JP2008264679A - 液体塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で高効率の液体塗布装置を提供すること。
【解決手段】液体Lを噴出する噴出孔15が形成され、弾性的に支持された導電体14と、被塗布物50を載置するステージ52と、導電体14に、ステージ52に対する所定の電位を付加する電源20とを備える、液体Lを噴霧して被塗布物50に液体Lを塗布する液体塗布装置100。このように構成すると、導電体14が振動を起こし、振動を起こすとにより、液体Lは噴出孔周囲のエッジによって切断されさらに細かく霧状となり、また、被塗布物50の広い範囲に付着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体塗布装置に関し、特に、塗布効率の高い液体塗布装置に関する。
基板に樹脂をコーティングする技術としては、古くから種々の技術が知られている。例えば、刷毛やロールコータを使って均一に塗る方法、静電塗装ガンによって基板に塗料のミストを塗布する方法などが知られている。しかしこれらの方法では塗膜の厚みの調整が難しかった。また最近では、高速回転による遠心力を利用して薄膜を形成するスピンコート技術が広く用いられるようになってきている。
スピンコート技術は、比較的小さな円板状の基板に対しては成果を上げてきているが、液晶パネルのような面積の大きな四角形状の基板では、角部分の膜厚が厚くなってしまい、均一な膜厚にできないという問題があった。そこで、塗料を霧状にしてミストを発生させ、ミストを流路に流しながら帯電させ、ミストの流速を減速させた部分にミストと逆の極性に帯電した基板を置き、基板に帯電したミストを吸着させる装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−298667(図1、第5−8頁)
しかし、上記の装置では、エアとともにノズルから噴出された霧化した塗料を帯電させるため、高い電圧が必要となる。そして、絶縁距離などの観点より、高圧電圧値に限界があり、結果として高い塗布効率が得られにくい。また、装置として大きな設備が必要になるという課題もある。そこで、本発明は、簡単な構造で高効率の液体塗布装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る液体を噴霧して被塗布物に液体を塗布する液体塗布装置は、例えば図1に示すように、液体Lを噴出する噴出孔15が形成され、弾性的に支持された導電体14と;被塗布物50を載置するステージ52と;導電体14に、ステージ52に対する所定の電位を付加する電源20とを備える。なおここで、「液体を噴出する噴出孔が形成され、弾性的に支持された導電体」には、導電体自身が弾性的に変形し、噴出孔の周囲が弾性的に支持された状態になっている場合を含むものとする。
このように構成すると、ステージに対する電位が付加された導電体を通じて液体が噴出孔から噴出されるので、液体も帯電し、液体が静電的に分散し、細かな霧状のミストとなる。そして、霧状となった液体(ミスト)は、ステージ上の被塗布物に吸引され、付着する。その際に、弾性的に支持された導電体が振動を起こす。導電体が振動を起こすと、ミストは噴出孔周囲のエッジによって切断されさらに細かく霧状となり、また、噴出孔が振動するので被塗布物の広い範囲に付着する。
また、請求項2に記載の発明に係る液体塗布装置では、例えば図1に示すように、請求項1に記載の液体塗布装置100において、ステージ52が、アースされ;電源20が、導電体14にアースに対する所定の電位を付加する。
このように構成すると、ステージがアースされ、電源がアースに対する電位を導電体に付加するので、電源の構成を簡単にできる。
また、請求項3に記載の発明に係る液体塗布装置では、例えば図1に示すように、請求項1または請求項2に記載の液体塗布装置100において、導電体が、中空ニードル14により構成される。
このように構成すると、導電体が中空ニードルであるので、中空ニードルの先端の噴出孔から液体が噴出され、中空ニードル自体が弾性的に変形するので、中空ニードルが振動を生ずる。
また、請求項4に記載の発明に係る液体塗布装置では、例えば図1に示すように、請求項3に記載の液体塗布装置100において、中空ニードル14の外径が0.2mm以上0.5mm以下で、長さが10mm以上50mm以下である。
このように構成すると、中空ニードルが適切に振動しやすい。
また、請求項5に記載の発明に係る液体塗布装置では、例えば図3に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体塗布装置102において、液体Lが導電性を有し、電源22が、導電性液体Lを通じて導電体14に電位を付加する。
このように構成すると、導電体に電位を付加するための導線を接続する必要がなく、導電体が振動しやすく、また、導電体を移動させやすい。
また、請求項6に記載の発明に係る液体塗布装置では、例えば図1に示すように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体塗布装置100において、導電体14と被塗布物50とを相対移動させる移動装置40を備える。
このように構成すると、液体塗布装置が導電体と被塗布物とを相対移動させる移動装置を備えるので、被塗布物に均一に液体を塗布しやすい。
本発明によれば、液体を噴霧して被塗布物に液体を塗布する液体塗布装置が、液体を噴出する噴出孔が形成され弾性的に支持された導電体と、被塗布物を載置するステージと、導電体にステージに対する所定の電位を付加する電源とを備えるので、ステージに対する電位が付加された導電体を通じて液体が噴出孔から噴出され、液体も帯電し、液体が静電的に分散し、細かな霧状となる。そして、霧状となった液体は、ステージ上の被塗布物に吸引され付着する。その際に、弾性的に支持された導電体が振動を起こす。導電体が振動を起こすと、液体は噴出孔周囲のエッジによって切断されさらに細かく霧状となり、また、被塗布物の広い範囲に付着する。したがって、簡単な構造で高効率の液体塗布装置が提供される。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
先ず、図1を参照して、液体塗布装置100について説明する。図1は、液体塗布装置100の構成を説明する図であり、(a)は液体塗布装置100のブロック図を、(b)は中空ニードル14の先端部の拡大断面図を示す。液体塗布装置100は、塗布する液体Lを貯留する液体タンク30と、液体タンク30からの液体Lと不図示の空気源からの空気A1とを導入して加圧するシリンジ10と、シリンジ10で加圧された液体Lを噴出孔15から噴出する導電体としての中空ニードル14と、中空ニードル14に電位を付加する高圧電源20と、被塗布物50を載置するステージ52と、ステージ52をアースするアース線60とを備える。
ここで、被塗布物50は、典型的には、液晶パネルに用いられる基板または次世代大容量光ディスクを形成するのに用いられる基板などであり、塗布する液体Lは、液晶パネルに用いられる基板の場合には保護膜を形成する導電性の液体であり、次世代大容量光ディスクを形成するのに用いられる基板の場合には光透過保護膜を形成するための導電性の液体である。被塗布物50としてガラスやレンズとして、液体Lはガラスやレンズの保護膜や着色膜を形成する材料など、種々のものが考えられる。以下、被塗布物として基板50とした場合について説明するが、他の被塗布物としても以下の説明はそのまま当てはまる。また、液体Lとしても導電性の液体に限られず、誘電率の高い、すなわち導電率の低い液体であってもよい。なお、導電性の液体の場合には、電位を付加するだけではミスト化されにくく、液体塗布装置100を用いることによりミスト化が促進される。
シリンジ10は、液体タンク30から送られてくる液体Lを、不図示の空気源からの空気A1により加圧して押し出す装置である。液体Lが押し出される側のシリンダには、シリンダより径の細いシリンジ根元12が形成され、その先で中空ニードル14と連接する。シリンジ10に代えて、オペレートバルブ(不図示)を用い、空気A1によりバルブの開閉を行って液体Lを供給してもよい。
シリンジ10では、少なくともシリンジ根元12を金属などの導電性材料で成形する。シリンジ根元12に高圧電源20を接続する。高圧電源20は、例えば20kVという高圧の直流電圧を生ずる電源で、高圧電源20の他端はアースされる。あるいは、後に詳細に説明するステージ52に接続してもよい。
中空ニードル14は、細長い、長手方向の貫通孔が形成された針で、導電性の金属で形成される。中空ニードル14は、片持ち梁のように、その一端をシリンジ根元12で固定支持される。図1(b)の拡大断面図に示すように、中空ニードル14の自由端における貫通孔が液体Lの噴出孔15となる。中空ニードル14は、例えば液体塗布装置100では、外径0.36mm、貫通孔の径0.18mm、長さ33mmの鋼製針である。
液体タンク30からシリンジ10に液体Lを送るために液体チューブ32が配設される。液体チューブ32は液体タンク30の底近くの液体Lをシリンジ10に送るように、液体タンク30の底近くにまで延伸される。液体チューブ32は、典型的には、軟質プラスチックで形成され、シリンジ10の移動に合わせて変形する構造とする。液体タンク30は、密封されており、液体チューブ32に加え、液体タンク30内に空気を送るエアチューブ34が接続する。エアチューブ34は、液体タンク30の上部にまでしか延伸されず、液体L中には浸らない。エアチューブ34には、例えば、コンプレッサや空気ボンベなどの、不図示の加圧装置が接続し、加圧空気を液体タンク30内に送る。エアチューブ34にはエアレギュレータ36が配置され、液体タンク30内に送られる空気を調節する。
シリンジ10には、移動装置40が接続する。移動装置40は、駆動器44から移動アーム42が伸び、移動アーム42の先端でシリンジ10を支持する。移動アーム42は駆動器44から駆動されてシリンジ10を水平面上で移動する。鉛直方向に移動する機能を備えてもよい。移動装置40は、周知の方法で、シリンジ10を支持して、移動する装置であればよい。
噴出孔15が形成された自由端方向に中空ニードル14を延長した先に、ステージ52が設置される。本実施の形態では、中空ニードル14の先端とステージ52とは、45〜55mm離れている。ステージ52は、導電性材料で形成され、上面が被塗布物である基板50を載置するのに適した平面とされる。ステージ52には、アース線60が接続し、ステージ52をアースする。なお、前述の通りに、高圧電源20が接続してもよい。ポリテトラフルオロエチレンコーティングなどにより絶縁体でステージ52の表面を覆った場合には、ステージ52の基板50を載置する平面に例えばアルミ箔(不図示)などの金属あるいは導電性材料を敷設し、導電性材料にアース線60を接続し、あるいは、導電性材料を高圧電源と接続してもよい。この場合には、ステージ52の電位は、基板50と直に接する導電性材料で代表されるものとする。
続いて、液体塗布装置100の作用について説明する。シリンジ10に、所定量の塗布する液体Lを供給する。
液体Lをシリンジ10に供給するために、不図示の加圧装置から加圧された空気A2がエアチューブ34を通って送られる。空気A2の圧力はエアレギュレータ36により調節される。空気A2が送られることにより液体タンク30内の圧力が上昇する。その結果、液体Lが液体チューブ32を通じてシリンジ10へ押し出される。ここで、エアチューブ34が液体タンク30内で液体Lに浸らないので、液体Lの水頭の影響を受けることがなく、また、液体チューブ32が液体タンク30の底近くにまで延伸されているので、液体タンク30内に貯留される液体Lの量が少なくなっても、液体Lを液体チューブ32に押し出すことができる。このように、空気A2の圧力で液体Lをシリンジ10へ送ることにより、少量の液体Lを定量的に送ることができる。なお、液体Lをシリンジ10に送る方法は、上記の方法には限定されず、他の周知の方法でもよい。
シリンジ10に供給される空気A1と液体タンク30に送られる空気A2とは、共通としても、別の空気を用いてもよい。共通とすると、空気の供給源が一つで足りるので、設備の簡略化のために好ましい。しかし、シリンジ10から液体を押し出すために空気A1の圧力を高く設定する場合には、別の供給源として、高圧の空気A1を少量だけ用意するようにするのが好ましい。
シリンジ10に所定量の液体Lが供給されると、液体Lは、空気A1により加圧され、シリンジ10から送出される。すなわち、シリンジ根元12を通って、中空ニードル14に送出される。
ここで、シリンジ根元12が高圧電源20により、高電位に付加されているので、導電体としての中空ニードル14も同電位に付加される。そこで、液体Lがシリンジ根元12から中空ニードル14を通過する際に、液体Lも帯電される。中空ニードル14を高電位にするには、シリンジ根元12を高電位に付加するのではなく、例えば導電性のシリンダ(不図示)を有するシリンジ10のシリンダを高電位に付加してもよい。なお、シリンジ根元12あるいはシリンジ10を高圧電源20により高電位に付加することにより、中空ニードル14を高電位にするので、中空ニードル14に導電線を直に接続することが不要となり、後述する中空ニードル14の振動を減衰させることがなく好適である。また、中空ニードル14の細い貫通孔を通過することで液体Lが帯電されるので、霧状になった液体Lを帯電するのに比べて、小さな電圧で帯電することが出来て、効率がよく、高電圧を付加するための装置が不要となり、装置を簡略化できる。
高電位に帯電した液体Lは、中空ニードル14先端の噴出孔15から噴出される。噴出孔15から噴出されることにより、液体Lは、小さな粒子となり、すなわち霧状のミストMとなる。ここで、液体Lが帯電していることにより、ミストMの帯電した分子同士が静電的に分散し、より細かな霧状となる。ミストMは、アースされたステージ52上に載置された基板50の表面に吸着する。吸着したミストMは、基板50の表面上に液体Lの薄膜を形成する。なお、ミストMは、帯電しているためにアースされたステージ52上に載置された基板50の表面に吸着するので、ミストMの散逸を防止するための囲い等を備えなくても、ミストMの散逸を防止できる。ミストMの散逸を防止することで、液体Lの無駄をなくすことができ塗布効率が高まるとともに、囲い等が不要となり装置が簡略化できる。例えば、従来の霧状にしたミストを帯電して基板に吸着させて塗布する方法に比べ、数10%の塗布効率(基板に塗布された液体Lの使用した液体Lに対する比)の向上が見込める。
図2に示すように、基板50の表面上に液体L(ミストM)の薄膜Fが形成されると、中空ニードル14が振動し始める。図2は、振動する中空ニードル14を説明する部分拡大図である。中空ニードル14は、典型的には、シリンジ根元12を支点に噴出孔15が形成された先端で最大振幅となるような1次モードで振動する。基板50の表面上の帯電した液体L、すなわち薄膜Fと、同極の電位を付加された中空ニードル14との間に斥力が生じ、中空ニードル14は薄膜F、すなわち、基板50から離れようとして曲がるが、中空ニードル14の弾性により元に戻る力が生じ、振動を生ずるものと推量される。
この振動は、液体Lの導電性と粘性、中空ニードル14の剛性と質量等に影響されるが、本実施の形態では、導電率10〜200mS/cm、粘度1.00〜5.00cPの液体Lを用いて、100Hz〜10kHz程度の振動を生じ、振幅は2mm(ピーク−ピークで4mm)程度となる。中空ニードル14が振動することにより、噴出孔15から噴出されるミストMは噴出孔15周囲のエッジによって切断され、さらに細かく霧状となる。すなわち、噴出孔15から噴出された直後に細かくされるので、より細かな霧状になり易くなる。
さらに、振動する噴出孔15から液体Lが噴出されるので、ミストMの分布する領域が広がる。その結果、より広範な範囲の基板50上に液体Lが吸着する。すなわち、広い範囲に液体Lが塗布される。特に、中空ニードル14が一次モードの振動をすると、液体Lを噴出する方向が鉛直下方から傾斜するので、ミストMはより広い領域に分布し、より広い範囲の基板50に液体Lが塗布される。
中空ニードル14の外径を0.2mm以上0.5mm以下とし、長さを10mm以上50mm以下とすると、振動し易いので好適である。長さを10mm以下とすると、振動しても振幅が小さすぎて、噴出孔15から噴出されるミストMを細かくしたり、ミストMが分布する領域を広げるという効果がほとんど得られなくなる。また、長さを50mm以上とすると、固有振動数が小さくなり、振動を生じにくくなる。また、外径が0.2mm以下と細い中空ニードルでは、液体Lが中空を流れにくくなり、外径を0.5mm以上と太くすると、剛性が高くなり、振幅が小さくなり、噴出孔15から噴出されるミストMを細かくしたり、ミストMが分布する領域を広げるという効果がほとんど得られなくなる。
なお、基板50が大きく、1箇所に留まった振動する中空ニードル14の噴出孔15から噴出される液体Lでは基板50の全面に液体Lを塗布することが困難な場合には、図1に示す移動装置40によりシリンジ10を基板50の上方で、主に水平方向に移動させる。この場合にも、噴出孔15から噴出される液体Lが広い範囲の基板50に塗布されるので、シリンジ10の移動量は少なくて済む。また、移動装置40が必ずしも厳密に基板50の形状に従ってシリンジ10を移動しなくても、ミストMが広い範囲に分布するので、基板50の全面を塗布することができる。よって、駆動器44および移動アーム42の機能あるいは構造が簡略化される。
次に図3を参照して、液体塗布装置100の変形例について説明する。図3は、導電体である中空ニードル14に液体Lを通じて電位を付加する液体塗布装置102の構成を説明するブロック図である。液体塗布装置102では、シリンジ10やシリンジ根元12のように中空ニードル14に接続した部分に電位を付加するのではなく、液体タンク30に電位を付加する。すなわち、高圧電源22が、液体タンク30に接続している。このように、液体タンク30に高圧電源22を接続することにより、高圧電源22が接続する装置が、移動装置40で移動されるシリンジ10、シリンジ根元12ではなく、不動の液体タンク30であるので、高圧電源22が構造的に安定するとともに、移動するのがシリンジ10等だけとなるので、移動する部分を軽量化することができる。
液体タンク30に電位が付加されることにより、液体タンク30に貯留される導電性の液体Lが帯電する。液体Lが帯電するので、液体Lから中空ニードル14に電位が付加される。このように液体タンク30に高圧電源22を接続しても、液体Lおよび中空ニードル14が帯電し、噴出孔15から液体Lを噴出することにより中空ニードル14が振動し、噴出孔15から噴出されるミストMが細かな霧状になると共に、液体Lが基板50の広い範囲に塗布される。なお、液体チューブ32に金属製の端子を接続して、液体チューブ32の中を流れる液体Lを帯電させることによっても、同様に、液体Lを帯電させ、その結果として中空ニードル14に電位を付加することができる。
次に図4を参照して、液体塗布装置100の別の変形例について説明する。図4は、シリンジ10ではなく、ステージ52が移動する液体塗布装置104の構成を説明するブロック図である。液体塗布装置104では、シリンジ10ではなく、ステージ52に移動装置70を接続し、ステージ52を、不図示の床面との相対変位を容易にするステージ支え54で支持する。ステージ支え54は、車輪あるいは滑りやすい硬い球形の接地部分を有する支持具などの、相対変位を容易にする構成であればよい。移動装置70は、移動装置40と同様に駆動器74と移動アーム72を備え、駆動器74が移動アーム72を駆動することで、ステージ52を主に水平方向に移動する。ステージ52が移動することにより、ステージ52上の基板50も主に水平方向に移動する。よって、移動しない、すなわち固定されたシリンジ10から押し出され、噴出孔15から噴出される液体Lを基板50の全面に塗布することができる。なお、移動するステージ52に接続するアース線62は、ステージ52の移動に追随できるよう、柔軟な構成とする。液体塗布装置100のようにシリンジ10や中空ニードル14が移動しても、液体塗布装置104のようにステージ52や基板50が移動しても、液体Lを噴出する噴出孔15と被塗布物である基板50とが相対移動されれば、基板50の広い範囲あるいは全面に、むらなく、液体Lを塗布することができる。
ステージ52が移動する液体塗布装置104では、シリンジ10を移動しなくてもよいため、チューブ32を鋼製の配管とすることもできる。このように構成すると、液体タンク30や鋼製の配管に高圧電源20を接続しても、液体Lを介さずに直接的に中空ニードル14に電位が付加されるので、中空ニードル14を高電位に維持し易い。なお、移動装置40でシリンジ10を移動すると、ステージ52より軽量のシリンジ10を移動するので、移動装置40を小型化でき、また、移動に要するエネルギが少なくて済む。また、アース線60が固定されたステージ52に接続するので、堅牢に構成できる。
続いて、図5を参照して、導電体の別の構成を説明する。図5は、弾性体82に支持されたドーナッツ形の導電体84を説明する部分断面図である。これまでの説明では、導電体を中空ニードル14として説明したが、導電体は、液体Lを噴出する噴出孔85が形成された導電性の物体で、弾性的に支持されていればよい。ここで、「弾性的に支持されている」とは、外力により変位すると、元の位置に戻るように力が作用し、変位が大きければ作用する力も大きくなるような支持をいう。必ずしも、変位と作用する力が線形の関係でなくてもよい。
図5に示す導電体としての金属ノズル84は、シリンジ80の先端に配置されている。シリンジ80の円筒形の胴部86の先端は、中空円板形の弾性体であるゴム枠82と、ゴム枠82の中空部に嵌められた金属ノズル84とが一体となった面でほぼ覆われており、噴出孔85だけが貫通している。シリンジ80では、円筒形の胴部86内に液体L(図1参照)を導入し、空気A1(図1参照)により加圧し、液体Lを金属ノズル84に形成された噴出孔85から噴出する。金属ノズル84は、不図示の高圧電源に接続し、あるいは、液体Lを介して、高電位に付加される。
金属ノズル84の噴出孔85から噴出された液体Lは、金属ノズル84に電位が付加されているので、これまで説明した中空ニードル14の噴出孔15から噴出される液体Lと同様に帯電し、液体Lの帯電した分子同士が静電的に分散し、細かな霧状のミストMとなる。ミストMは、アースされたステージ52上に載置された基板50の表面に吸着する。吸着したミストMは、基板50の表面上に液体Lの薄膜Fを形成する。
基板50の表面上に液体Lの薄膜Fが形成されると、金属ノズル84が振動し始める。図2を参照して説明したのと同様に、基板50の表面上の帯電した薄膜Fと、同極の電位を付加された金属ノズル84との間に斥力が生じ、金属ノズル84は薄膜F、すなわち、基板50から離れようとして変位するが、ゴム枠82の弾性により元に戻る力が生じ、振動を生ずるものと推量される。振動は、ゴム枠82および金属ノズル84で形成された面内での振動モードには限られず、該面に対し傾斜する変位を生ずるモード等を含むのが典型的である。
このように金属ノズル84が振動することにより、噴出孔85から噴出されるミストMは噴出孔85周囲のエッジによって切断され、さらに細かく霧状となる。すなわち、噴出孔85から噴出された直後に細かくされるので、より霧状になり易くなる。さらに、振動する噴出孔85から液体Lが噴出されるので、ミストMの分布する領域が広がる。その結果、より広範な範囲の基板50上に液体Lが吸着する。すなわち、広い範囲に液体Lが塗布される。特に、金属ノズル84が面に対し傾斜する変位を生ずるモードの振動をする場合には、液体Lを噴出する方向が鉛直下方から傾斜するので、ミストMはより広い領域に分布し、より広い範囲の基板50に液体Lが塗布される。
導電体を金属ノズル84で形成し、ゴム枠82で弾性的に支持するシリンジ80では、導電体84が振動することによる金属疲労の結果生ずる破損の恐れがなく、また、金属ノズル84の形状、質量と、ゴム枠82の弾性とを適宜調整できるので、設計の自由度が増すという利点がある。一方、導電体を中空ニードル14で形成すると、弾性的な支持も中空ニードル14で行われ、構成が単純化されるという利点がある。
導電体および導電体を弾性的に支持する構成は、上記に限られない。例えば、中空ニードル14において、噴出孔15が形成された先端部を金属製として他の部分を硬質プラスチックなどで形成して弾性的に支持してもよい。なお、この場合には、先端部に電位を付加するための導線を硬質プラスチックの部分を介して配線するのが好ましい。あるいは、シリンジ80において、ゴム枠82の代わりに、金属製の薄板で金属ノズル84を支持してもよい。
液体塗布装置の構成を説明する図であり、(a)は液体塗布装置のブロック図を、(b)は中空ニードルの先端部の拡大断面図を示す。 振動する中空ニードルを説明する部分拡大図である。 中空ニードルに液体を通じて電位を付加する液体塗布装置の構成を説明するブロック図である。 ステージが移動する液体塗布装置の構成を説明するブロック図である。 弾性体に支持されたドーナッツ形の導電体を説明する部分断面図である。
符号の説明
10 シリンジ
12 シリンジ根元
14 中空ニードル(導電体)
15 噴出孔
20、22 (高圧)電源
30 液体タンク
32 液体チューブ
34 エアチューブ
36 エアレギュレータ
40 移動装置
42 移動アーム
44 駆動器
50 基板(被塗布物)
52 ステージ
54 ステージ支え
60、62 アース線
70 移動装置
72 移動アーム
74 駆動器
80 シリンジ
82 ゴム枠
84 金属ノズル(導電体)
85 噴出孔
86 胴部
100、102、104 液体塗布装置
A1、A2 空気
F (液体の)薄膜
L 液体
M ミスト

Claims (6)

  1. 液体を噴霧して被塗布物に液体を塗布する液体塗布装置であって;
    前記液体を噴出する噴出孔が形成され、弾性的に支持された導電体と;
    前記被塗布物を載置するステージと;
    前記導電体に、前記ステージに対する所定の電位を付加する電源とを備える;
    液体塗布装置。
  2. 前記ステージが、アースされ;
    前記電源が、前記導電体にアースに対する所定の電位を付加する;
    請求項1に記載の液体塗布装置。
  3. 前記導電体が、中空ニードルにより構成される;
    請求項1または請求項2に記載の液体塗布装置。
  4. 前記中空ニードルの外径が0.2mm以上0.5mm以下で、長さが10mm以上50mm以下である;
    請求項3に記載の液体塗布装置。
  5. 前記液体が導電性を有し、
    前記電源が、前記導電性液体を通じて前記導電体に前記電位を付加する;
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体塗布装置。
  6. 前記導電体と前記被塗布物とを相対移動させる移動装置を備える;
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体塗布装置。
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