JP2008265276A - 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法 Download PDF

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由卓 小林
Nobuhiro Usui
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Abstract

【課題】可塑化時における発泡剤の分解の進行をできるだけ抑制し、外観や発泡性の良好な熱可塑性樹脂発泡成形体を製造する。
【解決手段】発泡剤を含有した熱可塑性樹脂を射出機バレル内でスクリューの回転により可塑化して可塑化された熱可塑性樹脂を射出機バレル内に所定量貯留する可塑化工程と、射出機バレル内の可塑化された熱可塑性樹脂を、一対の金型間に形成されるキャビティ内に供給する供給工程と、供給の完了後にキャビティの容積を拡大して発泡をおこなわせる発泡工程と、を備え、可塑化工程では、射出機バレル内における可塑化された熱可塑性樹脂の最大貯留容量の20%以上の容量が貯留されるまで射出機バレルにおいて熱可塑性樹脂の可塑化を行い、供給工程では可塑化完了後20秒以内に400cm/秒以上の射出率で可塑化された熱可塑性樹脂をキャビティ内に供給する。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法に関する。
近年ドアトリムやインストルメントパネル等の自動車内装部品として、熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられており、特に軽量性の観点から、熱可塑性樹脂発泡成形体が用いられている。このような熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法としては、溶融樹脂を金型間に供給し、固化層を形成するまで冷却した後、キャビティ容積を拡大して得られる製造方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平8−300391号公報
しかしながら従来の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法は、可塑化する際の射出機バレル内での滞留時間の影響が考慮されておらず、製品サイズに対して必要以上に大きな装置を用いて可塑化を行い、バレル内で発泡剤の分解が進んでしまうと、シルバーストリーク等の外観不良や目的とする発泡倍率が得られないことなどが生じてしまう。
本発明は、可塑化時における発泡剤の分解の進行をできるだけ抑制し、外観や発泡性の良好な熱可塑性樹脂発泡成形体を製造する方法を提供するものである。
本発明に係る熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法は、発泡剤を含有した熱可塑性樹脂を射出機バレル内でスクリューの回転により可塑化して可塑化された熱可塑性樹脂を射出機バレル内に所定量貯留する可塑化工程と、射出機バレル内の可塑化された熱可塑性樹脂を、一対の金型間に形成されるキャビティ内に供給する供給工程と、供給の完了後にキャビティの容積を拡大して発泡をおこなわせる発泡工程と、を備える。そして、可塑化工程では、射出機バレル内における可塑化された熱可塑性樹脂の最大貯留容量の20%以上の容量が貯留されるまで射出機バレルにおいて熱可塑性樹脂の可塑化を行い、供給工程では可塑化完了後20秒以内に400cm/秒以上の射出率で可塑化された熱可塑性樹脂をキャビティ内に供給する。
本発明によれば、最大貯留容量の20%以上となるように熱可塑性樹脂を可塑化しているので、射出機バレル内での滞留時間が短くなるために発泡剤の分解が進行しにくい。
さらに、可塑化完了後20秒以内に400cm/秒以上の射出率で可塑化された熱可塑性樹脂をキャビティ内に供給しているので、射出機バレル内での滞留時間が短くなり、発泡剤の分解が進行しにくい。
また、供給工程では、熱可塑性樹脂を供給開始する時の金型のキャビティ容積が、熱可塑性樹脂の全量を供給完了したときのキャビティ容積の30%以上かつ100%以下であることが好ましい。このようなキャビティ容積で熱可塑性樹脂を供給開始することにより、樹脂供給時の気泡の成長を抑制し、外観の好ましい発泡成形体が得られる。
本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法によれば、外観および発泡性の良好な熱可塑性樹脂発泡成形体を、短い成形サイクルで効率よく製造することができる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、この説明は本発明の一例であり、本発明がこれに限定されるものではない。
図1は本発明の製造方法により製造される熱可塑性樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と呼ぶことがある)1の断面図であり、表面に形成された、空隙を全く有さないかあるいは殆ど空隙を有さないスキン層2と、空隙bを有する発泡コア層3とから構成されている。発泡成形体の発泡倍率は1.1倍以上であり、好ましくは1.3倍以上である。また、発泡倍率の最大値は特に限定されないが、強度低下を起こさないために10倍以下が好ましく、より好ましくは8倍以下である。この発泡成形体の意匠面側には各種シボ模様や柄模様等の凹凸模様が施されていてもよい。凹凸の溝深さは通常10μm以上500μm以下、好ましくは50μm以上200μm以下である。意匠面とは通常、発泡成形体の片側を示すが、発泡成形体の両側が意匠面となっても構わない。
また、その意匠面の一部に1種類またはそれ以上の種類の表皮材が貼合一体化されていてもよく、表皮材が貼合される場所ついては特に制限されることはない。表皮材を貼合一体化する方法としては成形体を製造した後に接着剤により接着してもよいし、成形体を製造時に同時に基材と融着または表皮材の裏面に樹脂を含浸させることにより貼合一体化してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法としては射出発泡成形や射出圧縮成形等が好ましく適用でき、以下にその代表的な製造方法について記載する。
本実施形態に係る成形装置100は、図2に示すように、雄金型20、雌金型30、射出機60等を主として有する。雄金型20および雌金型30は、通常そのいずれか一方がプレス装置40等に接続されて移動可能とされ、他方は固定され、全体として縦方向または横方向に開閉可能となっている。なお、図2では、一例として雌金型30がプレス装置40に接続され、両金型20、30は縦方向に開閉可能となっている。プレス装置の駆動源は油圧であっても電動機であってもよい。かかる雄金型20、雌金型30は、雄金型外周面20aおよび雌金型内周面30aが互いに嵌合することができ、互いに対向するキャビティ形成面20b、30bとの間にキャビティV(詳しくは後述)を形成することができる。また、雄金型20、雌金型30は、さらには、この状態から金型の開閉方向に相対的に移動することでキャビティVの容積を縮小または拡大して型締め等ができる構造となっている。また、型締め方向は縦方向であっても横方向であっても構わない。
雄金型20には、キャビティ形成面20bと金型の外部とを連通する樹脂供給路28が形成されており、この樹脂供給路28にはノズルL1を介して射出機60が接続されている。なお、樹脂供給路28は、雌金型30及び雄金型20のいずれに形成されていても良く、両方に形成されていても良く、その設置場所や数は、成形体の形状や大きさによって適宜決定される。この樹脂供給路28の外側出口及びその近傍には任意に制御可能な開閉弁を設け、射出機60のバレル内に貯えられた可塑化された熱可塑性樹脂の供給、停止が任意に制御できるようにしておくことが好ましい。
キャビティV内への可塑化された熱可塑性樹脂の供給方法は、金型内に設けた樹脂供給路28を介して射出機60と結ばれた樹脂供給口27からキャビティV内に可塑化された熱可塑性樹脂を供給する方法が好ましい。
射出機60としては、インライン式スクリューを備えた射出機を用いて行うことが好ましい。(図3参照)。この射出機60は、バレル61、バレル61内を回転可能かつ軸方向にも前進後退可能なスクリュー62、バレル61内に発泡剤を含んだ熱可塑性樹脂を供給するホッパ63、スクリュー62の前進、後進、回転を制御するモータ64を主として備える。この射出機60は、油圧または電動のモータ64によりスクリュー62を回転させることで、ホッパ63から供給される、発泡剤を含んだ熱可塑性樹脂をバレル61内で可塑化する。可塑化された熱可塑性樹脂はスクリューの回転に従ってスクリュー62の先端に移動し、スクリュー62の先端とバレル61の先端との間に形成される空間66に貯留されていく(図4参照)。
この工程において、金型のキャビティへの1回の注入に必要な熱可塑性樹脂が貯留(計量)される。この1回の射出のために貯留する可塑化された熱可塑性樹脂の容量が、用いる射出機のバレル61の最大貯留容量の20%以上であることが必要である。ここで、最大貯留容量とは、スクリュー62の回転により可塑化された熱可塑性樹脂をバレル61内の空間66に貯留できる最大の容量である。最大貯留容量の20%未満の場合には、射出機バレル内での滞留時間が長くなるため、発泡剤の分解が進んでしまい、シルバーストリーク等の外観不良や発泡不良等の問題が生じてしまう。また、この工程において、1回の射出のために貯留する可塑化された熱可塑性樹脂の容量が、用いる射出機のバレル61の最大貯留容量の90%以下であることが好ましい。90%超の場合には、可塑化の余裕代がなく、条件変更が必要な際に対応ができない場合がある。
スクリューの回転により発泡剤を含んだ熱可塑性樹脂を可塑化する際には、可塑化された熱可塑性樹脂中に溶け込んだガスが気泡となって成長するのを防止するため、スクリュー62によって空間66内の可塑化された熱可塑性樹脂に対して背圧をかけることが必要である。なお、所定の量の熱可塑性樹脂が空間66に貯留されると、スクリュー62の回転は停止する。
づづいて、バレル61の空間66に貯留された溶融状の可塑化された熱可塑性樹脂を、バレル61の先端に設けられたノズルL1及び、図5に示す樹脂供給路28を介して金型のキャビティV内に供給する。ここでは、図4のスクリュー62を軸方向に移動して、可塑化された熱可塑性樹脂に対してさらに圧力を掛けることにより空間66から可塑化された熱可塑性樹脂を排出させる。可塑化された熱可塑性樹脂の供給開始のタイミングは、射出機60での可塑化が完了した時点から20秒以内であることが必要であり、好ましくは15秒以内である。可塑化完了から20秒を超えると、射出機60のバレル61内での滞留時間が長くなるため、発泡剤の分解が進んでしまい、シルバーストリーク等の外観不良や発泡不良等の問題が生じてしまう。
図5に示す金型キャビティ内への可塑化された熱可塑性樹脂8の充填は、所定のキャビティクリアランスにおいて両金型を閉じた状態での射出充填による方法であってもよいし、開放状態にある両金型間に可塑化された熱可塑性樹脂を供給したのち両金型の型締め動作によって充填してもよいが、より安定的に良好な発泡成形体を得るには、両金型を閉じた状態での射出充填による方法が好ましい。射出充填による場合、発泡前の成形体厚みより小さいキャビティクリアランスあるいは発泡前の成形体厚みになるように両金型を閉じた状態で可塑化された熱可塑性樹脂を供給することができる。このとき、あらかじめ金型キャビティ内を0.1〜10MPa程度の加圧流体で満たしておいてもよいし、金型キャビティ内を真空状態としてもよい。
発泡前の成形体厚みより小さいキャビティクリアランスになるように両金型を閉じた状態で可塑化された熱可塑性樹脂の供給を開始する場合、供給開始時のキャビティクリアランスはその時のキャビティ容積が可塑化された熱可塑性樹脂の発泡前の必要容積に対して通常5容量%以上、100容量%以下となる範囲とすることが好ましく、30容量%以上、100容量%以下とすることがより好ましい。このとき、可塑化された熱可塑性樹脂の供給が進むにつれて、キャビティクリアランスを拡大し、所要量の可塑化された熱可塑性樹脂の供給が完了すると、供給した可塑化された熱可塑性樹脂の容積とキャビティ容積とが略等しくなり、キャビティ内に可塑化された熱可塑性樹脂が充填される。前記のキャビティクリアランスの拡大は、拡大量を制御しながら金型が取り付けられたプレス装置などによって積極的に行なってもよいし、供給する可塑化された熱可塑性樹脂の供給圧力を利用して拡大してもよい。
この際、可塑化された熱可塑性樹脂の供給が完了した時点で可塑化された熱可塑性樹脂の容量よりもキャビティ容積が大きくなることがあるが、この場合には、所定のキャビティクリアランスになるようにクリアランスを縮小する型締めを行うことでキャビティ内に可塑化された熱可塑性樹脂が充填される。
発泡前の成形体厚みと同じキャビティクリアランスになるように両金型を位置させた状態で可塑化された熱可塑性樹脂を供給してキャビティ内に充填する場合には、通常の射出成形における場合と同様に、可塑化された熱可塑性樹脂の供給開始から供給完了までキャビティクリアランスを発泡前の成形体厚みと同じになるように保持しておけばよい。
このような操作により、キャビティV内に可塑化された熱可塑性樹脂が射出機60から供給される。可塑化された熱可塑性樹脂の供給が長時間にわたって行われると、供給中の熱可塑性樹脂の温度低下を来たすため、可塑化された熱可塑性樹脂の供給は速やかに行うことが好ましく、射出率が400cm/秒以上必要であり、好ましくは500cm/秒以上、より好ましくは600cm/秒以上である。この時の射出時間は例えば0.5〜5秒程度である。
両金型の型締め動作により可塑化された熱可塑性樹脂をキャビティ内に充填する方法としては、キャビティクリアランスが発泡前の成形体厚みよりも大きくなるように両金型を開放した状態で所要量の可塑化された熱可塑性樹脂を供給した後、キャビティクリアランスが発泡前の成形体厚みと同じになるように型締めして充填する方法や、キャビティクリアランスが発泡前の成形体厚みより大きくなるように両金型を開放した状態で可塑化された熱可塑性樹脂の供給を開始し、可塑化された熱可塑性樹脂を供給しつつ型締めを開始して、可塑化された熱可塑性樹脂の供給完了と同時または供給完了後にキャビティクリアランスが発泡前の成形体厚みと同じになるように型締めを行う方法が挙げられる。
上記したような方法により、図4に示すバレル61の空間66内の可塑化された熱可塑性樹脂の、キャビティV内への供給を完了する(図6参照)。この状態では、雄金型外周面20aおよび雌金型内周面30aが互いに嵌合した状態となる。可塑化された熱可塑性樹脂8が充填されたキャビティV内は、高圧状態に保たれ、殆ど空隙が存在しない状態にある。この状態で、金型のキャビティ形成面20b、30bに接する可塑化された熱可塑性樹脂8の表面を固化させてスキン層を形成させる。例えば、一般に金型温度は使用する樹脂の融点または軟化点よりも低い温度に設定されているため、この状態を保持して冷却を行なうことにより、供給された可塑化された熱可塑性樹脂は金型のキャビティ形成面20b、30bに接する表面部分より固化しはじめ、やがて空隙の殆どないスキン層が形成される。
金型20、30の温度は用いる熱可塑性樹脂により適宜決定されるが、通常20℃〜80℃程度、好ましくは30〜60℃程度である。この場合、上記した冷却時間は0.1〜5秒程度である。
所定のスキン層が形成された後、図7に示すように、キャビティVを成形体の厚み方向に開放すると、供給された可塑化された熱可塑性樹脂8中に閉じ込められていた気泡核が膨張しながら発泡コア層3が一対のスキン層2の間に形成され、同時に、全体として金型の開き方向、すなわち厚み方向に厚みが増す。
キャビティクリアランスが発泡後の最終成形体厚みになった時点で金型の開放動作を停止し、キャビティクリアランスをこの厚みに保持しつつ、発泡成形体1を冷却する。このとき、キャビティクリアランスを一旦最終成形体厚みより大きくなるように金型を開放した後、熱可塑性樹脂の発泡コア層3の一部がまだ溶融状態にある間に最終成形体厚みになるまで型締めしてもよい。この場合には、発泡成形体表面と金型成形面との密着性をよりよくすることができ、金型形状をより忠実に再現するとともに、冷却効率を上げることもできる。このときの型締め動作は、機械的に制御してもよいし、両金型が上下方向に開放される場合には上型の自重によりキャビティを縮小してもよい。
冷却が完了した後、金型を完全に開放し、最終成形体である発泡成形体1を金型より取り出せば(図8参照)、表面にスキン層2を有し、その内部に発泡コア層3を有する発泡成形体1を得ることができる。
本発明の製造方法に用いられる熱可塑性樹脂としては、圧縮成形、射出成形、押出成形などで通常使用される樹脂を用いることができる。例えばポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルースチレンーブタジエンブロック共重合体、ポリスチレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、スチレンーブタジエンブロック共重合体などの一般的な熱可塑性樹脂、EPMやEPDMなどの熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等があげられる。この中でも特にコストや機械的強度、成形性等の面からMFRが40(g/10分)以上500(g/10分)未満のポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
また、これらの熱可塑性樹脂には必要に応じて通常使用されるガラス繊維、各種の無機もしくは有機フィラーなどの充填材が含有されていてもよく、もちろん通常使用される各種の顔料、滑材、帯電防止剤、安定剤などの各種添加材が配合されていてもよい。
本発明の製造方法に用いられる表皮材としては、例えば、モケットやトリコット等の織物や編み物、ニードルパンチカーペット等の不織布、金属フォイル、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーのシートやフィルムなどが挙げられる。
不織布を構成する繊維としては、例えば、綿、毛、絹、麻等の天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維が挙げられる。不織布は、単一種の繊維から構成されていても、2種以上の繊維から構成されていてもよい。また、天然繊維と合成繊維との混合物で構成されていてもよい。不織布の製造方法は、ニードルパンチ式、サーマルボンド式、スパンボンド式、メルトブロー式、スパンレース式等に分類されるが、いずれの方法で製造された不織布も本発明に適用することができる。
合成樹脂のシートやフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂やポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのシートやフィルムが挙げられ、基材樹脂として使用される熱可塑性樹脂との融着性が良好なものが好ましく使用される。
これらの表皮材は、発泡層や裏打ち層を有する多層表皮材であってもよい。
発泡層としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、軟質または半硬質のポリウレタン発泡体などが挙げられる。
また、裏打ち層としては、例えば、不織布、合成樹脂シートやフィルムなどが挙げられる。
なお、これらの多層表皮材は、熱可塑性樹脂からなる基材部分との接着性の観点から、熱可塑性樹脂との熱融着性が良好なものや表皮材裏面に可塑化された熱可塑性樹脂が含浸して基材樹脂との接着が可能なものなどが好ましく使用される。
本発明の製造方法に用いられる発泡剤は、特に限定されるものではなく、化学発泡剤、物理発泡剤などの公知のものを使用することができる。
化学発泡剤は、用いる熱可塑性樹脂の溶融温度以下では分解せず、熱可塑性樹脂の溶融温度以上で分解または反応するものであれば特に限定されず、無機化合物であっても、有機化合物であってもよく、2種以上を併用してもよい。
無機化合物としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
有機化合物としては、例えば、ポリカルボン酸、アゾ化合物、スルホンヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、イソシアネート化合物などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、例えば、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸などが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)などが挙げられる。
スルホンヒドラジド化合物としては、例えば、p−メチルウレタンベンゼンスルホニルヒドラジド、2,4−トルエンジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。
ニトロソ化合物としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などが挙げられる。
物理発泡剤としては、例えば、窒素、二酸化炭素等の不活性ガス、ブタン、ペンタン等のフロン系以外の揮発性有機化合物などが挙げられる。物理発泡剤は単独でも、2種以上を併用してもよく、化学発泡剤と物理発泡剤を併用してもよい。
本発明の製造方法に用いられる発泡剤に不活性ガスが含まれる場合、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム等、対象となる樹脂に対し反応性を示さず、樹脂を劣化させる恐れのない、常温常圧でガス状の無機物質であることが好ましい。これらは、単独でも、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、二酸化炭素、窒素、これらの混合物は安価であり安全性が高いため、好ましく用いられ、超臨界状態の二酸化炭素、超臨界状態の窒素、およびこれらの混合物が好ましく用いられる。
可塑化された熱可塑性樹脂に超臨界状態の物理発泡剤を混合する方法は、上記物理発泡剤を超臨界状態で射出成形装置のノズルまたはバレル内に注入する方法が挙げられるが、バレル内に注入する方法が可塑化された熱可塑性樹脂と物理発泡剤を均一に混合、分散、溶解させ、発泡成形体を全体的に均一な発泡状態とし、また成形サイクルを短縮する観点から好ましい。
本発明の製造方法に用いられる発泡剤の添加量としては、熱可塑性樹脂に対し、0.05〜10重量部添加することが好ましく、さらに0.1〜8重量部添加することがより好ましい。
本発明の製造方法により得られる発泡成形体は、軽量でかつ外観が好ましいため、その意匠面を塗装等の表面処理をせずに使用でき、自動車内装部品または外装部品、二輪車部品、家具や電気製品の部品、建材などとして幅広く使用することができ、とりわけ、自動車内装部品として有用である。
[材料]
熱可塑性樹脂として住友ノーブレンAU891E2(住友化学社製、MFR 80g/10分)、発泡剤マスターバッチとしてセルマイクMB3064(三協化成社製)を樹脂100重量部に対して2重量部、着色マスターバッチ(黒色)を樹脂100重量部に対して3重量部添加した樹脂組成物を用いた。
[金型]
寸法530×360mm、樹脂供給口を3点有する金型を用いた。
[実施例1]
金型キャビティクリアランスを1.5mmとして、金型を加圧した状態でキャビティ内に発泡剤を含んだ可塑化された熱可塑性樹脂の供給を開始し、2.0mmまでキャビティクリアンランスを拡大しながら可塑化された熱可塑性樹脂の供給を完了した。その1秒後に金型キャビティを3.6mmまで拡大し、30秒間冷却を行った後、金型を開放して発泡成形体を取り出した。
用いた射出成形機のバレルの最大貯留容量1600cmに対し、成形に要した熱可塑性樹脂の可塑化容量は740cmであり、最大可塑化容量の約46%であった。樹脂温度は230℃、金型温度は50℃であった。また、可塑化完了の15秒後に射出率560cm/秒で射出を行った。得られた成形品は、その意匠面にシルバーストリークがなく、発泡セルが緻密で良好な発泡状態であった。
[比較例1]
最大貯留容量が5400cmの射出成形機を用いたこと以外は実施例1と同様に成形を行った。成形に要した熱可塑性樹脂の可塑化容量は、最大貯留容量の約14%であった。得られた成形品は、その意匠面にシルバーストリークが見られた。また、発泡セルが粗く、気泡の割れが見られた。
[比較例2]
射出率を340cm/秒としたこと以外は実施例1と同様に成形を行った。得られた成形品は、発泡状態は良好であったが、意匠面にシルバーストリークが見られた。
[比較例3]
可塑化完了の30秒後に射出を行ったこと以外は実施例1と同様に成形を行った。得られた成形品は、その意匠面にはシルバーストリークは見られなかったが、発泡セルが粗く、不均一であった。
図1は、本発明の方法により製造された熱可塑性樹脂発泡成形体の一部を断面図で示したものである。 図2は、本発明の方法に用いられる金型例及び成形装置をその概略断面図で示したものである。 図3は、図2の射出機の一例をその概略断面図で示したものである。 図4は、図3の射出機の動作の様子を概略断面図で示したものである。 図5は、本発明の製造工程を金型断面の概略図で示したものである。 図6は、本発明の製造工程を金型断面の概略図で示した図5に続くものである。 図7は、本発明の製造工程を金型断面の概略図で示した図6に続くものである。 図8は、本発明の製造工程を金型断面の概略図で示した図7に続くものである。
符号の説明
1:熱可塑性樹脂発泡成形体、2:スキン層、3:発泡コア層、8:可塑化された熱可塑性樹脂、20:雄型(金型)、27:樹脂供給口、28:樹脂供給路、30:雌型(金型)、60:射出機、61:バレル、62:スクリュー、V:キャビティ。

Claims (2)

  1. 発泡剤を含有した熱可塑性樹脂を射出機バレル内でスクリューの回転により可塑化して可塑化された前記熱可塑性樹脂を前記射出機バレル内に所定量貯留する可塑化工程と、
    前記射出機バレル内の前記可塑化された熱可塑性樹脂を、一対の金型間に形成されるキャビティ内に供給する供給工程と、
    前記供給の完了後に前記キャビティの容積を拡大して発泡をおこなわせる発泡工程と、を備え、
    前記可塑化工程では、前記射出機バレル内における前記可塑化された熱可塑性樹脂の最大貯留容量の20%以上の容量が貯留されるまで前記射出機バレルにおいて前記熱可塑性樹脂の可塑化を行い、前記供給工程では前記可塑化完了後20秒以内に400cm/秒以上の射出率で前記可塑化された熱可塑性樹脂を前記キャビティ内に供給する熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
  2. 前記供給工程では、前記熱可塑性樹脂を供給開始する時の前記金型のキャビティ容積が、前記熱可塑性樹脂の全量を供給完了したときの前記キャビティ容積の30%以上かつ100%以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
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