JP2008266222A - 強皮症に合併する指先の潰瘍に対するコラーゲンペプチドの作用 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することを目的とした組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、上述の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、高用量のコラーゲンペプチドを摂取することにより、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができることを見いだし、本発明を解決するに至った。具体的には、本発明は、10〜30 gのコラーゲンペプチドを含む、強皮症の治療のための医薬組成物、または10〜30 gのコラーゲンペプチドを含む、食品組成物を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、上述の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、高用量のコラーゲンペプチドを摂取することにより、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができることを見いだし、本発明を解決するに至った。具体的には、本発明は、10〜30 gのコラーゲンペプチドを含む、強皮症の治療のための医薬組成物、または10〜30 gのコラーゲンペプチドを含む、食品組成物を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、強皮症の症状を改善するための医薬組成物または食品組成物を提供することに関する。
強皮症は
皮膚が硬くなる変化を症状とする病気である。強皮症は、広義には、内臓にも変化をともなう全身性強皮症(汎発性強皮症)と皮膚とその下部の筋肉のみをおかすが重症化はしない限局性強皮症の二つのタイプにわけられるが、狭義には全身性強皮症のみのことを指す。
皮膚が硬くなる変化を症状とする病気である。強皮症は、広義には、内臓にも変化をともなう全身性強皮症(汎発性強皮症)と皮膚とその下部の筋肉のみをおかすが重症化はしない限局性強皮症の二つのタイプにわけられるが、狭義には全身性強皮症のみのことを指す。
狭義の強皮症である全身性強皮症の中にも様々な病型があることがわかっており、国際的には全身性強皮症を大きく、典型的な症状を示す「びまん型全身性強皮症」と、比較的軽症型の「限局型全身性強皮症」との2つに分ける病型分類をしている。前者は発症より5〜6年以内に進行することが多く、後者の軽症型では進行はほとんどないか、あるいは緩徐であることが知られている。
広義の強皮症に含まれる「
限局性強皮症」、および狭義の強皮症に含まれる「限局型全身性強皮症」の場合には、皮膚硬化の範囲も狭く、重い内臓病変もないため、症状を抑える治療法(対症療法)のみが行われている。しかしながら、「びまん型全身性強皮症」の場合には、皮膚や内臓が硬化あるいは線維化することから、有効な治療法が模索されている。
限局性強皮症」、および狭義の強皮症に含まれる「限局型全身性強皮症」の場合には、皮膚硬化の範囲も狭く、重い内臓病変もないため、症状を抑える治療法(対症療法)のみが行われている。しかしながら、「びまん型全身性強皮症」の場合には、皮膚や内臓が硬化あるいは線維化することから、有効な治療法が模索されている。
この狭義の強皮症である
全身性強皮症は、日本国内に現在6,000人の患者が存在すると推定されており、その男女比が1:9であり、30〜50歳代の女性に好発するという特徴があることが知られている。そして、症状としては、レイノー現象(寒冷刺激や精神的緊張により、指先が突然白色や紫色に変化し、短時間のうちにもとにもどる現象);皮膚硬化;爪上皮(爪のあま皮)の黒い出血点、指先の少しへこんだ傷痕、指先や関節背面の潰瘍、毛細血管拡張、皮膚の石灰沈着、皮膚の色が黒くなったり、逆に黒くなった皮膚の一部が白くなったりする色素異常などの他の皮膚症状;肺線維症;強皮症腎クリーゼ(腎臓の血管に障害が起こり、その結果高血圧が生じるもの);逆流性食道炎(食道下部が硬くなり、その結果胃酸が食道に逆流して起こるもの。胸焼け、胸のつかえ、逆流感);などの症状が、その病期の状況に応じて、多岐にわたって発現することを特徴としている。
しかしながら、全身性強皮症の病因は複雑であり、現在のところはっきりとはわかっていないが、3つの異常、すなわち:
(1)線維芽細胞の活性化(その結果、コラーゲンが多量に産生され、皮膚や内臓の硬化が生じる);
(2)血管障害(その結果、レイノー現象や指尖部の潰瘍などが生じる);
(3)免疫異常(自己の細胞の核と反応する抗核抗体が産生される);
が病因と深く関連していると考えられている。
全身性強皮症は、日本国内に現在6,000人の患者が存在すると推定されており、その男女比が1:9であり、30〜50歳代の女性に好発するという特徴があることが知られている。そして、症状としては、レイノー現象(寒冷刺激や精神的緊張により、指先が突然白色や紫色に変化し、短時間のうちにもとにもどる現象);皮膚硬化;爪上皮(爪のあま皮)の黒い出血点、指先の少しへこんだ傷痕、指先や関節背面の潰瘍、毛細血管拡張、皮膚の石灰沈着、皮膚の色が黒くなったり、逆に黒くなった皮膚の一部が白くなったりする色素異常などの他の皮膚症状;肺線維症;強皮症腎クリーゼ(腎臓の血管に障害が起こり、その結果高血圧が生じるもの);逆流性食道炎(食道下部が硬くなり、その結果胃酸が食道に逆流して起こるもの。胸焼け、胸のつかえ、逆流感);などの症状が、その病期の状況に応じて、多岐にわたって発現することを特徴としている。
しかしながら、全身性強皮症の病因は複雑であり、現在のところはっきりとはわかっていないが、3つの異常、すなわち:
(1)線維芽細胞の活性化(その結果、コラーゲンが多量に産生され、皮膚や内臓の硬化が生じる);
(2)血管障害(その結果、レイノー現象や指尖部の潰瘍などが生じる);
(3)免疫異常(自己の細胞の核と反応する抗核抗体が産生される);
が病因と深く関連していると考えられている。
上記の(3)と関連して、狭義の強皮症である全身性強皮症である「びまん型全身性強皮症」と「限局型全身性強皮症」に関しては、抗トポイソメラーゼ I(Scl-70)抗体や抗RNAポリメラーゼ抗体が存在することを「びまん型全身性強皮症」の指標とし、一方、抗セントロメア抗体が存在することを「限局型全身性強皮症」の指標として、それぞれ区別することができると考えられている。
しかしながら、これらの異常が原因なのか、それとも何らかの原因に基づく結果なのか、は知られていないため、治療方法としては、(1)ステロイド少量内服(皮膚硬化に対して)、(2)シクロホスファミド(肺線維症に対して)、(3)プロトンポンプ阻害剤(逆流性食道炎に対して)、(4)プロスタサイクリン(血管病変に対して)、(5)ACE阻害剤(強皮症腎クリーゼに対して)、(6)エンドセリン受容体拮抗剤(肺高血圧症に対して)などの対症療法に頼らざるを得ない。
全身性強皮症は、ほぼ半数の事例で、レイノー現象から発症し、ほぼ100%の事例で、その疾患の進行の過程でレイノー現象を発症することが知られている。レイノー現象とは、寒冷刺激や精神的緊張によって、手の指や足の指が発作的に血行障害を起こす現象で、白色、紫色に変化した段階でしばしばしびれ感、冷感、違和感、痛みなどの自覚症状をともなう。そして、レイノー現象が悪化すると、指先の潰瘍などを発症する危険性もある。そのため、レイノー現象に対して適切に対処することは、強皮症の治療において重要な課題である。
レイノー現象を防止するためには、誘引となる寒冷刺激や精神的緊張を避けることが必要である。その一方で、レイノー現象が発現してしまったときは、手を擦り合わせたり、マッサージをして暖めるか、何らか他の手段(例えばカイロ)などを用いて手を暖めることにより、症状の改善を図ることができる他、血管拡張薬、抗血小板薬、凝固・線溶改善を主とする薬剤などを投与することによる薬物治療や、血漿交換療法、フォトフェレーシス、近赤外線療法、神経ブロックなどの治療も行われている。
これまで、コラーゲンの代謝が関与している可能性のある疾患において、いくつかの試みが行われている。例えば、もろい爪の治療において、ゼラチンを使用することにより、もろい爪の症状が改善したことが報告されている(非特許文献1)。また、骨関節炎の患者に対して、コラーゲンペプチドを1日10グラム投与することにより、疼痛および身体機能に関して、有意な改善効果があったことが報告されている(非特許文献2)。さらに、ゼラチンの摂取により、摂取後数時間の指の血流促進もまた、報告されている(非特許文献3)。
Resenberg S., et al., Arch. Dermat. & Syph., 76: 330-335, 1957 Moskowitz R.W., Semin. Arthrit. Rheumat., 30: 87-99, 2000 Mulinos M.G. and Kadison E.D., Angiology, 16: 170-176, 1965
Resenberg S., et al., Arch. Dermat. & Syph., 76: 330-335, 1957 Moskowitz R.W., Semin. Arthrit. Rheumat., 30: 87-99, 2000 Mulinos M.G. and Kadison E.D., Angiology, 16: 170-176, 1965
本発明は、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することを目的とした組成物を提供することを課題とする。
本発明は、上述の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、高用量のコラーゲンペプチドを摂取することにより、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができることを見いだし、本発明を解決するに至った。
具体的には、本発明は、コラーゲンペプチドを含む、強皮症の治療のための医薬組成物を提供する。
コラーゲンペプチドは、コラーゲンを加熱して変性させてゼラチンを作製し、これをさらに分解して得られるもののことを言う。コラーゲンは、分子量30万ダルトンで水に対して不溶性であり、ゼラチンは、分子量が10万ダルトンで水に対して難溶性であるのに対して、コラーゲンペプチドは、分子量が3000〜8000ダルトンで水に可溶性であることを特徴としている。本発明においては、特に、3000〜5000ダルトンのコラーゲンペプチドを使用することが好ましい。
コラーゲンペプチドは、コラーゲンを加熱して変性させてゼラチンを作製し、これをさらに分解して得られるもののことを言う。コラーゲンは、分子量30万ダルトンで水に対して不溶性であり、ゼラチンは、分子量が10万ダルトンで水に対して難溶性であるのに対して、コラーゲンペプチドは、分子量が3000〜8000ダルトンで水に可溶性であることを特徴としている。本発明においては、特に、3000〜5000ダルトンのコラーゲンペプチドを使用することが好ましい。
コラーゲンは、ヒトの食用に供される動物のタンパク質の合計含量の1/3を占めるタンパク質であり、また、構成するアミノ酸の1/3がグリシンであり、1/4がプロリンまたは水酸化プロリンであることを特徴とする。
コラーゲンは、経口摂取しても極めて安全性が高いことはこれまでも当該技術分野において周知である。また、コラーゲンがこのようなアミノ酸構成を有することから、コラーゲンペプチドも、同様のアミノ酸組成を有することを特徴としており、したがって、コラーゲンペプチドを摂取することにより、グリシンによる生理活性、あるいはプロリンや水酸化プロリンによる生理活性を、体内で発揮させることも可能である。
コラーゲンペプチドを経口摂取した場合の体内動態は、いくつかの論文により明らかにされている。具体的には、コラーゲンペプチドを経口摂取した場合に、血液中には、遊離の水酸化プロリンや、小さなペプチド態の水酸化プロリンが出現すること(Imaoka et al., Res. Comm. Chem. Pathol. Pharmacol., 78: 97-108, 1992)、そして、その様な血液中に出現するペプチド態にプロリンと水酸化プロリンが結合したジペプチド(Pro-Hyp)が含まれること(Iwai et al., J. Agric. Food. Chem., 53: 6531-6536, 2005)が知られている。
本発明において使用するコラーゲンペプチドは、食用に供する動物に由来する動物に由来するものであればどのようなものであってもよい。原料であるコラーゲンの供給源となる動物としては、ウシ、ブタ、ウマ、トリ、サカナなどを利用することができる。例えば株式会社ニッピが販売するペプタイドAFC、AFD、PRA、FEC、PSG、PS-1、PD-1、PRA-P、FCP、FCP-A、FCP-ASを使用することができる。本発明において好ましくはブタを利用する。また、それぞれの動物のどのような部位からコラーゲンを入手してもよいが、コラーゲン含量が豊富な組織、例えば皮膚から取得することが一般的である。本発明においては、ブタの皮膚から取得することが好ましく、その様なコラーゲンペプチドとしては、例えば株式会社ニッピが販売するペプタイドPSGを使用することができる。
本発明においては、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善するため、上述したコラーゲンペプチドを、一日当たり10〜30 g摂取することを特徴とする。現在上市されているコラーゲンペプチドは、通常一日あたりの用量を、10 gを上限としている。しかしながら、本発明においては、一般的な用量を超える用量のコラーゲンペプチドを投与することにより、強皮症の症状改善の効果が得られることを初めて明らかにしたものである。
上述したコラーゲンペプチドの一日当たりの用量は、環境要因、症状の重症度、個人の体質などに応じて、10〜30 gのあいだで変動させることができる。例えば、冬期は寒冷刺激によりレイノー現象を発症しやすいことからコラーゲンペプチドの日用量を30 gとするが、夏期は、気温が高くなることによりレイノー現象を発症しにくい環境状況になるため、10 gにまで減少させても症状の発症・進行を阻害することができる。一方、症状が軽度である場合には、10 g程度のコラーゲンペプチドを投与することにより症状の発症・進行を阻害することができるが、症状が重度である場合にはコラーゲンペプチドの日用量を30 gとすることができる。
本発明はまた、コラーゲンペプチドを含む、食品組成物も提供する。この食品組成物は、10〜30 gのコラーゲンペプチドを含むことを特徴とする。このようなコラーゲンペプチドを含む食品組成物は、毎日の食事への添加物として、日常的に摂取することができる。摂取の態様は、どのような態様であってもよく、例えば1日1回で必要用量を摂取しても、1日に2〜3回に分割して必要用量を摂取してもよい。さらに、コラーゲンペプチドを単独で摂取しても、液体に溶解して飲んでも、さらには食事中に混在させて摂取してもよい。
本発明におけるコラーゲンペプチドとしては、上述したように、3000〜5000ダルトンのコラーゲンペプチドを使用することが好ましい。また、本発明におけるコラーゲンペプチドを含む食品組成物は、粉末、液体、カプセル、錠剤、またはゲルなどのいずれの形状で提供してもよい。例えば、本発明におけるコラーゲンペプチドとして粉末形状のコラーゲンペプチドを使用する場合、例えば株式会社ニッピが販売する粉末形状のペプタイドAFC、AFD、PRA、FEC、PSG、PS-1、PD-1、PRA-P、FCP、FCP-A、FCP-ASを使用することができる。
本発明に基づいて一日当たり10〜30 gという高用量のコラーゲンペプチド摂取することにより、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができる。したがって、本発明により、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができる、コラーゲンペプチドを含む医薬組成物または食品組成物を提供することができる。
本発明においては、強皮症の患者に対して、コラーゲンペプチドを1日当たり10 g〜30 g摂取させることを特徴としている。コラーゲンペプチドとしては、株式会社ニッピのペプタイドPSGを使用した。
本発明のより好ましい態様においては、1日当たり10 g〜30 gのコラーゲンペプチドは、1日当たり用量を複数回に摂取してもよく、例えば3回に分割して、食事の際に食事に混合して摂取した。摂取の方法としては、例えば、コーヒーや紅茶、緑茶などの飲料に溶解してから、みそ汁またはスープなどの液状食に溶解してから摂取した。
コラーゲンペプチドの摂取による強皮症に対する効果は、数値化が困難な強皮症の諸症状に関して改善があったかどうかを、患者による自己申告に基づいてモニタリングして、悪化、軽度悪化、不変、軽度改善、改善の5段階の評価を与えることにより評価した。また、数値化が可能な強皮症の指標、例えば自己抗体の存在度、は、血液中の目的とする抗体の抗体価を測定することにより評価した。
実施例1:症例検討
本実施例は、強皮症の患者における特有の症状が、コラーゲンペプチドを摂取させることにより改善するかどうかについて調べることを目的として行った。
本実施例は、強皮症の患者における特有の症状が、コラーゲンペプチドを摂取させることにより改善するかどうかについて調べることを目的として行った。
本実施例で対象とした強皮症の患者は、いずれも女性で、病歴が10年以上と長い患者であり、2007年1月現在の年齢、症状については以下の表にまとめたとおりである。
症例1〜3の3名の患者に対しては、3年間にわたって、1日当たり、原則として7〜8月は10 g、9〜10月は20 g、11〜4月は30 g、5〜6月は20gのコラーゲンペプチドを、1日3回に分割して摂取させた。一方、症例4の患者に対しては、1年間にわたって、12月は20 g、1〜4月は30 g、5〜6月は20 g、7〜8月は10g、9〜11月は20gのコラーゲンペプチドを、原則として1日3回に分割して摂取させた。食事制限は一切行わず、摂取時間および摂取方法は、すべて自由に行った。
本実施例において使用したコラーゲンペプチドとしては、株式会社ニッピから販売されているブタ皮由来のペプタイドPSGを使用した。このペプタイドPSGは、分子量3000〜5000の、水に可溶性のコラーゲンペプチドであり、他の添加物を含まないものである。
強皮症の症状に対するコラーゲンペプチド摂取の効果は、レイノー現象および手および足の潰瘍の有無、皮膚硬化の自覚症状、および自己抗体を血中の抗体価をモニタリングすることにより行った。具体的には、レイノー現象、手および足の潰瘍、皮膚効果の自覚症状については、5段階で評価し、また自己抗体については臨床検査の常法によって、コラーゲンペプチドの摂取前と比較した効果をモニタリングした。コラーゲンペプチドを摂取させた各症例の、それぞれの年における冬期の症状についての結果を、以下の表2に示す。
これらの結果から、コラーゲンペプチドの摂取により、少なくとも強皮症の症状が悪化することは全くなく、レイノー現象については、1例(症例2)において改善、別の1例(症例3)においてやや改善が見られ、潰瘍(手および足とも)に関してはすべての事例で改善(症例1〜3)または軽度改善(症例4)が見られた。また、皮膚硬化については、1例(症例3)において改善が見られた。その一方で、摂取を中止すべき副作用は観察されなかった。
これらの結果から、コラーゲンペプチドの継続的摂取により、強皮症の諸症状において改善が認められることが明らかになった。
本発明に基づいて一日当たり10〜30 gという高用量のコラーゲンペプチドを摂取することにより、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができる。したがって、本発明により、強皮症の症状、特にレイノー現象とこれに合併する皮膚潰瘍を改善することができる、コラーゲンペプチドを含む医薬組成物または食品組成物を提供することができる。
Claims (7)
- コラーゲンペプチドを含む、強皮症の治療のための医薬組成物。
- 一日当たり10〜30 gのコラーゲンペプチドを摂取することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
- コラーゲンペプチドが、分子量3000〜5000のコラーゲンペプチドである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 10〜30 gのコラーゲンペプチドを含む、食品組成物。
- コラーゲンペプチドが、分子量3000〜5000のコラーゲンペプチドである、請求項4に記載の食品組成物。
- 10〜30 gのコラーゲンペプチドを摂取することを特徴とする、請求項4または5に記載の食品組成物。
- 粉末、液体、カプセル、錠剤、またはゲルの形状である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の食品組成物。
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