JP2008271233A - 画像処理装置、プログラム及び方法 - Google Patents

画像処理装置、プログラム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008271233A
JP2008271233A JP2007112011A JP2007112011A JP2008271233A JP 2008271233 A JP2008271233 A JP 2008271233A JP 2007112011 A JP2007112011 A JP 2007112011A JP 2007112011 A JP2007112011 A JP 2007112011A JP 2008271233 A JP2008271233 A JP 2008271233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outline
color
color gamut
point group
color space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007112011A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryosuke Toho
良介 東方
Yasunari Kishimoto
康成 岸本
Yasuki Yamauchi
泰樹 山内
Noriko Hasegawa
典子 長谷川
Hidetoshi Kawashima
英俊 川島
Kiyoshi Une
清 宇根
Takuya Sakurai
拓也 桜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2007112011A priority Critical patent/JP2008271233A/ja
Publication of JP2008271233A publication Critical patent/JP2008271233A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】対象デバイスの色域を高精度に近似するデバイス非依存の色空間における色域外郭を、簡便かつ低コストで、高速かつ高精度に得る。
【解決手段】最終色域外郭生成部48は、12面体ベースの色域外郭のうち下側色域外郭を下側色域外郭抽出部52で抽出し、6面体ベースの色域外郭のうち下側色域外郭を下側色域外郭抽出部50で抽出し、交点計算部54において6面体ベースの下側色域外郭の頂点(外郭点)を通る直線と12面体ベースの下側色域外郭との交点を幾何的に求め、更新部58ではその交点で6面体ベースの下側外郭点を更新する。
【選択図】図3

Description

本発明は、対象デバイスの色域外郭を算出する画像処理装置、プログラム及び方法に関する。
画像を入力デバイスで取り込んだり、出力デバイスにより表示やプリント出力する場合、それぞれのデバイスの特性に応じて取り込み可能な色範囲や出力再現できる色範囲は限られている。例えば画像を画像形成装置により出力する場合、出力指示された画像に再現できない色が含まれているとき、この色を再現可能な色範囲に収めるための変換処理(色域圧縮処理や色補正処理)が行われる。このような変換処理を実行するために、それぞれのデバイスにおいて再現可能な色範囲の外郭(色域外郭)を求めておくことが有効である。色域外郭は、色域圧縮処理のほかにも、デバイスの色再現評価を行う場合など、種々の用途にも利用されている。
画像形成装置等のデバイスでは、K色(ブラック)を含む4色以上の色材を用いて画像が形成され、これらの色材の色を要素とするデバイス色空間で画像の色が表現される。デバイス色空間の一例にはCMYK色空間等が知られている。また、色に関する変換処理では、個々のデバイスの特性に依存しない色空間(デバイス非依存の色空間)で処理することが望ましい。デバイス非依存の色空間の一例にはCIELAB色空間やCIEXYZ色空間等が知られている。
実際に画像が形成される色はデバイス色空間で表現されるが、デバイス非依存の色空間を用いて変換処理を行う場合、デバイス非依存の色空間とデバイス色空間との間で色空間変換を行う必要がある。例えば、色域圧縮処理などのデバイスの色域を必要とする処理はデバイス非依存の色空間で行われることが一般的である。従って、デバイスの色域をデバイス非依存の色空間において求めておく必要がある。このことは、デバイス色空間及びデバイス非依存の色空間の各々で対応関係を有する色域外郭を求めることで達成できる。
ところが、CMYK空間のような4色以上のデバイスの色域を決定する際には、CMYの3色とKが独立でないため、1次色(CMY)と2次色(RGB)で構成される色域外郭では、Kを考慮する必要はないが、3次色ではCMYとKが重複しており、Kの影響を無視できない。従って、CMY色空間からデバイス非依存の色空間への変換によって得られた色域外郭をそのまま利用することができない。
これを解消する技術として、デバイス非依存の色空間における色域外郭を構築するために、対象デバイスの色域を高精度に近似するデバイス非依存の色空間における多面体(ポリゴン)を簡便に算出することができる画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では計算コスト高になる場合があるが、これを解消するために、また、デバイス色空間において制限を設けた場合のデバイス非依存の色空間における色域外郭を、高速、低コストで、高精度に得ることができる画像処理装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−008912号公報 特開2005−063093号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、CMYK色をベースにした色域(Gamut)外郭、すなわち対象デバイスの色空間における色再現可能領域を多面体で表現しその色域外郭を構成する各面(ポリゴン)の外郭点(頂点)を決定してから、各外郭点のCMYK値をデバイス非依存の色空間へ変換することでデバイス非依存の色空間における色域外郭を算出している。このため、マッピング色空間であるデバイス非依存の色空間における色域外郭を表す各ポリゴンのサイズのばらつきが大きくなってしまう。特に、CMYKデバイスの特性上、シャドー部においてはCMYの変化に対するデバイス非依存の色空間(デバイス独立色信号)の変化の度合いが小さくなってしまうため、ブラック(K)が100%となるCMYKに対応する外郭点(頂点)を含むポリゴンの大きさが小さくなってしまう。このため、十分な色域外郭の精度を確保しようとすると、ハイライト側のポリゴンのサイズを必要な精度に合わせて小さくすることになり、その結果、シャドー側のポリゴンのサイズが極端に小さくなることがある。これは、ポリゴン数の増大を引き起こし、これらのポリゴンで構成した色域外郭を使用するマッピング処理などの際に探索するべきポリゴン数も多くなり、処理速度が低下してしまう。
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、対象デバイスの色域を高精度に近似するデバイス非依存の色空間における色域外郭を、簡便かつ低コストで、高速かつ高精度に得ることができる画像処理装置、プログラム及び方法を得ることが目的である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の色要素に基づいて複数色を表現可能な対象デバイスの色空間において色域外郭を構成する第1対象デバイス外郭点群から、デバイス非依存の色空間において第1色域外郭を構成する第1外郭点群を生成する第1外郭生成手段と、前記複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づいて色域外郭を構成する第2対象デバイス外郭点群から、前記デバイス非依存の色空間において第2色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する第2外郭生成手段と、前記第1外郭点群による外郭形状および前記第2外郭点群による外郭形状に基づいて、前記第2外郭生成手段で生成された第2外郭点群について、第2色域外郭上の外郭点を、第2色域外郭上の外郭点を通りかつ前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を維持するように予め設定された方向の線分との交点に位置する第1色域外郭の外郭点に更新し、該更新した外郭点群により前記対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成手段と、を備えている。
本発明によれば、第1外郭生成手段と第2外郭生成手段とによって、複数の色要素に基づくデバイス非依存の色空間での第1色域外郭を構成する第1外郭点群と、複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づく第2外郭点群とを生成する。色域外郭生成手段は、第2色域外郭上の外郭点を、予め設定された方向の線分との交点位置の第1色域外郭の外郭点に更新し、更新した外郭点群により対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する。このように、複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づく色域外郭を、複数の色要素に基づく色域外郭に幾何学的に求めているので、探索処理等の高負荷処理は不要であり、簡便かつ低コストで、高速かつ高精度に色域外郭を構築することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記対象デバイスの色空間は、画像形成デバイスのCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)各色の色材量の色値による4色以上のデバイス色空間であり、第1外郭生成手段は、CMYKの各色により色再現可能な色域外郭を構成する第1外郭点群を生成し、前記第2外郭生成手段は、CMY色の3色で色再現可能な色域外郭を構成する第2外郭点群を生成することを特徴とする。
本発明によれば、4色以上のデバイス色空間を設定することができるので、画像形成にあたって多色画像を容易に形成するための色域外郭を作成することができる
なお、前記画像処理装置は、前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を設定する傾向設定手段をさらに備え、前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、前記設定手段で設定された傾向として予め定められた方向の線分に基づいて、前記第2色域外郭上の外郭点を更新することができる。また、前記傾向設定手段は、前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向として、色度を維持する傾向を設定することができる。この場合、色度を維持するように明るさに対応する軸(例えばL*軸)に平行な方向に線分を定めればよい。または基準点を維持する傾向を設定してもよい。この基準点には明るさに対応する軸(例えばL*軸)上の点が一例としてあり、この基準点と、第2色域外郭上の外郭点とを通る線分を定めることができる。傾向設定手段は、これらの傾向を表す設定値を予め記憶し、記憶された設定値の何れか1つを選択することができる。これによって、維持することができる画像の見えについての傾向を選択的に指定することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、他の外郭点を通る線分とは交差しないように定めることを特徴とする。
本発明によれば、線分が交差することはないので、第2色域外郭上の外郭点の配列順序と第1色域外郭上の配列順序が変動することはない。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像処理装置において、前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、第2色域外郭におけるK色に相当する外郭点と、第1色域外郭におけるK色に相当する外郭点を結ぶ線分を定めることを特徴とする。
本発明によれば、3次色に影響するK色を基準に線分を設定できるので、外郭点の特徴を維持しつつ色域外郭を作成することができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置において、前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、第2色域外郭におけるK色と2次色とを結ぶ線分列上に位置する外郭点と、第1色域外郭におけるK色と2次色とを結ぶ線分列上に位置する外郭点を結ぶ線分を定め、かつ、第1色域外郭のK色と2次色とを結ぶ線分列上の外郭点がデバイス非依存の色空間において均等間隔で配列されることを特徴とする。
本発明によれば、3次色に影響するK色と2次色とを基準に線分を設定できるので、外郭点の特徴を維持しつつ2次色の特徴を維持して色域外郭を作成することができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像処理装置において、前記対象デバイスの色空間で各色要素の総和を制限する総量制限を設定する総量設定手段をさらに備え、前記第1外郭生成手段は、前記総量設定手段で設定された総量制限に従って、各色要素の総和の上限を超えないように、第1対象デバイス外郭点群または第1外郭点群を調整すると共に、前記第2外郭生成手段は、前記総量設定手段で設定された総量制限に従って、各色要素の総和の上限を超えないように、第2対象デバイス外郭点群または第2外郭点群を調整することを特徴とする。
本発明によれば、対象デバイスの色空間で色要素の総量制限を指定できるので、対象デバイスの色空間を構成するための色域外郭の形状を自在に設定することができる。
請求項7の発明は、コンピュータを、複数の色要素に基づいて複数色を表現可能な対象デバイスの色空間において色域外郭を構成する第1対象デバイス外郭点群から、デバイス非依存の色空間において第1色域外郭を構成する第1外郭点群を生成する第1外郭生成手段と、前記複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づいて色域外郭を構成する第2対象デバイス外郭点群から、前記デバイス非依存の色空間において第2色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する第2外郭生成手段と、前記第1外郭点群による外郭形状および前記第2外郭点群による外郭形状に基づいて、前記第2外郭生成手段で生成された第2外郭点群について、第2色域外郭上の外郭点を、第2色域外郭上の外郭点を通りかつ前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を維持するように予め設定された方向の線分との交点に位置する第1色域外郭の外郭点に更新し、該更新した外郭点群により前記対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成手段と、として機能させる画像処理プログラムである。
本発明によれば、コンピュータを、前記各手段として機能させるので、コンピュータが本画像処理プログラムを実行させることで、請求項1に記載の画像処理装置として機能することになり、前記画像処理装置と同様に、簡便かつ低コストで、高速かつ高精度に色域外郭を構築することができる。
請求項8の発明は、対象デバイスの色域外郭を算出する画像処理方法において、複数の色要素に基づいて複数色を表現可能な対象デバイスの色空間において色域外郭を構成する第1対象デバイス外郭点群から、デバイス非依存の色空間において第1色域外郭を構成する第1外郭点群を生成する第1外郭生成工程と、前記複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づいて色域外郭を構成する第2対象デバイス外郭点群から、前記デバイス非依存の色空間において第2色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する第2外郭生成工程と、前記第1外郭点群による外郭形状および前記第2外郭点群による外郭形状に基づいて、前記第2外郭生成手段で生成された第2外郭点群について、第2色域外郭上の外郭点を、第2色域外郭上の外郭点を通りかつ前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を維持するように予め設定された方向の線分との交点に位置する第1色域外郭の外郭点に更新し、該更新した外郭点群により前記対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成工程と、を含んでいる。
本発明によれば、前記各工程により対象デバイスの色域外郭を算出するので、請求項1に記載の画像処理装置と同様に、簡便かつ低コストで、高速かつ高精度に色域外郭を構築することができる。
以上説明したように本発明は、複数の色要素に基づくデバイス非依存の色空間での第1色域外郭を構成する第1外郭点群と、複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づく第2外郭点群とから、第2色域外郭上の外郭点を、予め設定された方向の線分との交点位置の第1色域外郭の外郭点に更新し、更新した外郭点群により対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成するので、色域外郭を幾何学的に簡便かつ低コストで、高速かつ高精度に構築することができる、という優れた効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本発明が適用可能な画像処理装置を含む色管理システム10が示されている。この色管理システム10は、カラー複写機で代表される画像形成装置に内蔵することができる。
画像形成装置としては、CMYK各色のトナーを用いて電子写真方式でカラー画像を形成した後に用紙上に転写・定着させる構成を用いることが可能であるが、これに限られるものではなく、CMYK各色のインクをノズルから記録液滴として吐出させて用紙上にカラー画像を形成させるインクジェット方式等の他の方式で用紙上に画像を形成させる構成を採用することも可能である。さらに、CMYKの4色に限らず多色印刷であっても本構成を採用可能である。なお、図1では色管理システムの機能ブロック図を示しているが、色管理システム10は、図示しないコンピュータのCPU、または該コンピュータと通信回線を介して接続されたプリンタに内蔵されたCPUが所定の処理プログラムを実行することで実現される。
図1に示すように、色管理システム10は、入力側デバイス12、色域管理部14,および出力側デバイス16を備えている。出力側デバイス16は、入力された画像データによる画像を形成するデバイスであり、例えばカラー複写機で代表される画像形成装置(例えばCMYK各色の色材を用いて用紙上にカラー画像を形成(印刷)する装置)が一例として挙げられる。また、出力側デバイス16は、前記画像形成装置へ画像データを出力する画像データ出力部として機能するようにしてもよい。
入力側デバイス12は、出力側デバイスで画像形成するための画像データ、例えば印刷対象の画像を表す画像データが入力されるデバイスであり、画像を読み取るスキャナや画像データを出力する他のコンピュータ(例えばRGB色空間における色で表現されたカラー画像の画像データを入力する装置)が一例として挙げられる。また、入力側デバイス12は、前記スキャナや他のコンピュータから画像データを入力する画像データ入力部として機能するようにしてもよい。
色域管理部14は、入力側デバイス12から入力された画像データを入力側デバイス12と一致または異なる色域の出力側デバイス16用の画像データへ変換する機能部である。色域管理部14は、入力側色変換部18,色域変換部20,及び出力側色変換部22を備えている。色域変換部20には、色域変換のための入力側デバイス12及び出力側デバイス16の各々の色域外郭を把握するために、入力側色域外郭定義部24および出力側色域外郭定義部26が接続されている。また、色域変換部20には、本発明の一例として示した色域外郭構築部28が備えられている。
入力側色変換部18は、入力側デバイス12から入力された画像データの色空間が後段で用いる色空間と異なる場合に、後段で用いる色空間への色空間変換処理を行う。ここでは入力側色変換部18から出力側色変換部22までの処理は、装置に依存しない色空間(デバイス非依存の色空間)、例えばCIE−L*a*b*などの色空間を用いる。また、入力側デバイス12から入力される画像データとして、ここではCRT等に表示させるためのRGB色空間におけるカラー画像データであるとする。このため、入力側色変換部18は、RGB色空間からL*a*b*色空間への変換を行う。なお、画像データがデバイス非依存の色空間の画像データである場合には、入力側色変換部18における処理は不要であり、入力側色変換部18を設けずに構成してもよい。
出力側色変換部22は、入力された画像データの色空間が後段で用いる色空間と異なる場合に、後段で用いる色空間への色空間変換処理を行う。例えば出力側デバイス16がプリンタなどの場合には、YMC色空間またはYMCK色空間の画像データを受け取る場合が多い。このような場合に出力側色変換部22は、デバイス非依存の色空間、例えばCIE−L*a*b*などの色空間から、YMC色空間またはYMCK色空間への色空間変換処理を行う。
すなわち、色補正処理や色域圧縮処理等の変換処理を行うのにはデバイス非依存の色空間を用い、実際に画像を形成するときにはデバイス色空間が用いられる。このため、デバイス非依存の色空間とデバイス色空間との間で色空間変換を行う必要がある。この色空間変換のための色変換係数を作成する手順としては、例えば、デバイス色空間であるCMYK色空間からデバイス非依存の色空間であるCIE−L*a*b*色空間への順方向でモデル化し、その逆のモデルによりデバイス非依存の色空間であるCIE−L*a*b*色空間からデバイス色空間であるCMYK色空間への変換を行うための色変換係数を求める。このモデル化は、詳細を後述する色域外郭構築部28の色域外郭構築処理によって求めることができる。なお、他のモデルの作成方法としては、例えば「Makoto Sasaki and Hiroaki Ikegami, "Proc. of International Congr ess of Imaging Science 2002",(2002),p.413-141」(以下、技術文献という)に記載されている方法などがある。
出力側色変換部22は、デバイス非依存の色空間のまま出力してもよい。この場合には出力側色変換部22の処理は不要であり、出力側色変換部22を設けずに構成してもよい。
色域変換部20は、デバイス非依存の色空間に変換された入力側デバイス12の画像データを、デバイス非依存の色空間における出力側デバイス16の画像データに変換する。つまり、入力側デバイス12の色空間内の画像データによる色が出力側デバイス16の色空間内の色として再現できないとき、入力側の色再現可能領域(入力側デバイスの色域外郭)および出力側の色再現可能領域(出力側デバイスの色域外郭)を用いて、入力側デバイス12の色を出力側デバイス16で再現可能な色範囲に収めるための変換処理(色域圧縮処理や色補正処理)が行われる。
なお、詳細な説明は省略するが、この変換処理は、色相維持、明度維持、彩度維持等の既知の方法による予め定めた種々の変換処理がある。一例としては、本出願人が既に出願した技術(特開2000−18422号公報参照)がある。この変換処理を色域変換部20においてするために、入力側色域外郭定義部24及び出力側色域外郭定義部26には、各々色域外郭のデータが予め格納される。
本実施形態では、出力側デバイス16のデバイス色空間において複数の色要素による色域外郭を利用する。このため、本実施形態では、色域外郭構築部28を備えて、色域外郭構築部28により色域外郭を構築する。従って、本実施形態では、色域外郭構築部28は、色域外郭を求める画像処理装置として機能することになる。色域外郭構築部28により構築された色域外郭のデータは、出力側色域外郭定義部26に入力される。また、色域外郭構築部28により色域外郭が構築されるときの、デバイス色空間であるCMYK色空間からデバイス非依存の色空間であるCIE−L*a*b*色空間への順方向のモデル化について、逆のモデルによる色変換係数が出力側色変換部22に入力される。
なお、本実施形態では、色域外郭構築部28は出力側色域外郭定義部26と出力側色変換部22に接続する場合を説明するが、入力側色変換部18,入力側色域外郭定義部24に接続する用に適用することもできる。また、これらの全てに接続することもできる。さらに、色域外郭構築部28を独立して構成することもできる。さらにまた、入力側色変換部18,色域変換部20,出力側色変換部22,入力側色域外郭定義部24,出力側色域外郭定義部26の何れかを、色域外郭構築部28として機能する色域外郭を求める画像処理装置として構成してもよい。
図2に示すように、色域外郭を構築するための処理を実行する色域外郭構築部28は、12面体ベースの色域外郭を構築するための第1外郭生成手段43、6面体ベースの色域外郭を構築するための第2外郭生成手段47、第1外郭生成手段43による外郭形状および第2外郭生成手段47による外郭形状から最終的な色域外郭を生成する最終色域外郭生成部48を備えている。最終色域外郭生成部48は、CMYKデバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成手段として機能する。第1外郭生成手段43は、デバイス外郭生成部32、制限量設定部34,総量制限デバイス外郭生成部36、総量制限設定部38,色変換部40及び色域外郭生成部42から構成される。また、第2外郭生成手段47は、頂点作成部44およびポリゴン作成部46かからなるベースポリゴン集合体構築部30と、ポリゴン頂点写像部31とから構成されている。なお、図2では色域外郭構築部28の機能ブロック図を示しているが、色域外郭構築部28は、図示しないコンピュータのCPU、または該コンピュータと通信回線を介して接続されたプリンタに内蔵されたCPUが所定の処理プログラムを実行することで実現される。
なお、以下の説明では、出力側デバイス16の色空間を対象デバイスの色空間として対応させ、デバイス非依存の色空間を別の色空間として対応させて説明する。これら対象デバイスの色空間及び別の色空間は限定されるものではないが、一例として、対象デバイスの色空間をCMYK色空間(原色はC,Y,M,K)、別の色空間をデバイス非依存の色空間であるCIE−L*a*b*色空間を採用する。
(6面体ベースの色域外郭構築)
まず、6面体ベースの色域外郭を構築するための第2外郭生成手段47について説明する。なお、ここでは、対象デバイスの色空間を3次元のCMY色空間とし、デバイス非依存色空間をCIE−L*a*b*色空間とする。ただし、色空間はこれに限定されるものではなく、その他の色を含む4次元のデバイス色空間やCIELUV(L*u*v*)などの他のデバイス非依存色空間でも適用することができる。また、ここで取り扱うCMYK色信号の範囲は、C,M,Yともに[0,100]であるとする。
ベースポリゴン集合体構築部30は、対象デバイスの色域をCMY色空間におけるベースポリゴン集合体として構築する。ベースポリゴン集合体構築部30は頂点作成部44およびポリゴン作成部46を含んで構成されている。
頂点作成部44は、RGB色空間上で対象のデバイスが再現できる色域を過不足なく覆うポリゴン(例えば三角形)の頂点集合の座標値を算出する。一般に、3次元の色信号によるデバイス色空間を直交座標系で表現すると、そのデバイス色空間における色域は必ず直方体となる。特に、この第1の実施の形態のようにデバイス色空間における各色信号の範囲が等しい場合には立方体となる。したがって、デバイス色空間上においては、対象デバイスの色域を正確且つ容易に多面体で表現することができる。上述のようにRGB色信号の範囲をR,G,Bともに[0,100]であるとすれば、CMYデバイス色空間における点(0,0,0),(100,0,0),(0,100,0),(0,0,100),(100,100,0),(100,0,100),(0,100,100),(100,100,100)の8点から構成される立方体が、対象のデバイスの色域であることが容易に分かる。以降、この第1の実施の形態におけるデバイス色空間の色域は立方体形状であるものとする。
そして、この立方体形状をした色域を過不足なく覆うポリゴン(ここでは三角形)の頂点集合の座標を算出する。この色域表面上の頂点集合の算出方法は、隣接する面との間で頂点の不整合が起こらない方法であればどんな方法を用いてもよい。例えば、直方体の色域を各軸に垂直な平面を用いて任意のステップ幅で格子状に区切ってできる色域表面上の格子点を頂点(外郭点)とすることができる。この分割数を大きくすればデバイスの色域を近似する多面体の頂点や面の数が増加するため、デバイスの色域を近似するデバイス非依存色空間における多面体をより高精度に構成することができる。ただし、多面体を表現するデータ構造も大きくなるため、要求する精度に応じて分割数を決定することが好ましい。
図4は、CMYデバイス色空間における立方体形状の色域からポリゴンの頂点集合を作成する際の処理の一例の説明図である。図4に示す具体例では、C,M,Yのすべての軸の[0,100]を5等分し、色域の表面上に規則的に並ぶ格子点(黒丸)をすべて頂点とした。もちろん、上述のように5等分でなくてもよいし、デバイス非依存色空間における色域の多面体形状が複雑な場合にはその部分だけ細分化するなどのように、立方体の色域を区切る際の格子の幅をデバイス非依存色空間の特性に合わせて変化させることも可能であり、任意に頂点集合を作成することができる。
そして、色域表面上に規則的に並ぶ格子点のデバイス色空間の座標を、重複することがないようにリストとして登録することで頂点リストを作成する。このようにして登録された座標に対応するインデックスは、任意の頂点の座標に対して一意に設定することができる。
ポリゴン作成部46は、デバイス色空間における立方体形状の色域を過不足なく覆うような複数のポリゴン(ここでは三角形)を決定する。この三角形は、頂点作成部44で作成した頂点を3つ用いて定義する。ここでは、CMY色空間における立方体形状の色域を格子状に区切ることによって生じる色域表面上の最小単位となるすべての四角形を、対角線で分割することにより三角形を決定する。このようにして決定される複数の三角形によって、色域を過不足なく覆うようにする。そして、これらの各三角形の頂点に対応する頂点リストのインデックスの3つ組を登録することによりポリゴンリストを作成する。
ポリゴン頂点写像部31は、色域表面上の点のリストである頂点リストの各頂点を、CMY色空間の座標値からCIE−L*a*b*色空間の座標値に写像して、頂点リストの座標値を更新する。または、写像したCIE−L*a*b*色空間の頂点座標で新たに頂点リストを作成してもよい。こうすることにより、頂点の3つ組により定義されているポリゴン、すなわち、対象となるデバイスの色域を表すCIE−L*a*b*色空間における多面体を得ることができる。
このデバイス色空間の頂点をデバイス非依存色空間の頂点に変換する方法は既存の方法を用いることができる。例えば、頂点のCMY色信号を既知の変換マトリクスを用いてXYZ色空間に変換してから、CIE−L*a*b*色空間に変換することもできる。
上記ポリゴン頂点写像部31で得られたデータは最終色域外郭生成部48に入力されるように接続される。
図5は、CMY色空間の色域とCIE−L*a*b*色空間に写像された色域の対応の一例の説明図である。なお、図5(B)に示すCIE−L*a*b*色空間は、L*が無限大の点からL*=0の点に向かって見た見下ろし図である。図5において、(C,M,Y)=(100,0,0)の頂点とこの頂点に対応するCIE−L*a*b*色空間の頂点とを破線で結んで示しており、また、CMY色空間中でハッチングを施して示したポリゴン(三角形)がCIE−L*a*b*色空間に写像されてできるポリゴンをCIE−L*a*b*色空間中でハッチングを施して示している。
ここで、図5(A)において実線によりポリゴン(三角形)を示しているが、このようなポリゴンをベースポリゴン集合体構築部30において対象デバイスのCMY色空間(デバイス色空間)において構築してから、それぞれのポリゴンの頂点についてCIE−L*a*b*色空間(デバイス非依存色空間)への写像を行っている。従って、図5(B)に示すようにCMY色空間において構築されたポリゴンはそのままCIE−L*a*b*色空間に写像されることになる。CMY色空間においてポリゴンの集合体を構築することは、上述のように非常に簡単である。従来はデバイス色空間におけるそれぞれの点をデバイス非依存色空間に写像してからポリゴンの集合体を求めているが、この場合、写像されたどの点によってポリゴンが構成されるのかを探索しなければならない。しかし、デバイス色空間において既にポリゴン集合体を構築することによって、デバイス非依存色空間においてそのような処理を行う必要がなく、非常に処理を簡略化できる。
以上の構成により、CIE−L*a*b*色空間における座標で表されたCMYデバイスの色域表面上の頂点リストと、頂点リストのインデックスの3つ組で表された対象のRGBデバイスの色域を覆うポリゴンリストを得ることができ、目的のCIE−L*a*b*色空間におけるRGBデバイスの色域を表す多面体を構築することができる。
このようにして算出したデバイス非依存色空間における多面体を使用することにより、色域内外判定や色域圧縮などのデバイス非依存色空間における色域を扱う処理を単純な幾何計算により高速に実現することができる。
なお、上述の説明では、多面体を表現するデータ構造として頂点リスト及びポリゴンリストを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一意に多面体、すなわち対象の色域を表現できるデータ構造であればどのようなデータ構造を用いてもよい。例えば、頂点リストとポリゴンリストを分けずに、各ポリゴンを直接3つの頂点の座標で表すようにしてもよい。
(12面体ベースの色域外郭構築)
次に、12面体ベースの色域外郭を構築するための第1外郭生成手段43について説明する。なお、ここでは、出力側デバイス16の色空間を対象デバイスの色空間として対応させ、色域変換部20の色空間を別の色空間として対応させて説明する。これら対象デバイスの色空間及び別の色空間は限定されるものではないが、一例として、対象デバイスの色空間をCMYK色空間(原色はC,Y,M,K)、別の色空間をデバイス非依存の色空間であるCIE−L*a*b*色空間を採用する。
デバイス外郭生成部32は、制限量設定部34で指定された最大制限量、最小制限量などの条件で制限された対象デバイスの色空間での色域外郭を構成する外郭点群を生成する。このとき、外郭点群として抽出する対象デバイスの色空間での色域外郭上の点は任意である。例えば色域外郭を構成する頂点、及び、頂点を結ぶ各軸上の点を少なくとも抽出しておくとよい。このとき、各軸上の点を抽出する際には等間隔で抽出するほか、色域外郭生成部42で生成された外郭点が利用しやすいように、不均等な割り付けで色域外郭上の点を抽出してもよい。さらに、色域外郭面においても、同様に等間隔、あるいは不均等な間隔で外郭点を抽出することができる。例えば色域外郭をポリゴンなどで表現することもあるが、このような場合にはデバイス外郭生成部32において外郭点群を生成したときに、抽出した外郭点群中の各外郭点間の関係を構築しておく。この各外郭点間の関係の構築は、対象デバイスの色空間で行うので簡単に行うことができる。
制限量設定部34は、必要に応じて対象デバイスの色空間で任意の条件の指定を受け付けて受け付けた条件を設定する。受け付ける条件は任意であるが、例えば各色の最大制限量や最小制限量などの条件を受け付けることができる。
色変換部40は、デバイス外郭生成部32で生成した対象デバイスの色空間の外郭点群(または総量制限デバイス外郭生成部36で変更された外郭点群)から、別の色空間の外郭点群(ここではCIE−L*a*b*色空間の外郭点群)に既知の方法によって変換する。
色域外郭生成部42は、色変換部40で生成された外郭点群から、例えば利用に適した外郭点を選択的に抽出し、抽出した一部の外郭点群のみで連結した色域外郭データを生成する。これによって、利用しやすい色域外郭のデータを得ることができる。
また、総量制限デバイス外郭生成部36は、対象デバイスの色域において、色材量の総量を制限する場合において色域外郭を生成するものである。ここでは、デバイス外郭生成部32において外郭点群を生成してから、総量制限の条件に適合するように外郭点群を変更する例を示している。なお、総量の制限が必要の場合は、総量制限デバイス外郭生成部36をで変更することなく通過すればよい。
総量制限設定部38は、対象デバイスの色空間で各色要素の総和を制限する総量制限の指定を受け取り、総量制限デバイス外郭生成部36に渡す。総量制限デバイス外郭生成部36は総量制限設定部38で指定された総量制限に従って、デバイス外郭生成部32で生成された外郭点群を変更する。
上記色域外郭生成部42で生成された色域外郭データは最終色域外郭生成部48に入力されるように接続される。
なお、制限量設定部34及び総量制限設定部38は、ベースポリゴン集合体構築部30にも接続可能になっており、第2外郭生成手段47においても、色材量の総量を制限することができるようになっている。
次に、第1外郭生成手段43を、より詳細に説明する。なお、以下の説明では、デバイス非依存の色空間における色域外郭において純色よりも明度の高い、Kを考慮する必要のない色域外郭の部分を上半、明度の低い、Kを考慮する必要がある色域外郭の部分を下半という。
図6は、対象デバイスの色空間における色域外郭の一例の説明図である。図6(A)にはCMYK色空間の上半を示し、図6(B)にはCMYK色空間の下半を示している。対象デバイスの色空間における色域外郭は、4次元の色空間の場合には、図6(A)、(B)に示した図形を合わせた12面の多面体となる。ここでは簡単のため、CMYKとも0〜100%をとるものとする。
図6(A)に示す上半では、Kは常に0%である。また、中心がCMYKとも0%の点であり、中心から頂点C、M、Yへの辺はそれぞれの色要素のみが0〜100%まで変化する点列である。この辺においては、他の3要素は0である。頂点CY(=G(緑))はC=Y=100%(M=K=0%)の点であり、辺C−CYはY=100%(M=K=0%)のまま、Cが0〜100%まで変化する点列である。同様に辺Y−CYはC=100%のまま、Yが0〜100%まで変化する点列である。頂点MY(=R(赤))、頂点CM(=B(青))についても同様である。さらに、面O−C−CY−YはM=0%の点の集合である。他の2つの面についても、C=0%、Y=0%の点の集合である。つまり、対象デバイスの色空間における色域外郭の上半は、Kと他のいずれか1色が0%となる点の集合である。
図6(B)に示す下半では、周囲の頂点C、CY、Y、MY、M、CMは図6(A)と同じ点であり、重複して示している。また中心のCMYKはC=M=Y=K=100%の点である。さらに、頂点CKはC=K=100%、M=Y=0%の点であり、同様に頂点YKはY=K=100%、M=C=0%の点、頂点MKはM=K=100%、C=Y=0%の点である。頂点CYKはC=Y=K=100%、M=0%の点であり、同様に、頂点MYKはM=Y=K=100%、C=0%の点、頂点CMKはC=M=K=100%、Y=0%の点である。
辺CMYK−CYKは、C=Y=K=100%でMが0〜100%まで変化する点列である。同様に、辺CMYK−MYKは、M=Y=K=100%でCが0〜100%まで変化する点列、辺CMYK−CMKは、C=M=K=100%でYが0〜100%まで変化する点列である。また、辺CYK−CYは、C=Y=100%、M=0%でKが0〜100%まで変化する点列である。同様に、辺MYK−MYは、M=Y=100%、C=0%でKが0〜100%まで変化する点列、辺CMK−CMは、C=M=100%、Y=0%でKが0〜100%まで変化する点列である。さらに、辺CK−CはC=100%、M=Y=0%でKが0〜100%まで変化する点列である。同様に、辺YK−YはY=100%、M=C=0%でKが0〜100%まで変化する点列、辺MK−MはM=100%、C=Y=0%でKが0〜100%まで変化する点列である。
さらに、面CMYK−CYK−CK−CMKはC=K=100%の点の集合である。他の2つの面についても、Y=K=100%、M=K=100%の点の集合である。つまり、これら3つの面は、Kと他のいずれか1色が100%となる点の集合である。また、面C−CK−CYK−CYはC=100%、M=0%の点の集合である。同様に、面CYCYK−YK−YはY=100%、M=0%の点の集合、面Y−YK−MYK−MYはY=100%、C=0%の点の集合、面MY−MYK−MK−MはM=100%、C=0%の点の集合、面M−MK−CMK−CMはM=100%、Y=0%の点の集合、面CMCMK−CK−CはC=100%、Y=0%の点の集合である。つまり、これら6つの面は、C、M、Yのいずれか1色が100%でいずれか1色が0%となる点の集合である。
このように、対象デバイスの色空間における色域外郭の点が図6に示すような面で表すことができる。上述のように色域外郭を構成する点は、所定の条件を満たす点であり、上述の条件を満たす点以外の点は、色域の内部の点である。
なお、生成する対象デバイスの色空間における外郭点群は、図6に示した辺や面に均等に、またはデバイス非依存の色空間への配置を考慮して不均等に配置されるように抽出することができる。いずれにしても対象デバイスの色空間における外郭点群は、1つ以上の外郭点を選定すればよく、必要な領域だけ選定してもよい。
次に、制限量設定部34と、制限量設定部34で条件が設定された場合のデバイス外郭生成部32が生成する外郭点群について説明する。例えば、対象デバイスの色域シミュレーションで、任意の色要素の最大制限量や最小制限量などの条件を付加することができる。ここでは一例として、黒色Kを制限対象として説明する。
制限量設定部34においてK量の最大量制限Ka、及び最小量制限Kmが指定されると、デバイス外郭生成部32は上述のように対象デバイスの外郭群を生成するが、このとき、下半でのK量の制限範囲を設定する。最大量の制限は図6(B)での頂点の構成を100%からKa%へ変更することによって対応する。一方、最小量制限は図6(B)の図形の辺と面に影響を及ぼすが、色域外郭は相似変換でよいため、容易に対象デバイスの色空間における外郭点群を作成することができる。視覚的には、図6(B)に示した各辺の長さが短くなると考えればよい。
上記ではK色に対して最大制限量、最小制限量の条件を付加する場合を例にして説明したが、個々の色要素は独立に扱うことができることから、他の色要素についても同様に条件を付加することができる。具体的には、K以外の色要素であれば、下半の範囲と上半の範囲を制御することによって、対象デバイスの色空間における外郭点群を生成することができる。制限となる条件を付加しない場合には、図6に示した色域外郭から外郭点群を生成すればよいことはもちろんである。
次に、色変換部40について説明する。色変換部40において外郭点群からCIE L*a*b*色空間での外郭点群に色変換を行うには、予め、カラープロファイル(色変換係数)を入手する必要がある。これは、規格上決められた定義式や過去に入手したものでもよい。また、ニューラルネットワークや、線形回帰モデル、主成分分析を利用した方法などで係数を作成してもよく、色パッチなどを直接出力し、計測値で測定してよい。これら対応関係を予め記憶した3D LUT(3次元ルックアップテーブル)を利用してもよい。ここでは上述の技術文献に記載されている方法等を利用して、順方向のプリンターモデルを作成した。このプリンターモデルを利用し、前述の対象デバイスの色空間における外郭点群を入力として、CIE L*a*b*色空間における外郭点群を得る。このように順方向のモデルを用いて色変換を行うことによって、精度よく外郭点群を得ることができる。
図7は、CIE L*a*b*色空間において得られた外郭点群によって構成される色域外郭の模式図である。図6に示した各頂点、各辺、各面は、それぞれ図7に示した各頂点、各辺、各面に変換されることになる。各辺、各面は、CIE L*a*b*色空間においては直線、平面に限られず、一般的には曲線、曲面として構成されることになる。
以上により、デバイス非依存の色空間(CIE L*a*b*色空間)における対象デバイスの色域外郭を構成する外郭点群を得ることができる。このような外郭点群は、対象デバイスの色空間がCMYK色空間でなくても、6色で表現するヘキサクロムなどの多色であっても問題なく、本発明は多色で効果を発揮する。
一方、上述のようにして得られたデバイス非依存の色空間における対象デバイスの色域を3次元的に可視化したり、評価、定量化等を行うために、外郭点群は3Dポリゴンとして構成すると利用し易い。そこで、色域外郭生成部44は、CIE L*a*b*色空間での外郭点群を頂点として連結し、面を構成してポリゴン化する。これによって、汎用の可視化ツールを利用して対象デバイスの色域外郭を3次元的に可視化できる。また、外郭点群を連結した3次元情報を作成する際に、不必要な領域を除き、均等間隔に頂点を配置、または詳細な色域を構成したい場合がある。このような場合には、色変換部40で得られた外郭点群から選択して一部の外郭点から色域外郭を構成すればよい。
なお、ポリゴンの生成はデバイス外郭生成部32において外郭点群を生成する際に各外郭点間の関係として構成しておき、色変換部40で外郭点群を生成する際に各外郭点間の関係を対応する外郭点間の関係として保持することもできる。これによって、デバイス非依存の色空間においてポリゴンを形成しなくても、対象デバイスの色空間において容易にポリゴンの形成を行うことができる。
このように、対象デバイスの色空間において外郭点群を生成して、これを用いてデバイス非依存の色空間の外郭点群に変換することにより、探索的な繰り返し処理が不要で、高速かつ簡単に精度よくデバイス非依存の色空間における色域外郭を得ることができる。
次に、総量制限デバイス外郭生成部36について説明する。まず、総量制限設定部38において色材の総量Gを指定する。すなわち、
C+M+Y+K≦総量G ・・・(1)
C+M+Y+K>総量G ・・・(2)
の何れかの条件を指定する。ここでは、(1)式を使用することとする。
デバイス外郭生成部32で外郭点群を生成した後、生成された外郭点群に対して、総量制限デバイス外郭生成部36で総量G以下になるように対象デバイスの色空間における外郭点群を更新する。このとき、外郭点群の任意の外郭点が総量Gの条件((1)式)を満たすなら何もせず、満たさない場合には総量制限のための処理を行う。この総量制限のための処理としては、例えば、1色の色材量を固定して、他の色材量の構成比を一定にして、総量に合わせることにより実現することができる。すなわち、固定した色材量をIとし、デバイスの外郭点を(I,A1,A2,A3)、総量規制を施したデバイス外郭点を(I,A1’,A2’,A3’)とするとき、デバイス外郭点A1’,A2’,A3’は
Ai’=(Ai×(G−I))/(A1+A2+A3) ・・・(3)
{但し、i=1,2,3}
により得られる。
このとき固定する色材により、次のような2つの規制方式がある。規制方式1は、Kを固定し、C:M:Yの比を固定して総量Gに調整する。つまり、(3)式の固定量IをK量、A1,A2,A3をそれぞれCMY量とする方法である。規制方式2は、C,M,Y,Kの中で最大値を示す量を1つ固定して、他の3色の比を固定して総量Gに調整する方法である。例えば、最大量を示す色材がCならば、(3)式の固定量IをC量とし、A1,A2,A3をそれぞれKMY量とすればよい。
このようにして、総量制限を満たす外郭点群を得ることができる。なお、上述のような総量制限によって、それぞれの外郭点が表す色は、視覚的には異なるが、対象デバイスの色空間における総量制限を満たす色域外郭上の点であることには変わりはない。従って、色域外郭を求めるという目的において問題はない。
上述の説明では、固定量と比例関係で総量制限の条件を満たす外郭点群を求めたが、このほか、種々の方法によって総量制限の条件を満たす外郭点群を求めることができる。例えば、デバイスの色空間上において、総量制限は新たな面を生成する処理であること、または総量制限を行う面の拡縮変換と同じであり、総量制限の対象となる面を生成、制御することでも同じ効果を得ることできる。なお、総量制限の処理を行う際には、変更前の外郭点群の各外郭点間の関係と、変更後の外郭点群の各外郭点間の関係とが相違しないように注意する必要がある。
総量制限デバイス外郭生成部36で変更した外郭点群は色変換部40に送られ、デバイス非依存の色空間の外郭点群に変換される。これによって、デバイス非依存の色空間における色域外郭を得ることができる。
このようにして、総量制限の条件を満たすようなデバイス非依存の色空間における色域外郭を求めることができる。
(色域外郭生成)
次に、最終色域外郭生成部48について説明する。最終色域外郭生成部48は、第2外郭生成手段47において生成された色域外郭を第1外郭生成手段43において生成された色域外郭を用いて更新するものである。
図3に示すように、最終色域外郭生成部48は、6面体ベース用の下側色域外郭抽出部50,12面体ベース用の下側色域外郭抽出部52、交点計算部54,線分の方向を定めるための線分傾向設定部56、および更新部58を備えている。下側色域外郭抽出部50は、第2外郭生成手段47で生成された6面体ベースのデバイス外郭に対応する色域外郭のデータ(色域外郭データ)を用いて、下側色域外郭を抽出する。この抽出は、色域外郭の下側の傾向を抽出することでもよい。この色域外郭の傾向には、色域外郭を構成する外郭点の位置、線や面の傾きや位置を表す形状データを保存することが一例として挙げられる。また、下側色域外郭抽出部52は、第1外郭生成手段43で生成された12面体ベースのデバイス外郭に対応する色域外郭のデータ(色域外郭データ)を用いて、下側色域外郭を抽出する。
線分傾向設定部56は、第2外郭生成手段47において生成された色域外郭を第1外郭生成手段43において生成された色域外郭を用いて更新するために用いる線分の方向を傾向として定めるものである。この傾向の一例には、色度維持がある。この場合、色度を維持するように明るさに対応する軸(例えばL*軸)に平行な方向に線分を定めればよい。または基準点を維持する傾向を設定してもよい。この基準点には明るさに対応する軸(例えばL*軸)上の点が一例としてあり、この基準点と、第2色域外郭上の外郭点とを通る線分を定めることができる。傾向設定手段は、これらの傾向を表す設定値を予め記憶し、記憶された設定値の何れか1つを選択することができる。これによって、維持することができる画像の見えについての傾向を選択的に指定することができる。
交点計算部54は、線分傾向設定部56で設定された色度維持等の傾向を反映させてデバイス非依存の色空間での色域外郭を生成するための外郭点を求める。すなわち、交点計算部54は、下側色域外郭抽出部50で抽出した、6面体ベースのデバイス外郭に対応する色域外郭点を通る線分傾向設定部56で設定された方向の線分と、下側色域外郭抽出部52で抽出された下側色域外郭との交点を計算する。この交点を更新部58において、第2外郭生成手段47生成された6面体ベースのデバイス外郭に対応する外郭点群の色域外郭データとして最終色域外郭データに更新する。
図8には、最終色域外郭生成部48における処理の説明図を示した。なお、以下の説明を簡単にするため、CIE L*a*b*色空間においてL*軸を含む平面で色域を切断した断面のうち彩度を示すC*軸を横軸とした2次元図形で説明する。
図8に示すように、第2外郭生成手段47で生成された6面体ベースのデバイス外郭に対応する色域外郭のうちの下側色域外郭THtと、第1外郭生成手段43で生成された12面体ベースのデバイス外郭に対応する色域外郭のうちの下側色域外郭THpとが、下側色域外郭抽出部50と下側色域外郭抽出部52により予め抽出されている。交点計算部54では、線分傾向設定部56により定まる方向の直線LNを下側色域外郭THt上の外郭点Dtを通るように設定し、設定された直線LNと下側色域外郭THpとの交点Dpを求める。更新部58は、交点Dpの座標を外郭点Dtとして更新する。
すなわち、最終色域外郭生成部48は、12面体ベースで生成された色域外郭のうちの下側色域外郭THpと、6面体ベースで生成された色域外郭のうちの下側色域外郭THtの頂点(外郭点)を通る色度を保存した直線LNとの交点を幾何的に算出し、その算出した交点で、対応する6面体ベースで生成された色域外郭のうちの下側外郭の頂点を更新する。図8の例では、6面体ベースで生成された色域外郭の下側外郭の頂点を通る色度を保存した直線(L*軸に平行な直線)を用いている。なお、この方向に限定するものではなく、他の直線と交差せずに12面体ベースで生成された色域外郭の下側外郭との交点を算出できる直線(半直線)であれば任意の直線を使用しても良い。たとえば、明るさを表す軸(グレイ軸)上の適当な点から放射状に伸びる直線を使用するようにしても良い。
以上のようにして、色域外郭を、生成することができる。
次に、本実施形態の作用として、色域外郭構築部28の作動について説明する。なお、ここでは、色域外郭構築部28において実行される上記各構成の処理をプログラム化して、そのプログラムを実行する場合を説明する。つまり、上記各構成における処理をプログラム化することにより、コンピュータを上記各構成として機能させることができる。
図9には、色域外郭構築部28で実行される処理ルーチンを示した。色域外郭構築部28には、図9に示す色域外郭生成処理ルーチンが予めメモリに記憶されており、キーボード等の入力装置によるユーザの指示によって、この処理ルーチンが実行される。
まずステップ100では、対象デバイスの色空間(CMYKデバイス色空間)における12面体ベースのデバイス外郭に対する、デバイス非依存の色空間(CIE L*a*b*色空間)における色域外郭を生成する。次のステップ102では、対象デバイスの色空間(CMYデバイス色空間)における6面体ベースのデバイス外郭に対する、デバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する。そして、ステップ106では、生成した12面体ベースによるデバイス非依存の色空間の色域外郭と、6面体ベースによるデバイス非依存の色空間の色域外郭とから、6面体ベースによるデバイス非依存の色空間の色域外郭のうちの下側色域外郭を12面体ベースによるデバイス非依存の色空間の色域外郭のうちの下側色域外郭で更新する。
なお、上記ステップ100の処理は、第1外郭生成手段43における処理に対応し、この処理をプログラム化することによりコンピュータを第1外郭生成手段43として機能させるためのものである。また、ステップ102は第2外郭生成手段47の処理に、ステップ104は最終色域外郭生成部48の処理に対応し、この処理をプログラム化することによりコンピュータを第2外郭生成手段47及び最終色域外郭生成部48として機能させるためのものである。
図10には、図9のステップ104の詳細を示した。まず、ステップ110では、6面体ベースによるデバイス非依存の色空間の色域外郭のうちの下側色域外郭上の外郭点を抽出する。この抽出はCUSP点を除く。次のステップ112では、上記ステップ110で抽出した外郭点を通るL*軸に平行な直線と、面体ベースによるデバイス非依存の色空間の色域外郭のうちの下側色域外郭との交点を算出する。次のステップ114では、上記ステップ112で算出した交点のデータ(L*a*b*値)で、上記ステップ110で抽出した6面体ベースによる下側色域外郭上の外郭点のデータ(L*a*b*値)を更新する。これらステップ110乃至ステップ114の処理を、6面体ベースによる下側色域外郭上のCUSP点以外の外郭点について終了するまで、ステップ116で否定判定され、全てが終了すると、ステップ116で肯定されて本ルーチンを終了する。
なお、この例では、色域外郭を構成するデバイス非依存の色空間をCIE−L*a*b*色空間とし、6面体ベースの色域外郭の下側色域外郭を更新するときに直線をL*軸に平行な直線としている。従って、12面体ベースの色域外郭の持つ外郭点や下側色域外郭の稜線などの特徴は保持されない。しかしながら、突端や稜線の山が適度にならされるため、使用目的によっては好適な場合もある。
以上説明したような構成により、CMYKデバイスの色域を比較的高速に、かつ、色域外郭(Gamut外郭)を構成するポリゴンの大きさをほぼ同程度の大きさにすることができるため、色域外郭に求められる精度に応じた適切な数のポリゴンで色域外郭を構成できるという効果がある。また、必要な精度に応じたポリゴン数で色域外郭を構成できるため、この色域外郭を用いたマッピング処理の際に探索するポリゴン数を従来よりも削減でき、処理コストを低減できるという効果がある。
〔第2実施形態〕
次に、本発明にかかる第2実施形態を説明する。なお、本実施形態は、上記実施形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
上記実施形態では、6面体ベースの色域外郭のうちの下側色域外郭を更新するときに、6面体ベースの下側外郭点と12面体ベースの下側外郭点とで対応する点を通るような線分(例えば(半)直線)を用いることで、12面体ベースで構築された下側色域外郭点上の特徴点(CMYK400%の点など)の持つ特徴を保存したままほぼ均等なポリゴンによる色域外郭を構築することができる。
この場合、6面体ベースの下側外郭点と12面体ベースの下側外郭点とについて、どこまで対応付けるかにより、CMYK400%の点の特徴のみを保存したり、CMYK400%の点から各2次色への稜線の特徴をも保存したりすることができる。ここでいう特徴とは、面と面との交線や頂点が持つ部分不連続(微分不連続)なことをいう。
そこで、本実施形態では、上記実施形態において設定される直線の設定を変更することで、形成される色域外郭の特徴を変更するようにしたものである。従って、本実施形態のブロック図は上記実施形態と同様であり、異なる点は、6面体ベースの下側色域外郭を更新するときの(半)直線の決め方のみである。以下では、この直線の決め方についてのみ説明する。
図11は、図6に示すCMYK色空間を展開した12面体ベースの色域外郭を示すものである。図11では、色域を各軸に沿う平面を用いて任意のステップ幅で格子状に区切った場合を示している。この区切りでできる色域表面上の格子点を頂点(外郭点またはグリッド点)とすることができる。また、図中の符号Wは、図6の「0」に対応し、符号4Cは「CMYK」に対応する。また、RGBは補色理論に基づくものである。
図12は、対象デバイスの色空間における色域外郭の一部を抽出したものである。図12(A)は、図11の12面体ベースの色域外郭を一部抽出したものであり、図12(B)は、図4の6面体ベースの色域外郭を一部抽出したものである。図中の符号4Cは「CMYK」に対応し、符号3Cは「CMY」に対応する。
図12に示す、12面体ベースによる色域外郭の一部と、6面体ベースによる色域外郭の一部における、R−Y−G上の外郭点(グリッド点)は同一のL*a*b*値を持つ。従って、12面体ベースの外郭上の特徴を残したい部分を6面体ベースの外郭と対応付けて直線を決定することで、12面体ベースで構築された下側外郭点上の特徴点(CMYK400%の点など)の持つ特徴を保存したままほぼ均等なポリゴンによる色域外郭(Gamut外郭)を構築することができる。
例えば、CMYK400%の点の特徴を保存する場合には、図12における3C(つまりCMY)と4C(つまりCMYK)を直線で結べばよいし、CMYK400%の点からR100%への稜線の特徴を保存する場合には、R−3C間の各外郭点(グリッド点)とCIE−L*a*b*色空間においてR−RK−4Cの連続する線分列上にCIE−L*a*b*色空間上での距離が等間隔なるように分割した点とを直線で結べばよい。
このように保存した点や稜線の特徴に応じて直線を決定した以外のグリッド点については、決定されている直線の伸びる方向を使用して補間によりその直線を決定すればよい。
また、6面体ベースの色域外郭上に12面体ベースの色域外郭上の点YKに相当する外郭点(グリッド点)を構成するための分割をCIE−L*a*b*色空間における距離の比から算出して決定してそれぞれの外郭点(グリッド点)に対応する直線を設定することで、12面体ベースの色域外郭におけるすべての稜線と外郭点の特徴を保存するようにすることもできる。
次に、本実施形態の作用を図13を参照して説明する。なお、本実施形態では、図9のステップ104の処理、すなわち6面体ベースの下側色域外郭を更新する処理を変更したものである。ここでは、色域外郭を構成するデバイス非依存の色空間をCIE−L*a*b*色空間とし、12面体ベースの色域外郭点と黒色と2次色との間の稜線の特徴を保存する構成とした場合を説明する。また、以下の処理をプログラム化することにより、コンピュータを各構成として機能させることができる。
まず、ステップ120では、12面体ベースの下側色域外郭点と、2次色を結ぶ3つの線分列(R−K,G−K,B−K)を抽出する。次のステップ122では、上記ステップ120で抽出した3つの線分列それぞれについてCIE−L*a*b*色空間上で等間隔に分割した分割点のL*a*b*値を算出する。次に、ステップ124では、ステップ122で算出した分割点と6面体ベースの下側色域外郭における外郭点と2次色を結ぶ稜線上の外郭点と対応づけて方向ベクトルを決定する。
次のステップ126では、図10のステップ110と同様にして、6面体ベースの下側色域外郭面上のCUSP以外の外郭点を抽出する。次に、ステップ128では、上記ステップ126で抽出した外郭点を通り、前記の方向ベクトルで補間して得られた方向の直線と、12面体ベースの下側色域外郭との交点を算出する。次のステップ130では、上記ステップ128で算出した交点で6面体ベースの下側色域外郭面上の外郭点のL*a*b*値を更新する。
これらステップ126乃至ステップ130の処理を、6面体ベースによる下側色域外郭上のCUSP点以外の外郭点について終了するまで、ステップ132で否定判定され、全てが終了すると、ステップ132で肯定されて本ルーチンを終了する。
このように、本実施形態では、6面体ベースの色域外郭の下側色域外郭を更新するときにおける直線を、12面体ベースで構築された下側色域外郭点上の特徴点(例えばCMYK400%の点など)の持つ特徴を保存したままほぼ均等なポリゴンによる色域外郭を構築すること等、12面体ベースの色域外郭の持つ外郭点や下側色域外郭の稜線などの特徴は保持しつつ設定することができる。これにより、上記実施形態に加えて、12面体ベースの色域外郭が有する特徴を反映させて最終的な色域外郭を生成することができるという効果がある。
なお、以上の説明では、6面体ベースで生成した色域外郭を用いてその外郭点を更新する構成を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、12面体ベースで生成した色域内部に位置する格子状に分割された立方体を用いても良い。ただし、6面体ベースで生成した色域外郭を用いてその外郭点を更新する構成を採用することで、6面体ベースで生成された上側色域外郭と12面体ベースで生成された上側色域外郭がまったく同一であるため、計算量を少なくすることができるという効果がある。
また、上記ではCMYK各色の色材を用いて画像形成を行うことを前提に、L*a*b*値をCMYK値へ変換する色空間変換を行う場合に本発明を適用した態様を説明したが、本発明における色要素は上記に限られるものではなく、例えばより多数色の色材を用いて画像形成を行うことを前提に、CMYK値をより多数種の色値へ変換する色変換を行う場合に適用することも可能である。本発明は上記のような態様も権利範囲に含むものである。また、上記では本発明に係るデバイスに依存しない色空間として、L*a*b*色空間を例に説明したが、これに限定されるものでもなく、CAM02空間のような色の見えモデル、CIEXYZ三刺激値やiCAM等の色空間を適用することも可能である。
本発明が適用可能な画像処理装置を含む色管理システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明が適用可能な色域外郭構築部の概略構成を示すブロック図である。 最終色域外郭生成部の概略構成を示すブロック図である。 CMYデバイス色空間における立方体形状の色域からポリゴンの頂点集合を作成する際の処理の一例の説明図である。 CMY色空間の色域とL* a* b* 色空間に写像された色域の対応の一例の説明図である。 CMYKデバイス色空間における色域外郭の一例の説明図である。 CIE L*a*b*色空間において得られた外郭点群によって構成される色域外郭の模式図である。 最終色域外郭生成部における色度維持についての処理例の説明図である。 色域外郭構築部の処理の流れを示すフローチャートである。 図9のステップ104の詳細処理の流れを示すフローチャートである。 図6に示すCMYK色空間を展開した12面体ベースの色域外郭を示す説明図である。 対象デバイスの色空間における色域外郭の一部を抽出した説明図であり、(A)は12面体ベースの色域外郭を一部抽出したもの、(B)は6面体ベースの色域外郭を一部抽出したものである。 第2実施形態にかかる処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
Dt…外郭点
Dp…交点
LN…直線
THp…下側色域外郭
THt…下側色域外郭
10…色管理システム
12…入力側デバイス
14…色域管理部
16…出力側デバイス
18…入力側色変換部
20…色域変換部
22…出力側色変換部
24…入力側色域外郭定義部
26…出力側色域外郭定義部
28…色域外郭構築部
30…ベースポリゴン集合体構築部
31…ポリゴン頂点写像部
32…デバイス外郭生成部
34…制限量設定部
36…総量制限デバイス外郭生成部
38…総量制限設定部
40…色変換部
42…色域外郭生成部
43…第1外郭生成手段
44…頂点作成部
46…ポリゴン作成部
47…第2外郭生成手段
48…最終色域外郭生成部
50…下側色域外郭抽出部
52…下側色域外郭抽出部
54…交点計算部
56…線分傾向設定部
58…更新部

Claims (8)

  1. 複数の色要素に基づいて複数色を表現可能な対象デバイスの色空間において色域外郭を構成する第1対象デバイス外郭点群から、デバイス非依存の色空間において第1色域外郭を構成する第1外郭点群を生成する第1外郭生成手段と、
    前記複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づいて色域外郭を構成する第2対象デバイス外郭点群から、前記デバイス非依存の色空間において第2色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する第2外郭生成手段と、
    前記第1外郭点群による外郭形状および前記第2外郭点群による外郭形状に基づいて、前記第2外郭生成手段で生成された第2外郭点群について、第2色域外郭上の外郭点を、第2色域外郭上の外郭点を通りかつ前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を維持するように予め設定された方向の線分との交点に位置する第1色域外郭の外郭点に更新し、該更新した外郭点群により前記対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成手段と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 前記対象デバイスの色空間は、画像形成デバイスのCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)各色の色材量の色値による4色以上のデバイス色空間であり、
    第1外郭生成手段は、CMYKの各色により色再現可能な色域外郭を構成する第1外郭点群を生成し、
    前記第2外郭生成手段は、CMY色の3色で色再現可能な色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、他の外郭点を通る線分とは交差しないように定める
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、第2色域外郭におけるK色に相当する外郭点と、第1色域外郭におけるK色に相当する外郭点を結ぶ線分を定める
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記色域外郭生成手段は、前記予め設定された方向の線分として、第2色域外郭におけるK色と2次色とを結ぶ線分列上に位置する外郭点と、第1色域外郭におけるK色と2次色とを結ぶ線分列上に位置する外郭点を結ぶ線分を定め、かつ、第1色域外郭のK色と2次色とを結ぶ線分列上の外郭点がデバイス非依存の色空間において均等間隔で配列される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記対象デバイスの色空間で各色要素の総和を制限する総量制限を設定する総量設定手段をさらに備え、
    前記第1外郭生成手段は、前記総量設定手段で設定された総量制限に従って、各色要素の総和の上限を超えないように、第1対象デバイス外郭点群または第1外郭点群を調整すると共に、
    前記第2外郭生成手段は、前記総量設定手段で設定された総量制限に従って、各色要素の総和の上限を超えないように、第2対象デバイス外郭点群または第2外郭点群を調整する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. コンピュータを、
    複数の色要素に基づいて複数色を表現可能な対象デバイスの色空間において色域外郭を構成する第1対象デバイス外郭点群から、デバイス非依存の色空間において第1色域外郭を構成する第1外郭点群を生成する第1外郭生成手段と、
    前記複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づいて色域外郭を構成する第2対象デバイス外郭点群から、前記デバイス非依存の色空間において第2色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する第2外郭生成手段と、
    前記第1外郭点群による外郭形状および前記第2外郭点群による外郭形状に基づいて、前記第2外郭生成手段で生成された第2外郭点群について、第2色域外郭上の外郭点を、第2色域外郭上の外郭点を通りかつ前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を維持するように予め設定された方向の線分との交点に位置する第1色域外郭の外郭点に更新し、該更新した外郭点群により前記対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成手段と、
    として機能させる画像処理プログラム。
  8. 対象デバイスの色域外郭を算出する画像処理方法において、
    複数の色要素に基づいて複数色を表現可能な対象デバイスの色空間において色域外郭を構成する第1対象デバイス外郭点群から、デバイス非依存の色空間において第1色域外郭を構成する第1外郭点群を生成する第1外郭生成工程と、
    前記複数の色要素の一部でかつ独立して色を表現可能である特定の色要素に基づいて色域外郭を構成する第2対象デバイス外郭点群から、前記デバイス非依存の色空間において第2色域外郭を構成する第2外郭点群を生成する第2外郭生成工程と、
    前記第1外郭点群による外郭形状および前記第2外郭点群による外郭形状に基づいて、前記第2外郭生成手段で生成された第2外郭点群について、第2色域外郭上の外郭点を、第2色域外郭上の外郭点を通りかつ前記対象デバイスで形成される画像の見えについて維持する傾向を維持するように予め設定された方向の線分との交点に位置する第1色域外郭の外郭点に更新し、該更新した外郭点群により前記対象デバイスの色空間に対応するデバイス非依存の色空間における色域外郭を生成する色域外郭生成工程と、
    を含む画像処理方法。
JP2007112011A 2007-04-20 2007-04-20 画像処理装置、プログラム及び方法 Withdrawn JP2008271233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007112011A JP2008271233A (ja) 2007-04-20 2007-04-20 画像処理装置、プログラム及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007112011A JP2008271233A (ja) 2007-04-20 2007-04-20 画像処理装置、プログラム及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008271233A true JP2008271233A (ja) 2008-11-06

Family

ID=40050148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007112011A Withdrawn JP2008271233A (ja) 2007-04-20 2007-04-20 画像処理装置、プログラム及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008271233A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013118524A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置および色処理プログラム
JP5692554B1 (ja) * 2014-01-15 2015-04-01 富士ゼロックス株式会社 色変換装置及び色変換プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013118524A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置および色処理プログラム
JP5692554B1 (ja) * 2014-01-15 2015-04-01 富士ゼロックス株式会社 色変換装置及び色変換プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4582310B2 (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成装置、プロファイル作成プログラム、及び印刷制御装置
JP6926818B2 (ja) プロファイル調整システム、プロファイル調整装置、プロファイル調整方法、及び、プロファイル調整プログラム
JP6060061B2 (ja) 方法、コンピュータ、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、およびシステム
JP2012244423A (ja) 色再現域圧縮方法およびそれを用いたプロファイル生成装置
JP6922446B2 (ja) プロファイル調整方法
JP4390040B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、記録媒体
JP6156401B2 (ja) 色変換方法、プログラム、及び画像処理装置
JP2019068156A (ja) プロファイル調整方法、プロファイル調整プログラム、プロファイル調整装置、及び、プロファイル調整システム
CN107211073A (zh) 彩色打印查找表
JP2018037761A (ja) 色変換テーブル生成装置、色変換テーブル生成方法、及び、色変換テーブル生成プログラム
JP2019087777A (ja) プロファイル調整方法、プロファイル調整プログラム、プロファイル調整装置、及び、プロファイル調整システム
WO2019022758A1 (en) PALLETS OF REPRODUCIBLE COLORS IN CONFORMITY WITH COLOR HARMONY
CN108621551B (zh) 用于在印刷机中优化地进行颜色控制的方法
JP2002027272A (ja) カラーチャートおよび色変換定義作成方法
JP2008271233A (ja) 画像処理装置、プログラム及び方法
JP2008193496A (ja) 画像処理装置、プログラム及び方法
JP4618683B2 (ja) 画像処理装置、ガマット補正方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体
JP6079213B2 (ja) 色変換処理方法、色変換処理装置およびプログラム
JP4788486B2 (ja) 色域外郭作成装置及び色域外郭作成プログラム
JP6794818B2 (ja) 色変換プロファイル生成方法、色変換プロファイル生成装置、及び、色変換プロファイル生成プログラム
JP2008172437A (ja) 画像処理装置、プログラム及び方法
JP2017050610A (ja) 色域断面取得方法、色域断面取得プログラムおよび色域断面取得装置
JP4675155B2 (ja) 色データ処理方法、色データ処理システム、色データ処理プログラム及びこれを記録した記録媒体
JP2019118089A (ja) 色変換方法、色変換プログラムおよび色変換装置
JP6354706B2 (ja) 格子点群生成方法、格子点群生成プログラムおよび格子点群生成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100312

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110628