JP2008271962A - 糖の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】木質系バイオマスを原料とし、比較的温和な条件で、十分高い糖化率で糖を製造することが可能な糖の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、リグニン、セルロース及びヘミセルロースを含む木質系バイオマスから糖を製造する方法であって、木質系バイオマスを粉砕し、直径10mm以下の粉砕バイオマスとする粉砕工程と、粉砕バイオマスを、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させ、粉砕バイオマスを蒸煮させる蒸煮工程と、薬液に溶解した粉砕バイオマス中の可溶成分と、薬液に不溶な粉砕バイオマス中の不溶成分とを分離する分離工程と、不溶成分を酵素に接触させることにより糖化させる糖化工程と、を備える糖の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖の製造方法に関する。更に詳しくは、リグニン、セルロース及びヘミセルロースを含む木質系バイオマスから糖を製造する糖の製造方法に関する。
セルロース、ヘミセルロース及びリグニンからなる木質系バイオマスを酵素分解することにより、セルロース及びヘミセルロースを糖化できることが知られている。こうして得られる糖類は、燃料や化成品原料の出発物質等として有用である。
ところが、木質系バイオマスは、リグニンを含有しているため、このリグニンとセルロース及びヘミセルロースとが交絡し、セルロース及びヘミセルロースの酵素分解を阻害する傾向にある。
これに対し、近年、木質系バイオマスを酵素分解する前に、何らかの処理を行い、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡を解く方法が研究されている。
例えば、木材を微粉砕してから、それを酵素分解する方法(例えば、特許文献1又は2参照)、リグノセルロース含有植物体を加水分解して、それを酵素分解する方法(例えば、特許文献3参照〕、セルロース含有物質を窒素酸化物を含むジメチルホルムアミド溶液で処理した後、酵素分解する方法(例えば、特許文献4参照)、リグノセルロース系バイオマスを加圧熱水で処理し、機械的粉砕してから酵素分解する方法(例えば、特許文献5参照)等が開示されている。
一方、本願発明者等は、木質系バイオマスを、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させることにより、木質系バイオマスを軟化させ、可溶成分と不溶成分とを分離し、不溶成分を粉砕してから酵素に接触させる糖の製造方法を出願している(特許文献6参照)。
特開昭55―9758号公報 特開昭63―137690号公報 特開昭59―146594号公報 特開昭61―242591号公報 特開2006−136263号公報 特願2006−279488号
しかしながら、上述した特許文献1及び2に記載の方法では、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡を十分に解くことは困難である。
特許文献3及び5に記載の方法では、比熱の高い水を高温で用いているので、セルロース及びヘミセルロースが過分解してしまう虞がある。
特許文献4記載の方法では、環境基準が定められている大気汚染物質である二酸化窒素等の窒素酸化物の使用が不可欠であるという点で問題がある。
特許文献6記載の方法では、粉砕が、蒸煮工程後の不溶成分に対して行われるので、大きなエネルギーが必要である。特に糖化率を向上させるためには、木質系バイオマスを数十μm程度とする必要があるので、粉砕に要するエネルギーの浪費が大きい。
したがって、上記特許文献1〜6記載の方法では、これらの欠点があるために、低コスト且つ低環境負荷型のプロセスで高い糖化率を得ることが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、木質系バイオマスを原料とし、比較的温和な条件で、十分高い糖化率で糖を製造することが可能な糖の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、木質系バイオマスを粉砕し、それから薬液で処理して糖化させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(1)リグニン、セルロース及びヘミセルロースを含む木質系バイオマスから糖を製造する方法であって、木質系バイオマスを粉砕し、直径10mm以下の粉砕バイオマスとする粉砕工程と、粉砕バイオマスを、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させ、粉砕バイオマスを蒸煮させる蒸煮工程と、薬液に溶解した粉砕バイオマス中の可溶成分と、薬液に不溶な粉砕バイオマス中の不溶成分とを分離する分離工程と、不溶成分を酵素に接触させることにより糖化させる糖化工程と、を備える糖の製造方法に存する。
本発明は、(2)可溶成分から糖を抽出する糖抽出工程を更に備える上記(1)記載の糖の製造方法に存する。
本発明は、(3)蒸煮工程が不活性ガス雰囲気下、温度160〜220℃、圧力0.1〜5MPaの条件で行われる上記(1)記載の糖の製造方法に存する。
本発明は、(4)水溶性有機溶剤がアルコール類である上記(1)記載の糖の製造方法に存する。
本発明は、(5)薬液全量中の有機酸の含有割合が、0.1質量%以上である上記(1)記載の糖の製造方法に存する。
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)〜(5)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明の糖の製造方法においては、木質系バイオマスを直径10mm以下の粉砕バイオマスに粉砕してから、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させることにより、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡が十分に解け、繊維状となる。また、粉砕バイオマスに数十nmオーダーの微細孔が生成する。
このため、粉砕バイオマスの表面積が増大し、酵素が接触しやすくなる。
そして、蒸煮した粉砕バイオマスを酵素に接触させることにより、十分に高い糖化率で糖が得られる。
また、上記糖の製造方法においては、水溶性有機溶剤及び有機酸を用いるため、水のみ、又は、希硫酸や希塩酸等の鉱酸と水溶性有機溶剤とを用いた場合と比較して温和な条件で木質系バイオマスが処理される。
これにより、低コスト且つ低環境負荷型のプロセスで高い糖化率を得ることができる。
よって、本発明の糖の製造方法によれば、木質系バイオマスを原料とし、比較的温和な条件であっても、十分高い糖化率で糖を製造することが可能となる。
上記糖の製造方法においては、可溶成分にも僅かな量の糖が含まれるため、可溶成分から糖を抽出する糖抽出工程を更に備えると、より得られる糖の量を増加させることができる。
また、かかる工程によれば、リグニンを抽出することも可能である。
上記糖の製造方法において、蒸煮工程が不活性ガス雰囲気下、温度160〜220℃、圧力0.1〜5MPaの条件で行われると、木質系バイオマスがより十分に繊維状となり、粉砕バイオマスに数十nmオーダーの微細孔が生成する。
このため、より高い糖化率で糖を製造することができる。
上記糖の製造方法においては、水溶性有機溶剤がアルコール類であると、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡をより一層解くことができる。
なお、アルコール類は人体にも無害であるため、安全性に優れる。
上記糖の製造方法においては、薬液全量中の有機酸の含有割合が、0.1質量%以上であると、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡を確実に解くことができる。
本実施形態に係る糖の製造方法は、木質系バイオマスを粉砕し、直径10mm以下の粉砕バイオマスとする粉砕工程と、粉砕バイオマスを、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させ、粉砕バイオマスを蒸煮させる蒸煮工程と、薬液に溶解した粉砕バイオマス中の可溶成分と、薬液に不溶な粉砕バイオマス中の不溶成分とを分離する分離工程と、不溶成分を酵素に接触させることにより糖化させる糖化工程と、を備える。
ここで、上記木質系バイオマスには、リグニン、セルロース及びヘミセルロースが含まれる。
本実施形態に係る糖の製造方法においては、木質系バイオマスを直径10mm以下の粉砕バイオマスに粉砕してから、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させることにより、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡が十分に解け、繊維状となる。また、粉砕バイオマスに数十nmオーダーの微細孔が生成する。
このため、粉砕バイオマスの表面積が増大し、酵素が接触しやすくなる。
そして、蒸煮した粉砕バイオマスを酵素に接触させることにより、十分に高い糖化率で糖が得られる。
また、上記糖の製造方法においては、水溶性有機溶剤及び有機酸を用いるため、水のみ、又は、希硫酸や希塩酸等の鉱酸と水溶性有機溶剤とを用いた場合と比較して温和な条件で木質系バイオマスが処理される。
これにより、低コスト且つ低環境負荷型のプロセスで高い糖化率を得ることができる。
よって、本発明の糖の製造方法によれば、木質系バイオマスを原料とし、比較的温和な条件であっても、十分高い糖化率で糖を製造することが可能となる。
以下、粉砕工程、蒸煮工程、分離工程及び糖化工程についてさらに詳細に説明する。
[粉砕工程]
粉砕工程は、木質系バイオマスを粉砕し、直径10mm以下の粉砕バイオマスとする工程である。
このように、粉砕工程において、木質系バイオマスを粉砕することにより、木質系バイオマスの表面積を大きくする。
そうすると、後述する蒸煮工程において、粉砕バイオマスが薬液に浸漬させやすくなり、ひいては後述する糖化工程において、不溶成分が酵素に接触しやすくなる。
ここで、上記木質系バイオマスとは、木質由来の有機資源をいい、具体的には、木材、稲わら、麦わら、バガス、竹、パルプ等やこれらから生じる古紙等をいう。なお、粉砕バイオマスは乾燥物であっても、湿潤物であってもよい。
上記木質系バイオマスの大きさは、5cm角以下であることが好ましい。この場合、容易に木質系バイオマスを直径10mm以下に粉砕することができ、かつ直径の分布のバラツキが小さくなる。
上記粉砕工程は、粉砕機械を用いて行われる(機械的粉砕)。
かかる粉砕機械としては、例えば、カッターミル、振動ボールミル、回転ボールミル、遊星型ボールミル、ロールミル、ディスクミル、高速回転羽根型ミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。
このとき、得られる粉砕バイオマスの直径は10mm以下とする。なお、かかる直径は、5mm以下とすることが好ましい。
上記粉砕は、木質系バイオマスに対して直接行われる。なお、木質系バイオマスが水等の媒体を含んだ状態で行われてもよい。
[蒸煮工程]
蒸煮工程は、粉砕工程で得られた粉砕バイオマスを、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させ、粉砕バイオマスを蒸煮させる工程である。
このように、蒸煮工程においては、粉砕バイオマスを水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させることにより、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡が解れ、繊維状となる。また、粉砕バイオマスに数十nmオーダーの微細孔が生成する。
なお、同時に粉砕バイオマスの一部が薬液に溶解する。また、かかる粉砕バイオマスの一部には、リグニン、微量のセルロース及びヘミセルロースの分解物が含まれる。
このように、上記蒸煮工程においては、水溶性有機溶剤及び有機酸を用いるため、水のみ、又は、希硫酸や希塩酸等の鉱酸と水溶性有機溶剤とを用いた場合と比較して温和な条件で粉砕バイオマスを蒸煮させることができる。
よって、セルロースやヘミセルロースの分解を抑制でき、エネルギーコストも少なくすることができる。
水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶剤等の水よりも比熱の低い水溶性有機溶剤が挙げられる。
これらの中でも、水溶性有機溶剤がアルコール類であることが好ましい。
この場合、リグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡をより一層解くことができる。また、アルコール類は人体にも無害であるため、安全性にも優れる。
有機酸としては、酢酸、シュウ酸、蟻酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
これらの中でも、酢酸、シュウ酸、ギ酸等であることが好ましい。これらの有機酸は沸点が低いため、煮沸により容易に除去できる。
なお、有機酸は後述する糖化工程の際に残存していても問題がない。
本実施形態に係る薬液は、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を混合して製造される。
このとき、水と水溶性有機溶剤と有機酸との配合割合が(水:水溶性有機溶剤:有機酸)、2〜79.8質量%:20〜97.8質量%:0.2〜5質量%であることが好ましい。
有機酸の配合割合が、5質量%を超えると、有機酸の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、ヘミセルロース成分の過分解が起こる虞がある。
また、水の配合割合が、30質量%を超えると、水の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、ヘミセルロース成分の過分解が起こる虞がある。
粉砕バイオマスと、薬剤との配合割合は質量比で、1:1〜10であることが好ましい。
この場合、より確実にリグニンとセルロース及びヘミセルロースとの交絡を解くことができる。
粉砕バイオマスを薬液に浸漬させるときの温度は、160〜220℃であることが好ましい。
温度が160℃未満であると、温度が上記範囲内にある場合と比較して、粉砕バイオマスの蒸煮が不十分であるため、高い糖化率で糖が得られない傾向にあり、温度が220℃を超えると、温度が上記範囲内にある場合と比較して、一部の糖が分解してしまうため、高い糖化率で糖が得られなくなる傾向にある。
蒸煮工程は、耐圧容器内で行うことが好ましい。このときの耐圧容器内は、蒸気で飽和させることが好ましく、圧力が飽和蒸気圧の1〜5倍であることがより好ましい。
具体的には、耐圧容器内の圧力が、0.1〜5MPaであることが好ましい。
また、上記耐圧容器内は予め、不活性ガス雰囲気下としておくことが好ましい。かかる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。
この場合、酸化等による粉砕バイオマスの分解が抑制される。
[分離工程]
分離工程は、上述した蒸煮工程において、薬液に浸漬させた粉砕バイオマスを、薬液に溶解した粉砕バイオマス中の可溶成分と、薬液に不溶な粉砕バイオマス中の不溶成分とに分離する工程である。
ここで、可溶成分は、薬液と粉砕バイオマスの溶解したものとからなり、不溶成分は、粉砕バイオマスの薬液に不溶のものからなる。なお、不溶成分には、薬液が含まれていてもよい。
これにより、粉砕バイオマスの一部が薬液に溶解するため、リグニンの一部を除去できる。
上記分離工程において、上記可溶成分と、上記不溶成分との分離方法は、特に限定されないが、例えば、ろ過やデカンテーション等で行われる。
[糖化工程]
糖化工程は、分離工程により得られる不溶成分を酵素に接触させることにより糖化させる工程である。
上記酵素としては、セルラーゼが挙げられる。酵素としてセルラーゼを用いることにより、セルロースが分解され、グルコースとなる。
上記糖化工程は、緩衝剤でpH3.5〜5.5に調整した緩衝液に不溶成分とセルラーゼを加えた反応液を、温度45〜55℃で1〜50時間処理することによって行われる。
かかる糖化工程は、回分式で行ってもよいし、また固定化酵素を含むバイオリアクターを用いる連続式で行ってもよい。
このとき、異なった微生物由来のセルラーゼを混合して用いることが好ましい。この場合、それらの相乗効果により、セルロースの糖化を促進させることができる。
以上より、本実施形態に係る糖の製造方法により得られる糖は、発酵法によりエタノールに変換できる。
得られるエタノールを精製することにより、化成品原料、溶媒あるいは自動車用燃料に用いることができる。また、エタノールを含む水溶液は、アルコール系飲料とすることもできる。
糖化液はバイオ技術による有用物資生産のための培地原料あるいは炭素源として用いることができる。また、糖化液中の糖類を化学的に、化成品や高分子原料、生理活性物質等
の有用物質に変換して用いることもできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した分離工程で得られた可溶成分から糖を抽出する糖抽出工程を備えていてもよい。
この場合、可溶成分からも糖が得られることになるので、得られる糖の量が増加する。
上記糖を抽出する方法は、特に限定されないが、例えば、可溶成分を乾固させ、乾固した成分を水で抽出することにより得られる。
こうして得られる糖には、ヘミセルロースの加水分解により得られる五単糖からなるオリゴ糖が含まれる。
なお、このオリゴ糖は精製後、機能性食品素材として利用可能である。
また、上記糖抽出工程によれば、リグニンを抽出することも可能となる。
すなわち、かかる工程では、粉砕バイオマス中でセルロース又はヘミセルロースと強固な結合を伴っていないリグニンを分離回収することができる。
かかるリグニンは、例えば、ろ過や遠心分離により、分離され、水洗により精製することができる。こうして得られるリグニンは、例えば、繊維や合成高分子との複合化により、フィルムや繊維板として利用できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[粉砕工程]
製紙用ユーカリチップ(縦2−3cm、横1−2cm、厚さ0.5−1cm)(木質系バイオマス)を出発原料として、ユニバーサルカッティングミルP−19(フリッチュ社製)により2mmパスのユーカリ木粉に粉砕し、更にロータースピードミルP−14(フリッチュ社製)により0.2mmパス(直径0.2mm)の粉砕バイオマスとした。
図1に粉砕バイオマスの電界放射型操作型電子顕微鏡の写真を示す。
[蒸煮工程]
耐圧容器として、ステンレス(SUS316)製の内容積57mlのオートクレーブ(日東高圧製)を用い、この中に粉砕バイオマス(含水率9重量%)2.19g(乾燥重量2g)と、エタノール(水溶性有機溶剤)7.5g、水2.31g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる薬液とを混合した混合物を入れ、蓋をして密封した。
次いで、耐圧容器内に窒素を注入して耐圧容器内の圧力を5MPaに調整し、混合物を攪拌しながら20分かけて200℃まで昇温した。
そして、耐圧容器内の温度を200℃に維持した状態で更に混合物を1時間攪拌した。
[分離工程]
その後、蓋を開け、混合物をろ過して固形物(不溶成分)とろ液(可溶成分)とに分離した。得られた固形物は3mlのエタノールを用いて洗浄した。
図2に得られた固形物の電界放射型操作型電子顕微鏡の写真を示す。
得られた固形物の乾燥重量は1.41gで、21%のリグニン(72%硫酸に不溶性の成分として求められるKlasonリグニン)が含まれていた。
得られたろ液を乾固させた乾固物の乾燥重量は0.58gであった。
[糖化工程]
得られた固形物の粉末60mg(乾燥重量にして50mg)を20ml容量のサンプル瓶に秤りとり、50mM酢酸―酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)17mlとセルラーゼ(明治製菓製メイセラーゼ)2mgとを加えた。そして、反応温度45℃で18時間糖化反応を行うことにより、糖含有溶液を得た。
図3に糖含有溶液中の固体残渣の電界放射型操作型電子顕微鏡の写真を示す。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。リグニンに由来する成分は、0.35gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.23gであった。なお、ヘミセルロース由来の糖は水溶性オリゴ糖であった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.4%であった。
(実施例2)
粉砕工程において、製紙用ユーカリチップをユニバーサルカッティングミルP−19により、2mmパス(直径2mm)の粉砕バイオマスとし、これを用いたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.33gで22%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.66gであり、リグニンに由来する成分は、0.40gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.25gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.3%であった。
(実施例3)
出発原料を製紙用ベイマツチップ(縦2−3cm、横1−2cm、厚さ0.5−1cm)としたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.80gで21%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.20gであり、リグニンに由来する成分は、0.14gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.06gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるベイマツチップの乾燥重量に対して1.5%であった。
(実施例4)
出発原料を沖縄県産バガス(サトウキビから砂糖を搾った後の残りかす;長さ1−2cm、直径2−5mm)とし、2mmパス(直径2mm)の粉砕バイオマスとしたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.31gで21%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.69gであり、リグニンに由来する成分は、0.46gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.23gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるバガスの乾燥重量に対して0.3%であった。
(実施例5)
粉砕工程において、製紙用ユーカリチップをユニバーサルカッティングミルP−19により、10mmパス(直径10mm)の粉砕バイオマスとし、これを用いたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.87gで31%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.13gであり、リグニンに由来する成分は、0.08gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.05gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.2%であった。
(実施例6)
蒸煮工程において、エタノールの代わりにエチレングリコール(水溶性有機溶剤)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.27gで23%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.73gであり、リグニンに由来する成分は、0.45gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.28gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.5%であった。
(実施例7)
蒸煮工程において、エタノール(水溶性有機溶剤)5g、水4.81g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる混合物を用い、耐圧容器内の圧力を2MPaに調整したこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.27gで26%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.73gであり、リグニンに由来する成分は、0.49gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.24gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して1.4%であった。
(実施例8)
蒸煮工程において、耐圧容器内の圧力を0.5MPaに調整したこと以外は実施例7と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.28gで39%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.50gであり、リグニンに由来する成分は、0.29gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.20gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して1.2%であった。
(実施例9)
蒸煮工程において、エタノール(水溶性有機溶剤)2.5g、水7.31g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる混合物を用い、耐圧容器内の圧力を2MPaに調整したこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.68gで28%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.32gであり、リグニンに由来する成分は、0.09gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.23gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して3.7%であった。
(実施例10)
蒸煮工程において、耐圧容器内の圧力を0.5MPaに調整したこと以外は実施例9と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.69gで29%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.31gであり、リグニンに由来する成分は、0.10gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.21gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.9%であった。
(実施例11)
蒸煮工程において、耐圧容器内の温度を180℃に調整したこと以外は実施例10と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.70gで29%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.30gであり、リグニンに由来する成分は、0.08gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.22gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して3.7%であった。
(実施例12)
蒸煮工程において、粉砕バイオマス(含水率9重量%)5.48g(乾燥重量5g)と、エタノール(水溶性有機溶剤)2.5g、水7.03g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる薬液とを混合した混合物を用いたこと以外は実施例10と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は4.59gで28%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.41gであり、リグニンに由来する成分は、0.03gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.39gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.98%であった。
(実施例13)
粉砕工程において、製紙用ユーカリチップをユニバーサルカッティングミルP−19により、5mmパス(直径5mm)の粉砕バイオマスとし、蒸煮工程において、粉砕バイオマス(含水率9重量%)3.65g(乾燥重量3.3g)と、エタノール(水溶性有機溶剤)2.5g、水7.18g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる薬液とを混合した混合物を用いたこと以外は実施例10と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は3.14gで29%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.19gであり、リグニンに由来する成分は、0.19gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.01gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して1.63%であった。
(実施例14)
出発原料を製紙用ベイマツチップ(縦2−3cm、横1−2cm、厚さ0.5−1cm)とし、エタノール(水溶性有機溶剤)5g、水4.81g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.35gで26%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.65gであり、リグニンに由来する成分は、0.37gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.28gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して1.6%であった。
(実施例15)
出発原料を製紙用ベイマツチップ(縦2−3cm、横1−2cm、厚さ0.5−1cm)とし、エタノール(水溶性有機溶剤)2.5g、水7.31g及び酢酸(有機酸)0.1gからなる混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.66gで33%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.34gであり、リグニンに由来する成分は、0.08gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.26gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して1.2%であった。
(実施例16)
粉砕工程において、ヒノキチップをユニバーサルカッティングミルP−19により、2mmパス(直径2mm)の粉砕バイオマスとし、これを出発原料とした以外は実施例14と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.57gで33%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.43gであり、リグニンに由来する成分は、0.30gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.13gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.5%であった。
(比較例1)
粉砕工程において、製紙用ユーカリチップをユニバーサルカッティングミルP−19により、15mmパス(直径15mm)の粉砕バイオマスとし、これを用いたこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.87gで32%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.13gであり、リグニンに由来する成分は、0.03gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.1gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.3%であった。
(比較例2)
蒸煮工程において、エタノール(水溶性有機溶剤)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は0.64gで72%硫酸に不溶性の成分が69%含まれていた。これは固形物が焦げたためである。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は1.40gであり、リグニンに由来する成分は、0.47gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.93gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して1.8%であった。
(比較例3)
蒸煮工程において、酢酸(有機酸)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、糖含有溶液を得た。なお、分離工程において、得られた固形物の乾燥重量は1.52gで31%のリグニンが含まれていた。
一方、分離工程で得られたろ液を乾固させ分析した(糖抽出工程)。乾固物の乾燥重量は0.47gであり、リグニンに由来する成分は、0.28gであり、ヘミセルロース由来の糖は0.19gであった。また、ヘミセルロースの過分解物であるフルフラールの生成量は、出発物質であるユーカリチップの乾燥重量に対して0.3%であった。
(比較例4)
製紙用ユーカリチップ(縦2−3cm、横1−2cm、厚さ0.5−1cm)(木質系バイオマス)を出発原料として、ユニバーサルカッティングミルP−19(フリッチュ社製)により2mmパスのユーカリ木粉に粉砕し、更にロータースピードミルP−14(フリッチュ社製)により0.2mm(直径0.2mm)パスの粉砕バイオマスとした。
この粉砕バイオマス60mgを20ml容量のサンプル瓶に秤りとり、50mM酢酸―酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)17mlとセルラーゼ(明治製菓製メイセラーゼ)2mgとを加えた。そして、反応温度45℃で18時間糖化反応を行うことにより、糖含有溶液を得た。
(比較例5)
出発原料を製紙用ベイマツチップ(縦2−3cm、横1−2cm、厚さ0.5−1cm)とし、0.2mmパス(直径0.2mm)の粉砕バイオマスとしたこと以外は比較例4と同様にして、糖含有溶液を得た。
(比較例6)
出発原料を沖縄県産バガス(サトウキビから砂糖を搾った後の残りかす;長さ1−2cm、直径2−5mm)とし、2mmパス(直径2mm)の粉砕バイオマスとしたこと以外は比較例4と同様にして、糖含有溶液を得た。
[評価方法]
実施例1〜16及び比較例1〜6それぞれにおいて、得られる糖含有溶液を経時的に取り出し、それを遠心分離(2500rpm、10分間)により固液分離し、液中に含まれるグルコース量をAminex HPX−87Pカラム(バイオラッド社製)を取り付けた日本分光製高速液体クロマトグラフィーLC−2000Plusで測定し、糖化率を算出した。
得られた結果(糖化率)を表1に示す。なお、糖化率は、原料(木質系バイオマス)中のセルロース成分の含有量に対する糖化した成分(グルコース量)の割合を意味する。
Figure 2008271962
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜16の糖の製造方法によれば、比較例1〜6の方法と比較して、十分に高い糖化率で粉砕バイオマスを糖化できることがわかった。
また、図1に示すように、カッターミルしたユーカリの粉砕バイオマスの表面は平滑であるが、蒸煮工程を経ると、図2に示すように、数十nmオーダーの微細孔が表面に生成し、さらに、酵素糖化後は、図3に示すように、数百nmオーダーの微細孔が生成していることがわかった。
このことにより、蒸煮によってバイオマス中のリグニンとヘミセルロース成分が脱離して、数十nmオーダーの微細孔が生成し、そのため、表面積が増大し、酵素が接触しやすくなると考えられる。また、酵素糖化によってセルロース成分がグルコースに変換され水溶性となり脱離するため、微細孔の径が増大すると考えられる。
以上より、本発明によれば、木質系バイオマスを原料とし、比較的温和な条件であっても、十分高い糖化率で糖を製造できることが確認された。
図1は、実施例1で得られた粉砕バイオマスの電界放射型操作型電子顕微鏡の写真である。 図2は、実施例1で得られた固形物の電界放射型操作型電子顕微鏡の写真である。 図3は、実施例1で得られた糖含有溶液中の固体残渣の電界放射型操作型電子顕微鏡の写真である。

Claims (5)

  1. リグニン、セルロース及びヘミセルロースを含む木質系バイオマスから糖を製造する方法であって、
    前記木質系バイオマスを粉砕し、直径10mm以下の粉砕バイオマスとする粉砕工程と、
    前記粉砕バイオマスを、水、水溶性有機溶剤及び有機酸を含む薬液に浸漬させ、前記粉砕バイオマスを蒸煮させる蒸煮工程と、
    前記薬液に溶解した前記粉砕バイオマス中の可溶成分と、前記薬液に不溶な前記粉砕バイオマス中の不溶成分とを分離する分離工程と、
    前記不溶成分を酵素に接触させることにより糖化させる糖化工程と、
    を備えることを特徴とする糖の製造方法。
  2. 前記可溶成分から糖を抽出する糖抽出工程を更に備えることを特徴とする請求項1記載の糖の製造方法。
  3. 前記蒸煮工程が不活性ガス雰囲気下、温度160〜220℃、圧力0.1〜5MPaの条件で行われることを特徴とする請求項1記載の糖の製造方法。
  4. 前記水溶性有機溶剤がアルコール類であることを特徴とする請求項1記載の糖の製造方法。
  5. 前記薬液全量中の前記有機酸の含有割合が、0.1質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の糖の製造方法。
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