JP2008268827A - 電磁駆動オルゴール - Google Patents
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Abstract
【課題】ひとつのアクチュエータでオルゴールの櫛歯を電気的に励振し、また、音作りの重要な要素であるダンピング効果も同時に生じせしめる。
【解決手段】平板鉄心を磁性を有する櫛歯に近接して配置し、励磁用コイルを振動弁の固有振動数に相当するパルス波、正弦波、もしくは、異なる周波数の正弦波を合成した波形で励磁することで、各振動弁、複数の振動弁を励振し、単音、和音を発生させる。また、振動弁の励振後にコイルを直流で励磁することでダンピング効果も同時に発生させる。
【選択図】図1
【解決手段】平板鉄心を磁性を有する櫛歯に近接して配置し、励磁用コイルを振動弁の固有振動数に相当するパルス波、正弦波、もしくは、異なる周波数の正弦波を合成した波形で励磁することで、各振動弁、複数の振動弁を励振し、単音、和音を発生させる。また、振動弁の励振後にコイルを直流で励磁することでダンピング効果も同時に発生させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、磁性を有するオルゴールの櫛歯を電気的に励振する方法に関する。
従来の機械式オルゴールは、ドラム式、ディスク式が主である。一方、電気的な駆動方式には、モータでこれらのドラム、ディスクを回転させるものの他、歯車、爪車などのメカアクチュエータとソレノイド、プランジャなどを電気的に駆動して振動弁を駆動する方法がある(例えば、特許文献1〜4参照)。また、形状記憶合金を含むワイヤーを加熱してピック爪を駆動してリードを鳴らす方法もある(特許文献5参照)。これらは、いずれも振動弁を機械的に駆動し、振動させる方式である。一方、特許文献6では磁気アクチュエータを配置し非接触で共振的に振動弁を駆動する方式である。
特開2003−150152号公報 特開2003−241746号公報 特開2004−333772号公報 実開平6−37894号公報 特開2005−37619号公報 特表2006−522373号公報
しかしながら、以上の技術では櫛歯の各振動弁ごとに駆動機構が必要であり、また、振動の抑制には別に機能、機構を付加する必要があった。そこで、本発明では、平板鉄心を有したひとつのコイルでオルゴールの櫛歯を励振し、また、ダンピング効果も同時に発生させることの可能な磁気駆動オルゴールを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するために、平板鉄心を櫛歯の中央から自由端側に配置し、振動弁の固有振動数に相当する信号でコイルを励磁し、前記振動弁を励振することを特徴とする磁気駆動オルゴールである。また、前記コイルの励磁信号の波形が、パルス波、正弦波、異なる周波数の正弦波を合成した波形で、単音、和音の発生を可能とすることを特徴とする磁気駆動オルゴールである。さらに、前記振動弁を励振後に前記コイルを直流で励磁して定常引力を発生させ、前記振動弁の振動を抑制するダンピング効果を生じせしめることを特徴とする電磁駆動オルゴールである。
前記コイルの駆動信号は、マイクロコントローラで合成、発生させ、これをスイッチング、もしくは、電流増幅して前記コイルを励磁する。また、前記マイクロコントローラはコンピュータインターフェースを有しており、外部コンピュータからのリモートコントロール、リモート演奏、および、楽曲のダウンロードを可能とする電磁駆動オルゴールである。
上記のように、平板鉄心を櫛歯の駆動源に用いたことで、ひとつのコイルを励磁することで各振動弁、もしくは、複数の振動弁を同時に励振可能とした。また、楽音を発生させる上で重要なダンピング効果も同時に発生可能とした。
この発明の一実施形態を、図1に示す。台座7、および、櫛歯5は、市販の物を用いても、任意形状に製作してもよい。台座7に、櫛歯5、スペーサ4、および、平板鉄心2を取付ねじ1で固定する。コイル3は、平板鉄心2に取り付けてもよいし、スペーサ4に取り付けてもよい。これら、櫛歯5、スペーサ4、平板鉄心2でギャップを有する磁気回路を形成する。すなわち、これらは磁性材である必要があり、また、磁気抵抗を可能な限り低くするために密着させる必要がある。さらに、平板鉄心2は、櫛歯5の上面にも下面にも設置できる。図2に、これらの構成の一例を示した。図2(a)は図1を組立てた概略図であり、平板鉄心2を櫛歯5の上面に配置し、平板鉄心2にコイル3を巻いたもの、図2(b)はスペーサ4にコイル3を巻いたもの、また、図2(c)は平板鉄心2を櫛歯5の下面に配置しコイル3を巻いた場合の概略図である。さらに、平板鉄心2を櫛歯5の上面と下面に配置し、振動弁6に上面および下面から引力を加え、励振力を増大させることも可能である。本実施例によらず櫛歯の配置は、縦、横、鉛直、斜めとすることも考えられる。一方で、櫛歯自体が強力な磁石であるならば、引力、疎力での励振が可能となり駆動力、ダンピング力の性能向上が期待される。本実施形態では、櫛歯5には、大きさ17x24mmの18弁、市販のものを使用した。また、コイル3は、直径0.4mmの被覆銅線を200回巻いて作成したが、コイルの大きさ、電源電圧、最大電流等を考慮し、巻線の太さ、巻数は適時調整する必要がある。このコイル3に1Aの電流を流した場合のギャップ部の磁束密度は、約145mTであった。
図3(a)に示すように、平板鉄心2と櫛歯の振動弁6との距離は、振動弁6の振動を妨げない間隔を取る。この距離はおおむね1mmである。しかし、振動振幅が比較的小さい高音部の振動弁では音量を上げるために0.5mm程度まで接近させたほうが有利である。なぜなら、電磁力は距離の3乗に反比例する。図3(b)は、平板鉄心2を傾斜して配置した例である。また、平板鉄心2は櫛歯5の固定端から自由端の距離の2分の1(中央)から自由端側に位置決めされる。自由端部に配置した場合、振動振幅が大きい低音部の振動弁では平板鉄心2を振動弁5からより離さなければならない。その場合電磁力の低下を招く。また、中央に配置した場合、振動振幅が自由端部の2分の1となり、平板鉄心2をより近づけることが可能となり、電磁力の増大が可能である。しかし、櫛歯の大きさ、形状、あるいは、本体のデザイン等により最適な配置、間隔を選定する必要がある。
マイクロコントローラは、パルス波形の発生にはデューティ比可変のON−OFF信号(PWM波)を作成し、正弦波の発生には正弦波テーブルを用いてDA変換して作成したが、デジタル信号処理の技術を用いて積和演算で発生させることも可能である。図4に制御部のブロック図を示す。前記マイクロコントローラは、コイル3の駆動信号を作成し、また、コンピュータインターフェースにより外部コンピュータと通信し、データ、コマンド等を送受信可能とした。制御部の一回路例を図5に示す。本適応例では、シリアルインターフェース(RS−232C)を使用したが、USBなどの他のインターフェースの利用も考えられる。一方で、オーディオ信号を直接入力することなども考えられる。前記マイクロコントローラからの駆動信号は、パワーMOSトランジスタなどでスイッチング、もしくは、電流増幅して前記コイル3を励磁する。この電流増幅には、パワーOPアンプなどの使用も考えられる。
特許文献6においてはアクチュエータが複数必要であるが、本適応例では単一アクチュエータ構成とすることで構造の簡単化、単純化をはかった。また、当該文献の駆動信号はパルス波であるが、本例ではさらに、正弦波、複数の正弦波を合成した波形でコイルを励磁する。すなわち、振動弁を高調波成分を有しない正弦波で駆動することで、ひとつの振動弁のみを励振可能とし、雑音の発生を低減した。また、複数の振動弁を同時に励振するには、それぞれの振動弁の固有振動数に相当する正弦波を合成した波形でコイルを励磁する。このことで、ひとつのコイルを励磁するだけで和音の発生を可能とした。図6(a)は、周波数685Hzの単一正弦波の信号波形である。また、同図6(b)は、周波数1218、1370Hzのふたつの正弦波を合成した信号波形である。発生する音の音量、音色を修飾するためには、パルス波ではデューティ比、励振時間を、正弦波では振幅、励振時間を変えることで可能である。また、励振を継続することで連続音を発生させることも可能である。
楽音を発生させるためにダンピングの効果は重要な要素である。本磁気駆動オルゴールでは、振動弁の励振後に、平板鉄心を有したコイルに直流電流を供給することで振動弁に定常引力を発生させ、振動を抑制することを可能とした。図7は、コイルを励磁するための信号波形と発生した音波形を示している。同図7(e)は、通常駆動時の信号波形、図7(f)はダンピング効果を持たせた場合の信号波形である。約半分の信号電圧(2.5V)を印加してダンピング効果を発生させている。このときのコイル電流は、約1.3Aである。同図7(a)、図7(b)は、720Hzの振動弁を励振した場合の発生音波形である。図7(a)はダンピング効果のない場合、図7(b)はダンピング効果を持たせた場合である。図7(a)での音の減衰時間(最大振幅が0.37倍となるまでの時間)は約800msであるが、ダンピング効果を有した図7(b)では約390msと、減衰時間は2分の1程度になっている。同様に、図7(c)、図7(d)は2180Hzの振動弁についての音波形である。減衰時間は図7(c)で約290msであるが、ダンピング効果により約80msと3分の1以下となっている。振動弁およびその固有振動数の違いによりダンピング効果に差異が認められる。このダンピング効果はコイルの電流値を変えることで調節可能である。
本発明により、既存オルゴールへの適応により磁気駆動化が可能となる。また、半音も含む全音階の櫛歯を用いることでオルゴール音を発生する自動演奏楽器を構成できる。
1 取付ねじ、2 平板鉄心、3 コイル、4 スペーサ、5 櫛歯、6 振動弁、7 台座
Claims (6)
- 平板状の鉄心とコイルを具備し、磁性を有するオルゴールの櫛歯を各振動弁の固有振動数に相当するパルス波、正弦波、または、異なる周波数の正弦波を合成した波形で前記コイルを駆動することで励振し、音を発生させることを特徴とする電磁駆動オルゴール。
- 前記櫛歯を励振した後に前記コイルを直流で励磁し定常引力を発生させ、音の減衰時間を早める(ダンピング)の効果を有する請求項1記載の磁気駆動オルゴール。
- 前記平板鉄心は、櫛歯の各弁の振動を妨げない距離おおむね1mm程度だけ離して配置する。その位置は、前記櫛歯の固定端と自由端の距離の1/2から自由端側に位置決めされ、前記櫛歯の上面、下面、もしくは、両面に置くことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動オルゴール。
- ひとつの前記コイルを励磁することで、前記櫛歯の各振動弁、複数の振動弁を励振することが可能な請求項1記載の磁気駆動オルゴール。
- 前記コイルの駆動信号はマイクロコントローラで発生させ、これをパワーMOSトランジスタなどでスイッチング、もしくは、電流増幅して前記コイルを励磁する請求項1記載の磁気駆動オルゴール。
- コンピュータインターフェースを有する前記マイクロコントローラは、接続されたコンピュータからリモートコントロール、リモート演奏、および、楽曲のダウンロードを可能とする請求項5記載の磁気駆動オルゴール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007138428A JP2008268827A (ja) | 2007-04-24 | 2007-04-24 | 電磁駆動オルゴール |
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JP2007138428A JP2008268827A (ja) | 2007-04-24 | 2007-04-24 | 電磁駆動オルゴール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2814024A1 (fr) * | 2013-06-14 | 2014-12-17 | Montres Breguet SA | Procédé de réglage de la gamme de fréquences de vibration d'un dispositif de production de sons a lames vibrantes |
JP2015011242A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 日本電産サンキョー株式会社 | オルゴール |
JP6098856B1 (ja) * | 2016-11-02 | 2017-03-22 | 株式会社スリック | 電子オルゴール |
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2007
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EP2814024A1 (fr) * | 2013-06-14 | 2014-12-17 | Montres Breguet SA | Procédé de réglage de la gamme de fréquences de vibration d'un dispositif de production de sons a lames vibrantes |
US9324309B2 (en) | 2013-06-14 | 2016-04-26 | Montres Breguet S.A. | Method for adjusting the vibration frequency range of a sound producing device with vibrating tongues |
JP2015011242A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 日本電産サンキョー株式会社 | オルゴール |
JP6098856B1 (ja) * | 2016-11-02 | 2017-03-22 | 株式会社スリック | 電子オルゴール |
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