水温THW2よりも低い第四水温THW4(THW4<THW2)とされる。
図10に示したように、時刻t3において内燃機関が始動してから機関冷却水温THWは徐々に上昇し、時刻t6には第三水温THW3に到達する。従って、時刻t6においてサブF/B制御が開始せしめられ、酸素センサ24の出力値に基づく出力補正値efsfbの算出が開始される。その後、時刻t7において機関冷却水温THWが第四水温THW4に到達する。従って、時刻t7においてサブF/B学習制御が開始せしめられ、酸素センサ24の出力値に基づくサブF/B学習値efsfbgの算出が開始される。図10に示した例では、時刻t5において内燃機関が停止せしめられるまでの間に複数回、出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取込みが行われる。
このように、本実施形態によれば、ショートトリップが行われた場合であっても、サブF/B制御及びサブF/B学習制御が実行され、出力補正値efsfb及びサブF/B学習値efsfbgが更新される。このため、たとえショートトリップが複数回連続で行われたとしても機関空燃比を比較的適切に制御することができるようになり、その結果、排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
なお、上記実施形態では、サブF/B制御及びサブF/B学習制御の実行開始条件が機関冷却水温に基づいて定められ、ショートトリップが複数回連続して行われている場合にはこれら制御を開始する機関冷却水温を低下させるようにしている。しかしながら、サブF/B制御及びサブF/B学習制御の実行開始条件は、機関冷却水温以外のパラメータに基づいて定められてもよい。この場合、ショートトリップが複数回連続して行われている場合には、サブF/B制御の実行開始及びサブF/B学習制御の実行開始が早くなるように、これら制御の開始条件となるパラメータの値を変更する必要がある。
このようなパラメータとしては、例えば、酸素センサ24の反転回数や、内燃機関が始動されてからの経過時間等が挙げられる。実行開始条件を酸素センサ24の反転回数とした場合、ショートトリップが複数回連続して行われているときには、サブF/B制御やサブF/B学習制御が開始される酸素センサ24の反転回数は少ない値に変更される。また、実行開始条件を内燃機関が始動されてからの経過時間とした場合、ショートトリップが複数回連続して行われているときには、この経過時間が短い時間に変更される。
また、上記実施形態では、サブF/B制御の開始条件とサブF/B学習制御の開始条件とは異なる条件となっている。例えば、図10に示した例では、サブF/B開始温度THWsfbとサブF/B学習開始温度THWsfbgとは異なる温度とされている。しかしながら、これら開始条件は同一の条件であってもよい。この場合、ショートトリップが複数回連続して行われる前においても後においてもサブF/B制御の開始条件とサブF/B学習制御の開始条件とを同一としてもよいし、ショートトリップが複数回連続して行われた場合にのみこれら開始条件を同一としてもよい。
さらに、ショートトリップが複数回連続して行われている場合に、サブF/B制御及びサブF/B学習制御の開始条件を変更することに加えて、サブフィードバック学習制御における学習値の変更速度(すなわち、サブF/B学習制御における学習速度)が速くなるようにサブF/B制御及びサブF/B学習制御のパラメータの値を変更するようにしてもよい。
図11は、サブF/B学習制御における学習速度が速くなるようにサブF/B制御及びサブF/B学習制御のパラメータの値を変更するようにした場合における、図10と同様な図である。
図11に示した例でも、図10と同様に、時刻t3において内燃機関が始動し、時刻t6において機関冷却水温THWが第三水温THW3に到達して、出力補正値efsfbの算出が開始される。その後、時刻t7において冷却水温THWが第四水温THW4に到達して、サブF/B学習値の算出が開始される。
そして、図11に示した例では、出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取込間隔が、図10に示した取込間隔ΔTよりも短いΔT’とされる。これにより、サブF/B学習値efsfbgの更新頻度が高くなり、その結果、サブF/B学習制御による学習速度が速くなる。また、図11に示した例では、取込時における出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取込割合ksfbgが大きな値とされる。これにより、取込時におけるサブF/B学習値efsfbgへの取込量が大きくなり、その結果、サブF/B学習制御による学習速度が速くなる。また、出力補正値efsfbのサブF/B学習値efsfbgへの取り込みを出力補正値の値に応じて変動させずに一定の取込量とする場合には、ショートトリップが複数回連続して行われているときには、この取込量を大きくするようにしてもよい。
さらに、サブF/B制御の制御ゲイン、具体的には比例ゲインKsp及び積分ゲインKsiの値が大きなものとされる。これにより、酸素センサ24の出力値と目標出力値との出力偏差に対する出力補正値efsfbの変化量が大きくなる。このため、出力補正値efsfbが大きく変化するようになり、これに伴ってサブF/B学習値efsfbgが大きく変化するようになり、よってサブF/B学習制御による学習速度が速くなる。
このように、本実施形態によれば、サブF/B学習制御による学習速度が速くなることから、連続してショートトリップが行われてもサブF/B学習値を迅速に最適な値へと変更することができるようになる。
図12は本発明のパラメータ設定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは一定時間間隔の割り込みによって行われる。
まず、ステップ161では、ショートトリップが連続して行われているか否かが判定される。本実施形態では、サブF/B制御の開始条件が成立する前に内燃機関が停止せしめられた場合にショートトリップが行われたと判定される。従って、サブF/B制御の開始条件が成立する前に内燃機関が停止せしめられる運転が連続して行われたときにショートトリップが連続して行われていると判定される。
なお、ショートトリップの判定は他の方法によって行ってもよい。例えば、機関冷却水温が予め定められた温度以上に上昇する前に内燃機関が停止せしめられた場合、酸素センサ24の出力値が所定の回数以上反転する前に内燃機関が停止せしめられた場合、内燃機関が始動されてから所定の経過時間が経過する前に内燃機関が停止せしめられた場合等をショートトリップが行われたとして判定するようにしてもよい。
ステップ161においてショートトリップが連続して行われていると判定された場合にはステップ162へと進む。ステップ162では、サブF/B制御の開始温度THWsfbが第一温度THW1に設定され、次いでステップ163ではサブF/B学習制御の学習開始温度THWsfbgが第二温度THW2に設定される。その後、ステップ164では、取込間隔CNTsfbgがCNT1に設定され、次いでステップ165では取込割合KsfbgがK1に設定され、制御ルーチンが終了せしめられる。
一方、ステップ161において、ショートトリップが連続して行われていると判定された場合にはステップ166へと進む。ステップ166では、サブF/B制御の開始温度THWsfbが第三温度THW3(THW3<THW1)に設定され、次いでステップ167ではサブF/B学習制御の学習開始温度THWsfbgが第四温度THW4(THW4<THW2)に設定される。その後、ステップ168では、取込間隔CNTsfbgがCNT2(CNT2<CNT1)に設定され、次いでステップ169では取込割合KsfbgがK2(K2>K1)に設定され、制御ルーチンが終了せしめられる。
本発明の空燃比制御装置が用いられる内燃機関全体の図である。 排気空燃比と空燃比センサの出力電圧との関係を示した図である。 排気空燃比と酸素センサの出力電圧との関係を示した図である。 目標燃料供給量を算出する目標燃料供給量算出制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 燃料補正量を算出するメインF/B制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 排気空燃比、酸素センサの出力値、空燃比センサの出力補正値及びサブF/B学習値のタイムチャートである。 サブF/B制御及びサブF/B学習制御の制御ルーチンを示すフローチャートの一部である。 サブF/B制御及びサブF/B学習制御の制御ルーチンを示すフローチャートの一部である。 ショートトリップが行われた場合における、機関冷却水温、酸素センサの出力値、出力補正値及びサブF/B学習値のタイムチャートである。 サブF/B制御及びサブF/B学習制御の開始条件を変更した場合における図9と同様な図である。 サブF/B学習制御のパラメータの値を変更するようにした場合における、図10と同様な図である。 本発明のパラメータ設定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
3 ピストン
5 燃焼室
6 吸気弁
8 排気弁
10 点火栓
11 燃料噴射弁
31 ECU
41 負荷センサ
42 クランク角センサ

Claims (10)

  1. 機関排気通路内に設けられた排気浄化触媒の排気上流側に配置され且つ排気ガスの空燃比を検出する上流側空燃比センサと、上記排気浄化触媒の排気下流側に配置され且つ排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比センサとを具備し、上記上流側空燃比センサの出力値に基づいて排気空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量を制御するメインフィードバック制御と、上記上流側空燃比センサの出力値と実際の排気空燃比とのずれを補償すべく上記下流側空燃比センサの出力値に基づいて排気空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量を補正するサブフィードバック制御と、上記サブフィードバック制御における補正値の少なくとも一部を取り込むようにして算出された学習値に基づいて上記燃料供給量を補正するサブフィードバック学習制御とを実行し、内燃機関の始動時には内燃機関の暖機状態に関する所定の学習開始条件が成立したときにサブフィードバック学習制御を開始する内燃機関の空燃比制御装置において、
    始動してから所定の暖機完了条件が成立する前に内燃機関が停止せしめられる短期間運転を検出する短期間運転検出手段を更に具備し、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、サブフィードバック学習制御の実行開始が早くなるように上記学習開始条件を変更する、内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 内燃機関の始動時には内燃機関の暖機状態に関する所定のサブフィードバック開始条件が成立したときにサブフィードバック制御を開始し、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、サブフィードバック制御の実行開始が早くなるようにサブフィードバック開始条件を変更する、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 上記学習開始条件は機関冷却水温が所定の学習開始温度以上となったときに成立し、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始温度を低下させる、請求項1又は2に記載の空燃比制御装置。
  4. 上記学習開始条件は触媒温度が所定の学習開始温度以上となったときに成立し、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始温度を低下させる、請求項1又は2に記載の空燃比制御装置。
  5. 上記学習開始条件は積算空気量が所定の学習開始空気量以上となったときに成立し、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始空気量を減少させる、請求項1又は2に記載の空燃比制御装置。
  6. 上記学習開始条件は機関始動後の経過時間が所定の学習開始経過時間以上となったときに成立し、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には上記学習開始経過時間を短くする、請求項1又は2に記載の空燃比制御装置。
  7. 上記サブフィードバック制御及び上記サブフィードバック学習制御は所定の制御パラメータに基づいて行われ、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、サブフィードバック学習制御における学習値の変化速度が速くなるように上記制御パラメータの値を変更するようにした、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空燃比制御装置。
  8. 上記サブフィードバック学習制御の制御パラメータに、サブフィードバック制御における補正値を学習値に取り込む取込間隔が含まれており、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、上記取込間隔が短くなるようにした、請求項7に記載の空燃比制御装置。
  9. 上記サブフィードバック学習制御の制御パラメータにサブフィードバック制御における補正値を学習値に取り込む取込量又は取込割合が含まれており、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、上記取込量又は取込割合が大きくなるようにした、請求項7に記載の空燃比制御装置。
  10. 上記サブフィードバック制御の制御パラメータに制御ゲインが含まれており、
    上記短期間運転検出手段によって短期間運転が所定回数以上連続していることが検出された場合には、上記制御ゲインを大きくするようにした、請求項7に記載の空燃比制御装置。
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