JP2008266366A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の第一の課題は、洗浄剤を含むマイクロカプセルを高濃度で含むペースト状の洗浄剤を得ることにより油性の汚れを容易に取り除くこと、第二の課題は洗浄用溶剤単独、あるいはエアゾールタイプの噴霧型の洗浄剤と異なり、溶剤の垂れ落ちや空気中への飛散を防止すること、第三の課題として汚れが付着した支持体に傷が付きにくい洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】油性物質に対し洗浄能力を有する成分を内包するマイクロカプセルとビヒクル成分からなる洗浄剤組成物とし、特に洗浄能力を有する成分がリモネンが好ましい。ビヒクル成分としては水、有機溶剤、界面活性剤から選ばれる1種以上の成分からなり、洗浄剤組成物中に占める質量比率は5〜60%の範囲が好ましい。マイクロカプセルの一次粒子径が、1〜100μmの範囲が好ましい。洗剤組成物中に占める質量比率は5〜90%の範囲が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘稠液状またはペースト状の性状を有する洗浄用組成物に関するものである。
一般に汚染物質の種類は、鉱物系の無機系物質と皮脂成分などからなる有機系物質とに大別される。衣類等に付着したこれらが混在した汚れは、家庭用洗剤を用いることにより比較的容易に洗浄することが可能である。しかしながら、機械油、食用油、油性塗料、油性フェルトペン、粘着剤、接着剤、チューイングガムなどの油性汚染物質等は、市販の家庭用洗剤だけでは容易に取りきれない場合が多い。そこで、ドライクリーニング法を用いるか、市販の油性のベンジンオイルや有機溶剤スプレータイプの洗浄剤を用いて、汚れ部分を直接浸したり、汚れ部分に噴霧したりして、布地やブラシ等で強制的に擦り落とす操作が必要となる。また、最近では公共建造物への落書きが問題化している。大面積の壁部分の汚れを落とす際には溶剤が多量に必要になるため、有機溶剤スプレータイプの洗浄剤では空気中への飛散量が多くなり、環境への悪影響や、人が吸い込んだり皮膚に付着することによる健康被害も無視できないものとなっていた。また、火災の危険性もあった。
また、通常クレンザーと称される粉末状洗浄剤(磨き粉)は、主たる成分として粒子状の鉱物性研磨剤と界面活性剤とからなり、汚れを物理的に掻き落とすものである。しかし、ガラスや貴金属など比較的柔らかい支持体を対象に強く擦りすぎると、細かな傷がつき支持体の光沢を著しく損なうことがあるため、高価なものの洗浄剤としてはふさわしくない。特に、炭酸水素ナトリウム(重曹)は、結晶が大きく、かつ堅く角張っていて、引っ掻き傷を伴いやすいものであるため、柔らかな支持体に対しては不向きであった。
洗浄剤の環境や人体への悪影響、柔らかい支持体の擦過傷などの課題を解決するために、洗浄剤を内包するマイクロカプセルを繊維やシートに含浸又は付着させたシートを得て、水に浸したり、圧力を加えたりして、マイクロカプセルを破壊することにより、直接特別な洗浄剤を吹き付けたりしなくても、汚れを除去できるシートの提案が成されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、手の力のみでマイクロカプセルを完全に破壊するためには、極めて強い力が必要であり、破壊されずに洗浄に寄与しなかったマイクロカプセルが多く残存することになるため、充分汚れが落ちないばかりでなく、洗浄に与らなかったマイクロカプセルが多量にシート上に残存してしまうために非効率的であるという欠点があった。さらに、繊維やシートにマイクロカプセルを含浸又は付着させる工程が必要となるため、使い捨てを前提とする汎用商品向けには生産性が低く、低コスト化が課題であった。
マイクロカプセルを用いたシートとは異なり、メガネや光学レンズ等の傷つきやすい支持体の汚れを拭き取ることを目的とするシートとして、構成される繊維の材質、太さ、製造方法を工夫することにより、優れた洗浄機能を有する不織布、織布などの布帛が提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。これらの布帛は、微細繊維で構成されているため、汚れを掻き取っても支持体を傷つけることがない。そして、汚れのみを落とすことが可能であるため、使い捨てのシートとして広く使用されている。しかしながら、極細繊維で構成される布帛は、製造工程が複雑で生産性が低いという問題がある。さらに、比較的高価格であるので、メガネ、カメラ等の光学機器、貴金属などの汚れやほこり落としに用途が限定されるものであった。
特開昭61−220623号公報 特開平10−140454号公報 実開平03−010840号公報 特開平05−192284号公報 特開平08−260325号公報
本発明の課題は、環境や人体に悪影響を及ぼすことなく、油性汚染物質を容易に取り除くことができ、油性汚染物質が付着した支持体に傷が付きにくい洗浄剤組成物を提供することである。また、一般的な布帛やスポンジを用いて、効率的に油性汚染物質を取り除くことができる洗浄剤組成物を提供することである。
本発明は、油性汚染物質に対し洗浄能力を有する成分(以下、洗浄用溶剤という)を内包するマイクロカプセルとビヒクル成分とを少なくとも含有してなる洗浄剤組成物である。好ましくは、洗浄用溶剤ががリモネンである。また、ビヒクル成分が、水、有機溶剤と界面活性剤から選ばれる1種以上の成分であり、かつ洗浄剤組成物中に占めるビヒクル成分の質量比率が5〜60%の範囲であることが好ましい。さらに、マイクロカプセルの一次粒子径が、1〜100μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、洗浄剤組成物中に占めるマイクロカプセルの質量比率が5〜90%の範囲である。
本発明の洗浄剤組成物を汚染部分に少量付着させた後、その上から布帛やスポンジ素材で軽く擦りつけることによって、マイクロカプセル内の洗浄用溶剤が流出して、油汚れ、塗料、油性フェルトペンなどの油性汚染物質を容易に落とすことが可能である。通常の家庭内や公共建造物では、火災の危険性があるため多量の有機溶剤を噴霧することは困難であるが、洗浄用溶剤をマイクロカプセル化した形態にすることによって、添加量を自由に加減することが可能となり、安全性を高めることができる。本発明の洗浄剤組成物は、常温で液状の溶媒成分であるビヒクル成分を含有しているため、粘稠液状またはペースト状の性状を有している。そのため、サラサラの粉末状態や噴霧状態の洗浄剤と異なり、粉舞や空気中への拡散を極力抑えることが可能で、取扱性に優れている。よって、環境や健康上の点からも、好ましい洗浄剤組成物であるといえる。洗浄剤組成物中に占めるビヒクル成分の質量比率が5〜60%の範囲であると、取扱性に優れた洗浄剤組成物となる。洗浄剤組成物中に占めるマイクロカプセルの質量比率が5〜90%の範囲であると、洗浄力と取扱性のバランスに優れた洗浄剤組成物となる。
本発明において、洗浄剤溶剤としてリモネンを用いると、油性汚染物質に対する洗浄力が高いために、布帛として微細繊維で構成されるものを使用しなくても、効率的に汚れを除去することができる。マイクロカプセルの一次粒子径が、1〜100μmの範囲である場合、弱い力でもマイクロカプセルを破壊することができ、効率的に油性汚染物質を除去することができる。
本発明に係わる洗浄用溶剤としては炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、動植物油等の有機溶剤等が挙げられる。洗浄用溶剤の具体例としては、ブチルアルコール(3異性体を含む)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアルコール、テルペンアルコール、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、不飽和脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、スチレン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキセン等、
α−ピネン、デカリン、石油エーテル、石油ベンジン、石油ナフサ、リグロイン、工業ガソリン、灯油、ソルベントナフサ、ミネラルスピリット、ショウノウ油、テレピン油、テルペン類、コハク酸、グリタル酸、アジピン酸のジメチルエステル等の炭化水素類や脂肪酸エステル類等、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、臭化メチル等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
洗浄用溶剤の中でも、比較的マイクロカプセル化し易く、なおかつ油性汚染物質に対する洗浄効果が高いものとして、テルペン類であるリモネンを好適に用いることができる。リモネンは単環式モノテルペンの一種で、天然にはd体とl体の2種類が存在する。特に、d体はレモンなど柑橘類全般の果皮に含まれ、洗浄力だけでなく、抗菌性にも優れるため、特に好ましい洗浄用溶剤として挙げられる。
本発明で用いられるマイクロカプセル化法は特に限定されない。具体的方法としては、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、パンコーティング法、界面重合法、インサイチュー法、液中硬化被覆法等が挙げられる。内包される洗浄用溶剤の種類に合わせて、マイクロカプセル化の方法を適宜選択することが望ましい。本発明に係わる洗浄用溶剤を内包するマイクロカプセルは、ビヒクル成分と混合されて洗浄用組成物になる。洗浄操作より前の段階では、マイクロカプセルの状態で安定に存在していなければならないが、洗浄操作を行う段になり、油性汚染物質を拭き取る際には、効率的に破壊される必要がある。マイクロカプセルの強度を調節する因子として、膜厚と粒子径の要因が大きい。特に、粒子径が小さいほど、剪断応力に対して壊れにくくなるため、マイクロカプセルは極力大粒子に設定することが望ましい。しかし、あまりに大きすぎると、ビヒクル成分と混合する際に容易にマイクロカプセルが破壊されてしまうため、両者を満足する粒子径に設定する必要がある。これら両者の条件を満たす粒子径の条件として、マイクロカプセルの一次粒子径としては、1〜100μmの範囲が好ましく、5〜50μmの範囲がより好ましいことが分かった。なお、本発明で述べる一次粒子径とは、米国コールター社製粒度測定装置マルチサイザーII型で測定した体積平均粒子径をいう。
マイクロカプセル壁材の具体例としては、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、メラミンホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ワックス類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マイクロカプセルとビヒクル成分の混合方法は特に限定はされない。マイクロカプセルの分散媒が水溶性成分であり、ビヒクル成分が水と非混和性の性状のもの、すなわち油溶性の成分であれば、ビヒクル中にマイクロカプセルを分散するために、脱水又は乾燥装置を用いて、マイクロカプセルに対して粉体化などの固形化を行う必要がある。マイクロカプセルを固形化するための乾燥装置としては、ドラムドライヤー、スプレードライヤー、フリーズドライヤー等の市販の乾燥装置が使用可能である。また、マイクロカプセルの分散媒が水溶性成分で、なおかつビヒクル成分も水溶性であれば、敢えてマイクロカプセルを固形化する必要はないため、両者を混合するのみでよい。固形化によって得られるマイクロカプセルの乾燥粉体の粒子径は、マイクロカプセルの一次粒子径の大きさにも影響を受けるが、10〜1000μmの範囲に設定されることが好ましい。1000μmを超えるとマイクロカプセルが弱くなって、ビヒクル成分との混合中に破壊されることがあるため好ましくない。また、洗浄剤組成物自体もざらつきが大きくなり、支持体の傷等の原因となる可能性が出てくるので好ましくない。
本発明に係わるビヒクル成分は、洗浄用溶剤を内包するマイクロカプセルを洗浄に適した粘性に調節し使いやすくするために必要な成分であり、室温で液体であることが好ましく、水、有機溶剤、界面活性剤の中から選ばれる1種以上の成分から構成されることが好ましい。本発明では、洗浄用溶剤を内包するマイクロカプセルとビヒクル成分を混合する際に、粘稠液状またはペースト状の洗浄剤組成物として使用しやすい粘性になるように、ビヒクル成分の種類と配合量が決められる。洗浄剤組成物中のビヒクル成分の質量比率が高いと、液粘性が低くなり過ぎて流れやすくなり使いにくい場合がある。また、マイクロカプセルの質量比率が低下することになるので、洗浄力の低下をもたらす場合もある。なお、ビヒクル成分として揮発性の有機溶剤を選択した場合、その比率が高いと環境中への蒸発拡散量が増して、作業環境上問題となる場合がある。逆に、洗浄剤組成物中のビヒクル成分の質量比率が大きくなると、洗浄剤組成物の粉舞やダマの発生などが問題となる場合がある。これらのバランスを配慮すると、洗浄剤組成物中のビヒクル成分の質量比率は5〜60%の範囲であることが好ましい。
ビヒクル成分として有機溶剤を使用した場合には、マイクロカプセル内の洗浄用溶剤と共に相乗的な洗浄効果を発揮する場合もある。有機溶剤を選択する場合には、この相乗的な洗浄効果と有害性に考慮して、種類や添加量を決めることが好ましい。ビヒクル成分として用いられる有機溶剤の具体例としては、洗浄剤溶剤の具体例として挙げた成分と同一でもよい。また、水溶性、油溶性どちらでもかまわないが、マイクロカプセルの壁材に悪影響を与えず、揮発しにくい高沸点の化合物から選択されることが好ましい。
ビヒクル成分として用いることが可能な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、フーゼル油、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコール類
フェノール、クレゾール等のフェノール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセタール等のエーテル類、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メシチルオキシド、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類の他にエチレンジアミン、トリエチレンテトラミンなどの多価アミン類等や動植物油類などが挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いられる。
界面活性剤の具体例としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは、単独又は組み合わせて用いられる。
本発明の洗浄剤組成物を構成する成分として、洗浄用溶剤を内包するマイクロカプセルとビヒクル成分以外に、必要であれば、汚れを吸着するための多孔質顔料、研磨剤、pH調整剤、水質軟化剤、香料、酸化防止剤、着色剤、流動性改良材、造粒剤などを添加することも可能である。これらの成分は、本発明の効果を阻害しない範囲で、種類と量を考慮して添加されることが望ましい。
本発明で用いられる洗浄剤組成物の中に占める洗浄用溶剤を内包するマイクロカプセルの固形質量比率は5〜90%の範囲、好ましくは20〜60%の範囲で添加することが好ましく、5質量%未満であると洗浄効果が乏しくなることがある。90質量%を超えると粘稠液状又はペースト状といった状態が失なわれ、パサパサした感触になることがあり、好ましくない場合がある。
実施例1
マイクロカプセル分散液の調製
メラミン粉末5質量部に37質量%ホルムアルデヒド水溶液7質量部と水30質量部を加え、pHを8に調整した後、約70℃まで加熱して、メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した10質量%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100質量部中に、洗浄用溶剤としてd−リモネン80重量部を激しく撹拌しながら添加し、粒子径が20μmになるまで乳化を行った。得られた乳化液に、上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加して、70℃で2時間撹拌を施した後、pHを9まで上げて、乾燥固形分濃度40質量%のマイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルの一次粒子径は20μmであった。
洗浄剤組成物の調製
上記マイクロカプセル分散液をスプレードライヤーで、水分含有率1質量%まで乾燥し、粉体粒子径100μmのマイクロカプセル粉体を得た。このマイクロカプセル粉体50質量部に、汚れ吸着成分として無水ゼオライト粒子を固形質量部で8質量部、さらにビヒクル成分として有機溶剤であるt−ブチルアルコール40質量部、ノニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(商品名:Tween20、キシダ化学)2質量部を添加し、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例2
洗浄用溶剤としてd−リモネンの代わりに、炭化水素類溶剤であるミネラルスピリットを用いた以外は、全て実施例1と同様の操作でペースト状の洗浄剤組成物を得た。実施例2のマイクロカプセルの一次粒子径は20μmであり、粉体粒子径は100μmであった。
実施例3
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)15質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子8質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール75質量部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを2部添加し、ニーダーでよく混練りして、粘稠液状の洗浄剤組成物を得た。
実施例4
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)32質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子8質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール58質量部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを2部添加し、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例5
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)70質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子8質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール20質量部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを2部添加し、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例6
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)85質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子を5質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール10質量部を添加して、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例7
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)92質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子2質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール6質量部を添加し、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例8
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)87質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子9質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール4質量部を添加し、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例9
d−リモネンのマイクロカプセルの一次粒子径を0.8μmとした以外は実施例1と同様の処方で洗浄剤組成物を得た。
実施例10
d−リモネンのマイクロカプセルの一次粒子径を1.5μmとした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を得た。
実施例11
d−リモネンのマイクロカプセルの一次粒子径を90μmとした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を得た。
実施例12
d−リモネンのマイクロカプセルの一次粒子径を135μmとした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を得た。
実施例13
d−リモネンのマイクロカプセルの一次粒子径を200μmとした以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を得た。
実施例14
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)6質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子を34質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール58質量部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート2質量部を添加して、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例15
実施例1で調製されたd−リモネンのマイクロカプセル粉体(粉体粒子径100μm)4質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子を36質量部、ビヒクル成分としてt−ブチルアルコール58質量部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート2質量部を添加して、ニーダーでよく混練りして、ペースト状の洗浄剤組成物を得た。
実施例16
実施例1で得られたマイクロカプセル分散液(乾燥固形分濃度40質量%)175質量部に、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子8質量部を添加し、よく分散させた。この分散液をフィルタープレス装置を用いて処理し、水分を除去した。得られた脱水物(乾燥固形分濃度78%)をペースト状の洗浄剤組成物とした。
(比較例1)
d−リモネン50質量部をマイクロカプセル化せずそのまま用い、汚れ吸着剤として無水ゼオライト粒子を固形質量部で8部、さらにビヒクル成分としてt−ブチルアルコール40質量部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート2質量部をニーダーでよく混練りして、洗浄剤組成物を調製した。得られた洗浄剤組成物はペースト状にはならず、低粘性の液状であった。
(比較例2)
ビヒクル成分であるt−ブチルアルコールとポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは使用せず、洗浄剤マイクロカプセル92質量部と無水ゼオライト粒子8部のみを混合してビヒクル成分を含まない粉体の洗浄剤組成物を得た。
(比較例3)
d−リモネンのマイクロカプセル粉体50質量部の代わりに、平均粒径300μmの炭酸水素ナトリウム(重曹)50質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして洗浄剤組成物を得た。
<評価1:洗浄能力>
厚さ200μmのアルミ板に、黒発色の油性フェルトペン(商品名:マジックインキ、寺西化学工業)を用いて、間隙なく直線を書き並べ、3cm2四方の黒色塗膜部分を形成した。塗膜部分をよく乾燥させて、洗浄能力確認用の試料とした。実施例および比較例で得られた洗浄剤組成物1gを塗膜部分の中心部におき、アルミ板上の塗膜部分を手拭きで10回擦った後の塗膜部分の変化を目視で評価した。洗浄能力は5段階で評価した。
5:アルミ板の地肌が完全に見えるまでに、塗膜部分がきれいに落ちた状態。
4:アルミ板の地肌がほとんど見えるまでに、塗膜部分が落ちた状態。
3:塗膜部分が僅かに残っている状態。
2:塗膜部分が落ちているが、アルミ板の地肌が薄く曇っている状態。
1:塗膜部分が全く落ちていない状態。
<評価2:アルミ板の損傷>
評価1で用いた綿布地を用いて10回擦った後のアルミ板の地肌の傷つき状態を目視で判断した。
<評価3:環境汚染度>
汚れ(塗膜部分)以外にまで、洗浄剤組成物が拡散または流出したかを、目視と臭気で評価した。環境汚染度は3段階で評価した。
3:塗膜部分以外への洗浄剤組成物の拡散または流出なし。
2:塗膜部分以外に洗浄剤組成物の拡散または流出があったが、5cm2四方内に収まっていた。
1:洗浄剤組成物が5cm2四方を超えて拡散または流出した。
実施例と比較例の洗浄剤組成物を評価した結果を表1に示す。
Figure 2008266366
実施例1〜16の洗浄剤組成物は、洗浄能力が高く、綿布地で擦るだけで油性の汚れを除去することができた。また、汚れ以外の部分にまで、洗浄用溶剤が飛散又は流出することがなかった。これに対し、洗浄用溶剤をマイクロカプセル化せずに用いた比較例1の洗浄剤組成物では、汚れ以外の部分にまで洗浄用溶剤が流出していた。また、ビヒクル成分を添加しなかった比較例2の洗浄用組成物では、粉舞が起こって、マイクロカプセルのロスが見られ、洗浄能力が低くなった。さらに、アルミ板に傷が見られた。油性汚染に洗浄能力を有する成分として重曹を用いた比較例3の洗浄剤組成物では、アルミ板に大きな傷が多数確認された。また。洗浄能力も低いものであった。
実施例1と実施例2の洗浄剤組成物を比較すると、洗浄用溶剤としてd−リモネンを用いた実施例1の方が高い洗浄能力を示した。
実施例1、実施例3〜8を比較すると、洗浄剤組成物中のビヒクル成分の質量比率が5〜60%である実施例1、5〜7の洗浄剤組成物はペースト状であり、取扱性にすぐれたものであった。ビヒクル成分の質量比率が77%である実施例3の洗浄剤組成物は、流動性が高めであり、洗浄剤の一部が汚染部分以外のところまで流れ出すことがあった。しかし、市販のスプレータイプの洗浄剤(有機溶剤比率80質量%以上)と比較すると、環境汚染度は低いものであった。ビヒクル成分の質量比率が4%である実施例8の洗浄剤組成物は、洗浄能力、アルミ板の損傷、環境汚染度の評価結果は優れたものであったが、ぱさついたペースト状態であり、一部ダマが発生していた。
実施例1、9〜13を比較すると、マイクロカプセルの一次粒子径が1〜100μmである実施例1、10および11の洗浄剤組成物は、使用前のカプセル破壊が無く、洗浄能力も良好であった。マイクロカプセルの一次粒子径が100μmを超えている実施例12および13の洗浄剤組成物では、洗浄に使用する前に破壊されているマイクロカプセルがあった。また、マイクロカプセルの一次粒子径が1μm未満である実施例9の洗浄剤組成物では、マイクロカプセルを破壊するために、大きな圧力が必要となり、評価1において、10回こすっただけでは、汚れを完全に落としきることができなかった。20回擦ると、アルミ板の地肌がほとんど見えるまでに、塗膜部分が落ちていた。
実施例7の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物中のマイクロカプセルの質量比率が90%を超えているため、少しぱさついた感触のあるペースト状態であった。実施例15の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物中のマイクロカプセルの質量比率が5%未満であるため、評価1において、10回こすっただけでは、汚れを完全に落としきることができなかった。30回擦ると、塗膜部分が僅かに残っているのみであった。評価2において、アルミ板に傷が見られた。
本発明の洗浄剤組成物の使用対象としては、台所の流し、換気扇、コンロ付近の油汚れはもちろんのこと、建造物に描かれた落書き、自動車、印刷機のロール、ビル壁やビル窓などの大面積の部分が挙げられる。

Claims (5)

  1. 油性汚染物質に対し洗浄能力を有する成分を内包するマイクロカプセルとビヒクル成分とを少なくとも含有してなる洗浄剤組成物。
  2. 油性汚染物質に対し洗浄能力を有する成分がリモネンである請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. ビヒクル成分が、水、有機溶剤、界面活性剤の中から選ばれる1種以上の成分からなり、かつ洗浄剤組成物中に占める質量比率が5〜60%の範囲である請求項1記載の洗浄剤組成物。
  4. マイクロカプセルの一次粒子径が、1〜100μmの範囲である請求項1記載の洗浄剤組成物。
  5. 洗浄剤組成物中に占めるマイクロカプセルの質量比率が5〜90%の範囲である請求項1記載の洗浄剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR3095657A1 (fr) * 2019-04-30 2020-11-06 Valeo Systemes D'essuyage Utilisation d’une composition de microcapsules pour le nettoyage d’un véhicule
FR3114818A1 (fr) * 2020-10-07 2022-04-08 Valeo Systèmes D’Essuyage Ensemble de lavage pour un système de projection d’un liquide de lavage

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