JP2008266820A - ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法 - Google Patents

ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノファイバを堆積させて得られる不織布であって、厚みが均一な不織布を製造する。
【解決手段】電圧が印加され、ナノファイバ200製造用の原料液を噴射する噴射孔112を有する噴射手段110と、前記噴射手段110と異なる電圧が印加され、ナノファイバ200を収集する収集電極120とを備える不織布製造装置であって、前記噴射手段110と同一、または、前記収集電極120よりも前記噴射手段110に近い電圧が印加される、前記噴射手段110とは別体の補助電極180を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子物質からなるナノファイバの製造装置、及び、製造方法に関する。
高分子物質から成り、サブミクロンスケールの直径を有する糸状物質(以下、「ナノファイバ」と記す。)を製造する方法として、エレクトロスピニング(電荷誘導紡糸)法が知られている。
このエレクトロスピニング法とは、コレクタ(収集電極)に対し高電圧を印加した針状のノズルから溶媒中に高分子物質を分散させた高分子溶液をコレクタに向かって噴射(流出)させることにより、ナノファイバを得る方法である。より具体的には、噴射ノズルを高電圧にすることにより帯電した高分子溶液が空間中に噴射され、溶媒が蒸発するに伴い空間中を飛翔中の高分子溶液の電荷密度が上昇する。そして、高分子溶液中に発生する反発方向のクーロン力が高分子溶液の表面張力より勝った時点で高分子溶液が爆発的に線状に延伸される現象(静電爆発)が生じる。この静電爆発が、空間において次々と発生することで、サブミクロンの直径の高分子から成るナノファイバが製造される。
また、前述の方法で製造されたナノファイバを基板上に堆積させることで、立体的な網目を持つ3次元構造の薄膜を得ることができ、さらに厚く形成することでサブミクロンの網目を持つ高多孔性ウェブ(不織布)を製造することができる。
このようにエレクトロスピニング法を採用して製造されたウェブは、ナノオーダーの孔からなる高多孔性であり、ウェブ全体としての表面積が広いため、フィルタや電池のセパレータや燃料電池の高分子電解質膜や電極等に適用され、高い効果を得ることが期待されている。
従来、ナノファイバを多量に製造してナノファイバからなる実用的なウェブを製造する方法として、複数のノズルを並列に配置し、多量のナノファイバを堆積させてウェブを製造する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−201559号公報
従来、実験や研究により下記の知見が得られている。
すなわち、コレクタ上に堆積されるナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性等を高める為には高分子溶液を噴射するためのノズルと製造されたナノファイバを収集するコレクタとの距離を出来る限り短くする方が望ましい。また、ノズルとコレクタとの間の電圧が高ければ高いほど、1次爆発ばかりでなく2次爆発以降の高次の静電爆発が発生する回数が増加し、製造されるナノファイバの径が微細になる。
一方、ノズルとコレクタとの距離を長くするほど、溶媒の蒸発量が増加し、高次の静電爆発が発生する回数が増加する。また、ノズルとコレクタとの間の電圧が低いほど、また、ノズルとコレクタとの距離を長くするほどノズルとコレクタとの間で発生する異常放電を抑制することができる。
ナノファイバにより不織布を製造する場合、上記相反する観点に鑑み、妥協点としてノズルとコレクタとの距離、及び、電圧が決定されている。特に、前記異常放電が極力発生しないように前記条件が決定される。これは引火性のある溶媒を使用した場合は顕著であり、ノズルとコレクタとの距離を長くし、電圧を低くして、異常放電に基づく引火を抑制している。その結果として、ナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性を良好に確保することが困難となっている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ナノファイバからなる不織布を製造するに当たり、ノズルを含む噴射手段とコレクタを含む収集電極との距離が比較的長い場合や、ノズルとコレクタとの間の電圧が比較的低い場合でも、ナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性を確保することができる不織布製造装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために本願発明にかかるナノファイバ製造装置は、ナノファイバ製造用の原料液を噴射する噴射孔を有する噴射手段と、前記噴射孔から噴射され生成されたナノファイバを収集する収集電極と、前記噴射手段と前記収集電極との間に第一の電圧を印加する第一電源とを備えるナノファイバ製造装置であって、前記噴射手段とは別体の補助電極と、前記補助電極と前記収集電極との間に第二の電圧を印加する第二電源とを備えることを特徴とする。
これにより、噴射手段と収集電極との間に印加される第一の電圧とは別の第二の電圧を備えることができ、製造されるナノファイバの挙動(例えば飛翔方向など)を第二の電圧を用いて容易に制御することが可能となる。引いては、ナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性を容易に確保することが可能となる。
また、前記補助電極は、前記噴射手段と前記収集電極との間に配置されることが望ましい。
このような配置にすれば、電場(電気力線)を制御しやすくなり、電気力線に沿って飛翔すると考えられるナノファイバの堆積位置などを容易に制御することができる。
また、前記補助電極は、前記噴射手段から前記収集電極を望む範囲外に配置されることが望ましい。
これにより、補助電極の存在がナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性の確保の障害になることを回避することが可能となる。
また、前記補助電極は、前記噴射手段、及び、前記収集電極から独立して、印加される電圧が制御可能であることが望ましい。
これにより、補助電極の空間的配置ばかりでなく電圧により電場(電気力線)を制御することができ、より柔軟にナノファイバの飛翔をコントロールすることが可能となる。
また、前記収集電極の前記噴射孔側に配置され、製造されたナノファイバを堆積状に保持する被堆積手段と、前記被堆積手段を所定方向に移動させる移動手段とを備え、前記補助電極は、前記堆積手段の移動方向に対して前記噴射手段よりも前方、及び、後方に配置されることが好ましい。
これにより、長尺の不織布を製造する場合でも、ナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性を確保することができる。
また、前記補助電極は、板状であり、前記噴射手段に対し前記収集電極と反対側に配置されてもよい。
これにより、収集電極から遠ざかる方向に飛翔するナノファイバを反射して収集電極方向に飛翔方向を転換することができるため、ナノファイバの堆積効率を向上させることが可能となる。特に、遠心力により原料液を噴射させるタイプの噴射手段を使用する場合には効果的である。
また、上記目的を達成するために本願発明にかかるナノファイバ製造方法は、ナノファイバ製造用の原料液を噴射する噴射手段と製造されるナノファイバを収集する収集電極との間に第一の電界を発生させる第一電界発生ステップと、前記電界中に前記原料液を噴射する噴射ステップとを含むナノファイバ製造方法において、前記収集電極とは別体の補助電極と前記収集電極との間に第二の電界を発生させる第二電界発生ステップとを含むことを特徴とする。
これによる作用効果は上記と同様である。
本発明によれば、噴射手段と収集電極との距離が比較的長い場合や、ノズルとコレクタとの間の電圧が比較的低い場合でも、ナノファイバの堆積方向の均一性や堆積量の空間的均一性を確保することができ、均質な不織布を製造することが可能となる。
次に、本発明にかかるナノファイバ製造装置を備える不織布製造装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明にかかる不織布製造装置を概略的に示す斜視図である。
同図に示すように不織布製造装置100は、噴射手段110と、収集電極120と、補助電極180と、被堆積手段としてのシート160とを備えている。なお、噴射される原料液と、製造されつつあるナノファイバとは明確に区別できないため、いずれにも200の符号を付し、製造された不織布には210を付している。
噴射手段110は、ナノファイバを製造するための原料液を噴射(流出)する噴射孔を備えた装置であり、第一電源としての電源150aに接続されて所定の電位に維持されるものとなっている。また、原料液を貯蔵するタンク(図示せず)と接続されるパイプ111が噴射手段110に接続されており、所定の圧力で原料液が供給されるようになっている。
収集電極120は、噴射手段110に対し所定の電圧が印加されるように第一電源としての電源150bに接続され、製造されたナノファイバを収集するための装置である。
なお、電源150aと電源150bとはともに噴射手段110と収集電極120との間に電圧を発生させるためのものであり、一つの電源であっても構わない。
シート160は、空間中で製造されたナノファイバ200が堆積する対象となる部材であり、堆積したナノファイバ200と容易に分離可能な材質で構成された薄く柔軟性のある長尺のシートである。シート160は、ロール状に巻き付けられた状態で供給され、ナノファイバ200が堆積する部分をゆっくりと移動手段170により図中矢印方向に移動するものとなっている。そして、シート160上で製造された不織布210とともに再びロール状に巻き付けられるようになっている。
移動手段170は、シート160を所定の張力を維持しつつ一方方向に送ることができる装置であり、モータ(図示せず)などの駆動により図に示されるローラーを回転させてシート160を移動させるものである。
補助電極180は、噴射手段110と同一、または、収集電極120よりも噴射手段110に近い電圧が第二電源としての電源150cにより印加される電極であり、噴射手段110とは別体となされ、取り付け位置を任意に設定することができるものとなっている。
なお、噴射手段110と、補助電極180と、収集電極120とは種々の態様があり、また、それらの組み合わせ態様も種々存在する。図1においては、噴射手段110、補助電極180、及び、収集電極120については一点鎖線で象徴的に示しており、これらの具体的態様については後述の実施の形態において具体的に説明する。
なお、電源150cは、補助電極180と収集電極120との間に第二の電圧を発生させるものであり、前記電源150a、150bとは独立して電圧を調整できるものが好ましい。
(実施の形態1)
図2は、噴射手段と補助電極および収集電極の具体例を示す図である。
なお、同図は、噴射手段110と補助電極180と、収集電極120との関係を示すため、噴射手段110と補助電極180とを大きく示しているが、実際は、収集電極120の径が数メートルの大きさであるのに対し、ノズル113や補助電極180の先端の径は数ミリ程度である。
同図に示す収集電極120は、円筒形状となされており、シート160の移動に伴い、または同期して回転しうるものとなされている。また、収集電極120は、収集電極120の端面に向かって徐々に縮径するように、円筒形状のエッジ部分にアール面取りが施されている。
このように、噴射手段110から望む収集電極120の周縁部を噴射手段110から遠ざかるような曲面とすることで、収集電極120のエッジによる電場の乱れを抑止し、ナノファイバ200の堆積状態を良好とすることができる。
噴射手段110は、原料液を噴射する噴射孔(図示せず)を先端に備えたノズル113を複数個備えている。ノズル113は、シート160の移動方向と垂直な方向(図中X方向、シート160の幅方向)に等間隔に広がって配置されている。ノズル113は、Y方向に対し斜め直線上に配置されている。従って、隣接するノズル113同士は、Y方向にずれて配置されている状態となる。また、ノズル113は、収集電極120の回転軸に向かって原料液200を噴射できるように前記回転軸を中心とする放射方向に配置されている。X方向の最端部にあるノズル113と他の最端部にあるノズル113と(シート160の幅方向両端部にあるノズル113)は、X方向の距離がシート160の幅よりも狭く設定され、また、曲面部の曲率中心に向かうように傾いている。
以上のようにノズル113を配置することにより、収集電極120とノズル113とを所定の距離に維持したまま、ノズル113相互の距離を長くすることができるとともに、隣接するノズル113から製造されるナノファイバ200のシート160上の堆積位置を任意に重ね合わせることができる。
従って、ノズル113同士が影響し合うことによる電気力線の乱れを抑止し、シート160の幅方向におけるナノファイバ200の堆積量の位置的な偏りを防止して、シート160の幅方向において厚さの均一な不織布を製造することが可能となる。
補助電極180は、細い円柱形状となされ、下部の先端は円錐状に尖っている。一方上部の基端には電圧印加用の導線181が取り付けられており、電源150cにより全ての補助電極に対し同一の電圧が印加されるものとなっている。なお、補助電極180の先端は球状など曲面を備えていても良く、その他の形状を任意に選択できる。
補助電極180は、シート160の移動方向と交差し、シート160の面と平行となるように複数本配列されて補助電極列を構成し、さらに、当該補助電極列は、ノズル113の列と平行に、また、ノズル113に対してシート160の移動方向の前後に配置されている。また、前記補助電極列は、シート160に対し収集電極120と反対側であって噴射手段110とシート160との間に配置されている。噴射手段110の前後に配置される補助電極は、先端が相互に近づくようにシート160の移動方向に沿って傾いている。
図3は、図2中A−A線で切断した状態を示す断面図である。なお、同図にはシート160は記載していない。また、収集電極120やノズル113に付すハッチングは省略している。
同図に示すように、補助電極180はノズル113の先端から収集電極120を望む領域(同図ハッチング部)の外に配置されている。また、補助電極180の先端は、ノズル113から収集電極120までの最も近い距離の半分の位置よりも収集電極120側に配置されている。
このように配置することで、ノズル113と収集電極120との電気的関わり合いが薄くなる部分、つまり、電気力線が疎になる部分に、補助電極180からの電気力線が加わり、電気力線が密となる。従って、電気力線が密の部分に集まる傾向にあるナノファイバ200の性質を利用して、電気力線が疎であるために製造されたナノファイバ200が収集電極120の上方に堆積せずに空中に散らばることを防止し、ナノファイバ200の収集電極120上方への集積効率を高めることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、噴射手段、補助電極および収集電極の他の実施の形態を示す図である。
なお、同図は、噴射手段110と、補助電極180と、収集電極120との関係を示すため、噴射手段110を大きく示しているが、実際は、収集電極120が数メートルの大きさであるのに対し、ロータリーシリンダ114の径は数センチから数十センチである。
同図に示す収集電極120は、平板形状であり、平板の全周に渡って周縁部が噴射孔112から遠ざかるような滑らかな曲面を備える形状となっている。
収集電極120は、不織布製造装置100に対して固定状に配置されており、移動するシート160とは摺擦状態となる。
このような収集電極120とすれば、収集電極120を回転させる必要が無いため、収集電極120の電位を容易に安定させることができ、また、容易に小型化が可能になる。
噴射手段110は、多数の噴射孔112を備えるノズル113が周壁に多数個備えられた円筒形のロータリーシリンダを備えている。
ここで、本実施の形態にかかる噴射手段110について詳細に説明する。
図5(a)は、噴射手段の斜視図、図5(b)は、断面図である。
同図に示すように、噴射手段110は、遠心力により原料液を噴射(流出)する装置であり、ロータリーシリンダ114と、原料液200を貯蔵するタンク115と、タンク115とロータリーシリンダ114とを接続するパイプ111と、パイプ111と兼用される回転軸となるシャフト301と、回転体支持体312と、ベアリング310と、ギア307、308と、回転手段306とを備えている。
ロータリーシリンダ114は、回転体支持体312に対しシャフト311とベアリング310とを介して回転可能に軸支されている。また、ブラシ315を介し電源150により所定の電位に維持される。ロータリーシリンダ114は、回転体支持体312に取り付けられている回転手段306とギア307、308を介して接続されており、回転手段306から付与される駆動力により回転するものとなっている。
また、シャフト301の一方には原料液200流通用のパイプが接続され、タンク115から供給される原料液200をポンプ117で圧送され、シャフト301の周壁に穿設される孔を通ってロータリーシリンダ114内部に原料液200が供給されるものとなっている。このように、シャフト301の周壁に設けられる孔を介して原料液がロータリーシリンダ114に供給されることで、原料液200が軸方向に均等に供給され、均等な量で原料液200を噴射することができるようになっている。
以上のような噴射手段110を採用すれば、比較的大量のナノファイバ200を一度に製造することができ、効率よく不織布210を製造することが可能となる。
また、ロータリーシリンダ114に対し、収集電極120と反対側には、補助電極180としての反射板140が設けられている。
反射板140は、電源150cに接続され、噴射手段110と同一、または、収集電極120よりも噴射手段110に近い電圧が印加されている。また、噴射手段110とは別体となされ、噴射手段110との相対的位置関係を任意に変更できるものとなっている。反射板140は、ロータリーシリンダ114の回転により放射状に噴射される原料液200、又は、製造されるナノファイバ200の内、特に収集電極120に向かって噴射されない原料液200等を電圧によって押し出し、収集電極120に向かわせる金属または合金製の板状体である。
図6は、ロータリーシリンダと反射板との関係を示す断面図である。
同図に示すように、反射板140は、放物線が二つ重なったような形状となされ、ロータリーシリンダ114を囲むように別体として設けられ、ロータリーシリンダ114に電圧を印加する電源150aとは別の電源150cによりロータリーシリンダ114と同極の電圧が印加されている。
以上により、ロータリーシリンダ114から遠心力などにより噴射された原料液200や製造されるナノファイバ200のうち、収集電極120から遠ざかろうとする原料液200等は反射板140に反射し、又は、反射板140と収集電極120とにより形成される電場により押し出される。従って、反射板140は、反射板140の位置とは逆方向、すなわち収集電極120の方向にほぼ全てのナノファイバ200を向かわせることができる。
以上のようにすれば、多量かつ均等にナノファイバ200をシート160の上に堆積させることができ、シート160の幅方向に均一な不織布210を高い効率で製造することが可能となる。
(実施の形態3)
図7は、噴射手段、補助電極、反射板、および収集電極の他の実施の形態を示す図である。
なお、同図は、噴射手段110と、補助電極180と、反射板140と、収集電極120との関係を示すため、噴射手段110を大きく示しているが、実際は、収集電極120の径が数メートルの大きさであるのに対し、縦型シリンダ116の径は数センチである。また、本実施の形態では、補助電極180と反射板140とを明確に区別するために異なる名称で記載しているが、反射板140は、補助電極180の一つである。
同図に示す収集電極120は、球面の一部であり、不織布製造装置100に対して固定状に配置されている。従って、移動するシート160とは摺擦状態となる。
このような収集電極120とすれば、収集電極120を回転させる必要が無いため、収集電極120の電位を容易に安定させることができ、また、容易に小型化が可能になる。
噴射手段110は、多数の噴射孔112を備えるノズル113が周壁に多数個備えられた円筒形の縦型シリンダ116を備えている。当該縦型シリンダ116は、遠心力によりノズルから原料液200がシート160に対し略平行に噴射する。
反射板140は、縦型シリンダ116に対し、収集電極120と反対側に配置されるドーナツ型板状の電極である。反射板140は、縦型シリンダ116と同極性となるように、電源150dにより電圧が印加され、縦型シリンダ116や収集電極120や補助電極180とは独立して電圧が制御されている。また、反射板140は、縦型シリンダ116とともに回転することなく固定状態で維持される。
補助電極180は、収集電極120近傍に円周上に配置されている。補助電極180の先端は尖っており、また、補助電極180の先端は相互に近づく方向に傾いて配置されている。また、補助電極180は、電源150cにより電圧が印加され、縦型シリンダ116や収集電極120や反射板140とは独立して電圧が制御されている。
以上の構成にすると、縦型シリンダ116や、反射板140、補助電極180、収集電極120の空間的位置関係がXY平面上等価となり、電気力線の偏在などを容易に回避することができる。従って、ノズルから略水平に噴射された原料液200は、収集電極120に向かって均等に飛翔し、ナノファイバ200のシート160上における堆積状態の空間的均一性を確保して、均一な不織布210を製造することが可能となる。
なお、収集電極120の形状は上記に限定されるわけではなく、楕円球など任意の曲面を有する収集電極120であってよい。また、平面からなる収集電極120でも構わない。
また、噴射手段110は、図8に示すように、ノズルを千鳥状(またはマトリクス状)に配置した形状を採用しても構わない。
なお、各実施の形態では、噴射手段110に電圧を印加し、収集電極120に、前記ノズルに印加した電圧とは逆極性の電圧を印加する例を示したが、これに限定するものではなく、前記ノズルから噴射された原料液に電荷が帯電されるように、前記噴射手段110と前記収集電極間に電圧差が発生させて、噴射手段110のノズルの噴射孔から噴射される原料液が帯電すればよい。例えば、前記噴射手段110の噴射孔が接地されていて、前記収集電極に電圧が印加されている場合でも、ナノファイバは生成され、各実施の形態は適用することができる。
また、補助電極180についても、各実施の形態では、前記補助電極180に電圧を印加する例を示したが、これに限定するものでなく、前記補助電極と前記収集電極間に電圧差を発生させ、前記噴射孔から噴射した原料液の爆発により生成された帯電したナノファイバの前記収集電極への収集が加速されればよい。例えば、前記噴射手段110の噴射孔が接地されていて、前記収集電極に電圧が印加されている場合で、前記補助電極が接地されている場合において、前記補助電極と前記収集電極間は、電圧差が発生し、その間に電気力線が発生し、生成された電荷を有するナノファイバが前記収集電極に、収集させるのを促進することができる。
本発明は、微小多孔性を利用したフィルタや表面積の広さを利用した触媒の担持体などに適用できる不織布の製造装置などに利用できる。
本発明にかかる不織布製造装置を概略的に示す斜視図である。 噴射手段と補助電極および収集電極の具体例を示す図である。 図2中A−A線で切断した状態を示す断面図である。 噴射手段、補助電極および収集電極の他の実施の形態を示す図である。 (a)は、噴射手段の斜視図、(b)は、断面図である。 ロータリーシリンダと反射板との関係を示す断面図である。 噴射手段、補助電極、反射板、および収集電極の他の実施の形態を示す図である。 他の噴射手段を示す斜視図である。
符号の説明
100 不織布製造装置
110 噴射手段
111 パイプ
112 噴射孔
113 ノズル
114 ロータリーシリンダ
115 タンク
116 縦型シリンダ
117 ポンプ
120 収集電極
140 反射板
150 電源
150a 電源
150b 電源
150c 電源
150d 電源
160 シート
170 移動手段
180 補助電極
200 ナノファイバ
200 原料液
210 不織布
301 シャフト
306 回転手段
307 ギア
310 ベアリング
311 シャフト
312 回転体支持体
315 ブラシ

Claims (8)

  1. ナノファイバ製造用の原料液を噴射する噴射孔を有する噴射手段と、前記噴射孔から噴射され生成されたナノファイバを収集する収集電極と、前記噴射手段と前記収集電極との間に第一の電圧を印加する第一電源とを備えるナノファイバ製造装置であって、
    前記噴射手段とは別体の補助電極と、
    前記補助電極と前記収集電極との間に第二の電圧を印加する第二電源と
    を備えるナノファイバ製造装置。
  2. 前記補助電極は、前記噴射手段と前記収集電極との間に配置される
    請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  3. 前記補助電極は、前記噴射手段から前記収集電極を望む範囲外に配置される
    請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  4. 前記補助電極の先端と前記収集電極との距離は、前記噴射手段と前記収集電極との距離の半分以下である
    請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  5. 前記補助電極は、前記噴射手段、及び、前記収集電極から独立して、印加される電圧が制御可能である
    請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  6. さらに、
    前記収集電極の前記噴射孔側に配置され、製造されたナノファイバを堆積状に保持する被堆積手段と、
    前記被堆積手段を所定方向に移動させる移動手段とを備え、
    前記補助電極は、前記堆積手段の移動方向に対して前記噴射手段よりも前方、及び、後方に配置される
    請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  7. 前記補助電極は、板状であり、前記噴射手段に対し前記収集電極と反対側に配置される
    請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  8. ナノファイバ製造用の原料液を噴射する噴射手段と製造されるナノファイバを収集する収集電極との間に第一の電界を発生させる第一電界発生ステップと、前記電界中に前記原料液を噴射する噴射ステップとを含むナノファイバ製造方法において、
    前記収集電極とは別体の補助電極と前記収集電極との間に第二の電界を発生させる第二電界発生ステップとを含むナノファイバ製造方法。
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