JP2008266673A - 高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】r値が1.5以上で深絞り性に優れ、かつ耐二次加工脆性にも優れるTSが340MPa以上の高強度鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.0005〜0.04%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜3%、P:0.003〜0.15%、S:0.015%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.006%以下、B:0.0003〜0.01%、およびNb:0.003〜0.1%とTi:0.003〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも1種、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、平均r値が1.5以上であり、かつ下記の式(1)で定義されるYが30未満であることを特徴とする高強度鋼板;Y=1500XP-3[B]-1.3X・・・(1)、ただし、XP=[P](1+0.1[Si]+0.2[Mn])で、Xは粒界を挟む2つの結晶方位差が15°以上の高傾角粒界のうち結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率(%)を表し、[M]は元素Mの含有量(質量%、ただし[B]はppm)を表す。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用鋼板などに有用な、深絞り性に優れる引張強度TSが340MPa以上の高強度鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保全の観点から、CO2の排出量を規制するため、自動車の燃費改善が要求されている。加えて、衝突時に乗員の安全を確保するため、自動車車体の衝突特性を中心とした安全性向上も要求されている。このため、自動車車体の軽量化および強化が積極的に進められている。
自動車車体の軽量化と強化を同時に満たすには、剛性が問題にならない範囲で部品素材を高強度化し、その板厚を薄くすることが効果的であると言われており、最近では高強度鋼板が自動車部品に積極的に使用されている。特に、軽量化効果は、使用する鋼板が高強度であるほど大きくなるため、自動車業界では、例えば、内・外板パネル用材料として引張強度TSが340MPa以上の鋼板が使用される動向にある。また、鋼板を素材とする自動車部品の多くはプレス成形によって製造されるため、深絞り性の指標である平均r値(以下、単にr値と呼ぶ)が1.5以上の高強度鋼板が要求されている。
高r値を有しながら高強度化する手段としては、極低炭素鋼にTiやNbを添加して固溶炭素や固溶窒素を固着したIF(Interstitial Free)鋼をベースとして、これにSi、Mn、Pなどの固溶強化元素を添加する手法がある。例えば、特許文献1には、C:0.002〜0.015%、Si:1.2%以下、Mn:0.04〜0.8%、P:0.03〜0.10%を含有し、NbをC×3〜(C×8+0.020)%(ここで、Cは元素Cの含有量を表す)となるように添加し、TSが340〜460MPa、r値が1.7以上、伸びElが36%以上で、しかも非時効性である成形性に優れた高張力冷延鋼板が開示されている。しかし、特許文献1に記載の高張力冷延鋼板では、必ずしも優れた耐二次加工脆性が得られないという問題がある。
特開昭56-139654号公報
本発明は、r値が1.5以上と深絞り性に優れ、かつ耐二次加工脆性にも優れるTSが340MPa以上の高強度鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、P、Si、Mn、B量と焼鈍後の高傾角粒界の存在比率を制御することにより、粒界へのPの偏析を抑制でき、高r値で耐二次加工脆性に優れる高強度鋼板が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、質量%で、C:0.0005〜0.04%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜3%、P:0.003〜0.15%、S:0.015%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.006%以下、B:0.0003〜0.01%、およびNb:0.003〜0.1%とTi:0.003〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも1種、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、平均r値が1.5以上であり、かつ下記の式(1)で定義されるYが30未満であることを特徴とする高強度鋼板を提供する。
Y=1500XP-3[B]-1.3X・・・(1)
ただし、XP=[P](1+0.1[Si]+0.2[Mn])で、Xは粒界を挟む2つの結晶方位差が15°以上の高傾角粒界のうち結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率(%)を表し、[M]は元素Mの含有量(質量%、ただし[B]はppm)を表す。
本発明の高強度鋼板では、上記組成に加えて、さらに、質量%で、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%およびNi:0.05〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有させることが好ましい。
本発明の高強度鋼板は、質量%で、C:0.0005〜0.04%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜3%、P:0.003〜0.15%、S:0.015%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.006%以下、B:0.0003〜0.01%、およびNb:0.003〜0.1%とTi:0.003〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも1種、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱後、800〜950℃の仕上温度で熱間圧延し、熱間圧延後0.5s以内に30℃/s以上の平均冷却速度で鋼板表面温度が400℃以下になるまで冷却した後巻取り、巻取り後の鋼板表面温度が550〜720℃であるように昇温し、次いで50%以上の圧延率で冷間圧延し、400〜700℃の温度範囲を15℃/s以下の平均加熱速度で加熱し、820〜950℃の焼鈍温度で焼鈍することを特徴とする方法により製造できる。
本発明の方法では、上記組成に加えて、さらに、質量%で、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%およびNi:0.05〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有させることが好ましい。
本発明により、r値が1.5以上で深絞り性に優れ、かつ耐二次加工脆性にも優れるTSが340MPa以上の高強度鋼板を安定して製造できるようになった。本発明の高強度鋼板を自動車部品に適用することにより、これまでプレス成形が困難であった部品も高強度化が可能となり、自動車車体の衝突安全性や軽量化に十分寄与できるようになった。また、本発明の高強度鋼板は、自動車部品に限らず家電部品やパイプ素材としても適用可能である。
以下に、本発明の詳細を説明する。なお、以下の「%」は、特に断らない限り「質量%」を表す。
1)成分
C:0.0005〜0.04%
Cは、高強度化に有効であり、340MPa以上のTSを得るにはC量は0.0005%以上とする。C量が0.04%を超えると深絞り性が低下するので、C量の上限は0.04%、好ましくは0.03%とする。
Si:0.01〜1.0%
Siは、固溶強化の効果のほか、フェライト変態を促進させ未変態オーステナイト相中のC含有量を上昇させてフェライト相とマルテンサイト相の複合組織を形成させやすくする効果を有する。上記効果を得るには、Si量は0.01%以上、好ましくは0.05%以上とする。一方、Si量が1.0%を超えると熱間圧延時に赤スケールと呼ばれる表面欠陥が発生し、鋼板の表面外観を悪くし、また、溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっきの濡れ性を悪くしてめっきむらの発生を招く。したがって、Si量は1.0%以下、好ましくは0.7%以下とする。
Mn:0.2〜3%
Mnは、熱延鋼板の組織の微細化を介して高r値化に寄与するとともに、固溶強化および細粒化強化により高強度化にも有効である。また、Mnは、Sによる熱間割れを防止するのに有効な元素である。このような観点から、Mn量は0.2%以上とする。440MPa以上のTSを得るには、Mn量は1.2%以上にすることが好ましい。一方、Mn量が3%を超えるとr値や溶接性を劣化させたり、Pとの共存で耐二次加工脆性を低下させるので、Mn量の上限は3%とする。
P:0.003〜0.15%
Pは、固溶強化の効果を有する。しかし、P量が0.003%未満では、その効果が現れないだけでなく、製鋼時の脱りんコストの上昇を招く。したがって、P量は0.003%以上、好ましくは0.01%以上とする。一方、P量が0.15%を超えると、Pが粒界に偏析して耐2次加工脆性および溶接性を劣化させる。また、溶融亜鉛めっき後の合金化処理時に、Pはめっき層と鋼板の界面におけるFeの拡散を抑制して合金化処理性を劣化させるので、高温での合金化処理が必要となり、パウダリングやチッピングなどのめっき剥離が生じやすくなる。したがって、P量の上限は0.15%とする。
S:0.015%以下
Sは、熱間割れの原因になるほか、鋼中で介在物として存在して鋼板の諸特性を劣化させる。したがって、S量は0.015%以下にする必要があるが、できるだけ低減することが好ましい。
Al:0.005〜0.5%
Alは、鋼の脱酸元素として有用であるほか、固溶NをAlNとして析出させ耐常温時効性を向上させる作用がある。そのため、Al量は0.005%以上とする。一方、Al量が0.5%を超えると合金コスト増や表面欠陥の誘発を招くので、Al量は0.5%以下とする。
N:0.006%以下
Nが多量に存在すると耐常温時効性を劣化させるため、その分多量のAlやTiの添加が必要となる。したがって、N量の上限は0.006%にする必要があるが、できるだけ低減することが好ましい。
B:0.0003〜0.01%
Bは、粒界を強化し、耐二次加工脆性を向上させるのに有効な元素である。そのため、B量は0.0003%以上とする。しかし、B量が0.01%を超えるとその効果は飽和するため、B量は0.01%以下とする。
Nb:0.003〜0.1%とTi:0.003〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも1種
Nbは、熱延鋼板の組織を微細化したり、熱延鋼板中にNbCとして析出して固溶C量を減少させて高r値化に寄与する。このような観点から、Nb量は0.003%以上にする必要がある。一方、過剰のNb添加は延性を低下させることになるので、Nb量の上限は0.1%とする。
Tiも、Nbと同様、熱延鋼板の組織を微細化させ、また熱延鋼板中に炭化物として析出して固溶C量を減少させて高r値化に寄与する。ただし、熱延鋼板の微細化の効果はNbの方が大きいので、Nb添加鋼に対して、適宜Tiを添加するのが好ましい。さらに、Tiは熱間圧延の高温域でS、Nと析出物を形成することで、高r値化など、成形性の向上に寄与する。このような観点から、Ti量は0.003%以上にする必要がある。一方、過剰のTi添加は、Nbと同様、延性を低下させることになるので、Ti量の上限は0.1%とする。
残部はFeおよび不可避的不純物である。ここで、不可避的不純物としては、0.01%以下のSb、0.1%以下のSn、0.01%以下のZn、0.1%以下のCoなどが挙げられる。
また、上記成分組成に加え、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%およびNi:0.05〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも1種を、以下の理由で含有できる。すなわち、Mo、Cu、Niは、Mn、Si、Pと同様に固溶強化により高強度化を促進させるが、延性やr値などへは影響の小さい元素である。特に、MoはCを析出固定させて高r値化に寄与する元素でもある。これらの効果を得る上では、各々0.05%以上含有させることが好ましい。しかしながら、過剰の添加はこれらの効果を飽和させるだけでなく、合金コスト増を招くことから各々上限は0.5%とすることが好ましい。
なお、Ca、REM等を通常の鋼組成範囲内であれば含有しても何ら問題はない。CaおよびREMは硫化物系介在物の形態を制御する作用を有し、これにより鋼板の局部延性などの劣化を防止する。このような効果は、CaとREMのうちから選ばれた少なくとも1種の含有量が合計で0.01%を超えると飽和するので、合計で0.01%以下とすることが好ましい。
2)平均r値が1.5以上
本発明の鋼板は、上記成分組成を満足するとともに、平均r値1.5以上を満足するものである。一方、平均r値は、次に述べる粒界を挟む2つの結晶方位差が15°以上の高傾角粒界の存在比率にも関係する。該高傾角粒界の存在比率を高めて耐二次加工脆性を改善する上では、板面垂直方向に<111>方向が向いていることが有効であり、これはr値が高いことに相当する。すなわち、該高傾角粒界の存在比率を高めて、後述するY<30を満足させる上では、平均r値が1.5以上となるような粒界を形成する必要がある。
3)Y(=1500XP-3[B]-1.3X)<30
粒界を挟む2つの結晶方位差が15°以上の高傾角粒界は<111>軸周りの60°回転であり、ランダムな粒界に比べて粒界での原子配列が規則的であり、粒界エネルギーが低い。ここで、Pなどの粒界偏析などには、この粒界を挟む2つの結晶方位差が15°以上の高傾角粒界のうち、特に結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率Xが重要で、この値が大きいほど耐二次加工性は向上する。
また、XP(=[P](1+0.1[Si]+0.2[Mn]))は、本発者等が耐二次加工性とP、Si、Mn量との関係から求めた回帰式であり、P当量に相当するものであるが、この値が大きいほど耐二次加工性は低下する。
さらに、Bは、上述したように、粒界を強化し、耐二次加工脆性を向上させるので、その量[B]は本発明範囲内で多いほど好ましい。
図1に、これらのパラメータと脆性遷移温度との関係を示したが、Y=1500XP-3[B]-1.3Xが30未満であれば、脆性遷移温度が大きく低下して-40℃以下となり、耐二次加工脆性に優れることがわかる。なお、Yが10以下であれば、脆性遷移温度が-80℃以下となり、より優れた耐二次加工脆性が得られる。ここで、脆性遷移温度は次のようにして求めた。65mm径の円板にブランキング後、33mm径の鋼球を用いてコニカルカップを作成し、これを高さ27mmとなるように耳部を切り落とし試験カップを作製した。試験カップを所定の温度まで冷やした後、5kgの錘を80cmの高さから試験カップに落とし、カップの割れの有無で遷移温度を判定した。そして、3回試験を行い3回とも割れない最低温度を脆性遷移温度とした。
なお、本発明の鋼板は、後述するように冷延鋼板として得ることができ、また、冷延鋼板表面にめっき層を有するめっき鋼板として得ることもできる。すなわち、本発明における鋼板は、冷延鋼板の他、冷延鋼板表面にめっき層を有するめっき鋼板も含む。
4)製造方法
スラブ加熱温度:1000〜1300℃
本発明の製造方法では、まず、上記組成を有する鋼スラブ(以下、単にスラブという)を、熱間圧延に先立ち、加熱する必要がある。このとき、後述する仕上温度を確保するためにスラブ加熱温度は1000℃以上にする必要がある。また、スラブ加熱温度が1300℃を超えると加熱時のTiNや硫化物などの析出物の形成が十分でないばかりか、γ粒の粗大化や、熱エネルギーコストの増加、スケールロスの増大を引き起こすので、スラブ加熱温度は1300℃以下にする必要がある。
このとき、使用するスラブは、成分のマクロ偏析を防止すべく連続鋳造法で製造されることが望ましいが、造塊法で製造されてもよい。連続鋳造法では、薄スラブ鋳造法でもよい。また、スラブを熱間圧延するには、スラブを一旦室温まで冷却、その後再加熱して圧延する従来法に加え、室温まで冷却せず温片のままで加熱炉に装入し圧延する方法などの省エネルギープロセスも適用できる。
熱間圧延の仕上温度FT:800〜950℃
加熱後のスラブは、粗圧延および仕上圧延からなる熱間圧延が施される。スラブは、粗圧延によりシートバーとされるが、粗圧延の条件は、特に規定されず、常法に従って行えばよい。なお、スラブ加熱温度を低くした場合は、圧延時のトラブルを防止するといった観点から、シートバーヒーターを活用してシートバーを加熱することが好ましい。
シートバーは、仕上圧延により熱延鋼板とされる。このとき、FTは800〜950℃とする。これは、FTが800℃未満では、圧延負荷が大きくなり、成分によってはフェライト域圧延になり熱間圧延後の組織が粗大化し、焼鈍後に優れた深絞り性が得られず、950℃を超えると熱延鋼板の組織が粗大化し、焼鈍後に優れた深絞り性が得られないばかりか、スケール欠陥などの表面欠陥を誘発するためである。
また、熱間圧延時の圧延荷重を低減するために、仕上圧延の一部または全部のパス間で潤滑圧延を行うこともできる。潤滑圧延時の摩擦係数は0.10〜0.25の範囲にすることが好ましい。さらに、熱間圧延の操業安定性の観点から、シートバー同士を接合して連続的に仕上圧延する連続圧延プロセスを適用することが好ましい。
熱間圧延後の冷却条件:圧延後0.5s以内に30℃/s以上の平均冷却速度で鋼板表面温度が400℃以下になるまで冷却
本発明においては、再結晶完了前の加工組織を微細化する必要があるが、それには、圧延後0.5s内に冷却を開始する必要がある。また、γ域で未再結晶状態で圧延された組織が回復しないように、30℃/s以上の平均冷却速度で冷却する必要がある。さらに、下記に示すように550〜720℃に昇温した際にNbやTiの炭化物の生成・成長を促進させて焼鈍後に結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率を高めるために、冷却は鋼板表面温度が400℃以下になるまで行う必要がある。
巻取り後の鋼板表面温度:550〜720℃
上記したように、鋼板表面温度が400℃以下になるまで冷却された熱延鋼板は巻取られて鋼板コイルとなる。ここで、熱延鋼板の組織の微細化およびNbCやTiCの析出を図って高r値化するため、巻取り後の鋼板表面温度が550〜720℃であるように昇温する必要がある。昇温は、鋼板自体の復熱や変態発熱により達成してもよく、外部から加熱することによって達成してもよい。すなわち、一旦鋼板表面温度が400℃以下になるまで冷却した後、冷却を停止することで、鋼板自体の持つ熱量により復熱させ、あるいはオーステナイトからフェライト組織へ変態させて発熱させ、鋼板表面を昇温できる。こうした復熱や変態発熱によっても鋼板表面温度を550〜720℃に昇温できない場合は、さらに鋼板コイルを加熱すればよい。加熱手段としては、例えば、鋼板コイルに保熱カバーをかぶせ、該カバーを加熱する方法が挙げられる。なお、鋼板コイルに巻取られた状態では、鋼板の表面と内部との温度は均質化されるため、巻取り後の鋼板表面温度は、鋼板内部の温度と同等であり、鋼板コイル温度として求めることができる。
昇温後の鋼板表面温度が550℃未満だと、炭化物の析出が不十分となり、一方、720℃を超えると、フェライト粒径が粗大となってr値が低下するので、巻取り後の鋼板表面温度は550〜720℃に昇温する必要があるが、600〜680℃に昇温することが好ましい。
圧延率:50%以上
巻取られた熱延鋼板は、スケール除去のため酸洗を行った後、冷間圧延され、冷延鋼板とされる。このとき、冷間圧延の圧延率は、50%未満では{111}再結晶集合組織が発達せず、優れた深絞り性を得ることが困難となるので、50%以上、好ましくは60%以上にする必要がある。一方、本発明では90%までの範囲では圧延率を高くするほどr値が上昇するが、圧延率が90%を超えるとその効果が飽和するばかりでなく、圧延時のロールへの負荷も高まるため、圧延率の上限は90%とすることが好ましい。
焼鈍の加熱条件:400〜700℃の温度範囲を15℃/s以下の平均加熱速度で加熱
その後、冷延鋼板は焼鈍されるが、結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率を高めるには、上述した巻取り時に析出させた粒成長性を支配するNbCやTiCの炭化物と再結晶集合組織を制御する必要がある。そのためには、回復段階から再結晶初期段階である400〜700℃での加熱速度が重要であり、この温度域での加熱速度を15℃/s以下にし、高傾角粒界の存在比率を高める必要がある。
焼鈍温度:820〜950℃
回復段階から再結晶初期段階における加熱速度を制御した後は、820〜950℃の焼鈍で焼鈍する必要がある。これは、焼鈍温度が820℃未満では再結晶後の粒成長が不十分で、結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率を十分に高めることができなく、950℃を超えるとγ単相での焼鈍となって、r値が低下し、結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率も低下するためである。
焼鈍後の冷延鋼板には、電気めっき処理や溶融めっき処理などのめっき処理を施して、鋼板表面にめっき層を形成してもよい。また、めっきの種類については、例えば純亜鉛の他、亜鉛を主成分として合金元素を添加した亜鉛系めっき、あるいは純Alや、Alを主成分として合金元素を添加したAl系めっきなどが適用できる。
例えば、めっき処理として、自動車用鋼板に多く用いられる溶融亜鉛めっき処理を行う場合には、上記焼鈍を連続溶融亜鉛めっきラインにて行い、焼鈍後引き続いて溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を形成すればよい。さらに、合金化処理を行い、合金化溶融亜鉛めっき鋼板としてもよい。
このようにして製造された冷延鋼板、さらにはめっき処理を施しためっき鋼板には、形状矯正、表面粗度調整等の目的で調質圧延またはレベラー加工を施すこともできる。この調質圧延またはレベラー加工の伸び率は0.2〜15%の範囲とすることが好ましい。0.2%未満では形状矯正、表面粗度調整の目的が達成できず、15%を超えると顕著な延性の低下を招く。なお、より好ましくは2%以下である。調質圧延とレベラー加工では加工形式が相違するが、その効果は両者で大きな差がないことを確認している。そして、これらの調質圧延およびレベラー加工はめっき処理後でも有効である。
表1に示す組成の鋼A〜Lを転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。これらスラブを1250℃に加熱後、粗圧延してシートバーとし、次いで表2に示す熱延条件で熱延鋼板とした。なお、表2に示す鋼板コイル温度は、熱間圧延後巻取った鋼板コイルに保熱カバーをかぶせた上で、加熱することにより達成した。これらの熱延鋼板を酸洗後圧延率65%で冷間圧延して冷延鋼板(板厚:1.2mm)とし、引き続き、連続焼鈍ラインにて表2に示す焼鈍条件で焼鈍を行い、伸び率0.5%の調質圧延を施して鋼板No.1〜26の試料を作製した。なお、鋼板No.2は、連続溶融亜鉛めっきラインにて連続焼鈍を施し、その後引き続きインラインで溶融亜鉛めっき(めっき浴温:480℃)を施した溶融亜鉛めっき鋼板である。そして、得られた試料について、引張特性値、r値、耐二次加工脆性、結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率の測定、評価を以下の方法で行った。
引張特性:試料から圧延方向に対して90°方向にJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠してクロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、降伏強度YS、TS、伸びElを求めた。
r値:試料から圧延方向、圧延方向に対し45°方向、圧延方向に対し90°方向からJIS5号引張試験片を採取し、10%の単軸引張歪を付与した時の各試験片の幅歪と板厚歪を測定し、JIS Z 2254の規定に準拠して平均のr値(平均塑性歪比)を次の式から算出し、深絞り性を評価した。
r値=(r0+2r45+r90)/4
ここで、r0、r45、r90は、それぞれ圧延方向に対し0°、45°、90°方向から採取した試験片で測定した塑性歪比である。
耐二次加工脆性:65mm径の円板にブランキング後、33mm径の鋼球を用いてコニカルカップを作成し、これを高さ27mmとなるように耳部を切り落とし試験カップを作製した。試験カップを所定の温度まで冷やした後、5kgの錘を80cmの高さから試験カップに落とし、カップの割れの有無で遷移温度を判定した。そして、3回試験を行い3回とも割れない最低温度を脆性遷移温度とし、耐二次加工脆性を評価した。
結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率X:EBSD(Electron Back-Scatter Diffraction)にて、500μm×500μmの視野を3視野測定し、粒界を挟む2つの結晶方位差を解析し、結晶方位差が15°以上の粒界のうち、結晶方位差が50°以上の粒界の割合を算出した。
結果を表2に示す。本発明例では、いずれもTSが340MPa以上、r値が1.5以上で、脆性遷移温度も-40℃以下で低く耐二次工脆性が優れていることがわかる。
Figure 2008266673
Figure 2008266673
Yと脆性遷移温度の関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.0005〜0.04%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜3%、P:0.003〜0.15%、S:0.015%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.006%以下、B:0.0003〜0.01%、およびNb:0.003〜0.1%とTi:0.003〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも1種、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、平均r値が1.5以上であり、かつ下記の式(1)で定義されるYが30未満であることを特徴とする高強度鋼板;
    Y=1500XP-3[B]-1.3X・・・(1)
    ここで、XP=[P](1+0.1[Si]+0.2[Mn])で、Xは粒界を挟む2つの結晶方位差が15°以上の高傾角粒界のうち結晶方位差が50°以上の高傾角粒界の存在比率(%)を表し、[M]は元素Mの含有量(質量%、ただし[B]はppm)を表す。
  2. 上記組成に加えて、さらに、質量%で、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%およびNi:0.05〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度鋼板。
  3. 質量%で、C:0.0005〜0.04%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜3%、P:0.003〜0.15%、S:0.015%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.006%以下、B:0.0003〜0.01%、およびNb:0.003〜0.1%とTi:0.003〜0.1%のうちから選ばれた少なくとも1種、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱後、800〜950℃の仕上温度で熱間圧延し、熱間圧延後0.5s以内に30℃/s以上の平均冷却速度で鋼板表面温度が400℃以下になるまで冷却した後巻取り、巻取り後の鋼板表面温度が550〜720℃であるように昇温し、次いで50%以上の圧延率で冷間圧延し、400〜700℃の温度範囲を15℃/s以下の平均加熱速度で加熱し、820〜950℃の焼鈍温度で焼鈍することを特徴とする高強度鋼板の製造方法。
  4. 上記鋼スラブが、上記組成に加えて、さらに、質量%で、Mo:0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%およびNi:0.05〜0.5%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項3に記載の高強度鋼板の製造方法。
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