JP2005007875A - 熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外観に優れた熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。(1)原料熱可塑性樹脂発泡シート4を加熱軟化する工程。(2)前記機能性部材の形状に対応する凹部3を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で加熱軟化させた前記発泡シートを供給する工程。(3)金型クリアランスが、加熱軟化した前記発泡シートの厚み以下となるまで型締めしたのち、一旦型締めを停止する工程。(4)型締めを再開し、金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、前記凹部に通ずるように金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂6をインラインスクリュー式樹脂供給機により該凹部に供給する工程。(5)工程(4)で成形された前記成形品を冷却して、金型から取り出す工程。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂発泡成形品は、軽量化等の観点から主にドアトリム、ピラートリム、クォータートリム等の自動車の室内用内装部品やトランク内の区切りトレー等として幅広く使用されている。
熱可塑性樹脂発泡成形品を自動車の室内用内装部品などに用いる場合、該成形品の裏面には補強用のリブや車体等へ取り付けるためのボス、クリップ座等の機能性部材が付与される。このような機能性部材を有する熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法としては、例えば図1に示すように、機能性部材の形状に対応する凹部3を有する一対の金型1,2の間に加熱軟化させた熱可塑性樹脂発泡シート4を供給して、金型クリアランスが、最終熱可塑性樹脂成形品から機能性部材を除いた形状(所定形状)の厚みとなるまで型締めし、金型クリアランスをそのまま保持しながら、金型内に設けられた溶融樹脂通路5を通じて金型の凹部に溶融した熱可塑性樹脂を射出により供給して賦形することにより、熱可塑性樹脂発泡シートに熱可塑性樹脂からなる機能性部材を融着一体化する方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら前記方法では、溶融状態の熱可塑性樹脂の供給圧力が高い場合に図3に示すように溶融状態の熱可塑性樹脂の供給によって熱可塑性樹脂発泡シート4にダメージが発生したり、図4に示すように溶融状態の熱可塑性樹脂6が、金型の凹部から熱可塑性樹脂発泡シート4の表面に漏れ出す場合があった。そこで、外観に優れた熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法の開発が望まれていた。
特開2001−121561
本発明の目的は、外観に優れた熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法である。
(1)原料熱可塑性樹脂発泡シートを加熱して軟化させる工程。
(2)熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状に対応する凹部を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程。
(3)金型クリアランスが、所定形状厚みよりも大きく加熱軟化した熱可塑性樹脂発泡シートの厚み以下となるまで型締めしたのち、一旦型締めを停止する工程。
(4)型締めを再開し、金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、または所定形状厚みになると同時に、前記凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂をインラインスクリュー式樹脂供給機のスクリュー回転により該凹部に供給する工程。
(5)工程(4)で成形された熱可塑性樹脂発泡成形品を冷却して、金型から取り出す工程。
さらに本発明は、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法である。
(1)原料熱可塑性樹脂発泡シートを加熱して軟化させる工程。
(2)熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状に対応する凹部を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程。
(3)金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、または所定形状厚みになると同時に、
(4)前記凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂をインラインスクリュー式樹脂供給機のスクリュー回転により該凹部に供給する工程。
(5)工程(4)で成形された熱可塑性樹脂発泡成形品を冷却して、金型から取り出す工程。
本発明によれば、外観に優れた熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法を提供することが可能となる。
本発明において使用される原料熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂は、該発泡シートに融着される機能性部材を構成する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。原料熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂発泡シートは、二種類以上の熱可塑性樹脂からなっていてもよく、また、同種または異種の多層熱可塑性樹脂発泡シートであってもよい
原料熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂は、耐熱性およびコストの観点から、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレン由来の構成単位を50モル%以上含む共重合体などが挙げられる。該共重合体におけるプロピレンの共重合成分としては、炭素数2または4〜10のα―オレフィンが挙げられる。炭素数2または4〜10のα―オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−へキセン、1−オクテンなどが挙げられる。該共重合体中の共重合成分の含有量は、共重合成分がエチレンの場合は、10重量%以下であることが好ましく、共重合成分が炭素数4〜10のα―オレフィンの場合は、30重量%以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、低レベルの電子線架橋によって長鎖分岐が導入されたポリプロピレン樹脂が好ましく使用される(特開昭62−121704号公報参照)。また、超高分子量成分が導入されたポリプロピレン樹脂も好ましく使用される。
原料熱可塑性樹脂発泡シートは、熱可塑性樹脂と発泡剤とを溶融混練し押出し発泡成形することにより製造することができる。発泡剤は、一般的に使用される無機系や有機系の化学発泡剤や窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスなどの物理発泡剤を使用することができる。
原料熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率は、特に制限されず、目的とする製品に応じて任意に選定できるが、製品剛性の観点から、10倍以下であることが好ましく、製品の軽量化の観点から、2倍以上であることが好ましい。原料熱可塑性樹脂発泡シートの厚みも、特に限定されず、任意な厚みを選定できるが、シートの強度や取り扱いの観点から、熱可塑性樹脂発泡シートの厚みは1mm〜10mmであることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂発泡シートは、その表面に表皮材を備えていてもよい。該表皮材としては、例えば、織布、不織布、編布、シート、フィルム、発泡体などが挙げられる。これら表皮材を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいはシス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体などのゴムや熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。かかる表皮材には、シボなどの凹凸模様、印刷や染色などが施されていてもよい。表皮材は単層であっても、二層以上の層からなる多層構成であってもよく、ソフト感を付与する為にポリオレフィン系の発泡層やポリウレタン系の発泡層を設けた表皮材を用いてもよい。
また、前記熱可塑性樹脂発泡シートの片面または両面に多孔質層を備えていてもよい。該多孔質層は、それを介して機能性部材が熱可塑性樹脂シートに融着され得るものであれば、その形態は特に限定されず、織布、不職布、網状物、連通孔を有する発泡体などが使用できるが、不織布が好ましく用いられる。多孔質層を構成する材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、綿、麻、竹などのセルロース系繊維などの天然繊維、これら各種繊維を混紡した繊維、金属、鉱物などが挙げられる。
前記表皮材や多孔質層の厚みは、目的とする製品に応じて任意に選択が可能であり、該表皮材や多孔質層と熱可塑性樹脂発泡シートは、例えば、接着材による方法や溶着等の一般的な方法により積層される。
本発明における熱可塑性樹脂製の機能性部材とは、前記熱可塑性樹脂発泡シートから突き出すように形成されるものであり、具体的には、熱可塑性樹脂発泡成形品を補強するリブ、熱可塑性樹脂発泡成形品を他部材に取り付けるためのボス、クリップ、フックなどの部材である。
機能性部材を構成する熱可塑性樹脂は、該機能性部材を融着させる熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。機能性部材を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、これらの変性物、二種類以上の前記の樹脂からなるポリマーアロイなどが挙げられる。機能性部材は、二種類以上の熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。機能性部材を構成する熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂発泡シートとの融着強度の観点から、熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂であることが好ましい。
機能性部材を構成する熱可塑性樹脂には、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種の充填材、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明において、機能性部材は、熱可塑性樹脂発泡シートの片面のみに取り付けられてもよく、熱可塑性樹脂発泡シートの両面に取り付けられていてもよい。また、取り付け位置および取り付け個数なども特に限定されない。
本発明に用いる金型は、少なくとも一方の金型には、形成させる機能性部材の個数および形状に対応した個数および形状に対応する凹部が設けられ、該凹部には機能性部材成形用の熱可塑性樹脂を供給するための溶融樹脂通路が設けられている。
また、前記金型の溶融樹脂通路の型外端にはインラインスクリュー式樹脂供給機が接続されている。該樹脂供給機は、インラインスクリュー式樹脂供給機であれば特に限定されることなく、例えば、インラインスクリューを有する射出機や押出機などが挙げられる。
次に、本発明の製造方法の工程の一態様を説明する。
工程(1)は、原料熱可塑性樹脂発泡シートを加熱して軟化させる工程である。加熱手段としては、例えば、遠赤外線や近赤外線のヒーターやオーブンなどが挙げられる。原料熱可塑性樹脂発泡シートの加熱温度は、熱可塑性樹脂の種類により異なるが、例えば、ポリプロピレン製発泡シートの場合には、130〜160℃程度で加熱することが好ましい。
工程(2)は、熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状に対応する凹部を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程である。
工程(3)は、金型クリアランスが、所定形状厚みよりも大きく加熱軟化した熱可塑性樹脂発泡シートの厚み以下となるまで型締めしたのち、一旦型締めを停止する工程である。
工程(3)においては、金型キャビティ内を真空吸引したり、あるいは金型キャビティ内に圧縮空気を加えることが好ましい。
工程(4)は、型締めを再開し、金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、または所定形状厚みになると同時に、前記凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂をインラインスクリュー式樹脂供給機のスクリュー回転により該凹部に供給する工程である。
工程(4)においても、工程(3)に引き続き金型キャビティ内を真空吸引したり、あるいは金型キャビティ内に圧縮空気を加えてもよい。
この金型凹部への溶融状態の熱可塑性樹脂の供給を、通常のインラインスクリュー式射出装置を用いた射出成形のようにバレル内で熱可塑性樹脂を可塑化混練するとともに溶融熱可塑性樹脂をバレル先端部に溜めこみ、溜め込まれた溶融熱可塑性樹脂をスクリューを前進させることにより供給すると、溶融熱可塑性樹脂の供給圧力が高くなり熱可塑性樹脂シートへのダメージが大きくなりやすく、機能性部材の形状に対応する金型凹部から溶融熱可塑性樹脂が漏れ出しやすくなる。よって、本発明では、溶融熱可塑性樹脂の金型凹部への供給は、スクリューを移動させることにより溜め込んだ溶融熱可塑性樹脂を供給するのではなく、スクリューを前進させずに、回転させることにより溶融熱可塑性樹脂を供給する。このように樹脂供給機のスクリューを回転させて溶融状態の熱可塑性樹脂を供給することにより、溶融状態の熱可塑性樹脂の供給圧力を低くすることが可能であり、熱可塑性樹脂発泡シートにダメージを与えることなく、かつ機能性部材の形状に対応する金型凹部から溶融状態の熱可塑性樹脂が漏れ出すことなく機能性部材を成形することができる。
スクリュー回転による金型凹部への溶融熱可塑性樹脂の供給の際、溶融熱可塑性樹脂の供給圧力は、スクリュー背圧やスクリュー回転数など各種方法で制御できるが、スクリューの回転数で制御することが好ましい。供給圧力は、10MPa以下となるよう制御することが好ましく、スクリューの回転数は、5〜100rpmであることが好ましい。
溶融熱可塑性樹脂の供給量の制御は、任意の方法で制御することができるが、スクリューの回転時間で制御するのが好ましい。
工程(5)は、工程(4)で成形された熱可塑性樹脂発泡成形品を冷却して、金型から取り出す工程である。このようにして熱可塑性樹脂発泡成形品を得ることができる。
次に、本発明の製造方法の工程の他の態様を説明する。
本発明の他の態様では、以下の工程を含む。
(1)原料熱可塑性樹脂発泡シートを加熱して軟化させる工程。
(2)熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状に対応する凹部を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程。
(3)金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、または所定形状厚みになると同時に、
(4)前記凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂をインラインスクリュー式樹脂供給機のスクリュー回転により該凹部に供給する工程。
(5)工程(4)で成形された熱可塑性樹脂発泡成形品を冷却して、金型から取り出す工程。
該製造方法は、前記した製造方法と工程(3)および(4)が異なるが、該製造方法によっても、先に記載した製造方法と同様に熱可塑性樹脂発泡シートにダメージを与えることなく、かつ機能性部材の形状に対応する型凹部から溶融状態の熱可塑性樹脂が漏れ出すことなく機能性部材を成形することができ、外観に優れた熱可塑性樹脂発泡成形品を得ることができる。
このようにして得られる熱可塑性樹脂成形品は、外観が良好であることから、ドアトリム、ピラートリム、クォータートリム、パッケージトレイ等の自動車内装部品などに好適に使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法は、特に発泡倍率が2倍以上の発泡層を有する表皮材が積層された熱可塑性樹脂発泡シートを原料として用いる場合に、従来の方法で得られる成形品と比較してより外観に優れた熱可塑性樹脂発泡成形品が得られるため、好ましく適用される。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例により限定されるものでない。
実施例1
図4に示すような、雌型1とリブ形状に対応する凹部3ならびに溶融状熱可塑性樹脂通路5を有した雄型2からなる一対のプレス型(成形面の大きさ:長さ300mm、幅300mm、高さ10mm)を使用した。
原料熱可塑性樹脂発泡シートとしては、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(住化プラステック製:スミセラー発泡PPシート5050、発泡倍率=5倍、厚み=5mm)とオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(共和レザー製、厚み=0.35mm)を熱によりラミネートした発泡積層シートを用いた。
該発泡積層シート4をオーブンで150℃に加熱し、30℃に温度調整された雄型2の成形面上にエラストマー面を雌型側にして載置した後、雌型1を型締め方向に移動させて金型クリアランスが所定形状厚みである5mmになるまで型締めした。10秒間金型内で該発泡積層シートよりなる成形体を冷却した後、インラインスクリュー式射出装置(図示せず)のスクリューを前進させず、30rpmで5秒間回転させることにより、雄型2に設けた樹脂通路5を通じて、凹部3に250℃に溶融したポリプロピレン樹脂(住友化学工業(株)製:AX568、メルトフローレート=65g/10分)約50gを供給した。凹部3に樹脂を充填した後、20秒間冷却し、雄雌型1,2を開いて反表皮材面にリブが融着された熱可塑性樹脂発泡成形品を得た。得られた熱可塑性樹脂発泡成形品は表皮材面につぶれもなく、反表皮材面側のリブ部周辺に樹脂の漏れだしもない良好な外観を有していた。
実施例2
実施例1と同様のプレス金型を使用し、熱可塑性樹脂発泡シートとしては、ポリプロピレン系樹脂発泡シート(住化プラステック製:スミセラー発泡PPシート5050、発泡倍率=5倍、厚み=5mm)にオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(共和レザー製、厚み=0.35mm)と高発泡ポリプロピレン発泡シート(東レ製:PPSM15030、発泡倍率=15倍、厚み3mm)からなる積層表皮を熱によりラミネートした発泡積層シートを用いた。
該発泡積層シート4をオーブンで150℃に加熱し、30℃に温度調整された雄型2の成形面上にエラストマー面を雌型側にして載置した後、雌型1を型締め方向に移動させて金型クリアランスが8mmになるまで型締めし、一旦型締めを停止した。10秒間金型内で該発泡積層シートよりなる成形体を冷却した後、金型クリアランスが所定形状厚みである6mmとなるようさらに雌型を型締め方向に2mm移動させ、インラインスクリュー式射出装置のスクリューを前進させず、30rpmで5秒間回転させることにより、雄型2に設けた樹脂通路5を通じて、凹部3に250℃に溶融したポリプロピレン樹脂(住友化学工業製:AX568、メルトフローレート=65g/10分)約50gを供給した。
凹部3に樹脂を充填した後、30秒間冷却し雄雌型1,2を開いて反表皮材面にリブが融着された熱可塑性樹脂発泡成形品を得た。
得られた熱可塑性樹脂発泡成形品は表皮材面につぶれもなく、反表皮材面側のリブ部周辺に樹脂の漏れだしもない良好な外観を有していた。
比較例1
実施例1で用いた発泡積層シートと金型を使用し、インラインスクリュー式射出装置により溶融樹脂が約50gとなるよう該溶融熱可塑性樹脂をバレル内に溜め込み、溜め込んだ溶融状熱可塑性樹脂を、スクリューを回転させずに前進させて、凹部3に樹脂通路5を通じて供給したこと以外は実施例1と同様にして、発泡積層シートの反表皮材面にリブが融着された熱可塑性樹脂発泡成形品を得た。得られた熱可塑性樹脂成形品は、反リブ側の製品表面がつぶれリブ部周辺には凹部に供給した樹脂が漏れ出していた。
本発明の熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法の一例の概略図である。 本発明の熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法の他の例の概略図である。 熱可塑性樹脂発泡シートに機能性部材が部分的に設けられた熱可塑性樹脂発泡成形品の不良例の概略断面図である。 熱可塑性樹脂発泡シートに機能性部材が部分的に設けられた熱可塑性樹脂発泡成形品の不良例の概略断面図である。
符号の説明
1:雌型
2:雄型
3:機能性部材の形状に対応する凹部
4:熱可塑性樹脂発泡シート
5:溶融状熱可塑性樹脂供給通路
6:溶融状熱可塑性樹脂

Claims (3)

  1. 部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法。
    (1)原料熱可塑性樹脂発泡シートを加熱して軟化させる工程。
    (2)熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状に対応する凹部を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程。
    (3)金型クリアランスが、所定形状厚みよりも大きく加熱軟化した熱可塑性樹脂発泡シートの厚み以下となるまで型締めしたのち、一旦型締めを停止する工程。
    (4)型締めを再開し、金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、または所定形状厚みになると同時に、前記凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂をインラインスクリュー式樹脂供給機のスクリュー回転により該凹部に供給する工程。
    (5)工程(4)で成形された熱可塑性樹脂発泡成形品を冷却して、金型から取り出す工程。
  2. 部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形品の製造方法。
    (1)原料熱可塑性樹脂発泡シートを加熱して軟化させる工程。
    (2)熱可塑性樹脂発泡シートを賦形するための成形部を有し、該成形部に前記機能性部材の形状に対応する凹部を有する雌雄一対の金型間に、工程(1)で軟化させた熱可塑性樹脂発泡シートを供給する工程。
    (3)金型クリアランスが所定形状厚みになるように型締めしたのち、または所定形状厚みになると同時に、
    (4)前記凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂をインラインスクリュー式樹脂供給機のスクリュー回転により該凹部に供給する工程。
    (5)工程(4)で成形された熱可塑性樹脂発泡成形品を冷却して、金型から取り出す工程。
  3. 原料熱可塑性樹脂発泡シートが表皮材および/または多孔質層を有する請求項1または2に記載の製造方法。
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