JP2008273900A - 内視鏡検査用薬剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡検査の際に観察部位に散布することで、病変部位と正常部位との境界を容易に認識できるようにした内視鏡検査用薬剤の提供。
【解決手段】インジゴカルミン水溶液と酢酸水溶液とを、同時に、或いは、所定の時間を置いて別々に観察部位に散布し、観察部位の病変部位と正常部位との境界を特定する内視鏡検査用薬剤。特に、インジゴカルミン水溶液の濃度が、0.08〜0.25w/v%であり、酢酸水溶液の濃度が、3.0〜5.0w/v%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、内視鏡検査用薬剤に関し、特に、内視鏡検査の際に観察部位に散布することで、病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)に領域との境界を明瞭に認識できるようにした、内視鏡検査用薬剤に関する。
内視鏡装置は、病気の早期発見・早期治療のための手段として、医療現場において、幅広く、利用されている。
また、近年、医療分野では、カラー映像再生に基づく新たな内視鏡検査が、主流となっている。
これに伴い、内視鏡検査の際に、例えば、胃内壁や大腸内壁等に適当な色素液を散布して粘膜壁面の微妙な凹凸を強調して、その形態観察を行い易くするために、色素液を用いた内視鏡検査法(色素内視鏡検査法)や、酢酸を用いた内視鏡検査法(酢酸法)が開発されている。
図7は、日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2808頁に掲載されている、従来の通常の内視鏡検査法により撮像した臓器(胃)写真である。
また、図8は、日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2808頁に掲載されている、酢酸を用いた、従来の内視鏡検査法(酢酸法)により撮像した臓器(胃)写真である。
また、図9は、日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2808頁に掲載されている、酢酸水溶液散布後、すみやかに、インジゴカルミン水溶液を用いた、従来の内視鏡検査法(色素内視鏡検査法)により撮像した臓器(胃)写真である。
まず、酢酸を用いた、従来の内視鏡検査法(酢酸法)について説明する。
酢酸を用いて内視鏡検査法(酢酸法)を行う場合には、まず、例えば、約1.5%の濃度の酢酸水溶液を、スコープの鉗子チャンネルを通して、観察部位全体に、散布する。
すると、酢酸水溶液が散布された観察部位の粘膜表面は、数秒で白色化し、さらに数分後には元の色(赤色系統の色)に戻るという現象が生じる。
光は、酢酸により白色化した粘膜表面のみで反射するため、酢酸を用いた内視鏡検査法を用いれば、観察部位の粘膜壁面の微妙な凹凸の形態の観察がし易くなるので、図7と図8との対比から明らかなように、通常の内視鏡検査法を用いた場合に比べ、病気の早期発見がおこなえる。
次に、色素液として、インジゴカルミン水溶液を用いた、従来の内視鏡検査法(色素内視鏡検査法)について説明する。
まず、インジゴカルミン(indigocarmine、化学名:Disodium 3,3′-dioxo-[Δ2,2′-biindoline]-5,5′-disulfonate)の化学構造を、化1に示す。
インジゴカルミンを用いて内視鏡検査(色素内視鏡検査法)を行う場合には、まず、インジゴカルミン水溶液の濃度を、例えば、約0.5%以上約1.0%以下の範囲内に調整する。
次に、約0.5%以上約1.0%以下の範囲に濃度されたインジゴカルミン水溶液を、スコープの鉗子チャンネルを通して、観察部位全体が、インジゴカルミン水溶液によってむらなく覆われるように、ゆっくりと、散布する。
インジゴカルミン水溶液は、観察部位上に散布されると、概ね、粘膜壁面の溝部(凹部)に集まる結果、インジゴカルミン水溶液により、粘膜壁面の溝(凹所)が青色となり、粘膜壁面の山部(凸部)が観察部位の臓器の色(赤色系統の色)となるため、赤色と青色とのコントラストにより、粘膜壁面の微妙な凹凸の形態が、非常に観察し易くなる。
したがって、インジゴカルミン水溶液を用いた、従来の内視鏡検査法(色素内視鏡検査法)を用いれば、図7と図9との対比から明らかなように、通常の内視鏡検査法を用いた場合に比べ、病気の早期発見がおこなえる。
日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2806頁〜第2810頁 日本薬局方 インジゴカルミン注射液 腎機能検査薬 「インジゴカルミン注第一」、製造販売元:第一三共製薬の添付文書
しかしながら、酢酸を用いた、従来の内視鏡検査法(酢酸法)を用いた場合にあっては、図7と図8との対比から明らかなように、通常の内視鏡検査法を用いた場合に比べ、観察部位の粘膜壁面の微妙な凹凸の形態の観察がし易くなるものの、従来の内視鏡検査法(色素内視鏡検査法)を用いて撮像した臓器(胃)写真は、全体が、赤色系統の色であることや、また、観察部位に酢酸を散布した後、観察部位の粘膜表面の白色化は、数分後には元の観察部位の臓器の色(赤色系統の色)に戻る、という経時的な変化をするため、観察部位の病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界が判り難い、という問題がある(図8中の矢印を参照)。
一方、内視鏡的胃粘膜切開剥離術や、Narrow band imaging(NBI)拡大内視鏡の普及に伴い、例えば、上部消化管内視鏡検査時において、より正確な癌の浸潤範囲の観察や、内視鏡治療範囲の決定や、治療後の再発の有無の観察などのため、観察部位の病変部位の領域が、より明瞭に、特定できる技術の開発が望まれている。
また、観察部位の病変部位の領域が、より明瞭に、特定できれば、病気の早期発見ができ、病変部位(例えば、腫瘍)の除去等の処置(早期治療)がしやすくなる。
そこで、観察部位の病変部位の領域を特定するために、「酢酸散布後、すみやかにインジゴカルミン散布を行い、再度境界診断を行う。」(日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2807頁を参照。)、といったことが、既に、医療現場でなされている。
しかしながら、図9からも明らかなように、このような方法で撮像した臓器(胃)写真は、インジゴカルミン水溶液を、観察部位上に散布した際に得られた画像と、酢酸水溶液を、観察部位上に散布した際に得られた画像との2つの画像に基づいて、観察部位の病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界を診断するものであって、観察部位の病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、依然として、判り難い、という問題がある。
本発明者は、上記した問題を解決するために、鋭意努力した結果、観察部位に、酢酸とインジゴカルミンとの混合液を散布、又は、酢酸水溶液を散布後、インジゴカルミン水溶液を散布するタイミング(観察部位に、酢酸水溶液を散布後に、インジゴカルミン水溶液を散布する時間)により、観察部位の病変部位の領域は、不染色(観察部位の臓器の本来の色(赤色系統の色))となり、観察部位の病変部位以外(正常部位)の領域が、全体的に、インジゴカルミンの色(青色)に染色される結果、観察部位の病変部位と病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できることを知見し、さらに研究を重ねて鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の内視鏡検査用薬剤は、インジゴカルミン水溶液と酢酸水溶液とを、同時に、或いは、所定の時間を置いて別々に観察部位に散布し、観察部位の病変部位の領域と病変部位以外の領域との境界を特定する。
請求項2に記載の内視鏡検査用薬剤は、請求項1に記載の内視鏡検査用薬剤の、インジゴカルミン水溶液と酢酸水溶液とを、所定の時間を置いて別々に観察部位に散布する際に、先に、酢酸水溶液を観察部位に散布し、酢酸水溶液を観察部位に散布した後、観察部位の粘膜表面が白色化している間に、インジゴカルミン水溶液を散布する。
本明細書で用いる用語、「酢酸水溶液を観察部位に散布した後、観察部位の粘膜表面が白色化している間」は、酢酸水溶液が観察部位に散布された時点から約5分間以内、好ましくは、酢酸水溶液が観察部位に散布された時点から約30秒間以内である。
請求項3に記載の内視鏡検査用薬剤は、袋体と、袋体を、第一の薬剤収容部と、第二の薬剤収容部とに仕切る、仕切り手段と、第一の薬剤収容部に設けられた薬剤取り出し口とを備え、仕切り手段は、第二の薬剤収容部を押し操作すると、第二の薬剤収容部内に収容される第二の薬剤により、開いた状態になり、袋体内で、第一の薬剤と、第二の薬剤とが、混合されるようになっており、袋体内の、第一の薬剤と第二の薬剤との混合液は、前記薬剤取り出し口を介して前記袋体外へ取り出し可能にされており、第一の薬剤及び第二の薬剤のいずれか一方の薬剤が、インジゴカルミン水溶液であり、且つ、第一の薬剤及び前記第二の薬剤のいずれか他方の薬剤が、酢酸水溶液である。
請求項4に記載の内視鏡検査用薬剤は、請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡検査用薬剤の、インジゴカルミン水溶液が、0.08w/v%以上0.25w/v%以下であり、酢酸水溶液が、3w/v%以上5w/v%以下の濃度の酢酸水溶液である。
請求項5に記載の内視鏡検査用薬剤は、インジゴカルミンと酢酸とを含有する。
請求項6に記載の内視鏡検査用薬剤は、請求項5に記載の内視鏡検査用薬剤の、インジゴカルミンが、0.75w/v%以上0.125w/v%以下の濃度のインジゴカルミン水溶液であり、酢酸が、0.45w/v%以上2.50w/v%以下の濃度の酢酸水溶液である。
請求項7に記載の内視鏡検査用薬剤は、請求項1〜6のいずれかに記載の内視鏡検査用薬剤を、観察部位に散布後、観察部位の粘膜表面が白色化した頃以降に、観察部位を観察する。
本明細書で用いる用語、「観察部位に散布後、観察部位の粘膜表面が白色化した頃以降」は、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約20秒経過した後、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約10分間以内であり、より好ましくは、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約30秒経過した後、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約5分間以内である。
請求項1に記載の内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、観察部位に、酢酸と、インジゴカルミンとが、同時に散布される結果、又は、酢酸と、インジゴカルミンとが、所定の時間を置いて別々に散布される結果、観察部位が、病変部位の領域の部分においては、インジゴカルミンが除去され、病変部位以外(正常部位)の領域が、インジゴカルミンにより青色になる、という現象が生じる。
即ち、請求項1に記載の内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、観察部位が、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)で、且つ、病変部位以外(正常部位)の領域がインジゴカルミンにより青色になる、という状態で、観察できる結果、病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことができる。
請求項2に記載の内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、観察部位に、酢酸と、インジゴカルミンとが、同時に散布される結果、又は、先に、酢酸を観察部位に散布し、酢酸を観察部位に散布した後、観察部位の粘膜表面が白色化している間に、インジゴカルミンを散布される結果、観察部位の、病変部位の領域においては、インジゴカルミンが除去され、病変部位以外(正常部位)の領域が、インジゴカルミンにより青色になる、という現象が生じる。
この結果、請求項2に記載の内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、病変部位の領域の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことができる。
請求項3に記載の内視鏡検査用薬剤では、インジゴカルミンと、酢酸とを別々に収容しているので、長期保存が可能である。
且つ、この内視鏡検査用薬剤を用いれば、内視鏡検査を行う際に、第二の薬剤収容部を押し操作すると、第二の薬剤収容部内に収容される第二の薬剤により、仕切り手段が、開いた状態になり、袋体内において、第一の薬剤と第二の薬剤とを混合できるようにしている結果、薬剤取り出し口を介して、袋体内の、第一の薬剤と、第二の薬剤との混合液(酢酸とインジゴカルミンとを含有する混合液(水溶液))を、袋体から取り出し、観察部位に散布することで、観察部位に、酢酸とインジゴカルミンとを同時に散布することができる。
請求項4に記載の内視鏡検査用薬剤では、インジゴカルミン水溶液の濃度を、観察部位に、インジゴカルミン水溶液と酢酸水溶液とを同時に、或いは、所定の時間を置いて別々に観察部位に散布した際に、病変部位の領域においては、インジゴカルミンが除去され、病変部位以外(正常部位)の領域が、インジゴカルミンにより青色になる、という現象を生じるのに適した濃度にしている結果、この内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことができる。
且つ、この内視鏡検査用薬剤では、観察部位に、この内視鏡検査用薬剤を散布した際に、酢酸水溶液の濃度を、この内視鏡検査用薬剤を散布された観察部位に潰瘍が生じない又は生じ難い濃度にしているので、この内視鏡検査用薬剤は、安全性の面でも優れている。
請求項5に記載の内視鏡検査用薬剤は、インジゴカルミンと酢酸との混合液であるので、この内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、観察部位に、酢酸と、インジゴカルミンとが、同時に散布できるので、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことができる。
請求項6に記載の内視鏡検査用薬剤では、インジゴカルミン水溶液の濃度を、観察部位に、インジゴカルミン水溶液と酢酸水溶液との混合液を散布した際に、病変部位の領域においては、インジゴカルミンが除去され、病変部位以外(正常部位)の領域が、インジゴカルミンにより青色になる、という現象を生じるのに適した濃度にしている結果、この内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことができる。
且つ、この内視鏡検査用薬剤では、観察部位に、この内視鏡検査用薬剤を散布した際に、酢酸水溶液の濃度を、この内視鏡検査用薬剤を散布された観察部位に潰瘍が生じない又は生じ難い濃度にしているので、この内視鏡検査用薬剤は、安全性の面でも優れている。
請求項7に記載の内視鏡検査用薬剤は、請求項1〜5のいずれかに記載の内視鏡検査用薬剤を、観察部位に散布後、観察部位の粘膜表面が白色化した頃以降に、観察部位を観察するようにしているので、病変部位の領域の色と、病変部位以外(正常部位)の領域の色との色コントラストにより、病変部位の領域の領域と病変部位の領域以外の領域の境界を容易に認識できる。
以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明する。
[実施例1]
まず、本発明に係る内視鏡検査用薬剤(酢酸とインジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM)))の調製を行った。
より具体的に説明すると、インジゴカルミン注射液(日本薬局方、インジゴカルミン注第一、1管中インジゴカルミン含量:20mg/5ml(0.4w/v%)、pH(日本薬局方):3.0〜5.0、浸透圧比(生理食塩液に対する比):約0.1、外観:暗青色の液、製造販売元:第一三共株式会社)を準備した。
また、酢酸水溶液として、4.2w/v%の酢酸水溶液を準備した。
次に、インジゴカルミン注射液(日本薬局方、インジゴカルミン注第一、1管中インジゴカルミン含量:20mg/5ml(0.4w/v%)、pH(日本薬局方):3.0〜5.0、浸透圧比(生理食塩液に対する比):約0.1、外観:暗青色の液、製造販売元:第一三共株式会社)5mlに、水10mlを加え、約0.13w/v%の濃度のインジゴカルミン水溶液を調製した。
次に、約0.13w/v%の濃度のインジゴカルミン水溶液15mlと、濃度が、4.2w/v%の酢酸水5mlとを混合し、濃度が0.09w/v%のインジゴカルミンと、濃度が、1.05w/v%の酢酸との混合液(水溶液)を用意した。
以上のようにして調整した、1.05w/v%の酢酸と、0.09w/v%のインジゴカルミンとの混合液(水溶液)を注射器に取り出した。
次に、内視鏡装置(図示せず。)の電子スコープ(図示せず。)の挿入部を、適式な前処置を行った被検者の胃内へ挿入し、観察部位を、20ml〜40mlの水を用い洗浄し、内視鏡装置(図示せず。)の電子スコープ(図示せず。)の鉗子口(図示せず。)から挿入し、電子スコープ(図示せず。)の先端部(図示せず。)から突出させた散布チューブに、注射器を接続し、散布チューブの先端から、観察部位に、1.05w/v%の酢酸と、0.09w/v%のインジゴカルミンとの混合液(水溶液)との混合液(水溶液)を満遍なく散布し、観察部位を観察した。
図1に、以上のようにして撮影した写真(観察部位:胃)を例示的に示す。
尚、図1に示す写真は、白黒写真となっているが、実際には、カラー写真として撮影されており、図1に示す写真中、明度の高い領域(図1に示す写真中、白っぽい領域)は、組織の色である赤色系統の色をしており、図1に示す写真中、明度の低い領域(図1に示す写真中、黒っぽい領域)は、インジゴカルミンの色(青色)になっている。
図2は、図1の写真を模式的に説明する模式図である。
図2を用いて、図1に示す写真を説明すると、図1の写真中、明度の高い領域(図2中の領域R1)は、組織の色である赤色系統の色をしており、図1の写真中、明度の低い領域(図2中の領域R2)は、インジゴカルミンの色(青色)になっている。
図1から明らかなように、1.05w/v%の酢酸と、0.09w/v%のインジゴカルミンとの混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))を被検者の観察部位に満遍なく散布すると、1.05w/v%の酢酸と、0.09w/v%のインジゴカルミンとの混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によって、病変部位以外(この例では、非腫瘍性胃粘膜)の領域が、全体的に満遍なく青色に染色され(図2中、領域R2を参照。)、病変部位(この例では、腫瘍性上皮)は、1.05w/v%の酢酸と、0.09w/v%のインジゴカルミンとの混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によっては、染色されず、病変部位の領域(図2中、領域R1を参照。)は、その粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)になった。
即ち、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を用いて、内視鏡検査を行えば、観察部位が、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)で、且つ、病変部位以外(正常部位)の領域がインジゴカルミンにより青色になる、という状態で、観察できる結果、病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界を容易に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことができる。
本発明者は、平成18年6月から平成18年11月までの期間において、26例(男性:17例、女性:9例)の被検者に、本発明に係る内視鏡検査用薬剤(酢酸とインジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM)))を観察部位に散布して、上部内視鏡検査を施行した。
対象疾患は、早期胃癌が15例(内訳は、胃癌の肉眼分類の早期胃癌:0−IIc型(表面陥凹型)が3例、胃癌の肉眼分類の早期胃癌:0−IIc+III型が3例、胃癌の肉眼分類の早期胃癌:0−IIa+IIc型が2例、胃癌の肉眼分類の早期胃癌:IIa型(表面隆起型)が1例、また、胃癌の肉眼分類の早期胃癌:0−IIc+IIa型が1例(高−中分化型腺癌6例、低分化型腺癌9例))、胃癌内視鏡治療後潰瘍瘢痕が5例、良性潰瘍瘢痕が3例、及び、びらんが3例であった。
これら26例の被検者に適式な前処置を行った後、観察部位を、20ml〜40mlの水を用い軽く洗浄した後、観察部位に、酢酸と、インジゴカルミンとの混合液(水溶液)を観察部位に満遍なく散布し、約30秒後待機後に観察部位の観察を開始した。
その結果、全被検者の非腫瘍性粘膜(この例では、非腫瘍性胃粘膜)は、本発明に係る内視鏡検査用薬剤、即ち、酢酸と、インジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によって、概ね全体が満遍なく青色に染色された。
また、15例の早期胃癌の被検者中、14例で、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)(不染域)で、且つ、病変部位以外(正常部位)の領域がインジゴカルミンにより青色になる、という状態で、観察できる結果、病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界の描出が可能であった。
且つ、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)(不染域)で、且つ、病変部位以外(正常部位)の領域がインジゴカルミンにより青色になる、という状態で、観察できる結果、病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界の描出が可能であった、14例の早期胃癌の被検者中には、肉眼観察では、病変部位の領域と病変部位以外(正常部位)の領域との境界の識別に難渋した病変が含まれていた。
また、5例の胃癌内視鏡治療後潰瘍瘢痕の被検者中、4例で、瘢痕部が、本発明に係る内視鏡検査用薬剤、即ち、酢酸と、インジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によって、全体が概ね青色に染色されたが、この4例は、生検の結果、病理学上の分類:group1(正常上皮)であったが、残りの1例では、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)(不染域)が描出されたが、生検の結果、病理学上の分類:group3(腺腫)であった。
また、3例の良性潰瘍瘢痕の被検者は、いずれも、瘢痕部が、本発明に係る内視鏡検査用薬剤、即ち、酢酸と、インジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によって、全体が概ね青色に染色された。
また、3例のびらんの被検者中、2例は、瘢痕部が、本発明に係る内視鏡検査用薬剤、即ち、酢酸と、インジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によって、全体が概ね青色に染色されたが、残りの1例では、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)(不染域)が描出されたが、生検の結果、病理学上の分類:group2(正常上皮)であった。
また、本発明に係る内視鏡検査用薬剤、即ち、酢酸と、インジゴカルミンとを混合した混合液(水溶液)(acetic acid −indigocarumine mixture(AIM))によって、病変部位の領域の粘膜表面が白色化している状態及び/又は病変部位の領域からインジゴカルミンが除去された状態(組織本来の赤色系統の色)(不染域)が描出された例中、92%は、病理学上の分類:group3(腺腫)、病理学上の分類:group4(異型性)、及び、病理学上の分類:group5(癌)であった。
また、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を調製する際に、インジゴカルミン水溶液のインジゴカルミンの濃度を、0.08w/v%以上0.25w/v%以下の濃度に調整し、3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液とを混合し、0.075w/v%以上0.125w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液と、0.45w/v%以上2.50w/v%以下の濃度範囲の酢酸水溶液との混合液を用いれば、この濃度範囲外の、インジゴカルミンと、酢酸とを含む混合液に比べ、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できることが、判った。
即ち、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を調製する際に、0.08w/v%以上0.25w/v%以下のインジゴカルミン水溶液と、3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液とを、混合比(0.08w/v%以上0.25w/v%以下のインジゴカルミン水溶液:3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液)で、6:1の割合〜1:1の割合の範囲で混合した場合は、この混合比の範囲以外の混合比の
インジゴカルミンと、酢酸とを含む混合液に比べ、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できることが、判った。
例えば、0.15w/v%以上0.25w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液と、3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液とを、混合比(0.15w/v%以上0.25w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液:3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液)で、1:1の割合で混合した場合や、例えば、0.08w/v%以上0.14w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液と、3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液とを、混合比(0.08w/v%以上0.14w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液:3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液)で、6:1の割合で混合した場合や、又は、0.10w/v%以上0.17w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液と、3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液とを、混合比(0.1w/v%以上0.17w/v%以下の濃度範囲のインジゴカルミン水溶液:3w/v%以上5w/v%以下の酢酸水溶液)で、3:1の割合で混合した場合は、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できることが、判った。
また、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できるようになる時期は、時間にして、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約20秒経過した後、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約10分間以内、より好ましくは、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約30秒経過した後、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布された時点から約5分間以内である、ということが、判った。
尚、本発明に係る内視鏡検査用薬剤を観察部位に散布した場合、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できるようになる時点において、観察部位に、酢酸(例えば、約1.5%の濃度の酢酸水溶液)を散布した場合に観察されるような、観察部位の粘膜表面の白色化現象は観察されなかったが、上記した病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できるようになる時期は、観察部位に、酢酸(例えば、約1.5%の濃度の酢酸水溶液)を散布後、観察部位の粘膜表面が白色化した頃以降に概ね相当する、ということが、判った。
[比較例1]
まず、酢酸(0.15w/v%)を注射器に取り出した。
次に、内視鏡装置(図示せず。)の電子スコープ(図示せず。)の挿入部を、適式な前処置を行った被検者の胃内へ挿入し、観察部位を、20ml〜40mlの水を用い洗浄し、内視鏡装置(図示せず。)の電子スコープ(図示せず。)の鉗子口(図示せず。)から挿入し、電子スコープ(図示せず。)の先端部(図示せず。)から突出させた散布チューブに、注射器を接続し、散布チューブの先端から、観察部位に、酢酸(0.15w/v%)を散布し、観察部位を観察した。
図3に、以上のようにして撮影した写真(観察部位:胃)を例示的に示す。
尚、図3に示す写真は、白黒写真となっているが、実際には、カラー写真として撮影されており、図3に示す写真は、カラー写真では、組織の色である赤色系統の色をしている。
また、図1と図3の各々は、同じ被検者の同じ観察部位を撮影した写真(観察部位:胃)である。
実際には、最初に、被検者の観察部位に、酢酸(0.15w/v%)を散布し、観察部位を観察し、図3に示す写真を撮影し、その後、被検者の観察部位の粘膜表面の、酢酸(0.15w/v%)の散布による白色化が消え、元の状態に戻った状態になってから、相当の時間をおいて、同じ被検者の同じ観察部位に、酢酸(0.15w/v%)を散布し、観察部位を観察し、図1に示す写真を撮影した。
図1と図3との対比から明らかなように、被検者の観察部位に、酢酸(0.15w/v%)を散布し、観察部位を観察した場合、病変部位の領域と、病変部位の領域以外の領域との境界が、不明瞭であるのに対し、被検者の観察部位に、酢酸(0.15w/v%)を散布し、観察部位を観察した場合、インジゴカルミンと、酢酸との混合液(水溶液)を散布し、観察部位を観察した場合には、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できることが、判った。
[比較例2]
まず、酢酸(0.15w/v%)を注射器に取り出した。
次に、内視鏡装置(図示せず。)の電子スコープ(図示せず。)の挿入部を、適式な前処置を行った被検者の胃内へ挿入し、観察部位を、20ml〜40mlの水を用い洗浄し、内視鏡装置(図示せず。)の電子スコープ(図示せず。)の鉗子口(図示せず。)から挿入し、電子スコープ(図示せず。)の先端部(図示せず。)から突出させた散布チューブに、注射器を接続し、散布チューブの先端から、観察部位に、酢酸(0.15w/v%)を散布し、観察部位を観察した。
図4に、以上のようにして撮影した写真(観察部位:胃)を例示的に示す。
次に、被検者の観察部位の粘膜表面の、酢酸(0.15w/v%)の散布による白色化が消え、元の状態に戻った状態になってから、同じ被検者の同じ観察部位に、インジゴカルミン水溶液(0.2w/v%)を散布し、観察部位を観察した。
図5に、以上のようにして撮影した写真(観察部位:胃)を例示的に示す。
図5から明らかなように、被検者の観察部位の粘膜表面の、酢酸(0.15w/v%)の散布による白色化が消え、元の状態に戻った状態になってから、同じ被検者の同じ観察部位に、インジゴカルミン水溶液(0.2w/v%)を散布し、観察部位を観察した場合には、インジゴカルミン水溶液により、粘膜壁面の溝(凹所)が青色となった状態が判明するだけで、インジゴカルミンと、酢酸との混合液(水溶液)を散布し、観察部位を観察した場合に見られるような、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できる状態(図1を参照。)にはならなかった。
以上の結果から、インジゴカルミンと酢酸とを同時に、或いは、観察部位の粘膜表面が酢酸により白色化している間に、インジゴカルミンを散布すると、病変部位の領域においては、インジゴカルミンが除去され、病変部位以外(正常部位)の領域においては、酢酸により変性した粘膜表面に、インジゴカルミンが留まり、病変部位以外(正常部位)の領域が、概ね全体的に、青色になる、という現象が生じ、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界が、色コントラストにより、明瞭に識別できることが、判った。
「実施例2」
図6は、本発明に係る内視鏡検査用薬剤の好ましい一例を模式的に示す平面図である。
この内視鏡検査用薬剤1は、袋体2を備える。
袋体2は、例えば、熱可塑性樹脂製フィルム、特に以下の場合に限定されることはないが、より詳しく説明すれば、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどを用いて製されている。
袋体2は、仕切り手段3により、第一の薬剤収容部4と、第二の薬剤収容部5とに仕切られている。
第一の薬剤収容部4には、薬剤取り出し口6が設けられている。
この内視鏡検査用薬剤1では、第一の薬剤収容部4内に収容されている薬剤(薬液)を、薬剤取り出し口6を介して第一の薬剤収容部4外へ取り出すことができるようにされている。
即ち、この内視鏡検査用薬剤1では、薬剤取り出し口6に、例えば、注射器(図示せず。)の針(図示せず。)を尖通し、注射器(図示せず。)のシリンダー(図示せず。)に対し、ピストン(図示せず。)を引くという操作を行うことにより、注射器(図示せず。)のシリンダー(図示せず。)内に、第一の薬剤収容部4内に収容されている薬剤(薬液)を取り出すことができるようになっている。
第一の薬剤収容部4は、封止部4aと、仕切り手段3とにより、液密にされており、外部又は第二の薬剤収容部5内に、第一の薬剤収容部4内に収容されている薬剤(薬液)M1が漏れ出さないようにされている。
また、第二の薬剤収容部5は、封止部5aと、仕切り手段3とにより、液密にされており、外部又は第一の薬剤収容部4内に、第二の薬剤収容部5内に収容されている薬剤(薬液)M2が漏れ出さないようにされている。
また、第一の薬剤収容部4の封止部4a、仕切り手段3、及び、第二の薬剤収容部5の封止部5aの各々は、熱溶着(ヒートシール)、又は、人体に影響の無い接着剤等により、形成されている。
第一の薬剤収容部4の容量V4は、第一の薬剤収容部4内に収容される第一の薬剤(薬液)M1の容量Vm1に等しいか、又は、これよりも大きい容量(V4≧vml)、より具体的に説明すると、第一の薬剤収容部4の容量V4は、第一の薬剤収容部4内に収容される第一の薬剤(薬液)M1の容量Vm1以上第一の薬剤収容部4内に収容される第一の薬剤(薬液)M1の容量Vm1と第二の薬剤収容部5内に収容される第二の薬剤(薬液)M2の容量Vm2との合計の容量Vm1+Vm2以下にされている(Vm1≦V4≦Vm1+Vm2)。
仕切り手段3の接着強度は、第一の薬剤収容部4の封止部4a及び第二の薬剤収容部5の封止部5aの各々の接着強度より弱くされており、この内視鏡検査用薬剤1の使用者が、第二の薬剤収容部5を押し操作すると、第二の薬剤収容部5内に収容されている第二の薬剤M1により、開いた状態になり、第二の薬剤収容部5内に収容されている第二の薬剤M2の一部が、第一の薬剤収容部4内に流入し、袋体1内で、第一の薬剤M1と、第二の薬剤M2とが混合されるようになっている。
この内視鏡検査用薬剤1では、第一の薬剤M1及び第二の薬剤M2のいずれかの一方の薬剤が、インジゴカルミン水溶液であり、且つ、第一の薬剤M1及び第二の薬剤M2のいずれかの他方の薬剤が、酢酸水溶液である。
この内視鏡検査用薬剤1では、インジゴカルミンと、酢酸とを別々に収容しているので、長期保存が可能である。
且つ、この内視鏡検査用薬剤1を用いれば、内視鏡検査を行う際に、第二の薬剤収容部5を押し操作すると、第二の薬剤収容部5内に収容される第二の薬剤M2により、仕切り手段3が、開いた状態になり、第一の薬剤収容部4内に収容されている第一の薬剤と、第二の薬剤収容部5内に収容される第二の薬剤M2とが、袋体2内において、混合されるようになっている。
したがって、袋体2内の、第一の薬剤M1と第二の薬剤M2との混合液を薬剤取り出し口3を介して、袋体2の外部へ取り出し、観察部位に、第一の薬剤M1と第二の薬剤M2との混合液を散布することで、酢酸と、インジゴカルミンとを、同時に散布することができる。
尚、上記した内視鏡検査用薬剤1は、単に、本発明に係る内視鏡検査用薬剤の好ましい一例を示したに過ぎず、本発明に係る内視鏡検査用薬剤は、酢酸と、インジゴカルミンとを含む混合液(水溶液)であってもよく、そのような酢酸と、インジゴカルミンとを含む混合液(水溶液)を予めディスポーザル型の注射器に収容したものであっても、酢酸水溶液と、インジゴカルミン水溶液とを別々に準備し、内視鏡検査を行う際に、これらの水溶液を混合することにより調製するようにするものであってもよく、また、先に、被検者の観察部位に、酢酸を散布し、酢酸水溶液を観察部位に散布した後、観察部位の粘膜表面が白色化している間に、インジゴカルミン水溶液を散布するものであってもよい。
また、本発明に係る内視鏡検査用薬剤は、酢酸と、インジゴカルミンとを別々に保存する場合は、インジゴカルミンを室温下で遮光保存し、酢酸とインジゴカルミンとを含む混合液(水溶液)として保存する場合は、酢酸とインジゴカルミンとを含む混合液(水溶液)を室温下で遮光保存又は冷所で遮光保存する。
また、本発明に係る内視鏡検査用薬剤は、酢酸と、インジゴカルミンとを、内視鏡検査を行う際に、酢酸とインジゴカルミンとを含む混合液(水溶液)に調製するのが好ましい。
本発明に係る内視鏡検査用薬剤は、内視鏡検査の際に、被検者の観察部位に散布すれば、病変部位の領域と、病変部位以外(正常部位)の領域との境界を明瞭に認識できるため、病気の早期発見・早期治療を行うことを目的とした内視鏡検査用薬剤として、産業上利用可能性が高い。
本発明に係る内視鏡検査用薬剤を、内視鏡検査を行う際に、被検者の観察部位に散布して、観察部位を撮影した写真である。 図1に示す写真を模式的に説明する模式図である。 図1に示す写真を撮った被検者と同じ被検者に、内視鏡検査を行う際に、図1に示す写真を撮った観察部位と同じ箇所又は概ね同じ箇所に、酢酸を散布し、観察部位を撮影した写真である。 内視鏡検査を行う際に、被検者の観察部位に、酢酸を散布し、観察部位を撮影した写真である。 図4に示す写真を撮った被検者と同じ被検者に、内視鏡検査を行う際に、被検者の観察部位の粘膜表面の、酢酸の散布による白色化が消え、元の状態に戻った状態になってから、図4に示す写真を撮った観察部位と同じ箇所又は概ね同じ箇所に、インジゴカルミンを散布し、観察部位を撮影した写真である。 本発明に係る内視鏡検査用薬剤の好ましい一例を模式的に示す平面図である。 日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2808頁に掲載されている、従来の通常の内視鏡検査法により撮像した臓器(胃)写真である。 日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2808頁に掲載されている、酢酸を用いた、従来の内視鏡検査法(酢酸法)により撮像した臓器(胃)写真である。 日本消化器内視鏡学会雑誌,Vol.48(12),Dec.2006、第2808頁に掲載されている、酢酸水溶液散布後、すみやかに、インジゴカルミン水溶液を用いた、従来の内視鏡検査法(色素内視鏡検査法)により撮像した臓器(胃)写真である。
符号の説明
1 内視鏡検査用薬剤
2 袋体
3 仕切り手段
4 第一の薬剤収容部
4a、5a 封止部
5 第二の薬剤収容部
6 薬剤取り出し口
M1 第一の薬剤
M2 第二の薬剤

Claims (7)

  1. インジゴカルミン水溶液と酢酸水溶液とを、同時に、或いは、所定の時間を置いて別々に観察部位に散布し、観察部位の病変部位の領域と病変部位以外の領域との境界を特定する、内視鏡検査用薬剤。
  2. 前記インジゴカルミン水溶液と前記酢酸水溶液とを、所定の時間を置いて別々に観察部位に散布する際に、先に、前記酢酸水溶液を観察部位に散布し、前記酢酸水溶液を観察部位に散布した後、観察部位の粘膜表面が白色化している間に、インジゴカルミン水溶液を散布する、請求項1に記載の内視鏡検査用薬剤。
  3. 袋体と、
    前記袋体を、第一の薬剤収容部と、第二の薬剤収容部とに仕切る、仕切り手段と、
    前記第一の薬剤収容部に設けられた薬剤取り出し口とを備え、
    前記仕切り手段は、
    前記第二の薬剤収容部を押し操作すると、前記第二の薬剤収容部内に収容される第二の薬剤により、開いた状態になり、
    前記袋体内で、第一の薬剤と、第二の薬剤とが、混合されるようになっており、
    前記袋体内の、第一の薬剤と第二の薬剤との混合液は、前記薬剤取り出し口を介して前記袋体外へ取り出し可能にされており、
    前記第一の薬剤及び前記第二の薬剤のいずれかの一方の薬剤が、インジゴカルミン水溶液であり、且つ、
    前記第一の薬剤及び前記第二の薬剤のいずれかの他方の薬剤が、酢酸水溶液である、内視鏡検査用薬剤。
  4. 前記インジゴカルミン水溶液が、0.08w/v%以上0.25w/v%以下であり、
    前記酢酸水溶液が、3.0w/v%以上5.0w/v%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡検査用薬剤。
  5. インジゴカルミンと酢酸とを含有する、内視鏡検査用薬剤。
  6. 前記インジゴカルミンが、0.075w/v%以上0.125w/v%以下の濃度のインジゴカルミン水溶液であり、前記酢酸が、0.45w/v%以上2.50w/v%以下の濃度の酢酸水溶液である、請求項5に記載の内視鏡検査用薬剤。
  7. 観察部位に散布後、前記観察部位の粘膜表面が白色化した頃以降に、観察部位を観察する、請求項1〜6のいずれかに記載の内視鏡検査用薬剤。
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