JP2008272684A - フィーダ車 - Google Patents
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Abstract
【課題】車高を十分に小さくでき、かつ落下物からの機器類の保護を坑内等での移動や作業が妨げられることなく実現できる自走式のフィーダ車を提供すること。
【解決手段】自走式破砕システムを構成するフィーダ車3は、被破砕物を搬送する搬送装置31と、左右の走行体32と、搬送装置31の被破砕物投入側に設けられたホッパ96と、走行体32を駆動する走行体用油圧モータと、この走行体用油圧モータに油圧を供給する走行体用油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンとを備え、エンジン用燃料を貯留する燃料タンク、作動油タンクを貯留する作動油タンク、操作盤、およびバッテリが、左右の走行体32の上方に分かれて外装カバー87内に収容配置され、ホッパ96には、走行体32の上方に配置された機器類に覆いかかる庇部97が設けられている。
【選択図】図10
【解決手段】自走式破砕システムを構成するフィーダ車3は、被破砕物を搬送する搬送装置31と、左右の走行体32と、搬送装置31の被破砕物投入側に設けられたホッパ96と、走行体32を駆動する走行体用油圧モータと、この走行体用油圧モータに油圧を供給する走行体用油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンとを備え、エンジン用燃料を貯留する燃料タンク、作動油タンクを貯留する作動油タンク、操作盤、およびバッテリが、左右の走行体32の上方に分かれて外装カバー87内に収容配置され、ホッパ96には、走行体32の上方に配置された機器類に覆いかかる庇部97が設けられている。
【選択図】図10
Description
本発明は、特に自走式破砕システムを構成するフィーダ車に関する。
従来、作業スペースに余裕のある採掘場等において、走行体を備えた自走式破砕機を用いることが知られている(特許文献1)。ところが、このような自走式破砕機は背丈が大きく、地下鉱山の坑内のように、作業スペースに制約のある採掘場に配置することは困難であった。このため、自走式破砕機の構造として、被破砕物を破砕装置まで搬送する搬送装置については、後下がりの傾斜した姿勢で車体に搭載するとともに、この搬送装置の後下がり部分に対応させてホッパを設けることが提案されている(特許文献2)。これによってホッパの位置が低くなるため、自走式破砕機全体の高さを小さくでき、自走式破砕機を坑内などの高さ制約のある場所へも配備できる。
しかし、特許文献2に記載の自走式破砕機であっても、ホッパや、搬送装置、破砕装置、および各機器類を駆動するためのパワーラインを含んだ全体の長さが依然として大きいため、坑内で移動する際の旋回半径も大きくなって不都合が生じる場合がある。すなわち、地下鉱山において、狭い坑道を網目状に張り巡らせるような場合では、坑道と坑道との交差点でのコーナリング(左折や右折)が困難となり、容易に移動できないという問題がある。そこで、コーナリングを伴うような狭い坑道でも容易に移動できる自走式破砕システムの開発が望まれている。
また、そのような自走式破砕システムに用いられる搬送装置側においては、やはり高さを低くするために、作動油タンクや制御盤等の種々の機器類を搬送装置に対して上下に重なる位置に集約して配置するのではなく、搬送装置の周辺箇所に分散して配置する必要がある。しかしながら、搬送装置の周辺は、ホッパ等からこぼれた小さな岩石等が落下し易い状況にあるため、配置された機器類を落下物から保護する構造が要求される。
本発明の目的は、前記自走式破砕システムを実現するためのフィーダ車であって、車高を十分に小さくでき、かつ落下物からの機器類の保護を坑内等での移動や作業が妨げられることなく実現できる自走式のフィーダ車を提供することにある。
本発明の請求項1に係るフィーダ車は、自走式破砕システムを構成するフィーダ車であって、被破砕物を搬送する搬送装置と、左右の走行体と、前記搬送装置の前記被破砕物投入側に設けられたホッパと、前記走行体を駆動する走行用油圧モータと、この走行用油圧モータに油圧を供給する走行用油圧ポンプと、この走行用油圧ポンプを駆動するエンジンとを備え、前記エンジン用燃料を貯留する燃料タンク、前記走行用油圧モータに圧送される作動油を貯留する作動油タンク、操作盤、およびバッテリのうちの少なくとも2つの機器類が、前記左右の走行体の上方に分かれて配置され、前記ホッパには、前記走行体の上方に配置された機器類に覆いかかる庇部が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るフィーダ車は、請求項1に記載のフィーダ車において、前記庇部は、前記ホッパの左右両側に一体に設けられているとともに、少なくともその一部分が左右の外方に向かうに従って下側に傾斜していることを特徴とする。
以上において、請求項1の発明によれば、左右の走行体の上方に種々の機器類を分けて配置するので、搬送装置を低い位置に搭載でき、フィーダ車の車高を十分に小さくできる。また、ホッパには庇部を設け、この庇部で走行体上方の機器類をガードするため、フィーダ車の移動や破砕作業を妨げることなく機器類を落下物から確実に保護できる。
請求項2の発明によれば、庇部が傾斜していることで、庇部を当該フィーダ車が移動する坑道またはトンネルの天井面に沿った形状にでき、移動時の走行性が阻害されるのを防止できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の自走式破砕システム1の作業時の状態を示す図であり、図2でのI−I線断面図である。図2は、自走式破砕システム1を示す平面図である。図3は、自走式破砕システム1のクラッシャ車2を前方から見た図である。図4は、自走式破砕システム1のフィーダ車3の前側部分を示す平面図であり、図5は、フィーダ車3を前方から見た図である。図6は、自走式破砕システム1に用いられる油圧回路の概略を示す図である。なお、本実施形態では、図1、図2、および図4において、図中右側を前側、左側を後側とする。
図1は、本実施形態の自走式破砕システム1の作業時の状態を示す図であり、図2でのI−I線断面図である。図2は、自走式破砕システム1を示す平面図である。図3は、自走式破砕システム1のクラッシャ車2を前方から見た図である。図4は、自走式破砕システム1のフィーダ車3の前側部分を示す平面図であり、図5は、フィーダ車3を前方から見た図である。図6は、自走式破砕システム1に用いられる油圧回路の概略を示す図である。なお、本実施形態では、図1、図2、および図4において、図中右側を前側、左側を後側とする。
〔1.自走式破砕システム全体の概略説明〕
図1、図2において、自走式破砕システム1は、前後に連結されるクラッシャ車2およびフィーダ車3で構成されており、地下鉱山の坑道A内に配置される。このような自走式破砕システム1では、破砕作業時にクラッシャ車2とフィーダ車3とがオアパスBを挟んだ位置で連結される。ここで、図1中の符号A′は、坑道A内に設けられた高天井エリアであり、この高天井エリアA′では、フィーダ車3の作業姿勢に応じた幾分高い天井面が形成されている。また、オアパスBとは、稼働している坑道から、破砕物をさらに下層に設けられた坑道へ導くための立坑のことである。
図1、図2において、自走式破砕システム1は、前後に連結されるクラッシャ車2およびフィーダ車3で構成されており、地下鉱山の坑道A内に配置される。このような自走式破砕システム1では、破砕作業時にクラッシャ車2とフィーダ車3とがオアパスBを挟んだ位置で連結される。ここで、図1中の符号A′は、坑道A内に設けられた高天井エリアであり、この高天井エリアA′では、フィーダ車3の作業姿勢に応じた幾分高い天井面が形成されている。また、オアパスBとは、稼働している坑道から、破砕物をさらに下層に設けられた坑道へ導くための立坑のことである。
岩塊等の被破砕物は、図示しないホイールローダやベルトコンベアによってフィーダ車3に投入された後、このフィーダ車3によってクラッシャ車2に送られ、クラッシャ車2にて破砕される。破砕後の破砕物は、坑道Aの路面に設けられたオアパスB内に落とし込まれ、オアパスB下方の別の坑道に配置されたトロッコやコンベアに積み込まれる。
従って、被破砕物を破砕するクラッシャ車2には、破砕装置21が搭載されている。本実施形態での破砕装置21はジョークラッシャである。ただし、本発明に適用される破砕装置としては、ジョークラッシャに限らず、インパクトクラッシャ、コーンクラッシャ、ロールクラッシャ等であってもよく、任意である。破砕装置21の駆動源は、後述の電動機22で駆動される破砕用第1油圧ポンプ23および破砕用第2油圧ポンプからの油圧である。破砕装置2で破砕された破砕物は、破砕装置2から直下のオアパスBに直接的に落とされるため、クラッシャ車2には排出用ベルトコンベアなどは設置されていない。
また、フィーダ車3には、被破砕物をクラッシャ車2の破砕装置21上方まで搬送する搬送装置31が搭載されている。本実施形態での搬送装置31としては、金属製のエプロンフィーダが用いられている。搬送装置31の駆動源は、クラッシャ車2の電動機22で駆動される搬送用油圧ポンプ25(図6)からの油圧である。つまり搬送装置31は、クラッシャ車2側から供給される油圧で駆動される。
一方、坑道A内の移動時には、クラッシャ車2とフィーダ車3とが分離され、それぞれが独立して移動する。分離したクラッシャ車2およびフィーダ車3では、単独での前後方向の長さが十分に短いことにより、狭い坑道Aによる交差点でのコーナリングが可能である。なお、移動時においては、クラッシャ車2およびフィーダ車3の前方側などにオペレータが付き添うようにしてリモートコントロールにより走行が行われる。
走行用として、クラッシャ車2には、左右一対のクローラ式の走行体26が設けられている。走行体26の駆動源は、後述のエンジン27で駆動される走行用油圧ポンプ28からの油圧である。
フィーダ車3に、左右一対のクローラ式の走行体32が設けられている。走行体32の駆動源は、フィーダ車3に搭載されたエンジン33で駆動される走行用油圧ポンプ34からの油圧である。
フィーダ車3に、左右一対のクローラ式の走行体32が設けられている。走行体32の駆動源は、フィーダ車3に搭載されたエンジン33で駆動される走行用油圧ポンプ34からの油圧である。
すなわち自走式破砕システム1では、破砕作業時にはクラッシャ車2およびフィーダ車3での破砕作業が電気駆動で生じる油圧によって行われ、移動時にはクラッシャ車2およびフィーダ車3の走行がエンジン駆動で生じる油圧によって行われる。従って、移動時には、電気駆動を不要にできるため、電力ケーブルを繋いだままで移動する必要がなく、走行性を向上させることができる。また、電力ケーブルを巻き回しておく大型のリールも不要にでき、その分クラッシャ車2およびフィーダ車3の車高を低くできる。
〔2.クラッシャ車の詳細説明〕
以下には、クラッシャ車2について詳説する。図1〜図3において、クラッシャ車2は、金属製の機体フレーム40を備えている。機体フレーム40は、車両の前後方向にわたって設けられた枠状のメインフレーム41と、メインフレーム41の左右両側に設けられた走行フレーム42とで構成されている。この走行フレーム42に走行体26が取り付けられる。
以下には、クラッシャ車2について詳説する。図1〜図3において、クラッシャ車2は、金属製の機体フレーム40を備えている。機体フレーム40は、車両の前後方向にわたって設けられた枠状のメインフレーム41と、メインフレーム41の左右両側に設けられた走行フレーム42とで構成されている。この走行フレーム42に走行体26が取り付けられる。
メインフレーム41の後部側には、前述の破砕装置21が搭載されている。破砕装置21の搭載高さ位置は、従来からある自走式破砕機での高さ位置よりも大幅に低く、破砕装置21の排出口21Aが、機体フレーム40の最下面、具体的には機体フレーム40を構成する走行フレーム42の下面42Aよりもさらに下方に位置している。なお、破砕装置21の詳細については、後述する。
メインフレーム41の前方側には、図6にも示すように、電動機22、電動機22によりPTO(Power Take Off:動力取出装置)43を介してそれぞれ駆動される破砕用第1油圧ポンプ23、破砕用第2油圧ポンプ24、搬送用油圧ポンプ25、ファン用油圧ポンプ44が搭載されている他、エンジン27、エンジン27で駆動される走行用油圧ポンプ28、エンジン27を冷却するためのクーリングユニット45、燃料タンク46、作動油タンク47、作動油を冷却するためのクーリングユニット48、電源盤49、バッテリ50等が搭載されている。クーリングユニット45は、ラジエータやエンジン27で駆動される冷却ファンで構成され、クーリングユニット48は、オイルクーラ、冷却ファン59、およびファン駆動用油圧モータ60で構成される。これらの機器類は、適宜な大きさおよび形状(例えば、図3に示す坑道Aの天井面に沿った形状)とされた金属製の外装カバー29で覆われている。なお、破砕用油圧ポンプとしては、2つ設けられる必要はなく、1つであってもよい。
これらの機器類うち、作動油および燃料に関係した各種油圧ポンプ23,24,25,28,44、燃料タンク46、および作動油タンク47は、メインフレーム41上の右側に配置されている。これに対して、高圧の電気係である電動機22、電源盤49、およびバッテリ50などは、メインフレーム41上の左側に配置されている。
ただし、電動機22や電源盤49の他、エンジン27や作動油冷却用のクーリングユニット48などは、高さ寸法が他の機器類よりも大きいため、車幅方向(左右方向)の中央寄りに配置されている。こうすることで、高さ寸法の小さい機器類を左右両端側に寄せて集約でき、坑道Aの天井面(図3)に沿った配置を実現できる。従って、坑道A内の移動に際して、天井面が低くなる左右両側の位置に対しても、クラッシャ車2に搭載の機器類が接触しにくくなり、走行操作を容易に行える。また、メインフレーム41の前端は、左右部分を切り欠いた形状とされ、この点でも走行操作の容易化が図られている。
メインフレーム41の下部側には、図3、図6に示すように、メインバルブ51、搬送装置駆動バルブ52、走行操作バルブ53が設けられている。メインバルブ51は、破砕用第1、第2油圧ポンプ23,24と破砕装置21を駆動するための一対の破砕用油圧モータ54との間で作動油の流れを切り換える。搬送装置駆動バルブ52は、搬送用油圧ポンプ25とフィーダ車3側に設けられた一対の搬送用油圧モータ55との間で作動油の流れを切り換える。走行操作バルブ53は、走行用油圧ポンプ28と各走行体26のファイナルドライブ56,57を駆動する走行用油圧モータ58との間で作動油の流れを切り換える。
ここで、図6において、クーリングユニット48には、冷却ファン59を駆動するためのファン駆動用油圧モータ60が設けられている。ファン用油圧ポンプ44とこのファン駆動用油圧モータ60との間には、反転電磁バルブ61が設けられ、この反転電磁バルブ61によって作動油の流れが切り換えられる。
メインフレーム41の左側の側面には、破砕装置21等の操作を行うための操作盤62、および電源受給部63(共に図1)が設けられている。電源受給部63には、坑道A内に張り巡らされた電力供給網からの電力ケーブルが接続される。この電力ケーブルを通して電源受給部63に供給された電力は、電源盤49に設けられた変圧装置や電圧安定化装置等を介して電動機22やバッテリ50などの電気係の機器類に供給される。
メインフレーム41の後部側には、油圧供給部64(図6)が設けられている。この油圧供給部64には、搬送装置駆動バルブ52からの油圧配管64Aに取り付けられたクイックカプラ64Bの雄側または雌側が固定されている。このクイックカプラ64Bの雄側または雌側には、搬送用油圧モータ55からの油圧配管64Cに取り付けられたクイックカプラ64Dの雌側または雄側が接続される。これらクイックカプラ64B,64D同士の接続により、作動油がクラッシャ車2とフィーダ車3との間で行き来する。
メインフレーム41の最後端には、フィーダ車3が連結される左右一対(図1に左側のみを図示)のクラッシャ車側連結部65が設けられている。このクラッシャ車側連結部65の詳細については、後述する。
〔3.破砕装置の詳細説明〕
以下には、クラッシャ車2に搭載されている破砕装置21について、より具体的に説明する。破砕装置21であるジョークラッシャは、固定ジョー11、および揺動自在に設けられたスイングジョー12を有している。スイングジョー12の上端側は、偏心回転を行う偏心軸14に吊るされているとともに、下端側は破砕時の反力を受ける公知の図示しない反力受リンク機構で支持されている。固定ジョー11とスイングジョー12との間に投入された鉱石等の岩塊は、スイングジョー12の揺動により固定ジョー11との間で狭窄され、破壊する。
以下には、クラッシャ車2に搭載されている破砕装置21について、より具体的に説明する。破砕装置21であるジョークラッシャは、固定ジョー11、および揺動自在に設けられたスイングジョー12を有している。スイングジョー12の上端側は、偏心回転を行う偏心軸14に吊るされているとともに、下端側は破砕時の反力を受ける公知の図示しない反力受リンク機構で支持されている。固定ジョー11とスイングジョー12との間に投入された鉱石等の岩塊は、スイングジョー12の揺動により固定ジョー11との間で狭窄され、破壊する。
また、偏心軸14は、左右のプレート状のサイドフレーム13に支持されている。サイドフレーム13の上下方向の途中位置には、外方に突出した水平な固定部15が前後にわたって連続して設けられている。破砕装置21は、この固定部15がメインフレーム41の上方に位置した状態で搭載され、固定部15にてボルト等の適宜な固定手段によりメインフレーム41に固定される。この結果、前述したように排出口21Aは、機体フレーム40の最も下側である走行フレーム42の下面42Aよりもさらに下方に位置し、破砕装置21全体が機体フレーム40に対して下方に沈んだ状態で搭載されるようになる。
偏心軸14の両端には(図1に左側のみを図示)、フライホイール16が取り付けられている。フライホイール16としては、従来のジョークラッシャに用いられるものに比較して大幅に小径化されており、上方側ではフライホイール16よりもスイングジョー12の上端の方が高い位置にある。このようなフライホイール16はそのままプーリとしても用いられており、外周に巻き回された複数本のベルトを介して破砕用油圧モータ54で駆動される。
つまり、スイングジョー12は、油圧による大きなトルクで駆動されるのであり、このために、電動機によって駆動される従来に比較し、破砕に必要な揺動運動を効率的に持続させるための慣性力を小さくでき、フライホイール16の径寸法を大幅に小さくできるのである。従って、従来では、フライホイールの径寸法が極めて大きく、上方への突出量が大きくなっていたが、本実施形態では、フライホイール16の上方への突出量を小さくでき、クラッシャ車2の低車高化を確実に促進できる。
さらに、本実施形態では、破砕装置21を固定ジョー11の歯面が水平面に対して概ね垂直(本実施形態では89.8度)となるように起立させて搭載してある。すなわち、破砕装置21全体としては、前側に寝転ばせて搭載されることとなるから、従来は低い位置にあった固定ジョー11が若干上方に持ち上がった状態で位置するようになる反面、従来は高い位置にあったスイングジョー12が前側に倒れ込んだ格好となる。従って、固定ジョー11と対向するスイングジョー12の上端側、つまりフライホイール16側を下方にずらして位置させることができ、クラッシャ車2の低車高化を図ることができる。
以上に説明した破砕装置21において、サイドフレーム13上には、ガード部材17が立設されている。フィーダ車3の搬送装置31の前端は、それら左右のガード部材17の間に入り込んでいる。搬送装置31から投入される岩塊は、ガード部材17によってガードされるため、上方に開口した投入口21Bから左右に外れて落下する心配がない。
固定ジョー11が固定されている背面フレーム18の上端には、固定ジョー11の前方に向かって下方に傾斜したスロープ19と、固定ジョー11の後方に向かって下方に傾斜したスロープ20とが設けられ、前側のスロープ19に落下することになる小径の岩石などは、破砕装置21内に確実に投入され、破砕されることなく排出口21AからそのままオアパスBに落下する。また、後側のスロープ20に落下する小径の岩石等は、背面フレーム18の後方を通ってオアパスBに落下する。この際には、フィーダ車3側に設けられたシュート100により、岩石がオアパスBに確実に案内される。
〔4.フィーダ車の詳細説明〕
以下には、フィーダ車3について詳説する。図1において、フィーダ車3も、金属製の機体フレーム70を備えている。機体フレーム70は、車体の前後方向に沿って設けられたメインフレーム71と、走行体32が取り付けられる左右一対の走行フレーム72とで構成されている。
以下には、フィーダ車3について詳説する。図1において、フィーダ車3も、金属製の機体フレーム70を備えている。機体フレーム70は、車体の前後方向に沿って設けられたメインフレーム71と、走行体32が取り付けられる左右一対の走行フレーム72とで構成されている。
メインフレーム71の後部側には、上方に突出した支持ブラケット73が左右に設けられている。支持ブラケット73には、搬送装置31であるエプロンフィーダのやや後部側が回動自在に軸支されている。すなわち、搬送装置31は、前後方向の途中位置で当該前後方向と直交する水平な回動軸によって機体フレーム70に回動自在に軸支されているのである。
図4に示すように、メインフレーム71のやや前部側に設けられた箱状部分にはシリンダ支持部74が設けられている。シリンダ支持部74には、搬送装置31を起伏動させるリフトシリンダ75のロッド側が回動自在に支持されている。リフトシリンダ75のシリンダハウジング側は、搬送装置31のやや前部側下面に回動自在に取り付けられている。このことにより、搬送装置31と機体フレーム70とは、支持ブラケット73およびリフトシリンダ75を介して連結されていることになる。図1、図2、および図5には、搬送装置31の破砕作業時の姿勢が示されており、この姿勢では、リフトシリンダ75が伸びて搬送装置31が起き上がっている。
メインフレーム71の前側において、車幅方向(左右方向)の中央には、エンジン33およびこれによって駆動される走行用油圧ポンプ34、リフト用油圧ポンプ76が搭載され、これらの油圧ポンプ34,76の近傍には、図6にも示すように、走行操作バルブ77およびリフトバルブ78が搭載されている。走行操作バルブ77は、走行用油圧ポンプ34と各走行体32のファイナルドライブ79,80を駆動する走行用油圧モータ81との間で作動油の流れを切り換える。リフトバルブ78は、リフト用油圧ポンプ76とリフトシリンダ75との間で作動油の流れを切り換える。
リフトシリンダ75および走行用油圧モータ81への作動油は、クラッシャ車2側から供給されるのではなく、メインフレーム71の前部左側面に設けられたプレート82上の作動油タンク85(図4、図5)から供給される。このプレート82にはまた、操作盤86が載置されている。これら作動油タンク85および操作盤86は丁度、右側の走行体32の上方に位置している。
一方、右側の走行体32の上方には、別のプレート82がメインフレーム71の前部右側面に一体に設けられている。このプレート82上には、燃料タンク83およびバッテリ84が載置されている。
これらのエンジン33、各種ポンプ34,76、バルブ77,78、タンク83,85、バッテリ84、操作盤86は、適宜な外装カバー87で覆われている。ここで、エンジン33およびバルブ77,78がメインフレーム71の中央に配置され、タンク83,85、バッテリ84、操作盤86がメインフレーム71の左右に分離して配置されているのは、搬送装置31を伏せた場合の干渉を避けるためである。つまり、全ての機器類を中央に配置した場合では、搬送装置31と機器類との干渉を避けるのが困難となり、搬送装置31を伏せる構成を実現できない可能性がある。また、機器類が搬送装置31の下に隠れて位置するため、操作性、整備制が非常に悪化する。ただし、タンク83,85、バッテリ84、操作盤86のうち、いずれを左側に、いずれを右側に配置するかは任意であり、また、それらのうちの少なくとも2つの機器類が左右に分かれて配置されていればよく、全ての機器類を分けて配置する必要はない。
図4において、メインフレーム71の最前端の左右両側は、クラッシャ車2のクラッシャ車側連結部65に対応したフィーダ車側連結部88となっている。各フィーダ車側連結部88には、前方に水平に突出したガイドピン89が固定されている。このようなガイドピン89は、図7に示すように、クラッシャ車側連結部65に設けられたガイド孔65Aに挿入される。ガイドピン89がガイド孔65Aに挿入されたまま、各連結部65,88同士は当接され、これによってクラッシャ車2およびフィーダ車3相互の位置決めがなされることになる。そして、ガイドピン89およびガイド孔65Aにより、本発明の位置合わせ手段が構成されている。
ガイドピン89の長さは、搬送装置31に設けられたホッパ96(後述)の前端、すなわち破砕装置21のガード部材17間に位置するようになる部位よりも、さらに前方に突出している必要がある。しかし、ガード部材17が可倒式である場合には、図示したように、ガイドピン89をホッパ96の前端よりも突出させる必要はなく、ガイドピン89の長さを短くできる。
なお、クラッシャ車2およびフィーダ車3相互の位置合わせ手段としては、各連結部65,88に設けられたガイド孔65Aやガイドピン89に限定されない。図8には、位置合わせ手段の変形例として、レーザ光等の可視光を出射する光出射装置90をフィーダ車側連結部88に設け、光出射装置90からの光の受光領域を規定した的部65Bをクラッシャ車側連結部65に設ける例が示されている。このような位置合わせ手段は、クラッシャ車2およびフィーダ車3左右両側に設けられるので、両方の光出射装置90からの出射光を的部65Bの範囲内に入る状態に維持させながらクラッシャ車2およびフィーダ車3を近づけると、最終的に連結部65,88同士を適切な位置で当接させることができ、互いを正確に位置決めできる。
また、ガイドピン89や光出射装置90をクラッシャ側連結部65に設け、ガイド孔65Aや的部65Bをフィーダ車側連結部88に設けることもできる。
〔5.搬送装置の詳細説明〕
以下には、フィーダ車3に搭載されている搬送装置31について、より具体的に説明する。搬送装置31は、左右に架設された多数の金属製の横架材91からなるコンベア92を左右の駆動体93で駆動する構成である。駆動体93の前端には搬送用油圧モータ55で駆動される図示しないスプロケットが設けられ、後端にはアイドラ95が設けられている。コンベア92は、スプロケットおよびアイドラ95に掛けわたされている。破砕作業時の姿勢では、傾斜した搬送装置31の基端側の下端が左右の走行体32間に入り込む低い位置まで下がり、坑道Aのような天井面が低い作業現場でも、ホイールローダによる岩塊の投入が可能になっている。
以下には、フィーダ車3に搭載されている搬送装置31について、より具体的に説明する。搬送装置31は、左右に架設された多数の金属製の横架材91からなるコンベア92を左右の駆動体93で駆動する構成である。駆動体93の前端には搬送用油圧モータ55で駆動される図示しないスプロケットが設けられ、後端にはアイドラ95が設けられている。コンベア92は、スプロケットおよびアイドラ95に掛けわたされている。破砕作業時の姿勢では、傾斜した搬送装置31の基端側の下端が左右の走行体32間に入り込む低い位置まで下がり、坑道Aのような天井面が低い作業現場でも、ホイールローダによる岩塊の投入が可能になっている。
搬送装置31の上部には、上方に開いたホッパ96が前後にわたって連続して設けられている。ホッパ96の上縁は、前後方向の中程から前方に向かってホッパ96の深さが徐々に浅くなるように傾斜しているのであるが、本実施形態のホッパ96には、この傾斜した上縁に沿った庇部97が設けられている。庇部97は、半翼状(鳥が羽を半分ほどひろげた状態)となるように外方に向かうに従って下方に位置するように傾斜しており、前側に向かうに従って幅広となるように三角形状に形成されている。ただし、庇部97を含んだホッパ96全体の幅寸法は、前後にわたって略同じである。また、庇部97の下端縁は、走行体32を僅かに越える程度まで延びて設けられるが、坑道Aを移動する際に天井面や側壁に擦るまで延びて設けられることはない。
このような庇部97は、下方に位置した作動油タンク83、バッテリ84、燃料タンク85、および操作盤86にかかっており、ホッパ96内から飛び出した岩石がそれらの機器類に落下するのを防止している。
また、ホッパ96の前端には、下方に伸びたガード部材98が左右両側に設けられている。搬送装置31の前端は、破砕装置21の上方に位置しており、この時、各ガード部材98は破砕装置21に設けられた左右のガード部材17の内側に近接した状態で入り込んでいる。搬送装置31で運ばれた岩塊は、これらのガード部材17,98でガードされ、破砕装置21の投入口21Bに確実に投入される。
搬送装置31の下部側には、下方に回って来たコンベア92に付着している細かな岩石等を落とす回転型のブラッシング装置99が取り付けられている。さらに、ブラッシング装置99の後方にはシュート100が設けられている。シュート100は、ブラッシング装置99によって落とされた岩石等をオアパスBに案内する機能を有している。
シュート100の上部側はゴムシート等の可撓部材101で構成され、下部側は金属製のプレート部材102で構成されている。プレート部材102は、メインフレーム71間に配置され、左右の両側部分でメインフレーム71に固定されている。シュート100は、搬送装置31を伏せた時には、可撓部材101が折れ曲がってコンベア92の下方に入り込むようになる(図9)。なお、このようなシュート100をクラッシャ車2側に設けてもよい。
図9、図10には、リフトシリンダ75を縮ませ、搬送装置31を伏せた走行姿勢のフィーダ車3が示されている。このような走行姿勢では、搬送装置31に設けられたホッパ96の上端縁は坑道Aの天井面よりも低くなる。また、庇部97の外方への傾斜方向は、図10に示すように、天井面の形状に略沿っており、天井面に擦る等の心配がない。
〔6.移動および破砕作業時の連結について〕
以上に説明した自走式破砕システム1では、クラッシャ車2およびフィーダ車3がそれぞれ単独で走行し、破砕作業現場に移動する。破砕作業現場ではまず、オアパスBに対してクラッシャ車2の位置決めがなされる。この位置決めは、クラッシャ車2に搭載された破砕装置21の排出口21AがオアパスBの中央の真上に位置するように行われる。
以上に説明した自走式破砕システム1では、クラッシャ車2およびフィーダ車3がそれぞれ単独で走行し、破砕作業現場に移動する。破砕作業現場ではまず、オアパスBに対してクラッシャ車2の位置決めがなされる。この位置決めは、クラッシャ車2に搭載された破砕装置21の排出口21AがオアパスBの中央の真上に位置するように行われる。
この後、フィーダ車3をクラッシャ車2の後方に近づけ、所定間隔離れた位置にて搬送装置31をリフトさせる。次いで、フィーダ車3のフィーダ車側連結部88のガイドピン89をクラッシャ車側連結部65のガイド孔65Aに挿入させるようにして、フィーダ車3をクラッシャ車2側に移動させ、フィーダ車側連結部88をクラッシャ車側連結部65に当接させ、クラッシャ車2に対するフィーダ車3の位置決めを行う。
ここで、破砕装置21に設けられたガード部材17は可倒式にしておくとともに、走行時には下方に畳んでおき、破砕作業時において、搬送装置31側のガード部材98が破砕装置21の上方に位置決めされた後に、ガード部材17を起こしてもよい。また、搬送装置31の後部側に油圧式のアウトリガーを設けておき、破砕作業時にアウトリガーを路面に着座させて、岩塊をホッパ96へ投入する際に加わる垂直荷重をアウトリガーで受けてもよい。アウトリガーを設ける代わりに可倒式の脚部装置を設け、搬送装置31を起こして破砕作業の姿勢にした場合にのみ、脚部装置を路面着座させて荷重を路面に伝達するようにしてもよい。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、地下鉱山の坑道内や、トンネル内など、作業スペースに制約のある現場での破砕作業やコーナリングを伴う坑内での移動に好適に利用できる。
1…自走式破砕システム、3…フィーダ車、31…搬送装置、32…走行体、33…エンジン、34…走行用油圧ポンプ、81…走行用油圧モータ、83…燃料タンク、84…バッテリ、85…作動油タンク、86…操作盤、96…ホッパ、97…庇部。
Claims (2)
- 自走式破砕システムを構成するフィーダ車であって、
被破砕物を搬送する搬送装置と、左右の走行体と、前記搬送装置の前記被破砕物投入側に設けられたホッパと、前記走行体を駆動する走行用油圧モータと、この走行用油圧モータに油圧を供給する走行用油圧ポンプと、この走行用油圧ポンプを駆動するエンジンとを備え、
前記エンジン用燃料を貯留する燃料タンク、前記走行用油圧モータに圧送される作動油を貯留する作動油タンク、操作盤、およびバッテリのうちの少なくとも2つの機器類が、前記左右の走行体の上方に分かれて配置され、
前記ホッパには、前記走行体の上方に配置された機器類に覆いかかる庇部が設けられている
ことを特徴とするフィーダ車。 - 請求項1に記載のフィーダ車において、
前記庇部は、前記ホッパの左右両側に一体に設けられているとともに、少なくともその一部分が左右の外方に向かうに従って下側に傾斜している
ことを特徴とするフィーダ車。
Priority Applications (4)
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Applications Claiming Priority (1)
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ID=40051345
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011084380A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Tcm Corp | 移動式ベルトコンベア |
JP2016035174A (ja) * | 2014-08-04 | 2016-03-17 | コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー | 深海底マンガン団塊採鉱ロボット |
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-
2007
- 2007-04-27 JP JP2007120153A patent/JP2008272684A/ja not_active Withdrawn
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JP2011084380A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Tcm Corp | 移動式ベルトコンベア |
US9334734B2 (en) | 2012-03-28 | 2016-05-10 | Korea Institute Of Ocean Science & Technology | Robot for mining manganese nodules on deep seafloor |
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Effective date: 20100827 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |