JP2008272034A - 回動装置及びその回動装置を用いた洗濯機 - Google Patents

回動装置及びその回動装置を用いた洗濯機 Download PDF

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智彦 石塚
Takahiro Oikawa
貴裕 及川
Yohei Kawahara
洋平 河原
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Abstract

【課題】蓋などの回動体が重力の作用方向に勢いよく回動することを防止し、しかも重力に抗する方向に回動するときも勢いよく回動することを防止した回動装置を提供することを目的としている。また、該回動装置を用いた洗濯機を提供する。
【解決手段】ヒンジ軸9が水平方向ないしは斜め方向に配置され、上記ヒンジ軸のまわりに回動する回動体4が略水平方向の第1位置と略鉛直方向の第2位置の間で回動される回動装置3において、上記回動体が上記第1位置から上記第2位置に向けて重力に抗する方向に回動されるときに、該重力に抗する方向の回動を付勢する第1のヒンジバネ11と、該重力に抗する方向の回動が略中央部まで進んだときに、重力方向への回動を付勢する第2のヒンジバネ12、または重力に抗する方向の回動を抑制する摩擦部材15を備えるように構成した。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば洗濯機の蓋などの回動体の開閉装置などとして好ましく用いることができる回動装置及びその回動装置を用いた洗濯機に関する。
従来の回動装置を用いた洗濯機として、外箱内に設けられた外槽と、この外槽の内部に傾斜軸を中心に回転自在に配設され、前端面に洗濯物投入用開口を有するドラムと、前記洗濯物投入用開口を開閉する横開き式の扉を備えたドラム式洗濯機において、前記外箱は前方へ向かってしだいに下がる傾斜した前面板を有し、前記扉は閉成時に前記前面板と略平行となるように配設され、且つ前記扉を開放方向へ付勢する付勢手段を備えたものがある(例えば特許文献1参照。)。
特開2003−126588号公報(第1頁、図7、図8)
上記のように構成された従来の技術では、不所望に蓋が勢いよく閉じてしまうことを防止できるというものの、蓋を開放方向へ付勢する付勢手段が設けられているため、蓋を開けるときに蓋の最大開放状態まで勢いよく開いてしまうという課題があった。
この発明は、上記のような従来技術の課題を解消するためになされたものであり、蓋などの回動体が重力に抗する方向に回動するときに勢いよく回動することを防止し、しかも重力の作用方向に勢いよく回動することを防止した回動装置を提供することを目的としている。また、該回動装置を用いた洗濯機を提供することを目的としている。
この発明に係る回動装置は、ヒンジ軸が水平方向ないしは斜め方向に配置され、上記ヒンジ軸のまわりに回動する回動体が略水平姿勢の第1位置と略鉛直姿勢の第2位置の間で回動される回動装置において、上記回動体が上記第1位置から上記第2位置に向けて重力に抗する方向に回動されるときに、該重力に抗する方向の回動を付勢する第1のヒンジバネと、該重力に抗する方向の回動が略中央部まで進んだときに重力方向への回動を付勢する第2のヒンジバネ、または重力に抗する方向の回動を抑制する摩擦部材とを備えたものである。
この発明の回動装置においては、蓋などの回動体が略水平姿勢の第1位置から略鉛直姿勢の第2位置に向けて重力に抗する方向に回動されるときに、該重力に抗する方向の回動を付勢する第1のヒンジバネと、該重力に抗する方向の回動が略中央部まで進んだときに重力方向への回動を付勢する第2のヒンジバネ、または重力に抗する方向の回動を抑制する摩擦部材を備えたことにより、第1位置から第2位置の途中までの回動方向の付勢力を打ち消すことなく、回動体が第2位置方向に勢いよく開く事を防止できる。また、回動体を第2位置から第1位置方向に回動するときは第2のヒンジバネまたは摩擦部材が途中まで作用して操作力を軽くし、第1位置に近づくにつれて第1のヒンジバネが強く働いて回動体が重力の作用方向に勢いよく回動することを防止できる。
実施の形態1.
図1〜図6は、この発明の実施の形態1による回動装置、及びその回動装置を用いた洗濯機の要部を説明する図であり、図1は洗濯機の蓋(回動体)が開いた状態を示す斜視図である。図1に示すように、洗濯機本体1は、前後方向に傾斜された上面部に洗濯物が出し入れされる開口部2を有し、該開口部2には、洗濯機本体1の開口部2近傍に取付けられた回動装置3(図1では直接見えない)によって回動自在に設けられた回動体である略円形状の蓋4が設けられている。蓋4は、閉成状態ではシール部材5によって開口部2を塞ぎ、回動装置3の反対側に設けられた開閉ロック機構6の操作によって、略水平姿勢の第1位置から略鉛直姿勢の第2位置方向へと回転動作し、開口部2を開成する。また、開口部2の上面部には、後述するヒンジアーム部材を挿通するためのスリット7aが形成されたトップカバー7が設けられている。
図2は図1の回動装置3の分解斜視図、図3は図1の回動装置3とトップカバー7との設置関係を示す斜視図である。図4は蓋4が開口部2を閉塞した状態における回動装置3を中心部で切断した拡大斜視図、図5は蓋4が開放の途中状態(水平面に対して約45°)にあるときの回動装置3を中心部で切断した拡大斜視図、図6は蓋4が開口部2を開放した状態における回動装置3を中心部で切断した拡大斜視図をそれぞれ示している。なお、各図を通じて同一符号は同一部分を示している。図において、回動装置3は、洗濯機本体1に固定される台座8と、一端部が台座8に対してヒンジ軸(ピン)9を介して回動自在に支持され、他端部が蓋4に固定され、かつ一端部と他端部の間の中央部がヒンジ軸9のまわりに沿う如く湾曲された円弧状の湾曲部10aを有するヒンジアーム部材10と、蓋4が閉成状態にある略水平姿勢の第1位置から開成状態における略鉛直姿勢の第2位置に向けて重力に抗する方向に回動されるときに、重力に抗する方向の回動を付勢する少なくとも1つ(ここでは2つ)の第1のヒンジバネ11と、該重力に抗する方向の回動が略中央部まで進んだときに重力方向への回動を付勢する少なくとも1つ(ここでは1つ)の第2のヒンジバネ12と、ダンパー部13と、蓋4が開いたときに該蓋4の開成方向のヒンジアーム部材10の回転範囲を規制するストッパー14を備えている。
台座8は、複数の軸受部8aを有し、各軸受部8aにはヒンジ軸9が挿入されるピン穴8bが形成されている。また、台座8は開成方向に付勢する第1のヒンジバネ11と閉塞方向に付勢する第2のヒンジバネ12の一端を挿入する複数のバネ穴8cが形成されている。ヒンジアーム部材10の一端部側には、ヒンジ軸9が挿入される複数のピン穴10bを有する複数の軸受部10cと、第1のヒンジバネ11の他端を挿入する複数のバネ穴10dを有する平面状のバネ受け部10eが設けられ、他端部側には蓋4を固定するための平面状の固定部10fが設けられている。なお、ヒンジアーム部材10の湾曲部10aは蓋4の動きに連動して、トップカバー7に設けられたスリット7a部分を開口部2の開口面に対してほぼ垂直的に移動する。また、上記第2のヒンジバネ12は、ヒンジ軸9がコイルの中心部を貫くように該ヒンジ軸9に装着され両端部に係止部12a、12bが延出されたコイルバネからなり、一端の係止部12aはバネ穴8cに係合され、他端の係止部12bは蓋4の閉成時には遊び状態となっている。そして、蓋4が開成方向に途中まで回動したときに他端の係止部12bがヒンジアーム部材10の湾曲部10a端部のバネ受け部10eに係合するように構成されている。
上記回動装置3を組み立てる際には、台座8とヒンジアーム部材10とを、台座8のピン穴8bの軸心と、ヒンジアーム部材10のピン穴10bの軸心とが一致するように重ね合わせ、軸受部8a、10c間の両端部分に開放方向に付勢する第1のヒンジバネ11、中央部分に閉塞方向に付勢する第2のヒンジバネ12を配置する。そして、その状態で、各ピン穴8b、10b及び各開放方向の第1のヒンジバネ11、閉塞方向の第2のヒンジバネ12を挿通させ、ヒンジ軸9の先端部をダンパー部13に装着することにより全体が組み立てられる。なお、ダンパー部13は、ダンパー受け13aとダンパー13b、ダンパーホルダー13cから構成されており、この例では蓋4が閉じる方向の力を吸収する。
また、湾曲部10aの表面には、ヒンジ軸9の軸方向と略直交する方向に延びる突条部10gがヒンジ軸9の軸方向に複数(ここでは3つ)設けられており、湾曲部10aの強度を高めるように形成されている。また、ストッパー14は、ヒンジアーム部材10の回動範囲を規制するもので、断面略コ字状に形成され、洗濯機本体1側に固定されている。台座8は洗濯機本体1の開口部近傍に固定され、ヒンジアーム部材10の固定部10fが、トップカバー7に設けられた円弧状のスリット7aを挿通してトップカバー7の表面近傍に位置しており、その固定部10fの表面に蓋4が図示省略しているボルト等により固定されている。
次に上記のように構成された回動装置3の動作(洗濯機の蓋4の回動動作)について説明する。開閉ロック機構6の押しボタンが押下されると、第1のヒンジバネ11の付勢力によりヒンジアーム部材10がヒンジ軸9のまわりにその湾曲部10aをスリット7a外側近傍を通過させながら回転する。これにより回動体としての蓋4が略水平姿勢の第1位置から略鉛直姿勢の第2位置に向けて開放される。蓋4は、例えば水平面に対して約45°程度まで開かれると、第2のヒンジバネ12の他端の係止部12bがヒンジアーム部材10のバネ受け部10eに係合し、それにより45°以上の角度において、第2のヒンジバネ12の付勢力が閉塞方向、即ち重力の作用する方向に働く。
それにより、ヒンジアーム部材10がストッパー14に衝突する際の衝撃力を低減し、ヒンジアーム部材10とストッパー14が破損することを防ぐことが可能となる。ダンパー部13は、例えば第1のヒンジバネ11が壊れるなどして蓋4の開放方向の付勢力が弱まった場合に作用するものである。このようにダンパー部13を設けたことにより、蓋4の開放方向の付勢力が弱まった場合に、蓋4が急激に閉まって蓋4と洗濯機本体1の開口部2との間に手を挟むなどの恐れを回避できる。
次に、第1のヒンジバネ11と第2のヒンジバネ12の具体的な構成例を実施例に基づいて、図7〜図10の参考図、及び図11の実施例に係る特性図を参照して更に詳細に説明する。例として、ヒンジ軸9の水平方向に対する前後の傾斜角度が45°、自重3.5kgの蓋4において、開口部2を閉塞する第1位置(開口部左右方向水平面に対して0°)から、開口部2を開放する第2位置(例として、開口部水平面に対して90°)まで回動する場合の蓋4を回動体とする開閉装置のバネ構成について説明する。図7はこの蓋4を単独(第1のヒンジバネ11と第2のヒンジバネ12が装着されていない状態)で開放方向へ回転させるために必要なトルクと蓋4の水平面に対する角度との関係について測定された特性図(参考図)である。
なお、図7の横軸は蓋4の水平面に対する角度(deg)、縦軸は蓋4を開放方向へ回転させるために必要なトルク(Nmm)、曲線Aが測定値である。例えば、蓋4が0°から90°までのどの角度においても開放方向に開くようにするためには、0°から90°の範囲で図7の曲線Aよりも上側のトルクを与えることが必要であり、図8(参考図)の直線Bで例示する第1のヒンジバネ11の合計トルク(第2のヒンジバネ12は装着されていない状態)が1つの解となる。今、第1のヒンジバネ11にかかる最大曲げ応力σ、及び第1のヒンジバネ11のトルクMは次の数1、及び数2に示す式にて計算される。
Figure 2008272034
Figure 2008272034
但し、σ:応力(MPa)、M:バネのトルク(Nmm)、d:バネ線径(mm)、
E:バネ材料のヤング率(MPa)、Φ:ねじり角度(rad)、
Φ1:初期ねじり角度(rad)、D:コイル内径と外径の平均値、
N:巻き数、KT:バネ定数(Nmm/rad)
今、蓋4が開口部2を閉塞する第1位置(開口部水平面に対して0°)から開口部2を開放する第2位置(開口部水平面に対して90°)までの角度は90°なので、ねじり角度Φは90°(1.570rad)となる。この式から、図9(参考図)にJIS B 2709(JISハンドブック 機械要素(財)日本規格協会)、p.1788から引用した「疲れ強さ線図」の上限応力係数σmax/σと下限応力係数σmin/σを参照してバネ寿命の設計を行う。このσはバネ材料の引張強さである。最小応力σminは初期状態での応力(この場合、蓋4が開口部2を開放する第2位置の状態)、最大応力σmaxは蓋4が開口部2を閉塞する第1位置の状態での応力となる。つまり先の式よりσmax及びσminは次の数3及び数4に示す式になる。
Figure 2008272034
Figure 2008272034
例えば、上記図8の曲線Bに示すように、蓋4が開口部2を閉塞している第1位置の状態のときにはトルクが7890Nmm、初期トルク(蓋4が開口部2を開放している第2位置の状態)は1130Nmmとなっている。このとき、バネの繰り返し寿命が1×10以上とするためには、図9の10の直線よりも下側の応力係数にする必要がある。
例えば、バネ材料、例えばSWPB、ヤング率E=206×103MPa、線径2.60mmでは、1960MPaの引張強さを持っており、先ほどの最小応力σmin、最大応力σmax、及びバネのトルクMは次の数5、数6、及び数7に示す式となる。
Figure 2008272034
Figure 2008272034
Figure 2008272034
先ほどの引張強さ1960MPaにおいて、例えば上限応力係数を0.5以下、下限応力係数を0.05以上とすれば10回の寿命を満足する。そのためには、最大曲げ応力σを980MPaにする必要がある。また、ここで初期ねじり角度を15deg(0.26rad)として、先ほどの式に当てはめると、
Figure 2008272034
Figure 2008272034
Figure 2008272034
となる。
つまり、蓋4を開放させるために必要なトルク7890Nmmでは、SWPBのφ2.6mmのバネが少なくとも5個以上必要となる。また、コイル内径と外径の平均値Dと巻き数Nの積が166.93以上、304.08以下とするために、例えばコイル内径と外径の平均値Dを13mm、巻き数を13とすると、バネの長さはφ2.6×13=33.8mmとなり、そのバネが5個構成されると、少なくとも169mm以上の長さとなり、回動装置3の全長が大きくなる。また、巻き数を減らすと、コイル内径と外径の平均値Dが大きくなるため、回動装置3のサイズが大きくなる。また、蓋4が開口部2を開放する第2位置の状態(水平面に対して90°)において、トルク力が1130Nmm具備しており、蓋4が開放方向に勢いよく開くこととなる。
また、第1のヒンジバネ11の初期ねじり角度を大きくし、それに伴い下限応力係数を大きくすることも可能であり、それに伴って上限応力係数も大きくすることが可能である。そのため第1のヒンジバネ11の最大トルクを大きくすることにより、第1のヒンジバネ11の配置個数を削減することが出来る。しかし、その場合には下限応力係数が大きくなることから、蓋4が開放方向により勢いよく開くこととなる。
然るに、この発明においては実施の形態1に示すように第2のヒンジバネ12を用いるようにしたことにより、蓋4が開放方向に勢いよく開くことを防ぎ、しかもバネ寿命を損ねることなく、またコイル内径と外径の平均値Dを大きくすることなく、全長を小さくした回動装置3を提供することができる。因みに、ヒンジバネの全長の要求寸法が例えば、169mm以下とすると、その要求を満足する回動装置3を以下に詳述するように提供することができる。
例えば、上記した1960MPaの引張強さを持つ、SWPB、ヤング率E=206×103MPa、線径2.60mmにおいて、コイル内径と外径の平均値Dを13mm、巻き数13の第1のヒンジバネ11を5個構成した場合、初期ねじり角度を15deg(0.26rad)から30deg(0.52rad)とすると、最大応力σmaxと最小応力σmin、及びトルクMは次の数11、数12、数13に示す式のようになる。
Figure 2008272034
Figure 2008272034
Figure 2008272034
上限応力係数0.54と下限応力係数0.13は図9の「疲れ強さ線図」の10回の疲労曲線の下側にあり、寿命を満足している。また、最大トルク力が1819.17Nmmとなる。
次に、この第1のヒンジバネ11を4個構成したときの第1のヒンジバネ11の合計トルクを図10(参考図)の曲線Cに示す。このように、初期ねじり角度を15deg(0.26rad)から30deg(0.52rad)にすることにより、バネを5個から4個に削減でき、全長169mmから135.2mmへと短くすることが出来る。なお、このような第1のヒンジバネのみの構成では、開口部を閉塞する第1位置の状態(水平面に対して0°)において、トルク力が1130Nmmから1810Nmmへと増加しているため、蓋4が開放方向により勢いよく開くこととなる。
これに対して、この実施例では上記実施の形態1で説明したように、蓋4の開口部を閉塞した状態から開口部を開く方向に回動する途中(例えば、水平面に対して45°)から第2のヒンジバネ12の一端がヒンジアーム部材10のバネ受け部10eに当たり、水平面に対して45°から90°まで第2のヒンジバネのトルク力を蓋4に伝える第2のヒンジバネ12が配置される。該第2のヒンジバネ12は1960MPaの引張強さを持つSWPB、ヤング率E=206×103MPa、線径2.60mmにおいてコイル内径と外径の平均値Dを13mm、巻き数6とした。このときの第2のヒンジバネ12の最大応力値σmaxと最小応力値σminは次の数14、数15に示す式のようになる。第2のヒンジバネ12のねじり角度は最大で45deg(0.79rad)である。
Figure 2008272034
Figure 2008272034
上限応力係数0.44と下限応力係数0は図9の「疲れ強さ線図」の10回の疲労曲線の下側にあり、寿命を満足している。次に、第1のヒンジバネ11を4個構成し、第2のヒンジバネ12を1個構成したときの合計トルクを図11(実施例)の曲線Dに示す。図11の曲線Dに示すように、第2のヒンジバネ12を付加した場合には、蓋4が開口部2を開放する第2位置の状態(水平面に対して90°)において、トルク力が1130Nmmから398Nmmまで減少させることができ、蓋4が開放方向に勢いよく開くことを防ぎ、バネ寿命を損ねることなく、コイル内径と外径の平均値Dを大きくすることなく、要求仕様の169mm以下を満足した150.8mmの回動装置3が得られた。
以上説明したように、実施の形態1によれば、洗濯機の開口部2近傍に傾斜して配置されたヒンジ軸9と、ヒンジ軸9のまわりに回動する回動体としての蓋4が略水平方向の第1位置と略鉛直方向の第2位置の間で回動される回動装置3ないしは該回動装置3を用いた洗濯機において、蓋4が第1位置から第2位置に向けて重力に抗する方向に回動されるときに、該重力に抗する方向の回動を付勢する第1のヒンジバネ11と、該重力に抗する方向の回動が約45°の中央部まで進んだときに逆の重力方向への回動を付勢する第2のヒンジバネ12を備えたことにより、回動装置3即ちバネの配置部を大きくすることなくバネ寿命を確保することができる。また、開放の途中から開放完了まで第2のヒンジバネ12の力を付勢するようにヒンジアーム部材10を構成したことにより、第2のヒンジバネ12を小さくでき、また、閉塞状態から開放状態の途中までの開放方向の付勢力を打ち消すことなく、蓋が開方向に勢いよく開くことを防止できる。
なお、上記実施例では重力に抗する方向の回動が約45°の中央部まで進んだときに、第2のヒンジバネ12を用いて逆の重力方向への回動を付勢するようにしたが、図12〜図14の変形例に示すように摩擦部材を用いてもよい。即ち、図12は第2のヒンジバネ12の代わりに摩擦部材を用いた変形例における図4に相当する拡大斜視図、図13は同じく図5に相当する拡大斜視図、図14は同じく図6に相当する拡大斜視図である。図において、摩擦部材15はヒンジアーム部材10に固定されており、ヒンジアーム部材10の回転に伴いヒンジ軸9のまわりに回転する。摩擦部材15の摩擦部15aは、蓋4の閉成時には台座8と接触していない。そして、蓋4が開成方向に約45°の途中まで回動したときに摩擦部15aが台座8に当接し、以降約90°に至るまで台座8に当接しつつ回動するように構成されている。この変形例においては、摩擦部材15の摩擦部15aが台座8と当接することにより、開成方向の途中から第1のヒンジバネ11の重力に抗する方向の回動を付勢する力を台座8と摩擦部材15の摩擦部15aの摩擦力により軽減する。摩擦部材15は例えば、樹脂、金属などで、台座8と摩擦力を発生する材料であれば良い。なお、摩擦部材15はヒンジアーム部材10に固定したが、台座8に固定しても良い。
また、実施例では、第1のヒンジバネ11を4個用いているため、例えば設計寿命を超える使用等により、仮に一つが壊れて蓋4を開放する方向の付勢力が弱まっても、残りの3個の第1のヒンジバネ11が作用することにより、蓋4が使用者の操作や蓋4の自重により急に閉められても、蓋4が急激に閉まるのを防止することができる。さらに、回動装置3にダンパー部13を設け、蓋4が閉まる方向の力を吸収するようにしたので、上記と同様に、第1のヒンジバネ11が壊れるなどして蓋4を開放する方向の付勢力が弱まっても、蓋4が急激に閉まったり、蓋4と洗濯機本体1の開口部2との間に手を挟むなどの危惧を回避することができる。また、ヒンジアーム部材10の回転範囲を規制するストッパー14を設けたので、蓋4を開けたときに蓋4が開きすぎて蓋4の表面が洗濯機本体1の意匠部品に衝突して意匠部品が損傷する等の問題を未然に防ぐことができる。
なお、上記実施例ではダンパー部13は閉塞方向の力を吸収するようにしたが、逆に開放方向の力を吸収するようにしてもよく、その場合には第2のヒンジバネ12が壊れるなどして蓋4を閉塞する方向の付勢力が弱まっても、蓋4が急激に開いたり、蓋4に頭をぶつけるなどの危惧を防ぐことが可能である。また、上記実施例では第1のヒンジバネ11を4個、第2のヒンジバネ12を1個で構成したが、これに限定されるものではなく、第1のヒンジバネ11を少なくとも1個、第2のヒンジバネ12を少なくとも1個用いることで同様に構成できることは明らかである。また、この実施例ではバネ材料としてSWPBを用いたが、その他のバネ材料、例えば硬鋼線、ピアノ線、バネ用オイルテンパー線、弁バネ用オイルテンパー線、バネ用ステンレス鋼線、黄銅線、洋白線、りん青銅線、ベリリウム銅線などでもよい。また、実施例で示したバネ線径、巻き数、コイル内径と外径の平均値Dなどは1例に過ぎず、所望により適宜変更できることはいうまでもない。
ところで上記実施の形態では、ヒンジ軸9が前後方向に傾斜されている場合について説明したが、ヒンジ軸9が水平方向でも差し支えないことは言うまでもない。また、回動体である蓋4の第1位置が水平(0°)、第2位置が鉛直(水平方向に対して90°)の場合について説明したが、これに限定されないことは言うまでもない。要するに第1位置は大体において水平方向、第2位置は大体において鉛直方向であれば同様の効果を期待できる。特に第2位置は、90°以上、例えば、120°を超えるような角度に回動されるものであっても差し支えない。
更に、この発明の回動装置を洗濯機の上面開口部に設けられた蓋4を開閉する開閉装置として用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば略鉛直方向の開口部を有する例えば乾燥機等で、ヒンジ軸が該開口部の下部に水平方向に設けられた開閉蓋を回動する場合などにも全く同様に好ましく用いることができる。なお、その場合には略水平方向の第1位置が開成状態、略鉛直方向の第2位置が閉成状態となる。その場合でも第1及び第2のヒンジバネの構成は上記実施の形態1と同様で良く、要するに第1のヒンジバネは回動体を重力に抗する方向に付勢し、第2のヒンジバネは、回動体が略鉛直方向の第2位置に勢い良く回動するのを抑制するために途中から重力方向に回動体を付勢するように用いられるものである。さらに、回動体としては蓋(開閉蓋)に限定されるものではなく、例えば壁面に折り畳まれたテーブルやベッドなどの家具を水平方向に回動して開く場合などにも用いることができる。その他、この発明の範囲内で種々の変形や変更ができることは当然である。
この発明の実施の形態1に係る回動装置、及びその回動装置を用いた洗濯機の要部である蓋(回動体)が開いた状態を示す斜視図。 図1の回動装置の分解斜視図。 図1の回動装置とトップカバーとの設置関係を示す斜視図。 図1の蓋が開口部を閉塞した状態における回動装置を中心部で切断した拡大斜視図。 図1の蓋が開放の途中状態(水平面に対して約45°)にあるときの回動装置を中心部で切断した拡大斜視図。 図1の蓋が開口部を開放した状態における回動装置を中心部で切断した拡大斜視図。 図1の蓋を単独(第1及び第2のヒンジバネを除いた状態)で開放方向へ回転させるために必要なトルクと蓋の水平面に対する角度との関係について測定された特性図(参考図)。 図1の蓋を開放方向へ回動させるために第1のヒンジバネを5個用いたときの蓋の回動角度に対する蓋開放方向トルク(合計トルク)の関係(曲線B)を図7の曲線Aと比較して示す特性図(参考図)。 JIS B 2709(JISハンドブック 機械要素(財)日本規格協会)、p.1788から引用した「疲れ強さ線図」(参考図)。 図1の蓋を開放方向へ回動させるために第1のヒンジバネを4個用い、初期ねじり角度を15deg〜30deg与えたときの蓋の回動角度に対する蓋開放方向トルク(合計トルク)の関係(曲線C)を図7の曲線Aと比較して示す特性図(参考図)。 この発明の実施の形態1に係る回動装置の実施例における蓋の回動角度に対する初期ねじり角度を15deg〜30deg与えた第1のヒンジバネ4個と第2のヒンジバネ1個の合計トルクの関係(曲線D)を図7の曲線Aと比較して示す特性図。 図4に示す第2のヒンジバネ12の代わりに摩擦部材を用いた変形例における図4に相当する拡大斜視図。 図4に示す第2のヒンジバネ12の代わりに摩擦部材を用いた変形例における図5に相当する拡大斜視図。 図4に示す第2のヒンジバネ12の代わりに摩擦部材を用いた変形例における図6に相当する拡大斜視図。
符号の説明
1 洗濯機本体、 2 開口部、 3 回動装置、 4 蓋(回動体)、 5 シール部材、 6 開閉ロック機構、 7 トップカバー、 7a スリット、 8 台座、 8a 軸受部、 8b ピン穴、 8c バネ穴、 9 ヒンジ軸(ピン)、 10 ヒンジアーム部材、 10a 湾曲部、 10b ピン穴、 10c 軸受部、 10d バネ穴、 10e バネ受け部、 10f 固定部、 10g 突条部、 11 第1のヒンジバネ、 12 第2のヒンジバネ、 12a、12b 係止部、 13 ダンパー部、 13a ダンパー受け、 13b ダンパー、 13c ダンパーホルダー、 14 ストッパー、 15 摩擦部材、 15a 摩擦部。

Claims (7)

  1. ヒンジ軸が水平方向ないしは斜め方向に配置され、上記ヒンジ軸のまわりに回動する回動体が略水平姿勢の第1位置と略鉛直姿勢の第2位置の間で回動される回動装置において、上記回動体が上記第1位置から上記第2位置に向けて重力に抗する方向に回動されるときに、該重力に抗する方向の回動を付勢する第1のヒンジバネと、該重力に抗する方向の回動が略中央部まで進んだときに、重力方向への回動を付勢する第2のヒンジバネ、または重力に抗する方向の回動を抑制する摩擦部材とを備えたことを特徴とする回動装置。
  2. 上記回動体を上記第1位置から上記第2位置に回動するときの上記第1のヒンジバネ及び上記第2のヒンジバネの合計トルクは、回動範囲内の全ての回動角度で上記第1のヒンジバネ及び上記第2のヒンジバネを装着しないときのトルクを若干上回るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の回動装置。
  3. 上記第1のヒンジバネによる付勢力を吸収するダンパーを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回動装置。
  4. 上記第2のヒンジバネによる付勢力を吸収するダンパーを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の回動装置。
  5. 上記請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の回動装置を、外箱上面の開口部に設けられた蓋の開閉に用いたことを特徴とする洗濯機。
  6. 上記回動装置は、外箱上面の開口部近傍に固定された上記ヒンジ軸を保持する台座と、一端部がこの台座に対して上記ヒンジ軸を介して回動自在に支持され、他端部が上記蓋に固定され、かつ上記ヒンジ軸のまわりに沿う円弧状の湾曲部及び上記第2のヒンジバネの一方の端部を係止するバネ受け部を有するヒンジアーム部材とを備え、上記第2のヒンジバネは、上記ヒンジ軸がコイルの中心部を貫くように該ヒンジ軸に装着され、両端部に係止部が延出されたコイルバネからなり、上記蓋の閉成時には遊び状態とし、該蓋が開成方向に途中まで回動したときに、一方の係止部が上記ヒンジアーム部材のバネ受け部に係合するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の洗濯機。
  7. 上記蓋の開成時に上記ヒンジアーム部材の回動範囲を制限するストッパーを備えたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の洗濯機。
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