JP2008266385A - 蛍光体及びその製造方法、並びにそれを用いた発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の蛍光体よりもさらに高い輝度を示し、化学的安定性、温度特性並びに発光スペクトルの半値巾が広い、黄色に発光するシリコン酸窒化物蛍光体および製造方法ならびにそれを用いた発光装置を提供する。
【解決手段】一般式Mで表される蛍光体であって(M元素は付活剤であり、A元素はII価の価数をとる元素であり、B元素はIV価の価数をとる元素であり、Oは酸素であり、Nは窒素である。)、
0.00001≦a≦0.05・・・(1)
0.08≦a+b≦0.19・・・(2)
0.28≦c≦0.36・・・(3)
0.08≦d≦0.19・・・(4)
0.36≦e≦0.48・・・(5)
a+b+c+d+e=1・・・(6)
であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、無機化合物を主体とする蛍光体とその用途に関する。さらに詳細には、該用途は、該蛍光体の有する性質、すなわち550nm以上の長波長の蛍光を発光する特性を利用した照明装置、表示装置等の発光装置に関する。
蛍光体は、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)、白色発光ダイオード(LED)などに用いられている。これらのいずれの用途においても、蛍光体を発光させるためには、蛍光体を励起するためのエネルギーを蛍光体に供給する必要があり、蛍光体は真空紫外線、紫外線、電子線、青色光などの高いエネルギーを有した励起源により励起されて、可視光線を発する。
しかしながら、蛍光体は前記のような励起源に曝される結果、蛍光体の輝度が低下するという問題があり、輝度低下のない蛍光体が求められている。そのため、従来のケイ酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、硫化物蛍光体などの蛍光体に代わり、輝度低下の少ない蛍光体として、サイアロン蛍光体が提案されている。
このサイアロン蛍光体は、概略以下に述べるような製造プロセスによって製造される。まず、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、炭酸カルシウム(CaC0)、酸化ユーロピウム(Eu)、を所定のモル比に混合し、1気圧(0.1MPa)の窒素中において1700℃の温度で1時間保持してホットプレス法により焼成して製造される(例えば、特許文献1参照)。このプロセスで得られるEuイオンを固溶したαサイアロンは、450から500nmの青色光で励起されて550から600nmの黄色の光を発する蛍光体となることが報告されている。しかしながら、さらに高い輝度を示す蛍光体が求められていた。
II価の元素、IV価の元素、酸素、窒素とからなる蛍光体として、例えば、特許文献2には、ASi(AはII価の元素)と同一の結晶構造を持つ蛍光体が記載されている。
II価の元素、IV価の元素、酸素、窒素とからなる蛍光体として、例えば、特許文献3には、MSi(MはII価の元素)からなる蛍光体が記載されている。この蛍光体は、M元素をCaとした場合は黄色の発光を、Srとした場合は黄緑色の発光を、Baとした場合は青緑色の発光を示す。
別のサイアロン、窒化物、または酸窒化物蛍光体として、例えば、特許文献4には、MSi、MSi、MSi11、MSi1123、M16Si1532、M13Si18Al121836、MSiAlON、MSiAlON10(ただし、MはBa、Ca、Sr、または希土類元素)を母体結晶として、これにEuやCeを付活した蛍光体が記載されており、これらの中には黄色に発光する蛍光体も記載されている。また、これらの蛍光体を用いたLED照明ユニツトが知られている。
また、特許文献5には、SrSiやSrSi10結晶にCeを付活した蛍光体が報告されている。
照明装置の従来技術として、青色発光ダイオード素子と青色吸収黄色発光蛍光体との組み合わせによる白色発光ダイオードが公知であり、各種照明用途に実用化されている。その代表例としては、特許第2900928号「発光ダイオード」(特許文献6)、特許第2927279号(特許文献7)「発光ダイオード」、特許第3364229号(特許文献8)「波長変換注型材料及びその製造方法並びに発光素子」などが例示される。
これらの発光ダイオードで、特によく用いられている蛍光体は一般式(Y、Gd)(Al、Ga)12:Ce3+で表わされる、セリウムで付活したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体である。
このような照明装置は、例えば、特許文献9、特許文献10などに記載されているような公知の方法により製造することができる。
特開2002−363554号公報 特開2006−206729号公報 特開2004−277547号公報 特開2003−206481号公報 特開2002−322474号公報 特許第2900928号公報 特許第2927279号公報 特許第3364229号公報 特開平5−152609号公報 特開平7−99345号公報
しかしながら、特許文献2に記載の蛍光体は、橙色〜赤色に発光するため、青色LEDと蛍光体との組み合わせで白色LEDを作製する場合は、更に、緑色若しくは黄色に発光する蛍光体を組み合わせて使用する必要がある。また、紫外LEDとの蛍光体との組み合わせで白色LEDを作製する場合は、更に、青色に発光する蛍光体と緑色若しくは黄色に発光する蛍光体とを組み合わせて使用する必要がある。
何れの場合も、使用する蛍光体種が増えることから、十分に高い白色LEDの発光効率が得られず、また、蛍光体種の化学的安定性あるいは励起光による劣化特性の違いから、長期にわたる色調の安定性にも難点があった。
また、特許文献3に記載のMSi蛍光体は、M元素が層状に配列した結晶構造を有するため、化学的安定性に乏しく、白色LEDとした場合、長期にわたる使用に耐えない、といった問題、励起エネルギーの回遊が顕著となり、温度上昇に伴う発光強度の低下が生じ、高輝度の白色LEDとした場合、LEDチップの発熱に起因して輝度が低下する、といった問題があった。更に、MSi蛍光体の発光スペクトルは、半値巾が小さいため、高い演色性を求められる用途に用いられる白色LEDとしては不適であった。
M元素をCaとした場合は、十分に高い輝度を得ることが出来ず、青色LEDと蛍光体との組み合わせで白色LEDを作製する場合に必要な蛍光体量が多いため、結果的に十分に高い白色LEDの発光効率が得られない、といった問題があった。M元素をSrあるいはBaとした場合は、青色LEDと蛍光体の組み合わせで白色LEDを作製するためには、更に、橙〜赤色に発光する蛍光体を組み合わせて使用する必要があり、特許文献2に記載の蛍光体の場合と同様に、使用する蛍光体種が増えることから、十分に高い白色LEDの発光効率が得られず、また、蛍光体種の化学的安定性あるいは励起光による劣化特性の違いから、長期にわたる色調の安定性にも難点があった。
また、特許文献4、5に記載された蛍光体も、発光強度が必ずしも十分とは言えず、更に高い輝度を示す蛍光体の開発が求められていた。
また、照明などの発光装置についても、青色発光ダイオード素子とイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体とから或る白色発光ダイオードは赤色成分の不足から青白い発光となる特徴を有し、演色性に偏りがみられるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の蛍光体よりもさらに高い輝度を示し、化学的安定性、温度特性並びに発光スペクトルの半値巾が広い、黄色に発光するシリコン酸窒化物蛍光体および製造方法ならびにそれを用いた発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、M,A,B,O,N(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)を含有する蛍光体について、特定の組成範囲を有するものは、従来のサイアロン蛍光体よりも高い輝度の黄色発光を示すことを見出した。
この知見についてさらに研究を進めた結果、以下に示す本発明を完成するに至った。
[1]一般式Mで表される蛍光体であって(M元素は付活剤であり、A元素はII価の価数をとる元素であり、B元素はIV価の価数をとる元素であり、Oは酸素であり、Nは窒素である。)、
0.00001≦a≦0.05・・・(1)
0.08≦a+b≦0.19・・・(2)
0.28≦c≦0.36・・・(3)
0.08≦d≦0.19・・・(4)
0.36≦e≦0.48・・・(5)
a+b+c+d+e=1・・・(6)
であることを特徴とする蛍光体。
[2]前記M元素はMn,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる一種以上の元素であり、前記A元素はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,II価の原子価をとる希土類元素から選ばれる1種以上の元素であり、前記B元素はC,Si,Ge,Sn,Ti,Hf,Mo,W,Cr,Pb,Zrから選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする[1]に記載の蛍光体。
[3]前記蛍光体は、平均粒径0.1μm以上50μm以下の粉体であることを特徴とする[1]または[2]に記載の蛍光体。
[4]焼成することにより、M、A、B、O、N元素からなる組成物(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)を構成しうる原料混合物を、0.1MPa以上1OOMPa以下の圧力の窒素雰囲気中において1500℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
[5]前記組成物において、前記M元素はMn,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる1種以上の元素であり、前記A元素はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,II価の原子価をとる希土類元素から選ばれる一種以上の元素であり、前記B元素はC,Si,Ge,Sn,Ti,Hf,Mo,W,Cr,Pb,Zrから選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする[4」に記載の蛍光体の製造方法。
[6]前記原料混合物を、炭素若しくは炭素含有化合物の共存下で焼成することを特徴とする[4]または[5]に記載の蛍光体の製造方法。
[7]原料混合物が、種子として予め合成した目的とする蛍光体粉末を添加してある混合物であることを特徴とする[4]〜[6]に記載の蛍光体の製造法。
[8]発光光源と蛍光体から構成される発光装置であって、少なくとも[1]〜[3]のいずれかに記載の蛍光体を用いることを特徴とする発光装置。
[9]前記発光光源が、330〜500nmの波長の光を発するLED、無機EL、有機ELのいずれかであることを特徴とする[8]に記載の発光装置。
からなる。
本発明の蛍光体によれば、一般式Mで表される蛍光体であって(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)、
0.00001≦a≦0.05・・・(1)
0.08≦a+b≦0.19・・・(2)
0.28≦c≦0.36・・・(3)
0.08≦d≦0.19・・・(4)
0.36≦e≦0.48・・・(5)
a+b+c+d+e=1・・・(6)
であることで、aの値が示す付活剤M元素の添加量と、bの値が示すII価の価数をとるA元素の含有量と、cの値が示すIV価の価数をとるB元素の含有量と、dの値が示す酸素原子の含有量と、eの値が示す窒素原子の含有量とが、それぞれ効果的に配合され、十分に高い黄色の発光強度が得られる。
また、本発明の蛍光体は、平均粒径0.1μm以上50μm以下の粉体であることで、表面欠陥の影響がなく、励起光の吸収が十分であり、黄色の発光が高い強度で得られる。
本発明の蛍光体の製造方法によれば、焼成することにより、M、A、B、O、N元素からなる組成物(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)を構成しうる原料混合物を、0.1MPa以上1OOMPa以下の圧力の窒素雰囲気中において1500℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成することで、十分な圧力により原料化合物の揮散や組成のずれがなく、十分な温度により時間効率がよく、また原料も溶融もせずに、黄色の発光強度の高い蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体の製造方法によれば、前記原料混合物を、炭素若しくは炭素含有化合物の共存下で焼成することで、原料混合物が還元性雰囲気と接するため、特に酸素含有量が多い原料化合物を用いた場合には、高輝度の蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体の製造方法によれば、原料混合物が、種子として予め合成した目的とする蛍光体粉末を添加してある混合物であることで、合成反応が促進されるため、低温での合成が可能となったり、より結晶度の高い蛍光体が得られることから、発光強度が向上したりする。
本発明の発光装置によれば、発光光源と蛍光体から構成される発光装置であって、少なくとも本発明の蛍光体を用いることで、十分に高い輝度と演色性を有する発光装置とすることが出来る。
また、本発明の発光装置は、前記発光光源が、330〜500nmの波長の光を発するLED、無機EL、有機ELのいずれかであることで、本発明の蛍光体を励起させ、より高い輝度と演色性を有する発光装置とすることが出来る。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
<蛍光体>
本発明の蛍光体は、M,A,B,O,N(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)の元素から構成される。
その組成は、一般式Mで表される。一般式とは、その物質を構成する原子数の比であり、a,b,c,d,eに任意の数をかけたものも同一の組成である。
したがって、本発明では、a+b+c+d+e=1となるようにa,b,c,d,eを計算しなおしたものに対して、以下の数式(1)〜(6)に示す条件を決める。
即ち、本発明では、a,b,c,d,eの値は、
0.00001≦a≦0.05・・・(1)
0.08≦a+b≦0.19・・・(2)
0.28≦c≦0.36・・・(3)
0.08≦d≦0.19・・・(4)
0.36≦e≦0.48・・・(5)
a+b+c+d+e=1・・・(6)
の条件を全て満たす値から選ばれる。
数式(1)について、aの値は付活剤の添加量であり、0.00001以上0.05以下である。aの値が0.00001より小さいと、発光中心となる付活剤の量が少なすぎるため、黄色の発光強度が低く、0.05より大きいと、濃度消光のため黄色の発光強度が低下するため、何れも好ましくない。
数式(2)について、bの値は、II価の価数をとる元素の含有量であり、0.08≦a+b≦0.19の範囲が好ましい。この範囲からはずれると、黄色の発光強度が低下する。bの値のさらに好ましい範囲は、0.10≦a+b≦0.15であり、この範囲内であれば、十分に高い黄色の発光強度が得られる。
数式(3)について、cの値は、IV価の価数をとる元素の含有量であり、0.28≦c≦0.36の範囲が好ましい。この範囲からはずれると、黄色の発光強度が低下する。cの値のさらに好ましい範囲は、0.30≦c≦0.34であり、この範囲内であれば、十分に高い黄色の発光強度が得られる。
数式(4)について、dの値は、酸素原子の含有量であり、0.08≦d≦0.19の範囲が好ましい。この範囲からはずれると、黄色の発光強度が低下する。dの値のさらに好ましい範囲は、0.10≦d≦0.15であり、この範囲内であれば、十分に高い黄色の発光強度が得られる。
数式(5)について、eの値は、窒素原子の含有量であり、0.36≦e≦0.48の範囲が好ましい。この範囲からはずれると、黄色の発光強度が低下する。eの値のさらに好ましい範囲は、0.40≦e≦0.46であり、この範囲内であれば、十分に高い黄色の発光強度が得られる。
M元素はMn,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる一種以上の元素であることが好ましく、A元素はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,II価の原子価をとる希土類元素から選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、B元素はC,Si,Ge,Sn,Ti,Hf,Mo,W,Cr,Pb,Zrから選ばれる1種以上の元素であることが好ましい。
より好ましくは、M元素としてはEuであり、A元素としてはCa,Sr,Baから選ばれる1種以上の元素であり、B元素としてはSiである。
本発明の蛍光体の平均粒径は、0.1μm以上50μm以下の範囲にあることが好ましい。平均粒径が0.1μmより小さいと表面欠陥の影響が顕著となり、黄色の発光強度が低下し、50μmより大きいと励起光の吸収が不十分となり、黄色の発光が低下するため、何れも好ましくない。
本発明の蛍光体が、[1]ないし[2]に記載の蛍光体組成物と他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成される場合は、[1]ないし[2]に記載の蛍光体組成物の含有量が1O質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上含有されていることが好ましい。[1]ないし[2]に記載の蛍光体組成物の含有量が1O質量%より少ないと、十分に高い黄色の発光強度が得られないため好ましくない。
本発明の蛍光体を電子線で励起する用途に使用する場合は、導電性を持つ無機物質を混合することにより蛍光体に導電性を付与することができる。導電性を持つ無機物質としては、Zn、AI、Ga、ln、Snから選ばれる1種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
本発明の蛍光体は黄色に発色するが、赤色、緑色、青色などの他の色との混合が必要な場合は、必要に応じてこれらの色を発色する無機蛍光体や蛍光染料を混合することができる。
以上のようにして得られる本発明の蛍光体は、通常の酸化物蛍光体や既存のサイアロン蛍光体と比べて、電子線やX線、および紫外線から可視光の幅広い励起範囲を持ち、特に特定の組成では560nmから610nmの黄色〜橙色を呈することが特徴である。以上の発光特性により、照明器具、表示器具、画像表示装置、顔料、紫外線吸収剤等の発光器具等に好適である。これに加えて、高温にさらしても劣化しないことから耐熱性に優れており、酸化雰囲気および水分環境下での長期間の安定性にも優れている。
本発明の蛍光体は、製造方法を規定しないが、下記の方法で輝度が高い蛍光体を製造することができる。
<蛍光体の製造方法>
本発明の蛍光体の製造方法は、焼成することにより、M、A、B、O、N元素からなる組成物(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)を構成しうる原料混合物を、0.1MPa以上1OOMPa以下の圧力の窒素雰囲気中において1500℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成することで、黄色の発光強度の高い蛍光体を得ることができる。
この組成物において、M元素はMn,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、A元素はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,II価の原子価をとる希土類元素から選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、B元素はC,Si,Ge,Sn,Ti,Hf,Mo,W,Cr,Pb,Zrから選ばれる1種以上の元素であることが好ましい。
原料としては、Mの金属、珪化物、酸化物、炭酸塩、窒化物、酸窒化物、塩化物、フッ化物、酸フッ化物、水酸化物、蓚酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機金属化合物あるいは加熱により酸化物、窒化物、酸窒化物を形成する化合物あるいは複化合物と、Aの金属、珪化物、酸化物、炭酸塩、窒化物、酸窒化物、塩化物、フッ化物、酸フッ化物、水酸化物、蓚酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機金属化合物あるいは加熱により酸化物、窒化物、酸窒化物を形成する化合物あるいは複化合物と、Bの金属、珪化物、酸化物、炭酸塩、窒化物、酸窒化物、塩化物、フッ化物、酸フッ化物、水酸化物、蓚酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機金属化合物あるいは加熱により酸化物、窒化物、酸窒化物を形成する化合物あるいは複化合物から選ばれる。
このうち、Mの原料化合物として好ましいのは酸化物、窒化物であり、Aの原料化合物として好ましいのは、炭酸塩、窒化物、珪化物であり、Bの原料化合物として好ましいのは、窒化物、酸化物、珪化物である。
焼成は、0.1MPa以上1OOMPa以下の圧力の窒素雰囲気中において行う。窒素雰囲気圧力が0.1MPaより小さいと、原料化合物の揮散が顕著となり、組成のずれを生じ、黄色の発光強度が低下する。一方、窒素雰囲気圧力が1OOMPaより大きくても、原料化合物の揮散を抑制する効果は変わらないため、不経済であり、何れも好ましくない。
焼成温度は、1500℃以上2200℃以下の範囲で行なう。焼成温度が1500℃より低いと本発明の蛍光体を得るのに長時間を要し、2200℃より高いと、原料の溶融が始まるため、何れも好ましくない。
発光輝度が高い蛍光体を得るには、不純物の含有量は極力少ない方が好ましい。特に、Fe、Co、Ni不純物元素が多く含まれると発光が阻害されるので、これらの元素の合計が500ppm以下となるように、原料粉末の選定および合成工程の制御を行うとよい。
また、炭素若しくは炭素含有化合物の共存下で焼成すると、原料混合物が還元性雰囲気と接するため、特に酸素含有量が多い原料化合物を用いた場合には、高輝度の蛍光体が得られるため好ましい。
ここで用いられる炭素若しくは炭素含有化合物は、無定形炭素、黒鉛、炭化珪素等であればよく、特に限定されないが、好ましくは無定形炭素、黒鉛等である。カーボンブラック、黒鉛粉末、活性炭、炭化珪素粉末等及びこれらの成型加工品、焼結体等が例示可能だが、何れも同様の効果を得ることが出来る。
共存の態様としては、粉末状炭素を原料混合物中に含有させる場合、炭素若しくは炭素含有化合物からなる容器を用いる場合、炭素或いは炭素含有化合物以外の材質からなる容器の内部あるいは外部に配置する場合、炭素若しくは炭素含有化合物からなる発熱体や断熱体として用いる場合等があるが、何れの配置方法を採用しても同様の効果を得ることが出来る。
本発明において、特に、Euを付活剤として含有する蛍光体を合成する場合は、ユーロピウム原料として、窒化ユーロピウムまたは酸化ユーロピウムを混合物の出発原料とするのがよい。酸化ユーロピウムは、焼成過程で2価に還元される。また、一般に窒化物原料には通常不純物の酸素が含まれているが、この酸素あるいは酸化ユーロピウムが含有する酸素は、蛍光体の不純物あるいは他の結晶相の構成元素となる。更に、原料混合物が、炭素あるいは炭素含有化合物の共存下で焼成される場合は、酸化ユーロピウムが強く還元され、酸素量は低減される。
本発明の蛍光体中において、ユーロピウムはプラス2価の場合に良好な発光を示す。原料として用いる酸化ユーロピウムは3価であるため、焼成過程で還元する必要がある。2価と3価の割合は、2価が多いほど良く、全ユーロピウムに占める2価の割合は、50%以上であることが好ましい。更に好ましくは、80%以上である。本発明の蛍光体において、ユーロピウムは2価のアルカリ土類金属のサイトを置き換えて添加されるため、3価のユーロピウムが残留すると電荷のバランスが崩れ、発光強度の低下をもたらす。尚、ユーロピウムの2価と3価の割合は、メスバウアー分光法により分析することができる。
上記の原料化合物の混合粉末は、嵩密度40%以下の充填率に保持した状態で焼成するとよい。嵩密度とは粉末の体積充填率であり、一定容器に充填したときの質量と体積の比を金属化合物の理論密度で割った値である。容器の材質としては、アルミナ、カルシア、マグネシア、黒鉛或いは窒化硼素を使用することが出来るが、金属化合物との反応性が低いことから、窒化ホウ素焼結体が適している。
嵩密度を40%以下の状態に保持したまま焼成するのは、原料粉末の周りに自由な空間がある状態で焼成すると、反応生成物が自由な空間に結晶成長することにより結晶同士の接触が少なくなるため、表面欠陥が少ない結晶を合成することが出来るためである。
原料混合物の充填量は、嵩密度40%以下の充填率を保持した状態で、使用する容器の20体積%以上であることが好ましい。
原料混合物の充填量を、使用する容器の20体積%以上として焼成するのは、原料混合物に含まれる揮発性成分の揮散が抑制され、焼成過程での組成のずれが抑制されるためである。
焼成に用いる炉は、焼成温度が高温であり焼成雰囲気が窒素を含有する不活性雰囲気であることから、金属抵抗加熱方式または黒鉛抵抗加熱方式であり、炉の高温部の材料として炭素を用いた電気炉が好適である。焼成の手法は、常圧焼結法やガス圧焼結法などの外部から機械的な加圧を施さない焼結手法が、嵩密度を低く保ったまま焼成するために好ましい。
焼成して得られた粉体凝集体が固く固着している場合は、例えばボールミル、ジェットミル等の工場的に通常用いられる粉砕機により粉砕する。粉砕は平均粒径50μm以下となるまで施す。
また、焼成後の蛍光体粉末、あるいは粉砕処理後の蛍光体粉末、もしくは粒度調整後の蛍光体粉末を、1000℃以上の温度で熱処理すると粉砕時などに導入された欠陥が減少して輝度が向上する。
さらに、焼成後に生成物を水または酸の水溶液からなる溶剤で洗浄することにより、生成物に含まれるガラス相、第二相、または不純物相の含有量を低減させることができ、輝度が向上する。この場合、酸は、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、有機酸の単体または混合物から選ぶことができ、なかでもフッ化水素酸と硫酸の混合物を用いると不純物の除去効果が大きい。
必要に応じて予め合成した蛍光体粉末を、種子として添加し、原料化合物と共に混合しても良い。種子の添加量は、蛍光体原料100質量部に対し、1〜50質量部の範囲である。種子の添加を行うと合成反応が促進されるため、低温での合成が可能となったり、より結晶度の高い蛍光体が得られることから、発光強度が向上したりする。
本発明の蛍光体が、[1]ないし[2]に記載の蛍光体組成物と他の結晶相あるいはアモルファス相との混合物から構成される場合は、[1]ないし[2]に記載の蛍光体組成物の含有量が1O質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上含有されていることが好ましい。[1]ないし[2]に記載の蛍光体組成物の含有量が1O質量%より少ないと、十分に高い黄色の発光強度が得られないため好ましくない。
本発明の蛍光体を電子線で励起する用途に使用する場合は、導電性を持つ無機物質を混合することにより蛍光体に導電性を付与することができる。導電性を持つ無機物質としては、Zn、AI、Ga、ln、Snから選ばれる1種または2種以上の元素を含む酸化物、酸窒化物、または窒化物、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
本発明の蛍光体は黄色に発色するが、赤色、緑色、青色などの他の色との混合が必要な場合は、必要に応じてこれらの色を発色する無機蛍光体や蛍光染料を混合することができる。
<発光装置>
本発明の発光装置は、少なくとも発光光源と本発明の蛍光体を用いて構成される。照明装置としては、LED照明装置、EL照明装置、蛍光ランプなどがある。
LED照明装置では、本発明の蛍光体を用いて、特開平5−152609、特開平7−99345などに記載されているような公知の方法により製造することができる。
「第一の実施形態」
本発明の照明器具の第一の実施形態として、図3に示すような、砲弾型白色発光ダイオードランプ(LED照明器具)1について説明する。
砲弾型白色発光ダイオードランプ1は、第一のリードワイヤ2と、第二のリードワイヤ3とを備え、第一のリードワイヤ2は凹部2aを有し、その凹部2aに青色発光ダイオード素子4が蔵置されている。青色発光ダイオード素子4は、下部電極4aが凹部2aの底面と導電性ペーストによって電気的に接続されており、上部電極4bが第二のリードワイヤ3とボンディングワイヤ(金細線)5によって電気的に接続されている。
第一の樹脂6は蛍光体7が分散している透明な樹脂であり、青色発光ダイオード素子4の全体を被覆している。凹部2aを含む第一のリードワイヤ2の先端部2b、青色発光ダイオード素子4、蛍光体7を分散した第一の樹脂6は、透明な第二の樹脂8によって封止されている。
第二の樹脂8は全体が略円柱形状であり、その先端部がレンズ形状の曲面となっているため、砲弾型と通称されている。第一の樹脂6と第二の樹脂8の材質は、エポキシ樹脂が好ましいが、シリコーン樹脂等の他の樹脂あるいはガラス等の透明材料であっても良い。できるだけ紫外線光による劣化の少ない材料を選定することが好ましい。
また、同じ樹脂を用いても良いし、異なる樹脂を用いても良いが、製造の容易さや接着性の良さなどから、同じ樹脂を用いるほうが好ましい。
このように構成することで、青色発光ダイオード素子4が発する光により、蛍光体7が励起されて発光する発光装置となる。
「第二の実施形態」
本発明の照明器具の第二の実施形態として、図4に示すような、基板実装用チップ型白色発光ダイオードランプ(LED照明器具)11について説明する。
基板実装用チップ型白色発光ダイオードランプ11は、可視光線反射率の高い白色のアルミナセラミックスを用いたセラミックス基板19に、第三のリードワイヤ12と、第四のリードワイヤ13が固定されており、それらの端12a、端13aは基板のほぼ中央部に位置し、反対側の端12b、端13bはそれぞれ外部に出ていて電気基板への実装時にはんだ付けされる電極となっている。
第三のリードワイヤ12の端12aは、基板中央部となるように青色発光ダイオード素子ダイオード素子14が蔵置され固定されている。青色発光ダイオード素子14の下部電極14aと第三のリードワイヤ12とは導電性ペーストによって電気的に接続されており、上部電極14bと第四のリードワイヤ13とがボンディングワイヤ(金細線)15によって電気的に接続されている。
第三の樹脂16は、蛍光体17が分散している透明な樹脂であり、青色発光ダイオード素子14の全体を被覆している。また、セラミックス基板19上には壁面部材20が固定されていて、壁面部材20の中央部には椀状の穴20aが形成されている。
穴20aは、青色発光ダイオード素子14及び蛍光体混合物17を分散させた第三の樹脂16をおさめるものであり、中央に面した部分は斜面20bとなっている。この斜面20bは光を前方に取り出すための反射面であって、その斜面20bの曲面形は光の反射方向を考慮して決定される。また、少なくとも反射面を構成する斜面20bは、白色または金属光沢を持った可視光線反射率の高い面となっている。
壁面部材20は、例えば白色のシリコーン樹脂など形成されていればよく、中央部の穴20aは、チップ型発光ダイオードランプの最終形状としては凹部を形成するが、ここには青色発光ダイオード素子14及び蛍光体17を分散させた第三の樹脂16のすべてを封止するようにして透明な第四の樹脂18を充填している。
第三の樹脂16と第四の樹脂18の材質は、エポキシ樹脂が好ましいが、シリコーン樹脂等の他の樹脂あるいはガラス等の透明材料であっても良い。できるだけ紫外線光による劣化の少ない材料を選定することが好ましい。
また、同じ樹脂を用いても良いし、異なる樹脂を用いても良いが、製造の容易さや接着性の良さなどから、同じ樹脂を用いるほうが好ましい。
このように構成することで、青色発光ダイオード素子14が発する光により、蛍光体17が励起されて発光する発光装置となる。
以下、第一の実施形態および第ニの実施形態ともに共通な構成について説明する。
発光光源(青色発光ダイオード素子4、14)は330〜500nmの波長の光を発するものが望ましく、中でも330〜420nmの紫外(または紫)LED発光素子または420〜500nmの青色LED発光素子が好ましい。
発光素子がEL素子である場合も、発光スペクトルが330nmから500nmに発光可能なものであれば際限なく使用可能であり、したがって無機、有機何れのEL素子も使用可能である。
発光素子は、発光スペクトルが330nmから500nmに発光可能なものであれば際限なく使用可能であるが、LEDの場合、効率の点からは窒化ガリウム系化合物半導体が好ましく用いられる。LED発光素子はMOCVD法やHVPE法等により基板上に窒化物系化合物半導体を形成させて得られ、好ましくはInαAlβGa1−α―βN(但し、0≦α、0≦β、α+β≦1)を発光層として形成させる。
半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルヘテロ構造のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
発光素子がEL素子である場合も、発光スペクトルが250nmから500nmに発光可能なものであれば際限なく使用可能であり、したがって無機、有機何れのEL素子も使用可能である。
発光素子が無機ELである場合、薄膜型、分散型更に直流駆動型、交流駆動型の何れであっても差し支えない。また、EL発光にあずかる蛍光体も、特に限定されないが、硫化物系が好適に用いられる。
発光素子が有機ELである場合、積層型、ドーピング型更に低分子系、高分子系、何れであっても差し支えない。
発光装置において本発明の蛍光体を単独で使用する方法の他に、他の発光特性を持つ蛍光体と併用することによって、所望の色を発する発光装置を構成することができる。この一例として、330〜420nmの紫外LED発光素子とこの波長で励起され420nm以上480nm以下の波長に発光ピークを持つ青色蛍光体と、本発明の蛍光体の組み合わせがある。このような青色蛍光体としてはBaMgAl10O17:Euを挙げることができる。この構成では、LEDが発する紫外線が蛍光体に照射されると、青、黄の2色の光が発せられ、これの混合により白色の発光装置となる。
以下に示す実施例によってさらに詳しく説明するが、これはあくまでも本発明を容易に理解するための一助として開示したものであって、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、本発明の蛍光体の実施例1〜9、およびその比較例1〜6について説明する。
原料粉末は、平均粒径0.5μm、酸素含有量0.93重量%、α型含有量92%の窒化ケイ素粉末、二酸化珪素粉末、炭酸ストロンチウム粉末、窒化ストロンチウム粉末、酸化ユーロピウム粉末を用いた。
一般式EuSrSiにおいて、表1に示すa,b,c,d,eの値となるように、表2に示す配合で、酸化ユーロピウム粉末、酸化ユーロピウム粉末、炭酸ストロンチウム粉末、窒化ストロンチウム粉末、窒化珪素粉末、二酸化珪素粉末を秤量し、メノウ乳棒と乳鉢で30分間混合を行なった。
Figure 2008266385
Figure 2008266385
得られた混合物を、500μmのふるいを通して窒化ホウ素製のるつぼに自然落下させて、るつぼに粉末を充填した。粉体の嵩密度は約24%であった。なお、原料粉末として窒化ストロンチウム粉末を用いる場合は、粉末の秤量、混合、成形の各工程は全て、水分1ppm以下酸素1ppm以下の窒素雰囲気を保持することができるグローブボックス中で操作を行った。
この混合粉末を窒化ホウ素製のるつぼに入れて黒鉛抵抗加熱方式の電気炉にセットした。焼成の操作は、まず、拡散ポンプにより焼成雰囲気を真空とし、室温から1000℃まで毎時500℃の速度で加熱し、1000℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を0.5MPaとし、毎時500℃で1800℃まで昇温し、1800℃で2時間保持して行った。
焼成後、この得られた焼成体を粗粉砕の後、窒化ケイ素焼結体製のるつぼと乳鉢を用いて手で粉砕し、30μmの目のふるいを通した。
次に、実施例1で合成した化合物をメノウの乳鉢を用いて粉砕し、CuのKα線を用いた粉末X線回折測定を行った。その結果、得られたチャートを図1に示す。
この粉末に、紫外線ランプで波長365nmの光を照射した結果、黄色に発光することを確認した。この粉末の発光スペクトルおよび励起スペクトルを、蛍光分光光度計を用いて測定した結果、図2に示すように、励起および発光スペクトルのピーク波長は375nmに励起スペクトルのピークがあり450nmの青色光励起による発光スペクトルにおいても、570nmの黄色光にピークがある蛍光体であることが分かった。ピークの発光強度は、100カウントであった。なおカウント値は測定装置や条件によって変化するため単位は任意単位である。
実施例1〜9においては実施例1と同様の粉末X線回折パターンが得られ、比較例1〜6では、実施例1と同様の粉末X線回折パターンの他に、未知相のパターンが認められた。
この蛍光体を湿度80%温度80℃の条件で100時間暴露させたところ、輝度の低下はほとんど見られなかった。
また、本発明の蛍光体の平均粒径について好ましい範囲を調べるために、以下の比較例7及び比較例8を作製し、発光強度を測定した。
<比較例7>
実施例1で得た化合物を、更にメノウ乳鉢で粉砕し、エタノール湿式による水簸分級を行い、平均粒径0.02μmの粉末を得た。この粉末の発光強度を測定したところ、36カウントだった。
<比較例8>
実施例1で得た化合物を、窒化珪素製の乳鉢で粉砕し、75μmの目のふるい上に残った粉末の発光強度を測定したところ、75カウントだった。また、この粉末を用いて、実施例10に示す、蛍光体を分散した第一の樹脂の作製を試みたところ、粉末と樹脂との界面には多くの空隙が生じ、均一な分散が出来なかった。
以上の結果から、本発明の蛍光体は、平均粒径0.1μm以上50μm以下の粉体であることで、表面欠陥の影響がなく、励起光の吸収が十分であり、黄色の発光が高い強度で得られることが確認された。
続いて、本発明の蛍光体を用いた発光装置として、実施例10〜12について説明する。
<実施例10>
本発明の蛍光体を用いて、図3に示すような砲弾型白色発光ダイオードランプ1を製作した。
まず、第一のリードワイヤ2にある素子蔵置用の凹部2aに青色発光ダイオード素子4を、導電性ペーストを用いてボンディングし、第一のリードワイヤ2と青色発光ダイオード素子4の下部電極4aとを電気的に接続するとともに、青色発光ダイオード素子4を固定した。
次に、青色発光ダイオード素子4の上部電極4bと第二のリードワイヤ3とを、ボンディングワイヤ5によってワイヤボンディングし、電気的に接続した。
そして、予め作製しておいた蛍光体7を、青色発光ダイオード素子4を被覆するようにして凹部2aにディスペンサで適量塗布し硬化させ、第一の樹脂6を形成した。
最後に、キャスティング法により凹部2aを含む第一のリードワイヤ2の先端部2b、青色発光ダイオード素子4、蛍光体7を分散した第一の樹脂6の全体を第二の樹脂8で封止した。
第一の樹脂6と第二の樹脂8は両方とも同じエポキシ樹脂を使用した。
本実施例では、実施例1の蛍光体を33重量%の濃度でエポキシ樹脂に混ぜ、これをディスペンサを用いて適量滴下して、蛍光体を混合した蛍光体7を分散した第一の樹脂6を形成した。得られた色度はx=0.33、y=0.33であり、白色であった。
<実施例11>
続いて、図3に示すような砲弾型白色発光ダイオードランプ1において、実施例10とは異なる構成の発光装置を作製した。
発光素子として380nmの紫外LEDを用い、実施例1の蛍光体と、青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu)とをシリコーン樹脂からなる樹脂層に分散させて紫外LEDにかぶせた構造とした。
導電性端子に電流を流すと、LEDは380nmの紫外光を発し、これらの光が混合されて白色の光を発する発光装置として機能することが確認された。
<実施例12>
さらに、図4に示すような、基板実装用チップ型白色発光ダイオードランプ11を製作した。
製造手順は、アルミナセラミックス基板19に第三のリードワイヤ12、第四のリードワイヤ13及び壁面部材20を固定する部分を除いては、実施例10の製造手順と略同一である。
本実施例では、壁面部材20を白色のシリコーン樹脂によって構成し、第三の樹脂16と第四の樹脂18とには同一のエポキシ樹脂を用いた。
蛍光体は、実施例1の蛍光体を用い、白色を発することが確認された。
本発明の蛍光体は、従来のサイアロンや酸窒化物蛍光体より高い発光強度を有し、黄色の蛍光体として優れ、さらに励起源に曝された場合の蛍光体の輝度の低下が少ないので、白色LED、無機EL、有機ELなどに好適に使用される窒化物蛍光体である。今後、各種照明装置や表示装置などの発光装置における材料設計において、大いに活用され、産業の発展に大きく寄与することが期待できる。
本発明の実施例1における蛍光体のX線回折チャートを示す図である。 本発明の実施例1における蛍光体の発光および励起スペクトルを示す図である。 本発明の第一の実施形態における発光装置(LED照明器具)の断面図である。 本発明の第二の実施形態における発光装置(LED照明器具)の断面図である。
符号の説明
1…砲弾型発光ダイオードランプ。
2…第一のリードワイヤ。
3…第二のリードワイヤ。
4…青色発光ダイオード素子。
5…ボンディングワイヤ(金細線)。
6…第一の樹脂。
8…第二の樹脂。
7…蛍光体。
11…基板実装用チップ型白色発光ダイオードランプ。
12…第三のリードワイヤ。
13…第四のリードワイヤ。
14…青色発光ダイオード素子。
15…ボンディングワイヤ(金細線)。
16…第三の樹脂。
18…第四の樹脂。
17…蛍光体。
19…アルミナセラミックス基板。
20…側面部材。

Claims (9)

  1. 一般式Mで表される蛍光体であって(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)、
    0.00001≦a≦0.05・・・(1)
    0.08≦a+b≦0.19・・・(2)
    0.28≦c≦0.36・・・(3)
    0.08≦d≦0.19・・・(4)
    0.36≦e≦0.48・・・(5)
    a+b+c+d+e=1・・・(6)
    であることを特徴とする蛍光体。
  2. 前記M元素はMn,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる一種以上の元素であり、前記A元素はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,II価の原子価をとる希土類元素であり、前記B元素はC,Si,Ge,Sn,Ti,Hf,Mo,W,Cr,Pb,Zrから選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記蛍光体は、平均粒径0.1μm以上50μm以下の粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体。
  4. 焼成することにより、M、A、B、O、N元素からなる組成物(ただし、M元素は付活剤、A元素はII価の価数をとる元素、B元素はIV価の価数をとる元素、Oは酸素、Nは窒素)を構成しうる原料混合物を、0.1MPa以上1OOMPa以下の圧力の窒素雰囲気中において1500℃以上2200℃以下の温度範囲で焼成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
  5. 前記組成物において、前記M元素はMn,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる1種以上の元素であり、前記A元素はMg,Ca,Sr,Ba,Zn,II価の原子価をとる希土類元素から選ばれる一種以上の元素であり、前記B元素はC,Si,Ge,Sn,Ti,Hf,Mo,W,Cr,Pb,Zrから選ばれる1種以上の元素であることを特徴とする請求項4に記載の蛍光体の製造方法。
  6. 前記原料混合物を、炭素若しくは炭素含有化合物の共存下で焼成することを特徴とする請求項4または5に記載の蛍光体の製造方法。
  7. 前記原料混合物が、種子として予め合成した目的とする蛍光体粉末を添加してある混合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
  8. 発光光源と蛍光体から構成される発光装置であって、少なくとも請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光体を用いることを特徴とする発光装置。
  9. 前記発光光源が330〜500nmの波長の光を発するLED、無機EL、有機ELのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
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