JP2008265409A - 車両用加湿器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水道水を使用しなくて済む車両用加湿器を提供することである。
【解決手段】 吸気ダクト3で取り込んだ車外の空気に含まれている水分を、吸湿部材8に吸着させる。この吸湿部材8を回転させ、吸湿エリア13の回転方向Rの下流側の加熱エリア14において加熱器9で加熱する。これにより、吸湿部材8の微細孔8aに吸着されている水分を水蒸気として放出し、送風器11により、水蒸気を含む空気として車両1の室内4に送り込む。
【選択図】 図3
【解決手段】 吸気ダクト3で取り込んだ車外の空気に含まれている水分を、吸湿部材8に吸着させる。この吸湿部材8を回転させ、吸湿エリア13の回転方向Rの下流側の加熱エリア14において加熱器9で加熱する。これにより、吸湿部材8の微細孔8aに吸着されている水分を水蒸気として放出し、送風器11により、水蒸気を含む空気として車両1の室内4に送り込む。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車両の室内を加湿するための車両用加湿器に関するものである。
エアコンの使用等により、特に冬季における車両の室内は乾燥状態となる。このため、室内の空気の乾燥による人体への影響(のどの渇き、皮膚の乾燥等)が懸念されていると共に、静電気による人体への衝撃が発生し易くなる。このような状態を緩和すべく、超音波やヒータによる加湿装置を使用し、予め注入した水を車両の室内に噴射して室内の湿度を上昇させる加湿器が公知である(例えば、特許文献1を参照)。
この種の加湿器の場合、水道水が使用されることが多い。すると、水道水に含まれている不純物(カルシウム等)が析出してシートや窓ガラス等の装備に付着し、室内を汚してしまうおそれがある。また、常に水を補給する必要がある。
特開2005−16763号公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、水道水を使用しなくて済む車両用加湿器を提供することを課題としている。
上記課題を解決するための本発明は、
車両の室内を加湿するための車両用加湿器であって、
車外の空気と接触して、その空気中の水分を吸着する多孔質の吸湿部材と、
前記吸湿部材の一部を加熱して、該吸湿部材に吸着されている水分を水蒸気として放出させる加熱手段と、
前記吸湿部材から放出された水蒸気を含む空気を、該吸湿部材から離れるように送風する送風手段と、
前記水蒸気を含む空気を車両の室内に導く誘導手段と、
を含むことを特徴としている。
車両の室内を加湿するための車両用加湿器であって、
車外の空気と接触して、その空気中の水分を吸着する多孔質の吸湿部材と、
前記吸湿部材の一部を加熱して、該吸湿部材に吸着されている水分を水蒸気として放出させる加熱手段と、
前記吸湿部材から放出された水蒸気を含む空気を、該吸湿部材から離れるように送風する送風手段と、
前記水蒸気を含む空気を車両の室内に導く誘導手段と、
を含むことを特徴としている。
本発明に係る車両用加湿器は、上記したように構成されている。即ち、車外の空気に含まれている水分を多孔質の吸湿部材に吸着させ、その水分を加熱手段で加熱することによって水蒸気として放出し、その水蒸気を含んだ空気を送風手段により、誘導手段を介して室内に導く。このため、室内の空気に適度な湿気が与えられ、乗員の人体に悪影響(のどの渇き、皮膚の乾燥等)を及ぼすことがなくなると共に、水道水を使用しなくても済むため、水道水内の不純物が析出して室内の装備を汚損するおそれがない。更に、水分を外気から自動的に吸収するため、水分を補給する手間も不要となる。
前記加熱手段と前記送風手段とを位置固定に設置させて、前記吸湿部材を、回転移動手段によって自身の軸線周りに回転可能に配設させることができる。
回転手段によって吸湿部材を、自身の軸線周りに回転可能に配設することにより、吸湿部材に水分を吸着させる工程、吸湿部材に吸着された水分を加熱して水蒸気とする工程及びその水蒸気を含んだ空気を室内に送風する工程を順次行わせることができるため、加湿効率が良好になる。
前記吸湿部材を位置固定に設置させて、前記加熱手段及び前記送風手段とを前記吸湿部材の軸線周りに回転可能に配設してもよい。
この場合であっても、上記した各工程を順次行わせることができるため、上記と同様な作用効果が奏される。
更に、前記吸湿部材、前記加熱手段及び前記送風手段のいずれもを位置固定に設置させて、前記吸湿部材に吸着された水分を平衡状態を保持しながら移動させてもよい。
この場合、吸湿部材、加熱手段及び送風手段のいずれもが位置固定されるため、加湿器の構成を簡単なものとすることができる。
前記吸湿部材はゼオライトであることが望ましい。ゼオライトは、低湿度であっても水分を吸着する能力が高いという利点を有しているため、加湿効率が高められる。
前記吸湿部材、前記加熱手段及び前記送風手段を、車両のトランクルーム内に設置することができる。これにより、車両の収納スペースを殆ど減少させることなく、加湿器を設置できる。
本発明の実施例の加湿器100について説明する。図1は本発明の実施例の加湿器100を車両1のトランクルーム2内に設置した状態の模式図、図2は加湿器100の正面図、図3は同じく左側面図である。
図1に示されるように、本発明の実施例の加湿器100は、車両1(自動車)のトランクルーム2内に設置されている。そして、加湿器100に車外の空気中の水分を取り込むための吸気ダクト3が、トランクルーム2に設けられた通気孔2aに接続されていると共に、加湿器100に取り込まれた水分を水蒸気として車両1の室内4に送り込むための排気ダクト5が、加湿器100から延設されている。本実施例の場合、排気ダクト5の先端部は、リアパーシェルボード6(リアシート7の後方部分の荷板)に配置されている。
本実施例の加湿器100について説明する。本実施例の加湿器100は、図2及び図3に示されるように、円板状の吸湿部材8と、吸湿部材8を加熱して吸湿部材8に取り込まれた水分を水蒸気として放出するための加熱器9と、放出された水蒸気を排気ダクト5を介して車両1の室内4に送り込む送風器11とを備えている。吸湿部材8は、その軸線10の部分においてモータ12のモータ軸と連結されている。モータ12を作動させることにより、吸湿部材8は所定方向(本実施例の場合、図3に示されるように時計回りの方向)に低速で回転される。本実施例の吸湿部材8はゼオライトより成り、その表面に形成された多数の微細孔8aが、内部に形成された空洞と連通されている。
吸湿部材8の上部でその右側面側の部分には、吸気ダクト3の終端部3aが近接配置されている。吸気ダクト3によって車外から吸入された空気は、吸気ダクト3の終端部3aから吸湿部材8に吹き付けられる。そして、車外から吸入された空気中の水分は、吸湿部材8(ゼオライト)の微細孔8aに吸着される。即ち、吸湿部材8において、吸気ダクト3の終端部3aが配置されている部分は、空気中の水分を吸湿するための吸湿エリア13となっている。
吸湿部材8の右側面側で、吸湿エリア13よりも回転方向Rの下流側の部分には、加熱器9が配置されている。加熱器9を作動させることにより、吸湿部材8における加熱器9と近接する部分が加熱される。これにより、吸湿部材8の微細孔8aに吸着されている水分が放出され、吸湿部材8内を水蒸気となって浮遊する。即ち、吸湿部材8において、加熱器9が配置されている部分は、吸湿部材8内の水分を放出するための加熱エリア14となっている。
そして、吸湿部材8の右側面側で、加熱エリア14よりも回転方向Rの下流側の部分には、送風器11が配置されている。同じく左側面側には、排気ダクト5の始端部5aが近接配置されている。送風器11を作動させることにより、吸湿部材8における送風器11と近接する部分に送風がなされる。これにより、吸湿部材8内で浮遊する水蒸気は、吸湿部材8から排気ダクト5の始端部5aに入り込み、排気ダクト5を通って車両1の室内4に送り込まれる。即ち、吸湿部材8において、送風器11と排気ダクト5とが配置されている部分は、吸湿部材8内の水蒸気を送風するための送風エリア15となっている。
本実施例の加湿器100の作用について説明する。吸気ダクト3によって車外から加湿器100に送り込まれた空気は、吸湿部材8における吸湿エリア13の部分に吹き付けられる。これにより、吸湿部材8の微細孔8aに、空気中の水分が吸着される。ここで、吸湿エリア13はほぼ一定であるが、吸湿部材8はモータ12によって所定方向に低速回転されているため、吸湿エリア13における吸湿部材8が飽和するおそれはなく、吸湿部材8は、吸湿エリア13において常に水分を吸着することができる。
吸湿部材8が所定方向に回転される。吸湿エリア13の回転方向Rの下流側に存する加熱エリア14において、吸湿部材8が加熱器9によって加熱される。これにより、吸湿部材8の微細孔8aに吸着された水分が放出され、吸湿部材8内を水蒸気となって浮遊する。
更に、吸湿部材8が所定方向に回転される。加熱エリア14の回転方向Rの下流側に存する送風エリア15において、吸湿部材8が送風器11によって送風される。これにより、吸湿部材8内で浮遊する水蒸気が排気ダクト5に入り込む。この水蒸気は、排気ダクト5の先端部から車両1の室内4に送り込まれる。室内4の乾燥状態の空気に、水蒸気が入り込んで加湿される。例えば、室内4の湿度が人体に対して良好な値(設定値)となったことを湿度センサ(図示せず)が感知すると、加熱器9及び送風器11の作動が自動で停止される。吸湿部材8は、モータ12により、所定方向に常に低速回転されていて、室内4の湿度が設定値よりも低くなる(乾燥状態)と、加熱器9及び送風器11の作動が自動で開始される。これにより、車両1の室内4が適度な加湿状態で保持される。
上記した実施例では、加熱器9及び送風器11を位置固定に設置して、吸湿部材8を低速回転させている。これに伴い、吸気ダクト3と排気ダクト5をも位置固定に設置することができるため、加湿器100の設計が容易になる。しかし、吸湿部材8を位置固定にして、加熱器9及び送風器11を所定方向に回転させてもよい。また、吸湿部材8に取り込まれた水分を、吸湿部材8内を何らかの手段で(例えば自重によって)移動させることができるのであれば、すべての部材を位置固定に設置することができる。
本実施例の吸湿部材8はゼオライトより成るが、他の吸湿部材(例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)等)であってもよい。特にゼオライトの場合、他の吸湿部材と比較して低湿度であっても水分の吸着能力が高いという利点がある。
本実施例の加湿器100は、車両1のトランクルーム2内に設置されている。これにより、車両1の収納スペースを殆ど減少させることなく、加湿器100を設置できる。しかし、トランクルーム2以外の場所(例えば、ドア内)であってもよい。
100 加湿器
1 車両
2 トランクルーム
4 室内
5 排気ダクト
8 吸湿部材
9 加熱器(加熱手段)
10 軸線
11 送風器(送風手段)
12 モータ(回転移動手段)
R 回転方向
1 車両
2 トランクルーム
4 室内
5 排気ダクト
8 吸湿部材
9 加熱器(加熱手段)
10 軸線
11 送風器(送風手段)
12 モータ(回転移動手段)
R 回転方向
Claims (6)
- 車両の室内を加湿するための車両用加湿器であって、
車外の空気と接触して、その空気中の水分を吸着する多孔質の吸湿部材と、
前記吸湿部材の一部を加熱して、該吸湿部材に吸着されている水分を水蒸気として放出させる加熱手段と、
前記吸湿部材から放出された水蒸気を含む空気を、該吸湿部材から離れるように送風する送風手段と、
前記水蒸気を含む空気を車両の室内に導く誘導手段と、
を含むことを特徴とする車両用加湿器。 - 前記加熱手段と前記送風手段とは位置固定に設置されていると共に、前記吸湿部材は、回転移動手段によって自身の軸線周りに回転可能に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用加湿器。
- 前記吸湿部材は位置固定に設置されていると共に、前記加熱手段及び前記送風手段は前記吸湿部材の軸線周りに回転可能に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用加湿器。
- 前記吸湿部材、前記加熱手段及び前記送風手段のいずれもが位置固定に設置されていて、前記吸湿部材に吸着された水分が平衡状態を保持しながら移動されることを特徴とする請求項1に記載の車両用加湿器。
- 前記吸湿部材はゼオライトであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用加湿器。
- 前記吸湿部材、前記加熱手段及び前記送風手段が、車両のトランクルーム内に設置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用加湿器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007108034A JP2008265409A (ja) | 2007-04-17 | 2007-04-17 | 車両用加湿器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007108034A JP2008265409A (ja) | 2007-04-17 | 2007-04-17 | 車両用加湿器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008265409A true JP2008265409A (ja) | 2008-11-06 |
Family
ID=40045553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007108034A Pending JP2008265409A (ja) | 2007-04-17 | 2007-04-17 | 車両用加湿器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008265409A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015177968A1 (ja) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | 株式会社デンソー | 加湿装置 |
-
2007
- 2007-04-17 JP JP2007108034A patent/JP2008265409A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015177968A1 (ja) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | 株式会社デンソー | 加湿装置 |
JP2015217917A (ja) * | 2014-05-21 | 2015-12-07 | 株式会社デンソー | 加湿装置 |
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