JP2008273784A - 撥水性ガラス板、それを用いた乗り物および建築物の窓ガラス、ならびに撥水性ガラス板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆されたガラス基材11の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が被覆された撥水性の透明微粒子12が、第1および第2の官能基と、カップリング剤の有するカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定されている撥水性ガラス板10、ならびにこれを用いた乗り物および建築物の窓ガラス。
【選択図】図1
Description
ガラス基材および透明微粒子の表面に存在するヒドロキシル基等の表面基は、第1および第2の膜化合物の有するSiと反応して、シロキサン結合等の安定な共有結合を形成する。そのため、ガラス基材および透明微粒子の表面をそれぞれ被覆する第1および第2の膜化合物の形成する被膜の耐剥離性が向上し、これらの被膜の剥離による撥水性の透明微粒子の脱落が抑制されるので、得られる撥水性ガラス板の耐候性を向上させる。
なお、「平均粒径が400nm以下」とは、透明微粒子の一次平均粒径が400nm以下であり、かつ粒径が400nmを超える微粒子数の、微粒子全体に占める割合が5%以下であることをいう。
なお、「未反応物」とは、工程Aにおいては未反応の第1の膜化合物を、工程Bにおいては未反応の第2の膜化合物をそれぞれ意味する。
この場合において、前記工程Dの後に、未反応の前記第3の膜化合物を洗浄除去することが好ましい。
なお、「アルコキシシラン化合物」とは、前記第1〜第3の結合基が、一般式−Si(OR)3(Rは任意のアルキル基を表す)で表されるアルコキシシリル基である膜化合物をいう。
なお、「ハロシラン化合物」とは、第1〜第3の結合基が、一般式−SiX3(Xは塩素、臭素、およびヨウ素のいずれかを表す)で表されるハロシリル基である膜化合物をいう。
請求項6記載の撥水性ガラス板においては、第3の膜化合物の形成する被膜が単分子膜であるので、第3の膜化合物の形成する被膜による光の反射や散乱の影響を最小限に抑制でき、高い光透過性を有する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る撥水性ガラス板10は、エポキシ基(第1の官能基の一例)を有する第1の膜化合物の形成する被膜で表面が被覆されたガラス基材の一例であるエポキシ化ガラス基材11の表面に、エポキシ基(第2の官能基の一例)を有する第2の膜化合物の形成する被膜で表面が被覆された撥水性の透明微粒子の一例である撥水性アルミナ微粒子12が、カップリング剤の一例である2−メチルイミダゾールの1−位および3−位の窒素原子(カップリング反応基の一例)と、エポキシ化ガラス基材11および撥水性アルミナ微粒子12のエポキシ基との反応により形成された結合を介して固定されている。撥水性アルミナ微粒子12の露出した部分の表面には、CF3基を含むパーフルオロオクチル基(CF3(CF2)7−)(撥水性官能基の一例)を有する膜化合物(第3の膜化合物の一例)の形成する撥水性単分子膜13(第3の膜化合物の形成する被膜の一例)が共有結合している。
以下、工程A〜Dについてより詳細に説明する。
エポキシ化ガラス基材11の製造に用いるガラス基材21の材質、形状、および大きさについて特に制限はなく、乗り物および建築物において使用される任意の窓ガラス材を用いることができる。また、表面に水酸基等の活性水素基が存在していれば、反射防止膜等の表面被膜が形成されていてもよい。なお、本実施の形態において、活性水素基は水酸基22であるが、活性水素を含むアミノ基やイミノ基等であってもよい。
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(3) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(6) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)3Si(OC2H5)3
(8) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(9) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(11) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(12) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルキレートの具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
また、アミノ基は、化5に示したような1級アミン以外に2級アミンでもよく、アミノ基の代わりにピロール基、イミダゾール基等のイミノ基を有する官能基を含むアルコキシシラン化合物を用いることができる。
この場合において、用いることができるアミノ基を有するアルコキシシラン化合物の一例としては、下記(21)〜(28)に示した化合物が挙げられる。
(22) H2N(CH2)5Si(OCH3)3
(23) H2N(CH2)7Si(OCH3)3
(24) H2N(CH2)9Si(OCH3)3
(25) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(26) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(27) H2N(CH2)7Si(OC2H5)3
(28) H2N(CH2)9Si(OC2H5)3
したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、第1の溶液と同様の化合物を単独でまたは2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
用いることのできる助触媒の種類およびそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、および助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間についてはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合と同様であるので、説明を省略する。
(以上工程A)
製造される撥水性ガラス板10の透明度を損なわないためには、エポキシ化アルミナ微粒子33の製造に用いるアルミナ微粒子31の粒径は、可視光波長(380〜700nm)より小さいことが好ましい。具体的には、アルミナ微粒子31の粒径は10〜400nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましく、10〜100nmであることがさらに好ましい。用いられるアルミナ微粒子31の粒径は単一であってもよいが、2以上の異なる粒径を有するアルミナ微粒子を混合して用いると、得られる撥水性ガラス板10の表面がフラクタル性を有し、撥水撥油防汚性が向上するため好ましい。
あるいは、表面に水酸基、アミノ基等の活性水素基を有していれば、アクリル系樹脂等の有機透明微粒子、有機−無機ハイブリッド微粒子等を用いることもできる。
(以上工程B)
2−メチルイミダゾールはエポキシ基と反応するアミノ基およびイミノ基をそれぞれ1−位および3−位に有しており、下記の化6に示すような架橋反応により結合を形成する。
塗布は、ドクターブレード法、ディップコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法等の任意の方法により行うことができる。
あるいは、LB(ラングミュア−ブロジェット)法等の公知の薄膜形成法を用いてもよい。
塗布後、再度加熱して、エポキシ化アルミナ微粒子33の表面のエポキシ基と2−メチルイミダゾールの窒素官能基(アミノ基およびイミノ基のいずれか)とカップリング反応させ、カップリング反応により形成された結合を介して、エポキシ化ガラス基材11の表面にエポキシ化アルミナ微粒子33を固定する。
2−メチルイミダゾールの添加量、塗布する溶液の濃度、加熱温度および加熱時間は、用いる基材および微粒子の種類、形成する微粒子膜の膜厚等に応じて適宜調節される。
(31) 2−メチルイミダゾール(R2=Me、R4=R5=H)
(32) 2−ウンデシルイミダゾール(R2=C11H23、R4=R5=H)
(33) 2−ペンタデシルイミダゾール(R2=C15H31、R4=R5=H)
(34) 2−メチル−4−エチルイミダゾール(R2=Me、R4=Et、R5=H)
(35) 2−フェニルイミダゾール(R2=Ph、R4=R5=H)
(36) 2−フェニル−4−エチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Et、R5=H)
(37) 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Me、R5=CH2OH)
(38) 2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(R2=Ph、R4=R5=CH2OH)
なお、Me、Et、およびPhは、それぞれメチル基、エチル基、およびフェニル基を表す。
これらのジイソシアネート化合物の添加量は、2−メチルイミダゾールの場合と同様、エポキシ化アルミナ微粒子の5〜15重量%が好ましい。この場合、膜前駆体の製造に用いることのできる溶媒としては、キシレン等の芳香族有機溶媒が挙げられる。
また、架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の2または3以上のエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。
(以上工程C)
また、Yは、(CH2)k(kは1〜3の整数を表す)および単結合のいずれかを表し、Zは、O(エーテル酸素)、COO、Si(CH3)2、および単結合のいずれかを表す。
(42)CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(43)CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(44)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(45)CF3COO(CH2)15SiCl3
(46)CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3
このようにして得られる撥水性ガラス板10の断面構造の模式図を図1に示す。
また、撥水性ガラス板10において、ガラス基材21の表面に形成されたアルミナ微粒子31および撥水性単分子膜13を含む被膜の厚さは、全体で100nm程度であるため、ガラス基材21の透明性が損なわれることもない。
(52)CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(53)CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(54)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(55)CF3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(56)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(57)CF3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(58)CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15Si(OC2H5)3
(59)CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(60)CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(61)CF3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(62)CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3
(以上工程D)
参考として、異なる体積の水滴(0.02〜0.08ml)を用いた実験より求められた、撥水性表面上における水滴に対する接触角と転落角の関係を図5に示す。このグラフより明らかなように、水滴接触角が150度以上のとき、水滴の体積に関係なく転落角は15度以下となる。
そのため、撥水性ガラス板10を乗り物や建築物の窓ガラス板として用いた場合、ほとんどの水滴は表面にとどまることができずに転落することがわかる。
撥水性ガラス板10を用いることのできる乗り物としては、自動車、鉄道車両、船舶等が挙げられ、運転席、客室等の別を問わずあらゆる窓の窓用ガラス板として用いることができる。
また、撥水性ガラス板10を用いることのできる建築物としては、一戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル等の任意の建築物が挙げられる。
(1)エポキシ化ガラス板の調製
自動車用窓ガラス板(フロントスクリーン、サイドスクリーン、およびリアスクリーン)を用意し、よく洗浄して乾燥した。
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、第1の溶液を調製した。
その後、クロロホルムで洗浄し、過剰なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、第2の溶液を調製した。
その後、クロロホルムで洗浄し、過剰なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
(1)で調製したエポキシ化ガラス基材の表面に、2−メチルイミダゾールのエタノール溶液を塗布し、100℃で加熱すると、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とが反応して反応性ガラス基材が得られた。エタノールで洗浄することにより余分な2−メチルイミダゾールを除去した。
このようにして得られた、2−メチルイミダゾールの形成する被膜でさらに表面が被覆されたエポキシ化ガラス基材の表面に、(2)で調製したエポキシ化アルミナ微粒子のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なエポキシ化アルミナ微粒子を除去した。
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン(化10)1重量部を、脱水したノナン100重量部に溶解し、第3の溶液を調製した。
(3)で調製した、微粒子固定ガラス基材の表面に、相対湿度30%以下の乾燥空気中で第3の溶液を塗布し反応させた。反応後、フロン系溶媒で洗浄し、未反応のトリクロロシラン化合物を除去した。
比較のために、アルミナ微粒子を融着していない自動車用窓ガラス板の表面に(4)と同様に撥水性単分子膜を形成し、水滴接触角の測定を行ったところ最大水滴接触角は115度程度であった。
自動車用窓ガラス板およびアルミナ微粒子の表面に、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いて単分子膜を形成し、カップリング剤としてヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートを用いる以外は、実施例1の(1)〜(4)と同様の方法によっても、撥水性ガラス板を製造できた。
実施例1で作成したガラス板と同条件で作成した水滴接触角が150度程度(実用上、水滴接触角が140度以上であれば同様の効果が得られた。)の撥水撥油防汚性ガラス板を乗用車のフロント窓ガラス(ウインドシールドともいう、傾斜角略45度)、サイド窓ガラス(傾斜角略70度)、リア窓ガラス(傾斜角略30度)として装着し、雨天走行実験を試みた。
45km/時走行時における雨水滴の付着状況を確認したところ、直径2mm程度以上の水滴の付着は、サイド窓ガラス、リア窓ガラスともほとんど無かった。また、フロント窓ガラスでは、走行時、雨水滴が連続して多量に付着したが、直径2mm程度以上の水滴は上方にすばやく移動し、その後飛散して視界を妨げるほどには残らなかった。
更に速度を上げて60km/時になると、直径2mm程度以上の水滴は瞬時に飛散してほぼ完全に除去された。
Claims (23)
- 第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆されたガラス基材の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が被覆された撥水性の透明微粒子が、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有するカップリング剤と、前記第1および前記第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定されていることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1記載の撥水性ガラス板において、前記第1および第2の膜化合物は、Siを介して、それぞれ前記透明微粒子および前記ガラス基材の表面に共有結合していることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1および2のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記第1および第2の膜化合物の形成する被膜のいずれか一方または双方が単分子膜であることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記透明微粒子の露出した部分の表面が、撥水性官能基を有する第3の膜化合物の形成する被膜で被覆されていることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項4記載の撥水性ガラス板において、前記撥水性官能基が−CF3基を含むことを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項4および5のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記第3の膜化合物の形成する被膜が単分子膜であることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記透明微粒子が透光性のシリカ、アルミナ、およびジルコニアからなる群より選択されるものであることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記透明微粒子の平均粒径が400nm以下であることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CH2CH(OH)結合であることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板において、水に対する接触角が150度以上であることを特徴とする撥水性ガラス板。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板を装着したことを特徴とする乗り物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板を装着したことを特徴とする建築物の窓ガラス。
- 分子の両端にそれぞれ第1の官能基および第1の結合基を有する第1の膜化合物を含む第1の溶液をガラス基材の表面に接触させ、前記第1の結合基と前記ガラス基材の表面との間で結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する被膜で前記基材の表面が被覆されたガラス基材を調製する工程Aと、
分子の両端にそれぞれ第2の官能基および第2の結合基を有する第2の膜化合物を含む第2の溶液を透明微粒子の表面に接触させ、前記第2の結合基と前記透明微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する被膜で前記透明微粒子の表面の少なくとも一部が被覆された透明微粒子を調製する工程Bと、
前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する1または2以上の第2のカップリング反応基とを有する第1のカップリング剤を、前記被覆されたガラス基材および前記被覆された透明微粒子の表面にそれぞれ接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応、および前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記被覆された透明微粒子を前記被覆されたガラス基材の表面に結合固定する工程Cとを含むことを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。 - 請求項14記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記工程AおよびBのいずれか一方または双方の後に、未反応物を洗浄除去することを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項14および15のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記工程Cの後に、前記被覆された透明微粒子の露出した表面に、分子の両端にそれぞれ撥水性官能基および前記被覆された透明微粒子の表面基と反応する第3の結合基を有する第3の膜化合物を含む第3の溶液を接触させ、前記撥水性官能基と前記被覆された透明微粒子の表面基との間で結合を形成させ、前記露出した表面に前記第3の膜化合物の形成する撥水被膜を形成する工程Dをさらに含むことを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項16記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記工程Dの後に、未反応の前記第3の膜化合物を洗浄除去することを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項14〜17のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CH2CH(OH)結合であることを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項14〜17のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項14〜19のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記第1〜第3の溶液にそれぞれ含まれる前記第1〜第3の膜化合物のいずれか1、2、または3はアルコキシシラン化合物であることを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項14〜19のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記第1〜第3の溶液にそれぞれ含まれる前記第1〜第3の膜化合物のいずれか1、2、または3はハロシラン化合物であることを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項20記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記第1〜第3の溶液のうち前記アルコキシシラン化合物を含むものは、さらに、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステルおよびチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
- 請求項20および22のいずれか1項に記載の撥水性ガラス板の製造方法において、前記第1〜第3の溶液のうち前記アルコキシシラン化合物を含むものは、さらに、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、およびアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする撥水性ガラス板の製造方法。
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